JP3373908B2 - 作業機のペダル操作構造 - Google Patents

作業機のペダル操作構造

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JP3373908B2
JP3373908B2 JP24495193A JP24495193A JP3373908B2 JP 3373908 B2 JP3373908 B2 JP 3373908B2 JP 24495193 A JP24495193 A JP 24495193A JP 24495193 A JP24495193 A JP 24495193A JP 3373908 B2 JP3373908 B2 JP 3373908B2
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信行 山下
章 箕浦
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、芝刈機やガーデントラ
クタといった走行用のHST(静油圧式無段変速装置)
が装備された作業機のペダル操作構造に係り、詳しく
は、制動距離を無理なく短縮させる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、実開平4‐123724号公報
に示された芝刈機では、HST操作用の変速ペダルやブ
レーキペダルとをフロア前部の右側に備えてあり、走行
を停止するときには、変速ペダルから離した右足をブレ
ーキペダルに置き換えるとともに踏込むことになる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この場合、HST自体
の構造による中立復帰、或いは別途設けられた中立復帰
機構の作用によって変速ペダルは自動的に中立位置に復
帰移動するのであり、操縦者はブレーキング操作のみ行
えば良いようにしてある。しかしながら、HSTの中立
復帰挙動は比較的緩慢であるため、変速ペダルが深く踏
み込まれているときや急ブレーキ時等では、HSTの中
立位置への戻り速度が間に合わず、実際に制動作用して
いるにも拘らずに未だ駆動状態にある、ということが起
こりうるものであった。本発明の目的は、制動力が発生
するときには確実にHSTが中立復帰しているように連
係し、制動距離の一層の短縮化を図る点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、HSTを操作して機体を前進状態と後進状態
とに切り換え操作可能な変速ペダルと、ブレーキペダル
とを左右方向で近接配備し、突起とこれが係入可能な凹
入部とを、変速ペダルとブレーキペダルとに振分け配置
し、変速ペダルの揺動操作範囲の中間に中立位置を設定
し、変速ペダルが中立位置にある状態で突起あるいは凹
入部の一方を、ブレーキペダルの揺動軸芯を中心とする
突起あるいは凹入部の他方が位置する円弧線上の近くに
位置させ、変速ペダルが中立位置の状態で突起を凹入部
に係合するように構成し、ブレーキペダルの踏込みに伴
って突起と凹入部とが係合するよう、突起を凹入部に向
けて接当案内する傾斜案内部分を、両ペダルのうちの凹
入部が設けられたペダルに形成してあることを特徴とす
るものである。 【0005】 【作用】上記特徴構成によれば、ブレーキペダルを踏込
むと変速ペダルが強制的に中立操作されるから、実際に
制動力が生じるときには駆動力が作用しない走行中立状
態にすることができる。すなわち、ブレーキペダルが踏
込まれたときに既に変速ペダルが中立位置に戻っておれ
ば、突起は凹入部に直接係入されるとともに、変速ペダ
ルが中立位置に戻りきらない状態でブレーキペダルが踏
込まれると、突起と傾斜案部分との接当による突起が凹
入部へ導かれる案内作用によって変速ペダルが強制的に
中立操作されるようになる。従って、ブレーキング時に
走行駆動力が作用する現象が解消され、その分制動距離
の短縮化が可能になる。又、上記作用を生じさせる手段
が、互いに近接配置されるブレーキペダルと変速ペダル
を利用することにより、突起と凹入部をペダルに振分け
て設ける程度の簡単で部品数の少ない構造で構成するこ
とができる。そして、変速ペダルとブレーキペダルとに
振り分けて備えた傾斜案内部と突起との接当によって直
