JP3367241B2 - 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料 - Google Patents

低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料

Info

Publication number
JP3367241B2
JP3367241B2 JP30926794A JP30926794A JP3367241B2 JP 3367241 B2 JP3367241 B2 JP 3367241B2 JP 30926794 A JP30926794 A JP 30926794A JP 30926794 A JP30926794 A JP 30926794A JP 3367241 B2 JP3367241 B2 JP 3367241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
fine powder
transparent conductive
low
conductive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30926794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08165147A (ja
Inventor
年治 林
昌弘 関口
明 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP30926794A priority Critical patent/JP3367241B2/ja
Publication of JPH08165147A publication Critical patent/JPH08165147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3367241B2 publication Critical patent/JP3367241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低反射性・電磁シール
ド性透明導電膜とその形成用塗料に関する。本発明の透
明導電膜は、可視光反射率およびヘーズが低く、視認性
に優れているので、帯電防止および視認性 (視感度) 向
上のためにブラウン管に導電膜を形成するのに特に適し
ている。
【0002】
【従来の技術】TV用及びコンピュータその他の表示用
を含むブラウン管 (陰極線管) には、埃の付着防止のた
めの帯電防止性と、ヘーズの低減と反射による外部映像
の映りの防止により視認性を高めるための低反射性と
が、従来より付与されてきた。
【0003】低反射性については、画像表面をフッ酸で
微細凹凸処理することによって光を散乱させるノングレ
アー処理が行われてきた。しかし、この方法では視認性
及び解像度の向上には限界があるため、最近ではこれに
代わって、屈折率の異なる2層膜をブラウン管上に形成
する方法が採用され始めている。
【0004】即ち、ガラス基体の上に高屈折率導電膜
(下層) −低屈折率膜 (上層) の2層膜を形成し、高屈
折率膜と低屈折率膜との屈折率差を大きくすることによ
って、上層の低屈折率膜表面からの反射光を下層の高屈
折率膜との界面からの反射光との干渉によって打ち消す
のである。下層の高屈折率導電膜は、同時に帯電防止性
をも付与する。
【0005】この方法における高屈折率導電膜を、スパ
ッタリング法や蒸着法ではなく、透明導電性微粉末をシ
リケートに分散させた塗料を用いる安価な塗布法により
形成することが提案されている。
【0006】例えば、特開平5−290634号公報には、Sb
ドープ酸化錫 (ATO) 微粉末を界面活性剤を用いて分
散させたアルコール分散液をガラス基体に塗布し、乾燥
して、従来の導電性の屈折率 (1.50〜1.54) より高い屈
折率 (1.55〜2.0)を持った導電膜を形成し、その上にフ
ッ化マグネシウム (1.38) を含有していてもよいアルコ
キシシランから形成されたシリカ (1.45) の低屈折率膜
を形成することにって、反射率を0.7 %まで低減させた
積層膜が提案されている。
【0007】特開平6−12920 号公報には、基体側より
高屈折率層−低屈折率層における光学的膜厚nd (nd
= 1/4λ、λ:反射を最低にしたい光の波長、n:膜
厚、d:屈折率)を 1/2λ− 1/4λとした場合に低反射
膜となることが記載されている。この公報によれば、高
屈折率層はATOおよび/またはSnドープ酸化インジウ
ム (ITO) 微粉末、アルコキシシラン、In化合物、な
らびにSnおよび/またはTi化合物を含む塗料の塗布から
形成し、低屈折率層はジルコニウムアルコキシドを含有
していてもよいアルコキシシランから形成される。
【0008】特開平6−234552号公報には、ITO含有
シリケート高屈折率導電膜 (69〜86nm)−シリケートガ
ラス低屈折率膜 (97 nm)からなる 1/4λ− 1/4λとした
積層膜が開示されている。
【0009】特開平5−107403号公報には、導電性微粉
末とTi塩を含有する液を塗布して形成した高屈折率導電
膜と低屈折率膜との積層膜が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに提
案された上記の高屈折率導電体膜/低屈折率膜からなる
積層膜には、ブラウン管用としては次のような問題点が
ある。
【0011】(1) ブラウン管の視認性を高めるには、表
面の低反射膜のヘーズが0.5 %未満、可視光最低反射率
が0.5 %未満であることが要求されるが、上記の積層膜
はヘーズが0.5 %以上、反射率が0.7 %以上であって、
いずれも不十分であり、ブラウン管の視認性が悪化す
る。即ち、ヘーズにより映像の鮮明さが低下し、かつ外
部映像の映りにより映像が見えにくくなる現象の防止も
十分ではない。
【0012】(2) 上記積層膜の多くは、導電性が不十分
(106〜1010Ω/□) なため、特に最近問題となっている
コンピュータ用ブラウン管および高性能化した大型TV
ブラウン管から発生する電磁波の漏洩をシールドするの
に必要な低抵抗性(103〜105 Ω/□) を得ることができ
ない。即ち、導電性が帯電防止に必要な程度にとどまっ
ており、電磁シールド性を確保するには導電性が不十分
である。
【0013】(3) 電磁シールド性レベルまで低抵抗化を
達成した例 (特開平6−234552号公報、7.22×104 〜8.
