JP3374143B2 - 光触媒体 - Google Patents

光触媒体

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JP3374143B2
JP3374143B2 JP07584091A JP7584091A JP3374143B2 JP 3374143 B2 JP3374143 B2 JP 3374143B2 JP 07584091 A JP07584091 A JP 07584091A JP 7584091 A JP7584091 A JP 7584091A JP 3374143 B2 JP3374143 B2 JP 3374143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、殺菌,脱臭,排水処
理,藻の成育抑止,各種有機化学反応等に用いられる光
触媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体にそのバンドギャップ以上のエネ
ルギーを有するしかるべき波長の光を照射すると、光励
起により、価電子帯から伝導体に電子が移行すると同時
に、価電子帯に正孔が生成し、いわゆる電荷分離が起こ
る。また半導体に光を照射しつつ水あるいは溶液を接触
させると、ショットキーバリヤに類似した接合が形成さ
れ、半導体がn型の場合には正孔が、p型の場合には電
子が、それぞれ半導体の固−液界面側の表面に集まって
くることはよく知られている。そして、n型半導体の場
合には、正孔が水あるいは溶液種から電子を引き抜き、
その結果水が分解したり、溶液中の溶質が酸化される。
また、p型半導体の場合には、電子が隣接する水あるい
は溶液に付与され、その水あるいは溶液種の還元反応
が起こる。このように、光酸化還元反応を促進する半導
体を特に半導体光触媒あるいは、単に光触媒という。 【0003】従来、光触媒を用いた酸化還元反応もしく
は酸化還元反応操作としては、水の分解反応、微生物を
殺す反応、脱臭反応、殺菌反応、水の浄化排水処理その
他各種有機化学反応などが提案されている。光触媒とし
ては、具体的には、n型半導体としての酸化チタンが、
その化学的安定性の故に最も広く使用されている。酸化
チタンは、粉末状で溶液に懸濁された形で用いられる場
合と、何らかの基体上に担持した形で使用される場合と
がある。光触媒の活性という見地からみると、その表面
積の大きさから、一般に前者の方がより活性であるが、
実用的見地からすると、その取扱い易さからいって前者
より後者の方を採用せざるを得ない場合が多い。 【0004】光触媒を基体に担する方法としては、種々
提案されている。例えば、(A)ニトロセルロース、ガ
ラス、ポリ塩化ビニル、ナイロン、メタクリル樹脂、ポ
リプロピレン等の光透過性物質材料からなるフィルム
状、ビーズ状、ボード状、繊維状等の形状の基体に酸化
チタン微粉末を付着させる方法(特開昭62−6686
1)、(C)色素または金属錯体などの光増感剤を側鎖
としてもつ多孔性高分子膜(例えば、ポリフッ化エチレ
ン樹脂)中に注入、含浸、付着等の方法により、半導体
触媒微粉末を保持・固定する方法(特開昭58−125
602)、(D)ポリプロピレン繊維あるいはセラミッ
クからなる濾過フィルターに酸化チタンを担持する方法
(特開平2−68190)、(E)石英、ガラス、プラ
スチックの繊維のからみの中に酸化チタンを担持・固定
しその両面を光透過性のガラスでおさえつける方法(ア
メリカ特許、4,888,101)、(F)アルミナ基
板に白金をスパッタリング法により固着させ、その上に
アナターゼ型の酸化チタン粉末とメチルメタクリレート
の有機溶媒溶液との混合分散液をスピンコーティング法
により塗布し、しかるのちに結着剤としてのメチルメタ
クリレートを加熱分解するとともにアナターゼ型の酸化
チタンをルチル型の酸化チタンにする方法≪ロバート,
イー,ヘトリック −Robert E. Hetrick, Applied Phy
sics Communications, 5,(3), 177-197(1985)≫、
(G)ポリエステル布の表面に酸化チタンを低温溶射方
法で溶射担持する方法(桜田司、表面技術41巻、10
