JP3486338B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP3486338B2 JP10745798A JP10745798A JP3486338B2 JP 3486338 B2 JP3486338 B2 JP 3486338B2 JP 10745798 A JP10745798 A JP 10745798A JP 10745798 A JP10745798 A JP 10745798A JP 3486338 B2 JP3486338 B2 JP 3486338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書き込み用の誘導
型薄膜磁気ヘッドを含む磁気ヘッドの製造方法に関する
もので、特に書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッドと、読
み取り用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドとを積層した
状態で基体により支持した複合型薄膜磁気ヘッドの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴い、複合型薄膜磁気ヘッドについてもその性
能向上が求められている。複合型薄膜磁気ヘッドとし
て、書き込みを目的とする誘導型の薄膜磁気ヘッドと、
読み出しを目的とする磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッド
とを、基体上に積層した構造を有するものが提案され、
実用化されている。読み取り用の磁気抵抗素子として
は、通常の異方性磁気抵抗(AMR:Anisotropic Magneto
Resistive)効果を用いたものが従来一般に使用されてき
たが、これよりも抵抗変化率が数倍も大きな巨大磁気抵
抗(GMR:Giant Magneto Resistive)効果を用いたものも
開発されている。本明細書では、これらAMR素子およ
びGMR素子などを総称して磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘ
ッドまたは簡単にMR再生素子と称することにする。
【0003】AMR素子を使用することにより、数ギガ
ビット/インチ2 の面記録密度を実現することができ、
またGMR素子を使用することにより、さらに面記録密
度を上げることができる。このように面記録密度を高く
することによって、10Gバイト以上の大容量のハード
ディスク装置の実現が可能となってきている。このよう
な磁気抵抗再生素子よりなる再生ヘッドの性能を決定す
る要因の一つとして、磁気抵抗再生素子の高さ(MR Heig
ht:MRハイト) がある。このMRハイトは、端面がエ
アベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子の、エアベ
アリング面から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製
造過程においては、エアベアリング面を研磨して形成す
る際の研磨量を制御することによって所望のMRハイト
を得るようにしている。
【0004】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。面記録密度を上
げるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる
必要がある。このためには、エアベアリング面における
ライトギャップ(write gap)の幅を数ミクロンからサブ
ミクロンオーダーまで狭くする必要があり、これを達成
するために半導体加工技術が利用されている。
【0005】書き込み用薄膜磁気ヘッドの性能を決定す
る要因の一つとして、スロートハイト(Throat Height
: TH) がある。このスロートハイトTHは、エアベ
アリング面から薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層の
エアベアリング面側のエッジまでの磁極部分の距離であ
り、薄膜磁気ヘッドの磁気特性を向上するために、この
距離をできるだけ短くすることが望まれている。このス
ロートハイトTHの縮小化もまた、エアベアリング面か
らの研磨量で決定される。したがって、書き込み用の誘
導型薄膜磁気ヘッドと、読み取り用の磁気抵抗効果型薄
膜磁気ヘッドとを積層した複合型薄膜磁気ヘッドの性能
を向上させるためには、書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘ
ッドと、読み取り用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを
バランス良く形成することが重要である。
【0006】図1〜9に、従来の標準的な薄膜磁気ヘッ
