JP3368574B2 - 最尤系列推定回路 - Google Patents

最尤系列推定回路

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JP3368574B2 JP22829996A JP22829996A JP3368574B2 JP 3368574 B2 JP3368574 B2 JP 3368574B2 JP 22829996 A JP22829996 A JP 22829996A JP 22829996 A JP22829996 A JP 22829996A JP 3368574 B2 JP3368574 B2 JP 3368574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体無線などで
みられるマルチパス環境下において、雑音や、フェージ
ング等の影響を受けた受信信号から送信信号系列を推定
する場合に、その推定誤りを低減するための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の最尤系列推定回路の構成の
例を示す図であって、数字符号10は減算器、20は推
定受信信号発生回路、30は遅延回路、40は絶対値算
出回路、50は適応型通信路状態推定回路(時間的に追
従して通信路の状態を推定する回路)、60はビタビア
ルゴリズム処理回路を表わしている。
【0003】また、図中の英字符号A〜Iは信号の別を
表わしており、それぞれ、以下の説明中の記述と対応し
ている。また、太い実線で表わした経路は複素ベースバ
ンド信号、細い実線で表わした経路はスカラ信号が伝送
されるものであることを示している。
【0004】図8はトレリスダイアグラムの例を示す図
であって、4状態の場合を示している。ここでの太い実
線は最尤パスを、細い実線は他の生き残りパスを、破線
は切り捨てられたパスを示している。すなわち、誤差の
大きさによって、生き残るパスと、切り捨てるパスとに
分けられる。
【0005】そして、生き残ったパスのうち、誤差の最
も小さなパスが最尤パスである。パスメモリには、各時
刻におけるパスの状態を記録する。図8に示すように、
状態と送信ビットは一対一に対応しているので、実際に
は送信ビットを記録することになる。従って、パスメモ
リは状態の時間履歴を記録したものと考えられるが、以
下の記述では、或る時間からどのくらい前かを「深さ」
と表現している。
【0006】図8を例にとると、時間kからk−1,k
−2,k−3と時間的に遡るほど深くなる。従って、
「或る与えられたパスメモリ深さにおけるビット」と
は、例えば時間k−2におけるビットのことである。以
下、図7及び図8を参照して従来の技術について、「パ
スメトリックの算出及び最尤パスの選択」と、「通信路
状態の推定」とに分けて説明する。
【0007】「パスメトリックの算出及び最尤パスの選
択」図7において、受信信号Aは、減算器10において
ビタビアルゴリズム処理回路60における各パスのコー
ドワード(4状態トレリスダイアグアム例を示す図8に
おいて、時刻k−1における各生き残りパスより分岐す
る状態遷移に対応する送信ビット)ごとに求められる受
信信号の推定値(以下、推定受信信号という)Bが差し
引かれ、推定誤差信号Cとなる。
【0008】前記推定受信信号Bは、推定受信信号発生
回路20において、適応型通信路状態推定回路50にお
いて推定された通信路状態推定値H、及び、前記ビタビ
アルゴリズム処理回路60における各生き残りパスの状
態遷移に対応するコードワードにより与えられる仮判定
値Gより求められる。
【0009】通常、前記推定受信信号発生回路20は、
前記通信路状態推定値Hを係数とし、前記仮判定値Gを
入力とする通信路記憶長に相応するタップ数を有するF
IR(finite impulse response )フィルタにより実現
される。各遷移状態に対する前記推定誤差信号Cは、絶
対値算出回路40において絶対値尤度信号Eに変換さ
れ、ビタビアルゴリズム処理回路60に入力される。
【0010】前記ビタビアルゴリズム処理回路60で
は、ビタビアルゴリズムにより、最尤パス及びその他の