号、P60(1990))などが提案されている。 【0005】 【発明が解決すべき課題】上述のような従来の光触媒の
基体への保持・固定方法を検討すると、まず、いずれの
場合も、基体として有機高分子フィルム、ガラス、セラ
ミックといった必ずしも堅牢とはいえない材料を採用し
ているため、これらの基体に光触媒を保持・固定したも
のを酸化還元反応器に装着しようとすると、実用上不具
合が生ずることが多い。また、(G)の方法を除けば、
上述の各方法では光触媒粉末が基体に保持・固定される
強度は実用上不充分である。さらには、上述のいずれの
方法の場合にも共通することは、一般に光触媒を基体に
保持・固定することによって、光触媒粉末を液中に懸濁
させる場合に比して、その触媒活性が相対的に低下する
ということである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、多孔性ニッケ
ルを基体とし、この基体に光触媒粉末とフッ素樹脂結着
剤との混合物層を積層圧着することによって上述の如き
問題を解決しようとするものである。 【0007】 【作用】本発明にかかる光触媒体の特長は機械的強度が
充分大きく、しかも、光触媒活性が極めて高い点にあ
る。以下、本発明にかかる光触媒体の製造過程、構成お
よびその意義について詳述する。 【0008】多孔性ニッケル基体としては、ニッケル粉
末を焼結して得られる焼結ニッケル板、ポリウレタンに
ニッケルを無電解メッキし、しかるのちに、ポリウレタ
ンを加熱分解して得られる三次元的網目構造をもったい
わゆる発泡ニッケル板、あるいはびびり振動加工法等で
得られたニッケル繊維を抄造したのち、焼結したもの等
従来、主として、ニッケル−カドミウム電池あるいは燃
料電池の電極用材料として公知のものが適用できる。多
孔性ニッケル基体としては、ニッケル線あるいはエキス
パンデッドニッケルを芯体とし、その表面にニッケル粉
末と例えばメチルセルロースの粘稠水溶液等の糊材との
混合物を塗着し、しかるのちに焼結したものも有効なこ
とがある。エキスパンデッドニッケルを芯体として得ら
れる多孔性ニッケル基体の場合には、基体全面が多孔性
ニッケル層で被覆されるわけではなく、エキスパンデッ
ドニッケルの開口部が残っている。この多孔性ニッケル
基体に、半導体光触媒粉末とフッ素樹脂結着剤との混合
物を塗着するか、半導体光触媒粉末とフッ素樹脂結着剤
との混合物を予じめシート状としたものを前記多孔性ニ
ッケル基体に載置したのち、プレスし、多孔性ニッケル
基体−半導体光触媒二重層体を製作する。半導体光触媒
粉末としては、TiO(アナターゼ型,ルチル型),
ZnO,SrTiO,CdS,GaP,InP,Ga
As等従来公知のものがすべて本発明に適用できる。フ
ッ素樹脂結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ンコポリマー,テトラフルオロエチレン−エチレンコポ
リマー等の単独または、混合物が用いられる。また、こ
れらのフッ素樹脂は、水懸濁液状、有機溶媒懸液状あ
るいは粉末状のものが用いられる。プレスしたのち、あ
るいはプレス時に、フッ素樹脂の結着強度を大きくする
ために、100〜300℃の温度で加熱することも有効
である。 【0009】線状多孔性ニッケル基体を用いる場合に
は、その表面に光触媒層を形成したのち、線状光触媒体
となるがこれは、そのまま用いてもよいが、例えば、ら
せん状にしたり、さらに編組みすると有効なことがあ
る。 【0010】かくして得られる光触媒体において、ま
ず、多孔性ニッケル基体を用いる意義は、第1に、それ
自体、従来の有機多孔性ポリマーフィルム、ガラスファ
イバー、セラミック等に比較して堅牢であること、第2
に、多孔性(60〜90%の気孔率)で塑性を有してい
るため、光触媒粉末とフッ素樹脂結着剤との混合層を積
層・圧着する際、多孔性ニッケル基体層と混合触媒層と
が強固に接合すること、第3に、光触媒として、n型半
導体を用いた場合には、多孔性ニッケルが電荷分離に寄
与していることである。 【0011】これらの多孔性ニッケル基体を用いる意義
は、例えば、ガラスファイバーあるいはセラミックを基
