JP2001197593A - 超音波装置 - Google Patents

超音波装置

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JP2001197593A
JP2001197593A JP2000003085A JP2000003085A JP2001197593A JP 2001197593 A JP2001197593 A JP 2001197593A JP 2000003085 A JP2000003085 A JP 2000003085A JP 2000003085 A JP2000003085 A JP 2000003085A JP 2001197593 A JP2001197593 A JP 2001197593A
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ultrasonic
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JP2000003085A
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English (en)
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Takashi Kobayashi
小林  隆
Takuji Ito
卓史 伊藤
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Closed-Circuit Television Systems (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波画像の画質を向上することが可能な超
音波装置を提供すること。 【解決手段】 圧電素子を備えた振動子をバッキング材
上に複数並設し測定対象に超音波を送波する探触子を備
え、各圧電素子から送波した超音波を用いて前記測定対
象の超音波像を形成する超音波装置において、前記振動
子には、前記圧電素子と前記バッキング材との間に補強
部又は/及び補強部材を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波装置に関
し、特に、隣接する振動子間のクロストークの低減に適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波装置では、バッキング材上
にマイナス側の信号線電極を形成した後に、該電極上に
圧電素子を接着し、該圧電素子上にプラス側の信号線電
極を形成した超音波探触子(以下、「探触子」と略記す
る)を用いていた。プラス側の信号線電極上には、音響
インピーダンスが比較的圧電素子に近い第一の音響整合
層を接着し、該第一の音響整合層上に音響インピーダン
スが比較的被検体に近い第二の音響整合層を接着してい
た。この後に、第二の音響整合層の側からバッキング材
に至る切り込みを複数入れることによって、バッキング
材上に短冊状の振動子を複数配置した探触子を形成して
いた。ただし、バッキング材への切り込みの深さは、
0.1mm程度であり、その主たる役割は隣接する振動
子間でのマイナス側電極の切断を完全にすることであっ
た。
【0003】この従来の探触子を用いた超音波装置で
は、圧電素子の裏面側すなわちバッキング材側に送波さ
れた超音波がバッキング材を介して隣接する振動子の圧
電素子に回り込んでしまう、いわゆるクロストークと称
される現象が生じていた。このために、従来の探触子を
用いた超音波計測では、隣接する振動子間のクロストー
クによって、超音波像の画質が低下してしまうという問
題があった。
【0004】このクロストークに起因する画質低下を防
止する方法として、たとえば、隣接する圧電素子間の距
離、すなわち、圧電素子からバッキング材を介して隣接
する圧電素子に至るまでの距離を長くする方法があっ
た。この方法を用いた探触子は、従来は0.1mm程度
であったバッキング材に対する切り込み深さを0.4m
m程度とすることによって、隣接する圧電素子間のクロ
ストークを低減させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来
の探触子では、圧電素子から裏面側に送波された超音波
を効率よく吸収し減衰させるために、硬度が77程度あ
り音響インピーダンスが7.6×106kg/m2s程度
のフェライトゴムをバッキング材として使用していた。
【0006】しかしながら、硬度が77と比較的柔らか
い部材(物質)であるフェライトゴムに深い切り込みを
入れた場合、振動子と同じ幅に加工した部分(以下、
「第一のバッキング材層」と記す)の強度が低下してし
まうという問題があった。その結果、振動子が傾き、隣
接する振動子との間隔であるピッチが変化してしまい、
超音波像の画質が低下してしまうという問題があった。
【0007】本発明の目的は、超音波画像の画質を向上
することが可能な超音波装置を提供することにある。本
発明の他の目的は、クロストークを低減することが可能
な技術を提供することにある。本発明のその他の目的
は、診断効率を向上することが可能な技術を提供するこ
とにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な
特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかに
なるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0009】(1)圧電素子を備えた振動子をバッキン
グ材上に複数並設し測定対象に超音波を送波する探触子
を備え、各圧電素子から送波した超音波を用いて前記測
定対象の超音波像を形成する超音波装置において、前記
振動子には、前記圧電素子と前記バッキング材との間に
補強部又は/及び補強部材を備えた。
【0010】(2)前述した(1)に記載の超音波装置
において、前記補強部材は前記圧電素子の幅よりも当該
振動子のバッキング材側となる先端部分の幅が大きく形
成された。
【0011】(3)前述した(1)に記載の超音波装置
において、前記補強部材は前記圧電素子と前記バッキン
グ材との間に、該バッキング材よりも硬く且つ前記圧電
素子よりも柔らかい薄膜を積層し形成される。
【0012】(4)前述した(3)に記載の超音波装置
において、前記薄膜は当該超音波探触子の発生超音波の
1/4波長の厚さで形成される。
【0013】(5)前述した(3)あるいは(4)に記
載の超音波装置において、前記薄膜は前記圧電素子より
も小さく且つ前記バッキング材よりも小さい音響インピ
ーダンスを有する部材で形成される。
【0014】(6)前述した(3)乃至(5)の内の何
れかに記載の超音波装置において、前記圧電素子の送波
面側に該圧電素子よりも音響インピーダンスが小さい音
響整合層が配置されており、前記薄膜は前記音響整合層
と同じ物質から構成される。
【0015】(7)圧電素子を備えた振動子をバッキン
グ材上に複数並設した探触子において、前記振動子には
前記圧電素子と前記バッキング材との間に補強部材が備
えられた。
【0016】前述した(1)の手段によれば、圧電素子
とバッキング材との間に補強部又は/及び補強部材を備
えることによって、硬度が比較的小さいバッキング材に
深い切り込みを入れ、圧電素子からバッキング材を介し
て隣接する圧電素子に至るまでの距離を長くした場合で
あっても、バッキング材と同じ材質で形成された振動子
の根本部分の強度低下を防止できるので、振動子が傾い
てしまうことに起因する振動子ピッチの変化を防止する
ことができる。従って、隣接する振動子間のクロストー
クを低減させた、正確な振動子位置での超音波の送受波
を行うことができるので、超音波画像の画質を向上する
ことができる。その結果、診断効率を向上することがで
きる。
【0017】前述した(2)の手段によれば、振動子と
バッキング材との補強部材として、例えば、深い切り込
みを入れたバッキング材部分の幅が、圧電素子からバッ
キング材に至るに従って漸次大きくなるように形成する
ので、バッキング材と同じ材質で形成された振動子の根
本部分の強度低下を防止できる。
【0018】前述した(3)〜(6)の手段によれば、
補強部材として圧電素子とバッキング材との間に、バッ
キング材よりも硬く且つ圧電素子よりも柔らかい薄膜、
すなわち、硬度がバッキング材と圧電素子との間の部材
で薄膜を形成することによって、圧電素子から隣接する
圧電素子に至るまでの距離を長くした場合であっても、
バッキング材に対する切り込み深さを小さくすることが
でき、振動子の根本部分の強度低下を防止できる。よっ
て、振動子が傾いてしまうことに起因する振動子ピッチ
の変化を防止することができる。
【0019】このとき、薄膜の膜厚を発生超音波の1/
4波長で形成することによって、圧電素子からバッキン
グ材側に送波された超音波を効率よくバッキング材に逃
がすことができるので、バッキング材に対する切り込み
深さをさらに小さくすることができる。その結果、振動
子の根本部分の強度をさらに増加することができ、振動
子が傾いてしまうことに起因する振動子ピッチの変化を
防止することができる。また、薄膜の膜厚を発生超音波
の1/4波長で形成することによって、この薄膜とバッ
キング材との境界面で圧電素子側に反射された超音波を
圧電素子の送波面側すなわち探触子の送波面側に送波す
ることができるので、超音波の送波出力を大きくするこ
とができる。その結果として、被測定対象内部で反射さ
れた超音波の音圧を大きくできるので、受信感度すなわ
ち超音波画像の画質をさらに向上することができる。
【0020】さらには、音響インピーダンスが圧電素子
よりも小さく且つバッキング材よりも大きい部材で薄膜
を形成することによって、圧電素子からバッキング材側
に送波された超音波をバッキング材に逃がす効率をさら
に向上することができるので、バッキング材に対する切
り込み深さをさらに小さくすることができる。その結
果、振動子の根本部分の強度をさらに増加することがで
き、超音波画像の画質をさらに向上することができる。
【0021】前述した(7)の手段によれば、圧電素子
を備えた振動子をバッキング材上に複数並設した探触子
において、振動子には圧電素子とバッキング材との間に
補強部材を備えることによって、硬度が比較的小さいバ
ッキング材に深い切り込みを入れ、圧電素子からバッキ
ング材を介して隣接する圧電素子に至るまでの距離を長
くした場合であっても、バッキング材と同じ材質で形成
された振動子の根本部分の強度低下を防止できるので、
振動子が傾いてしまうことに起因する振動子ピッチの変
化を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態とともに図面を参照して詳細に説明する。な
お、発明の実施の形態を説明するための全図において、
同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返し