生き残りパスが得られる。前記最尤パスにおける、或る
与えられたパスメモリ深さにおけるビットが、最尤系列
推定結果Iとして出力される。
【0011】「通信路状態の推定」前記推定受信信号発
生回路20において用いられる通信路状態推定値Hは、
適応型通信路推定回路50において推定される。前記、
適応型通信路推定回路50への入力は、前記ビタビアル
ゴリズム処理回路60における最尤パスの或る与えられ
たパスメモリ深さにおけるビット推定値F、及び、遅延
回路30により前記パスメモリ深さに分だけ遅延された
前記最尤パスの状態遷移に対応する推定誤差信号Dであ
る。
【0012】これら入力信号に、LMS(Least Mean S
quare)やRLS(Recursive LeastSquare)に代表され
る適応型推定アルゴリズム(文献「Widrow, B., J.McCo
ol,and M.Ball,“The Complex LMS Algorithm,” Pro
c.IEEE, vol.63, pp.719-720」参照)を適用することに
より、前記通信路状態推定値Hが得られる。なお、前記
ビタビアルゴリズム処理回路60におけるパスメモリ深
さは、誤り訂正能力の向上度と時間的な通信路変化に対
する追従特性のトレードオフにより決定される。
【0013】このような従来の最尤系列推定回路をシン
ボル周期でサンプリングされた受信信号に基づいて動作
させた場合、遅延量の小さなマルチパス信号が存在する
通信路(例えば、τ/T<0.3,τ/T:正規化遅延
量、τ:マルチパス遅延量、T:シンボル間隔)に対し
ては、ビット誤りの低減が困難である。
【0014】これは、遅延波の遅延量が小さくなるにつ
れ、主要波と遅延波の相関が大きくなり、従来の最尤推
定回路における通信路状態推定回路では、通信路状態を
正しく推定できず、その結果、ビタビアルゴリズム処理
回路において用いられる尤度情報も不確かとなるためで
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、遅延
量の小さなマルチパス信号が存在する通信路(例えば、
τ/T<0.3,τ/T:正規化遅延量、τ:マルチパ
ス遅延量、T:シンボル間隔)において、従来の最尤系
列推定回路を、シンボル周期でサンプリングされた受信
信号に基づいて動作させた場合、ビット誤りの低減が困
難であった。
【0016】そこで、従来の最尤系列推定回路を遅延量
の小さなマルチパス信号が存在する通信路に適用する場
合は、シンボル間隔当たりのサンプリング回数を増やし
て動作させることにより、前記マルチパス遅延量が等価
的に大きくなるようにしていた。しかしながら、この場
合、通信路記憶長が増加するため、最尤系列推定回路の
回路規模も増大する。最尤系列推定回路の回路規模は通
信路記憶長に対して指数的に増加するため、サンプリン
グ回数を増やす方法は、ハードウエア実現の上で、その
回路規模が非常に大きくなるという問題があった。
【0017】本発明はこのような従来の課題を解決する
ために成されたものであって、マルチパス通信路におい
て遅延波の遅延量が小さい場合においても、符号誤り率
を改善することが可能で、また、通信路状態の推定を迅
速に行なうことができ、最尤系列推定回路の短いトレー
ニングシーケンスのバースト通信等への適用が可能であ
って、しかも比較的小規模のハードウエアで実現するこ
とが可能な最尤系列推定回路を提供することを目的とし
ている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
課題は前記特許請求の範囲に記載した手段により解決さ
れる。
【0019】すなわち、請求項1の発明は、受信信号に
ついて最尤系列推定を行なう回路であって、時間と共に
変化する受信信号を、ビタビアルゴリズムを用いた最尤
判定回路から出力される仮判定値と、時間と共に変化す
る通信路状態の推定値とを用いて適応的に推定して信号
を発生する推定受信信号発生回路と、
【0020】受信信号と上記推定受信信号発生回路の出
力との差を求めて推定誤差信号を出力する減算器と、
該推定誤差信号を入力として絶対値尤度信号を出力する
