JP3372681B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット記録方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録方法
において、記録媒体上にインク受容層を形成し、インク
を浸透又は付着させて着色画像を形成させることを特徴
とする記録方法に関するものである。
において、記録媒体上にインク受容層を形成し、インク
を浸透又は付着させて着色画像を形成させることを特徴
とする記録方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、インク受容層を記録媒体上に形成
し、インクジェット記録装置で印字する手段として、次
の（１）〜（４）の方法が知られている。
し、インクジェット記録装置で印字する手段として、次
の（１）〜（４）の方法が知られている。
【０００３】（１）公開昭５７−１４０６２に記載され
ているように、あらかじめ記録媒体の表面に顔料系の下
塗りペイントをスプレーして乾燥させ、その上に染料系
のインクジェットで印字する方法、（２）少なくともＰ
ＶＡ又はその誘導体、ポリアルキレンオキサイド又はそ
の誘導体、カチオン性ビニル系モノマーと疎水性ビニル
系モノマーとの共重合体である親水性アクリル樹脂とを
含有する塗工液を調製して、ロールコーター法などによ
って基材表面に塗工し、加熱乾燥させてインク受容層を
形成した後インクジェットで印字する方法、さらにイン
ク受容層自体もインクジェット方式で記録媒体上に付着
させる方法として、（３）カチオン性基を有する有機化
合物を含有する無色又は淡色の液体を記録媒体上に付着
させ、その液体の付着部にアニオン染料を含有するイン
クを付着させる方法（特開昭６３−２９９９７１に記
載）、（４）記録媒体上にアニオン化合物と紫外線吸収
剤および／又は酸化防止剤を含有する無色又は淡色の液
体を付着した後、その液体の付着部分に塩基性基を有す
る染料を含有するインクを付着させる方法（公開平１−
１４１０８５に記載）など。
ているように、あらかじめ記録媒体の表面に顔料系の下
塗りペイントをスプレーして乾燥させ、その上に染料系
のインクジェットで印字する方法、（２）少なくともＰ
ＶＡ又はその誘導体、ポリアルキレンオキサイド又はそ
の誘導体、カチオン性ビニル系モノマーと疎水性ビニル
系モノマーとの共重合体である親水性アクリル樹脂とを
含有する塗工液を調製して、ロールコーター法などによ
って基材表面に塗工し、加熱乾燥させてインク受容層を
形成した後インクジェットで印字する方法、さらにイン
ク受容層自体もインクジェット方式で記録媒体上に付着
させる方法として、（３）カチオン性基を有する有機化
合物を含有する無色又は淡色の液体を記録媒体上に付着
させ、その液体の付着部にアニオン染料を含有するイン
クを付着させる方法（特開昭６３−２９９９７１に記
載）、（４）記録媒体上にアニオン化合物と紫外線吸収
剤および／又は酸化防止剤を含有する無色又は淡色の液
体を付着した後、その液体の付着部分に塩基性基を有す
る染料を含有するインクを付着させる方法（公開平１−
１４１０８５に記載）など。
【０００４】また、これらインクジェット方式を用いな
い紙以外の金属やプラスチック表面などへの印刷には
（５）油性のオフセットインキやスクリーン印刷イン
キ、ＵＶインキなどを用いて印刷する方法が知られてい
る。
い紙以外の金属やプラスチック表面などへの印刷には
（５）油性のオフセットインキやスクリーン印刷イン
キ、ＵＶインキなどを用いて印刷する方法が知られてい
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例（１）、（２）では、インク受容層を形成するため
の塗工液自体の粘度が高く、インクジェット記録装置で
記録媒体上に塗布することができず、インク受容層の形
成と印字とを別工程にする必要がある。
来例（１）、（２）では、インク受容層を形成するため
の塗工液自体の粘度が高く、インクジェット記録装置で
記録媒体上に塗布することができず、インク受容層の形
成と印字とを別工程にする必要がある。
【０００６】前記従来例（３）、（４）では、インク受
容層に用いられる調製液もインクジェット方式によって
記録媒体に付着させるが、（ア）調製液を付着させてか
らインクを付着させるまでの時間によって印字品位に影
響を与えたりインクの乾燥が遅れたりする、（イ）イン
ク受容層の形成に用いられる調製液中の有機化合物の種
類によってその化合物に適したインクを用いなければな
らず、（４）においては特に、現在使われているインク
のほとんどがアニオン染料を用いたりアニオン系化合物
を分散させたりしているので、専用の塩基性染料が必要
となる。（ウ）インク受容層を形成するためのこれらの
有機化合物はポリマーを使用するので、インクジェット
方式を適用するための粘度調節が容易ではない。
容層に用いられる調製液もインクジェット方式によって
記録媒体に付着させるが、（ア）調製液を付着させてか
らインクを付着させるまでの時間によって印字品位に影
