JP3368065B2 - ビニル壁紙改修用水性塗料 - Google Patents

ビニル壁紙改修用水性塗料

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JP3368065B2
JP3368065B2 JP20145194A JP20145194A JP3368065B2 JP 3368065 B2 JP3368065 B2 JP 3368065B2 JP 20145194 A JP20145194 A JP 20145194A JP 20145194 A JP20145194 A JP 20145194A JP 3368065 B2 JP3368065 B2 JP 3368065B2
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acid
monomer
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圭一郎 才川
正見 杉島
信人 平田
進 徳植
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たばこの煙、手垢、油
煙等で汚染されたり、経年後、色があせたり模様がやせ
て貧弱になった室内壁面、天井等のビニル壁紙面を塗装
改修するのに適したビニル壁紙改修用水性塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術およびその課題】建築物、一般家屋及び車
両の壁、天井等のビニル壁紙面の改修においては、従来
より張り替え工法が主流である。近年、張替工法の工数
減の目的などのためビニル壁紙面の改修に塗料が使用さ
れはじめている。
【0003】塗料で塗り替える場合は、環境衛生、消防
法等の点から、また、ビニル壁紙が溶剤に可溶であるた
め、一般に水性エマルション塗料が使用されている。し
かしながら塗膜中へのビニル壁紙の可塑剤(DOP、T
CP、DOA等)の拡散があり、塗膜形成後も粘着性が
残ってしまうという問題点があった。
【0004】また、艶消し仕上げにする場合、一般的に
塗料中の顔料体積濃度(PVC)を35%以上にする
が、従来の水性エマルション塗料では、ビニル壁紙上
で、塗膜乾燥造膜時に塗膜ワレが生じやすいという問題
もあった。
【0005】さらに、ビニル壁紙がたばこの煙、手垢、
油煙で汚染されている場合は、特にたばこの煙等の汚染
物は水溶性の成分が多く、塗装後、それらの汚染物が塗
装面に染み出してきてしまい美観を損ねてしまうという
問題もあり、塗料による改装は至難とされてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の水
性架橋型エマルション樹脂を使用することにより、可塑
剤の拡散や汚染物の染み出し及び塗膜のワレを防ぎ得る
ことを見出し、また、特定の顔料を配合することによ
り、可塑剤や汚染物を吸着でき、その効果がより顕著と
なることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、1.カルボニル基含
有共重合体水性エマルションおよび架橋剤として1分子
当たり少なくとも2個のヒドラジド基を有するポリヒド
ラジド化合物を樹脂主成分とし、樹脂固形分100重量
部に対して、顔料分として、活性アルミナ及び/又は活
性白土を10〜300重量部、及びさらに珪藻土を10
〜100重量部含有することを特徴とるビニル壁紙改修
用水性塗料を提供するものである。
【0008】
【0009】
【0010】また本発明は、2.塗料中の全固形分に占
める全顔料の体積割合(PVC)が15〜70%である
ことを特徴とするビニル壁紙改修用水性塗料を提供する
ものである。
【0011】本発明塗料においては、ビヒクル成分とし
て、カルボニル基を含有する共重合体水性エマルジョン
の樹脂とポリヒドラジド化合物とを必須に含有する。
【0012】上記共重合体水性エマルジョンは例えば、
(a)カルボニル基含有α,β−エチレン性不飽和モノ
マー、(b)モノマー(a)と共重合可能な水溶性エチ
レン性不飽和モノマーおよび(c)モノマー(a)およ
びモノマー(b)と共重合可能な該モノマー(a)およ
びモノマー(b)以外のエチレン性不飽和モノマーを含
有する単量体混合物を分散安定剤の存在下で乳化重合さ
せることによって得ることができる。
【0013】上記モノマー(a)としては、例えば、ア
クロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセト
ンメタクリルアミド、ホルミルスチロールおよびビニル
メチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケト
ンなどの炭素原子数4〜7個のビニルアルキルケトンな
どが挙げられる。これらのうち特に好ましいものは、ダ
イアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルア
ミドである。
【0014】上記モノマー(b)は、モノマー(a)と
共重合可能であり、そのままで又は、中和もしくは4級
塩化によって強い親水性を示すモノマーであって、アニ
オン性、カチオン性、ノニオン性のいずれのモノマーで
あってもよい。モノマー(b)は、共重合体エマルジョ
ン粒子に親水性を付与するために用いられるものであっ
て、親水性を付与することによってエマルジョン粒子の
安定性を増大させることができる。
【0015】モノマー(b)の代表例としては、アニオ
ン系では、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ク
ロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリル
スルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム等;カチオ
ン系ではジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルア
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミドおよびジメチルアミノプロピルメタ
クリルアミド、さらにグリシジル(メタ)アクリレート
とアミン類との付加物等;ノニオン系ではポリオキシエ
チレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0016】前記モノマー(c)は、モノマー(a)お
よびモノマー(b)と共重合可能であって、該モノマー
(a)およびモノマー(b)以外のエチレン性不飽和モ
ノマーであれば特に限定されることなく使用できる。
【0017】モノマー(c)の代表例としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸のC1
〜C24のアルキル又はシクロアルキルエステル;アクリ
ル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、ア
クリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシ
ブチル等の(メタ)アクリル酸のC1 〜C18アルコキシ
アルキルエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の
(メタ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエ
ステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン等の芳香族
不飽和単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、ペン
テン等のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等のジエン化合物;プロピオン酸ビニル、酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニル
ピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製品)など
を挙げることができ、これらは所望の性能に応じて適宜
使用される。
【0018】上記モノマー(a)、(b)、(c)がモ
ノマー成分全体に対して占める割合は下記範囲内である
ことが、塗膜の架橋性、可塑剤の拡散及び汚染物の染み
出し防止効果、塗膜強度、塗膜の耐水性ならびに塗料の
貯蔵安定性などの点から好ましい。 モノマー(a):0.1〜30重量%、さらに好ましく
は2〜20重量%、 モノマー(b):0〜10重量%、さらに好ましくは0
〜3重量%、 モノマー(c):60〜99.9重量%、さらに好まし
くは77〜98重量%
【0019】本発明において共重合体水性エマルジョン
は公知の方法にて得ることができる。例えば分散安定剤
の存在下で、上記モノマー成分を乳化重合させることに
よって容易に得ることができる。上記分散安定剤として
は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤などが挙げられる。これらのうち、
特に、モノマー成分中にカルボキシル基などの酸基を有
するモノマーがある場合には、アニオン性界面活性剤で
あって、疎水部分と親水性のアニオン部分との間にポリ
オキシエチレンまたはポリオキシプロピレン鎖などのノ
ニオン性部分を有するアニオン性界面活性剤が好まし
い。
【0020】上記ノニオン性部分を有するアニオン性界
面活性剤は粒子表面に付着した場合、粒子のポリマー相
と水中のアニオンとの間に親水性のノニオン界面活性部