絶対値算出回路と、該絶対値尤度信号を入力とするビタ
ビアルゴリズムを用いた最尤判定回路と、
【0021】該最尤判定回路の各生き残りパスに対応す
るパスメモリに保存されたビット系列を入力とし、過去
の時間に対応するマッチドフィルタインパルスレスポン
スを系数として、前記推定受信信号発生回路に実際の受
信データ識別タイミングより、或る決められた時間後の
タイミングにおける変調信号を再生して出力する波形成
形フィルタ♯1と、
【0022】受信信号と、前記減算器の出力を遅延させ
た信号とを入力として、時間と共に変化する通信路の状
態を推定する通信路状態推定回路と、前記ビタビアルゴ
リズムを用いた最尤判定回路の、最尤パスに対応するパ
スメモリに保存されたビット系列を入力とし、未来の時
間及び過去の時間に対応するマッチドフィルタインパル
スレスポンスを係数として、前記通信路状態推定回路に
信号を出力する、波形成形フィルタ♯2を有する最尤系
列推定回路である。
【0023】請求項2の発明は、上記請求項1記載の最
尤系列推定回路において、通信路状態推定回路が、送信
ビット系列が既知であるトレーニング信号を用いること
を前提として、波形成形フィルタ♯1、及び、♯2によ
り生成される再変調信号及び送受信データ識別タイミン
グにおける識別点信号が既知な値として与えられた場
合、
【0024】受信信号が、通信路状態を未知変数とし、
かつ、前記再変調信号及び送受信データ識別タイミング
における識別点信号を既知変数とした連立一次線形関数
により与えられるという仮定に基づき、該連立一次線形
関数を解くことにより前記通信路状態の未知変数を求め
ることにより通信路状態を推定するように構成したもの
である。
【0025】請求項3の発明は、前記請求項1記載の最
尤系列推定回路として、波形成形フィルタ♯1、及び、
♯2により生成される再変調信号の有する送受信データ
識別タイミングからの時間差がそれぞれ異なる複数個の
最尤系列推定回路を並列に配置し、それらの中で最も尤
度の高い信号系列を選択して出力信号とするように構成
したものである。
【0026】請求項1記載の最尤系列推定回路では、時
間と共に変化する受信信号を適応的に推定する受信信号
推定回路への入力信号として、実際の送受信データ識別
タイミングより或る決められた時間後のタイミングにお
ける変調信号を再生するための、ビタビアルゴリズムを
用いた最尤判定回路の各生き残りパスに対応するパスメ
モリに保存されたビット系列を入力とし、過去の時間に
対応するマッチドフィルタインパルスレスポンスを係数
とする波形成形フィルタ♯1を有し、
【0027】かつ、前記時間と共に変化する受信信号を
適応的に推定発生する回路では、時間と共に変化する通
信路状態の推定値が用いられるが、この通信路状態推定
回路への入力信号として、実際の送受信データ識別タイ
ミングより或る決められた時間後のタイミングにおける
変調信号を再生するための、ビタビアルゴリズムを用い
た最尤判定回路の最尤パスに対応するパスメモリに保存
されたビット系列を入力とし、未来時間及び過去時間に
対応するマッチドフィルタインパルスレスポンスを係数
とする波形成形フィルタ♯2を有する。
【0028】これにより、実際の通信路におけるマルチ
パス遅延量が、前記再変調信号の有する遅延量と等しい
かあるいは近い場合には、精度の良い通信路状態の推定
が可能となる。
【0029】請求項2の発明では、送信系列が既知であ
るトレーニング信号を用いることを前提として、上記請
求項1の最尤系列推定回路における波形成形フィルタ♯
1及び♯2により生成される再変調信号及び送受信デー
タ識別タイミングにおける識別点信号が既知な値として
与えられた場合、受信信号が、通信路状態を未知変数と
し、
【0030】かつ、前記の再変調信号及び送受信データ
識別タイミングにおける識別点信号を既知変数とした連
立一次線形関数により与えられるという仮定に基づき、
前記連立一次線形関数を解くことにより前記通信路状態
の未知変数を求めることにより通信路状態の推定する通
信路状態推定回路を有する。これにより、高速な通信路
状態の推定が可能となり、トレーニングシーケンス長の