響を与えたりインクの乾燥が遅れたりする、（イ）イン
ク受容層の形成に用いられる調製液中の有機化合物の種
類によってその化合物に適したインクを用いなければな
らず、（４）においては特に、現在使われているインク
のほとんどがアニオン染料を用いたりアニオン系化合物
を分散させたりしているので、専用の塩基性染料が必要
となる。（ウ）インク受容層を形成するためのこれらの
有機化合物はポリマーを使用するので、インクジェット
方式を適用するための粘度調節が容易ではない。
【０００７】従来例（５）では油性インキなどが主に使
用されており環境面などで見直しが必要とされ、スクリ
ーン印刷ではそれぞれの型を必要とするため手間がかか
るなどの欠点がある。
用されており環境面などで見直しが必要とされ、スクリ
ーン印刷ではそれぞれの型を必要とするため手間がかか
るなどの欠点がある。
【０００８】この発明の目的は上記従来の印刷方法の欠
点を解消したインクジェット記録装置を用いた着色画像
の形成方法を提供することにある。
点を解消したインクジェット記録装置を用いた着色画像
の形成方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は「液体組成物用
ヘッド、紫外線照射装置、インク用ヘッドが記録媒体の
移動方向に沿ってこの順で並んでいる構成を有するイン
クジェット記録装置の液体組成物用ヘッドから紫外線照
射により固化する液体組成物であって、主として水溶性
モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤および水の少な
くとも一方とを含む液体組成物を該記録媒体上の印字予
定部およびその周縁部、又は記録媒体の全面に塗布し、
該塗布された液体組成物への紫外線照射により固体のイ
ンク受容層を記録媒体上に形成し、その形成されたイン
ク受容層に該インクジェット記録装置のインク用ヘッド
を用いてインクを浸透又は付着させて着色画像を形成さ
せることを特徴とするインクジェット記録方法」および
「液体組成物用ヘッド、紫外線照射装置、インク用ヘッ
ド、紫外線照射装置が記録媒体の移動方向に沿ってこの
順で並んでいる構成を有するインクジェット記録装置の
液体組成物用ヘッドから紫外線照射により固化する液体
組成物であって、主として水溶性モノマーと、光重合開
始剤と、有機溶剤および水の少なくとも一方とを含む液
体組成物を記録媒体上の印字予定部およびその周縁部、
又は記録媒体の全面に塗布し、該塗布された液体組成物
への紫外線照射により半固体化されたインク受容層を形
成し、その形成されたインク受容層に該インクジェット
記録装置のインク用ヘッドを用いてインクを浸透又は付
着させ、次いで紫外線照射により該インク受容層を完全
に固化して着色画像を形成させることを特徴とするイン
クジェット記録方法」である。
ヘッド、紫外線照射装置、インク用ヘッドが記録媒体の
移動方向に沿ってこの順で並んでいる構成を有するイン
クジェット記録装置の液体組成物用ヘッドから紫外線照
射により固化する液体組成物であって、主として水溶性
モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤および水の少な
くとも一方とを含む液体組成物を該記録媒体上の印字予
定部およびその周縁部、又は記録媒体の全面に塗布し、
該塗布された液体組成物への紫外線照射により固体のイ
ンク受容層を記録媒体上に形成し、その形成されたイン
ク受容層に該インクジェット記録装置のインク用ヘッド
を用いてインクを浸透又は付着させて着色画像を形成さ
せることを特徴とするインクジェット記録方法」および
「液体組成物用ヘッド、紫外線照射装置、インク用ヘッ
ド、紫外線照射装置が記録媒体の移動方向に沿ってこの
順で並んでいる構成を有するインクジェット記録装置の
液体組成物用ヘッドから紫外線照射により固化する液体
組成物であって、主として水溶性モノマーと、光重合開
始剤と、有機溶剤および水の少なくとも一方とを含む液
体組成物を記録媒体上の印字予定部およびその周縁部、
又は記録媒体の全面に塗布し、該塗布された液体組成物
への紫外線照射により半固体化されたインク受容層を形
成し、その形成されたインク受容層に該インクジェット
記録装置のインク用ヘッドを用いてインクを浸透又は付
着させ、次いで紫外線照射により該インク受容層を完全
に固化して着色画像を形成させることを特徴とするイン
クジェット記録方法」である。
【００１０】本発明によれば、インク受容層の固化に紫
外線照射を利用するので、インク受容層を形成するため
の液体組成物の主な構成は少なくとも （ｉ）水溶性モノマー （ｉｉ）光重合開始剤 （ｉｉｉ）有機溶剤及び／又は水 を含有しており、有機溶剤及び／又は水で粘度を下げる
ことにより、インクジェット記録装置で記録媒体に液体
組成物を塗布することを可能にした。さらに、インク受
容層は塗布した液体組成物に紫外線照射することにより
モノマーを重合させて形成するため、硬化時間を短縮
し、染料インク又は顔料インクの定着も向上させた。
外線照射を利用するので、インク受容層を形成するため
