JP3371084B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法Info
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- JP3371084B2 JP3371084B2 JP05037298A JP5037298A JP3371084B2 JP 3371084 B2 JP3371084 B2 JP 3371084B2 JP 05037298 A JP05037298 A JP 05037298A JP 5037298 A JP5037298 A JP 5037298A JP 3371084 B2 JP3371084 B2 JP 3371084B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法に関し、特に書込用の誘導型薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
よびその製造方法に関し、特に書込用の誘導型薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドについてもその性能向上
が求められている。薄膜磁気ヘッドは、書き込みを目的
とする記録ヘッドと読み出しを目的とする再生ヘッドを
積層した構造になっているが、再生ヘッドの性能向上に
関しては、磁気抵抗素子が広く用いられている。このよ
うな磁気抵抗素子としては、通常の異方性磁気抵抗(AM
R:Anisotropic Magneto Resistive)効果を用いたもの
が従来一般に使用されてきたが、これよりも抵抗変化率
が数倍も大きな巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resi
stive)効果を用いたものも開発されている。本明細書で
は、これらAMR素子およびGMR素子を総称して磁気
抵抗再生素子またはMR再生素子と称することにする。
の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドについてもその性能向上
が求められている。薄膜磁気ヘッドは、書き込みを目的
とする記録ヘッドと読み出しを目的とする再生ヘッドを
積層した構造になっているが、再生ヘッドの性能向上に
関しては、磁気抵抗素子が広く用いられている。このよ
うな磁気抵抗素子としては、通常の異方性磁気抵抗(AM
R:Anisotropic Magneto Resistive)効果を用いたもの
が従来一般に使用されてきたが、これよりも抵抗変化率
が数倍も大きな巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resi
stive)効果を用いたものも開発されている。本明細書で
は、これらAMR素子およびGMR素子を総称して磁気
抵抗再生素子またはMR再生素子と称することにする。
【0003】AMR素子を使用することにより、数ギガ
ビット/インチ2 の面記録密度を実現することができ、
またGMR素子を使用することにより、さらに面記録密
度を上げることができる。このように面記録密度を高く
することによって、10Gバイト以上の大容量のハードデ
ィスク装置の実現が可能となってきている。このような
磁気抵抗再生素子よりなる再生ヘッドの性能を決定する
要因の一つとして、磁気抵抗再生素子の高さ(MR Heigh
t:MRハイト) がある。このMRハイトは、端面がエ
アベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子の、エアベ
アリング面から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製
造過程においては、エアベアリング面を研磨して形成す
る際の研磨量を制御することによって所望のMRハイト
を得るようにしている。
ビット/インチ2 の面記録密度を実現することができ、
またGMR素子を使用することにより、さらに面記録密
度を上げることができる。このように面記録密度を高く
することによって、10Gバイト以上の大容量のハードデ
ィスク装置の実現が可能となってきている。このような
磁気抵抗再生素子よりなる再生ヘッドの性能を決定する
要因の一つとして、磁気抵抗再生素子の高さ(MR Heigh
t:MRハイト) がある。このMRハイトは、端面がエ
アベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子の、エアベ
アリング面から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製
造過程においては、エアベアリング面を研磨して形成す
る際の研磨量を制御することによって所望のMRハイト
を得るようにしている。
【0004】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。面記録密度を上
げるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる
必要がある。このためには、エアベアリング面における
ライトギャップ(write gap)の幅を数ミクロンからサブ
ミクロンオーダーまで狭くする必要があり、これを達成
するために半導体加工技術が利用されている。
録ヘッドの性能向上も求められている。面記録密度を上
げるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる
必要がある。このためには、エアベアリング面における
ライトギャップ(write gap)の幅を数ミクロンからサブ
ミクロンオーダーまで狭くする必要があり、これを達成
するために半導体加工技術が利用されている。
【0005】書込用薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要
因の一つとして、スロートハイト(Throat Height : T
H) がある。このスロートハイトは、エアベアリング面
から薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまで
の磁極部分の距離であり、この距離をできるだけ短くす
ることが望まれている。このスロートハイトの縮小化も
また、エアベアリング面からの研磨量で決定される。し
たがって、薄膜磁気記録・再生複合ヘッドの性能を向上
させるためには、記録ヘッドおよび再生ヘッドをバラン
ス良く形成することが重要である。
因の一つとして、スロートハイト(Throat Height : T
H) がある。このスロートハイトは、エアベアリング面
から薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまで
の磁極部分の距離であり、この距離をできるだけ短くす
ることが望まれている。このスロートハイトの縮小化も
また、エアベアリング面からの研磨量で決定される。し
たがって、薄膜磁気記録・再生複合ヘッドの性能を向上
させるためには、記録ヘッドおよび再生ヘッドをバラン
ス良く形成することが重要である。
【0006】図1〜9に、従来の標準的な薄膜磁気ヘッ
ドの製造要領を工程順に示し、各図においてAは薄膜磁
気ヘッド全体の断面図、Bは磁極部分の断面図である。
また図10〜12はそれぞれ、完成した従来の薄膜磁気ヘッ
ド全体の断面図、磁極部分の断面図および薄膜磁気ヘッ
ド全体の平面図である。なおこの例で、薄膜磁気ヘッド
は、誘導型の書込用薄膜磁気ヘッドおよび読取用のMR再
生素子を積層した複合型のものである。
ドの製造要領を工程順に示し、各図においてAは薄膜磁
気ヘッド全体の断面図、Bは磁極部分の断面図である。
また図10〜12はそれぞれ、完成した従来の薄膜磁気ヘッ
ド全体の断面図、磁極部分の断面図および薄膜磁気ヘッ
ド全体の平面図である。なおこの例で、薄膜磁気ヘッド
は、誘導型の書込用薄膜磁気ヘッドおよび読取用のMR再
生素子を積層した複合型のものである。
【0007】まず、図1に示すように、例えばアルティ
ック(AlTiC) からなる基体1の上に例えばアルミナ(Al2
O3) からなる絶縁層2を約5〜10μm の厚みに堆積す
る。次いで、図2に示すように、再生ヘッドのMR再生
素子を外部磁界の影響から保護する磁気シールド作用を
有する下部シールド3を、例えば3μm の厚みで形成す
る。その後、図3に示すように、第1のシールドギャッ
プ層4として、アルミナを100〜150 nmの厚みでスパッ
タ堆積させた後、MR再生素子を構成する磁気抵抗効果
を有する材料よりなる磁気抵抗層5を数十nmの厚みに形
成し、高精度のマスクアライメントで所望の形状とす
る。続いて、図4に示すように、第2のシールドギャッ
プ層6として、アルミナを100 〜150 nmの厚みでスパ