低減に効果がある。
【0031】請求項3の発明では、上記請求項1記載の
最尤系列推定回路において、前記波形成形フィルタ♯1
及び♯2により生成される再変調信号の有する送受信デ
ータ識別タイミングからの時間差τがそれぞれ異なる複
数個の最尤系列推定回路を並列に配置し、それらの中で
最も尤度の高い信号系列を選択し出力信号とする最尤系
列推定を行なう。
【0032】このような並列構成の最尤系列推定回路で
は通信路状態メモリ数と回路規模増加量は比例の関係と
なり、従来技術の場合のように指数関数的な回路規模増
加を伴わない。そのため、通信路メモリ数が多い場合、
従来に比べ、大幅な回路規模削減効果が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の例を
示すブロック図であって、数字符号10は減算器、21
は推定受信信号発生回路、31は遅延回路1、32は遅
延回路2、40は絶対値算出回路、51は初期通信路状
態推定回路付き適応型通信路状態推定回路、61は並列
型ビタビアルゴリズム処理回路、70は波形成形フィル
タ♯1、71は波形成形フィルタ♯2を表わしている。
また、英字符号A〜Lはそれぞれ信号を表わしており、
以下の説明中の記載と対応する。
【0034】以下、図1を用いて、発明の実施の形態の
動作について、「パスメトリックの算出及び最尤パスの
選択」、「通信路状態の推定」、「初期通信路状態の推
定」、及び「並列ビタビ信号処理動作」に分けて説明す
る。なお、説明中の通信路モデルは、2波モデル(直接
波及び遅延波1波)を例として用いている。
【0035】「パスメトリックの算出及び最尤パスの選
択」受信信号Aは、減算器10においてビタビアルゴリ
ズム処理回路60における各パスのコードワードごとに
求められた推定受信信号Bが差し引かれ、推定誤差信号
Cとなる。前記推定受信信号Bは、推定受信信号発生回
路21において以下の3系統の入力(入力1〜3)よ
り、各生き残りパスの状態遷移について算出される。
【0036】(入力1)初期通信路状態推定回路付き適
応型通信路状態推定回路51(以下、通信路状態推定回
路51という)において推定された通信路状態推定値
H、(入力2)前記ビタビアルゴリズム処理回路61に
おける各生き残りパス及びその状態遷移に対応するコー
ドワードにより与えられる仮判定値G、(入力3)波形
成形フィルタ♯1により生成される、理想識別タイミン
グより或る時間τp 後の再変調信号J。
【0037】前記推定受信信号発生回路21は、前記通
信路状態推定値Hを係数とし、前記仮判定値G、およ
び、再変調信号Jを入力として、それぞれ対応する係数
を乗算した後、それらを加算して出力する。
【0038】前記の各状態遷移に対応する推定誤差信号
Cは、絶対値算出回路40において絶対値尤度信号Eに
変換され、ビタビアルゴリズム処理回路61に尤度情報
として入力される。前記ビタビアルゴリズム処理回路6
1では、ビタビアルゴリズムにより、最尤パス及びその
他の生き残りパスが得られる。前記最尤パスにおける、
或る与えられたパスメモリ深さにおけるビットが、最尤
系列推定結果Iとして出力される。
【0039】通信路が2波モデルで与えられる場合、時
刻kにおける推定誤差信号Cは“数1”により与えられ
る。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、rk は受信信号、xn,m はコード
ワード、w0,k 、w1,k はそれぞれ直接波及び遅延波の
時間kにおける通信路状態変数を表わし、h(t)は、
再変調に用いる前記波形成形フィルタのインパルスレス
ポンス、“外1”は最尤パスにおけるビット判定値であ
る。
【0042】
【外1】
【0043】“数1”右辺の最終項に示されるように、
本処理では推定受信信号Bに遅延が許容されないため、
前記波形成形フィルタ♯1においてフィルタ処理による
遅延が生じないよう、インパルスレスポンスの過去時間
に対応する値のみを用いている(いわゆる、causal Fil
ter )。また、(自乗)絶対値誤差信号Eは、以下の
“数2”により与えられ、前記ビタビアルゴリズム処理