の液体組成物の主な構成は少なくとも （ｉ）水溶性モノマー （ｉｉ）光重合開始剤 （ｉｉｉ）有機溶剤及び／又は水 を含有しており、有機溶剤及び／又は水で粘度を下げる
ことにより、インクジェット記録装置で記録媒体に液体
組成物を塗布することを可能にした。さらに、インク受
容層は塗布した液体組成物に紫外線照射することにより
モノマーを重合させて形成するため、硬化時間を短縮
し、染料インク又は顔料インクの定着も向上させた。
【００１１】インクジェット記録方法は、バルブジェッ
ト記録装置が好ましく用いられるが、ピエゾ方式や、又
はその他のインクジェット方式でもよい。
ト記録装置が好ましく用いられるが、ピエゾ方式や、又
はその他のインクジェット方式でもよい。
【００１２】また、液体組成物をインクジェット記録方
法で媒体に塗布することにより、インク印字予定部およ
びその周縁部または全面など、画像情報に応じてインク
受容層を形成することを可能にした。
法で媒体に塗布することにより、インク印字予定部およ
びその周縁部または全面など、画像情報に応じてインク
受容層を形成することを可能にした。
【００１３】本発明において紫外線硬化用液体組成物の
調製に使用する主材料である水溶性モノマーとしては、
カチオン系モノマーとノニオン系モノマーが挙げられ、
カチオン系モノマーでは、例えばＮ，Ｎ−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、及びその塩化メチル４級塩などがあ
り、ノニオン系モノマーとしてはポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、２，２−ビス［４−（アクリロキシ・ジエトキ
シ）フェニル］プロパン、２−ヒドロキシ−１−アクリ
ロキシ−３−メタクリロキシプロパン、１、６−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
トなどが挙げられる。
調製に使用する主材料である水溶性モノマーとしては、
カチオン系モノマーとノニオン系モノマーが挙げられ、
カチオン系モノマーでは、例えばＮ，Ｎ−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、及びその塩化メチル４級塩などがあ
り、ノニオン系モノマーとしてはポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、２，２−ビス［４−（アクリロキシ・ジエトキ
シ）フェニル］プロパン、２−ヒドロキシ−１−アクリ
ロキシ−３−メタクリロキシプロパン、１、６−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
トなどが挙げられる。
【００１４】これらを紫外線硬化させるために光重合開
始剤を用いる。この光重合開始剤は多種あるが、例えば
ベンゾフェノン、２，２−ジメトキシ−２−フェニルア
セトフェノン、１−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、２，４−ジエチルチオキサントン、２−クロル
チオキサントン、２，４−ジメチルチオキサントン、
３，３−ジメチル−４−メトキシベンゾフェノン、１−
（４−イソプロピルフェニル）−２−ヒドロキシ−２−
メチルプロパン−１−オンなどが挙げられ、これらと併
用する増感剤としては、例えばｐ−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミルエステル、ｐ−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエスエルなどがある。
始剤を用いる。この光重合開始剤は多種あるが、例えば
ベンゾフェノン、２，２−ジメトキシ−２−フェニルア
セトフェノン、１−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、２，４−ジエチルチオキサントン、２−クロル
チオキサントン、２，４−ジメチルチオキサントン、
３，３−ジメチル−４−メトキシベンゾフェノン、１−
（４−イソプロピルフェニル）−２−ヒドロキシ−２−
メチルプロパン−１−オンなどが挙げられ、これらと併
用する増感剤としては、例えばｐ−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミルエステル、ｐ−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエスエルなどがある。
【００１５】有機溶剤としては発泡性があり揮発しやす
いイソプロピルアルコールやエタノールなどのアルコー
ル類が適している。
いイソプロピルアルコールやエタノールなどのアルコー
ル類が適している。
【００１６】この他に添加しうるものとしては、通常の
インクジェット記録方法に用いられるインクの添加剤が
同様に使用できる。これには例えば粘度調整剤、防腐
剤、ｐＨ調整剤、浸透剤、界面活性剤などがある。
インクジェット記録方法に用いられるインクの添加剤が