接に変速ペダルを中立位置に位置変更させる構造とする
ことで、突起と凹入部との係合状態を変速ペダルの中立
位置に設定しやすく、また誤差も生じにくくすることが
できる。 【0006】 【発明の効果】その結果、ペダルの近接配置を利用して
の簡単でコスト上有利な手段によって、制動時には駆動
力が作用しないように連係でき、操縦性の点で好ましい
制動距離の短縮化に寄与するものを経済的に提供するこ
とができた。 【0007】 【実施例】以下に、本発明の実施例を、作業機の一例で
ある芝刈機に適用した場合について図面に基づいて説明
する。図5にミッドマウント乗用型芝刈機が示され、1
はエンジン、2は操向前輪、3は操縦部、4は伝動カバ
ー、5は駆動後輪、6はモーアである。操縦部3におい
ては、操向ハンドル7、運転シート8、モーア6昇降調
節用のリフトレバー9、ブレーキペダル10、及び変速
ペダル11が備えられている。又、後輪5に対するフェ
ンダ13が一体形成されたフロア12は、前部の横支点
(図示せず)と後部の緩衝器31とによって機体に対し
て懸架支持されている。 【0008】伝動カバー4内には、後輪5に対するHS
T30付きのミッションMが配備され、エンジン出力軸
1aの上プーリ14とHST30の入力軸(図示せず)
とが走行用ベルト15で伝動されるとともに、モーア6
には出力軸1aの下プーリ16から駆動力をベルト入力
している。 【0009】次に、ブレーキペダル10と変速ペダル1
1との連係構造について説明する。図1、図2に示すよ
うに、支点Xで踏込み可能なブレーキペダル10の右側
近傍位置に、支点Yで天秤揺動自在な変速ペダル11が
支承されている。この変速ペダル11は前述したHST
30を操作するものであり、前方に踏込むと前進状態
が、かつ、後方に踏込むと後進状態が現出されるととも
に、踏込みを解除すると図示しない中立復帰機構の作用
によって変速ペダル11は自動的に中立位置Nに戻るよ
うに構成されている。尚、変速ペダル11の踏込み角度
が増すに連れて走行速度が速くなるのは言うまでもな
い。 【0010】この芝刈機では、ブレーキペダル10の踏
込みに伴って変速ペダル11を強制的に中立位置Nに戻
す制動連係機構Aが装備されている。すなわち、変速ペ
ダル11の支点Yに対する下方延出部分の下部に横向き
のピン(突起に相当)17を取付け、かつ、このピン1
7が係入可能な下向きの凹入部18をブレーキペダル1
0側面に取付けた屈曲係合板10aに形成してある。そ
して、変速ペダル10が中立位置Nにあるとピン17が
凹入部18に係合可能となるよう、これらピン17と凹
入部18とを相対配置するとともに、ブレーキペダル1
0の踏込みに伴ってピン17と凹入部18とが係合する
よう、ピン17を凹入部18に向けて接当案内する傾斜
案内部分19を、係合板10aにおける凹入部18の前
後に形成して、制動連係機構Aが構成されている。 【0011】つまり、変速ペダル11が踏込み操作され
ない自由状態のときにブレーキペダル10を踏込むと、
丁度凹入部18とピン17とが係合するようになってい
る。従って、例えば、限界まで前進側に踏込まれた変速
ペダル11から足を離して即座にブレーキペダル10を
踏込むと、中立位置に復帰移動している途中の変速ペダ
ル11のピン17と後側の傾斜案内部分19とが接当
し、変速ペダル11を強制かつ急速に中立位置に戻して
から制動力が発生するようになるのである。変速ペダル
11が後進側に踏込まれている場合でも同様である。 【0012】図3、図5に示すように、フロントパネル
20の右側壁20aの内部には、横支点Zで揺動可能な
ロック部材21が支承され、その上端の横向き被操作部
21Aのみが右側壁20aに形成された円弧切欠き22
を通して外部に露出してある。ロック部材21の下端
は、ブレーキペダル10の復帰位置を設定するための第
1ストッパ部21aと、駐車ブレーキ用の第2ストッパ
部21bとを有した段差状に形成されている。 【0013】つまり、ロック部材21はその支点Zの上
側に作用する戻しバネ23によって図中反時計回り方向
に復帰付勢されており、通常は、被操作部21Aが円弧
切欠き22の後端に位置し、かつ、ブレーキペダル10
の左側面に固定された接当片10bと第1ストッパ部2
1aとが接当した状態に維持される。そして、図2
(イ)に示すように先ずブレーキペダル10を踏込み、
