JP3369238B2 - 通気シート用フィラー含有樹脂組成物 - Google Patents

通気シート用フィラー含有樹脂組成物

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JP3369238B2
JP3369238B2 JP04809493A JP4809493A JP3369238B2 JP 3369238 B2 JP3369238 B2 JP 3369238B2 JP 04809493 A JP04809493 A JP 04809493A JP 4809493 A JP4809493 A JP 4809493A JP 3369238 B2 JP3369238 B2 JP 3369238B2
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性、印刷性、強
度、通気性が良好で、しかも、加工時の発煙やロール汚
れがない薄肉通気成形体に好適なフィラー含有樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂と無機フィラーとの組
成物からなるフィルム等を一軸又は二軸方向に延伸し
て、連通(貫通)したボイドを持った通気性フィルムは
既に知られているが、薄肉かつ低延伸倍率で製造する場
合、局部的なネッキングにより、厚みが不均一となって
ムラが発生し易く、著しく商品価値を損なうことが知ら
れている。このため、例えば、特開昭62−18435
号公報等で公知の第三添加物を添加する組成物が提案さ
れている。しかし、これら樹脂組成物は、上記の欠点を
補うには有効であるが、成形時の延伸性が劣り、また、
強度が不足しているため薄肉化することが困難であっ
た。ところで、これらの組成物を用いた通気性フィルム
の用途は、紙おむつに代表される衛生材料用途の他に、
2×4(ツーバイフォー)等の木材建築の耐水保護のた
め、屋根瓦の下や外壁の下を覆う雨避け養生シート、果
樹等の根元に樹木の保温、保護のために敷く保護シート
等の屋外使用の通気シートがある。現在市場にあるこれ
らのフィルムは、通気性が今一つであったり、強度が不
足しているため、裂け、破れ等が起こり易かったり、薄
肉化することができなかったり、耐候性が不十分である
ため、夏場に使用している際に1〜2か月で劣化してボ
ロボロとなってしまったり、これを補うために従来の耐
候性付与剤(紫外線防止剤、光安定剤等)を添加すると
成形時に発煙したり、チルロールが汚れたり、製品とな
った後でも印刷性が不良でインキが剥げ易かったり、埃
等の汚れが付着し易くなったりする等の問題点が多く、
衛生材料以外の屋外使用の通気性フィルムとしては実用
に供さない状況であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐候性、印
刷性、強度、通気性が良好で、しかも、加工時の発煙や
ロール汚れが無い、薄肉通気成形体に好適なフィラー含
有樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】[発明の概要] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、特定の性状を有するエチレン・α−オレフィ
ン共重合体に、特定の性状のエチレンと環状アミノビニ
ル化合物との共重合体と、特定の無機フィラーを添加す
ることにより、上記本発明の目的が達成され得ることが
できるとの知見を得て本発明を完成するに至ったもので
ある。すなわち、本発明の通気シート用フィラー含有樹
脂組成物は、下記の成分A、成分B及び成分Cからなる
フィラー含有樹脂組成物であり、該組成物中に、成分C
が20〜80重量%の割合で含有されており、かつ、成
分B中の環状アミノビニル化合物単位が0.05〜5重
量%の割合で含有されるように成分A及び成分Bを配合
させてなるものであることを特徴とするものである。
分A:下記に示す(a) 〜(c) の性状を有するエチレンと
炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体 (a) MFRが0.01〜20g/10分 (b) 密度(D)が0.935g/cm3 以下 (c) 沸騰n−ヘキサン抽出量が20重量%以下成分B :エチレンと、下記一般式(I)に示す環状アミ
ノビニル化合物との共重合体(ただし、エチレンと環状
アミノビニル化合物との和に対する環状アミノビニル化
合物の割合が1モル%未満のものである) 一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチ
ル基を、R3 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
をそれぞれ表わす。)成分C :平均粒径が10μm以下で、嵩密度が0.1〜
0.7g/cm3 の粒状無機フィラー
【0007】[発明の具体的説明] [I] 構成成分 (1) エチレン・炭素数4以上のα−オレフィン共重合
体(成分A) (a) 性 状 本発明のフィラー含有樹脂組成物を構成する成分Aのエ
チレン・炭素数4以上のα−オレフィン共重合体は、以
下の〜の物性を示すものであることが重要である。 MFR 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4以上のα−オ
レフィン共重合体は、JIS−K7210によるMFR
(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)が
0.01〜20g/10分、好ましくは0.1〜10g
/10分、特に好ましくは0.5〜5g/10分の物性
を示すものである。該MFRが上記範囲より大であると
成形が不安定となる。また、該MFRが上記範囲より小
さすぎると成形時の樹脂圧力が大きくなりすぎて、製品
の生産量の低下を起こすので実用的でない。
【0008】 密 度 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4以上のα−オ
レフィン共重合体は、JIS−K7112による密度が
0.935g/cm3 以下、好ましくは0.86〜0.