同様に使用できる。これには例えば粘度調整剤、防腐
剤、ｐＨ調整剤、浸透剤、界面活性剤などがある。
【００１７】白色のインク受容層を形成するためには、
白色顔料例えばシリカ、酸化チタン、酸化アルミ、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、
酸化ケイソ、酸化亜鉛、タルク、クレイなどを液体組成
物中に分散させてインクジェット記録装置で塗布し紫外
線硬化させる。白色顔料を分散した液体組成物を用いれ
ば白色の着色が可能となることは勿論、記録媒体自体の
色を問わずに任意の色に着色することも可能となる。
白色顔料例えばシリカ、酸化チタン、酸化アルミ、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、
酸化ケイソ、酸化亜鉛、タルク、クレイなどを液体組成
物中に分散させてインクジェット記録装置で塗布し紫外
線硬化させる。白色顔料を分散した液体組成物を用いれ
ば白色の着色が可能となることは勿論、記録媒体自体の
色を問わずに任意の色に着色することも可能となる。
【００１８】この発明で使用するインクは染料インク、
顔料インクともに染着するが、顔料インクにおいては界
面活性剤（ノイゲン）を添加した方が高画質のものが得
られる。
顔料インクともに染着するが、顔料インクにおいては界
面活性剤（ノイゲン）を添加した方が高画質のものが得
られる。
【００１９】インク受容層は層としてある程度の厚みが
必要であり、インクジェット記録方式で液体組成物を塗
布する際、吐出量の向上が要求され、必要により２度打
ちや重ね打ちを行う場合がある。また、全面塗布の場合
は塗布速度を遅くするのも効果的である。
必要であり、インクジェット記録方式で液体組成物を塗
布する際、吐出量の向上が要求され、必要により２度打
ちや重ね打ちを行う場合がある。また、全面塗布の場合
は塗布速度を遅くするのも効果的である。
【００２０】本発明の方法を図面を用いて説明する。図
１において記録媒体５は、矢印の方向に移動する間にイ
ンクジェット記録装置の液体組成物用ヘッド１からの液
体組成物が塗布され、ついで紫外線照射装置２によりそ
の液体組成物が完全に硬化してインク受容層を形成し、
そのインク受容層上にインク用ヘッド３からのインクが
浸透又は付着する。図３は図１を平面図として示した模
式図であり、図４はこの発明の方法で得られる画像の断
面図で、記録媒体５の上にインク受容層６が形成され、
その上にインク７が付着していることを示している。
１において記録媒体５は、矢印の方向に移動する間にイ
ンクジェット記録装置の液体組成物用ヘッド１からの液
体組成物が塗布され、ついで紫外線照射装置２によりそ
の液体組成物が完全に硬化してインク受容層を形成し、
そのインク受容層上にインク用ヘッド３からのインクが
浸透又は付着する。図３は図１を平面図として示した模
式図であり、図４はこの発明の方法で得られる画像の断
面図で、記録媒体５の上にインク受容層６が形成され、
その上にインク７が付着していることを示している。
【００２１】図２は本発明の方法の他の例を示す模式図
であって、図１で説明した液体組成物用ヘッド１、紫外
線照射装置２、インク用ヘッド３の次にさらに紫外線照
射装置４を直列に設ける。紫外線照射装置２では液体組
成物の硬化を半硬化程度に止めてから印字し、印字後紫
外線照射装置４で再び紫外線を照射して完全に液体組成
物の硬化（固化）を行うもので、特にインクの浸透性が
効果的に発揮できる。
であって、図１で説明した液体組成物用ヘッド１、紫外
線照射装置２、インク用ヘッド３の次にさらに紫外線照
射装置４を直列に設ける。紫外線照射装置２では液体組
成物の硬化を半硬化程度に止めてから印字し、印字後紫
外線照射装置４で再び紫外線を照射して完全に液体組成
物の硬化（固化）を行うもので、特にインクの浸透性が
効果的に発揮できる。
【００２２】
【実施例】以下実施例により更に詳細に説明する。
【００２３】実施例１
記録媒体としてアクリル板を使用し、液体組成物のモノ
マーとしてカチオン系モノマーのＮ，Ｎ−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドとノニオン系モノマーのポリ
エチレングリコールジアクリレート（分子量のなるべく
大きいもの）とを併用し、インクが受容層の中まで浸透
しやすいようにした。光重合開始剤にはベンジルジメチ
ルケタールを、界面活性剤としてアセチノール（１０％
水溶液）を添加し、有機溶剤としてイソプロピルアルコ
ールを使用した。配合比は以下の通りである。
マーとしてカチオン系モノマーのＮ，Ｎ−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドとノニオン系モノマーのポリ
エチレングリコールジアクリレート（分子量のなるべく
大きいもの）とを併用し、インクが受容層の中まで浸透
しやすいようにした。光重合開始剤にはベンジルジメチ
ルケタールを、界面活性剤としてアセチノール（１０％
水溶液）を添加し、有機溶剤としてイソプロピルアルコ
