JPH1056694A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JPH1056694A
JPH1056694A JP21012396A JP21012396A JPH1056694A JP H1056694 A JPH1056694 A JP H1056694A JP 21012396 A JP21012396 A JP 21012396A JP 21012396 A JP21012396 A JP 21012396A JP H1056694 A JPH1056694 A JP H1056694A
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Satoshi Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に所望の仕様を有する音響材料を得るこ
とのできる超音波プローブを提供する。 【解決手段】 バッキング材11に積層され、電気信号
を超音波に変換すると共に被検体から反射されてくる超
音波を電気信号に変換する圧電体13と、圧電体13に
積層され、被検体の音響インピーダンスと圧電体の音響
インピーダンスとの整合を行なう音響整合層15bとを
備えた超音波プローブにおいて、音響整合層15bとバ
ッキング材11との少なくとも一方の部材は、音響イン
ピーダンスの異なる2種類の素材21,23が複合され
た複合体から形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体に超音波を
送波し、被検体から反射されてくる超音波を受波する超
音波プローブに関し、特に、所望の仕様を有する音響材
料を得ることのできる超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置では、超音波プローブに
より超音波を被検体に送受信することによって被検体の
軟部組織の断層像を得ている。
【0003】この種の超音波プローブは、圧電セラミッ
クスや高分子圧電体の圧電効果を利用して、加えられた
電気信号に対応した超音波を被検体に送波し、また、被
検体からの超音波に対応する電気信号を発生する。
【0004】この種の超音波プローブ本体の側面図を図
9に示す。超音波プローブ本体(振動子)は、バッキン
グ材11、圧電体13、2層の音響整合層101a,1
01b、音響レンズ17を備えて構成される。
【0005】バッキング材11は、短い超音波パルスを
発生するさせるために不要振動を吸収する。圧電体13
は、圧電セラミックスなどからなる圧電振動子であり、
バッキング材11の上面に積層され、電気パルスを超音
波に変換すると共に超音波パルスを電気信号に変換す
る。
【0006】2層の音響整合層101a,101bは、
被検体の音響インピーダンスと圧電体13の音響インピ
ータンスダンスとの整合を行なうものである。音響整合
層101aは圧電体13の上面に積層され、音響整合層
101bは音響整合層101aの上面に積層される。音
響レンズ17は、シリコンゴムなどからなり、音響整合
層101bに積層され、音場をよくする。
【0007】なお、前記圧電体13の下部には電極19
a,19bが設けられ、この電極19a,19bに電圧
が印加され、圧電体13が機械振動するようになってい
る。圧電体13は、所定間隔で切断され、図示しない
が、複数の振動子片が形成されている。
【0008】また、超音波プローブは、図10に示すよ
うに、振動子を含む超音波プローブ本体1と、この超音
波プローブ本体1に電気的に接続されるケーブル3、こ
のケーブル3に電気的に接続されるコネクタ5を備えて
構成される。このコネクタ5には図示しないパルサー
や、レシーバー回路が接続される。
【0009】このような超音波プローブは電極19a,
19bに印加された電圧により超音波を発生すると共
に、反射した超音波を受信して電気信号に変換して、超
音波診断装置本体(図示せず)に供給する。そして、超
音波診断装置本体では、超音波プローブから供給された
電気信号に基づいて断層像を得る。
【0010】このような超音波プローブの伝達特性は、
画像の信号/雑音比(S/N比)、分解能等に関わる1
要素である。この伝達特性は、プローブと送信/受信回
路であるパルサー/レシーバー回路相互間のインピーダ
ンスマッチング特性とプローブ自体の電気エネルギー/
音響エネルギー相互間の交換特性に依存して定まるもの
である。
【0011】従来、この伝達特性を最適化するために、
予め机上での計算によって、所望の特性(例えば、音響
