JP3376139B2 - 超音波トランスジューサとその製造方法 - Google Patents

超音波トランスジューサとその製造方法

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JP3376139B2
JP3376139B2 JP32601394A JP32601394A JP3376139B2 JP 3376139 B2 JP3376139 B2 JP 3376139B2 JP 32601394 A JP32601394 A JP 32601394A JP 32601394 A JP32601394 A JP 32601394A JP 3376139 B2 JP3376139 B2 JP 3376139B2
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piezoelectric
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groove
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智 手塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を被検体に送信
し、被検体からの反射波を受信する超音波トランスジュ
ーサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、圧電振動子を二次元配列した超音
波トランスジューサを用い、走査方向に加えてスライス
方向にもダイナミックフォーカス等の手法を用い超音波
画質を向上させる試みがなされている。
【0003】前記圧電振動子を二次元配列した超音波ト
ランスジューサの一例を図13に示す。図13に示すよ
うに、圧電振動子を二次元配列した超音波トランスジュ
ーサ100は、超音波を発生する圧電板101と、圧電
板101の超音波射出面に形成された銀電極103a
と、圧電板101の超音波射出面と対向する面に形成さ
れた銀電極103bと、銀電極103bと電気的に接続
されるプリント配線板105と、超音波射出面と対向す
る面への振動を吸収するとともに振動継続を防止するバ
ッキング材107と、超音波の被検体への送信を効率良
くする音響整合層109とから成る。また、圧電板10
1と直交する方向に所定の間隔で行われる主分割111
により形成される二次元配列した複数の圧電振動子10
1aと、各圧電振動子101a内で圧電板101と直交
する方向で行われるサブダイス分割113により形成さ
れるサブダイス振動素子101bとを備える。このサブ
ダイス101bは、各圧電振動子101a内で発生する
不要振動モードを除去する。
【0004】次に、従来の超音波トランスジューサ10
0の製造方法の一例を図14〜図21を用いて説明す
る。
【0005】まず、図14に示すように、圧電板101
の超音波射出面(以下、表面と記す)と超音波射出面と
対向する面(以下、裏面と記す)に予め銀を焼き付ける
ことにより、銀電極103a(表面側)と銀電極103
b(裏面側)を形成する。
【0006】次いで図15に示すように、銀電極103
bに所定ピッチ(単位圧電振動子の配列ピッチ)で分割
溝115を設ける。この分割溝115は、エッチング処
理やダイシングソーによって設けられる。
【0007】次いで図16に示すように、圧電板101
とプリント配線板105とを電気的かつ機械的に接続す
る。この接続は、圧電振動子101aの配列ピッチに応
じて分割された銀電極103bと、圧電振動子101a
の配列ピッチに応じてプリント配線板105に設けられ
た導体露出部105aとを対向配置し、銀電極103b
と導体露出部105aとを導通させた状態で非導電性接
着剤117を用いて接着することにより行われる。
【0008】次いで図17に示すように、プリント配線
板105の裏面にバッキング材107を接続する。
【0009】次いで、図18に示すように、圧電板10
1と直交する方向に所定の間隔で行われる主分割111
により、圧電振動子101aを形成する。さらに、圧電
振動子101a内で圧電板101と直交する方向で行わ
れるサブダイス分割113により、サブダイス振動素子
101bを形成する。
【0010】次いで図19に示すように、主分割111
とサブダイス分割113による分割溝に樹脂119を充
填する。その後、銀電極103aと樹脂119の表面側
に共通電極121を形成する。
【0011】次いで図20に示すように、共通電極12
1の表面側に音響整合層109を形成する。
【0012】次いで図21に示すように、音響整合層1