ールを使用した。配合比は以下の通りである。
【００２４】
Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド ２０部
ポリエチレングリコールジアクリレート ０．５部
ベンジルジメチルケタール １部
アセチノール（１０％水溶液） ０．５部
イソプロピルアルコール ２０部
この液体組成物の粘度は７．７ｃｐである。液体組成物
の塗布は周波数４ＫＨz，吐出量８０ｎｇで行い、液体
組成物の硬化にはＵＶ照射装置で強度５０ｍＪ／ｃｍ2
,照射時間は５００Ｗ，１０秒とした。形成されたイン
ク受容層の厚さは５μｍ以上であった。インクは染料イ
ンク又は顔料インクを使用した。インク打ち込みは周波
数６ＫＨｚ吐出量４０ｎｇとした。前記のノニオン系モ
ノマー（ポリエチレングリコールジアクリレート）はカ
チオン系モノマー（Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド）に対して最適使用量があり、カチオン系
モノマーに対して約２．５％で高画質の画像が得られ
た。
の塗布は周波数４ＫＨz，吐出量８０ｎｇで行い、液体
組成物の硬化にはＵＶ照射装置で強度５０ｍＪ／ｃｍ2
,照射時間は５００Ｗ，１０秒とした。形成されたイン
ク受容層の厚さは５μｍ以上であった。インクは染料イ
ンク又は顔料インクを使用した。インク打ち込みは周波
数６ＫＨｚ吐出量４０ｎｇとした。前記のノニオン系モ
ノマー（ポリエチレングリコールジアクリレート）はカ
チオン系モノマー（Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド）に対して最適使用量があり、カチオン系
モノマーに対して約２．５％で高画質の画像が得られ
た。
【００２５】参考例１
記録媒体としてアクリル板を使用し、水溶性モノマーの
水溶液をインクジェット記録装置で吐出させ、熱乾燥に
よりインク受容層を形成した。水溶性モノマーとして
は、多種あり、例えばカルボキシル基を有するアクリル
樹脂、カルボキシル基を有するスチレン樹脂、カルボキ
シル化ロジン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、高
分子エマルジョン、アクリルハイドロゾル、複合樹脂と
してセラック／ビニル樹脂、エチレン−酢ビ／ビニル樹
脂、硝化綿／ビニル樹脂、アクリル／ウレタン樹脂、ポ
リアミド／ウレタン樹脂、ポリアミド／アクリル樹脂、
天然高分子誘導体としてはセルロース誘導体、カチオン
化グアガム、キチン・キトサン誘導体などが挙げられる
が、本例ではポリビニルアルコールを用いた。ポリビニ
ルアルコールを水でうすめて１０％溶液とし、周波数４
ＫＨｚ、吐出量８０ｎｇでアクリル板に吐出させ、キュ
ア炉で６０℃１０分間加熱して５μｍ以上のインク受容
層を形成した。インクは実施例１と同じものを用い、イ
ンクの打込みも実施例１と同様の周波数６ＫＨｚ、吐出
量４０ｎｇで行い、高画質の画像が得られた。
水溶液をインクジェット記録装置で吐出させ、熱乾燥に
よりインク受容層を形成した。水溶性モノマーとして
は、多種あり、例えばカルボキシル基を有するアクリル
樹脂、カルボキシル基を有するスチレン樹脂、カルボキ
シル化ロジン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、高
分子エマルジョン、アクリルハイドロゾル、複合樹脂と
してセラック／ビニル樹脂、エチレン−酢ビ／ビニル樹
脂、硝化綿／ビニル樹脂、アクリル／ウレタン樹脂、ポ
リアミド／ウレタン樹脂、ポリアミド／アクリル樹脂、
天然高分子誘導体としてはセルロース誘導体、カチオン
化グアガム、キチン・キトサン誘導体などが挙げられる
が、本例ではポリビニルアルコールを用いた。ポリビニ
ルアルコールを水でうすめて１０％溶液とし、周波数４
ＫＨｚ、吐出量８０ｎｇでアクリル板に吐出させ、キュ
ア炉で６０℃１０分間加熱して５μｍ以上のインク受容
層を形成した。インクは実施例１と同じものを用い、イ
ンクの打込みも実施例１と同様の周波数６ＫＨｚ、吐出
量４０ｎｇで行い、高画質の画像が得られた。
【００２６】参考例２
白色顔料と参考例１の水溶性モノマーとを用いて白色の
液体組成物を調製しインクジェット記録装置で吐出さ
せ、熱乾燥によりインク受容層を形成した例を述べる。
液体組成物を調製しインクジェット記録装置で吐出さ
せ、熱乾燥によりインク受容層を形成した例を述べる。
【００２７】白色顔料に酸化チタンを用い、これを分散
させるために分散剤としてアニオン系のモノマーＳｔ−
ＡＡ−ＥＡ（酸価＝１４０）を用いた。水１１３部に水
酸化カリウム２．８部を溶解し６０℃に温めながら分散
剤２０部を徐々に溶かして分散剤を１５重量％含有する
分散剤溶液を調製した。次に酸化チタン５０部、分散剤
溶液６６．６部、水１２０部、エチレングリコール１０
部をサンドミルにかけ、酸化チタンを分散させる。分散
後、水溶性モのマーとしてポリビニルアルコール１０％
水溶液を酸化チタン：ポリビニールアルコール＝１：１
になるように添加する。（ポリビニルアルコールはバイ