930g/cm3 、特に好ましくは0.88〜0.92
5g/cm3 を示すものである。該密度が上記範囲より
高すぎると、延伸フィルムの引張強度が不足するように
なる。また、密度が上記範囲より低すぎると、フイルム
表面のベタつきによりブロッキングが生じて実用性に供
し得なくなる。従って、下限は0.86g/cm3 程度
である。
【0009】 沸騰n−ヘキサン抽出量 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4以上のα−オ
レフィン共重合体は、沸騰n−ヘキサン抽出量が20重
量%以下、好ましくは15重量%以下、特に好ましくは
10重量%以下である。沸騰n−ヘキサン抽出量が上記
範囲を超えると延伸フィルムの通気性が低下するので好
ましくない。本発明にて用いられるエチレン・炭素数4
以上のα−オレフィン共重合体は、上記〜の必須の
物性を示すものである他に、以下の及びの性状を有
しているものであることが好ましい。
【0010】 温度上昇溶離分別によって得られる溶
出曲線のピーク 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4以上のα−オ
レフィン共重合体の温度上昇溶離分別(TREF:Temp
erature Rising Elution Fractionation)によって得ら
れる溶出曲線のピークが1つ以上、透湿性及び引張強度
の点から好ましくは1つである。また、その主ピーク温
度が100℃以下、好ましくは85℃以下、特に好まし
くは75℃以下である。該溶出曲線のピーク温度が上記
温度を超える場合は、引張強度が低下してくる。更に、
このピークの高さをHとし、該ピークの高さの1/2の
幅をWとしたときのH/Wの値が1以上、好ましくは1
〜20、特に好ましくは1〜15、最も好ましくは1〜
10の物性を示すものである。
【0011】 温度上昇溶離分別(TREF)による
50℃における溶出量 本発明にて用いられるエチレン・炭素数4以上のα−オ
レフィン共重合体の温度上昇溶離分別(TREF)によ
る50℃における溶出量(Y:成分A全量に対する重量
%)は以下の条件を満たすものである。 1) 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 未満であ
るとき、Y≦−4500D+4105≦100、好まし
くはY≦−4650D+4238≦100である。 2) 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 以上であ
るとき、Y≦10、好ましくはY≦7である。
【0012】温度上昇溶離分別による溶出曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution F
ractionation:TREF)による溶出曲線の測定は、以
下のように実施される。高温でポリマーを完全に溶解さ
せた後に冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生
成させる。次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶
出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、そ
の溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲
線)のピークで、ポリマーの組成分布を測定するもので
ある。
【0013】(b) エチレン・炭素数4以上のα−オレフ
ィン共重合体の製造 このようなエチレン・炭素数4以上のα−オレフィン共
重合体の製造方法としては、圧力5〜2,500kg/
cm2 、温度50〜300℃の条件下で、チーグラー
型、バナジウム型及びカミンスキー型等の触媒を用い、
エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとを共重する
方法である。
【0014】α−オレフィン ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜18のα−
オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペ
ンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチ
ルペンテン−1等が挙げられる。これらα−オレフィン
の中で好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは6〜
10の1種又は2種以上のα−オレフィン2〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%と、エチレン40〜98
重量%、好ましくは50〜95重量%とを共重合させる
のが好ましい。
【0015】共重合 このエチレン・炭素数4以上のα−オレフィン共重合体
の重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高
圧イオン重合法等を挙げることができる。これらの中で
は溶液法、高圧イオン重合法が好ましく、特に高圧イオ
ン重合法で製造することが好ましい。なお、この高圧イ
オン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭5
8−225106号の各公報に記載されている、圧力が
100kg/cm2 以上、好ましくは300〜2,00
0kg/cm2 、温度が125℃以上、好ましくは13
0〜250℃、特に150〜200℃の反応条件下に行
なわれるエチレン系重合体の連続的製造法である。
【0016】触 媒 このエチレン・炭素数4以上のα−オレフィン共重合体
の重合に用いられる触媒としては、チーグラー型、バナ
ジウム型及びカミンスキー型等の触媒を挙げることがで
きるが、透湿性及び引張強度の点から好ましい触媒とし
て、特開昭58−19309号、同59−95292
号、同60−35005号、同60−35006号、同
60−35007号、同60−35008号、同60−
35009号、同61−130341号、特開平3−1
63088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第4,
204,436号明細書及び国際公表公報WO91/0
4257号明細書等に記載されている方法、すなわち、
メタロセン触媒、特にはメタロセン/アルモキサン触
媒、又は、例えば、国際公開公報WO92/01723
号明細書等に開示されているようなメタロセン化合物と
以下に述べるメタロセン化合物と反応して安定なアニオ
ンとなる化合物からなる触媒を挙げることができる。
【0017】上述のメタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物或いは親電子性化合
物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオンと
なって重合活性種を形成するものである。このうちイオ
ン性化合物は下記一般式(II)で表されるものであ
る。一般式(II) [Q]m[Y]m (mは1以上の整数)
【0018】上記式中の、Qはイオン性化合物のカチオ
