JP3370581B2 - 高速熱分析装置 - Google Patents

高速熱分析装置

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JP3370581B2 JP32872797A JP32872797A JP3370581B2 JP 3370581 B2 JP3370581 B2 JP 3370581B2 JP 32872797 A JP32872797 A JP 32872797A JP 32872797 A JP32872797 A JP 32872797A JP 3370581 B2 JP3370581 B2 JP 3370581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の物理的又は
化学的な性質の変化を示す信号を、試料の温度又は時間
の関数として測定する熱分析装置に関する。より詳しく
は、試料の加熱速度の異なる熱分析データの間で相互交
換が可能になると同時に、試料の熱分析に要する所要時
間を大幅に短縮する新たな熱分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱分析は、材料(試料)の物性が温度の
変化につれてどのように変化するかを調査する際の有力
な手段である。代表的な熱分析装置としては、示差走査
熱量計(DSC)、示差熱量計(DTA),熱重量測定
装置(TG)、熱機械的分析装置(TMA)などがあ
る。それぞれ、試料のエンタルピー収支、示差温度(定
性的エンタルピー収支)、重量、長さの諸量の温度依存
性(試料の物理的又は化学的な性質の変化)を測定する
ものである。
【0003】熱分析では、試料を一定の速度で加熱しな
がら、試料の物性と温度の変化を連続測定する。このと
き、温度信号と物性信号の関係から試料物性の温度依存
性を知ることができる。この種の分析を行う熱分析装置
は、様々なタイプのものが市販され、研究及び品質管理
等の目的で、工業的に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の熱分析に
おいては、毎分5〜20度(degree℃)の加熱速度で試
料を加熱するのが一般的であり、たとえば、1000度
程度の温度幅を温度走査すると、1〜3時間を要すると
いう時間効率の悪さを欠点として抱えていた。通常の熱
分析装置であれば毎分50〜100度の加熱速度による
測定動作は可能であり、その方が測定時間が短くて済
む。にもかかわらず、毎分5〜20度という比較的低い
加熱速度が多用される最大の理由は、温度走査の過程で
複数の反応を生じる試料を高速加熱すると、それぞれの
反応が重なり易く、この結果生じるデータ解析の煩雑化
を避けたいためである。
【0005】熱分析は、試料物性の温度依存を調べるこ
とを目的としているが、測定される物性信号を詳しく見
ると、現実には、物性信号は温度のみならず時間にも依
存した信号として測定されることが知られている。この
原因は、主として、1)試料の物性変化を検知する検出
器が固有の時定数を持つこと。2)温度の関数となるの
は、試料に生じる反応の総量ではなく、反応速度(時間
当たりの反応割合)であること。の2つの要因による。
【0006】したがって、熱分析で試料の加熱速度を変
えて測定したデータを単純に温度の関数としての物性値
と考えて比較すると、物性の時間依存効果を反映して同
じ試料に対しても異なる分解反応温度を表す測定結果が
得られてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の抱える課
題を速やかに解決するため、本発明では、試料を実験用
加熱速度で加熱して温度に対する試料物性の変化を表す
熱分析信号を出力する手段と、前記熱分析信号における
変化を重ね合わされた複数の基本要素に分離する分離器
と、前記分離器で分離された複数の基本要素のそれぞれ
に対応した複数の活性化エネルギーを算出する活性化エ
ネルギー算出器と、前記実験用加熱速度と前記活性化エ
ネルギー算出器で得られた活性化エネルギーのに基づ
き所望の加熱速度で測定した場合に得られるはずの熱分
析信号を推定し出力する加熱速度変換器とを備えてい
る。
