JP3392985B2 - マトリクス状超音波探触子 - Google Patents
マトリクス状超音波探触子Info
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Description
子(マトリクス探触子とする)を利用分野とし、特に共
通電極の導出方法に関する。 【0002】 【発明の背景】マトリクス探触子は、複数の圧電素子を
X及びY方向に配列して、電子的走査により、生体等の
被検出体を点的に診断できることから、その有用性に注
目されている。しかしながら、現実的には、種々の問題
点から医用等の超音波診断装置では、充分に実用化され
ていない。例えばその一つに、送受波面からの電極導出
の問題がある。 【0003】第5図は、従来例を説明するマトリクス探
触子の図である。マトリクス探触子は、例えばPZT
(ジルコン酸チタン酸鉛)からなり、両主面に駆動電極
1、2を有する圧電素子3を、バッキング材4上のX及
びY方向の縦横に配列してなる。例えば、バッキング材
4に達する切れ目(未図示)を設けて、圧電板を縦横に
切断する。そして、圧電素子3間の切断溝5(ab)
に、音響的結合を防止する補強材6を埋設する。さら
に、接地用のリード線7を例えばX軸方向の各圧電素子
3上を横断させ、各表面側の駆動電極(表面電極とす
る)1を共通接続する(第6図)。あるいは、表面電極
1を含む全表面に導電性接着剤8を塗布して共通接続し
(第7図)、共通電位面とする。そして、共通電位面に
は、音響整合層9を形成して、超音波の送受波面とす
る。 【0004】このようなものでは、圧電素子3の裏面側
の駆動電極(裏面電極とする)2に、信号用のリード線
10が接続される。そして、例えば図示しない診断装置
側からの駆動パルスをリード線10を経て、順次、圧電
素子3に印加し、マトリクス状に電子走査する。 【0005】 【従来技術の問題点】しかしながら、上記構成のマトリ
クス探触子では、例えば各圧電素子3上に接地用のリー
ド線7を設けて表面電極1を共通接続した場合は、リー
ド線7が送受波面上にあるので音響的に悪影響を与え
る。また、表面電極1上に導電性接着剤8を塗布して共
通接続した場合には、塗布ムラ等により表面に凹凸を生
ずる。したがって、この場合には、特に音響整合層9の
厚みに凹凸を生じ、例えばλ/4となる一定の厚みを得
ることができず、音響的不整合を起こして送受波利得特
性を損なう。 【0006】また、前者の場合には、隣接する圧電素子
3間にも、図示しない半田がリード線7に沿って流出
し、両者にまたがって接合して音響的結合を生ずる。ま
た、後者の場合には、導電性接着剤8を全表面に設ける
ので、同様に、隣接する圧電素子3間に音響的結合を生
じる。したがって、いずれの場合も、各圧電素子3の音
響的な独立性が損なわれる所謂クロストークの低下を生
ずる問題があった。このようなことから、音響特性を良
好に維持し、表面電極1を共通接続して外部に導出する
ことには問題があった。 【0007】 【発明の目的】本発明は、音響特性を良好に維持し、表
面電極を共通接続して外部に導出し得るマトリクス探触
子を提供することを目的とする。 【0008】 【解決手段】本発明は、マトリクス上に配列した複数の
圧電素子をX又はY方向の少なくとも一方向に分割溝を
設けて2個以上の圧電エレメントから形成し、分割溝に
リード線を設けてリード線と圧電エレメントとを電気的
に接続したことを解決手段とする。以下、本発明の一実
施例を説明する。 【0009】 【実施例】第1図は本発明の一実施例を説明するマトリ
クス探触子の図である。なお、前従来例図と同一部分に
は同番号を付与してその説明は簡略する。マトリクス探
触子は、前述同様に、バッキング材4上に圧電素子3を
X及びY方向に配列してなる。そして、この実施例で
は、圧電板を縦横に切断して複数の圧電素子3を得た
後、さらに各圧電素子3上から深さ70%以上の分割溝
11(ab)を縦横に一体的に設けてなる。すなわち、
各圧電素子3を4つの圧電エレメント12(abcd)
から形成する(第2図)。 【0010】このようなものては、第3図に示したよう
に、各切断溝5(ab)及び分割溝11(ab)には前
述の補強材6が充填される。そして、例えばX方向の分
割溝11(ab)の補強材6上に接地用のリード線7を
横断させる。この例では、リード線7は分割幅より狭い
直径とする。そして、リード線7と各圧電エレメント1
2(abcd)の表面分割電極1(abcd)とを、各
圧電素子3の中央部分即ち分割溝11(ab)の交叉部
で、図中の円で示す半田13により接合し、共通電位面
を形成する。そして、前面に音響整合層9(未図示)を
形成した構成とする。また、各圧電板素子3の共通部分
の底面(裏面電極2)からは、前述同様に信号用のリー