09を前記主分割111とサブダイス分割113に対応
させて分割する。その後、その分割溝に樹脂123を充
填する。
【0013】このようにして圧電振動子101aを二次
元配列した従来の超音波トランスジューサ100が製造
される。
【0014】ここで、圧電板101を完全に分割(以
下、フルカットと記す)することにより圧電振動子10
1aとサブダイス101bを形成すると、溝深さ精度不
良によってプリント配線板105の配線パターンを切断
する可能性と、フルカットによる外力が加わることによ
り、圧電板101とプリント配線板105との電気的接
続を損なう可能性がある。
【0015】このため、プリント配線板105の配線パ
ターンを切断する可能性のある方向の主分割111とサ
ブダイス分割113は、圧電板101を完全に分割せ
ず、途中で分割を停止(以下ハーフカットと記す)させ
ている。なお、主分割111とサブダイス分割113
は、音響整合層109を形成した後に行うことも有り得
る。
【0016】なお、図14〜図21に示した超音波トラ
ンスジューサ100の製造方法は、一方向のみ着目した
ものであって、実際は、図14〜図21に示した工程の
間に図示しない他の方向の分割等の工程が入るため、更
に複雑となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電振
動子を二次元配列した従来の超音波トランスジューサ
は、圧電板をハーフカットすることにより形成される圧
電振動子を備えているので、圧電振動子間の電気的、音
響的漏れが多いという問題がある。また、圧電振動子を
二次元配列した従来の超音波トランスジューサは、前記
圧電振動子内で圧電板をハーフカットすることにより形
成されるサブダイス振動素子を備えているが、このサブ
ダイス振動素子は、超音波射出側と対向する側が固定さ
れているので、新たな不要振動を有し、各圧電振動子の
超音波特性を劣化させるという問題がある。
【0018】したがって、圧電振動子を二次元配列した
従来の超音波トランスジューサは、良好な超音波特性を
得ることができないという問題がある。
【0019】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、その目的は、圧電振動子間の電気的、音響的な漏
れを無くすことにより、圧電振動子から射出される超音
波の特性を向上させることが可能な超音波トランスジュ
ーサを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに本発明は、超音波射出面を有する圧電振動子と、該
圧電振動子の該超音波射出面と反対側の面において、所
定の間隔で所定の深さで形成された複数の第1の溝内に
充填された第1の樹脂と、前記圧電板の前記超音波射出
面と反対側の面上に前記第1の樹脂を覆うように形成さ
れた駆動電極と、前記駆動電極の前記複数の第1の溝の
間に相当する位置に前記駆動電極を電気的に分割する深
さで形成された複数の第2の溝内に充填された第2の樹
脂と、前記圧電板の前記超音波射出面における前記第1
および第2の溝に相当する位置に前記第1および第2の
樹脂に達する深さまで形成された複数の第3の溝に充填
された第3の樹脂と、前記圧電板の超音波射出面上に前
記第3の樹脂を覆うように形成された共通電極と、を備
えることを特徴としている。
【0021】また、超音波射出面を有し、該超音波射出
面と直交する方向に沿って完全に分割されかつ二次元配
列された複数の圧電振動子からなり、該各圧電振動子は
前記超音波射出面と直交する方向に沿って完全にサブダ
イス分割された複数のサブダイス振動素子からなる圧電
板と、前記圧電板の前記超音波射出面と反対側の面上
に、各圧電振動子内の前記サブダイス振動素子同士を電
気的に接続し、かつ前記圧電振動子同士は電気的に分離
されるように形成された複数の駆動電極と、前記圧電板
の前記超音波射出面上に前記複数の圧電振動子を共通に
接続するよう形成された共通電極と、前記各駆動電極と
各々電気的に接続され、外部から印加される電圧を前記
各駆動電極に供給する手段と、前記サブダイス振動素子
間及び前記圧電振動子間に充填された樹脂と、を備える
ことを特徴としている。
【0022】さらに、超音波射出面を有する圧電振動子
の該超音波射出面と反対側の面において、所定の間隔で
所定の深さを有する複数の第1の溝を形成する工程と、
前記第1の溝に樹脂を充填する工程と、前記圧電板の前
記超音波射出面と反対側の面上に前記第1の溝に充填さ
れた樹脂を覆うように駆動電極を形成する工程と、前記
駆動電極の前記複数の第1の溝の間に相当する位置に、