回路61におけるブランチメトリックとなる。
【0044】
【数2】
【0045】「通信路状態の推定」前記推定受信信号発
生回路21において用いられる通信路状態推定値Hは、
通信路状態推定回路51において推定される。前記通信
路状態推定回路51への入力は、前記ビタビアルゴリズ
ム処理回路61における最尤パスにおいて或る与えられ
たパスメモリ深さにおけるビット推定値Fを入力とする
波形成形フィルタ♯2により生成される、遅れ時間τp
を有する再変調信号L、
【0046】遅延回路♯1により前記波形成形フィルタ
♯2におけるフィルタ処理により生じる遅延分だけ前記
ビット推定値Fを遅延して得られる信号K、及び遅延回
路♯2により、前記パスメモリ深さに相当する遅延及び
前記波形成形フィルタ♯2におけるフィルタ処理遅延の
合計遅延だけ遅延された、最尤パスの状態遷移に対応す
る推定誤差信号Dである。
【0047】通信路状態推定回路51では、前記各入力
より、適応推定アルゴリズムを用いて通信路状態を推定
する。例えば、適応推定アルゴリズムとしてLMS(Le
astMean Square )アルゴリズムが用いられた場合、上
述の手順は“数3”〜“数5”のように定式化される。
【0048】
【数3】
【0049】
【数4】
【0050】
【数5】
【0051】ここで、rk は受信信号、w0,k 、w1,k
はそれぞれ直接波及び遅延波の時間kにおける通信路状
態変数、h(t)は波形成形フィルタインパルスレスポ
ンス、Dは前記波形成形フィルタ♯2におけるフィルタ
処理遅延量、“外2”は最尤パスにおけるビット推定
値、μはLMSアルゴリズムにおけるステップ定数、2
V+1が前記波形成形フィルタ♯2のタップ数である。
なお、波形成形フィルタインパルスレスポンスは、送受
信フィルタの総合特性として与えられる。
【0052】
【外2】
【0053】「初期通信路状態推定」受信信号Aは、送
信ビット系列が既知なトレーニングシーケンスにおい
て、遅延波の遅延量がτp で与えられ、かつ通信路状態
の変化がゆるやかでトレーニングシーケンスにおいては
一定であるとみなせる場合、通信路状態変数を用いて
“数6”〜“数9”のように与えられる(2波モデルの
場合)。
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】
【数8】
【0057】
【数9】
【0058】ここで、w0 ,w1 は通信路状態変数、r
k は受信信号、sk はトレーニングシーケンスにおける
既知送信ビットである。“数6”及び“数7”より、通
信路状態変数は“数10”及び“数11”に示されるよ
うに求められる。
【0059】
【数10】
【0060】
【数11】
【0061】このようにして求められた通信路状態変数
0 ,w1 は、ノイズによる誤差が問題となる場合、フ
ェージングによる振幅及び位相変動が無視できる程度の
時間にわたって平均化することにより、雑音による推定
誤差を低減し、通信路状態変数の推定値精度を向上する
ことができる。トレーニングシーケンス以降では、LM
Sアルゴリズム等の適応アルゴリズムを用いて状態推定
を行なう。
【0062】「並列ビタビ信号処理動作」図1に示され
るように、上述した最尤系列推定回路を複数並列に設置
し(以下、これを並列型最尤系列推定回路という)、最
尤系列推定回路における波形成形フィルタ♯1及び波形
成形フィルタ♯2の遅れ時間τp を各最尤系列推定回路
ごとに異なる値に設定する。
【0063】遅れ時間τp を異なる値に設定するのは、
異なった遅延波の遅延量に対して良好な特性を得るため
である。実際の通信路における遅延波の遅延量に最も近
い遅れ時間τp を有する最尤系列推定回路が、最も良好
に通信路状態を推定し、その結果最も誤りの少ない最尤
系列を推定する。
【0064】このように、複数並列に設置された最尤系
列推定回路より最小のパスメトリックを有するパスを選
択するのが、並列型ビタビアルゴリズム処理回路61で
ある。そして、上記の選択された最小のパスメトリック
を持つパスに対応する或る与えられたパスメモリ深さに
おけるビット推定値が、最尤推定判定値Iとして出力さ
れる。