インピーダンス、減衰係数)が確保できる最適な圧電
体、音響整合層、バッキング材の仕様を把握し、これら
の素材を調達していた。そして、調達された素材から圧
電体、音響整合層、バッキング材を試作して製造性、特
性、信頼性等の確認を行っていた。
【0012】特に、前記振動子の伝達特性を最適化する
ために、所望の材料の調達方法としては、単体で調達す
る場合と複数の素材を調達して混合する場合とがある。
しかし、単体で調達する場合、現実に入手できる素材に
は限界があるため、所望の仕様を満足できる素材を入手
し難いという問題があった。
【0013】一方、複数の素材を混合して所望の仕様を
実現することも考えられるが、個々の素材の性質、これ
ら素材の差及び成形条件の差等によって複数の素材の混
合が難しいため、最適な音響材料が実現されにくい。
【0014】これに対して、2種類の素材を混合する場
合、一方の素材を溶解しておき、他方の素材を粉砕した
上で、一方の素材に他方の素材を混合するという方法も
あった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その素
材を超音波の波長オーダーに対して十分に小さく且つ均
一な粒度に粉砕することが困難であった。また、素材の
粉砕の度合いに応じて、素材の表面積が増加するため、
複数の素材の混合比率に限界が生じていた。
【0016】さらには、溶解させた素材の硬化速度と2
つの素材間の比重差との関係によっては、混合比率が不
均一になる可能性がある等、種々の問題を伴うことが多
かった。
【0017】本発明の目的は、複数種類の素材を混合し
てなる音響材料に対して、従来の手法に比較して容易に
所望の仕様を有する音響材料を得ることのできる超音波
プローブを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、
基材に積層され、電気信号を超音波に変換すると共に被
検体から反射されてくる超音波を電気信号に変換する圧
電体と、この圧電体に積層され、被検体の音響インピー
ダンスと圧電体の音響インピーダンスとの整合を行なう
音響整合層とを備えた超音波プローブにおいて、前記音
響整合層と前記基材との少なくとも一方の部材は、音響
インピーダンスの異なる複数種類の素材が複合された複
合体から形成されることを要旨とする。
【0019】この発明によれば、音響整合層と前記基材
との少なくとも一方の部材は、音響インピーダンスの異
なる複数種類の素材が複合された複合体から形成されて
いるので、複数種類の素材を混合してなる音響材料に対
して、従来の手法に比較して容易に所望の仕様を有する
音響材料を得ることができる。
【0020】請求項2の発明は、前記複合体の各素材を
順番にかつ繰り返し配置する場合に、各素材の繰り返し
周期の長さを、複合体の平均音速に対する超音波の波長
以下に設定したことを要旨とする。
【0021】この発明によれば、複合体の各素材を順番
にかつ繰り返し配置する場合に、各素材の繰り返し周期
の長さを、複合体の平均音速に対する超音波の波長以下
に設定したので、複合体が均一の1つの素材に近似的に
見なされるので、均一化した伝達特性として取り扱われ
るから、所望の特性が得られやすい。
【0022】請求項3の発明は、前記複数種類の素材の
内の一つの素材に溝部を形成し、この溝部に他の一つの
素材を充填して硬化させ、この充填及び硬化処理を残り
の各素材毎に行ない、前記複合体を形成することを要旨
とする。
【0023】この発明によれば、複数種類の素材の内の
一つの素材に溝部を形成し、この溝部に他の一つの素材
を充填して硬化させ、この充填及び硬化処理を残りの各
素材毎に行ない、前記複合体を形成する。
【0024】すなわち、個々の素材を順次形成していく
ため、従来、複数の素材の混合の際に問題となっていた
素材間の性質、成形条件の差の影響を受け難い。
【0025】また、粉砕による複数の素材の混合に対し
ても、波長オーダーに対して十分に小さく、且つ、均一
な粒度の実現や素材間の比重差による混合率の不均一化
に関する問題も回避できる。
【0026】その結果、実現できる音響材料の範囲を広
げることができ、これによって、プローブの伝達特性を
予め机上での計算によって、把握した最適な特性に漸近
させることができる。
【0027】請求項4では、前記音響整合層と前記基材
との少なくとも一方の部材は、単一種類の素材からなる
単一体と前記複合体とが連続して積層されることを要旨
とする。
【0028】この発明によれば、音響整合層と前記基材
との少なくとも一方の部材は、単一種類の素材からなる
