JP3374197B2 - 縫製方法 - Google Patents

縫製方法

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JP3374197B2
JP3374197B2 JP05970993A JP5970993A JP3374197B2 JP 3374197 B2 JP3374197 B2 JP 3374197B2 JP 05970993 A JP05970993 A JP 05970993A JP 5970993 A JP5970993 A JP 5970993A JP 3374197 B2 JP3374197 B2 JP 3374197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布を貫通して鉤針を下
降させ、下降した鉤針にルーパによって糸を巻き付か
せ、その後鉤針を上昇させると共に布を横動させ、これ
らの繰り返しによって布に縫製を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような方法による縫製を開始する
場合、ルーパにおける糸導出孔から導出されてその端が
フリーの状態となっている糸を上記鉤針に確実に巻き付
かせるようにする為に、上記の糸を針板の糸通し孔を通
して針板上に引き上げておき、その状態から縫製を開始
するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の縫製方法で
は、縫い始めの度に糸を針板の上に引き上げねばならぬ
煩わしさがあるという問題点があった。そこで縫製の開
始を容易に行うことが出来るようにする為に、上記ルー
パの側方の位置において上記糸の端を掴んでおいて、上
記鉤針に糸を確実に巻き付けようとする技術が案出され
た。しかし上記鉤針は、糸が鉤部に掛かった状態を確実
に保持できるようにする為に、鉤部の開口部が布の移動
方向とは反対方向を向くように回され、又ルーパは通常
の縫製時において鉤針に対する糸の確実な巻付けを行う
為に、上記開口部の反対側の位置を糸導出孔のスタート
位置として回動が行われる。この為、縫製の開始の場
合、布の移動方向によっては、上記糸端の保持位置と上
記スタート位置との関係から、ルーパが回っても鉤部に
対して糸が掛かるようには鉤針に対する糸の巻付けが行
われない場合が生じ、縫製の開始が円滑に行われない場
合があるという問題点があった。
【0004】本願発明は上記従来技術の問題点(技術的
課題)を解決する為になされたもので、布の移動方向に
拘らず上記縫製の容易な開始を確実に行い得るようにし
た縫製方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明における縫製方
法は、鉤針の上下動毎に布を横動させる工程と、鉤針を
反復上下動させる工程と、鉤針が下死点から上昇する過
程で上記鉤部に糸を掛ける為に、ルーパの糸導出孔を上
記開口部の反対側のスタート位置からスタートさせて鉤
針の上下動軌跡の周囲を回転させる工程と、縫い始めに
おいて少なくとも1回目に鉤針で糸を布の上に引き上げ
るまでは、上記ルーパの側方に配置された糸保持手段に
よって糸の端を掴んでいる工程とを含む縫製方法におい
て、上記糸導出孔のスタート位置が、鉤針の鉤部が上昇
する過程において、回動途中にある糸導出孔と上記糸保
持手段による糸端の掴み位置との間にある糸が上記鉤部
に掛かる状態に至らぬ関係となる区間にある場合、上記
掛かる状態に至らぬ関係を消失させる為に、上記スター
ト位置を予め上記の区間から外す、又は、上記ルーパの
回動速度を途中で変更するものである。
【0006】
【作用】縫製開始の場合、糸導出孔から導出された糸の
端は予め糸保持手段によって保持されている。その状態
で鉤針が下降し、糸導出孔はそのスタート位置から鉤針
の回りを回動する。糸導出孔の回動の場合、布の移動方
向との関係で、糸導出孔から導出された糸が上記鉤部に
掛かる状態に至らぬ関係となる区間に上記スタート位置
がある場合、予め糸導出孔のスタート位置がずらされ
る。又は回動途中において糸導出孔の回動速度が変更さ
れる。その結果、布の移動方向が何れであっても、糸導
出孔から導出される糸は、鉤針に確実に巻き付く。その
後鉤針が上昇し糸が引き上げられる。
【0007】
【実施例】次に本願の実施例の説明に先立ち、本願の前
提となる技術が示される図1〜図25について説明す
る。図1〜4には多頭の多色縫い刺繍ミシンにおける一
つのベッドAが示される。このようなベッドAは図1の
左右方向に複数が並設されている。図示はせぬが各ベッ
ドAの空間的上方位置には夫々ミシンヘッドが設けられ
ている。図3にはミシンヘッドに備えられた上下動自在
の縫製用の鉤針Bが示される。CはベッドAにおける基
枠、Dはルーパ装置を示す。
【0008】上記基枠Cについて説明する。1はフレー
ム、2は被縫製物や刺繍枠を支える為の天板で、フレー
ムに取付けられた種々の部材のメンテナンスの為にフレ
ーム1に取外し自在に取付け(例えばボルト止)てあ
る。3は針板で、針落孔4や糸引き上げ孔を備えてお
り、天板に着脱自在に取付けてある。
【0009】上記ルーパ装置Dについて説明する。6は
フレーム1に取付けたレールで、図2の紙面と垂直方向
に長く形成してある。7はルーパ台で、下面に取付けた
スライド体8によって上記レール6に沿って真っ直ぐに
横動可能となっている。移動方向は水平面内において円
弧軌跡を描く方向であってもよい。9はルーパアセンブ
リで、ルーパ台7の横動により選択的に針落位置に到来
するようルーパ台7の移動方向に並設させてある。図1
の10はルーパ台7を横動させる為の部材で、本例ではフ
レーム1に貫挿した横動杆が示される。ルーパ台7は該
横動杆10と固定してあり、横動杆10の図示外の端部はル
ーパ台7を横動させる為の駆動装置に連結してある。11
は針落位置のルーパを回転駆動する為の駆動装置、12は
針落位置のルーパを上方の作動位置と下方の退避位置と
の間で上下動させる為の昇降装置、13は退避位置にある
ルーパをその回動方向において所定の準備位置に保持す
る為の保持機構を夫々示す。
【0010】上記ルーパアセンブリ9を示す図6につい
て説明する。14はルーパを回動及び上下動自在に支える
為のルーパ軸で、ルーパ台7に回動及び上下動自在に取
付けてある。ルーパ軸14は糸の挿通の為に中空である。
15はルーパ軸14に固着した周知のルーパで、針落孔16や
上記中空部と連通する糸導出孔17を有する。18はルーパ
15に回転駆動力を伝える為の受動歯車で、ルーパ軸14に
取付けてある。19はルーパ15の回動方向の位置決用カム
で、係合凹部20を備えており、図8の如く取付用の押ね
じ19aでもってルーパ軸14に取付けてある。図3に示さ
れる21は昇降装置12からの昇降駆動力をルーパ15に伝え
る為の連繋体で、先端部には昇降装置との係合片22を、
元部には回り止片23を夫々備えルーパ軸14に対して相対
回動自在かつ軸線方向に一体化させる為のベアリング24
で取付けてある。
【0011】上記駆動装置11について説明する。31は連
繋用の歯車を収容するハウジングで、フレーム1に取付
けてある。32はハウジング31の蓋である。33は主軸で、
フレーム1、ハウジング31を貫通する状態に横設され、
図示外の一端部には駆動源例えばモータが接続してあ