ッタ堆積、磁気抵抗層5を第1および第2のシールドギ
ャップ層4および6内に埋設する。
ック(AlTiC) からなる基体1の上に例えばアルミナ(Al2
O3) からなる絶縁層2を約5〜10μm の厚みに堆積す
る。次いで、図2に示すように、再生ヘッドのMR再生
素子を外部磁界の影響から保護する磁気シールド作用を
有する下部シールド3を、例えば3μm の厚みで形成す
る。その後、図3に示すように、第1のシールドギャッ
プ層4として、アルミナを100〜150 nmの厚みでスパッ
タ堆積させた後、MR再生素子を構成する磁気抵抗効果
を有する材料よりなる磁気抵抗層5を数十nmの厚みに形
成し、高精度のマスクアライメントで所望の形状とす
る。続いて、図4に示すように、第2のシールドギャッ
プ層6として、アルミナを100 〜150 nmの厚みでスパ
ッタ堆積、磁気抵抗層5を第1および第2のシールドギ
ャップ層4および6内に埋設する。
【0008】次に、図5に示すように、パーマロイより
なる第1の磁性層7を3μm の膜厚に形成する。この第
1の磁性層7は、上述した下部シールド層3と共にMR
再生素子を磁気遮蔽する上部シールド層の機能を有する
だけでなく、MR再生素子の上に形成される書込用薄膜
磁気ヘッドの下部ポールとしての機能をも有するもので
あるので、本明細書では、この磁性層を第1の磁性層と
称する。
なる第1の磁性層7を3μm の膜厚に形成する。この第
1の磁性層7は、上述した下部シールド層3と共にMR
再生素子を磁気遮蔽する上部シールド層の機能を有する
だけでなく、MR再生素子の上に形成される書込用薄膜
磁気ヘッドの下部ポールとしての機能をも有するもので
あるので、本明細書では、この磁性層を第1の磁性層と
称する。
【0009】次いで、第1の磁性層7の上に、非磁性材
料、例えばアルミナよりなるライトギャップ層8を約20
0 nmの膜厚に形成した後、例えばパーマロイ(Ni:80wt
%、Fe:20wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁束密
度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度のマス
クアライメントで所望の形状とする。所定の形状に成形
された第2の磁性層9は、ポールチップと呼ばれ、この
幅Wでトラック幅が規定される。したがって、このポー
ルチップの幅Wを狭くすることが高い面記録密度を実現
するためには必要である。この際、誘導型薄膜磁気ヘッ
ドの下部ポールを構成する第1の磁性層7と、後述する
上部ポールを構成する第3の磁性層を接続するためのダ
ミーパターン9′を同時に形成すると、機械的研磨また
は化学機械的研磨(Chemical MechanicalPolishing :C
MP)後のスルーホールの開口を容易にできる。
料、例えばアルミナよりなるライトギャップ層8を約20
0 nmの膜厚に形成した後、例えばパーマロイ(Ni:80wt
%、Fe:20wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁束密
度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度のマス
クアライメントで所望の形状とする。所定の形状に成形
された第2の磁性層9は、ポールチップと呼ばれ、この
幅Wでトラック幅が規定される。したがって、このポー
ルチップの幅Wを狭くすることが高い面記録密度を実現
するためには必要である。この際、誘導型薄膜磁気ヘッ
ドの下部ポールを構成する第1の磁性層7と、後述する
上部ポールを構成する第3の磁性層を接続するためのダ
ミーパターン9′を同時に形成すると、機械的研磨また
は化学機械的研磨(Chemical MechanicalPolishing :C
MP)後のスルーホールの開口を容易にできる。
【0010】そして、実効書込トラック幅の広がりを防
止するため、すなわちデータの書込時に、第1の磁性層
7において磁束が広がるのを防止するために、ポールチ
ップを構成する第2の磁性層9の周囲のライトギャップ
層8と第1の磁性層7の表面をイオンミリング等のイオ
ンビームエッチングにてエッチングする。その状態を図
5に示したが、この構造をトリム(Trim)といい、この
部分が第1の磁性層7によって構成される下部ポールの
磁極部分となる。
止するため、すなわちデータの書込時に、第1の磁性層
7において磁束が広がるのを防止するために、ポールチ
ップを構成する第2の磁性層9の周囲のライトギャップ
層8と第1の磁性層7の表面をイオンミリング等のイオ
ンビームエッチングにてエッチングする。その状態を図
5に示したが、この構造をトリム(Trim)といい、この
部分が第1の磁性層7によって構成される下部ポールの
磁極部分となる。
【0011】次に、図6に示すように、絶縁層である例
えばアルミナ膜10をおよそ3μmの厚みに形成した
後、全体を例えばCMPにて平坦化する。その後、フォ
トレジストより成る絶縁層11を高精度のマスクアライ
メントで所定のパターンに形成した後、この絶縁層の上
に、例えば銅よりなる第1層目の薄膜コイル12を形成
する。
えばアルミナ膜10をおよそ3μmの厚みに形成した
後、全体を例えばCMPにて平坦化する。その後、フォ
トレジストより成る絶縁層11を高精度のマスクアライ
メントで所定のパターンに形成した後、この絶縁層の上
に、例えば銅よりなる第1層目の薄膜コイル12を形成
する。
【0012】続いて、図7に示すように、薄膜コイル1
2上に再度、高精度のマスクアライメントにより、フォ
トレジストより成る絶縁層13を形成した後、表面を平
坦にするため、例えば 250〜300 ℃の温度で焼成する。
2上に再度、高精度のマスクアライメントにより、フォ
トレジストより成る絶縁層13を形成した後、表面を平
坦にするため、例えば 250〜300 ℃の温度で焼成する。
【0013】さらに、図8に示すように、この絶縁層1
3の平坦化された表面の上に、第2層目の薄膜コイル1
4を形成する。ついで、この第2層目の薄膜コイル14
の上に高精度マスクアライメントでフォトレジストより
成る絶縁層15を形成した後、再度表面を平坦化するた
めに、例えば 250°Cで焼成する。上述したように、絶
縁層11,13および15を高精度のマスクアライメン
トで形成する理由は、絶縁層11の磁極部分側の端縁を
基準位置としてスロートハイトやMRハイトを規定すると
ともにこれらの絶縁層の輪郭によってアペックスアング
ルを規定しているためである。
3の平坦化された表面の上に、第2層目の薄膜コイル1
4を形成する。ついで、この第2層目の薄膜コイル14
の上に高精度マスクアライメントでフォトレジストより
成る絶縁層15を形成した後、再度表面を平坦化するた
めに、例えば 250°Cで焼成する。上述したように、絶
縁層11,13および15を高精度のマスクアライメン
トで形成する理由は、絶縁層11の磁極部分側の端縁を
基準位置としてスロートハイトやMRハイトを規定すると
ともにこれらの絶縁層の輪郭によってアペックスアング
ルを規定しているためである。
【0014】次に、図9に示すように、第2の磁性層
(ポールチップ)9および絶縁層11,13および15
の上に、例えばパーマロイよりなる第3の磁性層16を
3μmの厚みで所望のパターンに従って選択的に形成す
る。この第3の磁性層16は上部ポールを構成するもの
であり、磁極部分から離れた後方位置において、ダミー
パターン9′を介して第1の磁性層7と接触し、第1の
磁性層および第2、第3の磁性層によって構成される閉
磁路を薄膜コイル12,14が通り抜ける構造になって
いる。さらに、第3の磁性層16の露出表面の上にアル
ミナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
(ポールチップ)9および絶縁層11,13および15
の上に、例えばパーマロイよりなる第3の磁性層16を
3μmの厚みで所望のパターンに従って選択的に形成す
る。この第3の磁性層16は上部ポールを構成するもの
であり、磁極部分から離れた後方位置において、ダミー
パターン9′を介して第1の磁性層7と接触し、第1の
磁性層および第2、第3の磁性層によって構成される閉
磁路を薄膜コイル12,14が通り抜ける構造になって
いる。さらに、第3の磁性層16の露出表面の上にアル
ミナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
【0015】最後に、磁気抵抗層5やギャップ層8を形
成した側面を研磨して、磁気記録媒体と対向するエアベ
アリング面(Air Bearing Surface:ABS)18を形成する。
このエアベアリング面18の形成過程において磁気抵抗層
5も研磨され、MR再生素子19が得られる。このよう