分があり貯蔵中における粒子表面での架橋をアニオンが
促進することをさまたげる。このような界面活性剤の例
としては、Newcol 560SN、Newcol5
60SF、Newcol 707SF、Newcol
861SE、Newcol 1305SN(以上日本乳
化剤製)、ハイテノールシリーズ(第一工業製薬製)、
ラテムルWX、エマールNC−35、レベノールWZ
(以上花王製)等である。その使用量は0.1〜6重量
%、好ましくは0.2〜5重量%である。0.1重量%
未満では、エマルジョン重合安定性が得られにくく、6
重量%を越えると、塗膜の耐水性を低下させ、粘着性も
残りやすくなる。
【0021】本発明塗料に使用する共重合体水性エマル
ジョンは上記のように乳化重合によって得ることができ
るが、その他の方法によっても得ることができる。例え
ば親水性有機溶剤中で前記モノマー(a)、(b)、
(c)のモノマー成分を共重合させた後、水分散化する
方法であり、水溶性エチレン性不飽和モノマー(b)の
寄与によって水分散化能を付与するものである。モノマ
ー(b)がアニオン性である場合には、アンモニア、ア
ミン類によって中和を行ない、モノマー(b)がカチオ
ン性である場合には酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有
機酸などによって中和又は四級塩化することによって水
分散化能を増大させることができる。
【0022】本発明方法において使用する架橋剤は、上
記共重合体水性エマルジョン粒子中のカルボニル基と反
応しうるヒドラジド基
【0023】
【化1】
【0024】を1分子中に少なくとも2個有するポリヒ
ドラジド化合物である。
【0025】上記ポリヒドラジド化合物としては、具体
的には、2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カル
ボン酸ジヒドラジド、例えば蓚酸ジヒドラジド、マロン
酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド;モノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒ
ドラジド、例えばマレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジ
ヒドラジド及びイタコン酸ジヒドラジド;炭酸のポリヒ
ドラジド、例えば炭酸ジヒドラジド及び一般式
【0026】
【化2】
【0027】(式中xは1〜5好ましくは1〜3の整数
を意味する)で表わされる化合物;ビスセミカルバジ
ド、特に一般式
【0028】
【化3】
【0029】(式中、基−R−は2価の直鎖状もしくは
分岐状の2〜7個の炭素原子を有する脂肪族残基又は6
〜8個の炭素原子を有する炭素環状残基、例えばo−、
m−もしくはp−フェニレン基、トリレン基、シクロヘ
キシレン基又はメチルシクロヘキシレン基を意味する)
で表わされる脂肪族、脂環族又は芳香族のビスセミカル
バジド;芳香族ポリカルボン酸のポリヒドラジド、例え
ばフタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒドラ
ジド、ならびにピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒ
ドラジド又はテトラヒドラジド;脂肪族トリヒドラジ
ド、例えばニトリロトリ酢酸トリヒドラジド;テトラヒ
ドラジド、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒ
ドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する
低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジ
ンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド(特公
昭52−22878号参照)などが挙げられる。
【0030】上記ポリヒドラジド化合物は、疎水性が強
すぎると水分散化が困難となり、均一な架橋塗膜が得ら
れないことから、適度な親水性を有する比較的低分子量
(300以下程度)の化合物を使用することが好適であ
る。好適な代表例の一つとして、例えばこはく酸ジヒド
ラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラ
ジド、セバチン酸ジヒドラジド等の如くC4 〜C12のジ
カルボン酸のジヒドラジド化合物が挙げられる。
【0031】本発明塗料が硬化する際の、カルボニル基
とヒドラジド基との架橋反応は下記式に従って起こる。
【0032】
【化4】
【0033】本発明塗料において、架橋剤であるポリヒ
ドラジド化合物の添加量は、前記共重合体水性エマルジ