る。35はルーパ駆動用の駆動軸で、ハウジング31内にお
いて連繋用の歯車34, 36を介して主軸33と連繋してい
る。37はルーパを回転駆動する為の駆動歯車で、軸35に
固着してある。38は駆動歯車37に対する受動歯車18の噛
合を案内する為の案内歯車で、図9の如く有歯部39と欠
歯部40とを備えている。有歯部39は駆動歯車37と同径、
同ピッチに形成してある。欠歯部40の範囲は、後述のよ
うに受動歯車が横移動する場合にそれとの噛合を防止す
るに充分な大きさにしてある。上記案内歯車38は駆動歯
車37の歯と有歯部39の歯とが連続する状態で駆動軸35に
取付けてある。本例では案内歯車38と駆動歯車37とは一
体形成してある。
【0012】上記保持機構13について説明する。41はル
ーパ台7に固定した基板、42はカム19との係合用の回り
止片で、図7の如く各ルーパアセンブリ9のカム19と対
応する数が備わっており、各々は丸棒状に形成され、基
板41に取付けてある。尚43は取付ねじ19aを操作する為
の操作窓で、図5の如く退避位置にある全ルーパアセン
ブリ9におけるカム19の取付ねじ19aと対向する位置及
び大きさに形成してある。又44は連繋体21を回ることな
く上下に案内する為の部材を示し、上記回り止片23と係
合させてある。図1及び図8に示される45はカム19の凹
部20が上記回り止片42から外れることを防止する為の離
脱規制部材で、図8から明らかなように高さ方向の位置
は、退避位置にある受動歯車18の上面との間の間隙が、
凹部20に対する回り止片42の嵌合深さよりも小さくなる
位置に設けられ、図2に示す如く、平面的には針落位置
にあるルーパ15以外のルーパ15に係わる受動歯車18と重
合する位置に設けてあって、フレーム1に対する固定の
為に前記ハウジング31に取付けてある。
【0013】次に上記刺繍ミシンの動作を説明する。通
常の縫製時においては、針落位置にあるルーパアセンブ
リ9即ちルーパ15の針落孔16が針板3の針落孔4と重合
する状態となる位置にあるルーパアセンブリ9は、昇降
機構12により上昇されて図3の如く作動位置にあり、そ
の受動歯車18は駆動歯車37に噛み合っている。主軸33が
往復回動され、歯車34, 36、駆動軸35、駆動歯車37、受
動歯車18を介してルーパ15が周知の如く往復回動され
る。この回動は周知のように縫製用の鉤針Bの上下動と
同期して行われる。また天板2の上では刺繍枠に張り広
げられた布が鉤針Bの上下動と同期して間欠的に横移動
される。その結果、ルーパ15の糸導出孔17を通して供給
される縫糸46により針板3上において上記の布に対する
縫製が行われる。尚上記縫製の場合において、上記鉤針
Bにおける鉤部の方向は、周知のように縫製の仕方及び
布の移動方向に応じて決定され、環縫いを行う場合は鉤
部から糸が外れにくいよう布の移動方向と反対方向であ
り、糸を1針毎に布から引き上げるだけの縫い方(ルー
プ縫いと称せられる縫い方)の場合は糸の外れが容易に
行われ得るよう同方向である。ルーパ15が回動を行う始
点の方向例えば針落孔16に対する糸導出孔17の方向は、
周知のように鉤部に対する糸の掛かりが確実となるよう
上記鉤部の方向に応じて定められ、例えば糸導出孔17が
針落孔16に対して鉤部の方向とは反対側を向く状態にさ
れる。
【0014】次に縫製に用いる糸の変更の為のルーパ15
の交換を説明する。針Bが上死点に位置し、ルーパ15が
回動方向の原点に位置した状態、例えば糸導出孔17が図
2の針落位置(駆動歯車37と連繋する状態となる位置)
にあるルーパ15の如く時計の9時の位置に到来した状態
でミシンを停止させる。次に、縫製を終えた糸を手作業
又は後述の糸切断装置により切断する。次に昇降装置12
により針落位置のルーパアセンブリ9を図4の如く退避
位置に下降させる。
【0015】この状態では、受動歯車18は図9の(A)
の中段の図(この図は底面側から見た図である)に示さ
れる如く案内歯車38の有歯部39と噛み合っており、カム
19は回り止片42の上に乗っている。次にその状態におい
て主軸33によって案内歯車38が矢印X方向に回動され
る。その回動過程において、図9の(A)のように受動
歯車18が案内歯車38の有歯部39と噛み合っている状態で
は受動歯車18は案内歯車38の矢印X方向の回動と連動し
て回動する。やがて図9の(B)に示されるように受動
歯車18が案内歯車38の有歯部39から欠歯部40に出ると、
そこで受動歯車18の回動は停止する。またこの停止の
時、同図に示されているようにカム19における嵌合凹部
20が回り止片42と嵌合する。その結果、ルーパ15の回動
方向の位置は、受動歯車18が上記案内歯車38の有歯部39
から外れた時の位置、例えば図1の針落位置以外の位置
にあるルーパ15の如く糸導出孔17が時計の12時の位置
(この位置を準備位置と呼ぶ)に保持される。尚このよ
うな状態が達成されるよう、カム19は受動歯車18との回
動方向の位置関係が予め調整される。その調整は、凹部
20が回り止片42と嵌合している状態において、取付ねじ
19aを緩め、ルーパ15を軸14と共に所定の準備位置まで
回し、そこでねじ19aを締めることにより行う。作業は
ミシンの前面側から窓43を通して行なう。
【0016】引き続き案内歯車38が図9(B)の矢印X
方向に回動され、図9の(C)に示される如き状態とな
る。この状態となると次に横動杆10によってルーパ台7
が例えば図11の矢印47方向に横移動される。その横移
動の場合、図10及び図11の如く全ての受動歯車18が
欠歯部40を通って横移動する為、当然のことながらルー
パ15は何等回動しない。上記ルーパ台7の横移動によっ
て、図11の(B)の如く次に作動させるべきルーパ15
(そのルーパ15には、先に作動させていたルーパとは異
なる色あるいは種類の糸が予め装填されている)が針落
位置にもたらされる。尚そのルーパ15に関しても保持機
構13によって上記の説明と同様にしてその回動方向の位
置が予め決められた準備位置に保持されている。
【0017】上記新たなルーパ15が針落位置にくると、
次に主軸33の回動によって案内歯車38が図9の(C)の
矢印Y方向に回動される。そして案内歯車38における有
歯部39が図9の(B)の如き位置までくると受動歯車18
は有歯部39と噛み合って回動を開始する。受動歯車18の
回動に伴ないカム19が回動する。するとカム19は嵌合凹
部20が回り止片42から外れて図9の(A)の如く回り止
片42の上に乗り上げる。上記有歯部39が受動歯車18と噛
み合いを開始する場合、受動歯車18は以前に有歯部39か
ら外れた時のままの状態に保持機構13によって保持され
ている為、その噛み合いの開始は受動歯車18の歯先と有
歯部39の歯先とがぶつかり合ったりすることなく極めて
スムーズに行われる。上記のようにして受動歯車18が案
内歯車38の有歯部39と噛み合うに至ると、昇降装置12に
より上記新たに針落位置に到来したルーパアセンブリ9
が上昇される。その結果、受動歯車18は案内歯車38の歯
をガイドにして駆動歯車37に至り、ルーパ15は図3に示
されるように縫製時の作動位置に至る。
【0018】上記ミシンにおいてフレーム1に取付けた
種々の部材のメンテナンスは天板2をフレーム1から取
外して、上面側をオープン状態にし、そこから行なうこ
とができる。この場合、待機位置即ち針落位置以外の位