【0008】上記構成により、実験用加熱速度で試料を
加熱し実測による熱分析信号を得た後、得られた熱分析
信号に基づき所望の加熱速度で得られるはずの熱分析信
号を推定し出力することで、所望の加熱速度条件での熱
分析結果を得る。この結果、測定時間が短緒され、加熱
速度の異なるデータ間での反応温度の比較が可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態実施例に基づ
いて説明する。 [実施例]以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はTGの概略ブロック図である。試料および
参照試料を加熱する加熱炉1は円筒状をなし、毎分10
0度以下の速度で1500度まで加熱できる。.加熱炉
1には、一対のビームである試料側ビーム2と参照側ビ
ーム3が水平に挿入されている。試料側ビーム2の先端
には試料ホルダ4が固定され、参照側ビーム3の先端に
は参照ホルダ5が固定されている。試料ホルダ4には、
TGにて熱分析する試料(図示せず)が載置され、参照
ホルダ5には、化学的および熱的に安定な参照物質(図
示せず)が載置される。各ビーム2、3の中央部にはそ
れぞれコイル6、6が固定されている。コイル6、6は
それぞれマグネット7、7が作る磁場中に配置されてい
る。また、各ビーム2、3は、コイル6、6のリード線
(図示せず)にて垂直方向に支持されるとともに全体と
して回転可能である。
【0010】さらに、各ビーム2、3の他端にはそれぞ
れスリット8、8が取り付けられている。それぞれのス
リット8、8に光が通過するようにランプ9、9が設け
られている。それぞれのスリット8、8を通った光を受
光するような位置にフォトダイオード10、10が固定
されている。フォトダイオード10、10の信号はそれ
ぞれPID制御器11、11に入力され、その出力は、
おのおの電流検出器12、12に出力され、前述の各ビ
ーム2、3を水平に保つためにコイル6、6にフイード
バックすべき電流量の検出と供給が行われる。コイル
6、6に送られた電流は、マグネット7、7とコイル
6、6との作用により、各ビーム2、3の変位を抑える
(無くす)ような方向に回転トルクを各ビーム2、3に
与える。
【0011】前述のコイル6、6、マグネット7、7、
スリット8、8、ランプ9、9、フォトダイオード1
0、10、PID制御器11、11および電流検出器1
2、12からなるフイードバック回路系は、TGの動作
中、絶えず動作を続けるため、試料ホルダ4に載せられ
た試料が分解し、その重量を変化させた場合においてさ
えも、各ビーム2、3は視覚的には、あたかも静止して
いるように見える。
【0012】それぞれの電流検出器12、12の信号は
一つの差動増幅器13にも出力される。差動増幅器13
では、試料側ビーム2を静止させるために要する電流値
と参照側ビーム3を静止させるために要する電流値との
差分をとり、これを増幅する。すなわち、差動増幅器1
3の出力は、試料側ビーム2と参側ビーム3の復元に
要する回転トルクの差を表している。
【0013】ここで、参照ホルダ5に熱的に安定な参照
物質を載せ、試料ホルダ4に測定対象となる試料を載せ
る。この状態で、熱分析を行えば、差動増幅器13の出
力は、適切な規格化の下で(適切に係数を乗算すれ
ば)、試料の重量変化を表すこととなり、熱重量測定
(TG)信号、すなわち、試料の物性値の変化そのもの
を表す。また、差動増幅器13の出力信号(TG信号)
は、微分回路14に送られ時間について微分された後、
符号反転し、微分TG(DTG)信号として出力され
る。(TG信号は、主として、分解に伴う重量減少を扱
う場合が多いので、DTG信号を見やすく正値化するた
め、便宜上、符号反転を入れている。)試料ホルダ4の
底面には試料の温度を測定するための熱電対(図示せ
ず)が固定され、熱電対からの信号線は試料側ビーム2
の回転トルクに影響を与えないよう、バネ上に形成され
た50ミクロン径の細線22にて各ビーム2、3の中央
部付近から温度測定回路15に結線される。図では、細
線22を線状にして示している。この結果、温度測定回
路15から試料温度信号が出力される。一方、加熱炉1
の温度は、時間に対してランプ関数状の温度信号をプロ