にして上述したスロートハイトTHおよびMRハイトが決定
される。その様子を図10に示す。実際の薄膜磁気ヘッ
ドにおいては、薄膜コイル12,14およびMR再生素
子19に対する電気的接続を行なうためのパッドが形成
されているが、図示では省略してある。
成した側面を研磨して、磁気記録媒体と対向するエアベ
アリング面(Air Bearing Surface:ABS)18を形成する。
このエアベアリング面18の形成過程において磁気抵抗層
5も研磨され、MR再生素子19が得られる。このよう
にして上述したスロートハイトTHおよびMRハイトが決定
される。その様子を図10に示す。実際の薄膜磁気ヘッ
ドにおいては、薄膜コイル12,14およびMR再生素
子19に対する電気的接続を行なうためのパッドが形成
されているが、図示では省略してある。
【0016】図10に示したように、薄膜コイル12,
14を絶縁分離する絶縁層11,13,15側面の角部
を結ぶ線分Sと第3の磁性層16の上面とのなす角度θ
(ApexAngle :アペックスアングル) も、上述したスロ
ートハイトTHおよびMRハイトと共に、薄膜磁気ヘッドの
性能を決定する重要なファクタとなっている。
14を絶縁分離する絶縁層11,13,15側面の角部
を結ぶ線分Sと第3の磁性層16の上面とのなす角度θ
(ApexAngle :アペックスアングル) も、上述したスロ
ートハイトTHおよびMRハイトと共に、薄膜磁気ヘッドの
性能を決定する重要なファクタとなっている。
【0017】また、図12に平面で示すように、ポール
チップを構成する第2の磁性層9の幅Wは狭くなってお
り、この幅によって磁気記録媒体に記録されるトラック
の幅が規定されるので、高い面記録密度を実現するため
には、この幅Wをできるだけ狭くする必要がある。
チップを構成する第2の磁性層9の幅Wは狭くなってお
り、この幅によって磁気記録媒体に記録されるトラック
の幅が規定されるので、高い面記録密度を実現するため
には、この幅Wをできるだけ狭くする必要がある。
【0018】従来、薄膜磁気ヘッドの形成において特に
問題となっていたのは、コイル形成後、フォトレジスト
絶縁層でカバーされたコイル凸部、特にその傾斜部(Ap
ex)に沿って形成される上部ポール(ヨークポール)の
微細形成の難しさである。すなわち、従来は、上部ポー
ルを形成する際、約7〜10μm の高さのコイル凸部の上
にパーマロイ等の上部ポール用材料をメッキした後、フ
ォトレジストを3〜4μm の厚みで塗布し、その後フォ
トリソグラフィ技術を利用して所定のパターン形成を行
っていた。
問題となっていたのは、コイル形成後、フォトレジスト
絶縁層でカバーされたコイル凸部、特にその傾斜部(Ap
ex)に沿って形成される上部ポール(ヨークポール)の
微細形成の難しさである。すなわち、従来は、上部ポー
ルを形成する際、約7〜10μm の高さのコイル凸部の上
にパーマロイ等の上部ポール用材料をメッキした後、フ
ォトレジストを3〜4μm の厚みで塗布し、その後フォ
トリソグラフィ技術を利用して所定のパターン形成を行
っていた。
【0019】ここに、山状コイル凸部の上のレジストで
パターニングされるレジスト膜厚として、最低3μm が
必要であるとすると、傾斜部の下方では8〜10μm 程度
の厚みのフォトレジストが塗布されることになる。一
方、このような10μm 程度の高低差があるコイル凸部の
表面および平坦上に形成されたライトギャップ層の上に
形成される上部ポールは、フォトレジスト絶縁層(例え
ば図7の11, 13) のエッジ近傍に記録ヘッドの狭トラッ
クを形成する必要があるため、上部ポールをおよそ1μ
m 幅にパターニングする必要がある。したがって、8〜
10μm の厚みのフォトレジスト膜を使用して1μm 幅の
パターンを形成する必要が生じる。
パターニングされるレジスト膜厚として、最低3μm が
必要であるとすると、傾斜部の下方では8〜10μm 程度
の厚みのフォトレジストが塗布されることになる。一
方、このような10μm 程度の高低差があるコイル凸部の
表面および平坦上に形成されたライトギャップ層の上に
形成される上部ポールは、フォトレジスト絶縁層(例え
ば図7の11, 13) のエッジ近傍に記録ヘッドの狭トラッ
クを形成する必要があるため、上部ポールをおよそ1μ
m 幅にパターニングする必要がある。したがって、8〜
10μm の厚みのフォトレジスト膜を使用して1μm 幅の
パターンを形成する必要が生じる。
【0020】しかしながら、8〜10μm のように厚いフ
ォトレジスト膜で、1μm 幅程度の幅の狭いパターンを
形成しようとしても、フォトリソグラフィの露光時に光
の反射光によるパターンくずれ等が発生したり、レジス
ト膜厚が厚いことに起因して解像度の低下が起こるた
め、幅の狭いトラックを形成するための幅の狭いトップ
ポールを正確にパターニング形成することはきわめて難
しいものである。
ォトレジスト膜で、1μm 幅程度の幅の狭いパターンを
形成しようとしても、フォトリソグラフィの露光時に光
の反射光によるパターンくずれ等が発生したり、レジス
ト膜厚が厚いことに起因して解像度の低下が起こるた
め、幅の狭いトラックを形成するための幅の狭いトップ
ポールを正確にパターニング形成することはきわめて難
しいものである。
【0021】そこで、上述した従来例にも示したとお
り、記録ヘッドの狭トラック幅形成が可能なポールチッ
プを構成する第2の磁性層9をライトギャップ8の上に
形成した後、このポールチップに上部ポールを構成する
第3の磁性層16を接続した構造が提案されている。こ
のように、トラック幅を決めるポールチップ9と、磁束
を誘導する上部ポールを構成する第3の磁性層16とに
2分割した構造とすることにより、1μm 幅程度の幅の
狭いトラックの書込が可能となるとともに磁束の利用効
率を高めるようにしている。
り、記録ヘッドの狭トラック幅形成が可能なポールチッ
プを構成する第2の磁性層9をライトギャップ8の上に
形成した後、このポールチップに上部ポールを構成する
第3の磁性層16を接続した構造が提案されている。こ
のように、トラック幅を決めるポールチップ9と、磁束
を誘導する上部ポールを構成する第3の磁性層16とに
2分割した構造とすることにより、1μm 幅程度の幅の
狭いトラックの書込が可能となるとともに磁束の利用効
率を高めるようにしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして形成された薄膜磁気ヘッド、特に記録ヘッド
には、依然として、以下に述べるような問題が残されて
いた。すなわち、上部ポールを構成する第3の磁性層1
6の先端面はエアベアリング面18に露出しているの
で、薄膜コイルによって発生された磁束の一部が、ポー
ルチップを構成する第2の磁性層9を通らずに、この第
2の磁性層の先端面から磁気記録媒体に直接達するよう
になる。このような傾向は、薄膜磁気ヘッドのエアベア
リング面と磁気記録媒体との間の距離が益々狭くなって
いるので、益々顕著に現れている。この場合、図11に
示すように、第3の磁性層16の先端面の巾は、第2の
磁性層9の巾Wよりも広くなっているので、第3の磁性
層の先端面から漏れた磁束の巾は広くなり、記録トラッ
クの巾が広がり、隣のトラックとの干渉を引き起こす欠
点があり、結果としてポールチップを設ける意義が失わ
れてしまうことになる。さらに、このように第3の磁性
層16のエアベアリング面18に露出する先端面からの
磁束の漏れがあると、それだけ磁束の利用効率が低下
し、薄膜磁気ヘッドとしての効率が悪くなる欠点があ
る。
ようにして形成された薄膜磁気ヘッド、特に記録ヘッド
には、依然として、以下に述べるような問題が残されて
いた。すなわち、上部ポールを構成する第3の磁性層1
6の先端面はエアベアリング面18に露出しているの
で、薄膜コイルによって発生された磁束の一部が、ポー
ルチップを構成する第2の磁性層9を通らずに、この第
2の磁性層の先端面から磁気記録媒体に直接達するよう
になる。このような傾向は、薄膜磁気ヘッドのエアベア
リング面と磁気記録媒体との間の距離が益々狭くなって
いるので、益々顕著に現れている。この場合、図11に
示すように、第3の磁性層16の先端面の巾は、第2の
磁性層9の巾Wよりも広くなっているので、第3の磁性
層の先端面から漏れた磁束の巾は広くなり、記録トラッ
クの巾が広がり、隣のトラックとの干渉を引き起こす欠
点があり、結果としてポールチップを設ける意義が失わ
れてしまうことになる。さらに、このように第3の磁性
層16のエアベアリング面18に露出する先端面からの
磁束の漏れがあると、それだけ磁束の利用効率が低下
し、薄膜磁気ヘッドとしての効率が悪くなる欠点があ
る。
【0023】上述した薄膜磁気ヘッドによって例えばハ
ードディスクなどの磁気記憶装置を構成する場合には、