置にあるルーパアセンブリ9に誤って手を触れても、離
脱規制部材45によりそのルーパアセンブリ9の上昇は阻
止され、カム19の凹部20は回り止片42に嵌合したままに
保たれる。従ってルーパ15の回動方向の位置は準備位置
のままに保持される。
【0019】次に図3、4、12に示される昇降装置12
について説明する。この昇降装置12は、糸替えの為に多
数のルーパを横動させてそれを選択的に針落位置に位置
させると共に、上記ルーパは針落位置での縫製動作の為
の上方の作動位置と、上記横動の為の下方の退避位置と
の間で位置替させるようにしてある多色縫い刺繍ミシン
において、上記ルーパの昇降をルーパの真下の位置に定
められる糸の供給経路を避けた側方の位置から、円滑に
行なわせ得るようにしようとするものである。
【0020】以下図面について説明する。符号A〜D、
1〜45で示される構造及びその作用は前述の通りであ
る。次に昇降装置12について詳細に説明する。51は昇降
装置12の各部材を針落位置にあるルーパ15の真下の糸46
の供給経路Pを避けた側方の位置にて支える為の支持枠
で、他の種々の機構を避ける為に上記経路Pの後方(該
ミシンの操作者の位置する側即ち図3の左方から見て後
方)の位置に設けられ、前面には縦長の回り止片52を備
えておって、ボルト51aでフレーム1に取付けてある。
53は案内杆である。54はルーパアセンブリ9を上下動さ
せる為の昇降体で、案内杆53に上下動自在に装着してあ
り、回り止の為に後部に備えた嵌合体55を上記回り止片
52に上下動自在に嵌合させてあり、前部には前記係合片
22との係合部56を備える。係合部56はルーパ台7の横動
に伴なう係合片22の左右方向への出入を自在とする為
に、側面形状をコ字状に形成されている。係合部56は係
合片22を上昇させる為の押上体57と、下降させる為の押
下体58とを備える。押下体58における59は係合片22を下
向に付勢する為の押片で、押下体の基材58aに対して上
下動自在に備えられ、ばね60でもって下向に付勢してあ
る。次に61〜63は上記昇降体54を上下動させる為の構成
を示し、61は昇降用の駆動軸で、支持枠51に回動自在に
装着してある。この軸61は他のベッドにも跨って水平状
態に設けてあり、一端には昇降操作用の駆動装置が接続
してある。62, 63は軸61の往復回動運動を昇降体54の上
下運動に変換する為の部材を示し、62はレバー、63はリ
ンクを夫々示す。リンク63は昇降体54をコジレ無しに円
滑に上下動させる為に案内杆53の貫通部と係合部56との
略中間において昇降体54に連結してある。
【0021】上記昇降装置12の動作を説明する。ミシン
の縫製動作時は昇降体54は図3及び図12の(A)に示
すように上昇位置にあり、ルーパ15は作動位置にある。
ルーパ15を退避位置に移動させるときは駆動軸61が図に
おいて左回転し、部材62, 63を経て昇降体54が図4及び
図12の(B)の如く下降位置まで下降する。この下降
の場合、係合片22はばね付勢の押片59によって押下げら
れる為、カム19の下面が凹部20以外の場所で回り止片42
に当接しそこで係合片22の下降が停止しても何等支障は
生じない。前述のようにルーパ15が準備位置まで回動す
ると凹部20が回り止片42と対向する為、押片59の押下力
により係合片22が下降し、凹部20と回り止片42の嵌合が
達成される。
【0022】次に図1〜4、13〜18において、Eは
糸切断装置を示す。この糸切断装置Eは、多数のルーパ
の交換的な利用により糸を種々に交換しながら縫製を行
い得るようにしてあるミシンにおいて、糸の交換に当っ
ては、それまで縫製に用いていた糸を、ルーパから抜け
落ちることを阻止する為に保持してその保持状態で切断
を行い、しかもそのように構成されたものであっても、
該糸切断装置の組付、調整、メンテナンスの作業を容易
に行うことができるようにする事を目的とするものであ
る。
【0023】以下図面について説明する。符号A〜D、
1〜45の構造及びその作用は前述の通りである。次に糸
切断装置Eについて説明する。該装置Eは、ルーパ15の
上下動の支障とならぬようその上下動軌跡から側方に外
れた位置において糸の切断を行なう切断機構E1及びその
操作機構E2を備える。切断機構E1は、切断後布に付随し
てその下に残る側の糸と、ルーパ15の側に残る糸とを出
来るだけ短くする為に、僅かにルーパ15の上下動の軌跡
を避けただけの成るべくルーパ15に近い位置に設けてあ
る。切断装置Eは又、針孔4とルーパ15との間の糸を上
記切断機構E1にもたらす為の糸寄機構E3及びその操作機
構E4とを備える。
【0024】先ず切断機構E1について説明する。図13
の66は切断機構E1の各部材を支える為の支持体で、天板
2の下面に近接して位置する基板部66aと、基板部66a
を上記位置に支える為の支持部66bから成り、支持部66
bをフレーム1にボルト止してある。67はカッタを示
し、カッタに向けてもたらされた糸をもたらされた位置
のままで切断できるよう基板部66aに固定した固定メス
68と、その固定メス68に対して枢着した可動メス70とに
より構成してある。68a, 70aは各々の刃を示す。69は
固定用ビス、71は枢着用のピンである。72は可動メス70
の作動用のアームである。
【0025】次に操作機構E2について説明する。図14
の符号74は操作軸を示し、天板2近くの直下位置におい
てフレーム1を貫通する状態に横設してあり、図示外の
駆動源に接続している。75はメス操作用のカムで、天板
2の下の高さ寸法の小さい空間に収まるよう円筒カムが
用いてある。76はカム75の動作を可動メス70に伝える為
の伝動片で、天板2と、その下を横動するルーパ15や後
述の糸保持機構との間の狭い空間に位置させ得るよう高
さ方向の寸法が小さい平らな形状に形成され、中間部76
cを基板部66aにピンでもって枢着され、一端に取付け
た従動片76aをカム75のカム溝75aに嵌合させ、他端を
ピン76bでもってアーム72に連繋させてある。77はカム
溝75aからの従動片76aの外れ(浮上り)を阻止する為
の部材で、伝動片76に形成した長孔76dを通して後述の
支持体80に止着したピンをもって構成してある。
【0026】次に糸寄機構E3について説明する。80は糸
寄機構E3の各部材を支える為の支持体で、天板2の下面
に近接して設けられ、フレーム1にボルト止してある。
81,82は上側及び下側の糸寄片を示し、支持体80にボル
ト止したガイド83, 84によって水平方向への進退が自在
となっている進退部材85の前端部に備えてある。尚下側
の糸寄片82は進退部材85と一材で形成され、上側の糸寄
片81は進退部材85に溶接してある。
【0027】操作機構E4について説明する。図14の86
は糸寄片81, 82を進退動させる為のカムで、操作機構E
2, E4の組立に当りカム75, 86を操作軸74に取付ける場
合に両カム75,86の位置関係に考慮を払わずとも、可動
メス70と糸寄片81, 82との動作タイミングの関係が設計
通りとなるようカム75と一体に形成してある。87はカム
86の動きを糸寄片81, 82に伝える為の伝動片で、伝動片
76と同様の考慮から平たい形状に形成してある。尚87a
はカム溝86aに対する従動片、87bは進退部材85との連
繋用のピン、87cは中間部を支持体80に枢着する為のピ
