JPH10117399A - 超音波トランスジューサー及びその製造方法 - Google Patents

超音波トランスジューサー及びその製造方法

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JPH10117399A
JPH10117399A JP26850696A JP26850696A JPH10117399A JP H10117399 A JPH10117399 A JP H10117399A JP 26850696 A JP26850696 A JP 26850696A JP 26850696 A JP26850696 A JP 26850696A JP H10117399 A JPH10117399 A JP H10117399A
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piezoelectric
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俊 武内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造が容易であり、音響インピーダンスが比較
的低い被検体に対しても良好な音響整合性が得られる超
音波トランスジューサー及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】研磨加工が可能な程度の硬さを有する第1
の充填材(10)と、この第1の充填材(10)よりも、音響イ
ンピーダンスが低い第2の充填材(20)と、第1の充填材
(10)及び第2の充填材(20)が充填される溝(S,A) が形成
された圧電振動子(1) とから構成される。圧電振動子
(1) の溝(S,A) は、スライス方向に沿って複数形成され
るスライス方向溝(S) と、アレイ方向に沿って複数形成
されるアレイ方向溝(A) とから成り、第1の充填材(10)
はスライス方向溝(S) に充填され、第2の充填材(20)は
アレイ方向溝(A) に充填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば医療用又は
水中探査用など被検体の音響インピーダンスが低い場合
の超音波検査に好適な超音波トランスジューサー及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば医療用又は水中探査用などの超音
波検査においては、被検体(生体あるいは水中の物質)
の音響インピーダンスは低い場合が多い。一般的な超音
波検査に用いられる超音波トランスジューサーは、電気
音響変換効率が高い圧電材(例えばPZT)から成る圧
電振動子を有しているが、このような圧電振動子の音響
インピーダンスは高い。このため上記のように被検体の
音響インピーダンスが低い場合の超音波検査においては
圧電振動子と被検体との音響整合性が悪くなる。
【0003】そこで、例えばPZT等の圧電材と、この
圧電材よりも比較的音響インピーダンスが低いエポキシ
等の充填材とを組み合わせて圧電振動子(コンポジット
圧電振動子)を構成し、これにより音響インピーダンス
を低下させ、上記のような被検体に対する音響整合性の
改善を図った超音波トランスジューサーが考えられてい
る。このような超音波トランスジューサーは、コンポジ
ット・トランスジューサと称されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
超音波トランスジューサーのコンポジット圧電振動子の
ための充填材としては、エポキシよりも音響インピーダ
ンスが低いシリコン等を用いれば被検体に対する音響整
合性をより向上させることができ望ましい。
【0005】しかしながら、例えばシリコーンを充填材
として用いる場合には、超音波トランスジューサーの製
造加工において次のような問題点がある。すなわち、シ
リコーンは比較的柔らかい材料であるため、所要の超音
波周波数を得るための圧電振動子表面の研磨工程におい
て研磨加工を施すことが困難であるという問題点があ
る。
【0006】したがって本発明は、製造が容易であり、
音響インピーダンスが比較的低い被検体に対しても良好