92×104 Ω/□) もあるが、この場合にはヘーズが 0.6
〜2.8%と高すぎ、しかも光学的膜厚の 1/4λの条件か
ら大きく外れてしまう (導電層の膜厚襟: 160〜260 n
m) ため、可視光反射率が7%以上と著しく高く、ブラ
ウン管の光学的要求性能を満たすことができない。
【0014】(4) 透明導電膜を蒸着法、CVD法、スパ
ッタリング法などで形成すれば、可視光反射率とヘーズ
を十分に低下させることはできるが、コスト面および生
産性の面で塗布法に劣る。
【0015】塗布法により透明導電膜をブラウン管上に
形成する場合、次の、の条件が低抵抗化、低ヘーズ
化の障害となる。 加熱温度の制限:ブラウン管の寸法精度、蛍光体の脱
落防止のため、塗布後の加熱温度は250 ℃以下、好まし
くは200 ℃、さらに好ましくは180 ℃以下に制限され
る。
【0016】導電性微粉末による制限:塗布法により
形成された導電膜は、導電性微粉末が連続相 (バインダ
ー) 中に分散した不均質系の膜構造を有し、導電性微粉
末粒子間の接触抵抗 (粒界抵抗) があるため、低抵抗化
には限界がある。即ち、ITOやATOの連続相からな
る蒸着法などにより形成した導電膜に比べて、導電性は
低くなる。
【0017】塗布法による導電膜の低抵抗化を達成する
には、導電性微粉末粒子間の電子パスの障害となる絶縁
性バインダー成分を低減させることが考えられるが、膜
強度が低下し、実用上必要な膜の耐久性を得ることがで
きない。また、抵抗は導電性微粉末粒子間の接触圧力に
依存し、バインダー成分が少ないとこの接触圧力が低下
して、抵抗は上昇する。
【0018】バインダー成分を低減させても、塗布後の
焼付け温度を上昇させると、バインダーの収縮 (高密度
化) によって導電性微粉末粒子間の接触圧力が高まり、
或いは導電性微粉末粒子間の焼結により粒界が消失し
て、低抵抗化が可能となる。しし、それには300 ℃以上
の加熱温度が必要で、ブラウン管には適用できない。
【0019】導電膜を厚くする (150 nm以上) ことによ
っても低抵抗化が可能であるが、特開平6−234552号公
報に関して述べたように、低反射性を得ることができ
ず、ヘーズも増大する。また、膜厚の歪みが膜厚に比例
して大きくなり、色ムラが発生し易くなる。従って、視
認性が著しく低下する。
【0020】また、高硬度化と低反射性を付与するた
め、高屈折率導電膜の上に低屈折率膜をオーバーコート
するが、このオーバーコート層が絶縁性であるため、導
電性が阻害される。
【0021】以上の理由により、電磁シールド性を示す
レベルまで低抵抗化が達成され、かつブラウン管に必要
な低ヘーズ、低反射性を備えた低反射性・電磁シールド
性透明導電膜は未だ実現しえないのが現状である。
【0022】本発明の目的は、ブラウン管用に適した低
反射性、低ヘーズ性、低抵抗性を備えた導電膜、具体的
には可視光最低反射率が0.5 %未満、ヘーズが0.5 %未
満、表面抵抗値が105 Ω/□台以下の低反射性・電磁シ
ールド性透明導電膜と、この導電膜を形成するための塗
料とを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明により、基体上に
塗布するための第1液、および第1液の塗布で形成した
塗膜上に塗布するための第2液、からなる2液型の低反
射性・電磁シールド性透明導電膜形成用塗料が提供され
る。この塗料の第1液は、溶媒中に透明導電性微粉末が
分散している、粘度10 cps以下の分散液からなり、この
分散液はバインダーを含有せず、前記透明導電性微粉末
は、分散液中の含有量が1〜7重量%、分散液中での体
積基準粒度分布における90%累積粒径が0.180 μm以
下、50%累積粒径が0.050 μm以下であり、この塗料の
第2液は、塩酸および/または硝酸からなる酸触媒と水
の存在下に有機溶媒中で加水分解性有機シラン化合物を
加水分解・縮合させて得た、粘度が10 cps以下のシリカ
ゾル溶液からなり、前記酸触媒と水は、[H]/[Si]のモル
比が0.004〜0.100 、[H2O]/[Si]のモル比が 1.2〜5.5
(ここで、[H], [Si], [H2O]はそれぞれ、酸、アルコキ
シシラン、水の量である) となる量で使用され、前記シ