単一体と前記複合体とが連続して積層されるので、所望
の特性が得られやすいと共に単一体と複合体との間の接
着層を省くことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超音波プローブの
実施の形態を図面を参照して説明する。本発明では、机
上の検討により算出される音響材料の仕様の1つとし
て、音響インピーダンスに着目して説明する。
【0030】(実施の形態1)図1に本発明の超音波プ
ローブの実施の形態1の斜視図を示す。実施の形態1で
は、複数の種類の素材を用いて音響材料を実現する場合
において、予め溝部が形成された一方の素材を準備し、
その上で他の素材をその溝部に充填、硬化させる、すな
わち、個々の素材を順次形成することによって、所望の
音響材料を実現するものである。
【0031】ここでは、2種類の素材を組み合わせて構
成される音響材料の場合に関して説明する。図2に、実
施の形態1における超音波プローブの側面図を示す。
【0032】図2に示す超音波プローブは、超音波プロ
ーブ本体(振動子)は、基材としてのバッキング材1
1、圧電体13、2層の音響整合層15a,15b、音
響レンズ17を備えて構成される。
【0033】バッキング材11は、短い超音波パルスを
発生するさせるために不要振動を吸収するものである。
圧電体13は、バッキング材11の上面に積層され、電
気パルスを超音波に変換すると共に超音波パルスを電気
信号に変換するもので、圧電セラミックスなどからなる
圧電振動子である。
【0034】2層の音響整合層15a,15bは、被検
体の音響インピーダンスと圧電体13の音響インピータ
ンスダンスとの整合を行なうものである。音響整合層1
5aは、圧電体13の上面に積層され、音響整合層15
bは、音響整合層15aの上面に積層される。音響レン
ズ17は、音響整合層15bに積層され、音場をよくす
るためにシリコンゴムなどからなる。
【0035】なお、前記圧電体13の下部には電極19
a,19bが設けられ、この電極19a,19bに電圧
が印加され、圧電体13が機械振動して超音波を発生す
るようになっている。圧電体13は、所定間隔で切断さ
れ、図示しないが、複数の振動子片が形成されている。
【0036】前記音響整合層15bは、第1の素材であ
るエポキシ樹脂21と、第2の素材であるシリコン樹脂
23とを(振動子配列方向(以下、アレイ方向と称す
る。)に交互にかつ繰り返し配置し、また、振動子アレ
イ方向に直交する方向(以下、スライス方向と称す
る。)にもエポキシ樹脂21とシリコン樹脂23とを交
互にかつ繰り返し配置して構成される。
【0037】すなわち、前記音響整合層15bは、上面
からもわかるようにエポキシ樹脂21とシリコン樹脂2
3とを格子状に組み合わせて複合化した複合体からな
る。
【0038】また、前記音響整合層15aも、エポキシ
樹脂21と、シリコン樹脂25とをアレイ方向に交互に
かつ繰り返し配置し、また、スライス方向にもエポキシ
樹脂21とシリコン樹脂25とを交互にかつ繰り返し配
置して構成される。
【0039】すなわち、前記音響整合層15aも、エポ
キシ樹脂21とシリコン樹脂25とを格子状に組み合わ
せて複合化した複合体からなる。
【0040】次に、このような音響整合層15a,15
bを製造する方法について図3を参照して説明する。
【0041】まず、エポキシ樹脂21を適当な型枠を用
いて硬化させ、研削と研磨によって基準面を作成する。
その後、その基準面に対向する面に対して、高精度位置
決めが可能な切断機を用いて溝部31を形成し(ステッ
プS1)、次に、溝部33を形成する(ステップS
3)。このとき、エポキシ樹脂21は図3に示すように
柱状体となる。
【0042】そして、溝部31と溝部33とに減圧環境
下でシリコン樹脂23を充填し硬化させる(ステップS
5)。最後に、研削と研磨によって所望の厚みの複合体
からなる音響整合層15a,15bを形成する。
【0043】なお、音響整合層15bのエポキシ樹脂2
1の音響インピーダンスは、約3[Mrayls]であ
り、シリコン樹脂23の音響インピーダンスは、約1
[Mrayls]である。
【0044】ここで、音響整合層15bのエポキシ樹脂
21の複合体積比率はVA であり、シリコン樹脂23の
複合体積比率はVB であるとすると、複合体の平均的な
音響インピーダンスは、VA ×ZA +VB ×ZB によっ
て近似される。
【0045】従って、目標とする音響材料の音響インピ
ーダンスが定まれば、既存の素材の中から適切な素材を
選択して複合化し、所望の仕様を有する音響材料を実現