ンダーとして作用する）。さらに粘度が約３ｃｐになる
ように水（イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤で
もよい）を添加し、白色液体組成物とした。
させるために分散剤としてアニオン系のモノマーＳｔ−
ＡＡ−ＥＡ（酸価＝１４０）を用いた。水１１３部に水
酸化カリウム２．８部を溶解し６０℃に温めながら分散
剤２０部を徐々に溶かして分散剤を１５重量％含有する
分散剤溶液を調製した。次に酸化チタン５０部、分散剤
溶液６６．６部、水１２０部、エチレングリコール１０
部をサンドミルにかけ、酸化チタンを分散させる。分散
後、水溶性モのマーとしてポリビニルアルコール１０％
水溶液を酸化チタン：ポリビニールアルコール＝１：１
になるように添加する。（ポリビニルアルコールはバイ
ンダーとして作用する）。さらに粘度が約３ｃｐになる
ように水（イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤で
もよい）を添加し、白色液体組成物とした。
【００２８】この白色液体組成物を記録媒体として用い
た透明なアクリル板に周波数４ＫＨｚ、吐出量８０ｎｇ
で塗布し、キュア炉で６０℃、１０分間乾燥して、乾燥
後の厚１０μｍ以上の白色のインク受容層を形成した。
インクおよびその打ち込みは参考例１と同様に行い、高
画質の画像が得られた。
た透明なアクリル板に周波数４ＫＨｚ、吐出量８０ｎｇ
で塗布し、キュア炉で６０℃、１０分間乾燥して、乾燥
後の厚１０μｍ以上の白色のインク受容層を形成した。
インクおよびその打ち込みは参考例１と同様に行い、高
画質の画像が得られた。
【００２９】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録方式はインク受容層調整用液体組成物をイン
クジェット記録装置を用いて記録媒体に塗布後、紫外線
硬化させてインク受容層を形成し、インクを受容層に浸
透、付着させるので、記録媒体を問わず、速乾性、耐候
性に優れた高画質の画像を得ることが可能になった。
ェット記録方式はインク受容層調整用液体組成物をイン
クジェット記録装置を用いて記録媒体に塗布後、紫外線
硬化させてインク受容層を形成し、インクを受容層に浸
透、付着させるので、記録媒体を問わず、速乾性、耐候
性に優れた高画質の画像を得ることが可能になった。
【図１】この発明の記録方法の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図２】この発明の記録方法の他の例を示す模式図であ
る。
る。
【図３】図１を平面図として示した模式図である。
【図４】本発明の方法で得られる画像の断面の模式図で
ある。
ある。
１ 液体組成物用ヘッド
２，４ 紫外線照射装置
３ インク用ヘッド
５ 記録媒体
６ インク受容層
７ インク
フロントページの続き
(72)発明者 青野 清美
東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 杉谷 博志
東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 池田 雅実
東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ
ヤノン株式会社内
(56)参考文献 特開 平３−222749（ＪＰ，Ａ)
特開 昭63−299971（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−126941（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−251450（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−1360（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B41J 2/01
B41J 2/015
B41M 5/00
Claims (4)
- 【請求項１】 液体組成物用ヘッド、紫外線照射装置、
インク用ヘッドが記録媒体の移動方向に沿ってこの順で
並んでいる構成を有するインクジェット記録装置の液体
組成物用ヘッドから紫外線照射により固化する液体組成
物であって、主として水溶性モノマーと、光重合開始剤
と、有機溶剤及び水の少なくとも一方とを含む液体組成
物を該記録媒体上の印字予定部およびその周縁部、又は
記録媒体の全面に塗布し、該塗布された液体組成物への
紫外線照射により固体のインク受容層を記録媒体上に形
成し、その形成されたインク受容層に該インクジェット
記録装置のインク用ヘッドを用いてインクを浸透又は付
着させて着色画像を形成させることを特徴とするインク
ジェット記録方法。 - 【請求項２】 液体組成物用ヘッド、紫外線照射装置、
インク用ヘッド、紫外線照射装置が記録媒体の移動方向
に沿ってこの順で並んでいる構成を有するインクジェッ
ト記録装置の液体組成物用ヘッドから紫外線照射により
固化する液体組成物であって、主として水溶性モノマー