リカゾルの濃度はSiO2換算濃度で 0.5〜2.5 重量%であ
る。
【0024】この塗料の第1液を透明基体 (例、ブラウ
ン管) 上に塗布して導電層を形成し、この導電層上に上
記塗料の第2液を塗布し、加熱乾燥してオーバーコート
層を形成することにより、低反射性・電磁シールド性透
明導電膜を形成することができる。この透明導電膜は、
導電層の厚さが60〜300 nm、オーバーコート層の厚さが
20〜120 nmであることが好ましく、それにより第2液塗
布後の加熱温度が250℃以下で、可視光最低反射率が0.5
%未満、ヘーズが0.5 %未満、表面抵抗値が105 Ω/
□台以下の、視認性に優れた低反射性・電磁シールド性
透明導電膜を得ることができる。
【0025】本発明によれば、基体に塗布される第1液
は、溶媒と透明導電性微粉末を必須成分とし、バインダ
ーを含有しない、バインダーレス型の塗料液である。そ
れにより、基体上に導電性微粉末粒子が直接接触した、
粉末形態としては理想的な電子パスが行われる導電性微
粉末充填層が形成される。バインダーを含有している
と、各導電性微粉末粒子がバインダーで覆われるため、
粒子間の直接接触が阻害され、低抵抗化が困難となる。
【0026】上記の導電性微粉末充填層の上に、溶媒中
でアルコキシシランを加水分解・縮合させた得たシリカ
ゾル溶液を第2液としてさらに塗布すると、下層の充填
層の導電性微粉末の間隙に第2液が浸透する。それによ
り、粒子が直接接触した導電性微粉末充填層の構造を実
質的に保持したまま、その間隙に侵入したシリカゾルが
バインダーとなって導電性微粉末が結合され、十分な膜
強度を有する導電層が形成される。また、浸透しきれな
かった第2液は、この導電性の上にシリカからなるオー
バーコート層を形成し、高屈折率の導電層と低屈折率の
オーバーコート層の2層からなる低反射性の導電膜とな
る。
【0027】第2液の塗布後に塗膜を加熱して焼付ける
と、シリカが高密度化され、その体積収縮による応力に
よって、直接接触した導電性微粉末粒子間の接触圧力が
さらに高められ、目的とする低抵抗化が達成される。
【0028】しかも、第1液に用いる導電性微粉末の粒
度分布 (または比表面積) 、第2液に用いる有機シラン
化合物の加水分解・縮合反応生成物の反応条件やその液
中濃度、さらには第1液および第2液の粘度や塗布厚み
を特定することにより、硬度と密着強度が改善され、シ
リカ質のオーバーコート層を導電層の上に設けても、導
電性の低下が少なくなる。
【0029】また、後で実施例において説明するよう
に、本発明の低反射性・電磁シールド性透明導電膜は、
下層の導電層における導電性微粉末の厚み方向の含有量
の変化が、従来の積層膜に見られるように、導電性微粉
末を含有しない上層のオーバーコート層との界面から急
激な増大を見せるのではなく、緩やかな増大(導電性微
粉末の含有率が上層との界面から徐々に増大する)とい
う膜構造上の特徴を有する。この膜構造によって、シリ
カ質オーバーコート層が完全に絶縁化されることがなく
なり、導電層の膜厚を広範囲に変化させても、105 Ω/
□台以下の表面抵抗値を保持しながら、可視光最低反射
率が0.5 %未満、ヘーズが0.5 %未満の視認性に優れた
低反射性・電磁シールド性透明導電膜を得ることが可能
となる。
【0030】以下、本発明を構成要素ごとに詳しく説明
する。 [第1液]本発明の2液型導電膜形成用塗料の第1液は、
溶媒中に導電性微粉末が分散している分散液からなり、
バインダーを含有していない、バインダーレス塗料であ
る。
【0031】本発明において、「バインダー」とは、重
合体または重合や架橋によって重合体を形成する単量体
からなる皮膜形成成分を意味し、有機系、無機系を問わ
ない。即ち、有機ポリマーやモノマーに加えて、アルコ
キシシラン、クロロシランなどの金属酸化物皮膜を形成
する無機系バインダーをも含む意味である。従って、こ
の第1液は、ポリマー、モノマー、さらにはアルコキシ
シランなどを含むバインダーを含有していない。第1液
がバインダーを含有していると、前述したように、導電
性微粉末がバインダーで被覆されてしまうため、第1液
の塗布で形成された塗膜において導電性微粉末粒子の直