ン成分であり、カルボニウムイオン、トロピリウムカチ
オン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、
スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げ
られる。更にそれ自身が還元され易い金属の陽イオンや
有機金属の陽イオン等も挙げられる。これらのカチオン
は特表平1−501950号公報等に開示されているよ
うなプロトンを与えることができるカチオンだけでなく
プロトンを与えないカチオンでも良い。これらのカチオ
ンの具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフ
ェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、イン
デニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアン
モニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチル
アニリウムジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシル
アンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチル
ホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウ
ム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニ
ルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチ
ルオキソニウムピリリウム、また銀イオン、金イオン、
白金イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセ
ニウムイオン等が挙げられる。
【0019】また、Yはイオン性化合物のアニオン成分
であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンと
なる成分であって、有機硼素化合物アニオン、有機アル
ミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機燐化合物アニオン、有機砒素化合物アニオン、
有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられる。具体的
には、テトラフェニル硼素、テトラキス(3,4,5−
トリフルオロフェニル)硼素、テトラキス(3,5−ジ
(t−ブチル)フェニル)硼素、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼素、テトラフェニルアルミニウム、
テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アル
ミニウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ
(t−ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テトラフェ
ニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,
5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、テトラフェニル
燐、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)燐、テトラ
フェニル砒素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
砒素、テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アンチモン、デカボレート、ウンデ
カボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボ
レート等が挙げられる。また親電子性化合物としては、
ルイス酸化合物として知られるもののうち、メタロセン
化合物と反応して安定なアニオンとなって重合活性種を
形成するものであり、種々のハロゲン化金属化合物や、
固体酸として知られている金属酸化物等が挙げられる。
具体的にはハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化
合物等が例示される。
【0020】(2) エチレン・環状アミノビニル化合物
共重合体(成分B) 本発明のフィラー含有樹脂組成物を構成する成分Bのエ
チレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、エチレン
と下記一般式(I)で表される環状アミノビニル化合物
との共重合体であることが重要である。一般式(I)
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチ
ル基を、R3 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
をそれぞれ表わす。)上記一般式(I)のビニル化合物
の代表例を挙げれば下記の通りである。 1) 4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン 2) 4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペ
ンタメチルピペリジン 3) 4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 4) 4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 5) 4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 6) 4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン 7) 4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジン 8) 4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 9) 4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 10) 4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン 11) 4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン
【0023】共重合割合 本発明におけるエチレンと環状アミノビニル化合物との
共重合体の共重合割合は、エチレンと環状アミノビニル
化合物との和に対する環状アミノビニル化合物の割合が
1モル%未満、好ましくは0.1〜0.7モル%であ
る。MFR 本発明におけるエチレンと環状アミノビニル化合物との
共重合体のMFRは、0.1〜200g/10分、好ま
しくは0.5〜100g/10分、特に好ましくは0.