ドの順次の製造工程をし、各図においてAは薄膜磁気ヘ
ッドのエアベアリング面に垂直な断面図、Bは磁極部分
のエアベアリング面に平行な断面図である。また図10
および11はそれぞれ、完成した従来の薄膜磁気ヘッド
を、オーバーコート層を取り除いて示すエアベアリング
面に垂直な断面図および磁極部分のエアベアリング面に
平行な断面図である。なおこの例の薄膜磁気ヘッドは、
基体の上に読取用のGMR再生素子を設け、その上に書
き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッドを積層した複合型のも
のである。
【0007】まず、図1に示すように、例えばアルティ
ック(AlTiC) からなる基体1の上に例えばアルミナ(Al2
O3) からなる絶縁層2を約5〜10μm の厚みに堆積す
る。次いで、図2に示すように、再生用のGMR素子を
外部磁界の影響から保護するための一方の磁気シールド
を構成する第1の磁性層3を3μm の厚みで形成する。
その後、図3に示すように、第1のシールドギャップ層
4として、アルミナを100〜150 nmの厚みでスパッタ堆
積させたのち、GMR再生素子を構成する磁気抵抗効果
を有する材料よりなる磁気抵抗層5を10nm以下の厚み
に形成し、高精度のマスクアライメントで所望の形状と
する。続いて、図4に示すように、再度、アルミナより
成る第2のシールドギャップ層6を形成して、磁気抵抗
層5を第1および第2のシールドギャップ層4、6内に
埋設する。
【0008】次に、図5に示すように、パーマロイより
なる第2の磁性層7を3μm の膜厚に形成する。この第
2の磁性層7は、上述した第1の磁性層3と共にGMR
再生素子を磁気遮蔽する他方のシールドとしての機能を
有するだけでなく、書き込み用薄膜磁気ヘッドの一方の
ポールとしての機能をも有するものである。
【0009】次いで、図6に示すように、第2の磁性層
7の上に、非磁性材料、例えばアルミナよりなるライト
ギャップ層8を約200 nmの膜厚に形成した後、薄膜コイ
ルを形成すべき部分の上にフォトレジストより成る絶縁
層9を所定のパターンにしたがって形成し、その上に第
1層目の薄膜コイル10を形成する。
【0010】そして、図7に示すように第1層目の薄膜
コイル10をフォトレジストより成る絶縁層11によっ
て覆った後、その表面を平坦化し、図8に示すように第
2層目の薄膜コイル12を形成し、この第2層目の薄膜
コイルをフォトレジストより成る絶縁層13で覆う。次
に、図9に示すように第3の磁性層14を所定のパター
ンにしたがって、例えば電気メッキにより形成し、その
磁極部分をマスクとしてイオンビームエッチングを施し
てその周辺のライトギャップ層8を選択的に除去し、さ
らにその下側の第2の磁性層7の表面をエッチングして
その膜厚を部分的に薄くしてトリム構造を形成し、最後
に全体の上にアルミナよりなるオーバーコート層15を
20〜30μm の膜厚に形成する。
【0011】最後に、磁気抵抗層5やライトギャップ層
を形成した側面を研磨して、磁気記録媒体と対向するエ
アベアリング面(Air Bearing Surface:ABS)16を形成
する。このエアベアリング面16の形成過程において磁
気抵抗層5も研磨され、GMR再生素子17が得られ
る。このようにして上述したスロートハイトTHおよび
MRハイトが決定される。その様子を図10に示す。実
際の薄膜磁気ヘッドにおいては、薄膜コイル10、12
およびGMR再生素子17に対する電気的接続を行なう
ためのパッドが形成されているが、図示では省略してあ
る。なお、図11は、このようにして形成された複合型
薄膜磁気ヘッドの磁極部分を、エアベアリング面16と
平行な平面で切った断面図である。
【0012】図10に示したように、薄膜コイル10、
12を絶縁分離するフォトレジスト層11、13の側面
の角部を結ぶ線分Sと第3の磁性層14の上面とのなす
角度θ(Apex Angle:アペックスアングル) も、上述し
たスロートハイトTHおよびMRハイトと共に、薄膜磁
気ヘッドの性能を決定する重要なファクタとなってい
る。
【0013】また、図12Aは、第3の磁性層14の磁
極部分をマスクとしてトリム構造を形成する以前の状態
を示し、図12Bはトリム構造を形成した後の状態を示
す平面図である。図面に示すように、第3の磁性層14
の磁極部分の幅Wは狭くなっており、この幅によって磁
気記録媒体に記録されるトラックの幅が規定されるの
で、高い面記録密度を実現するためには、この幅Wをで
きるだけ狭くする必要がある。なお、この図では、図面
を簡単にするため、薄膜コイル10、12は同心円状に
示してある。
【0014】さて、従来、薄膜磁気ヘッドの形成におい
て、特に問題となっていたのは、薄膜コイルの形成後、
フォトレジスト絶縁層でカバーされたコイル凸部、特に
その傾斜部(Apex)に沿って形成されるトップポールの
微細形成の難しさである。すなわち、従来は、第3の磁
性層を形成する際、約7〜10μm の高さのコイル凸部