体として、光触媒体粉末−フッ素樹脂混合層を圧着した
場合には、基体が破壊されること、多孔性でない通常の
金属板を用いた場合には塑性がないために、光触媒層と
の強固な接合が首尾よくいかないことなどからも理解さ
れよう。第4の電荷分離について説明するならば、次の
ようになる。すなわち、従来、例えば酸化チタン粉末の
一部表面に白金を担持させたものを、光照射下で水中に
させると電荷分離によって正孔が酸化チタンの露出
表面に移動して、酸素を発生させ、電子が白金の部分に
移行して、水素の発生を促進することがよく知られてい
る。前述の従来例(F)のようにアルミナ基板上にスパ
ッタリングされた白金も同様の効果を示す。本発明にお
ける多孔性ニッケルは、このような白金と同じような役
割を果す、このことは、後段で詳細に述べるが、藻の枯
死に対する光触媒の効力の実験において、本発明の特に
多孔性ニッケル基体を用いた場合と多孔性ニッケル基体
の代りに多孔性のポリテトラフルオロエチレンシートを
用いた場合とを比較したとき、前者は、後者よりはるか
に顕著な効力を示したことからも推定される。なお、当
然のことながら、白金は一般に高価であるのに対し、ニ
ッケルはより安価であるし、白金で多孔体を製作するこ
とは一般に技術上、比較的困難である。 【0012】次に、光触媒粉末−フッ素樹脂混合層の意
義は、既にさまざまの分野でよく知られているように結
着力が強く、良好な耐食性を示すフッ素樹脂を結着剤に
用いることによる混合層の堅牢さにかてて加えて、光触
媒活性が極めて高く、しかもその活性の持続性が良好で
あることである。 【0013】従来、光触媒に関する実験は、ほとんど粉
末状触媒を溶液の中に懸濁された形でなされてきて、そ
の反応機構の説明は、溶液種が光触媒の表面で酸化ある
いは還元を受けるというものであり、したがって、その
光触媒の活性は、その表面積に依存し、光触媒と溶液と
の接触界面積が大きければ、大きいほどよいとされてき
た。このような考え方からすると、光触媒は溶液に、よ
り“濡れ易い”方がいいということになる。従来、光触
媒に撥水処理を施すことが試みられていないのは撥水処
理によって、“濡れにくく”なり、その結果、光触媒の
有効反応面積が減ると考えられていたからであると想像
される。前述の従来の光触媒の基体への担持方法のう
ち、(F)法において、折角酸化チタン粉末を撥水性の
結着剤であるメチルメタクリレートの有機溶媒溶液とと
もに基体に付着させても、次の後の工程で、このメチル
メタクリレートを加熱分解しているのは、いかなる理由
になるかは不明であるが、メチルメタクリレートが残っ
ていると酸化チタン粉末が溶液種(この例の場合は水蒸
気)に濡れにくく、それとの接触面積が減ると考えたせ
いである可能性がある。これに対して、本願発明者ら
は、光触媒粉末をフッ素樹脂のような極めて撥水性の高
い結着剤で結着すると、光触媒粉末は明らかに“濡れに
くく”なるにもかかわらず、驚くべきことに実は、その
方が光触媒活性が高くなることを発見した。具体的に
は、同じ光触媒粉末を用いても、粉末のまま懸濁して用
いたり、低温溶射法で溶射した場合のように撥水性をも
たない場合より、本発明のように、フッ素樹脂結着剤で
結着して、撥水性をもたせた方が触媒活性が高い。光触
媒の撥水性と活性との関係の理論的解明は今のところで
きていないが、ひとつの仮説としては次のように考えら
れる。光触媒の反応は、一般に、光触媒の表面に吸着さ
れた水が酸化還元されたヒドロキシルラジカル等の活性
ラジカル種を生成し、これが酸化剤となって溶液種の酸
化還元反応を引き起こす。一方、ラジカルは化学的に不
安定な反応中間体であることが知られており、例えばプ
ロトンや金属イオン等の反応活性な物質を含む水中で
は、ラジカルがこれらの反応活性な物質とすぐに反応し
て消費されてしまい、ラジカルは目的の反応を起こすこ
とができるほど長時間存在することができない。本発明
において、撥水性は水を排除する役割をもつため、撥水
性をもったサイトでは、光触媒上で生成したラジカル種
と水中の反応活性な物質との反応が抑制される。その結
果、撥水性をもったサイトでは、ラジカル種は比較的長
時間存在することができ、目的の酸化還元反応種がラジ