ンを夫々示す。
【0028】次に図1及び図2のFは上記糸切断装置E
に関連して設けられた糸保持装置を示す。該装置Fは糸
の切断を行う場合に切断された糸がルーパ15から抜け落
ちることを防止する為のものであり、以下図1、図2及
び図15、図16に基づいて説明する。図1、2の90は
各ルーパ15に関して夫々個別に設けられた糸保持手段で
ある。各糸保持手段90は前記切断機構E1と同様の目的で
各ルーパ15に成るべく近く設けてある。糸保持手段90は
一対の把持片92, 93を有する。把持片92は組立の容易化
のために全糸保持手段90に共通のベース91と一体に形成
してある。把持片93は把持片92との挟着面92b,93bの
当たりの調節の為に、その元部をベース91に対して横方
向(図2の左右方向)への位置調節を可能に枢着してあ
る。即ち図16に示されるように、把持片93の元部93a
は保持筒94に回動可能に遊嵌され、保持筒94はその内径
よりも細径の止め具(ボルトを例示する)95によりベー
ス91に取付けてある。96は把持片93の抜け止め用のワシ
ャである。この構成では、把持片93と把持片92とにおけ
る挟着面93b,92bがそれらの全域においてぴったりと
密着するように把持片93の元部93aの位置を決めること
が出来る。そこで止め具95を固定する。このようにする
と、糸が挟着面92b,93bの入口側或いは奥側等どの位
置に来てもそれを確実に挟んで保持できる。97は把持片
93の操作片、97aはばね受け用の凹部である。98はばね
の保持片で、ベース91に取付けてある。99は把持片92,
93相互を所定の挟着力で閉じさせる為の圧縮コイルば
ね、100はばね受け用のワシャである。
【0029】このような構成の糸保持装置Fは原点の位
置で止まったルーパ15から糸寄機構E3によって糸保持手
段90にもたらされる糸を確実に保持する為に、図17の
(A)に示されるように、把持片92における挟着面92b
の延長線92cが原点の位置にあるルーパ15の糸導出孔17
の位置を通る状態となる位置関係でルーパ台7に取付け
てある。
【0030】次に図1〜図4に示されるGは針落位置に
位置したルーパ15に関連する糸保持手段90を解除する為
の解除機構である。該機構Gはフレーム1にブラケット
101を介して取付けたソレノイド102によって構成されて
いる。ソレノイド102のプランジャ103は、上記糸保持手
段90の操作片97と対峙する。ソレノイド102へ通電する
とプランジャ103が突出する。すると操作片97を押して
把持片92,93の間を開く。
【0031】次に上記糸切断装置E及びそれに関連する
構造の作用を説明する。上記糸切断装置Eは、一つの例
として、一つの糸を用いた縫製が終わり次に糸替えをし
て別の糸で縫製を行う場合に利用する。その動作につい
て図17、18及び図19に基づき説明する。主軸回転
数が通常の毎分500回転程度で縫製していた後、停止
の為に主軸回転数を例えば200回転程度まで下げる。
そして、布における所定場所までの縫製が終わると、図
19に符号201で示す如く、先ず鉤針Bの上下動が停止
されると共に、主軸33の回動が停止される。この場合、
ルーパ15は回動方向の原点の位置例えば図17の(A)
に示される如く糸導出孔17が時計の9時の位置で回動が
停止する。次に昇降装置12によってルーパアセンブリ9
が下降され、図4及び図17の(B)の如くルーパ15が
糸寄片81, 82の進退経路から下方へ退避する(図19の
符号202参照)。また解除機構Gによって把持片92, 93
の間が図17の(C)の如く開かれる(図19の符号20
3参照)。次に糸寄片81, 82が図17の(C)、(D)
の如く糸保持手段90の側へ前進し、針孔4とルーパ15に
おける糸導出孔17との間の縫糸46を把持片92, 93の間及
びメス68, 70の間にもたらす(図19の符号204参
照)。次に解除機構Gの復旧によって図18の(E)、
(F)の如く把持片92, 93の間が閉じられ、上記縫糸46
が保持される。次に図18の(G)、(H)の如く、可
動メス70の作動によって上記の縫糸46が切断される(図
19の符号205参照)。この切断の場合、布104と把持片
92, 93との間の縫糸46は、一端は布104に固定されてお
り、他端は把持片92, 93により把持されている。即ちそ
れらの間の縫糸46は一定の引張状態で両端が固定されて
いる。従ってメス70が作動した場合、縫糸46が切れぬま
まメス68, 70の重合面の間に入り込んでしまうようなこ
とはなく、メス68, 70によって確実に切断される。上記
切断が済むと糸寄片81, 82は元の位置に復帰される(図
19の符号206参照)。
【0032】上記のように糸の切断が完了すると、前述
のようにルーパ15の交換を行う。ルーパ交換の過程で次
に用いる糸が備わっているルーパ15が針落位置に来る
と、そのルーパ15が図3の如く上昇される(図19の符
号207参照)。ルーパ交換が完了すると、鉤針Bの上下
動が開始される(図19の符号208参照)と共に、主軸3
3の回動が低速で開始され、又刺繍枠の横移動も開始さ
れて刺繍柄の縫付が開始される。この開始の場合、縫糸
の先端は把持片92, 93によって保持されている。従って
鉤針Bがルーパ15の針落孔16内に下降し、ルーパ15が回
動すると、ルーパ15の糸導出孔17を通して供給される糸
は鉤針Bにおける鉤部に確実に引掛かる。従って縫製は
目飛び無く適正に開始される。上記縫糸の先端の保持
は、上記縫い始めの縫付が確実となった後、図19の符
号209の如く解除される。そして主軸の回転数も上昇さ
れて通常の縫製状態となる。
【0033】次に、上記切断装置Eは別の利用例とし
て、布における一つの場所での刺繍の縫製を終わって、
他の場所に別の刺繍を縫製する場合に利用する。その場
合、図19に符号210で示される時点において、新たに
縫製を施す場所を針落位置に到来させる為の枠移動を行
う。他の動作は上記糸替えの場合と同様である。
【0034】次に図1、3、20、21において、Hは
糸絡み防止機構を示す。この糸絡み防止機構Hは、縫製
の終了後、糸を切断し、しかもその切断の場合、切れた
糸がルーパ15から抜け落ちぬように予め保持した状態で
切断するようにしてあるミシンにおいて、上記保持され
ている糸を用いて再び縫製を開始する場合に、その糸が
回動するルーパ15に巻き付くことを防止できるようにす
ることを目的とするものである。
【0035】以下図面について説明する。符号A〜G、
1〜103の構造及びその作用は前述の通りである。次に
糸絡み防止機構Hについて説明する。110は糸保持手段9
0によって保持されている糸46をルーパ15の近傍におい
て持ち上げる為の持上部材である。持上高さは、ルーパ
15に対する絡まりを防止する為に例えばルーパ15の上面
15aと同等の高さである。ルーパ15における上面と側面
との間の角部15bに滑らかなアールが形成されていてそ
こでの糸の滑りが良く、糸が多少ルーパ15の側面に当た
っても上面の側に導かれるようになっている場合には、
上記持上高さはもっと低くて良い。111は上記持上部材1
10を上記のように機能する位置まで持ち上げたり糸切断
時の邪魔にならぬように下降させたりする為の昇降機構
を示す。112は該機構111における昇降部材で、ルーパ台
7の横動の邪魔にならぬようその横動範囲を避けてフレ