の上にパーマロイ等の磁性材料をメッキした後、フォト
レジストを3〜4μm の厚みで塗布し、その後フォトリ
ソグラフィ技術を利用して所定のパターン形成を行って
いた。
【0015】ここに、山状コイル凸部の上のレジストで
パターニングされるレジスト膜厚として、最低3μm が
必要であるとすると、傾斜部の下方では8〜10μm 程
度の厚みのフォトレジストが塗布されることになる。一
方、このような10μm 程度の高低差があるコイル凸部
の表面および平坦上に形成されたライトギャップ層の上
に形成される第3の磁性層は、フォトレジスト絶縁層
(例えば図7の11、13)のエッジ近傍に記録ヘッド
の狭トラックを形成する必要があるため、第3の磁性層
をおよそ1μm 幅にパターニングする必要がある。した
がって、8〜10μm の厚みのフォトレジスト膜を使用
して1μm 幅のパターンを形成する必要が生じる。
【0016】しかしながら、8〜10μm のように厚い
フォトレジスト膜で、1μm 幅程度の幅の狭いパターン
を形成しようとしても、フォトリソグラフィの露光時に
光の反射光によるパターンのくずれ等が発生したり、レ
ジスト膜厚が厚いことに起因して解像度の低下が起こる
ため、幅の狭いトラックを形成するための幅の狭いトッ
プポールを正確にパターニングすることはきわめて難し
いものである。このような問題を改善するために、第3
の磁性層をポールチップと、これに連結されたヨークと
に分割し、ポールチップの巾を狭くして記録トラックの
巾を狭くすることが提案されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして形成された薄膜磁気ヘッド、特に記録ヘッド
には、依然として、以下に述べるような問題が残されて
いた。誘導型薄膜磁気ヘッドの磁気特性を向上するとと
もに小型を図るためには、スロートハイトTHやMRハ
イトをできるだけ短くすることが要求されている。しか
しながら従来では、短いスロートハイトTHやMRハイ
トを所望の設計値通りに形成することは非常に難しかっ
た。
【0018】すなわち、スロートハイト零の位置を基準
としてスロートハイトTHやMRハイトを正確に設定す
る必要があるが、従来の複合型薄膜磁気ヘッドにおいて
は、スロートハイト零の基準位置を正確に設定できない
という問題がある。すなわち、薄膜コイル10,12を
覆う絶縁層11,13はフォトレジストで形成されてお
り、薄膜コイルの平坦化やコイル巻回体間の絶縁化を目
的として250°C程度の温度でリフローされるので、
絶縁層のパターンや寸法が変動することになり、その結
果として絶縁層の端縁を基準位置として形成されるスロ
ートハイトTHやMRハイトの寸法も所望の設計値から
ずれてしまう欠点がある。特に絶縁層11,13を構成
するフォトレジストの膜厚が厚い場合には、パターンの
ずれは0.5μm 程度ときわめて大きくなり、特に高周
波数用の薄膜磁気ヘッドで必要とされるサブミクロン程
度の微細なスロートハイトを再現性良く実現することが
できない。また、絶縁層11,13の膜厚の変動によっ
てもパターンの変動が発生し、所望のスロートハイトT
HやMRハイトを有する薄膜磁気ヘッドを歩留り良く製
造することができなかった。
【0019】また、従来の複合型薄膜磁気ヘッドにおい
てエアベアリング面を研磨出しする作業は、GMR再生
素子17の抵抗値をモニタし、この抵抗値が所定の値に
なるまで研磨するようにしており、スロートハイトTH
の寸法に関しては何も測定していない。しかしながら、
MRハイトが所望の値になったとしてもスロートハイト
THが所望の値になるとは限らず、現実には多くの不良
が発生している。特に、上述したように絶縁層11,1
3のパターンのずれによってスロートハイト零の基準位
置がずれる場合には、MRハイトが所望の値になっても
スロートハイトTHは所望の値とはならない。
【0020】さらに、従来の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、実効トラック巾を第3の磁性層14の磁極部分の巾
にほぼ等しくするために、第3の磁性層の磁極部分をマ
スクとしてエッチングを行って第2の磁性層7の表面を
部分的に除去してトリム構造を形成している。このエッ
チングにはイオンビームエッチングが採用されている
が、フォトレジストより成る絶縁層11,13も同時に
エッチングされ、絶縁層のエアベアリング面側の端縁の
位置が1.0〜1.5μm 程度後退してしまう。この絶
縁層11,13のエアベアリング面側の端縁は、図12
Bに示すようにスロートハイト零の基準位置であるの
で、エッチングによってスロートハイト零の基準位置が
変動してしまうことになり、スロートハイトを所望の設
計値通りに形成することができなくなる。特に、1μm
以下の短いスロートハイトが要求される高周波数用の薄
膜磁気ヘッドにおいては、上述したように絶縁層11,
13のエアベアリング面側の端縁の位置が1.0〜1.