な音響整合性が得られる超音波トランスジューサーを提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の超音波トランスジューサーは、研磨加工
が可能な程度の硬さを有する第1の充填材と、前記第1
の充填材よりも被検体に対する音響整合性が良好な第2
の充填材と、前記第1の充填材及び第2の充填材が充填
される圧電振動子と、を具備することを特徴とする。 (2)本発明の超音波トランスジューサーは、上記
(1)に記載の装置であって、且つ前記圧電振動子は、
複数の圧電振動素子がアレイ方向及びスライス方向に所
定の間隔をあけて配列されて成り、前記スライス方向に
沿って隣合う圧電振動素子の間に前記第1の充填材が充
填され、前記アレイ方向に沿って隣合う圧電振動素子の
間に前記第2の充填材が充填されることを特徴とする。 (3)本発明の超音波トランスジューサーは、上記
(1)に記載の装置であって、且つ前記第1の充填材と
第2の充填材とが、前記圧電振動子の振動面に平行な方
向に沿って交互に充填されることを特徴とする。 (4)本発明の超音波トランスジューサーは、上記
(1)に記載の装置であって、且つ前記第1の充填材と
第2の充填材とが、前記圧電振動子の振動面に直交する
方向に沿って交互に充填されることを特徴とする。 (5)本発明の超音波トランスジューサーの製造方法
は、研磨加工が可能な程度の硬さを有する第1の充填材
を圧電振動子に充填するステップと、前記第1の充填材
が充填された圧電振動子を所要の超音波周波数が得られ
るように研磨加工するステップと、前記第1の充填材よ
りも被検体に対する音響整合性が良好な第2の充填材を
前記ステップにより研磨加工された圧電振動子に充填す
るステップと、を具備することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。 (第1実施形態)本発明の第1実施形態に係る超音波ト
ランスジューサーは、比較的音響インピーダンスが低い
とされる生体等の被検体に対して用いられ、二次元アレ
イ型の超音波振動子を有するものであって、研磨加工が
可能な程度の硬さを有する第1の充填材と、この第1の
充填材よりも被検体に対する音響整合性が良好な第2の
充填材と、第1の充填材および第2の充填材が充填され
る圧電振動子とから構成される。
【0009】圧電振動子は、複数の圧電振動素子がアレ
イ方向及びスライス方向に所定の間隔をあけて配列され
て成る。そして上記第1の充填材はスライス方向に沿っ
て隣合う圧電振動素子の間に充填され、上記第2の充填
材はアレイ方向に沿って隣合う圧電振動素子の間に充填
される。
【0010】図1〜図3は本発明の第1実施形態に係る
超音波トランスジューサーの製造工程を概略的に示す斜
視図である。まず図1(a)に示すように、圧電振動子
1のスライス方向に沿って複数本の溝(スライス方向溝
と称する)Sを形成する。ちなみに同図には5本のスラ
イス方向溝が形成される場合が示されている。圧電振動
子1に対するスライス方向溝Sの具体的な形成方法とし
ては、公知のダイス(dice)方法又は射出成形法を
適用すれば良い。そして、このようなスライス方向溝S
の形成により複数本の柱状圧電体ロッドが形成されるこ
とになる。なお、圧電振動子1の材料として、本実施形
態においてはPZTを用いることとするが、これに限定
されない。
【0011】次に図1(b)に示すように、上記圧電振
動子1のスライス方向溝Sの各々に第1の充填材として
エポキシ樹脂10を充填する。第1の充填材としては研
磨加工が可能な程度の硬さを有する材料が選定される。
ちなみに、エポキシ樹脂は被検体に対して比較的高い音
響インピーダンスを呈する。なお、第1の充填材として
は上記エポキシ樹脂に限定されず、例えばアルミ粉体混
合の接着剤であっても良い。この場合は、被検体に対す
る音響整合性が上記エポキシ樹脂よりも劣るという反面
があるが、後述する研磨加工(若しくは切削加工)及び
アレイ振動子形成のためのダイス加工がより容易になる
という利点がある。
【0012】次に図2(a)において点線で示すよう
に、圧電振動子1の表面を研磨加工する。同図の点線は
研磨量を便宜的に誇張して示している。研磨加工により
圧電振動子1の厚さが変化し、これにより圧電振動子1
を駆動した際の超音波周波数を所要の値にすることが可
能となる。なお、圧電振動子1の溝Sに充填されるエポ