【0065】前記の並列型ビタビアルゴリズム処理回路
61は、図2あるいは図3に示す構成により実現され
る。図2において、数字符号621 〜62M は、それぞ
れ、図1における基本回路、631 〜63N は、それぞ
れ、加算−比較回路(図では Add-Compare-SelectCircu
it の略号としてACSと表示している)、64はパス
メモリ、65は選択回路を表わしている。
【0066】また、図3において、631 〜63N は図
2と同様であり、661 〜66M はそれぞれ基本回路、
671 〜67N はそれぞれ選択回路、68はパスメモリ
を表わしている。
【0067】図2に示す構成は、各最尤系列推定回路ご
とにパスメモリを有し、それぞれ個別に最尤パスを先に
決定し、最終段の選択回路において最小のメトリックを
有するパスの選択を行なうものである。一方、図3に示
す構成は、前記並列型最尤系列推定回路を構成する個々
の最尤系列推定回路において算出されたパスメトリック
を、まず状態ごとに、並置された全ての回路の中より最
尤のパスをまず選択し、次に選択された各状態の中より
最尤パスを選択するもので、単一のパスメモリを有す
る。
【0068】図4に、5シンボルのトレーニングシーケ
ンスが繰り返し与えられた場合に、それぞれの繰り返し
ごとに、本発明の初期通信路状態推定回路を用いて通信
路状態を推定した場合の結果を示す。また、比較のた
め、前記初期通信路状態推定回路の代わりにLMSアル
ゴリズムを用いて連続したトレーニングシーケンスにて
通信路状態を推定した場合の過渡応答を図5に示す。
【0069】なお、通信路は2波モデル、遅延波の正規
化遅延量は0.2である。また、本発明の最尤系列推定
回路における波形成形フィルタ♯1及び♯2の正規化遅
延量は同様に0.2である。図4に示されるように、本
発明の初期通信路状態推定回路は、5シンボルという短
いトレーニングシーケンスにて良好に通信路状態を推定
している。一方、図5より明らかなように、LMSアル
ゴリズムを用いた場合は、状態推定を完了するまでに約
1000シンボルを要している。
【0070】
【表1】
【0071】さらに、“表1”に示すパラメータを用い
てシミュレーションにより求めた、本発明を用いた場合
の符号誤り率と正規化遅延量の関係を図6に示す。同図
には比較参考のため、遅延検波回路、及び従来技術のシ
ンボルスペース最尤系列推定回路に収束特性に優れる適
応アルゴリズムVLMS(Variable LMS)(文献「DennoS.,
and Y.Saito, " Fast Channel Impulse Response Est
imation Scheme forAdaptive MLSE(Maximum Likelihood
Sequence Estimation) Equalizer-Proposalof VLMS(Va
riable-gain Least Mean Squares) Algorithm-," IEICE
Trans. oncomm. vol. J78-B-11, pp.221-230,(1995)」
参照)を適用した場合の符号誤り率についても示した。
同図に示されるように、本発明の最尤系列推定回路によ
り、符号誤り率が従来技術に比べ大幅に改善される。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マルチパス通信路において遅延波の遅延量が小さい場合
においても、従来技術に比べ大幅に符号誤り率を改善す
ることができる。また、本発明を適用した初期通信路状
態推定回路は、通信路状態の推定を迅速に行なうことが
できるから、最尤系列推定回路のトレーニングシーケン
スを短くできるので、バースト通信等への適用が可能で
ある。そして、本発明によれば、これらを実現する回路
を小規模のハードウエアで実現することができる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示すブロック図であ
る。
【図2】並列処理型ビタビアルゴリズム(複数のパスメ
モリを有する方法)を示す図である。
【図3】並列処理型ビタビアルゴリズム(単一のパスメ
モリを有する方法)を示す図である。