5μm 程度も後退してしまうことは重大な問題である。
【0021】また、上述したようにトリム構造を形成す
るためのエッチングにおいて、フォトレジストより成る
絶縁層11,13のエアベアリング面側の端縁が後退し
てしまうと、ウエファプロセス中にハンドリング等の衝
撃によって第3の磁性層14の磁極部分の下側にある絶
縁層の部分18(図13参照)が損傷を受け、極端な場
合には剥離してしまう問題もある。このように絶縁層1
1,13の一部分が剥離して大きな空間が生じると、エ
アベアリング面の研磨作業中にオイルや研磨液がその中
に浸入し、そこから第3の磁性層14が腐食して特性が
劣化してしまう問題もある。
【0022】本発明の目的は、上述した従来の薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法の種々の問題点を、解決もし
くは軽減できる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供しよう
とするものである。すなわち、本発明の目的は、スロー
トハイト零の基準位置の変動を抑え、その結果として所
望の設計値通りのスロートハイトTHを得ることがで
き、複合型薄膜磁気ヘッドにおいてはMRハイトとの良
好なバランスをとることができ、トリム構造を形成する
際のエッチングによる絶縁層の後退による不良をなく
し、良好な特性を有する薄膜磁気ヘッドを歩留り良く製
造する方法を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法は、 少なくとも誘導型薄膜磁気ヘッド
を基体により支持した薄膜磁気ヘッドを製造する方法で
あって、第1の磁性層を、基体によって支持されるよう
に形成する工程と、この第1の磁性層の表面に、磁極部
分において、内方縁がスロートハイト零の基準位置とな
り、深さが所望のスロートハイトとなるほぼコの字状の
切り込みを有し、無機絶縁材料より成る無機絶縁層を形
成する工程と、前記第1の磁性層の表面にライトギャッ
プ層を形成する工程と、このライトギャップ層の、前記
無機絶縁層の上に形成された部分の上に、絶縁分離され
た状態で支持された薄膜コイルを形成する工程と、ライ
トギャップ層の、磁極部分から、前記薄膜コイルの表面
を覆い、前記エアベアリング面から離れた後方位置にお
いて前記第1の磁性層と磁気的に結合されるように第2
の磁性層を形成する工程と、この第2の磁性層の磁極部
分をマスクとしてエッチングを行って前記ライトギャッ
プ層を除去する工程と、前記第2の磁性層の磁極部分お
よび前記無機絶縁層をマスクとして、前記無機絶縁層の
切り込み内に露出する前記第1の磁性層の表面をその膜
厚の一部分に亘ってエッチングしてトリム構造を形成す
る工程と、全体の表面をオーバーコート層で覆う工程
と、前記無機絶縁層の切り込みの先端縁が露出するよう
にエアベアリング面を研磨出しする工程と、を具えるこ
とを特徴とするものである。
【0024】 さらに本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法は、少なくとも誘導型薄膜磁気ヘッドを基体によ
り支持した薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、第
1の磁性層を、基体によって支持されるように形成する
工程と、この第1の磁性層の表面に、磁極部分におい
て、内方縁がスロートハイト零の基準位置となり、深さ
が所望のスロートハイトよりも深いほぼコの字状の切り
込みを有し、無機絶縁材料より成る無機絶縁層を形成す
る工程と、前記第1の磁性層の表面にライトギャップ層
を形成する工程と、このライトギャップ層の、前記無機
絶縁層の上に形成された部分の上に、絶縁分離された状
態で支持された薄膜コイルを形成する工程と、ライトギ
ャップ層の、磁極部分から、前記薄膜コイルの表面を覆
い、前記エアベアリング面から離れた後方位置において
前記第1の磁性層と磁気的に結合されるように第2の磁
性層を形成する工程と、この第2の磁性層の磁極部分を
マスクとしてエッチングを行って前記ライトギャップ層
を除去する工程と、前記第2の磁性層の磁極部分および
前記無機絶縁層をマスクとして、前記無機絶縁層の切り
込み内に露出する前記第1の磁性層の表面をその膜厚の
一部分に亘ってエッチングしてトリム構造を形成する工
程と、全体の表面をオーバーコート層で覆う工程と、前
記無機絶縁層の切り込みの内方縁をスロートハイト零の
基準位置として所望のスロートハイトが得られるように
エアベアリング面を研磨出しする工程と、を具えること
を特徴とする物である。
【0025】このような本発明による薄膜磁気ヘッドの
製造方法においては、前記絶縁層を、アルミナ、酸化シ
リコンまたは窒化シリコンを以て形成するのが好適であ
る。このような無機絶縁層を用いることにより、トリム
構造を形成する際のエッチングによっても絶縁層のエア
ベアリング面側の端縁の位置、すなわちスロートハイト
零の基準位置は変動せず、したがってスロートハイトを
所望の設計値通りとすることができる。
【0026】また、前記第2の磁性層の磁極部分をマス
クとしてエッチングを行って前記ライトギャップ層を除
去する工程を、フレオン系または塩素系のガスを用いる
リアクティブイオンエッチングにより行ない、前記第1
の磁性層の表面をその膜厚の一部分に亘ってエッチング
してトリム構造を形成する工程を、イオンビームエッチ
ングで行なうのが好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図14〜26を参照して本
発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の第1の実施例を
説明する。なお、これらの図面においてAおよびBがあ