7〜50g/10分である。製造方法 本発明におけるエチレンと環状アミノビニル化合物との
共重合体の製造方法は、特開平4−80215号公報等
に記載されている高圧ラジカル重合法で製造される。具
体的には、エチレンと前記一般式(I)に示される環状
アミノビニル化合物とを1,000〜5,000kg/
cm2 の圧力、100〜400℃の温度でラジカル重合
させる。
【0024】(3) 粒状無機フィラー(成分C) 本発明のフィラー含有樹脂組成物を構成する成分Cの粒
状無機フィラーは、以下の (a)〜(b) の物性を示すもの
を用いることが重要である。 (a) 平均粒径 本発明にて用いられる成分Bの粒状無機フィラーの平均
粒径は10μm以下、好ましくは0.1〜5μm以下、
特に好ましくは0.5〜2μm以下のものである。上記
粒状無機フィラーの平均粒径が大きすぎると延伸フィル
ムの外観を阻害し、また厚さが100μm以下の薄い延
伸フィルムを製造する場合において、穴あき、延伸ムラ
等が発生するので、安定した延伸性が損なわれてしま
う。
【0025】(b) 嵩密度 本発明にて用いられる成分Bの粒状無機フィラーの嵩密
度は0.1〜0.7g/cm3 、好ましくは0.2〜
0.6g/cm3 、特に好ましくは0.3〜0.5g/
cm3 の物性を示すものである。上記粒状無機フィラー
の嵩密度が小さすぎると延伸フィルムの通気性が低下
し、また大きすぎるとフィルムの強度が低下して実用性
に問題がある。
【0026】(c) 含水量 本発明にて用いられる成分Cの粒状無機フィラーは、含
水量が3,000ppm以下、好ましくは1,000p
pm以下であることが望ましい。粒状無機フィラー中の
含水量が上記範囲を上回るものを用いると、成形時に発
泡現象が起こり易く、安定したフィルム成形が困難とな
り、色相不良やフィルムなどの外観不良が発生したり、
フィラーが二次凝集し易くなり、これによって外観不
良、延伸不良が起こり易くなる傾向がある。このような
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、ゼオライト、非晶性アルミノシリケート、クレー、
合成シリカ、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、硫
酸アルミニウム、水酸化マグネシウム等であり、中でも
炭酸カルシウム、ゼオライト、非晶性アルミノシリケー
ト、硫酸バリウム、合成シリカ、水酸化マグネシウム等
が好ましく、特に炭酸カルシウム及び硫酸バリウムが好
ましい。これらは単独又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0027】 (4) その他の配合成分(成分D:任意成分) (a) 分散剤(成分D1 ) 本発明のフィラー含有樹脂組成物には付加的に、分散剤
として、炭素数9〜40の飽和又は不飽和の脂肪酸エス
テル、炭素数2〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を用いた
トリグリセライド、液状又はワックス状の水酸基末端液
状ポリブタジエンを水素添加したポリヒドロキシ飽和炭
化水素、液状又はワックス状の炭化水素重合体或いは該
共重合体とエポキシ基含有有機化合物との混合物、チタ
ン酸エステル、1価高級アルコール又はその誘導体、高
級脂肪酸アミド、高級アミン、飽和または不飽和の2価
以上のアルコールから誘導される該アルコールの単独重
合体、共重合体、エーテル化合物、アミン化合物、アミ
ド化合物、エステル化合物から選ばれるアルコール誘導
体等の液状又はワックス状の成分を用いることができ
る。これらは1種又は2種以上を併用して用いることも
できる。上記分散剤の中では炭素数9〜40の飽和又は
不飽和の脂肪酸エステル、炭素数2〜30の飽和又は不
飽和脂肪酸を用いたトリグリセライド、液状又はワック
ス状の水酸基末端液状ポリブタジエンを水素添加したポ
リヒドロキシ飽和炭化水素を使用することが好ましい。
この中でも特に炭素数9〜40の飽和又は不飽和の脂肪
酸エステルが好ましい。
【0028】飽和脂肪酸エステル 前記飽和脂肪酸エステルの具体例としては、(ポリ)エ
チレングリコールラウレート、(ポリ)プロピレングリ
コールラウレート、グリセリルラウレート、ソルビタン
ラウレート、グリセリルミリステート、グリセリルパル
ミテート、ブチルステアレート、エチレングリコールス
テアレート、プロピレングリコールステアレート、ピナ
コールステアレート、m−クレゾールステアレート、
(ポリ)エチレングリコールステアレート、(ポリ)プ
ロピレングリコールステアレート、グリセリルステアレ
ート、ペンタエリスリトールステアレート、ソルビタン
ステアレート、(ポリ)エチレングリコールソルビタン