ーム1に沿わせてあり、フレーム1に取付けたガイド11
3によって案内されている。114は持上部材110を支える
為の部材で、左右の昇降部材112に橋架け状に取付けて
ある。115は昇降部材112を上下動させるための部材で、
ルーパ15の上下動と同時作動の為にルーパ昇降駆動軸61
に取付けたレバーが例示され、該レバー115の先端部115
aが昇降部材112の連繋部112aと係合している。
【0036】次に上記糸絡み防止機構Hの作用を説明す
る。糸切断装置Eの作動の為にルーパ15が図4のように
退避位置に下降されると、持上部材110も同様に下降さ
れる。その後新たな刺繍縫いの開始の場合、ルーパ15が
図3の如く作動位置に上昇されると、持上部材110も昇
降機構111によって図3の如く上昇され、糸保持手段90
によって先端が保持されている糸46を同図及び図21の
(A)の如く持ち上げる。この状態において図21の
(B)の如くルーパ15の作動が開始される。従って、持
ち上げられた糸46は回動するルーパ15に絡まるようなこ
とは無く、縫製の開始が円滑に行われる。
【0037】次に図3、5、22〜24において、Jは
糸調子装置を示す。この糸調子装置Jは、複数のルーパ
15を保持するルーパ台7の横動によってそれらのルーパ
15を選択的に針落位置に位置させることにより、各ルー
パに付されている異色の糸を選択的に用いて布に対する
縫製ができるミシンにおいて、どのルーパを用いて縫製
を行う場合においても、常に縫い始めから良好な糸調子
で縫うことができるようにすることを目的とするもので
ある。
【0038】以下図面について説明する。符号A〜G、
1〜103の構造及びその作用は前述の通りである。次に
糸調子装置Jについて説明する。120は糸調子機構保持
用のフレームで、前記基板41を介してルーパ台7に取付
けてある。120aは糸挿通用の窓である。121は各ルーパ1
5に至る糸の調子を個別に調節する為の複数の糸調子機
構で、ルーパ台7が横移動しても各ルーパ15との位置関
係を一定に保つ為に、上記ルフレーム120に取付けてあ
る。122は各糸調子機構121の調子を変更するための変更
機構を示す。
【0039】次に上記糸調子機構121について図3、5
に基づき説明する。123, 124は鉤針Bによって引かれる
糸46に抗力を与える為の糸調子器、125は糸調子器124を
通して引き出された糸に張力を与える為のテンション装
置である。上記糸調子器123は糸に一定の抗力を与える
周知のもの、124は抗力を強弱変更可能な公知(例えば
実公昭53−6611号公報)のものである。これらに
おいて126, 127は糸調子皿、128は糸調子皿127を糸調子
皿126に押圧する為のばね、129は上記押圧力を調節する
為のつまみである。糸調子器124における130は抗力を変
更させる為の部材で、糸調子皿127を糸調子皿126から離
反させて抗力を弱めるようにしたゆるめ棒を例示する。
【0040】次に上記テンション装置125について説明
する。131は糸に弾力的な引き力を与える為のばね腕
で、糸取りばねとも称されるものであり、自由端部に糸
通し環132を備える。該ばね腕131の元部133は、上記引
き力の変更の為に、枢着片例えばピン134によりフレー
ム120に枢着してあると共に、操作腕135を一体に備え
る。操作腕135は、長孔136を通して上記変更機構122に
よる操作の為にフレーム120の裏側に突出させてある。1
37は上記操作腕135を位置替え可能な範囲の一方の側に
位置させる為の部材で、操作腕135が他方の側に移動す
ることを可能にする為にばねが用いてあり、フレーム12
0に取付けた保持用のピン138に装着してある。ばね137
の一端139はフレーム120の透孔140に係合させ、他端141
を操作腕135に係合させてあって操作腕135をその位置決
部としての長孔136の下端136aに押し付けるようにして
ある。142,143は糸通し環132を通る糸の向きを張力の付
与に適正な向きにする為の糸ガイドで、フレーム120に
取付けてある。
【0041】次に変更機構122について説明する。145は
変更操作軸で、他のベッドにも共通に設けられており、
一端には操作装置が取付けてある。146は操作部材で、
上記部材130を操作する為の操作部147と操作腕135を操
作する為の操作部148とを備えており、針落位置に位置
したルーパ15に関連する糸調子機構121のみを操作する
ようその位置を選定して上記操作軸145に取付けてあ
る。
【0042】次に前記縫製の場合における糸調子の設定
及び上記糸調子機構121の動作について説明する。縫製
が環縫いの場合には糸46に与えられる抗力及び張力を大
きくする。即ち操作部材146は図22の実線の位置にお
き、糸調子器124の糸調子皿127は図22の実線の状態
に、テンション装置125のばね腕131は図23の実線の状
態におく。この状態で縫製をすると縫製中における布に
対する糸の引き締め力が大きく、しっかりと締まった適
正な環縫いを施すことができる。
【0043】一方縫製が公知のループ縫い(例えば特開
平4−34062号)の場合、糸46に与えられる抗力及
び張力を小さくする。即ち操作軸145を回して操作部材4
8を図22の2点鎖線の位置におき、糸調子器124の糸調
子皿127は図22の2点鎖線の状態に、テンション装置1
25のばね腕131は図23の2点鎖線の状態におく。この
状態で縫製をすると、針板3上では布からの糸の引上を
スムーズに行え、所定の高さのループ縫いを適正に行え
る。
【0044】次に、縫製に用いる糸の変更の場合、上記
糸調子装置Jはルーパ台7に取付けてある為、ルーパ台
7が横移動しても各ルーパ15と各々に関連する糸調子機
構121との位置関係は不変である。従ってルーパ台7の
横移動によるルーパ15の交換が行われても、各ルーパ15
と各々に関連する糸調子機構121との間の糸は常に張り
のある状態に保たれる(不要な弛みができるようなこと
は無い)。従ってどのルーパ15を用いて縫製を行う場合
にも、ルーパ15に至る糸にはその縫製の開始時から糸調
子器123,124による適正な抗力と、テンション装置125に
よる適正な張力を与えた状態で縫製を行うことができ
る。
【0045】次に図3、5、25において、Kは糸切れ
検知装置を示す。この糸切れ検知装置Kは、複数のルー
パ15を保持するルーパ台7の横動によってそれらのルー
パ15を選択的に針落位置に位置させることにより、各ル
ーパに付されている異色の糸を選択的に用いて布に対す
る縫製ができるミシンにおいて、縫製時には確実な糸切
れ検知ができ、糸替え中においては誤った検知を防止で
きるようにすることを目的とするものである。
【0046】以下図面について説明する。符号A〜D、
J、1〜62,121〜148の構造及びその作用は前述の通り
である。次に糸切れ検知装置Kについて説明する。151
は検知器本体で、極めて軽い力での作動を可能にする目
的と次に述べる検知片の構成を簡易化する目的から、可
動部152が回転動作する回転動作形のマイクロスイッチ
が用いてあり、前記支持枠51に取付けてある。153は糸
切れの有無を探る為の検知片で、針落位置にあるルーパ
に係わる糸の通過経路Pに沿わせて、且つその経路を横
切る方向への移動を自在に設けてあり、又糸に抗力及び
張力がかかっていて張りがある場合にはその糸によって