と、光重合開始剤と、有機溶剤および水の少なくとも一
方とを含む液体組成物を記録媒体上の印字予定部および
その周縁部、又は記録媒体の全面に塗布し、塗布された
液体組成物への紫外線照射により半固体化されたインク
受容層を形成し、その形成されたインク受容層に該ジェ
ット記録装置のインク用ヘッドを用いてインクを浸透又
は付着させ、ついで紫外線照射により該インク受容層を
完全に固化して着色画像を形成させることを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 【請求項３】 記録媒体がアクリル板であることを特徴
とする請求項１または２に記載のインクジェット記録方
法。 - 【請求項４】 前記液体組成物がさらに白色顔料を含む
請求項１または２に記載のインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP29299094A JP3372681B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | インクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29299094A JP3372681B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | インクジェット記録方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08150707A JPH08150707A (ja) | 1996-06-11 |
| JP3372681B2 true JP3372681B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=17789051
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29299094A Expired - Fee Related JP3372681B2 (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | インクジェット記録方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3372681B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2123460A2 (en) | 2008-05-20 | 2009-11-25 | Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. | Image recording apparatus and method of detecting ejection failure in pre-processing agent ejection nozzles in image recording apparatus |
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| JP5885117B2 (ja) | 2010-03-23 | 2016-03-15 | セイコーエプソン株式会社 | 記録方法 |
| JP5844693B2 (ja) * | 2012-06-26 | 2016-01-20 | 株式会社Ｓｃｒｅｅｎホールディングス | 印刷物の製造方法および放射線硬化型インクジェット印刷装置 |
| JP2014046586A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Toppan Printing Co Ltd | インクジェット印刷用基材 |
| JP6183408B2 (ja) * | 2015-05-20 | 2017-08-23 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP29299094A patent/JP3372681B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2123460A2 (en) | 2008-05-20 | 2009-11-25 | Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. | Image recording apparatus and method of detecting ejection failure in pre-processing agent ejection nozzles in image recording apparatus |
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|---|---|
| JPH08150707A (ja) | 1996-06-11 |
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