それから図2(ロ)に示すように足先で被操作部21A
を前方に押込むことによって、接当片10bと第2スト
ッパ部21bとが接当して戻しバネ23に抗してロック
部材21を係止し、ブレーキペダル10を踏込み位置に
維持する駐車ブレーキ状態が現出されるのである。 【0014】図3、図4を参照して各ペダル10,11
の取付け構造を概略説明すると、右側の機体フレームF
の上面に固着されたループ状の支持部材24に変速ペダ
ル軸11jが支承され、機体フレームFにその内側で固
着された内垂下板25と、支持部材24に固着された外
垂下板26とに亘ってブレーキペダル軸10jが支承さ
れている。又、外垂下板26と機体フレームF外面とを
連結板27で連結補強してある。Bは変速ペダル11の
前後への踏込み限界位置を設定する限界設定機構であ
り、変速ペダル軸11jに取付けたレバー片11rと、
支持部材24の前後壁部分に装備されたセットボルト2
8,28との接当構造で構成されている。 【0015】Cはブレーキペダル10が踏込まれた制動
状態でのみエンジン始動が可能となるようにするための
始動連係機構であり、ブレーキペダル軸10jに固定の
操作アーム10cと、外垂下板26に取付けられたブレ
ーキスイッチ29とで構成されている。つまり、ブレー
キペダル10が踏込まれての制動状態でないときにはブ
レーキスイッチ29が押し作動されず、その状態ではエ
ンジン始動ができないよう電気系統が回路構成されてい
る。 【0016】〔別実施例〕変速ペダル11に凹入部18
と傾斜案内部分19が、かつ、ブレーキペダル10に突
起17が夫々配置される制動連係機構Aを構成するもの
でも良い。 【0017】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】 【図1】制動連係機構の構造を示す側面図 【図2】駐車ブレーキの操作状態を示す作用図 【図3】各ペダルの支持構造を示す正面図 【図4】各ペダルの支持構造を示す平面図 【図5】乗用型芝刈機の側面図 【符号の説明】 10 ブレーキペダル 11 変速ペダル 17 突起 18 凹入部 19 傾斜案内部分 30 HST
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−8741(JP,A) 特開 平1−257635(JP,A) 特開 平1−257634(JP,A) 特開 平1−262227(JP,A) 特開 平1−190553(JP,A) 特開 平3−255264(JP,A) 実開 昭59−16229(JP,U) 実開 昭59−8836(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/26 B60T 7/00 F16H 61/42

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 HST(30)を操作して機体を前進状
    態と後進状態とに切り換え操作可能な変速ペダル(1
    1)と、ブレーキペダル(10)とを左右方向で近接配
    備し、突起(17)とこれが係入可能な凹入部(18)
    とを、前記変速ペダル(11)と前記ブレーキペダル
    (10)とに振分け配置し、前記変速ペダル(11)の揺動操作範囲の中間に中立位
    置を設定し、変速ペダル(11)が中立位置にある状態
    で突起(17)あるいは凹入部(18)の一方を、ブレ
    ーキペダル(10)の揺動軸芯(X)を中心とする前記
    突起(17)あるいは凹入部(18)の他方が位置する
    円弧線上の近くに位置させ、前記変速ペダル(11)が
    中立位置の状態で前記突起(17)を前記凹入部(1
    8)に係合するように構成し、 前記ブレーキペダル(10)の踏込みに伴って前記突起
    (17)と前記凹入部(18)とが係合するよう、前記
    突起(17)を前記凹入部(18)に向けて接当案内す
    る傾斜案内部分(19)を、前記両ペダル(11),
    (10)のうちの前記凹入部(18)が設けられたペダ
    ル(11又は10)に形成してある作業機のペダル操作
    構造。
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