することができる。
【0046】例えば、音響インピーダンス2.5[Mr
ayls]の音響材料が必要である場合、第1の素材で
あるエポキシ樹脂21の複合体積比率を75[%]と
し、第2の素材であるシリコン樹脂23の複合体積比率
を25[%]とすれば、2.5[Mrayls]の音響
インピーダンスを有する複合体を容易に得ることができ
る。
【0047】このように実施の形態1によれば、複数の
素材を混合してなる音響材料の実現が、従来の手法に比
べ容易になる。すなわち、個々の素材を順次形成してい
くため、従来、混合の際に問題となっていた素材間の性
質、成形条件の差の影響を受け難い。
【0048】また、粉砕による複数の素材の混合に対し
ても、波長オーダーに対して十分に小さく、且つ、均一
な粒度の実現や素材間の比重差による混合率の不均一化
に関する問題も回避できる。
【0049】その結果、実現できる音響材料の範囲を広
げることができ、これによって、プローブの伝達特性を
予め机上での計算によって、把握した最適な特性に漸近
させることができる。
【0050】また、第1の素材であるエポキシ樹脂21
の音速は、約2700[m/sec]であり、第2の素
材であるシリコン樹脂23の音速は、約1000[m/
sec]である。これにより、複合体の平均的な音速
は、VA ×CA +VB ×CB に近似される。
【0051】また、複合体を構成する各素材の繰り返し
周期の長さP(図2に示す部分)を、複合体の平均的な
音速に対する超音波の波長以下に設定させる。このため
には、超音波の周波数をfc[MHz]とした場合、前
記平均的な音速に基づいて算出される波長λC (VA ×
A +VB ×CB )/fc[m]に対して、λC >P
[m]を満足するように、繰り返し周期の長さPを設定
する。
【0052】例えば、超音波の周波数を7.5[MH
z]とした場合、前記複合体積比率に対して、波長は
0.27[mm]となる。この波長以下の繰り返し周期
の長さPによって各素材を複合化すればよい。
【0053】図4(a)に示すように、繰り返し周期の
長さPを波長λC よりも小さく設定した場合には、超音
波から複合体を見たとき、複合体が均一の1つの素材に
近似的に見なされるので、均一化した伝達特性として取
り扱われるから、所望の伝達特性が得られやすい。
【0054】一方、図4(b)に示すように、繰り返し
周期の長さPを波長λC よりも大きく設定した場合に
は、超音波から複合体を見たとき、複合体が複数の素材
に見なされる。すなわち、複数の素材が合成されたもの
では、所望の伝達特性が得られにくい。
【0055】なお、実施の形態1では、溝部31,33
を形成するときに、硬化させたエポキシ樹脂21に対し
て高精度位置決めが可能な切断機を用いたが、エポキシ
樹脂21を硬化させる段階で、溝構造を有する型枠を用
いて硬化・成形することにより、溝部31及び溝部33
を形成するようにしてもよい。同様に、素材は、熱硬化
性高分子、熱可塑性高分子等が使用してもよい。
【0056】また、実施の形態1では、音響整合層15
a,15bを複合体としたが、例えば、バッキング材1
1をエポキシ樹脂21とシリコン樹脂23とからなる複
合体としてもよい。さらには、音響整合層15a,15
b及びバッキング材11を前記複合体としてもよい。
【0057】また、エポキシ樹脂21及びシリコン樹脂
23の複合体積比率は実施の形態1の比率に限定され
ず、仕様値と組み合わせ素材の特性及び種類に応じて決
定すればよい。
【0058】(実施の形態2)次に、本発明の超音波プ
ローブの実施の形態2を説明する。実施の形態2の超音
波プローブの斜視図を図5に示す。
【0059】実施の形態2では、実施の形態1の構成に
対して、バッキング材11aの構成が異なる。なお、図
示しない音響レンズ17が音響整合層15bに積層され
ている。
【0060】バッキング材11aは、厚みtの材料から
なり、上部の厚みt1のエポキシ樹脂21及びシリコン
樹脂23からなる複合体と、下部の厚み(t−t1)の
エポキシ樹脂21からなる単一体との積層構造からな
る。すなわち、エポキシ樹脂21の単一体も、音響材料
として使用したものである。
【0061】このような構成のバッキング材11aは、
前記実施の形態1の最終の研削・研磨の工程において、
エポキシ樹脂21を必要な厚み(t−t1)だけ残すこ
とによって、形成される。
【0062】このような構造で積層化を行うことによっ
て、音響特性上、単一体と複合体との間の不要な接着層
を排除することができ、プローブの伝達特性の最適化に
対して有用である。