前記駆動電極を電気的に分割する深さを有する複数の第
2の溝を形成する工程と、前記第2の溝に樹脂を充填す
る工程と、前記圧電板の前記超音波射出面における前記
第1および第2の溝に相当する位置に前記各溝に充填さ
れた樹脂に達する深さまで第3の溝を形成する工程と、
前記第3の溝に樹脂を充填する工程と、前記圧電板の超
音波射出面上に共通電極を形成する工程と、を具備する
ことを特徴としている。
【0023】さらに、超音波を射出する圧電板の超音波
射出面と対向する面上に電極を形成する工程と、前記電
極の形成された圧電板を前記電極側から超音波射出面と
直交する方向に途中まで分割する工程と、前記圧電板を
電極側から分割する工程により形成された第1の溝に樹
脂を充填する工程と、外部から印加される電圧を前記電
極に各々供給する手段を前記各電極に電気的に接続する
工程と、前記圧電板をその超音波射出面から前記第1の
溝まで分割する工程と、前記圧電板を第1の溝まで分割
する工程により形成された第2の溝に樹脂を充填する工
程と、前記圧電板の超音波射出面上に共通電極を形成す
る工程と、を具備することを特徴としている。
【0024】
【作用】上記構成によれば、二次元配列された圧電振動
子は、圧電板を完全に切断して成るので、外部から印加
される電圧を前記各駆動電極に供給する手段を介し、前
記各圧電振動子の超音波射出面と対向する面上に各々形
成された駆動電極に電圧を印加することにより前記圧電
振動子から超音波を射出させる際、圧電振動子間の電気
的、音響的な漏れを無くさせる。
【0025】また、樹脂は、圧電板を切断することによ
り形成された溝に充填されるので前記圧電振動子の分離
を防ぐ。
【0026】さらに、超音波を射出する圧電板の超音波
射出面と対向する面上に電極を形成し、前記電極の形成
された圧電板を前記電極側から超音波射出面と直交する
方向に途中まで分割した後、前記圧電板を電極側から分
割する工程により形成された第1の溝に樹脂を充填し、
外部から印加される電圧を前記電極に各々供給する手段
を前記各電極に電気的に接続し、前記圧電板をその超音
波射出面から前記第1の溝まで分割した後、前記圧電板
を第1の溝まで分割する工程により形成された第2の溝
に樹脂を充填し、前記圧電板の超音波射出面上に共通電
極を形成することにより超音波トランスジューサが製造
される。このため、圧電振動子は、圧電板を完全に切断
して形成されるので、圧電振動子間の電気的、音響的な
漏れを無くさせる。
【0027】
【実施例】図1は、本発明に係る超音波トランスジュー
サの一実施例を示す断面図である。図1に示すように、
本実施例の超音波トランスジューサ10は、超音波を射
出する圧電板11をその超音波射出面と直交する方向に
完全に切断して成る二次元配列された複数の圧電振動子
11aと、各圧電振動子11a内で超音波射出面と直交
する方向に完全に切断して成るサブダイス振動素子11
bと、各圧電振動子11aの超音波射出面と対向する面
上に銀を焼き付けることにより成る銀電極を介して形成
された駆動電極13aと、複数の圧電振動子11aの超
音波射出面上に銀を焼き付けることにより成る銀電極を
介して形成された共通電極13bと、各駆動電極13a
と導体露出部15aを介して各々電気的に接続され、外
部から印加される電圧を各駆動電極13aに供給するプ
リント配線板15と、圧電振動子11aの超音波射出側
と対向する側に生じる振動を吸収するとともに振動継続
を防止するバッキング材17と、超音波振動の伝達を効
率良くする音響整合層19とを備える。
【0028】また、超音波トランスジューサ10は、圧
電板11から圧電振動子11aに分割するための主分割
21により生じた溝21と、圧電振動子11から不要振
動除去用のサブダイス振動素子11bに分割するための
サブダイス分割23により生じた溝23に充填された樹
脂25を備える。
【0029】本実施例のトランスジューサ10では、駆
動電極13aにプリント配線板15を介して外部から電
圧を印加し、圧電振動子11aを駆動させた場合、各圧
電振動子11aが完全に分離されているので、圧電振動
子11a間で電気的、音響的漏れの無い状態で超音波を
射出できる。
【0030】このように、本実施例の超音波トランスジ
ューサ10は、圧電板11を完全に切断することにより
形成される圧電振動子11aを備えているので、圧電振
動子11a間の電気的、音響的漏れが無くなり、圧電振
動子11aから射出される超音波の特性を向上させるこ
とができる。
【0031】また、本実施例の超音波トランスジューサ
10は、各圧電振動子11a内で超音波射出面と直交す