カルに近づいて反応が進み易くなる。さらに、目的の酸
化還元反応種が比較的水に溶解しにくい物質である場合
には、この物質は疎水性の強い、すなわち撥水性サイト
へ近づき易く、その結果、ラジカルと目的の酸化還元反
応種との反応が進み易くなる。 【0014】なお、従来法の中で、例えば、前述の
(C)法で、多孔性高分子膜にあとから、圧入、含浸、
沈着といった方法で光触媒を保持・固定したとしても本
発明のようにフッ素樹脂結着剤で光触媒粉末を結着した
場合のような水効果は得られない。また、光触媒の担
持体として、フッ素樹脂以外の有機ポリマーを用いた場
合、光触媒効果により、その有機ポリマー自体が酸化を
受けて脆くなることが知られているが、フッ素樹脂は、
光触媒効果に対してよりすぐれた耐性を示す。 【0015】 【実施例】<実施例1> 厚さが0.1mmで、部分的に穿孔が施された鉄板にニ
ッケルメッキした芯体の両面に、ニッケルカルボニルの
熱分解によって得られるいわゆるカルボニルニッケル粉
末とメチルセルローズの水溶液からなる糊材との混合物
を塗着し、しかるのちに、アンモニアの分解ガス(水素
と窒素との混合ガス)中、850℃で、焼結し、気孔率
が85%、厚さ1.5mmの多孔性焼結ニッケル基体を
得た。一方、ルチル型の結晶構造を有するn型半導体で
ある酸化チタン粉末(粒径:0.3μm)100gに、
ポリテトラフルオロエチレンの水懸液(固形分60
%,比重約1.5)300mlを加え、充分攪拌したの
ち、さらにアルコールを加えて、凝集を進ませて泥状混
練物を得た。 【0016】次に、この混練物を、90×90(mm)
法に切り出した前記多孔性焼結ニッケル基体の片面
に、コテで塗着(酸化チタンとして6g)したのち、1
00kg/cmの圧力でプレスし、さらに、150℃
で1時間熱処理を施した。このプレスによって多孔性焼
結ニッケル基体の厚さが、当初1.5mmであったもの
が、1.0mmにまで圧縮された。かくして、図1に示
すような多孔性ニッケル基体−光触媒粉末・フッ素樹脂
混合光触媒層の二重構造からなる極めて堅牢な光触媒体
が得られた。図1において、(1)が多孔性ニッケル
板、(2)が酸化チタン粉末フッ素樹脂混合層である。 【0017】なお、比較のために、上述の操作で、多孔
性焼結ニッケル基体の代りにガラス繊維を抄造したマッ
ト(厚さ、0.5mm)およびポリテトロラフルオロチ
レンを抄造して得られる不織布(厚さ、0.5mm)を
用い、それぞれ光触媒粉末・フッ素樹脂混合物を塗着・
プレスしたところ、前者は、ガラスマットがプレスの工
程で破壊され、後者は、いわゆる布状で、柔軟にすぎる
ものであった。 【0018】<実施例2> 実施例1において、多孔性ニッケル基体として、線状の
ものを次のようにして製作した。すなわち、まず、線径
が0.1mmのニッケル線の表面に、ニッケル粉末とカ
ルボキシメチルセルローズの粘稠水溶液(糊材)との混
合物を塗着し、しかるのちに、実施例1の場合と同様に
焼結した。次にさらに、実施例1の場合と同様の酸化チ
タン粉末とポリテトラフルオロエチレンとの混合懸濁液
(ただし、水の量を相対的によく多くした)を線状多孔
性ニッケル基体に吹きつけ、次いで、ロールプレスし
た。その断面形状を図2に示す。また、この線状光触媒
体をらせん状にしたものの外観図を図3に示す。 【0019】<実施例3> 実施例1において、多孔性ニッケル基体として、エキス
パンデッドニッケルを芯体とし、その表面に実施例2と
同様にして多孔性ニッケル層を形成した。その断面形状
を図4に示す。図4において6がエキスパンドニッケル
芯体部、7が多孔性ニッケル層、8が開口部であり、開
口部8は反応すべき溶液あるいは気体が通りやすい。 【0020】<光触媒の効力に関する試験例> よく、池などで、光合成により藻が繁殖しすぎることに
困惑するという状況があるが、この藻の過剰成育の抑止
のために、次のような実験を試みた。まず、透明のガラ
スビーカーに11の水を入れ、その中に新鮮で緑色をし
た藻(カモンバー)を入れ、さらに各種光触媒を入れ、
透明ガラスの窓際におき、太陽光がビーカーに照射され
るようにし、藻の枯死に及ぼす光触媒効果を比較実験し
た。 【0021】光触媒としては、上述の実施例に述べた本