キシ樹脂10は研磨可能な程度の硬さを有しているの
で、当該研磨加工は容易に行える。
【0013】次に図2(b)に示すように、柱状圧電体
ロッド(圧電振動子)1を切り出して背面材(バッキン
グ材とも言う)2に接合し、音響整合剤を塗布して音響
整合層3を形成する。圧電振動子1において音響整合層
3側の面が超音波の送受波面となる。
【0014】次に図3(a)に示すように、圧電振動子
1のアレイ方向に沿って複数本の溝(アレイ方向溝と称
する)Aを形成する。ちなみに同図には5本のアレイ方
向溝が形成される場合が示されている。圧電振動子1に
対するアレイ方向溝Aの具体的な形成方法としては、ダ
イス(dice)方法を適用すれば良い。そして、この
ようなアレイ方向溝Aが形成されることにより、柱状圧
電体ロッドの各々が分割される。これにより、圧電振動
子1は、複数の圧電振動素子がアレイ方向及びスライス
方向に所定の間隔をあけて配列される二次元アレイ構造
を成す。この圧電振動子1の振動面、すなわち個々の圧
電振動子素子の振動面は、アレイ方向に平行な平面とス
ライス方向に平行な平面の両者に直交する面である。
【0015】次に図3(b)に示すように、第2の充填
材としてシリコーン樹脂20をアレイ方向溝Aの各々に
充填する。第2の充填材としては上記第1の充填材、す
なわちエポキシ樹脂10よりも音響インピーダンスが低
い材料が選定される。このような第2の充填材は、上記
シリコーン樹脂に限定されない。なお、同図において音
響整合層は図示省略されている。また、ダイス状に分割
された圧電振動子1上に形成され、個々の振動子を電気
的に分離可能な如く設けられる電極層についても図示省
略されている。
【0016】ここで、上述したような製造工程によって
製造された本実施形態の超音波トランスジューサーの音
響整合性の向上効果について説明する。なお、圧電振動
子の材料として音響インピーダンスZ=30MRaly
のPZTを用い、第1の充填材として音響インピーダン
スZ=4MRalyのエポキシ樹脂を用い、第2の充填
材として音響インピーダンスZ=1MRalyのシリコ
ーン樹脂を用いるとともに、体積分率を30%として製
造した場合について説明する。
【0017】まず、比較対象例として、PZTと第1の
充填材とが3:7の比率で構成された公知のコンポジッ
ト圧電体の音響インピーダンスは、Z=11.8MRa
lyとなる。
【0018】一方、PZTとエポキシとシリコーンとが
3:3.5:3.5 の比率で構成された本実施形態の超音波トラ
ンスジューサーは音響インピーダンスをZ=10.8M
Ralyとすることができ、比較対象例に比べて約10
%程、被検体の音響インピーダンスに近づけることがで
きる。したがって、被検体との音響整合性が向上する。
【0019】さらに、研磨切削加工性およびアレイ振動
子形成のためのダイス加工性の向上のために、第1の充
填材としてエポキシ樹脂(Z=4MRaly)よりも音
響インピーダンスが高いアルミ粉体混合の接着剤(Z=
7MRaly)を用いて構成したような場合であって
も、超音波トランスジューサー全体の音響インピーダン
スは11.8MRalyとなり、上記比較対象例に比べ
て音響整合性が劣化することがない。
【0020】以上説明したように本実施形態は、研磨加
工が可能な程度の硬さを有する第1の充填材(10)と、こ
の第1の充填材(10)よりも被検体に対する音響整合性が
良好な第2の充填材(20)と、第1の充填材(10)および第
2の充填材(20)が充填される圧電振動子(1) とから構成
される。圧電振動子(1) は、複数の圧電振動素子がアレ
イ方向及びスライス方向に所定の間隔をあけて配列され
て成る。そして上記第1の充填材(10)はスライス方向に
沿って隣合う圧電振動素子の間、すなわちスライス方向
溝(S) に充填され、上記第2の充填材(20)はアレイ方向
に沿って隣合う圧電振動素子の間、すなわちアレイ方向
溝(A) に充填される。
【0021】ここで、第1の充填材(10)は研磨加工が可
能な程度の硬さを有しているため、製造が容易となる。
また、第2の充填材(20)は音響インピーダンスが低い材
料が選定されるため、被検体に対する音響整合性が良好
となる。加えて、第2の充填材(20)として音響結合性が
小さい材料を選定すれば、ダイス状に分割された圧電振