の説明は省略する。
【0023】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の超音波装置の概略構成を説明するための図であ
り、101は探触子、102は超音波送受信部、103
は画像処理回路、104はデジタルスキャンコンバータ
(DSC)、105は表示装置、106は制御回路部、
107は操作入力装置を示す。
【0024】図1において、探触子101は図示しない
被検体の診断部位に向けて超音波を送受波する本実施の
形態の探触子であり、複数の振動子(振動子素子)が探
触子の長手方向(長軸方向)に多チャンネルに形成され
ている。ただし、本実施の形態の探触子101は、音響
整合層、圧電素子、及び、音響整合層(背面整合層)が
バッキング材上に順次形成されている。なお、探触子の
詳細については後述する。
【0025】また、本実施の形態の探触子101は、短
冊状の振動子を曲面状に並べ、これを順次走査すること
によって、扇形の視野を得るコンベックス走査型の探触
子である。しかしながら、本願発明は、探触子101の
走査形態であるコンベックス走査型に限定されることは
なく、リニア走査型あるいはフェーズドアレイ走査型等
の他の走査形態の探触子にも適用可能なことはいうまで
もない。
【0026】超音波送受信部102は各振動子に超音波
を発生させ送波させるための駆動電圧を供給すると共
に、各振動子が受波した超音波(反射波)に応じて発生
される電気信号(以下、「受波信号」と記す)から超音
波ビームを形成する周知の超音波送受信部である。
【0027】画像処理回路103は、超音波送受信部1
02からの出力信号に対して、検波、ゲイン補正、対数
圧縮および輪郭強調(エンハンスメント)等の所定の画
像処理を行う周知の画像処理回路である。
【0028】DSC104は、画像処理回路103から
の出力信号(超音波ビーム)を表示装置105の表示信
号に変換する、いわゆるスキャン変換を行う周知のDS
Cであり、表示信号を表示装置105に出力する。
【0029】表示装置105は、たとえば、周知のテレ
ビモニタからなる周知の表示装置であり、DSC104
で生成された画像信号に応じた超音波画像の表示を行
う。
【0030】制御回路部106は操作入力装置107か
らの動作指示および探触子101の種別を示す信号等に
基づいて、超音波の送受波および受波信号からの超音波
像の生成を制御する周知の制御部であり、本実施の形態
では、たとえば、周知の情報処理装置上で動作するプロ
グラムによって実現される制御手段およびフォーカス計
算手段、並びに、この情報処理装置上のメモリによって
実現されるフォーカスデータ記憶手段で実現可能であ
る。
【0031】操作入力装置107は、動作モード、超音
波画像の表示形態および計測条件等の指示を入力するた
めの周知の入力装置であり、たとえば、制御回路部10
6を構成する情報処理装置に接続される入力装置を用い
る。
【0032】次に、図1に基づいて、本実施の形態の超
音波装置の動作を説明すると、まず、操作入力装置10
7を介して入力された計測開始指示が本実施の形態の超
音波装置の動作開始である。ただし、超音波出力値、画
像の表示モードおよび表示画像の深度範囲等の条件設定
は、計測の開始前に、検者(操作者)等が操作入力装置
107から予め設定しておく。また、このときの探触子
101の種別(走査方式)等の情報は、探触子101か
ら制御回路部106に直接入力される。
【0033】操作入力装置107からの計測開始指示に
基づいて、制御回路部106は超音波送受信部102を
制御し、所定方向へ超音波を送波させるための送波信号
(駆動信号)を生成し、探触子101に供給する。各振
動子からは供給された送波信号に従った超音波が発生さ
れ、被検体内へ送波される。
【0034】このとき、本実施の形態の各振動子は、送
波面側から音響レンズ層、音響整合層、圧電素子、音響
整合層(背面整合層)、及びバッキング材の一部の層が
順番に積層され、形成されている。すなわち、従来の振
動子が圧電素子の層までを分離することによって形成さ
れていたのに対して、本実施の形態では、音響レンズ
層、音響整合層、圧電素子、音響整合層、及びバッキン
グ材の一部の層までを分離することによって振動子が形
成されている。なお、振動子の詳細な構造については、
後述する。
【0035】被検体内で反射された超音波は、探触子1
01の振動子で受波され、それぞれ電気信号(受波信
号)に変換され、超音波送受信部102に出力される。
【0036】超音波送受信部102に入力された受波信
号は、制御回路部106から指定された遅延情報に基づ
いて、各振動子からの受波信号毎に所定量の遅延を行っ
た後に、それぞれの受波信号を加算することによって所
定方向の超音波ビームを形成し、画像処理回路103に
出力される。
【0037】画像処理回路103に入力された超音波ビ
ームは、検波、ゲイン補正、対数圧縮および輪郭強調等
の画像処理が行われた後に、DSC104に出力され
る。
【0038】DSCに入力された画像処理後の超音波ビ
ームは、スキャン変換と共に同一画面上に表示される計
測条件等を示す画像情報と合成され、表示装置105に
表示される。
【0039】図2は実施の形態1の超音波装置で計測さ
れた超音波像(超音波画像)を説明するための図であ
り、特に、図2の(a)は従来の探触子を用いて計測さ
れた超音波画像であり、図2の(b)は本実施の形態の
探触子を用いて計測された超音波画像であり、図2
(c)は本実施の形態の探触子を用いることによるクロ