ステアレート、メチルヒドロキシステアレート、エチル
ヒドロキシステアレート、ブチルヒドロキシステアレー
ト、メチルアセチルヒドロキシステアレート、エチルア
セチルヒドロキシステアレート、ブチルアセチルヒドロ
キシステアレート、エチレングリコールヒドロキシステ
アレート、プロピレングリコールヒドロキシステアレー
ト、ピナコールヒドロキシステアレート、m−クレゾー
ルヒドロキシステアレート、(ポリ)エチレングリコー
ルヒドロキシステアレート、(ポリ)プロピレングリコ
ールヒドロキシステアレート、ペンタエリスリトールヒ
ドロキシステアレート、ソルビタンヒドロキシステアレ
ート、エチレングリコールソルビタンヒドロキシステア
レート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリ
ルアセチルヒドロキシステアレート等を挙げることがで
きる。これらの中でも、エチレングリコールヒドロキシ
ステアレート、プロピレングリコールヒドロキシステア
レート、ピナコールヒドロキシステアレート、m−クレ
ゾールヒドロキシステアレート、(ポリ)エチレングリ
コールヒドロキシステアレート、(ポリ)プロピレング
リコールヒドロキシステアレート、ペンタエリスリトー
ルヒドロキシステアレート、ソルビタンヒドロキシステ
アレート、エチレングリコールソルビタンヒドロキシス
テアレート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリ
セリルアセチルヒドロキシステアレート等のグリセリル
ヒドロキシ飽和脂肪酸エステルが好ましい。更に好まし
いのはグリセリルヒドロキシステアレート、特に好まし
いのはグリセリル−12−ヒドロキシステアレートであ
る。
【0029】不飽和脂肪酸エステル 上記不飽和脂肪酸エステルの具体例としては、例えば
(ポリ)エチレングリコールオレエート、(ポリ)プロ
ピレングリコールオレエート、グリセリルオレエート、
ソルビタンオレエート、(ポリ)エチレングリコールソ
ルビタンオレエート、ブチルオレエート、ピナコールオ
レエート、m−クレゾールオレエート、ペンタエリスリ
トールオレエート、グリセリルリノレート、グリセリル
リシノレート、メチルリシノレート、エチルリシノレー
ト、ブチルリシノレート、メチルアセチルリシノレー
ト、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシ
ノレート、(ポリ)エチレングリコールリシノレート、
グリセリルアセチルリシノレート、グリセリルエルシエ
ート等を挙げることができる。これらの中でもグリセリ
ルヒドロキシ脂肪酸エステルが良く、特にグリセリルリ
シノレートが好ましい。脂肪酸エステルとして飽和エス
テルを使用する場合は、不飽和エステルを使用する場合
に比較して、成形時の発煙がほとんど無く、かつ、得ら
れた延伸フィルムが無臭性に優れているので好んで使用
される。
【0030】上記分散剤成分を添加することにより、粒
状無機フィラーのポリマーへの分散性が著しく向上し、
それによりフィルムの延伸性が良好となるため、フィル
ムの薄肉化ができるようになり、通気性も向上し、また
ソフト感を増し、風合いを良好なものとする。この分散
剤成分の配合量が上記範囲よりも少なすぎると、延伸フ
ィルムを薄肉かつ低延伸倍率で製造する場合に、局部的
なネッキングが生じて厚みが不均一となり、斑が発生
し、商品価値を著しく損なうことになる。また多すぎる
と成形加工性が低下し、得られる延伸フィルムの通気性
が低下するので、実用性にかけるので好ましくない。
【0031】(b) その他の配合成分(D2 ) 本発明のフィラー含有樹脂組成物には、上記分散剤成分
の他に一般に樹脂組成物用として用いられている補助添
加成分、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔
料、着色剤、防曇剤、帯電防止剤、核剤、スリップ剤等
を配合しても良い。上記成分A以外のエチレン・α−オ
レフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体等の樹脂やゴム成分を本発明の効
果を著しく損なわない範囲で、本発明に使用することが
できる。
【0032】[II] 配合割合 本発明のフィラー含有樹脂組成物における上記成分A、
成分B及び成分Cの各成分の配合割合は、該組成物中
に、成分Cが20〜80重量%、好ましくは30〜70
重量%、特に好ましくは40〜65重量%の割合で含有
されるように配合される。また、該組成物中に、成分B
中の環状アミノビニル化合物単位が0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.