動子(1) の個々の圧電素子間の音響的クロストークが小
さくなる。したがって、エレメントファクターを広く取
れるという利点がある。
【0022】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を説明する。第1実施形態においては、スライス方
向に沿って隣合う圧電振動素子の間に第1の充填材(エ
ポキシ樹脂)が充填され、アレイ方向に沿って隣合う圧
電振動素子の間に第2の充填材(シリコーン樹脂)が充
填される超音波トランスジューサーについて説明した。
第2実施形態においては、第1の充填材と第2の充填材
とが圧電振動子の振動面に平行な方向に沿って交互に充
填される。特に本実施形態においては、第1の充填材と
第2の充填材とが圧電振動子に形成されたダイス状溝の
幅方向に沿って交互に充填される。
【0023】図4はこのような本実施形態の超音波トラ
ンスジューサーの概略構成を示す図であって、同図
(a)は斜視図、同図(b)は上面図、同図(c)は同
図(b)の矢印U−U′方向から見た断面図である。
【0024】本実施形態の超音波トランスジューサーの
製造工程を説明する(製造工程の図示は省略する)。ま
ず、圧電振動子1のスライス方向に沿って複数本の溝
(スライス方向溝)を形成すると共に、アレイ方向に沿
って複数本の溝(アレイ方向溝)を形成する。これによ
り、圧電振動子1はダイス状に分割され、ダイス状溝が
形成される。圧電振動子1に対するダイス状溝の具体的
な形成方法は第1実施形態と同様である。なお、圧電振
動子1の材料としてはPZTを用いることとするが、こ
れに限定されない。
【0025】次に、上記圧電振動子1のダイス状溝に第
1の充填材としてエポキシ樹脂10を充填する。第1の
充填材としては研磨加工が可能な程度の硬さを有する材
料が選定される。なお、第1の充填材としては上記エポ
キシ樹脂に限定されず、例えばアルミ粉体混合の接着剤
であっても良い。この場合は、被検体に対する音響整合
性が上記エポキシ樹脂よりも劣るという反面があるが、
研磨加工(若しくは切削加工)がより容易になるという
利点がある。
【0026】次に、圧電振動子1の表面を研磨加工す
る。研磨加工により圧電振動子1の厚さが変化し、これ
により圧電振動子1を駆動した際の超音波周波数を所要
の値にすることが可能となる。なお、圧電振動子1のダ
イス状溝に充填されるエポキシ樹脂10は研磨可能な程
度の硬さを有しているので、当該研磨加工は容易に行え
る。
【0027】次に、ダイス状溝の底面で圧電振動子1を
切り出す。これにより、複数の圧電振動素子がアレイ方
向及びスライス方向に所定の間隔(ダイス状溝の幅に等
しい)をあけて配列されて成る二次元アレイ型の圧電振
動子が得られる。そして、圧電振動子1の一方の面を背
面材2に接合し、音響整合剤を塗布して音響整合層を形
成する。圧電振動子1において音響整合層側の面が超音
波の送受波面となる。
【0028】次に、圧電振動子1のアレイ方向に沿っ
て、当初形成したアレイ方向溝と同じ位置に、このアレ
イ方向溝よりも溝幅がわずかに狭い第2のアレイ方向溝
を形成する。
【0029】次に、第2の充填材としてシリコーン樹脂
20を第2のアレイ方向溝の各々に充填する。第2の充
填材としては上記第1の充填材、すなわちエポキシ樹脂
10よりも、音響インピーダンスが低い材料が選定され
る。このような第2の充填材は、上記シリコーン樹脂に
限定されない。
【0030】かくして図4(c)に示すように、圧電振
動子1のダイス状溝の幅Wの方向に沿って、エポキシ樹
脂10とシリコーン樹脂20とが交互に充填されること
になる。
【0031】このような第2実施形態の超音波トランス
ジューサーによれば、第1実施形態と同様に、第1の充
填材(10)は研磨加工が可能な程度の硬さを有しているた
め、製造が容易となる。また、第2の充填材(20)は音響
インピーダンスが低い材料が選定されるため、被検体に
対する音響整合性が良好となる。加えて、第2の充填材
(20)として音響結合性が小さい材料を選定すれば、ダイ
ス状に分割された圧電振動子(1) の個々の圧電振動素子
間の音響的クロストークが小さくなる。したがって、エ
レメントファクターを広く取れるという利点がある。
【0032】さらに第2実施形態においては、ダイス状
に分割された圧電振動子1の個々の圧電素子素子間のギ