ストークの低減効果を説明するための図である。ただ
し、図2の(a)、(b)は、同一の条件で計測を行っ
た場合の超音波画像である。
【0040】図2から明らかなように、従来の探触子を
使用した超音波装置で計測した図2の(a)に示す超音
波画像に比較して、本実施の形態の探触子を使用した超
音波装置で計測した図2の(b)に示す超音波画像は全
体的に輝度が高いことが分かる。通常、超音波装置にお
ける表示画像の輝度は、受波信号すなわち受波した超音
波である反射波の音圧レベルに応じて生じる電圧に比例
する。従って、本願発明の探触子を用いた超音波装置で
は、従来の探触子を用いた超音波装置よりも感度が向上
するということが判明した。
【0041】一方、受波信号のゲイン(利得)を調整す
ることによって、本実施の形態の探触子を使用する超音
波装置で計測した図2の(b)に示す超音波画像の輝度
を、従来の探触子を使用する超音波装置で計測した図2
の(a)に示す超音波画像の輝度と同じ値に設定するこ
とによって、従来の超音波装置と本実施の形態の超音波
装置とにおける探触子の感度を比較することができる。
その結果、図2の(c)に示すように、従来の超音波装
置におけるゲインGBはGB=−20dBであるの対し
て、本実施の形態の超音波装置におけるゲインGBはG
B=−25dBとなる。従って、本実施の形態の探触子
を用いた超音波装置では、5dB感度を向上できる。す
なわち、隣接する探触子におけるクロストークを低減で
きる。
【0042】その結果、超音波画像の画質を向上させる
ことができ、診断効率を向上することができる。 (超音波探触子の構造)図3は実施の形態1の探触子の
概略構成を説明するための拡大図であり、特に、図3の
(a)は正面図であり、図3の(b)は斜視図である。
【0043】図3において、1aは第二の音響整合層、
1bは第一の音響整合層、2は圧電素子、3aは第一の
バッキング材層、3bは第二のバッキング材層、4は背
面整合層を示す。また、X,Y,Zは、それぞれX軸、
Y軸、Z軸を示す。なお、図3では説明を簡単にするた
めに、第二の音響整合層1aの送波面側に配置される音
響レンズは省略する。また、圧電素子2の表面及び裏面
には送波信号を供給する導電層が設けられているが、説
明を簡単にするために省略する。
【0044】図3の(a)から明らかなように、本実施
の形態の探触子は、送波面側からZ軸の反対方向に、第
二の音響整合層1a、第一の音響整合層1b、圧電素子
2、背面整合層4、第一のバッキング材層3aを順番に
積層し形成された振動子が、第二のバッキング材層3b
上にX軸方向に並べられた構造になっている。すなわ
ち、実施の形態1の探触子は、第二の音響整合層1a、
第一の音響整合層1b、圧電素子2、背面整合層4及び
第一のバッキング材層3aが振動子幅Dで一体に形成さ
れている。
【0045】第二の音響整合層1a、第一の音響整合層
1b、圧電素子2、背面整合層4、及び第一のバッキン
グ材層3aの各層は、図示しない接着剤によって接着さ
れており、特に実施の形態1では、圧電素子2の裏面側
に配置される背面整合層4は第一の音響整合層1bと同
じエポキシ系の樹脂を用いているので、従来と同じ接着
剤を使用し同じ手順で圧電素子2を接着することができ
る。また、背面整合層4と第一のバッキング材層3aと
の接着は、これも同じように、エポキシ系の樹脂を使用
して接着することができる。従って、従来の探触子と同
じようにして、本実施の形態の探触子を製造することが
できる。なお、探触子の製造手順の詳細については、後
述する。
【0046】また、実施の形態1の探触子では、振動子
幅DすなわちX軸方向(配列方向)の長さが70μmの
短冊状に形成される。また、隣接する振動子との間隔L
は、30μmである。ただし、振動子幅D及び隣接する
振動子との間隔Lは、それぞれ70μm,30μmに限
定されることはなく、探触子の形状及び周波数によっ
て、振動子の大きさ及び隣接する振動子との間隔Lもそ
れぞれ異なることはいうまでもない。なお、この場合で
あっても、隣接する振動子との間隔Lは、振動子幅Dよ
りも小さくすることが可能である。
【0047】次に、図3の(a),(b)に基づいて、
各層の構造について説明する。第二及び第一の音響整合
層1a,1bは、たとえば、エポキシ系の樹脂からなる
周知の音響整合層であり、第二の音響整合層1aは被測
定物体である図示しない被検体よりも音響インピーダン
スが大きく、且つ第一の音響整合層1bよりも音響イン
ピーダンスが小さい、たとえば、約2.6×106kg
/m2s程度の音響インピーダンスを有する樹脂材料か
らなる。また、第一の音響整合層1bは、圧電素子2よ
りも音響インピーダンスが小さく、且つ第二の音響整合
層1aよりも音響インピーダンスが大きい、たとえば、
約7.7×106kg/m2s程度の音響インピーダンス
を有する樹脂材料で形成される。
【0048】圧電素子2は、たとえば、PZT(圧電セ
ラミックス)等の硬度が高く、音響インピーダンスの大
きい物質で構成された周知の圧電素子であり、送波信号
に従った超音波を発生し送波面側である第二及び第一の
音響整合層1a,1bの側に送波すると共に、裏面側で
ある背面整合層4の側に送波する。
【0049】第一及び第二のバッキング材層3a,3b
は、たとえば、フェライトゴム等の比較的その硬度が小
さく、且つその音響インピーダンスが7.6×106
g/m2s程の物質で構成された周知のバッキング材か
ら形成された層である。実施の形態1では、第一のバッ
キング材層3aは、約0.1mmの厚さに形成されてお