上記方向への移動が遮られ、糸が切れて上記張りが無く
なった場合には糸を押して上記方向へ移動(糸が不存在
の場合にはそのまま移動)するように上記方向への付勢
力を持たせてある。この例ではマイクロスイッチの可動
部152に取付けることによって上記移動を可能にすると
共に、可動部152が有する付勢力を利用している。図5
に示される如く、該検知片153における糸との対向部153
aは糸との横ズレ防止の為にV字状にしてある。154は検
知片153を非作動状態にする為の退避用レバー、155はレ
バー154を操作する為の操作片で、ルーパ交換の時にそ
れと連動して非作動とする為に、ルーパ昇降機構12のレ
バー62に取付けてある。
【0047】上記糸切れ検知装置Kにあっては、通常の
縫製中においては図25の(A)のように検知片153が
糸46に当接し、検知器本体151は糸が適正な状態にある
ことを示す信号例えば導通信号を発する。一方糸46が切
れた場合には検知片153が(B)の如く移動し、検知器
本体151は糸切れが生じたことを示す信号例えば非導通
信号を発する。糸替えの為のルーパ交換の時には、ルー
パを下降させる為にルーパ昇降駆動軸61が回動すると操
作片155によってレバー154が(C)の如く押され、検知
片153は非作動状態となる。従って、ルーパ交換の理由
によって検知片153の前から糸46が不存在となっても、
検知器本体151が誤って糸切れ信号を発することが防止
される。
【0048】次に本願の実施例を示す図26乃至図32
について説明する。尚これらの図において前記図1乃至
図25に示されたものと機能上均等の部材には同一の符
号を付して重複する説明を省略する。ミシンの要部を略
示する図26において、符号160〜172はこの種のミシン
における周知の部材を示すもので、160は上下動及び回
動自在の針棒、161は針棒を上下動させる為の主軸、162
は主軸161の回動力を受けて針棒160を上下動させる為の
機構、163は主軸を回動させる為のモータ、164は主軸16
1の回動角度を検出する為のエンコーダーを夫々示す。
図30に示される165は鉤針Bにおいて糸を引っ掛ける
為の鉤部、166はその糸導入の為の開口部を夫々示す。
再び図26において、167は上記鉤部165の開口部166の方
向を制御する為の部材で、例えばパルスモータが用いら
れる。168はモータ167の回動力を受けて針棒160を回動
させる為の機構である。170は縫製を行うべき布を保持
する為の布保持枠で、ミシンにおけるベッドの上面に沿
って水平方向に移動されるものである。171,172は布保
持枠170を水平方向に動かす為の部材例えばパルスモー
タで、モータ171は布保持枠170を水平面内の一方向例え
ばX方向に動かす為のものであり、モータ172は水平面
内において上記X方向と直交するY方向に動かす為のも
のである。次に174はルーパ15の回動操作を行う為の部
材で例えばパルスモータが用いられる。175はモータ174
の回動力を受けて針落ち位置のルーパ15を回動させる為
の機構、177はルーパ15における糸導出孔17が原点位置
にあることを検出する為の検出器で、センサ178とモー
タ174の回動軸に取付けた被検知片179とから構成され、
糸導出孔17が原点に来たときに被検知片179がセンサ178
によって検出されるようにしてある。次に180はこの種
のミシンにおける周知の制御装置で、181はCPU、182
は刺繍ミシンの制御用プログラムが格納されているRO
M、183はミシンの状態を記憶する為のRAMで、エン
コーダー164やセンサ178からの信号を元にミシン各部の
状態を記憶するものである。184は布に対して縫製を行
うべき刺繍模様のデータを格納する為のRAMである。
【0049】次に上記構成のミシンの縫製動作を説明す
る。縫製開始の場合においてルーパの糸導出孔17から導
出された糸46の端46aは糸保持手段90によって保持され
ている。糸導出孔17は図28に符号199で示す原点の位
置にある。又鉤針Bは上死点の位置にある。制御装置18
0による刺繍データに基づいた制御により次の動作が行
われる。即ち、モータ171,172が作動して布が水平方向
に1針分移動される。モータ167の作動により針棒160が
回動して鉤針Bにおける鉤部165の開口部166が上記布の
移動方向とは反対方向に向けられる(図29の(A)の
矢印185参照)。モータ174の作動によりルーパ15の糸導
出孔17が上記開口部166の側とは反対側のスタート位置1
7aにもたらされる。モータ163の作動により主軸161が
回動して鉤針Bは下降を開始すると共に、モータ174の
作動により糸導出孔17は上記スタート位置から図29の
(A)の矢印186,187の如き周知の所定の回動を開始す
る(尚図29の(A)の矢印186,187,188に付された角
度数字は主軸の回動角度を示す)。上記のような各動作
により、先ず鉤針Bは布を貫通し、ルーパ15の針落孔16
に至ると共に、糸導出孔17は上記スタート位置から鉤針
の上下動軌跡の周囲を回転して、糸端46aが糸保持手段
90によって保持されている糸46は上記鉤針Bの周囲に巻
き付く。次に鉤針Bが下死点から上昇する過程では上記
巻き付いた糸が鉤部165に掛り、鉤針Bが布から上方に
抜けることにより上記鉤部165に掛かった糸が布から上
方に引き上げられる。尚上記のように鉤部165が布から
上方に抜け出した後においてルーパ15は矢印188の如く
復帰方向に回動され、前記スタート位置まで戻る。以後
は上記のような動作が繰り返し行われ布に対する縫製が
継続される。尚上記糸保持手段90による糸端46aの保持
は、糸導出孔17から導出される糸46がそれ自身の重み或
いは前述の如きテンション装置125によって与えられる
張力によって糸導出孔17の中に引き戻されてしまうこと
を防止する為に、縫い始めにおいて少なくとも1回目に
鉤針で糸46を布の上に引き上げるまでは継続して行われ
る。上記糸の引き戻しの防止をより確実化させる為には
2〜3回目の引き上げまで保持しておけば良い。
【0050】上記縫製の開始の場合、糸端46aが糸保持
手段90によって保持されていると、図29の(A)に示
されるように糸導出孔17がスタート位置17aから矢印18
6,187で示されるように回動する場合、糸導出孔17と糸
保持手段90によって保持された糸端の掴み位置との間の
糸46はルーパ15の上面に沿って矢印189,190で示すよう
に左右に移動する。この場合、下降してきた鉤針Bの針
先が上記糸の左右動する位置を通過しようとするときに
上記の糸46が(B)のように針先の上下動軌跡191に位
置していると、鉤針が上記の糸46に突き刺さってしまう
こととなる。この状態を図27の(A)、(B)につい
て示す。尚図27の横軸は主軸の回動角度を示し、
(A)は鉤針Bの針先の上下動の様子を示し、(B)は
糸保持手段90による糸端の保持位置から見た糸導出孔17
の方向(0は針落孔16の中心即ち針先の上下動軌跡の位
置である。以降の説明の(C)、(D)についても同様
である)を示す。(A)の符号300で示される箇所のよ
うに、糸46が横動するルーパ上面上の位置を針先が下向
きに通る時に、(B)のグラフの曲線が0の位置を通る
と、この時はルーパ15と糸46との関係は図29の(B)
のようになっている為、上記の針先が糸46に突き刺さっ
てしまう。このような事故は、例えば図28において前