ャップ幅Wに沿って、異なる材質の充填材とを適宜組み
合わせて充填(本例ではエポキシ−シリコーン−エポキ
シを交互に充填)可能としているため、特に高周波にお
いてギャップ幅Wに発生する不要振動モードを回避可能
となる。ちなみに、所要の体積分率を得るためにギャッ
プ幅Wを100μmとしたいような場合であって、10
MHz程度の高周波プローブを構成するような場合であ
っても、不要振動モードが発生することがない。
【0033】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を説明する。第2実施形態においては、第1の充填
材と第2の充填材とが圧電振動子の振動面に平行な方向
に沿って交互に充填される超音波トランスジューサーに
ついて説明した。第3実施形態の超音波トランスジュー
サーは、第1の充填材と第2の充填材とが圧電振動子の
振動面に直交する方向(これは超音波が送受波される方
向に等しい)に沿って交互に充填されて構成される。特
に本実施形態においては、圧電振動子に形成されたダイ
ス状溝の深さ方向に沿って第1の充填材及び第2の充填
材が交互に充填されて構成される。
【0034】図5はこのような本実施形態の超音波トラ
ンスジューサーの概略構成を示す図であって、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)を矢印V−
V′方向から見た断面図である。
【0035】本実施形態の超音波トランスジューサーの
製造工程を説明する(製造工程の図示は省略する)。ま
ず、圧電振動子1のスライス方向に沿って複数本の溝
(スライス方向溝)を形成すると共に、アレイ方向に沿
って複数本の溝(アレイ方向溝)を形成する。これによ
り、圧電振動子1はダイス状に分割され、ダイス状溝が
形成される。
【0036】圧電振動子1に対するダイス状溝の具体的
な形成方法は第1実施形態と同様である。なお、圧電振
動子1の材料としてはPZTを用いることとするが、こ
れに限定されない。
【0037】次に、上記圧電振動子1のダイス状溝に、
第1の充填材としてエポキシ樹脂10を溝底面から所定
の高さ(ここでは3分の1とする)まで充填する。第1
の充填材としては研磨加工が可能な程度の硬さを有する
材料が選定される。なお、第1の充填材としては上記エ
ポキシ樹脂に限定されず、例えばアルミ粉体混合の接着
剤であっても良い。この場合は、被検体に対する音響整
合性が上記エポキシ樹脂よりも劣るという反面がある
が、後述する研磨加工(若しくは切削加工)がより容易
になるという利点がある。
【0038】次に、圧電振動子1のダイス状溝に充填さ
れた第1の充填材の上層に、第2の充填材としてシリコ
ーン樹脂20を、所定の高さだけ充填する。第2の充填
材としては上記第1の充填材、すなわちエポキシ樹脂1
0よりも、音響インピーダンスが低い材料が選定され
る。このような第2の充填材は、上記シリコーン樹脂に
限定されない。
【0039】次に、上記第2の充填材の上層に、再度第
1の充填材、すなわちエポキシ樹脂10を充填する。次
に、圧電振動子1の表面を研磨加工する。研磨加工によ
り圧電振動子1の厚さが変化し、これにより圧電振動子
1を駆動した際の超音波周波数を所要の値にすることが
可能となる。なお、圧電振動子1のダイス状溝に充填さ
れるエポキシ樹脂10は研磨可能な程度の硬さを有して
いるので、当該研磨加工は容易に行える。
【0040】次に、ダイス状溝の底面に相当する位置で
圧電振動子1を切り出す。これにより、複数の圧電振動
素子がアレイ方向及びスライス方向に所定の間隔(ダイ
ス状溝の幅に等しい)をあけて配列されて成る二次元ア
レイ型の圧電振動子が得られる。そして、圧電振動子1
の一方の面を背面材2に接合し、音響整合剤を塗布して
音響整合層を形成する。圧電振動子1において音響整合
層側の面が超音波の送受波面となる。
【0041】かくして図5(c)に示すように、圧電振
動子1のダイス状溝の深さ方向(厚み方向)Zに沿っ
て、エポキシ樹脂10とシリコーン樹脂20とが交互に
充填されることになる。
【0042】このような第3実施形態の超音波トランス
ジューサーによれば、第1実施形態と同様に、第1の充
填材(10)は研磨加工が可能な程度の硬さを有しているた
め、製造が容易となる。また、第2の充填材(20)は音響