1〜1重量%の割合で含有されるように成分A及び成分
Bを配合する。上記組成物中の環状アミノビニル化合物
単位の配合割合が上記範囲よりも少なすぎると耐候性が
不十分となったり、印刷性改良効果が少なくなる。ま
た、組成物中の環状アミノビニル化合物単位の配合割合
が上記範囲よりも多すぎるとフィルムの強度が不足し、
実用性に欠けるようになる。上記組成物中の成分Cの配
合割合が上記範囲よりも少なすぎると風合いが低下す
る。また、組成物中の成分Cの配合割合が多すぎるとフ
ィルム製造時の延伸性が低下し、実用性に欠けるように
なる。本発明のフィラー含有樹脂組成物に任意成分とし
て付加的に配合される成分Dのその他の添加剤の配合量
としては、基本的には任意の量であるが、成分A、成分
B及び成分Cの合計100重量部に対して0.1〜15
重量部、好ましくは0.5〜7重量部、特に好ましくは
1〜5重量部にて添加することが好ましい。
【0033】[III] フィラー含有樹脂組成物の製造 (1) 配 合 本発明のフィラー含有樹脂組成物は、通常の樹脂組成物
の製造方法と同様の方法で、成分Aのエチレン・炭素数
4以上のα−オレフィン共重合体と、成分Bのエチレン
・環状アミノビニル化合物共重合体と、成分Cの粒状無
機フィラーとを配合することによって製造することがで
きる。具体的には、成分Aと成分Bと成分Cとをヘンシ
ェルミキサー等のブレンダーで良く混合し、必要であれ
ばこの混合物にその他の添加剤を更に添加して混合した
ものを、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等を用いて溶融、混練した後、通常用いられている方
法でペレット状とするのが普通である。
【0034】(2) 添加順序 上記成分A、成分B及び成分Cの配合順序は、基本的に
は任意であるが、成分Aと成分Bを混合した後に成分C
を配合することが好ましい。しかし、成分B及び成分C
の、或いは、成分A及び成分Cのマスターバッチに、成
分A又は成分Bを配合することもできる。
【0035】[IV] 成形・加工 本発明のフィラー含有樹脂組成物は、T−ダイ成形、イ
ンフレーション成形等によりフィルム、シート又はテー
プ等の膜状に成形した後、これを通常の延伸温度で一軸
又は二軸方向に延伸して延伸膜を製造することができ
る。このような延伸方法としては、従来より知られた方
法で行なうことができ、具体的には、一軸延伸ではフラ
ット状のロール延伸、オーブン延伸、チューブ状延伸等
を、また、二軸延伸ではフラット状でのテンター延伸、
チューブ状でのインフレーション延伸、マンドレル延伸
等の方法を適用することができる。なお、延伸倍率は、
一般に1.2〜6倍、好ましくは1.2〜4倍が適して
いる。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例よりなる実験例を記
載し、本発明を更に具体的に説明する。 [I] 物性の測定方法と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。 (1) 物性の測定 (a) MFR :JIS−K7210に準拠(190℃、
2.16kg) (b) 密 度:JIS−K7112に準拠 (c) 沸騰n−ヘキサン抽出量:空冷インフレーション成
形によって、200℃でフィルム厚み30μmに押し出
したフィルム5gを、円筒濾紙に入れた後、200ml
ノルマルヘキサンを注入したソックスレー抽出装置で、
沸点にて8時間抽出を行なう。この円筒濾紙を真空乾燥
機で60分間乾燥した後、その原料を測定する。
【0037】(d) 溶出曲線:以下に示す測定条件下で温
度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractio
nation:TREF)を測定し、各溶出温度(℃)におけ
る溶出物の重量分率を積算し積分溶出量を求める。横軸
に溶出温度、縦軸に積分溶出量をプロットし積分溶出曲
線を描く。この積分溶出曲線を温度で微分し、微分溶出
量を求める。次に横軸に溶出温度、縦軸に微分溶出量を
プロットし、微分溶出曲線を描く。この微分溶出曲線の
ピーク高さ(mm)を1/2高さの幅(mm)で除した
値をH/Wとする。この微分溶出曲線の作図は、横軸を
溶出温度100℃当たり89.3mm、縦軸を微分量
0.1当たり76.5mmで行なった。 機 種:三菱油化製CFCT150A 溶 媒:o−ジクロロベンゼン 流 速:1ml/分 測定濃度:4mg/ml 注入量 :0.5ml カラム :4.6mmφ×150mm(昭和電工 AD
80M/S 3本) 冷却速度:100℃/120分
【0038】(e) 平均粒径:コールタールカウンター法
(分散方法は、28KC超音波5分間、0.01%ヘキ