記スタート位置17aが、原点の位置199から右回りに測
った角度が例えば140゜となる位置にある場合におい
て生ずる。上記の位置は、糸の太さ或いは糸にかかって
いる張力の大きさ等によっても異なるが、符号192で示
される区間のように上記の角度の前後数度の区間とな
る。従ってスタート位置17aが上記区間192にある場合
には、糸導出孔17をスタート位置から回動させるに先立
って、糸導出孔17のスタート位置17aが上記区間192か
ら外れるよう図29の(C)の矢印193の如くルーパ15
を回す。即ち図27の(C)において矢印194で示され
る動作を行わせる。その後鉤針の下降と共に上記区間19
2を外れたスタート位置からルーパの回動を行うことに
より、針先がルーパ上面上の位置に来たときには糸導出
孔17から導出された糸46は図29の(D)の如き状態と
なり、上記のような針先による糸46の突き刺しを防止す
ることができる。
【0051】又別の方法としては、スタート位置17aが
上記区間192にある場合、主軸161の回動角度に対するル
ーパ15の回動角度の割合を違えることにより、図27の
(D)に符号195或いは符号196で示されるように、糸導
出孔17の回動速度を途中で変更して上記のように針先が
糸46と当接する関係を消失させても良い。例えば糸導出
孔17の位置(原点からの角度で示す)が106゜になっ
たらルーパの回動速度を速め、118゜になったら遅
め、156゜になったら元の速度に戻す。或いは、10
4゜になったら遅め、110゜になったら速め、156
゜になったら元の速度に戻す。
【0052】次に、上記のように針先がルーパ上面の位
置を下向きに通り過ぎた後においては、前述の如きルー
パ15の回動によって糸導出孔17から導出される糸46が鉤
針Bに巻き付けられる。その動作を図31及び図32に
基づき説明する。尚図31の横軸は主軸161の回動角度
であり、(A)は針先及び鉤部165の上下動の状態を示
し、(B)〜(F)の破線は前記糸端の保持位置から見
た糸導出孔17の方向の変化、実線は保持位置とルーパと
の間の糸の方向の変化を夫々示す。尚実線と破線とが重
なる部分は両者が存在することを明記する為に両者を並
べて記した。又図32における(B1),(B2)等の
各図は、図31において符号B1,B2等で示された各
時点でのルーパ及び糸の状態を示すものであり、周囲の
矢印は、実線が夫々の前の時点からの糸導出孔17の回動
の経歴、破線はスタート位置からの回動の経歴を示す。
【0053】糸導出孔17のスタート位置が図32の(B
1)のように原点の位置である場合には、(B2)の如
く鉤針の針先bがルーパの上面の位置まで下降すると糸
導出孔17は図示の位置に至り、鉤針Bが更に下降すると
(B3)のようになって糸46は鉤針Bに接し、その後は
ルーパ15の回動に伴って(B4)の如く鉤針Bに巻き付
く。その結果、鉤針Bの上昇に伴いその糸は鉤部165に
確実に掛かり、鉤針Bと共に布から引き上げられる。
【0054】糸導出孔17のスタート位置が図32の(C
1)の如く152゜の位置である場合には、(C2)の
如く針先bがルーパ上面の位置まで下降したときには、
糸導出孔17は糸46が鉤針の下降軌跡を横切る角度例えば
104゜の位置を通り過ぎて例えば114゜の位置に来
ている。この為(C3)の如くルーパが回動しても糸は
鉤針Bには巻き付かず、鉤部がルーパ上面の位置を上向
きに通り過ぎる図31のC4の時点において図32の
(C4)の如く鉤部の開口部の真正面から大きく離れた
側において僅かに鉤針Bに接するのみである。従って糸
46は鉤部165に掛かることは無く、鉤針Bは糸46を引き
上げること無く布から抜け出てしまう。
【0055】上記のような事故は、糸の太さやそれに加
わっている抗力或いは張力の大きさによって異なるが、
例えば図28において前記スタート位置17aが符号301
で示される140゜〜180゜の区間にある場合におい
て生ずる。従ってスタート位置が上記区間301にある場
合には、上記巻き付けの不良を回避する為に次のような
策を講ずる。その一例はルーパの回動途中においてその
回動速度を変更する。回動速度の変更の一例を図31の
(D)及び図32の(D1)〜(D5)に基づき説明す
る。(D1),(D2)の状態を経た後、(D3)の如
く鉤針Bが下死点に到達(主軸161の回動角度が150
゜)したら、そこで鉤針Bの上下動を一旦停止し、糸導
出孔17を図31の(D)に矢印302で示され又図32の
(D4)に矢印303で示される如く約13゜から222
゜の位置まで回動させる。この回動角度は、鉤部がルー
パの上面の位置に上昇するまでの間に糸導出孔17の角度
が糸46の掛かりが確実となる角度例えば270゜程度以
上となるように選定すると良い。鉤部165の開口部の方
向185も同様に変更する。その後、鉤針Bの上昇及びル
ーパ15の回動を再開する。その結果、(D5)の如く糸
46は鉤針Bに確実に巻き付く。
【0056】上記巻き付けの不良を回避する為の他の一
例はスタート位置を上記区間から外す。その一例を図3
1の(F)及び図32の(F1)〜(F4)に基づき説
明する。図31の(F)に矢印304で示され、又図32
の(F2)に矢印305で示されるように、鉤針Bが下降
を開始する前の時点においてルーパ15を回し、糸導出孔
17のスタート位置を上記区間から外す。その後通常の如
く鉤針Bの上下動及びルーパ15の回動を行うことによ
り、(F3)に示される状態を経て、(F4)の如く鉤
針Bに糸46が確実に巻き付く。
【0057】次に別な例を示す図31の(E)及び図3
2の(E1)〜(E5)について説明する。この例で
は、スタート位置は120゜の位置である為、鉤針Bが
下降する過程において(E2)の如く針先bがルーパ上
面の位置に到達した後に、糸46が鉤針の下降軌跡を横切
る。従ってその時点から鉤針に対する糸の巻付けが開始
される。従って鉤針が下死点に達したときには(E3)
に示す如く既に大きな巻き付け角度で糸は鉤針に巻き付
けられている。この場合にはそのままルーパの回動を進
めると鉤針に糸が巻き付き過ぎてしまうため、鉤針を下
死点で一旦停止させた状態において(E4)の矢印306
の如くルーパを戻し方向に回動させる。鉤針Bの向きも
同様に回す。そしてその後、ルーパの上昇の再開と共に
ルーパの所定の回動を再開する。その結果、糸46は適正
な角度で鉤針に巻き付いた状態で布からの引上が行われ
る。
【0058】次に、上記糸導出孔17のスタート位置17a
が、回動途中にある糸導出孔17と上記糸保持手段90によ
る糸端の掴み位置との間にある糸46に対して、下降途中
にある針先bが当接する関係となる区間192、及び、鉤
針Bの鉤部165が上昇する過程において、上記の糸46が
上記鉤部165に掛かる状態に至らぬ関係となる区間301に
ある場合には、上記当接する関係及び上記掛かる状態に
至らぬ関係を消失させる為に、上記スタート位置を予め
上記の区間192,301から外し、その新たなスタート位置
から回動を行わせると良い。或いは、上記の区間192,30
1内からスタートし、上記糸導出孔の回動途中において
その回動速度を前記符号195,196や、符号302,303で示さ
れたように変更すると良い。
【0059】次に、前記モータ174によるルーパ15の回
動制御に代えて、主軸161の回動によってルーパ15のス