るものは、エアベアリング面に垂直な面で切った断面図
をAで示し、正面図をBで示した。また、本例では、基
体の上に読み取り用の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを
形成し、その上に書き込み用の誘導型薄膜磁気ヘッドを
積層した複合型薄膜磁気ヘッドとしたものである。
【0028】アルティック(AlTiC )より成る基体本体
21の一方の表面に、約3〜5μmの膜厚でアルミナよ
り成る絶縁層22を形成した様子を図14に示す。これ
ら、基体本体21および絶縁層22を、本明細書におい
ては、基体またはウエファ23と称する。また、本明細
書において、絶縁層とは、少なくとも電気的な絶縁特性
を有する膜を意味しており、非磁性特性はあってもなく
ても良い。しかし、一般には、アルミナのように、電気
絶縁特性を有しているとともに非磁性特性を有する材料
が使用されているので、絶縁層と、非磁性層とを同じ意
味に使用する場合もある。
【0029】また、実際の製造では、多数の複合型薄膜
磁気ヘッドをウエファ上にマトリックス状に配列して形
成した後、ウエファを複数のバーに切断し、各バーの端
面を研磨してエアベアリング面を形成し、最後にバーを
切断して個々の複合型薄膜磁気ヘッドを得るようにして
いるので、この段階では端面が現れないが、説明の便宜
上、この端面を示している。
【0030】次に、基体23の絶縁層22の上に、磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドに対するボトムシールド層2
4をパーマロイにより約3μm の膜厚に形成した様子を
図15に示す。このボトムシールド層24は、フォトレ
ジストをマスクとするメッキ法によって所定のパターン
にしたがって形成する。
【0031】次に、図15に示すように、ボトムシール
ド層24の上にアルミナより成るシールドギャップ層2
5に埋設されたGMR層26を形成する。このシールド
ギャップ層25の膜厚は0.2μm とすることができ
る。
【0032】さらに、図17に示すようにGMR層26
を埋設したシールドギャップ層25の上に、GMR層に
対するトップシールドを構成するとともに誘導型薄膜磁
気ヘッドのボトムポールを構成する第1の磁性層27を
パーマロイにより3〜4μmの膜厚に形成し、さらにア
ルミナ、酸化シリコン、窒化シリコンなどの無機絶縁層
28を1〜2μm の膜厚に形成する。本例では、この無
機絶縁層28の周縁に40〜70°の角度のテーパーを
付ける。
【0033】図18は、このように形成した無機絶縁層
28の形状を示す平面図である。本発明においては、こ
の無機絶縁層28のエアベアリング面側にコの字状の切
り込み28aを形成する。なお、図18には、無機絶縁
層28の下側にある第1の磁性層27も示してあるが、
上述した切り込み28aにはこの第1の磁性層が露出し
ている。また、無機絶縁層28のほぼ中央に形成されて
いる開口28bにおいても第1の磁性層27が露出して
いる。
【0034】次に、アルミナより成るライトギャップ層
29を、露出している第1の磁性層27の表面および無
機絶縁層28の表面に、0.1〜0.3μm の膜厚で所
定のパターンにしたがって形成した様子を図19の断面
図および図20の平面図に示す。続いて、上述した無機
絶縁層28の開口28bを埋めるライトギャップ層29
を選択的に除去した後、高い飽和磁束密度を有する磁性
材料を3〜4μm の膜厚に堆積して、記録トラックの巾
を規定するポールチップ30を形成するとともに無機絶
縁層28の開口28bにおいて第1の磁性層27と連結
された連結用磁性層31を形成した様子を図21の断面
図および図22の平面図に示す。この高い飽和磁束密度
を有する磁性材料としては、NiFe(50%, 50%)やFeN とす
ることができる。また、ポールチップ30はメッキ法で
所定のパターンに形成するか、スパッタ後、ドライエッ
チングで所定のパターンとすることができる。また、こ
のポールチップ30の巾によって記録トラックの巾が決
まるので、その巾は0.5〜1.2μm と狭くする。
【0035】次に、ポールチップ30をマスクとして、
例えばCF4, BCl3 などのフレオン系または塩素系のガス
を用いるリアクティブイオンエッチングを施して無機絶
縁層28の切り込み28a内に形成されているライトギ
ャップ層29を選択的に除去して下側の第1の磁性層2
7を切り込み28a内で露出させた後、ポールチップ3
0をマスクとしてイオンビームエッチングを施して、第
1の磁性層27の表面を約0.5μm の深さだけ除去し
てトリム構造を形成した様子を図23に示す。
【0036】本発明においては、切り込み28aを規定
する絶縁層28を無機絶縁材料で形成したため、トリム
構造を得るためのリアクティブイオンエッチングおよび
それに続くイオンビームエッチング処理によっても絶縁
層の端縁の位置が後退することはなく、したがってスロ
ートハイト零の基準位置が変動することはない。したが
って、本例のように、切り込み28aの深さを所望のス
ロートハイトと等しく設定しておけば、後にエアベアリ
ング面を研磨出しする際に、無機絶縁層28の切り込み
28aの先端が露出した時点で研磨を停止すれば、自動
的に所望のスロートハイトが得られることになり、サブ
ミクロンオーダーのスロートハイトを正確にかつ容易に
得ることができる。
【0037】図23には、無機絶縁層28の上にあるラ
イトギャップ層29の上に、第1層目の薄膜コイル32
を形成した様子も示している。さらに薄膜コイルの順次
のコイル巻回体間を絶縁分離するとともに磁束の漏れを
抑止するために、アルミナを3〜5μm の膜厚に堆積し
た後、化学機械研磨(CMP)によって表面を平坦化し
て絶縁層33を形成した様子を図24に示す。ここで、