グラムできるとともにプログラムされた温度信号を発生
する関数発生器16からの出力に基づき、温度制御回路
17の動作により精密に制御される。この結果、試料の
温度は、関数発生器16にプログラムされた加熱速度に
従って制御される。
【0014】関数発生器16は、前述の温度プログラム
関数を発生すると同時にプロセッサ18に接続され、測
定開始後の経過時間を時間信号としてプロセッサ18に
送る。プロセッサ18には、関数発生器16からの時間
信号の他、差動増幅器13からのTG信号、微分回路1
4からのDTG信号、温度測定回路15からの温度信号
が送られ、これら一連の信号は熱分析データとして管理
される。
【0015】プロセッサ18に接続された波形分離器1
9には、プロセッサ18から熱分析データが送られる。
波形分離器19では、熱分析データの中から時間順序に
従いDTG信号のピークが検出されるとともに、重なり
合った複数のピークを持つデータについては、単一ピー
クの重ね合わせとして表現されるように適切にピークが
分離される。
【0016】波形分離器19に接続された活性化エネル
ギー算出器20には、熱分析データと波形分離器19
得られた分離済みのDTGピーク信号の温度範囲情報と
が送られる。活性化エネルギー算出器20では、分離さ
れたDTGピーク信号の重複しない温度範囲について、
その温度範囲における熱分析データを基におのおののD
TGピークに対応する活性化エネルギーを算出する。活
性化エネルギーの算出には、フリーマン・キヤロル法と
して広く知られている方法を用いている。
【0017】活性化エネルギー算出器20に接続された
加熱速度変換出力器21には、一連の熱分析データの
他、分離済みのDTGピーク信号とその温度範囲、各D
TGピークに対応する活性化エネルギー値の情報が送ら
れる。加熱速度変換出力器21では、試料に生じる反応の
温度と時間に対する関係を表すアーレニウス則に従っ
て、各DTGピークごとに活性化エネルギーの値に基づ
いて加熱速度を変えて測定した場合に生じるはずのDT
Gピークの個々の点における温度ずれを算出し、このず
れ分だけ温度をずらした個々のDTGピーク信号を再び
重ね合わせ、さらにこれを符号反転し時間について積分
することによりTG信号を算出する。こうして、加熱速度
変換出力器21では得られるはずの熱分析信号を推定し
出力する。
【0018】次に、本装置を用いて行われる実際の測定
の例を説明する。参照ホルダ5に熱的に安定な参照物
質、たとえば、白金製容器に入れられた適量のアルミナ
粉末を容器ごと載せ、試料ホルダ4には、白金製容器に
入れられたTG測定対象となる試料を容器ごと載せる。関
数発生器16に測定に用いる温度プログラムを入力す
る。温度プログラムは、開始温度と終了温度と両温度区
間での加熱速度とを設定するものであり、試料の性質や
測定目的に応じて適切な温度プログラムを用いる。典型
的な温度プログラムの例としては、室温から1200度
まで分速10度で加熱するプログラムがあり、このプロ
グラムによる測定を実行すれば測定に約2時間を要す
る。加熱速度を大きくすれば測定時間を短縮することが
できるが、加熱速度を変えることにより反応温度が変化
すること、複数の反応の分離が悪くなり反応が見づらく
なる。これらの理由から、実際の熱分析で用いられる加
熱速度は、概ね、分速5度から20度の範囲である。
【0019】しかし、本実施例では、波形分離器19と
活性化エネルギー算出器20と加熱速度変換出力器21
の働きにより、加熱速度を大きくして測定することによ
る不具合を解消できるので、分速50度の温度プログラ
ムで測定を行う。測定中の、経過時間、試料温度、試料
重量(TG)、時間微分TG(以下DTGと言う)の各
信号は、組となった熱分析データとして、測定の間じゆ
う、所定のサンプリング間隔で、(図示しない)アナロ
グ・デジタル変換器を介しプロセッサ18に取り込ま
れ、蓄えられる。
【0020】プロセッサ18に取り込まれた熱分析デー
タは測定終了後、波形分離器19に送られ、波形分離器
19では、まず、DTG信号に含まれるピークの個数と
重なり具合が調べられる。ピークの個数と重なり具合
は、具体的には次の手順で調べられる。 1) 適切な平滑化処理を施しながら、DTG信号の時