インピーダンスが低い材料が選定されるため、被検体に
対する音響整合性が良好となる。加えて、第2の充填材
(20)として音響結合性が小さい材料を選定すれば、ダイ
ス状に分割された圧電振動子(1) の個々の圧電振動素子
間の音響的クロストークが小さくなる。したがって、エ
レメントファクターを広く取れるという利点がある。
【0043】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、種々変形して実施可能である。例えば、上記第1
〜第3実施形態においては、圧電振動子に対してスライ
ス方向溝、アレイ方向溝、ダイス状溝といった溝を形成
し、その底面で切り出すことにより、圧電振動子を複数
の圧電振動素子に分割することとして説明したが、柱状
若しくは板状の複数の圧電振動素子を所定の間隔をあけ
て配列し、個々の圧電振動素子の間隙に、本発明に従っ
て充填材を充填するように構成しても良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製
造が容易であり、音響インピーダンスが比較的低い被検
体に対しても良好な音響整合性が得られる超音波トラン
スジューサー及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る超音波トランスジ
ューサーの製造工程の一部を概略的に示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る超音波トランスジ
ューサーの製造工程の一部を概略的に示す斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る超音波トランスジ
ューサーの製造工程の一部を概略的に示す斜視図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る超音波トランスジ
ューサーの構成を概略的に示す図。
【図5】本発明の第3実施形態に係る超音波トランスジ
ューサーの構成を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…圧電振動子 2…背面材 3…音響整合層 10…第1の充填材(エポキシ樹脂) 20…第2の充填材(シリコーン樹脂)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨加工が可能な程度の硬さを有する第
    1の充填材と、 前記第1の充填材よりも被検体に対する音響整合性が良
    好な第2の充填材と、 前記第1の充填材及び第2の充填材が充填される圧電振
    動子と、 を具備することを特徴とする超音波トランスジューサ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記圧電振動子は、複数の圧電振動素子
    がアレイ方向及びスライス方向に所定の間隔をあけて配
    列されて成り、 前記スライス方向に沿って隣合う圧電振動素子の間に前
    記第1の充填材が充填され、 前記アレイ方向に沿って隣合う圧電振動素子の間に前記
    第2の充填材が充填されることを特徴とする請求項1に
    記載の超音波トランスジューサー。
  3. 【請求項3】 前記第1の充填材と第2の充填材とが、
    前記圧電振動子の振動面に平行な方向に沿って交互に充
    填されることを特徴とする請求項1に記載の超音波トラ
    ンスジューサー。
  4. 【請求項4】 前記第1の充填材と第2の充填材とが、
    前記圧電振動子の振動面に直交する方向に沿って交互に
    充填されることを特徴とする請求項1に記載の超音波ト
    ランスジューサー。
  5. 【請求項5】 研磨加工が可能な程度の硬さを有する第
    1の充填材を圧電振動子に充填するステップと、 前記第1の充填材が充填された圧電振動子を所要の超音
    波周波数が得られるように研磨加工するステップと、 前記第1の充填材よりも被検体に対する音響整合性が良
    好な第2の充填材を前記ステップにより研磨加工された
    圧電振動子に充填するステップと、 を具備することを特徴とする超音波トランスジューサー
    の製造方法。
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