ョンの粒子中のカルボニル基1当量に対し、ヒドラジド
基の量が0.02〜3.0当量、好ましくは0.1〜
2.0当量となる量である。
【0034】本発明塗料のビヒクル成分は、前記カルボ
ニル基含有共重合体水性エマルジョンおよびポリヒドラ
ジド化合物を含有する樹脂分散液の固形分からなってお
り、該樹脂分散液は、該共重合体水性エマルジョンおよ
びポリヒドラジド化合物のみからなっていてもよいし、
また、このものに、従来塗料分野で使用されている、公
知のエマルジョン、例えば、酢酸ビニルエマルジョン、
アクリル樹脂エマルジョン、酢ビ−アクリルエマルジョ
ン、エチレン−酢ビエマルジョン、エポキシ樹脂エマル
ジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、アルキド樹脂エマ
ルジョン、天然もしくは合成ゴムラテックスなどを固形
分量で全ビヒクル成分中に占める割合が50重量%以下
となる量配合したものであってもよい。
【0035】本発明塗料は上記樹脂分散液のみからなっ
ていても可塑剤の拡散、汚染物の染み出し及び塗膜のワ
レを防ぐことができるが、上記樹脂分散液中に顔料分と
して活性アルミナおよび/または活性白土を含有せしめ
ることにより、ビニル壁紙からの可塑剤の拡散および被
塗物上の汚染物の塗膜上への染み出しをさらに効果的に
防ぐことができる。また顔料分として珪藻土を活性アル
ミナおよび/または活性白土と併用することにより、そ
の効果は絶大となる。
【0036】活性アルミナおよび活性白土は、いずれも
大きな吸着能を有する多孔質構造を持った化合物であっ
て、工業的には油脂及び石油鉱物油の脱色精製などに用
いられている。
【0037】活性アルミナは、ジプサイト、ベーマイ
ト、バイヤライト、無定形水和ゲルなどのアルミナ水和
物を適当な温度、通常200〜1,000℃で焼成して
得られる細孔構造を有する中間アルミナ(遷移アルミ
ナ)である。活性アルミナはガンマ−アルミナとも称さ
れる。市販品として、住友化学(株)製の活性アルミナ
KC−501、同KC−503などが挙げられる。
【0038】活性白土は、モンモリロナイト族の粘土鉱
物と可溶性ケイ酸とを主成分とする粘土の一種である酸
性白土を酸で処理し、塩基性成分の一部を溶出させたも
のである。市販品としては、日本活性白土(株)製の活
性白土、水澤化学(株)製のGalleon Eart
h NVなどが挙げられる。
【0039】珪藻土は、二酸化ケイ素水和物で多孔質構
造を有するため液体をよく吸収する性質がある。非塗料
用途では、農薬、ろ過剤、研磨材等に利用されている。
塗料用途では、増量剤、艶消し剤として使用されてい
る。市販品としては、昭和化学工業(株)製のラジオラ
イトF、ラジオライトF・Oなどが挙げられる。
【0040】なお、本発明者らは、活性アルミナ、活性
白土、珪藻土以外にアルミニウムやケイ素の元素を含む
種々の無機化合物、具体的には二酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、タルク、クレー、マイカ等についても検討し
たが、これらは可塑剤および汚染物質の吸着効果は乏し
かった。
【0041】本発明塗料において活性アルミナおよび/
または活性白土の配合量は両者の合計で、塗料中のビヒ
クル成分、すなわち樹脂分散液の固形分100重量部に
対して10〜300重量部、さらには、50〜200重
量部の範囲であることが可塑剤や汚染物質の吸着能力の
向上効果、塗膜の付着性、塗料の貯蔵安定性などの点か
らより好ましい。
【0042】珪藻土の配合量は、10〜100重量部の
範囲であることが、可塑剤の吸着能力向上効果、艶消し
塗膜とする場合の艶消し効果、塗面状態(肌あれ、塗膜
ワレ)等の点から適当である。
【0043】本発明塗料は、樹脂分散液、活性アルミナ
および/または活性白土、珪藻土以外に、必要に応じ
て、さらにチタン白、ベンガラ、カーボンブラック、フ
タロシアニンブルーなどの着色顔料;炭酸カルシウム、
タルク、クレー、マイカなどの通常塗料分野で使用され
ている体質顔料;溶剤;分散剤;増粘剤;消泡剤;造膜
助剤;防腐剤;凍結防止剤などの塗料用添加剤などを含
有することができる。
【0044】本発明において、塗料中の全固形分に占め
る全顔料(活性アルミナ、活性白土、珪藻土を含む)の
体積割合(PVC)は15〜70%の範囲になるように
することが塗膜の緻密性、染み出し防止性、塗膜の隠蔽
性の点から好ましく、20〜60%の範囲がより好まし
い。
【0045】本発明塗料を製造する方法は特別なもので
はなく、それ自体公知の方法で行うことができる。例え
ば、前記樹脂分散液中に顔料分、必要に応じて、溶剤や
塗料用添加剤を加え、撹拌機等の公知の手段で均一に分
散せしめることによって行うことができる。なお、本発
明塗料は、上塗り塗料としても下塗り塗料としても用い
ることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明塗料は、カルボニル基含有共重合
体水性エマルションとポリヒドラジド化合物との反応に
よって架橋可能な樹脂分散液を主成分として含有してい
るため、常温乾燥ですみやかに強靭で緻密な三次元架橋
膜を形成し、塗膜となった際に、ビニル壁紙からの可塑
剤の拡散を抑え、被塗物上の汚染物の塗膜上への染み出
しを防止することができる。さらに、艶消し仕上げでの
顔料濃度が高い場合でも、塗膜ワレを生じることは全く
ない。さらに、固形分がビヒクル成分となる上記樹脂分
散液中に顔料分として、活性アルミナ及び/又は活性白
土を含有しており、可塑剤及び汚染物を吸着する作用が
あり、可塑剤の拡散や汚染物の染み出しを防止する効果
は顕著である。また、珪藻土にも可塑剤を吸着せしめる
作用があり、活性アルミナ及び/又は活性白土と併用す
ることにより、その効果は絶大である
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下、「部」および「%」は特に断わり
のない限り重量基準によるものとする。
【0048】樹脂分散液の製造 製造例1 容量2リットルの4つ口フラスコに脱イオン水232
部、Newcol 707SF(日本乳化剤(株)製、
ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤、
不揮発分30%)2.3部を加え、窒素置換後、80℃
に保った。この中に過硫酸アンモニウム0.7部を添加
し、添加15分後から下記組成をエマルジョン化してな
るプレエマルジョンを3時間かけて滴下した。
【0049】 脱イオン水 338 部 ダイアセトンアクリルアミド 32 部 アクリル酸 3.2部 スチレン 97 部 メチルメタクリレート 260 部 2−エチルヘキシルアクリレート 100 部 n−ブチルアクリレート 150 部 Newcol 707SF 62 部 過硫酸アンモニウム 1.2部
【0050】滴下終了時から30分間経過後、0.7部
の過硫酸アンモニウムを7部の脱イオン水に溶解させた
溶液7.7部を滴下開始し、30分間かけて滴下終了し
た。ついで、さらに2時間80℃に保持した後、45℃
に降温した。この中に、アジピン酸ジヒドラジド4.9
部を脱イオン水25部に溶解させてなる溶液29.9部
を配合し、さらにアンモニア水でpH8.5に調整し、固
形分50.7%の架橋性樹脂分散液(1)を得た。
【0051】製造例2 容量2リットルの4つ口フラスコに脱イオン水242
部、Newcol 707SF2.4部を加え、窒素置
換後、80℃に保った。この中に過硫酸アンモニウム
0.7部を添加し、添加15分後から下記組成のプレエ
マルジョンを3時間かけて滴下した。
【0052】 脱イオン水 352 部 ダイアセトンアクリルアミド 13.4部 アクリル酸 13.4部 スチレン 268 部 メチルメタクリレート 174 部 2−エチルヘキシルアクリレート 201 部 Newcol 707SF 64.5部 過硫酸アンモニウム 1.3部
【0053】滴下終了時から30分間経過後、0.7部
の過硫酸アンモニウムを7部の脱イオン水に溶解させた
溶液7.7部を滴下開始し、30分間かけて滴下終了し
た。ついで、さらに2時間80℃に保持した後、45℃
に降温した。この中に、アジピン酸ジヒドラジド6.7
部を脱イオン水34部に溶解させてなる溶液40.7部
を配合し、さらにアンモニア水でpH8.5に調整し、固
形分50.7%の架橋性樹脂分散液(2)を得た。
【0054】製造例3 容量2リットルの4つ口フラスコに脱イオン水242
部、Newcol 707SF2.4部を加え、窒素置
換後、80℃に保持した。この中に過硫酸アンモニウム
0.7部を添加し、添加15分後から下記組成のプレエ
マルジョンを3時間かけて滴下した。
【0055】 脱イオン水 352 部 Newcol 707SF 62.5部 メチルメタクリレート 201 部 スチレン 134 部 n−ブチルアクリレート 321 部 アクリル酸 13.4部 過硫酸アンモニウム 1.3部
【0056】滴下終了時から30分間経過後に、過硫酸
アンモニウム0.7部を7部の脱イオン水に溶かした溶
液7.7部を30分間かけて滴下し、滴下終了後、さら
に2時間80℃に保った後、45℃に冷却し、さらにア
ンモニア水を加えてpH9に調整し、固形分50.8%の
非架橋性樹脂分散液(3)を得た。
【0057】参考例1 容量0.5リットルのステンレス容器に下記組成を配合
し、撹拌機にて20〜40分間撹拌して顔料ペーストを
得た。 上水 100部 エチレングリコール 5部 ノプコスパース44C (注1) 2部 SNデフォーマー364 (注2) 2部 フジケミHEC KF−100 (注3) 1部 チタン白 140部 クレー (注4) 50部 タンカル (注5) 80部