間に対する2次微分を計算する。 2) 1)で求めた2次微分信号をさらに時間について
微分し、3次微分信号を得る。 3) 3次微分信号がゼロであると同時に2次微分信号
が負の極小値をとる点をピーク位置とし、その個数を求
める。 4) ピーク位置が複数個存在する場合、隣り合うピー
クの間にすべてDTG信号がゼロとなる箇所が存在する
場合を「ピークの重なり無し」とし、そうでない場合を
「ピークの重なり有り」とする。 5) ピークの重なりが有る場合には、波形分離器19
において、シンプレツクス法やガウス・ニュートン法な
ど、公知の重畳波形の分離手法に基づき、個別ピークに
分離する。 6) 隣り合うピークに重なりがある場合、両方のピー
ク位置の間に存在するDTGの2次微分信号の極大値を
「ピーク境界」とし、隣り合うピークに重なりがない場
合は隣り合うピークの間でDTG信号がゼロとなる点の
一つを「ピーク境界」とする。
【0021】活性化エネルギー算出器20では、上記の
手順で分離されたおのおのピークのピーク位置で、フリ
ーマン・キャロルの方法に基づいて各DTG信号ピーク
に対応して活性化エネルギーが算出される。この過程で
は、活性化エネルギーはピークの個数だけ得られる。な
お、活性化エネルギーは熱分析データのすべての時間範
囲で値を持ち、ピーク境界を境に値を変える階段状関数
の形をとるものとする。
【0022】加熱速度変換出力器21では、個別のDT
G信号のピークのおのおのについて、活性化エネルギー
の値に基づき、加熱速度を実測定で用いた毎分50度か
ら、毎分10度に変換した場合に得られるはずの熱分析
データを算出する。この計算は次のように行われる。単
一反応の場合の反応速度は次式のアーレニクス則で表さ
れる。
【0023】 dx/dt=−A・exp(−ΔE/RT)g(x) (1) ここに、xは反応により生成または減少する化学構造の
量である。また、tは時間、Aは頻度因子(定数)、△E
は活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度、gは
xの関数である。一方、一定の加熱速度Bで測定する熱
分析では、時間tと温度Tの間に、aを定数として次の関
係が成り立つ。
【0024】 T(t)=a+B・t (2) 従って、 dt=dT/B (3) (1)式に(3)式を代入して、xとTに変数分離する
と、 dx/g(x)=(A/B)・ exp(−ΔE/RT)・dT (4) となり、両辺の自然対数をとり整理すると、次式が得ら
れる。
【0025】 lnB1=−(ΔE/R)(1/T)+lnA−ln{dx/g(x)} (5) (5)式は、加熱速度を毎分B度としたとき、反応割合
がxに達する温度がT度であると解釈できる。今、反応
割合がある一定のx0の点を考え、加熱速度がB1のと
き、反応割合がx0となる温度がT1であり、加熱速度が
2のとき反応割合がx0となる温度がT2である場合を
考える。ここで、右辺第2項は定数であり、反応割合が
ある一定のx0の点を考慮すると、右辺第3項も定数と
なる。右辺第2項と第3項の和をC(定数)と表すこと
にすると、上の関係は、次の連立方程式で表される。
【0026】 lnB1=-(ΔE/RT1)+C (6) lnB2=-(ΔE/RT2)+C (7) (6)、(7)式からCを消去し、T2について解いて次式
を得る。 T2=1/{(1/T1)+(R/ΔE)・ln(B1/B2)} (8) (8)式は、加熱速度B1で測定された熱分析データを
加熱速度B2のデータに変換するには、分離後のDTG
信号の各ピーク波形における温度T1の点を、温度T2に
移せばよいことを示している。こうして得られたおのお
ののDTGピーク波形をすべて加算することにより、加
熱速度B2で測定した場合に得られるはずのDTG信号
の全体が推定される。なお、DTG信号の符号を反転
し、時間について積分することで、最終的にTG信号が得
られる。
【0027】なお、実施例では、TG装置について述べ
たが、その他の従来技術の項で開示した熱分析装置に本
発明を適用できることは、明らかである。以上、本発明
を要約すると、試料を実験用加熱速度で加熱して温度に
対する試料物性の変化を表す熱分析信号を出力する手段
と、前記熱分析信号から活性化エネルギーを算出する活