サメタ燐酸ナトリウムによる)にて求めた。 (f) 嵩密度:JIS−K5101に準拠 (g) 引張強度:ASTM D882−67に準拠 (h) 透湿度:JIS−Z0208に準拠 (i) 耐候性:以下の条件でフィルム試験片に紫外線を照
射し、その試験片の引張伸度を測定した。耐候性試験ス
タート時点の伸度が半分になるのに要する時間(hr)
を求めた。 機 種:スガ試験機製 サンシャインウエザーメータ
ー 温 度:ブラックパネルを用いて63±3℃に調節 光 源:ガラスフィルターを通して紫外線照射 サイクル:トータル60分、水12分、無し48分 (k) 印刷性:ぬれ張力を測定した。測定方法はJIS
K6768に準拠
【0039】[II] 実験例 実施例1 (1) 成分A 表1に示す物性を備えたチーグラー系触媒で製造したエ
チレン・α−オレフィン共重合体を用いた。
【0040】(2) 成分B 成分Bとして、以下の製造方法によって得られたエチレ
ン・環状アミノビニル化合物共重合体を用いた。エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体(成分B)
の製造 攪拌式オートクレーブ型連続反応器内に、エチレン及び
酢酸エチルに溶解させた4−アクリロイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンを、触媒としてノ
ルマルヘキサンに溶解させたターシャリーブチルパーオ
キシピバレートと共に連続的に供給し、重合圧力2,0
00kg/cm2 、重合温度200℃の条件下で共重合
させた。得られたエチレン・環状アミノビニル化合物共
重合体のMFRは2.7g/10分、4−アクリロイル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン単位
の含量は7.0重量%(0.99モル%)であった。
【0041】(3) フィラー含有樹脂組成物の製造 上記成分Aのエチレン・α−オレフィン共重合体と、成
分Bのエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体と、
成分Cの平均粒径が1.0μm、嵩密度が0.4の炭酸
カルシウムと、成分Dの分散剤としてのグリセリルトリ
リシノレート(ひまし油)を用いて、成分Aを40重量
部、成分Cを60重量部、成分Bを3.3重量部とをヘ
ンシェルミキサーで混合し、これに分散剤を3重量部添
加・混合して二軸混練押出機(スクリュー径65mm)
を用い、温度200℃で押し出して、組成物中に4−ア
クリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン単位が0.22重量%の割合で含有するフィラー
含有樹脂組成物のペレットを得た。
【0042】(4) 成 形 このフィラー含有樹脂組成物よりなるペレットを、次に
示す方法により成形加工を施した。ペレットを押出機
(スクリュー:径50mmφ、L/D:24)及びTダ
イ(ダイ幅:300mm、リップ幅:1.2mm)を用
い、230℃の温度でフィルムに押し出し、これを短区
間熱延伸ロールにより、延伸温度85℃、延伸倍率3倍
で一軸延伸して、厚み約35μmの通気性フィルムを製
造した。成形時、発煙及びチルロールの汚れの有無を目
視にて観察した。更に、このフィルムについての評価を
行なった。得られた結果を表1及び表2に示す。
【0043】実施例2 実施例1の成分Aのエチレン・α−オレフィン共重合体
の代わりに以下に示す方法によって製造したエチレン・
α−オレフィン共重合体を用いた以外は、実施例1と同
様に成形し、評価した。得られた結果を表1及び表2に
示す。成分Aの製造(エチレン・炭素数4以上のα−オレフィ
ン共重合体) 触媒の調製は、特開昭61−130341号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレン−ビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1,000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を
調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5リ
ットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレ
ンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が8
0重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,0