タート位置からの回動を行わせ、ルーパにおける糸導出
孔17を鉤針Bにおける鉤部165の開口部166とは反対側に
もたらす制御を該開口部166の方向の制御と機械的に連
動させて行う場合には、図26に想像線197,198で示さ
れるようにこの種の環縫いミシンにおいて通常に行われ
ている如く、各部材を機械的に連動させると良い。尚こ
の場合モータ174は不要なので、検出器177はモータ167
に付設する。
【0060】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、縫い
始めにおいてルーパ15の糸導出孔17から出ている糸46の
端が針板3の下方の位置にあっても、その糸端46aは糸
保持手段90によって予め保持するから、下降した鉤針B
に糸46が巻き付く確率を大いに高めて、縫製の開始を容
易に行い得るように出来る効果がある。
【0061】しかも上記縫い始めの場合、鉤針Bはその
鉤部165の開口部166が布の移動方向とは反対方向
を向くように回され、又ルーパ15は上記開口部166
の反対側の位置を糸導出孔17のスタート位置17aと
して回動が行われる為、僅かな確率ではあるが上記糸端
の保持位置と上記スタート位置との関係から、ルーパ1
5が回っても鉤針Bに対する糸の巻付けが行われない場
合が生ずる危険性があるものであっても、その可能性の
ある場合には、糸導出孔17の回動のスタート位置17
aをずらしたり、回動速度を途中で変更する手段を講ず
るものであるから、上記のような危険性を何等生ずるこ
となく、上記縫製の容易な開始を確実に行い得る有用性
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】天板を除去した状態のベッドの平面図。
【図2】天板及び糸切断装置を除去した状態のベッドの
平面図。
【図3】縦断面図。
【図4】ルーパアセンブリが下降した状態の縦断面部分
図。
【図5】ルーパ装置の正面図。
【図6】駆動歯車及びルーパに関連する構造を示す一部
破断斜視図。
【図7】ルーパの保持機構を示す底面図。
【図8】ルーパアセンブリとその保持機構を示す一部省
略側面図。
【図9】ルーパ切替の動作順を説明する図。
【図10】ルーパ切替時における受動歯車と駆動歯車及
び案内歯車との関係を示す正面図。
【図11】(A)、(B)はルーパ切替時における受動
歯車と案内歯車との関係を示す水平断面図。
【図12】ルーパ昇降機構の動作説明図。
【図13】糸切断装置の斜視図。
【図14】糸切断装置の機構図。
【図15】糸保持装置の分解斜視図。
【図16】可動把持片元部の取付構造を示す断面図。
【図17】(A)〜(D)は糸引寄機構、糸保持手段及
び糸切断機構の動作説明図。
【図18】(E)〜(H)は糸引寄機構、糸保持手段及
び糸切断機構の動作説明図。
【図19】動作説明用タイムチャート。
【図20】糸絡み防止機構の機構図。
【図21】(A)、(B)は糸絡み防止機構の動作説明
図。
【図22】糸調子機構の縦断面部分図。
【図23】テンション機構の正面図。
【図24】(A)は張力が大きい状態の場合のテンショ
ン機構の背面図、(B)は張力が小さい状態の場合のテ
ンション機構の背面図。
【図25】(A)〜(C)は糸検知装置及びその動作を
説明する為の図。
【図26】ミシンにおける要部の機構を示す斜視図。
【図27】(A)は針先の上下動を示すグラフ、
(B)、(C)、(D)は夫々糸端の保持位置から見た
糸導出孔の方向の左右への振れの状態を示すグラフ。
【図28】突き刺し区間を示す為のルーパの平面図。
【図29】(A)〜(D)はルーパの回動制御を説明す
る為の平面図。
【図30】鉤針の詳細と針板及びルーパとの関係を示す
縦断面図。
【図31】(A)は針先及び鉤部の上下動を示すグラ
フ、(B)〜(F)は夫々糸端の保持位置から見た糸導
出孔の方向及び糸の方向の左右への振れの状態を示すグ
ラフ。
【図32】ルーパの回動制御を説明する為の平面図。
【符号の説明】
15 ルーパ 17 糸導出孔 46 糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−272265(JP,A) 特開 昭59−216670(JP,A) 特開 平4−367690(JP,A) 特開 平5−239757(JP,A) 特開 平6−31081(JP,A) 特開 平6−170076(JP,A) 特開 平5−5263(JP,A) 特開 平4−51989(JP,A) 特開 平6−248561(JP,A) 特公 昭55−8628(JP,B2) 特公 平3−11239(JP,B2) 特公 平1−53385(JP,B2) 特公 昭61−27075(JP,B2) 特公 昭61−2775(JP,B2) 特公 昭60−17559(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05C 15/00 - 15/38 D05B 1/00 - 97/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉤針の上下動毎に布を横動させる工程
    と、鉤針を反復上下動させる工程と、鉤針が下死点から
    上昇する過程で上記鉤部に糸を掛ける為に、ルーパの糸
    導出孔を上記開口部の反対側のスタート位置からスター
    トさせて鉤針の上下動軌跡の周囲を回転させる工程と、
    縫い始めにおいて少なくとも1回目に鉤針で糸を布の上
    に引き上げるまでは、上記ルーパの側方に配置された糸
    保持手段によって糸の端を掴んでいる工程とを含む縫製
    方法において、上記糸導出孔のスタート位置が、鉤針の
    鉤部が上昇する過程において、回動途中にある糸導出孔
    と上記糸保持手段による糸端の掴み位置との間にある糸
    が上記鉤部に掛かる状態に至らぬ関係となる区間にある
    場合、上記掛かる状態に至らぬ関係を消失させる為に、
    上記スタート位置を予め上記の区間から外す、又は、上
    記ルーパの回動速度を途中で変更することを特徴とする
    縫製方法。
  2. 【請求項2】 鉤針の上下動毎に布を横動させる工程
    と、 鉤針を反復上下動させる工程と、鉤針が下死点から上昇
    する過程で上記鉤部に糸を掛ける為に、ルーパの糸導出
    孔を上記開口部の反対側のスタート位置からスタートさ
    せて鉤針の上下動軌跡の周囲を回転させる工程と、縫い
    始めにおいて少なくとも1回目に鉤針で糸を布の上に引
    き上げるまでは、上記ルーパの側方に配置された糸保持
    手段によって糸の端を掴んでいる工程とを含む縫製方法
    において、上記糸導出孔のスタート位置が、回動途中に
    ある糸導出孔と上記糸保持手段による糸端の掴み位置と
    の間にある糸に対して、下降途中にある針先が当接する
    関係となる区間、及び、鉤針の鉤部が上昇する過程にお
    いて、上記の糸が上記鉤部に掛かる状態に至らぬ関係と
    なる区間にある場合、上記当接する関係及び上記掛かる
    状態に至らぬ関係を消失させる為に、上記スタート位置
    を予め上記の区間から外す、又は、上記糸導出孔の回動
    速度を途中で変更することを特徴とする縫製方法。
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