薄膜コイル32は銅のシード層を利用した電気メッキに
よって形成することができる。
【0038】続いて、絶縁層33の平坦な表面の上に、
フォトレジストより成る絶縁層34を形成した後、その
上にフォトレジストより成る絶縁層35によって絶縁分
離した状態で支持された第2層目の薄膜コイル36を形
成した様子を図25に示す。さらに、図26に示すよう
にエアベアリング面側の先端がポールチップ30と連結
されるとともにエアベアリング面とは反対側の端部が連
結用磁性層31と連結されるようにヨーク部分37を3
〜4μm の膜厚に所定のパターンにしたがって形成し、
さらに全体の上にアルミナより成るオーバーコート層3
8を20〜30μm の膜厚に形成する。このように本例
においては、ポールチップ30とヨーク部分37で第2
の磁性層を構成している。
【0039】上述したようにウエファをバーに切断した
後、バーの側面を研磨してエアベアリング面を形成する
が、本例では、無機絶縁層28の切り込み28aの深さ
を製造すべき所望のスロートハイトと等しくしてあるの
で、この切り込みの先端が露出する時点で研磨を終了す
ることにより所望の設計値通りのスロートハイトを自動
的に得ることができる。
【0040】ただし、本発明はこのように無機絶縁層2
8の切り込み28aの深さをスロートハイトに等しくす
ることだけに限定されるものではなく、切り込み28a
の深さを所望のスロートハイトよりも深くし、切り込み
の内方縁を基準としてエアベアリング面を研磨出しする
こともできる。この場合にも、スロートハイト零の基準
位置となる切り込み28aの内方縁の位置は製造中変動
しないので、所望の設計値通りのスロートハイトを正確
に得ることができる。
【0041】図27〜29は本発明による薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法の第2の実施例の順次の製造工程を示す断
面図である。上述した実施例では、図24に示すよう
に、第1層目の薄膜コイル32を形成した後、アルミ
ナ、酸化シリコン、窒化シリコンなどの無機絶縁材料よ
り成る絶縁層33で薄膜コイルおよびポールチップ30
の周囲を覆ったが、本例では図27に示すように、薄膜
コイル32を形成した後、フォトレジストより成る絶縁
層41で覆うものである。この際、絶縁層41はポール
チップ30とは接触しないように形成する。すなわち、
ポールチップ30の内方側端面とフォトレジストより成
る絶縁層41の縁側端面との間に空間が形成されるよう
にする。
【0042】次に、図28に示すように、絶縁層41の
上にフォトレジストより成る絶縁層35によって覆われ
た第2層目の薄膜コイル36を形成する。続いて図29
に示すように、ヨーク部分37を、ポールチップ30お
よび連結用磁性層31と接触するように形成する。本例
では、このヨーク部分37は上述したポールチップ30
と絶縁層41との間の空間にも入り込むので、ポールチ
ップとはその上側表面のみでなく端面でも接触するよう
になり、接触面積を大きくすることができる。したがっ
て、ポールチップ30の長さを短くしてもポールチップ
とヨーク部分37との間で磁束の飽和が生じることはな
い。さらに、表面全体の上のアルミナより成るオーバー
コート層38を形成した後、上述したようにウエファを
切断し、エアベアリング面の研磨出しを行なう。本例に
おいても、無機絶縁層28の切り込みの内方縁をスロー
トハイト零の基準位置としているので、所望のスロート
ハイトを正確にしかも容易に得ることができる。
【0043】図30は、本発明による薄膜磁気ヘッドの
製造方法の第3の実施例でのオーバーコート層を設ける
前の状態を示す平面図である。上述した第1および第2
の実施例では、ポールチップ30とヨーク部分37によ
って第2の磁性層を構成したが、本例ではこれらを一体
とし、第2の磁性層51に磁極部分51aを設けたもの
である。本例においても、無機絶縁層28に設けたコの
字状の切り込み28aの深さを所望のスロートハイトに
等しくしているので、エアベアリング面の研磨出しを行
なう際に、この切り込みの先端が露出したところで研磨
を終了することにより、所望のスロートハイトを自動的
に得ることができる。
【0044】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例においては、基体上に読み取り用の
磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを設け、その上に書き込
み用の誘導型薄膜磁気ヘッドを積層した構成としたが、
これらの薄膜磁気ヘッドの積層順序を逆とすることもで
きる。また、上述した実施例では、磁気抵抗素子をGM
R素子としたが、AMR素子とすることもできる。さら
に、本発明はこのように読み取り用の薄膜磁気ヘッドを
磁気抵抗効果型のものとしたが、それ以外の読み取り用
薄膜磁気ヘッドを用いることもできる。また、読み取り
用の薄膜磁気ヘッドは必ずしも設ける必要はなく、誘導
型薄膜磁気ヘッドだけを設けることもできる。
【0045】上述した実施例においては、いずれも,無
機絶縁層のエアベアリング面側の端縁にコの字状の切り
込みを形成したが、この切り込みは正確にコの字状をし
ている必要はなく、例えば台形のようになっていても良
い。ただし、その巾は、トリム構造を形成する際のマス
クとして作用する磁極部分の巾よりも十分広いものとす
る必要があり、約10μm またはそれ以上とするのが良
い。
【0046】また、上述した実施例においては、無機絶
縁層28の切り込み28aを形成した側の端縁を直線状
としたが、図31に示すように、無機絶縁層52のエア
ベアリング面側の端縁を曲線とし、ここにコの字状の切
り込み52aを形成することもできる。この例のように
切り込み52aを形成した端縁を曲線とする場合にも、