必要な部材を形成した基体を切断、研磨してスライダと
呼ばれる素子を構成している。このスライダは全体とし
て偏平な形状を有しており、その一方の主表面をエアベ
アリング面とし、このエアベアリング面を磁気記録媒体
の表面と対向させて記録、再生を行っている。動作中
は、スライダのエアベアリング面は記録媒体の表面から
微小な間隔を以て離間しており、したがってスライダは
フローティングしている。面記録密度の向上とともに上
述した間隔は益々狭くなってきており、最近では数十n
m程度まで狭くなっている。このように、スライダのエ
アベアリング面と磁気記録媒体の表面との間隔が狭くな
ると、これらの間に塵埃などの挟雑物が入ると磁気特性
が変動してしまい正常な動作ができなくなる。特に、誘
導型薄膜磁気ヘッドのライトギャップの部分に挟雑物が
侵入すると、書き込み特性や読み取り特性が大きく低下
する欠点がある。
ードディスクなどの磁気記憶装置を構成する場合には、
必要な部材を形成した基体を切断、研磨してスライダと
呼ばれる素子を構成している。このスライダは全体とし
て偏平な形状を有しており、その一方の主表面をエアベ
アリング面とし、このエアベアリング面を磁気記録媒体
の表面と対向させて記録、再生を行っている。動作中
は、スライダのエアベアリング面は記録媒体の表面から
微小な間隔を以て離間しており、したがってスライダは
フローティングしている。面記録密度の向上とともに上
述した間隔は益々狭くなってきており、最近では数十n
m程度まで狭くなっている。このように、スライダのエ
アベアリング面と磁気記録媒体の表面との間隔が狭くな
ると、これらの間に塵埃などの挟雑物が入ると磁気特性
が変動してしまい正常な動作ができなくなる。特に、誘
導型薄膜磁気ヘッドのライトギャップの部分に挟雑物が
侵入すると、書き込み特性や読み取り特性が大きく低下
する欠点がある。
【0024】本発明の目的は、上記の問題を有利に解決
するもので、上述した第3の磁性層の先端面からの磁束
の漏れを抑止して、狭トラックを実現するためのポール
チップの効果を有効に発揮させることができ、しかもス
ライダのエアベアリング面に現れる誘導型薄膜磁気ヘッ
ドのライトギャップと磁気記録媒体との間に侵入した塵
埃を迅速に排出することができるようにした薄膜磁気ヘ
ッドを提供しようとするものである。本発明の他の目的
は、上述したような特徴を有する薄膜磁気ヘッドを、簡
単かつ安価に製造することができる方法を提案しようと
するものである。
するもので、上述した第3の磁性層の先端面からの磁束
の漏れを抑止して、狭トラックを実現するためのポール
チップの効果を有効に発揮させることができ、しかもス
ライダのエアベアリング面に現れる誘導型薄膜磁気ヘッ
ドのライトギャップと磁気記録媒体との間に侵入した塵
埃を迅速に排出することができるようにした薄膜磁気ヘ
ッドを提供しようとするものである。本発明の他の目的
は、上述したような特徴を有する薄膜磁気ヘッドを、簡
単かつ安価に製造することができる方法を提案しようと
するものである。
【0025】
【課題を解説するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、スライダのエアベアリング面に露出する磁極部分を
有する第1の磁性層と、磁気記録媒体と対向し、記録ト
ラックの幅を規定する幅を有するポールチップを構成す
る磁極部分を有し、この磁極部分の端面が前記第1の磁
性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構成す
る第2の磁性層と、エアーベアリング面に近い一端が前
記第2の磁性層に接触され、エアベアリング面から遠い
他端が前記第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁
性層と、少なくとも前記第1の磁性層の磁極部分と前記
第2の磁性層の磁極部分との間に介挿された非磁性材料
よりなるギャップ層と、前記エアベアリング面において
磁気記録媒体に対する書込用の磁束を発生させるように
第1の磁性層と第2および第3の磁性層との間に絶縁層
を介して配設された部分を有する薄膜コイルと、前記第
1、第2および第3の磁性層、ギャップ層および絶縁層
を覆うように配設されたオーバーコート層と、前記第
1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層、薄
膜コイルおよびオーバーコート層を支持する基体と、を
具える薄膜磁気ヘッドであって、前記第3の磁性層の先
端面をエアベアリング面から後退させるとともにこの後
退させた先端面を第3の磁性層の幅よりも広い幅を有す
る開口を経てエアベアリング面に露出させたことを特徴
とするものである。
は、スライダのエアベアリング面に露出する磁極部分を
有する第1の磁性層と、磁気記録媒体と対向し、記録ト
ラックの幅を規定する幅を有するポールチップを構成す
る磁極部分を有し、この磁極部分の端面が前記第1の磁
性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構成す
る第2の磁性層と、エアーベアリング面に近い一端が前
記第2の磁性層に接触され、エアベアリング面から遠い
他端が前記第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁
性層と、少なくとも前記第1の磁性層の磁極部分と前記
第2の磁性層の磁極部分との間に介挿された非磁性材料
よりなるギャップ層と、前記エアベアリング面において
磁気記録媒体に対する書込用の磁束を発生させるように
第1の磁性層と第2および第3の磁性層との間に絶縁層
を介して配設された部分を有する薄膜コイルと、前記第
1、第2および第3の磁性層、ギャップ層および絶縁層
を覆うように配設されたオーバーコート層と、前記第
1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層、薄
膜コイルおよびオーバーコート層を支持する基体と、を
具える薄膜磁気ヘッドであって、前記第3の磁性層の先
端面をエアベアリング面から後退させるとともにこの後
退させた先端面を第3の磁性層の幅よりも広い幅を有す
る開口を経てエアベアリング面に露出させたことを特徴
とするものである。
【0026】このような本発明による薄膜磁気ヘッドに
おいては、上部ポールを構成する第3の磁性層の先端面
は磁気記録媒体と対向するエアベアリング面から後退し
ているので、この第3の磁性層の先端面と記録媒体との
距離は長くなり、したがって磁束の漏洩を有効に抑止す
ることができるとともにこれらの間に挟雑物が留まる可
能性は小さくなる。さらに、この後退した第3の磁性層
の先端面と連続し、スライダのトレイリング側の端面ま
で延在する溝をオーバーコート層のエアベアリング面を
構成する表面に形成した実施例では、ライトギャップと
記録媒体との間に侵入した挟雑物は溝を経て効率良く、
迅速に除去されるので、挟雑物によって磁気記録特性の
劣化が生じる可能性はさらに小さくなる。
おいては、上部ポールを構成する第3の磁性層の先端面
は磁気記録媒体と対向するエアベアリング面から後退し
ているので、この第3の磁性層の先端面と記録媒体との
距離は長くなり、したがって磁束の漏洩を有効に抑止す
ることができるとともにこれらの間に挟雑物が留まる可
能性は小さくなる。さらに、この後退した第3の磁性層
の先端面と連続し、スライダのトレイリング側の端面ま
で延在する溝をオーバーコート層のエアベアリング面を
構成する表面に形成した実施例では、ライトギャップと
記録媒体との間に侵入した挟雑物は溝を経て効率良く、
迅速に除去されるので、挟雑物によって磁気記録特性の
劣化が生じる可能性はさらに小さくなる。
【0027】本発明による薄膜磁気ヘッドにおいては、
前記オーバーコート層の表面に形成した溝をスライダの
トレイリング側の端面まで延在させるとともにエアベア
リング面に垂直な方向から見た形状が、第2の磁性層の
先端面からスライダの端面に向けて拡開するものとする
のが好適である。このように形成すると、挟雑物の除去
効果が一層向上することになる。
前記オーバーコート層の表面に形成した溝をスライダの
トレイリング側の端面まで延在させるとともにエアベア
リング面に垂直な方向から見た形状が、第2の磁性層の
先端面からスライダの端面に向けて拡開するものとする
のが好適である。このように形成すると、挟雑物の除去
効果が一層向上することになる。
【0028】本発明はさらに、スライダのエアベアリン
グ面に露出する磁極部分を有する第1の磁性層と、磁気
記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を有
するポールチップを構成する磁極部分を有し、この磁極