【図4】本発明の初期通信路状態推定回路を用いた場合
の推定結果を示す図である。
【図5】LMSアルゴリズムを用いた場合の通信路状態
推定値と収束時間の関係を示す図である。
【図6】符号誤り率と遅延波遅延量の関係を示す図であ
る。
【図7】従来の最尤系列推定回路の構成の例を示す図で
ある。
【図8】トレリスダイアグラムの例を示す図である。
【符号の説明】
1 〜1M 基本回路 10 減算器 20,21 推定受信信号発生回路 30,31,32 遅延回路 40 絶対値算出回路 50 適応型通信路状態推定回路 51 初期通信路状態推定回路付き適応型通信路状態
推定回路 60 ビタビアルゴリズム処理回路 61 並列型ビタビアルゴリズム処理回路 621 〜62M ,661 〜66M 基本回路 631 〜63N 加算−比較−選択回路(ACS) 64,68 パスメモリ 65,671 〜67N 選択回路 70,71 波形成形フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/005 - 7/015 H04B 3/00 H04L 27/00 H04B 1/10 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号について最尤系列推定を行なう
    回路であって、 時間と共に変化する受信信号を、ビタビアルゴリズムを
    用いた最尤判定回路から出力される仮判定値と、時間と
    共に変化する通信路状態の推定値とを用いて適応的に推
    定して信号を発生する推定受信信号発生回路と、 受信信号と上記推定受信信号発生回路の出力との差を求
    めて推定誤差信号を出力する減算器と、 該推定誤差信号を入力として絶対値尤度信号を出力する
    絶対値算出回路と、該絶対値尤度信号を入力とする、ビ
    タビアルゴリズムを用いた最尤判定回路と、 該最尤判定回路の各生き残りパスに対応するパスメモリ
    に保存されたビット系列を入力とし、過去の時間に対応
    するマッチドフィルタインパルスレスポンスを系数とし
    て、前記推定受信信号発生回路に、実際の受信データ識
    別タイミングより、或る決められた時間後のタイミング
    における変調信号を再生して出力する波形成形フィルタ
    ♯1と、 受信信号と、前記減算器の出力を遅延させた信号とを入
    力として、時間と共に変化する通信路の状態を推定する
    通信路状態推定回路と、 前記ビタビアルゴリズムを用いた最尤判定回路の、最尤
    パスに対応するパスメモリに保存されたビット系列を入
    力とし、未来の時間及び過去の時間に対応するマッチド
    フィルタインパルスレスポンスを係数として、前記通信
    路状態推定回路に信号を出力する、波形成形フィルタ♯
    2を有することを特徴とする最尤系列推定回路。
  2. 【請求項2】 通信路状態推定回路は、送信ビット系列
    が既知であるトレーニング信号を用いることを前提とし
    て、波形成形フィルタ♯1、及び、♯2により生成され
    る再変調信号及び送受信データ識別タイミングにおける
    識別点信号が既知な値として与えられた場合、受信信号
    が、通信路状態を未知変数とし、かつ、前記再変調信号
    及び送受信データ識別タイミングにおける識別点信号を
    既知変数とした連立一次線形関数により与えられるとい
    う仮定に基づき、該連立一次線形関数を解くことにより
    前記通信路状態の未知変数を求めることにより通信路状
    態を推定する請求項1記載の最尤系列推定回路。
  3. 【請求項3】 最尤系列推定回路としては、波形成形フ
    ィルタ♯1、及び、♯2により生成される再変調信号の
    有する送受信データ識別タイミングからの時間差がそれ
    ぞれ異なる複数個の最尤系列推定回路を並列に配置し、
    それらの中で最も尤度の高い信号系列を選択して出力信
    号とする請求項1記載の最尤系列推定回路。
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