接接触が阻害され、低抵抗化が不十分となる。
【0032】このようなバインダーを含有していなくて
も、導電性微粉末を溶媒に分散させた分散液を基体に塗
布することで、導電性微粉末の凝集性を利用して、溶媒
の蒸発後に実質的に導電性微粉末のみからなる塗膜を形
成することができる。但し、この塗膜は強度が不十分で
あるので、第2液を塗布するのである。
【0033】導電性微粉末 第1液に用いる導電性微粉末の種類は特に制限されず、
従来より透明導電性塗料に用いられてきたものを使用す
ればよい。このような導電性微粉末の例としては、IT
O微粉末、ATO微粉末、ならびにAl、Co、Fe、In、Sn
およびTiから選ばれた1種もしくは2種以上の金属を含
有する酸化亜鉛微粉末が挙げられる。各導電性微粉末中
に含有させる他金属 (ドープ金属) の含有量は、金属元
素の合計量に対して、ITO微粉末 (ドープ金属はSn)
では1〜15原子%、ATO微粉末(ドープ金属はSb) で
は1〜20原子%、酸化亜鉛微粉末では1〜25原子%の範
囲が好ましい。特に好ましい導電性微粉末は、上記の中
で導電性が最も高いITO微粉末である。
【0034】導電性微粉末は、微細で、粒径が揃ってい
る必要がある。具体的には、分散液中で測定した体積基
準の粒度分布における90%累積粒径が0.180 μm以下、
50%累積粒径が0.050 μm以下である。即ち、導電性微
粉末の90体積%が粒径0.180μm以下であり、50体積%
が粒径0.050 μm以下である。
【0035】分散液の分散粒子の粒度分布は、例えばレ
ーザードップラー法により測定できる。この粒度分布の
測定結果から、測定した粉体集団の全体積を100 %とし
て累積カーブを作製し、この累積カーブの50体積%およ
び90体積%での最大粒径をそれぞれ50%累積粒径および
90%累積粒径とする。
【0036】透明導電性微粉末の粒径がこれより粗大に
なると、本発明の導電膜のヘーズおよび反射率が増大
し、ヘーズおよび可視光最低反射率が0.5 %を超える。
さらに、膜厚の不均一性が発生するため、色ムラ、視認
性の低下を生ずる。好ましくは、90%累積粒径が0.100
μm以下、50%累積粒径が0.045 μm以下である。
【0037】このような粒度分布を持った導電性微粉末
の比表面積は導電性微粉末の種類により異なる。例え
ば、ITO微粉末の場合には、上記粒度分布の微粉末の
比表面積はほぼ30 m2/g 以上になる。導電性微粉末の比
表面積の上限は限定されないが、導電性微粉末があまり
に微細になると粒子間の凝集力が高まるため、塗膜中に
粒子の凝集群 (塊) が発生する結果、ヘーズの上昇、膜
厚不均一性による色ムラ、および凝集群どうしの接触の
阻害による抵抗の上昇が起こる。その意味で、ITO微
粉末では比表面積が60 m2/g 以下のものを使用すること
が好ましい。即ち、ITO微粉末の比表面積は30 m2/g
以上であり、好ましくは60 m2/g 以下である。ATO微
粉末は一般にITO微粉末より表面積が大きいので、上
記粒度分布のATO微粉末の比表面積は通常は40 m2/g
以上であり、好ましくは90 m2/g 以下である。
【0038】このように微細で比表面積が大きく、比較
的粒径が揃った導電性微粉末を使用することにより、第
2液の塗布時の導電性微粉末の濡れ面積が大きくなり、
焼付け時のシリカの体積収縮による応力が大きくなっ
て、導電性微粉末粒子間の接触圧力が高まり、低抵抗化
が達成されるのである。
【0039】第1液の分散液中における導電性微粉末の
含有量は1〜7重量%の範囲内であり、好ましくは1〜
5重量%、さらに好ましくは1〜2.5 重量%である。第
1液がバインダーを含有していないため、最終的に導電
層となる第1液から形成される塗膜の膜厚は、導電性微
粉末の含有量に大きく依存する。導電性微粉末の含有量
が1重量%未満では、低抵抗化に必要な十分な膜厚の導
電層を形成することができず、導電性微粉末の含有量が
7重量%を超えると導電層の膜厚が大きくなりすぎて、
可視光最低反射率0.5 %未満を満たすことができなくな
る。
【0040】溶媒 溶媒は、導電性微粉末を分散させることができれば特に
制限されず、有機溶媒および水から選んだ1種もしくは
2種以上の溶媒を使用できる。使用可能な有機溶媒の例
としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノールなどのアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、4−ヒドロキシ−
4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、トルエン、
キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド
などのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シド類などが挙げられる。
【0041】好ましい溶媒は、アルコールを含有するア
ルコール性溶媒である。即ち、上記のような1種もしく
は2種以上のアルコールのみからなるか、或いは1種も
しくは2種以上のアルコールに、これと相溶する1種も
しくは2種以上の他の有機溶媒 (上記のケトン系溶媒が
好ましい) および/または水を混合したアルコール含有
混合溶媒のいずれかである。
【0042】溶媒、特にアルコール性溶媒には、少なく
とも1種の2−アルコキシエタノールまたはβ−ジケト
ンを含有させておくことが好ましい。2−アルコキシエ
タノールおよびβ−ジケトンは、導電性微粉末粒子間の
結合を強化する作用があり、第1液のバインダーレス塗
料の成膜性を高める。それにより、第1液の塗膜の成膜
精度が向上し、表面がより平滑になって、ヘーズや反射
率が低下した導電膜が得られる。
【0043】2−アルコキシエタノールの例としては、
2−メトキシエタノール、2-(メトキシエトキシ) エタ
ノール、2−エトキシエタノール、2-(n-, iso-)プロポ
キシエタノール、 2-(n-, iso-, tert-)ブトキシエタノ
ール等が挙げられ、β−ジケトンの例には、2,4-ペンタ
ンジオン (=アセチルアセトン) 、3-メチル-2, 4-ペン
タンジオン、3-イソプロプル-2, 4-ペンタンジオン、2,
2-ジメチル-3, 5-ヘキサンジオン等がある。β−ジケト
ンとしてはアセチルアセトンが好ましい。
【0044】その他の添加剤 第1液は、導電性微粉末と溶媒のみから構成したもので
もよいが、好適態様にあっては、さらに有機チタン化合
物および/またはその加水分解・縮合反応生成物を、導
電性微粉末に対して 0.1〜2.0 重量%の割合で存在させ
る。この有機チタン化合物は、膜補強剤として作用し、
第1液の塗布で形成された塗膜における導電性微粉末粒
子間において、一定した均一な結合性を与えるため、安
定した再現性に優れた抵抗を確保することができる。
【0045】導電性微粉末に対する有機チタン化合物の
量が0.1 重量%未満では、上記の効果を得ることができ
ず、この量が2.0 重量%を超えると、導電性微粉末粒子
間における電子パスが粗大されて、導電性が低下する。
有機チタン化合物の添加量は好ましくは 0.3〜1.5 重量
%である。
【0046】本発明で使用するのに適した有機チタン化
合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラキ
ス(2−エチルヘキソキシ) チタン、テトラステアロキシ
チタンなどのテトラアルコキシチタン類、ジイソプロポ
キシ・ビス (アセチルアセトナト) チタン、ジ−n−ブ
トキシ・ビス (トリエタノールアミナト) チタン、ジヒ
ドロキシ・ビス (ラクタト) チタン、チタン−i−プロ
ポキシオクチレングリコレート、チタンステアレート等
が挙げられる。
【0047】本発明で使用できる別の有機チタン化合物
は、チタンカップリング剤として知らる有機チタン化合
物である。チタンカップリング剤の例には、イソプロピ
ルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ
デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルト
リス (ジオクチルパイロホスフェート) チタネート、テ
トライソプロピルビス (ジオクチルホスファイト) チタ
ネート、テトラオクチルビス (ジトリデシルホスファイ