部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と共に
エアベアリング面を構成する第2の磁性層と、エアーベ
アリング面に近い一端が前記第2の磁性層に接触され、
エアベアリング面から遠い他端が前記第1の磁性層と磁
気的に連結された第3の磁性層と、少なくとも前記第1
の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との
間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層と、前記
エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書込用
の磁束を発生させるように第1の磁性層と第2および第
3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分を有
する薄膜コイルと、前記第1、第2および第3の磁性
層、ギャップ層および絶縁層を覆うように配設されたオ
ーバーコート層と、前記第1,第2および第3の磁性
層、ギャップ層、絶縁層、薄膜コイルおよびオーバーコ
ート層を支持する基体と、を具える薄膜磁気ヘッドを製
造する方法であって、フッ素系あるいは塩素系のガスを
用いるリアクティブイオンエッチングを施して、前記第
3の磁性層のエアーベアリング面に現れる先端面を選択
的にエッチングしてエアーベアリング面から後退させる
とともにこの後退させた先端面を前記オーバーコート層
の表面に露出させるのと同時にスライダーのエアーベア
リング面に所定の形状のレールを形成することを特徴と
するものである。本発明による製造方法の好適な実施例
においては、スライダのエアーベアリング面に所定の形
状のレールを形成するエッチング工程において、第3の
磁性層の先端面を選択的にエッチングしてこの先端面を
エアベアリング面から後退させるために、この第3の磁
性層の先端面に連続し、スライダのトレイリング側の端
面まで延在する溝を前記オーバーコート層の表面に形成
することができる。
グ面に露出する磁極部分を有する第1の磁性層と、磁気
記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を有
するポールチップを構成する磁極部分を有し、この磁極
部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と共に
エアベアリング面を構成する第2の磁性層と、エアーベ
アリング面に近い一端が前記第2の磁性層に接触され、
エアベアリング面から遠い他端が前記第1の磁性層と磁
気的に連結された第3の磁性層と、少なくとも前記第1
の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との
間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層と、前記
エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書込用
の磁束を発生させるように第1の磁性層と第2および第
3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分を有
する薄膜コイルと、前記第1、第2および第3の磁性
層、ギャップ層および絶縁層を覆うように配設されたオ
ーバーコート層と、前記第1,第2および第3の磁性
層、ギャップ層、絶縁層、薄膜コイルおよびオーバーコ
ート層を支持する基体と、を具える薄膜磁気ヘッドを製
造する方法であって、フッ素系あるいは塩素系のガスを
用いるリアクティブイオンエッチングを施して、前記第
3の磁性層のエアーベアリング面に現れる先端面を選択
的にエッチングしてエアーベアリング面から後退させる
とともにこの後退させた先端面を前記オーバーコート層
の表面に露出させるのと同時にスライダーのエアーベア
リング面に所定の形状のレールを形成することを特徴と
するものである。本発明による製造方法の好適な実施例
においては、スライダのエアーベアリング面に所定の形
状のレールを形成するエッチング工程において、第3の
磁性層の先端面を選択的にエッチングしてこの先端面を
エアベアリング面から後退させるために、この第3の磁
性層の先端面に連続し、スライダのトレイリング側の端
面まで延在する溝を前記オーバーコート層の表面に形成
することができる。
【0029】上述した本発明による製造方法において
は、スライダのエアベアリング面に所定の形状のレール
を形成するエッチング処理と、第3の磁性層の先端面を
後退させるとともに前記オーバーコート層の表面に露出
させるエッチング処理とを同時に行うので、工程を簡素
化することができる。また、この場合、スライダの基体
を構成するアルティックなどの材料に対すエッチングレ
ート、オーバーコート層を構成するアルミナなどの非磁
性、絶縁性のアルミナなどの材料に対するエッチングレ
ートと、第3の磁性層を構成するパーマロイなどの磁性
材料に対するエッチングレートの比をそれぞれ適切に設
定するように材料を選択し、エッチング条件を設定する
ことにより、スライダに形成されるレールの高さを、例
えば3〜4μm とし、溝の深さを、例えば0.5〜1μ
m 程度とすることができる。
は、スライダのエアベアリング面に所定の形状のレール
を形成するエッチング処理と、第3の磁性層の先端面を
後退させるとともに前記オーバーコート層の表面に露出
させるエッチング処理とを同時に行うので、工程を簡素
化することができる。また、この場合、スライダの基体
を構成するアルティックなどの材料に対すエッチングレ
ート、オーバーコート層を構成するアルミナなどの非磁
性、絶縁性のアルミナなどの材料に対するエッチングレ
ートと、第3の磁性層を構成するパーマロイなどの磁性
材料に対するエッチングレートの比をそれぞれ適切に設
定するように材料を選択し、エッチング条件を設定する
ことにより、スライダに形成されるレールの高さを、例
えば3〜4μm とし、溝の深さを、例えば0.5〜1μ
m 程度とすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき具体
的に説明する。本発明による薄膜磁気ヘッドは、誘導型
薄膜磁気ヘッドのみを有するものとすることもできる
が、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドなどの読み取り用ヘ
ッドとを組み合わせた複合型薄膜磁気ヘッドとするのが
好適である。したがって、以下の実施例ではこのような
複合型薄膜磁気ヘッドについて説明する。また、本発明
による薄膜磁気ヘッドを製造する工程の内、基体に所要
の部材を形成するまでの工程は従来の工程と同様であ
る。すなわち、上述した図1〜9までの工程は従来と同
じである。
的に説明する。本発明による薄膜磁気ヘッドは、誘導型
薄膜磁気ヘッドのみを有するものとすることもできる
が、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドなどの読み取り用ヘ
ッドとを組み合わせた複合型薄膜磁気ヘッドとするのが
好適である。したがって、以下の実施例ではこのような
複合型薄膜磁気ヘッドについて説明する。また、本発明
による薄膜磁気ヘッドを製造する工程の内、基体に所要
の部材を形成するまでの工程は従来の工程と同様であ
る。すなわち、上述した図1〜9までの工程は従来と同
じである。
【0031】図9に示したように、アルティック(AlTi
C) より成る基体1上に例えばアルミナからなる絶縁層
2を約5〜10μm の厚みに堆積し、その上に下部シール
ド層3を3μm の厚みで形成した後、アルミナより成る
第1のシールドギャップ層4を100 〜150 nmの厚みでス
パッタ堆積させ、その上にMR再生素子を構成する磁気抵
抗層5を数十nmの厚みに形成し、さらに、アルミナより
なる第2のシールドギャップ層6を形成してある。
C) より成る基体1上に例えばアルミナからなる絶縁層
2を約5〜10μm の厚みに堆積し、その上に下部シール
ド層3を3μm の厚みで形成した後、アルミナより成る
第1のシールドギャップ層4を100 〜150 nmの厚みでス
パッタ堆積させ、その上にMR再生素子を構成する磁気抵
抗層5を数十nmの厚みに形成し、さらに、アルミナより
なる第2のシールドギャップ層6を形成してある。
【0032】さらに、MR素子に対する上部ポールを構
成するとともに誘導型薄膜磁気ヘッドの下部ポールを構
成するパーマロイよりなる第1の磁性層7を3μm の膜
厚に形成し、その上にアルミナよりなるライトギャップ
層8を約200 nmの膜厚に形成した後、パーマロイ(Ni:
80wt%、Fe:20wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁
束密度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度の
マスクアライメントで所望の形状としてポールチップを
構成する。さらに、第2の磁性層9をマスクとしてライ
トギャップ層8と第1の磁性層7をイオンミリング等の
イオンビームエッチングにてエッチングしてトリム構造
を形成する。
成するとともに誘導型薄膜磁気ヘッドの下部ポールを構
成するパーマロイよりなる第1の磁性層7を3μm の膜
厚に形成し、その上にアルミナよりなるライトギャップ
層8を約200 nmの膜厚に形成した後、パーマロイ(Ni:
80wt%、Fe:20wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁
束密度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度の
マスクアライメントで所望の形状としてポールチップを
構成する。さらに、第2の磁性層9をマスクとしてライ
トギャップ層8と第1の磁性層7をイオンミリング等の
イオンビームエッチングにてエッチングしてトリム構造
を形成する。
【0033】さらに、アルミナより成る絶縁層10をお
よそ3μm の厚みに形成し、その上に絶縁層11,1
3,15によって絶縁分離された状態で支持された薄膜
コイル12,14を形成し、さらに第2の磁性層9およ
び絶縁層11,13,15の上に、上部ポールを構成す
るパーマロイよりなる第3の磁性層16を3μm の厚み
で所望のパターンに従って選択的に形成し、さらに、第
3の磁性層16の露出表面を含む露出表面の上にアルミ
ナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
よそ3μm の厚みに形成し、その上に絶縁層11,1
3,15によって絶縁分離された状態で支持された薄膜
コイル12,14を形成し、さらに第2の磁性層9およ
び絶縁層11,13,15の上に、上部ポールを構成す
るパーマロイよりなる第3の磁性層16を3μm の厚み
で所望のパターンに従って選択的に形成し、さらに、第
3の磁性層16の露出表面を含む露出表面の上にアルミ
ナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
【0034】実際に複合型薄膜磁気ヘッドを量産する場
合には、基体1を構成するウエファに複合型薄膜磁気ヘ
ッドとして必要な部分を形成した後、ウエファをスクラ
イブして多数の複合型薄膜磁気ヘッドが配列されたバー
に分割し、各バーの側面を研磨してエアベアリング面を
形成し、さらにこのバーを分割して個々のスライダを形
成している。図13は、このようにして形成されたスラ
イダ31を示す斜視図であり、そのエアベアリング面1
8には、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドのMR素子19
の端縁が現れているとともに誘導型薄膜磁気ヘッドのラ
イトギャップ8の端縁が現れている。
合には、基体1を構成するウエファに複合型薄膜磁気ヘ
ッドとして必要な部分を形成した後、ウエファをスクラ
イブして多数の複合型薄膜磁気ヘッドが配列されたバー
に分割し、各バーの側面を研磨してエアベアリング面を
形成し、さらにこのバーを分割して個々のスライダを形
成している。図13は、このようにして形成されたスラ
イダ31を示す斜視図であり、そのエアベアリング面1
8には、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドのMR素子19
の端縁が現れているとともに誘導型薄膜磁気ヘッドのラ
イトギャップ8の端縁が現れている。
【0035】このスライダ31のエアベアリング面18
には、所望のフローティング特性を持たせるためにレー
ルをエッチングにより形成しているが、本発明において
は、このレール形成のためのエッチングの際に、図14
に全体を斜視図で示し、図15に拡大斜視図で示すとと
もに図16に正面図で示すようにエアベアリング面18
に露出している第3の磁性層16の先端面を同時にエッ
チングしてこの先端面をエアベアリング面から後退させ
るとともにオーバーコート層17のエアベアリング面1
8を構成する表面に、上述したように後退させた第3の
磁性層16の先端面に連続し、スライダ31のトレイリ
ング側の端面33に達する溝32を形成する。
には、所望のフローティング特性を持たせるためにレー
ルをエッチングにより形成しているが、本発明において
は、このレール形成のためのエッチングの際に、図14
に全体を斜視図で示し、図15に拡大斜視図で示すとと
もに図16に正面図で示すようにエアベアリング面18
に露出している第3の磁性層16の先端面を同時にエッ
チングしてこの先端面をエアベアリング面から後退させ
るとともにオーバーコート層17のエアベアリング面1
8を構成する表面に、上述したように後退させた第3の
磁性層16の先端面に連続し、スライダ31のトレイリ
ング側の端面33に達する溝32を形成する。
【0036】従来、スライダの浮上特性を向上するため
に、スライダのエアベアリング面に所望の形状のレール
を形成することが行われている。このようなレールを形
成するためのエッチングには通常アルゴンイオンビーム
ミリングが用いられていた。しかし、このようなイオン
ビームエッチングによって、スライダにレールを形成す
るのと同時に、第3の磁性層の先端面を後退させるとと
もにこの先端面と連続する溝をオーバーコート層に形成
するのは難しかった。
に、スライダのエアベアリング面に所望の形状のレール
を形成することが行われている。このようなレールを形
成するためのエッチングには通常アルゴンイオンビーム
ミリングが用いられていた。しかし、このようなイオン
ビームエッチングによって、スライダにレールを形成す
るのと同時に、第3の磁性層の先端面を後退させるとと
もにこの先端面と連続する溝をオーバーコート層に形成
するのは難しかった。
【0037】そこで、本実施例では、CF4, Cl2系のガス
を用いるリアクティブイオンエッチングを採用する。こ
のようなリアクティブイオンエッチングによれば、基体
1を構成するアルティックなどの絶縁材料に対するエッ
チングレートは、第3の磁性層16を構成するパーマロ
イなどの磁性材料に対するエッチングレートよりも5〜
7倍の速いので、同じエッチング工程によってレール3
4の高さを3〜4μmとし、第3の磁性層16の先端面
のエアベアリング面18からの後退量を0.5〜1.0
μm とすることができる。また、この場合、オーバーコ
ート層17を構成するアルミナに対するリアクティブイ
オンエッチングによるエッチングレートは、エッチング
条件を適切に選択することによって第3の磁性層16に
対するエッチングレートとほぼ等しくすることができ、
したがって第3の磁性層の先端面の後退量と、溝32の
深さとをほぼ同じとすることができる。
を用いるリアクティブイオンエッチングを採用する。こ
のようなリアクティブイオンエッチングによれば、基体
1を構成するアルティックなどの絶縁材料に対するエッ
チングレートは、第3の磁性層16を構成するパーマロ
イなどの磁性材料に対するエッチングレートよりも5〜
7倍の速いので、同じエッチング工程によってレール3
4の高さを3〜4μmとし、第3の磁性層16の先端面
のエアベアリング面18からの後退量を0.5〜1.0
μm とすることができる。また、この場合、オーバーコ
ート層17を構成するアルミナに対するリアクティブイ
オンエッチングによるエッチングレートは、エッチング
条件を適切に選択することによって第3の磁性層16に
対するエッチングレートとほぼ等しくすることができ、
したがって第3の磁性層の先端面の後退量と、溝32の
深さとをほぼ同じとすることができる。
【0038】上述したように、誘導型薄膜磁気ヘッドの
上部ポールを構成する第3の磁性層16の先端面をエア
ベアリング面18から後退させることによって、この第
3の磁性層の先端面と磁気記録媒体との間の距離はそれ
だけ長くなり、したがって第4の磁性層の先端面からの
磁束の漏洩は有効に抑止されることになる。したがっ
て、記録トラック巾が広がって隣接するトラックと干渉
したりすることはなくなり、第2の磁性層9よりなるポ
ールチップの巾によって規定される狭い記録トラックを
得ることができ、面記録密度をそれだけ向上することが
できる。
上部ポールを構成する第3の磁性層16の先端面をエア
ベアリング面18から後退させることによって、この第
3の磁性層の先端面と磁気記録媒体との間の距離はそれ
だけ長くなり、したがって第4の磁性層の先端面からの
磁束の漏洩は有効に抑止されることになる。したがっ
て、記録トラック巾が広がって隣接するトラックと干渉
したりすることはなくなり、第2の磁性層9よりなるポ