り、隣接する振動子にバッキング材3aからは切り離さ
れている。ただし、実施の形態1における第一のバッキ
ング材層3aの厚さはZ軸方向の長さであり、従来の振
動子での第一のバッキング材層の厚さと同じである。ま
た、第二のバッキング材層3bは、圧電素子2から裏面
側に送波され、背面整合層4及び第一のバッキング材層
3aを介して入射された超音波を減衰させ、再び圧電素
子2に戻らないようにするために設けられており、実施
の形態1では、当該第二のバッキング材層3bの面上に
複数の振動子が形成されている。ただし、実施の形態1
では、第一のバッキング材層3aと第二のバッキング材
層3bとは一体構造としたが、これに限定されることは
なく、別々の構造でもよいことはいうまでのない。な
お、実施の形態1における第一のバッキング材層3aの
形成手順については、後述する。
【0050】背面整合層4は、たとえば、第二の音響整
合層1aと同じエポキシ系の樹脂からなり、その音響イ
ンピーダンスは約2.6×106kg/m2sであり、そ
の硬度は83kg/m2sである。
【0051】なお、実施の形態1においては、背面整合
層4は第二の音響整合層1aと同じエポキシ系の樹脂で
形成することとしたが、これに限定されることはなく、
バッキング材3よりも硬度が高く、また、音響インピー
ダンスがバッキング材3よりも小さく、且つ圧電素子2
よりも音響インピーダンスが小さい材料ならば他の材料
でも良いことはいうまでもない。
【0052】このように、実施の形態1の探触子では、
第一のバッキング材層3aの厚さは従来の振動子と同様
に0.1mm程度であるが、圧電素子2と第一のバッキ
ング材層3aとの間に背面整合層4を配置することによ
って、圧電素子2の背面側から送波された超音波が隣接
する探触子の圧電素子2に至るまでの経路長を従来より
も長くした場合であってもその強度を十分に保つことが
できるので、振動子の倒れ込み及びそれに伴う振動子の
ピッチずれを防止することができる。その結果、前述す
るように、超音波像の画質を向上することができ、診断
効率を向上することができる。
【0053】また、実施の形態1の探触子では、振動子
の倒れ込みすなわちピッチずれを防止することができる
ので、探触子の製造効率を低減させることなく、振動子
間のクロストークを低減させた探触子を製造することが
できる。
【0054】さらには、実施の形態1の探触子では、圧
電素子2で発生した超音波が隣接する振動子の圧電素子
2に到達するまでには、圧電素子2、背面整合層4、バ
ッキング材3、背面整合層4、圧電素子2の順に進行す
る必要がある。一方、媒質1から媒質2へ超音波が進行
する即ち媒質1と媒質2との境界面を超音波が通過する
ときには、超音波の一部が境界面で反射されることとな
る。このときの反射率をR、媒質1の音響インピーダン
スをZ1、媒質2の音響インピーダンスをZ2とする
と、
【0055】
【数1】R=(Z2−Z1)/(Z1+Z2) となる。
【0056】従って、実施の形態1の探触子では、多く
の異なる媒質(圧電素子2、背面整合層4、バッキング
材3、背面整合層4及び圧電素子2)を経ることとなる
ので、クローストークをさらに低減できる。 (探触子の製造手順)図4は実施の形態1の探触子の製
造手順を説明するための図であり、以下、図4に基づい
て、本実施の形態の探触子の製造手順を説明する。ただ
し、実施の形態1の探触子では、振動子形成後の製造手
順は従来の探触子の製造手順と同様となるので、ここで
は振動子を形成するまでの手順について説明する。ま
た、説明を簡単にするために、圧電素子2の両面に形成
された電極は、図4の(a)についてのみ記載する。
【0057】実施の形態1の探触子は、コンベックス走
査型探触子となるので、図4の(e)に示すように、バ
ッキング材5の送波面側(図4中のZ軸方向の面)がX
軸方向に対して所定の曲率を有するフェライトゴムを使
用する。
【0058】まず、図4の(a)に示すように、平板状
に形成された圧電素子2(例えば、圧電セラミックスを
使用する)の両面(送波面側と裏面側)にそれぞれ銀等
の導電部材を印刷し、銀薄膜層(電極層)2a,2bを
形成する。この銀薄膜層2a,2bは、圧電素子2へ送
波信号(駆動信号)を供給するための信号線となる電極
として機能する。
【0059】次に、図4の(b)に示すように、フェラ
イトゴム等を平板状に形成したバッキング材3の送波面
側(Z軸方向側の面)に、エポキシ系の樹脂からなる薄
膜を接着し、背面整合層4を形成する。ただし、バッキ
ング材3と背面整合層4との接着は、従来の探触子と同
様に、エポキシ系の樹脂を用いることによって可能であ
る。このときの背面整合層4となる薄膜の厚さは、前述
するように、実施の形態1の探触子での超音波の波長の
1/4である。ただし、実施の形態1では、背面整合層
4は第二の音響整合層1aと同じ材料を用いるので、従
来使用していた第二の音響整合層1aを形成するための
薄膜を用いることができる。
【0060】この後に、背面整合層4となる薄膜の送波
面側に、電極層2a,2bを両面に形成した圧電素子2
を接着する。
【0061】次に、図4の(c)に示すように、圧電素
子2となる薄膜の送波面側すなわち圧電素子2に印刷に
より形成した図示しない電極層2aに、第一の音響整合
層1bとなるエポキシ系の樹脂からなる薄膜を接着す
る。ただし、電極層2aと第一の音響整合層1bとの接
着は、前述の接着と同様に、エポキシ系の樹脂を用いる
ことによって可能である。この第一の音響整合層1bと