切り込み52aの深さを所望のスロートハイト(例えば
0.6μm )に等しくすることにより、エアベアリング
面の研磨出しの際に切り込み52aの先端が露出すると
きに研磨を終了することにより、所望のスロートハイト
を自動的に得ることができる。勿論、このように無機絶
縁層52のエアベアリング面側の端面を曲面とする場合
でも、切り込み52aの深さを所望のスロートハイトよ
りも長い1μm とし、切り込みの内方縁を位置の基準と
してエアベアリング面の研磨出しを行なうこともでき
る。
【0047】
【発明の効果】上述した本発明による薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、第1の磁性層の上に形成した無機絶
縁層のエアベアリング面側の端縁にコの字状の切り込み
を形成し、この切り込み内に露出するライトギャップ層
をエッチングにより除去し、露出した第1の磁性層の表
面を部分的にエッチングにより除去してトリム構造を形
成するようにしたので、エッチングによって無機絶縁層
の端縁の位置が後退することがなく、スロートハイト零
の基準位置のプロセス中の変動をなくすことができるの
で、スロートハイトをこの位置を基準として正確に製造
することができ、サブミクロンオーダーのきわめて短い
スロートハイトを得ることができ、したがって薄膜磁気
ヘッドの磁気特性を改善することができるとともに製造
の歩留りを改善することができる。
【0048】さらに、トリム構造を形成するためのエッ
チング処理中、無機絶縁層の端縁の後退がないので、ト
ップポールを構成する磁性層の下側の絶縁層部分が破損
して剥離したり、位置がずれたりすることがないので、
薄膜磁気ヘッドの特性の劣化を抑止することができる。
また、このように絶縁層部分の剥離がないので、そこに
オイルや研磨液が溜まることがなく、歩留りが向上する
とともに耐久性も向上することになる。
【0049】さらに、無機絶縁層に形成した切り込みの
深さを所望のスロートハイトの長さに等しくする場合に
は、エアベアリング面の研磨出しを行なう際に、この切
り込みの先端が露出した時点で研磨を終了すれば、所望
の設計値通りのスロートハイトを自動的に得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の複合型薄膜磁気ヘッドを製造す
る方法の最初の工程を示す断面図である。
【図2】図2は、次の工程を示す断面図である。
【図3】図3は、次の工程を示す断面図である。
【図4】図4は、次の工程を示す断面図である。
【図5】図5は、次の工程を示す断面図である。
【図6】図6は、次の工程を示す断面図である。
【図7】図7は、次の工程を示す断面図である。
【図8】図8は、次の工程を示す断面図である。
【図9】図9は、次の工程を示す断面図である。
【図10】図10は、最終的に得られる複合型薄膜磁気
ヘッドを示す断面図である。
【図11】図11は、その磁極部分の断面図である。
【図12】図12Aおよび12Bは、トリム構造を形成
するエッチングの前後の状態を示す平面図である。
【図13】図13はエッチング後の詳細な状態を一部を
切り欠いて示す斜視図である。
【図14】図14Aおよび14Bは、本発明による複合
型薄膜磁気ヘッドの製造方法の第1の実施例における最
初の工程を示す断面図および正面図である。
【図15】図15Aおよび15Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図16】図16Aおよび16Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図17】図17Aおよび17Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図18】図18は、そのときの平面図である。
【図19】図19Aおよび19Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図20】図20は、そのときの平面図である。
【図21】図21Aおよび21Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図22】図22は、そのときの平面図である。
【図23】図23Aおよび23Bは、次の工程を示す断
面図である。
【図24】図24Aおよび24Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図25】図25Aおよび25Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図26】図26Aおよび26Bは、次の構成を示す断
面図および正面図である。
【図27】図27Aおよび27Bは、本発明による薄膜
磁気ヘッドの製造方法の第2の実施例の製造途中の状態
を示すす断面図および正面図である。
【図28】図28Aおよび28Bは、次の工程を示す断
面図および正面図である。
【図29】図29Aおよび29Bは、次の構成を示す断
面図および正面図である。
【図30】図30は、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法の第3の実施例の製造途中の状態を示す平面図で
ある。
【図31】図31は、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法の第4の実施例の製造途中の状態を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
21 基体本体、 22 絶縁層、 23 基体、 24 下
部シールド層、25 シールドギャップ層、 26 GM
R層、 27 第1の磁性層、 28無機絶縁層、 28a
コの字状の切り込み、 29 ライトギャップ層、30
ポールチップ、 32 薄膜コイル、 33 無機絶縁層、