ド線10が接続する。なお、接地用のリード線7は、外
部でさらに共通接続されあるいは独立して基準電位に接
地される。 【0011】このような構成であれば、各圧電素子3は
分割溝11(ab)を設けた4つの圧電エレメント12
(abcd)からなる。そして、表面分割電極1(ab
cd)は各圧電素子3の中央部でリード線7と接続す
る。すなわち、リード線7は圧電素子3の非圧電領域で
ある分割溝11aで接続される。したがって、リード線
は、超音波の送受波面上にはないので、その音響的な悪
影響を防止する。 【0012】また、各圧電素子3間の表面電極1は分割
溝11(ab)上のリード線7により電気的に接続され
る。そして、半田13は各圧電素子3の中央部に設けら
れるので、分割溝11(ab)の充填材6によって流出
しにくく、隣接する圧電素子3間にまたがって接合する
ことを防止する。したがって、音響的結合を防止してそ
の独立性を高める。 【0013】また、導電性接着剤による塗布ムラを防止
してほぼ均一な厚みの音響整合層を形成できるので、送
受波特性を良好にする。なお、リード線7の部分での音
響整合層は前述同様に非圧電体領域上であるので、直接
的な影響がない。このようなことから、音響的特性を良
好に維持して、各圧電素子3の表面電極1を共通接続し
て外部に導出できる。 【0014】 【他の事項】上記実施例では、圧電素子3を4つの圧電
エレメント12(abcd)から形成したが、例えば第
4図に示したように、X方向に2分割して2つの圧電エ
レメント12(ef)から圧電素子3を形成し、その分
割溝11a間に図示しないリード線を設けて半田により
接続しても、更には例えばX、Y方向にそれぞれ3分割
以上して多数の圧電エレメントから形成して接続しても
同様な効果を奏する。また、リード線7は分割溝11の
幅より小さな直径としたが、同等以上であっても同様な
効果は期待できる。また、リード線7と表面分割電極1
(abcd)とは半田により接続したが、その一部を接
続するので導電性接着剤等の他の接合材であってもよ
い。本発明はこのように種々の変更が可能であり、要す
るにマトリクス上に配列された各圧電素子を分割溝によ
り複数の圧電エレメントから形成し、分割溝間に設けた
リード線により表面電極を接続して外部に導出したもの
は、リード線の影響を排除した音響特性を得るので、こ
のようなものは基本的に本発明の技術的範囲に属する。 【0015】 【発明の効果】本発明は、マトリクス上に配列した複数
の圧電素子をX又はY方向の少なくとも一方向に分割溝
を設けて2個の圧電エレメントから形成し、分割溝にリ
ード線を設けてリード線と圧電エレメントとを電気的に
接続したので、音響特性を良好に維持して、超音波の送
受波面側の表面電極を共通接続して外部に導出し得るマ
トリクス探触子を提供できる。
の工程中の平面図である。 【図2】本発明の一実施例を説明する圧電素子の図であ
る。 【図3】本発明の一実施例を説明するマトリクス探触子
の平面図である。 【図4】本発明の他の実施例を説明するマトリクス探触
子の工程中の平面図である。 【図5】従来例を説明するマトリクス探触子の図であ
る。 【図6】従来例を説明するマトリクス探触子の平面図で
ある。 【図7】他の従来例を説明するマトリクス探触子の断面
図ある。 【符号の説明】 1 表面電極、2 裏面電極、3 圧電素子、4 バッ
キング材、5 切断溝、6 補強材、7、10 リード
線、8 導電性接着剤、9 音響整合層、11分割溝、
12 圧電エレメント.
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】複数の圧電素子をX及びY方向に配列した
マトリクス状超音波探触子において、前記複数の圧電素
子をX又はY方向の少なくとも一方向に分割溝を設けて
2個以上の圧電エレメントから形成し、前記分割溝にリ
ード線を設けて該リード線と前記圧電エレメントの表面
電極とを電気的に接続するとともに前記複数の圧電素子
の表面電極を共通接続したことを特徴とするマトリクス
状超音波探触子。
Priority Applications (1)
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JP11798795A JP3392985B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | マトリクス状超音波探触子 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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1995
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