なる薄膜の形成の後に、この薄膜の送波面側に、該第一
の音響整合層1bよりも音響インピーダンスが小さいエ
ポキシ系の樹脂からなる薄膜を接着することによって、
第二の音響整合層1aを形成する。この接着は、前述の
接着と同様に、エポキシ系の樹脂を用いることによって
可能である。
【0062】次に、図4の(d)に示すように、YZ平
面と平行に送波面側からバッキング材3の方向に切り込
み401を入れることによって、短冊状の振動子を形成
する。ただし、このときの切り込みの深さHすなわちZ
軸方向の長さは、前述するように、バッキング材3の送
波面側に0.1mm程度の切り込みが形成される深さで
ある。
【0063】次に、図4の(e)に示すように、少なく
とも送波面側(図4中のZ軸方向の面)がX軸方向に対
して所定の曲率を有するフェライトゴム等からなるバッ
キング材5の円弧面に、バッキング材3を公知の方法で
接着する。このとき、実施の形態1では、バッキング材
3はフェライトゴム等の弾性を有する部材によって形成
されているので、バッキング材5の円弧面に沿って変形
させることが可能である。従って、バッキング材5の円
弧面に沿った曲率を有するコンベックス型超音波探触子
を形成することが可能となる。
【0064】以上説明したように、実施の形態1の超音
波装置では、圧電素子2とバッキング材となる第二のバ
ッキング材層3bとの間に補強部(補強部材)として、
第一のバッキング材層3aよりも硬いすなわち硬度の大
きい背面整合層4を配置する構成としたので、圧電素子
2の背面側から送波された超音波が隣接する探触子の圧
電素子2に至るまでの経路長を従来よりも長くした場合
であってもその強度を十分に保つことができる。従っ
て、振動子の倒れ込み及び倒れ込みに伴う振動子のピッ
チずれを防止することができ、探触子の製造効率を低減
させることなく、振動子間のクロストークを低減させた
探触子を製造することができる。
【0065】また、実施の形態1の探触子では、背面整
合層4のZ軸方向の高さを使用する超音波の波長の1/
4に形成することによって、圧電素子2から裏面側に送
波された超音波を実施の形態1の探触子よりも効率よく
バッキング材3に通過させることができる。
【0066】その結果、実施の形態1の超音波装置で
は、計測時における振動子の傾斜に伴う振動子ピッチず
れを小さくすることができるので、高分解能の超音波計
測を行うことができる。
【0067】(実施の形態2)図5は本発明の実施の形
態2の超音波装置における探触子の概略構成を説明する
ための図である。ただし、実施の形態2の超音波装置に
おける探触子では、背面整合層4と第一のバッキング材
層3aとの構造を除く、他の構造は実施の形態1の超音
波装置における探触子と同様となる。従って、実施の形
態2では、実施の形態1と構造の異なる背面整合層4と
第一のバッキング材層3aとについて、詳細に説明す
る。
【0068】図5から明らかなように、実施の形態2の
超音波装置における探触子(以下、「実施の形態2の探
触子」と記す)では、背面整合層4までの切り込みと第
一のバッキング材層3aにまで至る切り込みとが、交互
に形成されている。すなわち、実施の形態2の探触子で
は、実施の形態1の振動子の厚さを2D+Lとし、その
振動子の中間部分を幅Lで背面整合層4にまで至る切り
込みを入れた構造となっている。なお、実施の形態2に
おいても、従来の探触子及び実施の形態1の探触子と同
様に、圧電素子2の裏面側に配置された図示しない銀薄
膜を一方の側の信号線として形成するために、背面整合
層4の上表面に切り込みを入れてもよいことはいうまで
もない。
【0069】従って、実施の形態2の探触子の製造手順
は、実施の形態1の探触子と同様に、背面整合層4とな
るエポキシ系の樹脂からなる薄膜、一方の信号線となる
銀薄膜、PZT等の圧電素子2の薄膜、他方の信号線と
なる銀薄膜、第一の音響整合層1bとなるエポキシ系の
樹脂からなる薄膜、第二の音響整合層1aとなる第一の
音響整合層1bよりも音響インピーダンスの小さいエポ
キシ系の樹脂からなる薄膜をバッキング材3の送波面側
に順番に接着する。
【0070】次に、YZ平面と平行に送波面側からz軸
方向と反対の方向に切り込みを入れることによって、短
冊状の振動子を形成する。ただし、実施の形態2では、
第一の切り込み深さHと、第二の切り込み深さH1とで
交互に切り込みを行うことによって、図5に示すよう
に、背面整合層4が交互に切断された形状の振動子を形
成する。
【0071】このように、実施の形態2の振動子では、
圧電素子2とバッキング材3との間に補強部(補強部
材)として背面整合層4を設け、特に各背面整合層4の
送波面側にそれぞれ2個ずつの圧電素子2を形成した構
造とすることによって、実施の形態1の探触子よりも振
動子と第二のバッキング材3との接合面積、すなわち振
動子の支持部分を太く形成することができるので、実施
の形態1の探触子よりも強固に振動子を支持することが
できる。従って、計測時における振動子の傾斜に伴う振
動子ピッチのずれをさらに小さくすることができるの
で、実施の形態2の探触子を用いた超音波計測では、さ
らに高分解能の超音波計測を行うことができる。
【0072】なお、実施の形態2の探触子では、各背面
整合層4に2個ずつの圧電素子2を形成することとした
がこれに限定されることはなく、各背面整合層4に3個
ずつ以上の圧電素子2を形成してもよいことはいうまで
もない。
【0073】さらには、実施の形態2の探触子では、各
背面整合層4に形成した圧電素子2の数を全て同数とし