34 絶縁層、 35 絶縁層、 36 薄膜コイル、 3
7 ヨーク部分、 38 オーバーコート層、 41 絶縁
層、 51 第2の磁性層、 51a 磁極部分、52 無
機絶縁層、 52a コの字状の切り込み

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも誘導型薄膜磁気ヘッドを基体
    により支持した薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、第1の磁性層を、基体によって支持されるように形
    成する工程と、この第1の磁性層の表面に、磁極部分に
    おいて、内方縁がスロートハイト零の基準位置となり、
    深さが所望のスロートハイトとなるほぼコの字状の切り
    込みを有し、無機絶縁材料より成る無機絶縁層を形成す
    る工程と、前記第1の磁性層の表面にライトギャップ層
    を形成する工程と、このライトギャップ層の、前記無機
    絶縁層の上に形成された部分の上に、絶縁分離された状
    態で支持された薄膜コイルを形成する工程と、ライトギ
    ャップ層の、磁極部分から、前記薄膜コイルの表面を覆
    い、前記エアベアリング面から離れた後方位置において
    前記第1の磁性層と磁気的に結合されるように第2の磁
    性層を形成する工程と、この第2の磁性層の磁極部分を
    マスクとしてエッチングを行って前記ライトギャップ層
    を除去する工程と、前記第2の磁性層の磁極部分および
    前記無機絶縁層をマスクとして、前記無機絶縁層の切り
    込み内に露出する前記第1の磁性層の表面をその膜厚の
    一部分に亘ってエッチングしてトリム構造を形成する工
    程と、全体の表面をオーバーコート層で覆う工程と、前
    記無機絶縁層の切り込みの先端縁が露出するようにエア
    ベアリング面を研磨出しする工程と、を具えることを特
    徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも誘導型薄膜磁気ヘッドを基体
    により支持した薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、第1の磁性層を、基体によって支持されるように形
    成する工程と、この第1の磁性層の表面に、磁極部分に
    おいて、内方縁がスロートハイト零の基準位置となり、
    深さが所望のスロートハイトよりも深いほぼコの字状の
    切り込みを有し、無機絶縁材料より成る無機絶縁層を形
    成する工程と、前記第1の磁性層の表面にライトギャッ
    プ層を形成する工程と、このライトギャップ層の、前記
    無機絶縁層の上に形成された部分の上に、絶縁分離され
    た状態で支持された薄膜コイルを形成する工程と、ライ
    トギャップ層の、磁極部分から、前記薄膜コイルの表面
    を覆い、前記エアベアリング面から離れた後方位置にお
    いて前記第1の磁性層と磁気的に結合されるように第2
    の磁性層を形成する工程と、この第2の磁性層の磁極部
    分をマスクとしてエッチングを行って前記ライトギャッ
    プ層を除去する工程と、前記第2の磁性層の磁極部分お
    よび前記無機絶縁層をマスクとして、前記無機絶縁層の
    切り込み内に露出する前記第1の磁性層の表面をその膜
    厚の一部分に亘ってエッチングしてトリム構造を形成す
    る工程と、全体の表面をオーバーコート層で覆う工程
    と、前記無機絶縁層の切り込みの内方縁をスロートハイ
    ト零の基準位置として所望のスロートハイトが得られる
    ようにエアベアリング面を研磨出しする工程と、を具え
    ることを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の磁性層の磁極部分をマスクと
    してエッチングを行って前記ライトギャップ層を除去す
    る工程を、リアクティブイオンエッチングにより行なう
    ことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の薄
    膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リアクティブイオンエッチングを、
    フレオン系または塩素系のガスを用いて行なうことを特
    徴とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の磁性層の磁極部分および前記
    無機絶縁層をマスクとして、前記無機絶縁層の切り込み
    内に露出する前記第1の磁性層の表面をその膜厚の一部
    分に亘ってエッチングしてトリム構造を形成する工程
    を、イオンビームエッチングで行なうことを特徴とする
    請求項1〜4の何れかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記無機絶縁層の切り込みの内方縁にテ
    ーパーを付けることを特徴とする請求項1〜5の何れか
    に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基体の上にシールドギャップ層によ
    って埋設された磁気抵抗素子を形成した後、このシール
    ドギャップ層の上に前記第1の磁性層を形成して複合型
    薄膜磁気ヘッドを形成することを特徴とする請求項1〜
    6の何れかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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