ールチップの巾によって規定される狭い記録トラックを
得ることができ、面記録密度をそれだけ向上することが
できる。
【0039】本実施例においては、オーバーコート層1
7のエアベアリング面18を構成する表面に形成される
溝32の、エアベアリング面18に垂直な方向から見た
形状を、図16に明瞭に示すように、スライダ31のト
レイリング側の端面33に向けて拡開するような形状に
形成する。このような形状の溝32を形成することによ
り、スライダ31のエアベアリング面18に現れている
MR素子19の端面またはライトギャップ層8の端面と
磁気記録媒体との間に侵入してきた挟雑物はこの溝に沿
って迅速に排除されるようになり、薄膜磁気ヘッドによ
る記録、再生特性を良好とすることができる。また、溝
32の巾は、第3の磁性層16の先端の巾よりも大きけ
れば良い。なお、スライダ31のエアベアリング面18
に形成されるレール34の形状は、所望のフローティン
グ特性が得られるような形状となっており、図面に示し
た形状に限られるものではない。
7のエアベアリング面18を構成する表面に形成される
溝32の、エアベアリング面18に垂直な方向から見た
形状を、図16に明瞭に示すように、スライダ31のト
レイリング側の端面33に向けて拡開するような形状に
形成する。このような形状の溝32を形成することによ
り、スライダ31のエアベアリング面18に現れている
MR素子19の端面またはライトギャップ層8の端面と
磁気記録媒体との間に侵入してきた挟雑物はこの溝に沿
って迅速に排除されるようになり、薄膜磁気ヘッドによ
る記録、再生特性を良好とすることができる。また、溝
32の巾は、第3の磁性層16の先端の巾よりも大きけ
れば良い。なお、スライダ31のエアベアリング面18
に形成されるレール34の形状は、所望のフローティン
グ特性が得られるような形状となっており、図面に示し
た形状に限られるものではない。
【0040】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例においては、書き込み用の誘導型薄
膜磁気ヘッドと読み取り用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘ
ッドとを基板上に積層した複合型薄膜磁気ヘッドとした
が、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドはなくても良い。ま
た、上述した実施例においては、第2の磁性層9によっ
て構成されるポールチップをマスクとしてエッチングを
施して第1の磁性層8にトリム構造を形成したが、この
ようなトリム構造は必ずしも必要ではない。
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例においては、書き込み用の誘導型薄
膜磁気ヘッドと読み取り用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘ
ッドとを基板上に積層した複合型薄膜磁気ヘッドとした
が、磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドはなくても良い。ま
た、上述した実施例においては、第2の磁性層9によっ
て構成されるポールチップをマスクとしてエッチングを
施して第1の磁性層8にトリム構造を形成したが、この
ようなトリム構造は必ずしも必要ではない。
【0041】
【発明の効果】上述したように本発明による薄膜磁気ヘ
ッドによれば、誘導型薄膜磁気ヘッドの上部ポールを構
成する第3の磁性層16のエアベアリング面18に現れ
る先端面をエアベアリング面よりも後退させたので、こ
の第3の磁性層の先端面と磁気記録媒体との間の距離を
長くすることができ、したがって第3の磁性層の先端面
からの磁束の漏洩を有効に抑えることができ、記録トラ
ックの巾がポールチップを構成する第2の磁性層9の巾
よりも広がることがなくなり、高い面記録密度を実現す
ることができる。さらに、磁束の利用効率が向上するの
で、効率の良い薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
ッドによれば、誘導型薄膜磁気ヘッドの上部ポールを構
成する第3の磁性層16のエアベアリング面18に現れ
る先端面をエアベアリング面よりも後退させたので、こ
の第3の磁性層の先端面と磁気記録媒体との間の距離を
長くすることができ、したがって第3の磁性層の先端面
からの磁束の漏洩を有効に抑えることができ、記録トラ
ックの巾がポールチップを構成する第2の磁性層9の巾
よりも広がることがなくなり、高い面記録密度を実現す
ることができる。さらに、磁束の利用効率が向上するの
で、効率の良い薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
【0042】さらに、このようにエアベアリング面18
から後退させた第3の磁性層16の先端面と連続し、ス
ライダ31のトレイリング側の端面33まで延在する溝
32を、オーバーコート層17のエアベアリング面を構
成する表面に形成した実施例では、スライダと記録媒体
との間の隙間に侵入した挟雑物をこの溝を経て一層迅速
に排除することができるので、挟雑物によって記録特性
が劣化するようなことはない。
から後退させた第3の磁性層16の先端面と連続し、ス
ライダ31のトレイリング側の端面33まで延在する溝
32を、オーバーコート層17のエアベアリング面を構
成する表面に形成した実施例では、スライダと記録媒体
との間の隙間に侵入した挟雑物をこの溝を経て一層迅速
に排除することができるので、挟雑物によって記録特性
が劣化するようなことはない。
【0043】また、本発明による製造方法によれば、ス
ライダ31のエアベアリング面18にレール34を形成
するエッチング工程と同じ工程において、第3の磁性層
16のエアベアリング面に露出する先端面をエッチング
して後退させているので、工程は簡単となり、製造コス
トの面でも有利である。さらに、第3の磁性層16の先
端面を後退させるエッチングレートと、エアベアリング
面18にレール34を形成するためのエッチングレート
との差が適切となるような材料およびエッチング方法を
採用することにより、後退量およびレールの高さの双方
を同時に制御することができる。
ライダ31のエアベアリング面18にレール34を形成
するエッチング工程と同じ工程において、第3の磁性層
16のエアベアリング面に露出する先端面をエッチング
して後退させているので、工程は簡単となり、製造コス
トの面でも有利である。さらに、第3の磁性層16の先
端面を後退させるエッチングレートと、エアベアリング
面18にレール34を形成するためのエッチングレート
との差が適切となるような材料およびエッチング方法を
採用することにより、後退量およびレールの高さの双方
を同時に制御することができる。
【図1】図1は、従来の標準的な薄膜磁気ヘッドの製造
方法における最初の工程を示す断面図である。
方法における最初の工程を示す断面図である。
【図2】図2は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図3】図3は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図4】図4は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図5】図5は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図6】図6は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】図7は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図8】図8は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図9】図9は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図10】図10は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
断面図である。
断面図である。
【図11】図11は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
磁極部分の断面図である。
磁極部分の断面図である。
【図12】図12は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
平面図である。
平面図である。
【図13】図13は、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法において、ウエファから切り出したスライダを示