【0063】また、バッキング材11aは、エポキシ樹
脂21の代わりに、シリコンゴムを用いても良く、シリ
コン樹脂23の代わりに、アルミナ・アラルダイトを用
いても良い。
【0064】この場合、アルミナ・アラルダイトの音響
インピーダンスは、約7.6[Mrayls]であり、
シリコンゴムの音響インピーダンスは、約1[Mray
ls]である。
【0065】アルミナ・アラルダイトの複合体積比率を
30[%]とし、シリコンゴムの複合体積比率を70
[%]とすれば、3[Mrayls]の音響インピーダ
ンスを有する複合体を容易に得ることができる。また、
この比率を変化させて、複合体の音響インピーダンスを
可変することができる。
【0066】なお、実施の形態2では、バッキング材1
1aを単一体と複合体との積層構造としたが、例えば、
音響整合層15a,15bのそれぞれを前記複合体と前
記単一体との積層構造としてもよい。
【0067】(実施の形態3)次に、本発明の超音波プ
ローブの実施の形態3を説明する。実施の形態3の超音
波プローブの斜視図を図6に示す。実施の形態1及び実
施の形態2では、2種類の素材を複合した複合体を説明
したが、図6に示したように、音響整合層15c,15
dのそれぞれが3種類の素材を複合した複合体から構成
される。なお、図示しない音響レンズ17が音響整合層
15dの上面に積層されている。
【0068】音響整合層15dは、第1の素材であるエ
ポキシ樹脂21と、第2の素材であるシリコン樹脂23
とをスライス方向に交互にかつ繰り返し配置し、また、
アレイ方向にエポキシ樹脂21と第3の素材26とを交
互にかつ繰り返し配置して構成される。
【0069】すなわち、前記音響整合層15bは、上面
からもわかるようにエポキシ樹脂21とシリコン樹脂2
3と第3の素材26とを格子状に組み合わせて複合化し
た複合体からなる。また、前記音響整合層15cも、音
響整合層15dとほぼ同様に構成される複合体からな
る。
【0070】次に、このような音響整合層15c,15
dを製造する方法について図7を参照して説明する。
【0071】まず、エポキシ樹脂21を適当な型枠を用
いて硬化させ、研削と研磨によって基準面を作成する。
その後、その基準面に対向する面に対して、高精度位置
決めが可能な切断機を用いて溝部31を形成し(ステッ
プS11)、この溝部31に減圧環境下でシリコン樹脂
23を充填して硬化させる(ステップS13)。
【0072】次に、溝部33を形成し(ステップS1
5)、この溝部33に減圧環境下で第3の素材26を充
填し硬化させる(ステップS17)。最後に、研削と研
磨によって所望の厚みの複合体からなる音響整合層15
c,15dを形成する。
【0073】このように、複合体が3種類の素材からな
る場合には、より所望の音響インピーダンスを得やすく
なる。
【0074】なお、複合させる素材が3種類以上の場合
も、以上の実施の形態3と同様の手法で複合体を製作す
ることができる。また、実施の形態3では、音響整合層
15c,15dを3種類の素材からなる複合体とした
が、例えば、バッキング材11を3種類の素材からなる
複合体としてもよい。
【0075】(実施の形態4)次に、本発明の超音波プ
ローブの実施の形態4を説明する。実施の形態4の超音
波プローブの斜視図を図8に示す。
【0076】実施の形態4では、実施の形態3の構成に
対して、バッキング材11aの構成が異なる。なお、図
示しない音響レンズ17が音響整合層15dの上面に積
層されている。
【0077】バッキング材11aは、厚みtの材料から
なり、上部の厚みt1のエポキシ樹脂21及びシリコン
樹脂23からなる複合体と、下部の厚み(t−t1)の
エポキシ樹脂21からなる単一体との積層構造からな
る。すなわち、エポキシ樹脂21の単一体も、音響材料
として使用したものである。
【0078】このような構成のバッキング材11aは、
前記実施の形態1の最終の研削・研磨の工程において、
エポキシ樹脂21を必要な厚み(t−t1)だけ残すこ
とによって、形成される。
【0079】このような構造で積層化を行うことによっ
て、音響特性上、単一体と複合体との間の不要な接着層
を排除することができ、プローブの伝達特性の最適化に
対して有用である。
【0080】なお、実施の形態4では、バッキング材1
1aを単一体と複合体との積層構造としたが、例えば、
音響整合層15c,15dのそれぞれを前記複合体と前
記単一体との積層構造としてもよい。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、音響整合層と基材との