00kg/cm2 に保ち、160℃の温度で反応を行な
った。反応終了後、MFRが3.3g/10分、密度が
0.905g/cm3 、沸騰n−ヘキサン抽出量が1
0.7重量%、TREFによる溶出曲線のピーク数が1
つであり、そのピーク温度が62℃、該ピーク温度のH
/Wが4で、50℃における溶出量が12重量%、1−
ヘキセン含量が15重量%であるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体を得た。
【0044】実施例3 実施例2の成分Aの代わりに、温度、圧力、1−ヘキセ
ンの供給量を変えて、以下の物性のエチレン・α−オレ
フィン共重合体を得た。これを用いた以外は実施例1と
同様に成形し、評価した。得られた結果を表1及び表2
に示す。 MFR :1.5g/10分 密度 :0.924g/c
3 沸騰n−ヘキサン抽出量 :0.5重量% TREFによる溶出曲線のピーク数:1つ ピーク温度 :87℃ ピーク温度のH/W :27.1 50℃における溶出量 :0重量% 1−ヘキセン含量 :6重量%
【0045】比較例1 実施例1の成分Bの代わりに、ベンゾトリアゾールを
0.2重量%用いた以外は実施例1と同様に成形し、評
価した。得られた結果を表1及び表2に示す。 比較例2 成分Bを配合しない以外は実施例1と同様に成形し、評
価した。得られた結果を表1及び表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】このような本発明のフィラー含有樹脂組
成物は、耐候性、印刷性、強度、通気性が良好であるの
で、木材建築防水養生シート、果樹の根元に敷く保護シ
ート等の屋外用の通気シートの用途に好適であり、しか
も、加工時の発煙やロール汚れがない薄肉通気成形体を
成形することができるので、工業的にも極めて有用なも
のである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−45406(JP,A) 特開 平4−213306(JP,A) 特開 平3−21607(JP,A) 特開 昭62−164739(JP,A) 特開 平1−144432(JP,A) 特開 昭60−6442(JP,A) 特開 平4−89812(JP,A) 特開 平4−80215(JP,A) 国際公開94/3509(WO,A1) 10889の化学商品,日本,化学工業日 報社,1989年1月25日,862 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 33/00 - 33/26 C08J 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分A、成分B及び成分Cからなる
    フィラー含有樹脂組成物であり、該組成物中に、成分C
    が20〜80重量%の割合で含有されており、かつ、成
    分B中の環状アミノビニル化合物単位が0.05〜5重
    量%の割合で含有されるように成分A及び成分Bを配合
    させてなるものであることを特徴とする通気シート用フ
    ィラー含有樹脂組成物。成分A :下記に示す(a) 〜(c) の性状を有するエチレン
    と炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体 (a) MFRが0.01〜20g/10分 (b) 密度(D)が0.935g/cm3 以下 (c) 沸騰n−ヘキサン抽出量が20重量%以下成分B :エチレンと、下記一般式(I)に示す環状アミ
    ノビニル化合物との共重合体(ただし、エチレンと環状
    アミノビニル化合物との和に対する環状アミノビニル化
    合物の割合が1モル%未満のものである) 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基を、R3
    は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ表
    わす。)成分C :平均粒径が10μm以下で、嵩密度が0.1〜
    0.7g/cm3 の粒状無機フィラー
  2. 【請求項2】成分Dとして、炭素数9〜40の飽和又は
    不飽和の脂肪族エステルを、成分A、成分B及び成分C
    の合計量100重量部に対して0.1〜15重量部を配
    合したものである、請求項1に記載の通気シート用フィ
    ラー含有樹脂組成物。
  3. 【請求項3】成分Aがメタロセン系触媒で得られたもの
    である、請求項1又は2に記載の通気シート用フィラー
    含有樹脂組成物。
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