性化エネルギー算出器と、前記実験用加熱速度と前記活
性化エネルギー算出器で得られた活性化エネルギーの値
に基づき所望の加熱速度で測定した場合に得られるはず
の熱分析信号を推定し出力する加熱速度変換器とを備
え、実験用加熱速度で得られた熱分析信号に基づき別の
加熱速度で得られるはずの熱分析信号を得ることを特徴
とする高速熱分析装置である。また、試料を実験用加熱
速度で加熱して温度に対する試料物性の変化を表す熱分
析信号を出力する手段と、前記熱分析信号における変化
を重ね合わされた複数の基本要素に分離する分離器と、
前記分離器で分離された複数の基本要素のそれぞれに対
応した複数の活性化エネルギーを算出する活性化エネル
ギー算出器と、前記実験用加熱速度と前記活性化エネル
ギー算出器で得られた活性化エネルギーの値に基づき所
望の加熱速度で測定した場合に得られるはずの熱分析信
号を推定し出力する加熱速度変換器とを備え、実験用加
熱速度で選られた熱分析信号に基づき別の加熱速度で得
られるはずの熱分析信号を得ることを特徴とする高速熱
分析装置である。
【0028】
【発明の効果】以上のように構成したから、本発明によ
る装置を用いて、実験用加熱速度を、たとえば、毎分5
0度に選んで測定を行った後、毎分10度の加熱速度条
件下でのデータに変換すれば、5分の1の時間で測定を
完了することができ、大幅な測定時間の短縮を通じ測定
効率を高めることができる。また、本発明によれば、測
定データに含まれる時間依存の効果を反応速度式を基に
測定温度のずれに換算して補正を行っているため、高速
昇温特有の反応分離能力の低下が生じないという効果が
得られる。さらに、本発明によれば、測定の際の加熱速
度条件が異なるデータを同一加熱速度条件に換算して試
料間のデータ比較ができるため、加熱速度条件の違いに
かかわらず試料間の反応温度の比較が正確に行えるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるTG測定装置のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 試料側ビーム 3 参照側ビーム 4 試料ホルダ 5 参照ホルダ 6 コイル 7 マグネット 8 スリット 9 ランプ 10 フォトダイオード 11 PID制御回路 12 電流検出器 13 差動増幅器 14 微分回路 15 温度測定回路 16 関数発生器 17 温度制御回路 18 プロセッサ 19 波形分離器 20 活性化エネルギー算出器 21 加熱速度変換出力器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を実験用加熱速度で加熱して温度に
    対する試料物性の変化を表す熱分析信号を出力する手段
    と、前記熱分析信号から活性化エネルギーを算出する活
    性化エネルギー算出器と、前記実験用加熱速度と前記活
    性化エネルギー算出器で得られた活性化エネルギーの値
    に基づき所望の加熱速度で測定した場合に得られるはず
    の熱分析信号を推定し出力する加熱速度変換器とを備
    え、実験用加熱速度で得られた熱分析信号に基づき別の
    加熱速度で得られるはずの熱分析信号を得ることを特徴
    とする高速熱分析装置。
  2. 【請求項2】 試料を実験用加熱速度で加熱して温度に
    対する試料物性の変化を表す熱分析信号を出力する手段
    と、前記熱分析信号における変化を重ね合わされた複数
    の基本要素に分離する分離器と、前記分離器で分離され
    た複数の基本要素のそれぞれに対応した複数の活性化エ
    ネルギーを算出する活性化エネルギー算出器と、前記実
    験用加熱速度と前記活性化エネルギー算出器で得られた
    活性化エネルギーの値に基づき所望の加熱速度で測定し
    た場合に得られるはずの熱分析信号を推定し出力する加
    熱速度変換器とを備え、実験用加熱速度で選られた熱分
    析信号に基づき別の加熱速度で得られるはずの熱分析信
    号を得ることを特徴とする高速熱分析装置。
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