す斜視図である。
造方法において、ウエファから切り出したスライダを示
す斜視図である。
【図14】図14は、同じく、その次の工程におけるス
ライダを示す斜視図である。
ライダを示す斜視図である。
【図15】図15は、同じく、その磁極部分を拡大して
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図16】図16は、同じく、その磁極部分の正面図で
ある。
ある。
1 基体、 2 アルミナ絶縁層、 3 下部シールド
層、 4 第1のシールドギャップ層、 5 磁気抵抗
層、 6 第2のシールドギャップ層、 7 第1の磁
性層、 8 ライトギャップ層、 9 第2の磁性層、
10,11,13,15 絶縁層、 12, 14
薄膜コイル、 16 第3の磁性層、 17 オーバー
コート層、 18 エアベアリング面、 19 MR再
生素子、31 スライダ、 32 溝、 33 スライ
ダのトレイリング側端面、 34レール
層、 4 第1のシールドギャップ層、 5 磁気抵抗
層、 6 第2のシールドギャップ層、 7 第1の磁
性層、 8 ライトギャップ層、 9 第2の磁性層、
10,11,13,15 絶縁層、 12, 14
薄膜コイル、 16 第3の磁性層、 17 オーバー
コート層、 18 エアベアリング面、 19 MR再
生素子、31 スライダ、 32 溝、 33 スライ
ダのトレイリング側端面、 34レール
Claims (6)
- 【請求項1】 スライダのエアベアリング面に露出する
磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
を有するポールチップを構成する磁極部分を有し、この
磁極部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と
共にエアベアリング面を構成する第2の磁性層と、 エアーベアリング面に近い一端が前記第2の磁性層に接
触され、エアベアリング面から遠い他端が前記第1の磁
性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁
性層の磁極部分との間に介挿された非磁性材料よりなる
ギャップ層と、 前記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
込用の磁束を発生させるように第1の磁性層と第2およ
び第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分
を有する薄膜コイルと、 前記第1、第2および第3の磁性層、ギャップ層および
絶縁層を覆うように配設されたオーバーコート層と、 前記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
層、薄膜コイルおよびオーバーコート層を支持する基体
と、 を具える薄膜磁気ヘッドであって、 前記第3の磁性層の先端面をエアベアリング面から後退
させるとともにこの後退させた先端面を第3の磁性層の
幅よりも広い幅を有する開口を経てエアベアリング面に
露出させたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 前記第3の磁性層の後退させた先端面を
エアーベアリング面に露出させる開口を、前記スライダ
のトレイリング側端面まで延在するように前記オーバー
コート層のエアベアリング面を構成する表面に形成した
溝としたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘ
ッド。 - 【請求項3】 前記オーバーコート層の表面に形成した
溝の、エアベアリング面に垂直な方向から見た形状が、
第2の磁性層の先端面からスライダのトレイリング側の
端面に向けて拡開するものとしたことを特徴とする請求
項2に記載の薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項4】 スライダのエアベアリング面に露出する
磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
を有するポールチップを構成する磁極部分を有し、この
磁極部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と
共にエアベアリング面を構成する第2の磁性層と、 エアーベアリング面に近い一端が前記第2の磁性層に接
触され、エアベアリング面から遠い他端が前記第1の磁
性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁
性層の磁極部分との間に介挿された非磁性材料よりなる
ギャップ層と、 前記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
込用の磁束を発生させるように第1の磁性層と第2およ
び第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分
を有する薄膜コイルと、 前記第1、第2および第3の磁性層、ギャップ層および
絶縁層を覆うように配設されたオーバーコート層と、 前記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
層、薄膜コイルおよびオーバーコート層を支持する基体
と、 を具える薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、 フッ素系あるいは塩素系のガスを用いるリアクティブイ
オンエッチングを施して、前記第3の磁性層のエアーベ
アリング面に現れる先端面を選択的にエッチングしてエ
アーベアリング面から後退させるとともにこの後退させ
た先端面を前記オーバーコート層の表面に露出させるの
と同時にスライダーのエアーベアリング面に所定の形状
のレールを形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの
製造方法。 - 【請求項5】 前記第3の磁性層の先端面をエアベアリ
ング面から後退させるとともにこの後退させた先端面を
エアーベアリング面に露出させる際に、前記第3の磁性
層の幅よりも広い幅を有する開口を前記オーバーコート
層の表面に形成することを特徴とする請求項4に記載の
薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 前記第3の磁性層の先端面をエアベアリ
ング面から後退させるとともにこの後退させた先端面を
エアーベアリング面に露出させる際に、この第3の磁性
層の先端面に連続し、スライダのトレイリング側の端面
にまで達する溝を前記オーバーコート層の表面に形成す
ることを特徴とする請求項4または5に記載の薄膜磁気
ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05037298A JP3371084B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05037298A JP3371084B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11250415A JPH11250415A (ja) | 1999-09-17 |
JP3371084B2 true JP3371084B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=12857068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05037298A Expired - Fee Related JP3371084B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3371084B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8116173B2 (en) | 2009-07-28 | 2012-02-14 | Tdk Corporation | Heat-assisted magnetic recording head with laser diode |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP05037298A patent/JP3371084B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11250415A (ja) | 1999-09-17 |
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