少なくとも一方の部材は、音響インピーダンスの異なる
複数種類の素材が複合された複合体から形成されている
ので、複数種類の素材を混合してなる音響材料に対し
て、従来の手法に比較して容易に所望の仕様を有する音
響材料を得ることができる。
【0082】また、複合体の各素材を順番にかつ繰り返
し配置する場合に、各素材の繰り返し周期の長さを、複
合体の平均音速に対する超音波の波長以下に設定したの
で、複合体が均一の1つの素材に近似的に見なされるの
で、均一化した伝達特性として取り扱われるから、所望
の特性が得られやすい。
【0083】また、複数種類の素材の内の一つの素材に
溝部を形成し、この溝部に他の一つの素材を充填して硬
化させ、この充填及び硬化処理を残りの各素材毎に行な
い、前記複合体を形成する。
【0084】すなわち、個々の素材を順次形成していく
ため、従来、複数の素材の混合の際に問題となっていた
素材間の性質、成形条件の差の影響を受け難い。また、
粉砕による複数の素材の混合に対しても、波長オーダー
に対して十分に小さく、且つ、均一な粒度の実現や素材
間の比重差による混合率の不均一化に関する問題も回避
できる。
【0085】その結果、実現できる音響材料の範囲を広
げることができ、これによって、プローブの伝達特性を
予め机上での計算によって、把握した最適な特性に漸近
させることができる。
【0086】さらに、音響整合層と基材との少なくとも
一方の部材は、単一種類の素材からなる単一体と前記複
合体とが連続して積層されるので、所望の特性が得られ
やすいと共に、単一体と複合体との間の接着層を省くこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波プローブの実施の形態1の斜視
図である。
【図2】本発明の超音波プローブの側面図である。
【図3】実施の形態1の複合体の製造方法を説明するた
めの図である。
【図4】複合体の繰り返し周期の長さと超音波の波長と
の関係を説明する図である。
【図5】本発明の超音波プローブの実施の形態2の斜視
図である。
【図6】本発明の超音波プローブの実施の形態3の斜視
図である。
【図7】実施の形態3の複合体の製造方法を説明するた
めの図である。
【図8】本発明の超音波プローブの実施の形態4の斜視
図である。
【図9】従来の超音波プローブの側面図である。
【図10】超音波プローブの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ本体 3 ケーブル 5 コネクタ 11,11a バッキング材 13 圧電体 15a〜15d 音響整合層 17 音響レンズ 19a,19b 電極 21 エポキシ樹脂 23 シリコン樹脂 26 第3の素材 31,33 溝部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に積層され、電気信号を超音波に変
    換すると共に被検体から反射されてくる超音波を電気信
    号に変換する圧電体と、この圧電体に積層され、被検体
    の音響インピーダンスと圧電体の音響インピーダンスと
    の整合を行なう音響整合層とを備えた超音波プローブに
    おいて、 前記音響整合層と前記基材との少なくとも一方の部材
    は、音響インピーダンスの異なる複数種類の素材が複合
    された複合体から形成されることを特徴とする超音波プ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 前記複合体の各素材を順番にかつ繰り返
    し配置する場合に、各素材の繰り返し周期の長さを、複
    合体の平均音速に対する超音波の波長以下に設定したこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  3. 【請求項3】 前記複数種類の素材の内の一つの素材に
    溝部を形成し、この溝部に他の一つの素材を充填して硬
    化させ、この充填及び硬化処理を残りの各素材毎に行な
    い、前記複合体を形成することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の超音波プローブ。
  4. 【請求項4】 前記音響整合層と前記基材との少なくと
    も一方の部材は、単一種類の素材からなる単一体と前記
    複合体とが連続して積層されることを特徴とする請求項
    1または請求項2または請求項3記載の超音波プロー
    ブ。
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