る方向に完全に圧電板11を切断して成るサブダイス振
動素子11bを備えているので、圧電振動子11a内で
生じる不要振動を新たな不要振動を有さずに除去するこ
とができ、圧電振動子11aから射出される超音波の特
性を向上させることができる。
【0032】次に本実施例の超音波トランスジューサ1
0の製造方法の一例を図2〜図12を用いて説明する。
【0033】まず、図2に示すように、圧電板11の超
音波射出面(以下、表面と記す)と超音波射出面の反対
面(以下、裏面と記す)に予め銀を焼き付けることによ
り、銀電極27(裏面側)と銀電極29(表面側)を形
成する。なお、この銀電極27,29は、超音波トラン
スジューサ10の構成に必ずしも必要ではないので省略
することも可能である。
【0034】次いで図3に示すように、銀電極27のサ
ブダイス分割位置に圧電板11まで溝23aを設ける。
この溝23aは、ダイシングソーによって設けられる。
なお、溝23aの深さは後で行う表面からの溝形成の深
さ精度に応じて決定される。
【0035】次いで図4に示すように、溝23aに樹脂
25aを充填する。その後、銀電極27上面(図4では
銀電極27の下面)に駆動電極13aを形成する。
【0036】次いで図5に示すように、銀電極27の主
分割位置に圧電板11まで溝21aを設ける。この分割
溝21aは、ダイシングソーによって設けられる。な
お、溝21aの深さは後で行う表面からの溝形成の深さ
精度に応じて決定される。
【0037】次いで図6に示すように、溝21aに樹脂
25aを充填する。なお、樹脂25aは、図7に示すプ
リント配線板15を接続する工程を経ても変形、破損の
ない程度の硬度を有するもの、例えばエポキシ樹脂が用
いられる。
【0038】次いで図7に示すように、圧電板11とプ
リント配線板15とを電気的かつ機械的に接続する。こ
の接続は、圧電振動子11aの配列ピッチに応じて分割
された駆動電極13aと、圧電振動子11aの配列ピッ
チに応じてプリント配線板15に設けられた導体露出部
15aとを対向配置し、駆動電極13aと導体露出部1
5aとを導通させた状態で非導電性接着剤31を用いて
接着することにより行われる。なお、プリント配線板1
5の導体露出部15aは、圧電振動子11aの中央やサ
ブダイスによって生じる振動素子11bの中央に位置さ
せる必要はなく、駆動電極13aと導体露出部15aと
が導通できればいずれの位置でも良い。
【0039】次いで図8に示すように、プリント配線板
15の裏面にバッキング材17を接続する。なお、バッ
キング材17としては、高さ方向に複数積層したものを
用いても良い。
【0040】次いで図9に示すように、銀電極29と圧
電板11に溝21a,23aに対応させて溝21、23
を設ける。この溝21,23は、ダイシングソーによっ
て設けられる。このとき、溝21,23は、圧電板11
の裏面から形成した溝21a,23aに達する深さとす
る。これにより、圧電振動子11aとサブダイス振動素
子11bは完全に分割される。
【0041】次いで図10に示すように、溝21,23
に樹脂25bを充填する。なお、樹脂25bは、樹脂2
5aと同一のものに限らず、他の樹脂、例えば樹脂25
aより硬度の低い樹脂を用いても良い。樹脂25aより
硬度の低い樹脂を用いた場合は、圧電振動子11aの振
動性が向上するという効果がある。
【0042】その後、図10に示すように、銀電極29
上面に共通電極13bを形成する。このため、圧電振動
子11aの銀電極29は共通電極13bにより導通され
る。
【0043】次いで図11に示すように、共通電極13
b上に音響整合層19を形成する。なお、音響整合層1
9は、高さ方向に複数積層したものを用いても良い。
【0044】次いで図12に示すように、溝21と溝2
3に対応する音響整合層19上の位置に分割溝33を設
ける。なお、この分割溝33は、共通電極13bを切断
しない深さとする。
【0045】こうして、本実施例の超音波トランスジュ
ーサ10は製造される。なお、本実施例の超音波トラン
スジューサ10は図2〜図12に示す工程順に限らず、
適宜順番を入れ替えても良い。
【0046】図2〜図12に示す製造方法は、一方向の
み着目したものであって、実際の製造方法は、図2〜図
12に示した工程の間に図示しない他の方向の分割等の
工程が入るが、製造方法は前述の方向の場合と同一であ
るため、説明は省略する。
【0047】このように、本実施例の超音波トランスジ
ューサ10の製造方法では、圧電板11を完全に切断す
ることにより、圧電振動子11aが形成されるので、圧
電振動子11a間の電気的、音響的な漏れが無くなり、