発明品(A)、ポリテトラフルオロエチレン不織布に酸
化チタン−ポリテトラフルオロチレン混合物を塗着した
光触媒体(B)、ポリエステル布表面に低温溶射法でル
チル型の酸化チタンを付着させた光触媒体(C)、本発
明品(A)と同一のルチル型酸化チタン粉末(水の中に
懸渇)、(D)を用いた。また比較のために、光触媒を
一切用いないもの(E)も用意した。なお、すべての場
合において酸化チタンの使用量を同一とした。 【0022】【0023】上表から、本発明のように、酸化チタンを
ポリテトロラフルオロチレンで結着して水性をもたせ
た光触媒体(A,B)が藻の枯死に対して、光触媒効果
を示すのに対し、従来品(C,D)のように酸化チタン
粉末(ルチル)を懸させたり、低温溶射法で溶射した
ものは全くかあまり効果を示さないことが瞭然としてい
る。また、AとBとの効力の差は、多孔性ニッケルが、
電荷分離に対して、一定の効果をもっていることを示
す。 【0024】なお、このように、藻の枯死に対して、光
触媒がその有効性を示すことは本願発明者らによっては
じめて見い出された。従来の光触媒効果の研究は、例外
なく、対象とする種が光触媒との接点で酸化還元を受け
るケースについてのみなされてきたが、上述の実験で
は、光触媒と藻とが直接接触しているわけではないの
で、この藻の枯死現象を従来の反応機構で説明すること
はできない。すなわち、上述の現象は光触媒によって一
旦何らかの酸化種が生成し、それが水中に浮遊している
藻のあるところまで、水中を拡散していくと考えないと
説明ができない。従来、このような酸化種が光触媒表面
から、沖合まで拡散していく報告は一切ないし、その結
、当然のことながらその拡散していく酸化種がいかな
る物質であるか確認されていない。本願発明者らは、光
触媒表面でOHが吸着され次にOHラジカルが形成
され、それが会合して、Hが生成し、これが水の
沖合に拡散していって、藻を攻撃すると一応推量してい
るが、今のところ確認に至っていない。いずれにして
も、この酸化種の水中沖合への拡散と本発明の光触媒粉
末のフッ素樹脂による結着、ひいては水性と何らかの
相関性があることが推定される。換言すると、一般技術
分野で、ある粉末材料を水性を付与しつつ結着するた
めにフッ素樹脂を用いることは通例実施されていること
であるが、上述のように、光触媒体におけるフッ素樹脂
の効果はこのような一般的効果を越えた新しい発見に基
づいたものであると理解さるべきである。 【0025】以上、評述する如く、本発明は光触媒体を
製作する上で、基体として多孔性ニッケルを用いるこ
と、結着剤としてフッ素樹脂を用いること等、その材料
および製法の個々の過程自体は、従来他の技術分野には
公知であるが、それらの組合わせによって、半導体光触
媒として、全く新しい機能と効果を示すものである。 【0026】なお、本光触媒体の利用分野は、主として
水溶液系での酸化還元反応系であるが、例えば、脱臭器
のように、気相での反応に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1にかかる光触媒体の断面図で
ある。 【図2】本発明の実施例2にかかる光触媒体の断面図で
ある。 【図3】本発明の実施例2にかかる光触媒体の外観図で
ある。 【図4】本発明の実施例3にかかる多孔性ニッケル基板
の断面構造を示す図である。 【符号の説明】 1 多孔性ニッケル板 2 酸化チタン粉末−フッ素樹脂混合層 3 ニッケル線 4 多孔性ニッケル層 5 酸化チタン粉末−フッ素樹脂混合層 6 エキスパンデッドニッケル芯体部 7 多孔性ニッケル層 8 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94 A01M 29/00 A01N 25/34 A61L 2/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 多孔性ニッケル基体に、光触媒粉末とフ
    ッ素樹脂結着剤との混合物を積層・圧着してなることを
    特徴とする光触媒体。
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