たがこれに限定されることはなく、異なる数の圧電素子
2を形成してもよいことはいうまでもない。
【0074】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3の超音波装置における探触子の概略構成を説明する
ための図である。ただし、実施の形態3の超音波装置に
おける探触子では、背面整合層4の構造を除く、他の構
造は実施の形態1の超音波装置における探触子と同様と
なる。従って、実施の形態3では、実施の形態1と構造
の異なる背面整合層4の構造についてのみ、詳細に説明
する。
【0075】図6から明らかなように、実施の形態3の
超音波装置における探触子(以下、「実施の形態3の探
触子」と記す)では、背面整合層4が第一の背面整合層
4aと第二の背面整合層4bとで形成されている。すな
わち、実施の形態3の探触子では、圧電素子2よりも音
響インピーダンスが小さく、且つバッキング材3(第一
のバッキング材層3a)よりも音響インピーダンスが小
さい材料(物質)で第一の背面整合層4aが形成され
る。また、該第一の背面整合層4aよりも音響インピー
ダンスが小さく、且つバッキング材3(第一のバッキン
グ材層3a)よりも音響インピーダンスが小さい物質で
第二の背面整合層4bが形成される。このとき、実施の
形態3の探触子では、振動子の高さH2が実施の形態
1,2における探触子の振動子高さHよりも高くなる、
すなわち、圧電素子2から裏面側に送波された超音波が
隣接する振動子の圧電素子2に至るまでの経路長及び境
界面数を大きくできる。その結果、隣接する振動子間で
のクロストークをさらに低減できる。
【0076】ただし、第一及び第二の背面整合層4a,
4bの厚さすなわちZ軸方向の長さは、それぞれ使用す
る超音波の波長の1/4とすることによって、圧電素子
2から裏面側に送波された超音波を実施の形態1の探触
子よりも効率よくバッキング材3に通過させることがで
きる。また、実施の形態3の第一及び第二の背面整合層
4a,4bは、それぞれバッキング材3よりも硬い、す
なわち硬度の大きい物質を用いる。また、実施の形態3
では、第一の背面整合層4aとしては、第二の背面整合
層4bよりも大きい材料(物質)を用いることとした
が、これに限定されることはなく、例えば、第一の背面
整合層4aとして、第二の背面整合層4bよりも音響イ
ンピーダンスが小さい材料(物質)を用いてもよい。さ
らには、第一の背面整合層4aの材料(物質)と、第二
の背面整合層4bの材料(物質)とを入れ替えて構成し
てもよい。
【0077】実施の形態3の探触子の製造手順は、実施
の形態1と同様に、第二の背面整合層4bとなるエポキ
シ系の樹脂からなる薄膜、第二の背面整合層4bよりも
音響インピーダンスが大きい第一の背面整合層4aとな
るエポキシ系の樹脂からなる薄膜、一方の信号線となる
銀薄膜、PZT等の圧電素子2の薄膜、他方の信号線と
なる銀薄膜、第一の音響整合層1bとなるエポキシ系の
樹脂からなる薄膜、第一の音響整合層1aとなる第二の
音響整合層1bよりも音響インピーダンスの小さいエポ
キシ系の樹脂からなる薄膜を順番にバッキング材3の送
波面側に接着する。
【0078】次に、YZ平面と平行に送波面側からZ軸
方向と反対の方向に切り込みを入れることによって、短
冊状の振動子を一体に形成する。
【0079】このように、実施の形態3の振動子では、
圧電素子2とバッキング材3との間に補強部(補強部
材)として、背面整合層4を第一の背面整合層4aと第
二の背面整合層4bとの異なる音響インピーダンスの物
質で形成した構造とすることによって、圧電素子2から
背面側に送波された超音波を効率よくバッキング材3に
通過させることができる。
【0080】また、実施の形態3の探触子では、バッキ
ング材3よりも硬度の大きい物質で形成されているの
で、圧電素子2の背面側から送波された超音波が隣接す
る探触子の圧電素子2に至るまでの経路長を従来よりも
長くした場合であってもその強度を十分に保つことがで
きる。従って、振動子の倒れ込みすなわちピッチずれを
防止することができ、探触子の製造効率を低減させるこ
となく、振動子間のクロストークを低減させた探触子を
製造することができる。
【0081】その結果、実施の形態3の探触子を用いた
超音波装置では、計測時における振動子の傾斜に伴う振
動子ピッチずれを小さくすることができるので、実施の
形態3の探触子を用いた超音波計測では、さらに高分解
能の超音波計測を行うことができる。
【0082】(実施の形態4)図7は本発明の実施の形
態4の超音波装置における探触子の概略構成を説明する
ための図である。ただし、実施の形態4の超音波装置に
おける探触子(以下、「実施の形態4の探触子」と記
す)では、圧電素子2の背面側の第一のバッキング材層
3aの構造を除く、他の構造は従来の超音波装置におけ
る探触子と同様となる。従って、実施の形態4では、従
来の探触子と構造の異なる第一のバッキング材層3aに
ついてのみ、詳細に説明する。
【0083】図7から明らかなように、実施の形態4の
探触子では、各探触子の付け根部分にあたる第一のバッ
キング材層3aが圧電素子2から第二のバッキング材層
3bに近づくに従い、第一のバッキング材層3aの幅D
が大きくなるように形成されている。特に、実施の形態
4では、あらかじめ設定された振動子間の間隔Lに対し
て、振動子の最後端部である第一のバッキング材層3a
と第二のバッキング材層3bとの境界部分における第一
のバッキング材層3aの幅D1が最大となるように、隣
接する振動子と最後端部で接する構造となっている。