圧電振動子11aから射出される超音波の特性を向上さ
せることができる。
【0048】また、本実施例の超音波トランスジューサ
10の製造方法では、各圧電振動子11a内で圧電板1
1を完全に切断することによりサブダイス振動素子11
bが形成されるので、圧電振動子11a内で生じる新た
な不要振動を有さずに除去することができ、圧電振動子
11aから射出される超音波の特性を向上させることが
できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
電板を完全に切断して成る圧電振動子を備えているの
で、圧電振動子間の電気的、音響的な漏れを減らすこと
ができ、圧電振動子から射出される超音波の特性を向上
させることができる。
【0050】また、圧電板を切断する分割溝に充填され
た樹脂を備えているので、所望の振動を効果的に発生さ
せるとともに圧電振動子のずれ、離脱を防止することが
できる。
【0051】さらに、圧電板を切断する分割溝の駆動電
極側(超音波射出側と対向する側)に充填される第1の
樹脂と、圧電板を切断する分割溝の共通電極側(超音波
射出側)に充填される第2の樹脂を備えているので、所
望の振動を効果的に発生させるとともに圧電振動子のず
れ、離脱を防止することができる。
【0052】さらに、圧電振動子内で圧電板を完全に切
断することにより成るサブダイス振動素子を備えている
ので、圧電振動子内で生じる不要振動を新たな不要振動
を有さずに除去することができ、圧電振動子から射出さ
れる超音波の特性を向上させることができる。
【0053】さらに、超音波を射出する圧電板を完全に
切断することにより複数の圧電振動子とサブダイス振動
素子を形成しているので、圧電振動子間の電気的、音響
的な漏れを減らすことができ、圧電振動子から射出され
る超音波の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波トランスジューサの一実施
例を示す断面図。
【図2】圧電板の表面と裏面に焼き付け銀電極を形成し
た状態(図1に示す超音波トランスジューサの初めの製
造工程)を示す断面図。
【図3】図2に示す銀電極(圧電板の裏面側)のサブダ
イス分割を行う位置に圧電板まで達する溝を形成した状
態を示す断面図。
【図4】図3に示す溝に樹脂を充填した後、駆動電極を
形成した状態を示す断面図。
【図5】図4に示す銀電極(圧電板の裏面側)の主分割
位置に圧電板まで溝を形成した状態を示す断面図。
【図6】図5に示す溝に樹脂を充填した状態を示す断面
図。
【図7】図6に示す状態の圧電板と、プリント配線板と
を電気的かつ機械的に接続した状態を示す断面図。
【図8】図7に示すプリント配線板の裏面にバッキング
材を接続した状態を示す断面図。
【図9】図8に示す圧電板の主分割とサブダイス分割を
行う位置に途中まで溝を形成した状態を示す断面図。
【図10】図9に示す溝に樹脂を充填した後、共通電極
を形成した状態を示す断面図。
【図11】図10に示す共通電極上に音響整合層を形成
した状態を示す断面図。
【図12】図11に示す音響整合層に分割溝を設けた状
態を示す断面図。
【図13】従来の超音波トランスジューサを示す断面
図。
【図14】圧電板の表面と裏面に銀電極を形成した状態
示す断面図。
【図15】図14に示す銀電極を圧電振動子の配列ピッ
チに応じて分割した状態を示す断面図。
【図16】図15に示す圧電板と、プリント配線板とを
電気的かつ機械的に接続した状態を示す断面図。
【図17】図16に示すプリント配線板の裏面にバッキ
ング材を接続した状態を示す断面図。
【図18】図17に示す圧電板の表面側の主分割とサブ
ダイス分割を行う位置に途中まで溝を形成した状態を示
す断面図。
【図19】図18に示す分割溝に樹脂を充填した後、共
通電極を形成した状態を示す断面図。
【図20】図19に示す共通電極上に音響整合層を形成
した状態を示す断面図。
【図21】図20に示す音響整合層を主分割とサブダイ
ス分割に対応させて分割し、その分割溝に樹脂を充填し
た状態を示す断面図。
【符号の説明】
10 超音波トランスジューサ 11 圧電板 11a 圧電振動子 11b サブダイス 13a 駆動電極 13b 共通電極 15 プリント配線板 17 バッキング材 19 音響整合層 21 主分割 23 サブダイス分割 25 樹脂 27,29 銀電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 17/00 332 A61B 8/00 G01N 29/24 502