【0058】 (注1)サンノプコ(株)製 顔料分散剤 (注2)サンノプコ(株)製 消泡剤 (注3)フジケミカル(株)製 増粘剤 (注4)フジライト(株)製 体質顔料、ケイ酸
アルミニウム (注5)竹原化学工業(株)製 体質顔料、炭酸カ
ルシウム
【0059】得られた顔料ペースト380部に対して、
製造例1で得た固形分50.7%の架橋性樹脂分散液
(1)を200部およびイソ酪酸(2,2,4−トリメ
チル−3−ヒドロキシペンチル)エステル12部を配合
し、10〜20分間撹拌して塗料Aを得た。
【0060】参考例2〜8、実施例1〜2および比較例
1〜4参考例1 において、顔料ペースト製造における顔料組成
および樹脂分散液をそれぞれ下記表1に示すとおりとす
る以外、参考例1と同様に行なって塗料B、C、D、
E、F、G、H、I、J、K、L、MおよびNを得た。
【0061】表1中における(註)は下記の意味を有す
る。 (注6)活性アルミナ KC−503:住友化学(株)
製、吸着性顔料、活性アルミナ (注7)活性白土:日本活性白土(株)製、活性白土 (注8)ラジオライトF:昭和化学工業(株)製、珪藻
【0062】
【表1】
【0063】比較例5 ビニデラックス300白(関西ペイント(株)製、非架
橋型の水系アクリル樹脂系エマルジョン塗料、白色)を
比較例5とした。
【0064】試験例1 0.8×70×150mmのビニル壁紙(JIS K 6
734適合品)を3枚用意した。そのうちの1枚の中央
に直径4cmの円を油性マーキングペン黒(JIS S6
037適合品)にて描き、円内を塗りつぶした。もう1
枚のビニル壁紙には油性マーキングペン黒のかわりに水
性マーキングペン黒(JIS S 6037適合品)を
使用する以外は同様にして円を塗りつぶした。最後に残
ったビニル壁紙には、乾燥したたばこの葉50gにメタ
ノール500ccを加え、一昼夜室温に放置して抽出した
ニコチン含有抽出液を油性マーキングペン黒のかわりに
使用する以外は同様にして塗りつぶした。
【0065】上記のようにして得た3種の汚染ビニル壁
紙に上水にて塗装粘度に希釈した塗料Aを乾燥塗布量が
約50g/m2となるように刷毛塗りし、室温で48時間乾
燥させた後、指触にて、塗膜の粘着性を判定した。ま
た、目視にて汚染物の染み出し程度(染み止め性)及び
塗膜ワレの程度を判定した。その結果を表2に示した。
【0066】試験例2〜10および比較試験例1〜5 上記試験例1において、塗料Aのかわりに、表2に示す
ように参考例、実施例および比較例の塗料を使用する以
外はそれぞれ試験例1と同様に行なった。これらの結果
を表2に示す。
【0067】表2中における(注9)粘着性の評価は下
記基準に従って行なった。 ◎:全く粘着性が認められない。 ○:わずかに粘着性は認められるものの実用的には問題
なし。 △:かなり粘着性が認められる。 ×:粘着の程度が著しい。
【0068】表2中における(注10)染み止め性の評
価は下記基準に従って行なった。 ◎:全くないしほとんど汚染物の染み出しが認められな
い。 ○:軽い染み出しは認められるものの実用的には問題な
し。 △:かなりの染み出しが確認できる。 ×:全面的に染み出しが見られ、塗装面の変色が著し
い。
【0069】表2中における(注11)塗膜ワレの評価
は下記基準に従って行なった。 ◎:全く塗膜ワレは認められない。 ○:わずかに微細な塗膜ワレが認められるが実用的には
問題なし。 △:かなりの塗膜ワレが認められる。 ×:塗膜ワレが著しい。
【0070】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−207125(JP,A) 特開 平5−59305(JP,A) 特開 昭63−108083(JP,A) 特開 昭57−3850(JP,A) 特開 平4−198285(JP,A) 特開 平5−59304(JP,A) 特開 平3−287671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル基含有共重合体水性エマルシ
    ョンおよび架橋剤として1分子当たり少なくとも2個の
    ヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物を樹脂主成
    分とし、樹脂固形分100重量部に対して、顔料分とし
    て、活性アルミナ及び/又は活性白土を10〜300重
    量部、及びさらに珪藻土を10〜100重量部含有する
    ことを特徴とるビニル壁紙改修用水性塗料。
  2. 【請求項2】 塗料中の全固形分に占める全顔料の体積
    割合(PVC)が15〜70%であることを特徴とする
    請求項1に記載のビニル壁紙改修用水性塗料。
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