【0084】このように、実施の形態4の探触子では、
圧電素子2とバッキング材となる第二のバッキング材層
3bとの間に補強部(補強部材)として、各振動子を第
二のバッキング材層3b上に支持する第一のバッキング
材層3aの幅が、最後端部に至るに従って大きくなる
(漸増する)ように形成されているので、圧電素子2の
背面側から送波された超音波が隣接する探触子の圧電素
子2に至るまでの経路長を従来よりも長くした場合であ
っても、第一のバッキング材層3aの強度を十分に保つ
ことができる。従って、振動子の倒れ込みすなわちピッ
チずれを防止することができ、探触子の製造効率を低減
させることなく、振動子間のクロストークを低減させた
探触子を製造することができる。
【0085】その結果、実施の形態3の探触子を用いた
超音波装置では、計測時における振動子の傾斜に伴う振
動子ピッチずれを小さくすることができるので、実施の
形態3の探触子を用いた超音波計測では、さらに高分解
能の超音波計測を行うことができる。
【0086】また、図8に示すように、第一のバッキン
グ材層3aを圧電素子2の接着部分から幅を広くしても
よいことはいうまでもない。
【0087】なお、本実施の形態では、振動子をバッキ
ング材部分で分割することとしたが、これに限定される
ことはなく、少なくとも、バッキング材3と接する側の
音響整合層(背面整合層4)が隣接する振動子から分離
されていれば、前述する効果を得ることができることは
いうまでもない。
【0088】また、本実施の形態では、圧電素子2の裏
面側にも表面(送波面)側と同じ材質からなる層を配置
する構成としたが、これに限定されることはなく、音響
インピーダンスが圧電素子2よりも小さく、且つバッキ
ング材3よりも小さい材料ならば他の材料でも良いこと
はいうまでもない。ただし、本願発明の目的を達成する
ためには、この音響整合層1に代わる材料は、バッキン
グ材3よりも剛性(硬度)が大きいすなわち堅いことが
必要である。
【0089】さらには、圧電素子2とバッキング材3と
の間に背面整合層4を形成し、第一のバッキング材層3
aを図7あるいは図8に示すように形成することによっ
て、振動子の剛性を低下させることなく圧電素子2から
隣接する振動子の圧電素子2に至る距離をさらに大きく
することができるので、さらにクロストークを低減でき
る。
【0090】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0091】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)超音波画像の画質を向上することができる。 (2)隣接する振動子間のクロストークを低減すること
ができる。 (3)診断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の超音波装置の概略構成
を説明するための図である。
【図2】実施の形態1の超音波装置で計測された超音波
像(超音波画像)を説明するための図であり、表示装置
上に表示した中間調画像の写真である。
【図3】実施の形態1の探触子の概略構成を説明するた
めの拡大図である。
【図4】実施の形態1の探触子の製造手順を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の実施の形態2の超音波装置における探
触子の概略構成を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態3の超音波装置における探
触子の概略構成を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態4の超音波装置における探
触子の概略構成を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態4の超音波装置における他
の探触子の概略構成を説明するための図である。
【符号の説明】
1a…第二の音響整合層、1b…第一の音響整合層、2
…圧電素子、3a…第一のバッキング材層、3b…第二
のバッキング材層、4…背面整合層、101…探触子、
102…超音波送受信部、103…画像処理回路、10
4…デジタルスキャンコンバータ(DSC)、105…
表示装置、106…制御回路部、107…操作入力装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B06B 1/06 B06B 1/06 Z Fターム(参考) 2G047 EA07 GB02 GB11 4C301 EE06 GB02 GB40 5C054 CA08 CC04 CD03 ED07 FB01 HA05 HA12 5D019 AA07 AA21 BB02 BB17 FF04 GG01 GG05 GG06 GG11 HH01 5D107 AA16 BB07 BB09 CC01 CC10 CC12 FF09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を備えた振動子をバッキング材
    上に複数並設し測定対象に超音波を送波する探触子を備
    え、各圧電素子から送波した超音波を用いて前記測定対
    象の超音波像を形成する超音波装置において、 前記振動子には、前記圧電素子と前記バッキング材との
    間に補強部又は/及び補強部材を備えたことを特徴とす
    る超音波装置。
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