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波射出面を有する圧電振動子と、 該圧電振動子の該超音波射出面と反対側の面において、
    所定の間隔で所定の深さで形成された複数の第1の溝内
    に充填された第1の樹脂と、 前記圧電板の前記超音波射出面と反対側の面上に前記第
    1の樹脂を覆うように形成された駆動電極と、 前記駆動電極の前記複数の第1の溝の間に相当する位置
    に前記駆動電極を電気的に分割する深さで形成された複
    数の第2の溝内に充填された第2の樹脂と、 前記圧電板の前記超音波射出面における前記第1および
    第2の溝に相当する位置に前記第1および第2の樹脂に
    達する深さまで形成された複数の第3の溝に充填された
    第3の樹脂と、 前記圧電板の超音波射出面上に前記第3の樹脂を覆うよ
    うに形成された共通電極と、 を備えることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  2. 【請求項2】 超音波射出面を有し、該超音波射出面と
    直交する方向に沿って完全に分割されかつ二次元配列さ
    れた複数の圧電振動子からなり、該各圧電振動子は前記
    超音波射出面と直交する方向に沿って完全にサブダイス
    分割された複数のサブダイス振動素子からなる圧電板
    と、 前記圧電板の前記超音波射出面と反対側の面上に、各圧
    電振動子内の前記サブダイス振動素子同士を電気的に接
    続し、かつ前記圧電振動子同士は電気的に分離されるよ
    うに形成された複数の駆動電極と、 前記圧電板の前記超音波射出面上に前記複数の圧電振動
    子を共通に接続するよう形成された共通電極と、 前記各駆動電極と各々電気的に接続され、外部から印加
    される電圧を前記各駆動電極に供給する手段と、 前記サブダイス振動素子間及び前記圧電振動子間に充填
    された樹脂と、 を備えることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂は、前記サブダイス振動素子間
    及び圧電振動子間の前記駆動電極側に充填された第1の
    樹脂と、 前記サブダイス振動素子間及び圧電振動子間の前記共通
    電極側に充填された第2の樹脂とを有することを特徴と
    する請求項2記載の超音波トランスジューサ。
  4. 【請求項4】 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂は、そ
    れぞれ特性の異なる樹脂である請求項3記載の超音波ト
    ランスジューサ。
  5. 【請求項5】 超音波射出面を有する圧電振動子の該超
    音波射出面と反対側の面において、所定の間隔で所定の
    深さを有する複数の第1の溝を形成する工程と、 前記第1の溝に樹脂を充填する工程と、 前記圧電板の前記超音波射出面と反対側の面上に前記第
    1の溝に充填された樹脂を覆うように駆動電極を形成す
    る工程と、 前記駆動電極の前記複数の第1の溝の間に相当する位置
    に、前記駆動電極を電気的に分割する深さを有する複数
    の第2の溝を形成する工程と、 前記第2の溝に樹脂を充填する工程と、 前記圧電板の前記超音波射出面における前記第1および
    第2の溝に相当する位置に前記各溝に充填された樹脂に
    達する深さまで第3の溝を形成する工程と、 前記第3の溝に樹脂を充填する工程と、 前記圧電板の超音波射出面上に共通電極を形成する工程
    と、 を具備することを特徴とする超音波トランスジューサの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 超音波を射出する圧電板の超音波射出面
    と対向する面上に電極を形成する工程と、 前記電極の形成された圧電板を前記電極側から超音波射
    出面と直交する方向に途中まで分割する工程と、 前記圧電板を電極側から分割する工程により形成された
    第1の溝に樹脂を充填する工程と、 外部から印加される電圧を前記電極に各々供給する手段
    を前記各電極に電気的に接続する工程と、 前記圧電板をその超音波射出面から前記第1の溝まで分
    割する工程と、 前記圧電板を第1の溝まで分割する工程により形成され
    た第2の溝に樹脂を充填する工程と、 前記圧電板の超音波射出面上に共通電極を形成する工程
    と、 を具備することを特徴とする超音波トランスジューサの
    製造方法。
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