ト) チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−
1−ブチル) ビス (ジ−トリデシル) ホスファイトチタ
ネート、ビス (ジオクチルパイロホスフェート) オキシ
アセテートチタネート、トリス (ジオクチルパイロホス
フェート) エチレンチタネートなどがある。
【0048】有機チタン化合物が加水分解性 (例、テト
ラアルコキシチタン類) の場合には、加水分解・縮合生
成物として使用することもできる。好ましい有機チタン
化合物は、テトラアルコキシチタン類、および次の構造
式(1)〜(8) で示されるチタンカップリング剤である。
【0049】
【化1】
【0050】第1液の塗料組成物には、さらにバインダ
ー以外の任意添加成分を含有させることができる。かか
る添加成分の例には、界面活性剤 (カチオン系、アニオ
ン系、ノニオン系) 、pH調整剤 (有機酸または無機
酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチ
ル酸、塩酸、硝酸、過塩素酸等、或いはアミン) などが
ある。
【0051】第1液の調製 第1液は、溶媒に必要によりチタン化合物やその他の添
加剤を配合し、これに導電性微粉末を加えて、塗料の調
製に慣用されている分散・混合手段を利用して導電性微
粉末を溶媒中に分散させることにより調製することがで
きる。
【0052】得られた第1液は、粘度 (室温での粘度)
が10 cps以下となるように調整し、好ましくは液のpH
を 3.5〜7.0 の範囲内とする。pHが上記範囲外では、
第1液の安定性が低下し、導電性微粉末が凝集し易くな
り、均一な塗膜を形成できないことがある。粘度が10 c
psを超えると、塗膜の成膜精度が低下し、塗膜の平滑性
が低下する。好ましくは、pHが 4.5〜7、粘度が 4〜
8 cps である。
【0053】第1液のpHは、必要により、上記のよう
にpH調整剤として有機酸および/または無機酸を溶媒
に添加することで調整できる。粘度は、溶媒の種類や溶
媒量の調整、導電性微粉末の電荷調整 (界面活性剤、カ
ップリング剤処理も含む) 、あるいはpH調整剤、界面
活性剤、および溶媒の組合わせによる総合バランスによ
り調整できる。
【0054】[第2液]本発明の2液型導電膜形成用塗料
の第2液は、酸触媒と水の存在下に有機溶媒中で加水分
解性有機シラン化合物を加水分解・縮合させて得たシリ
カゾル溶液からなる。この有機シラン化合物の加水分解
・縮合生成物 (シリカゾル) が、バインダーレスの第1
液から形成した塗膜中に浸透して、導電性微粉末を結合
させるバインダーとして作用し、焼付け後に導電性微粉
末がシリカで緊密に結合された高屈折率の導電層を形成
するとともに、浸透しなかった分が、この導電層を覆う
低屈折率のシリカ質オーバーコート層を形成し、目的と
する低反射性が確保される。
【0055】加水分解性有機シラン化合物 シリカゾル合成の原料となる加水分解性有機シラン化合
物としては、テトラエトキシシラン (=エチルシリケー
ト) 、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシランなどのアルコキシシラン類;メチルトリクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロ
シランなどのクロロシラン類;さらにはtert−ブチルジ
メチルクロロシラン、 N,N−ビス (トリメチルシリル)
ウレア、 N,O−ビス (トリメチルシリル) アセトアミ
ド、ヘキサメチルジシラザン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、 N−β− (アミノエチ
ル) −γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−β
− (アミノエチル) −γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニ
ルトリス (β−メトキシエトキシ) シラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げ
られる。
【0056】また、これらの有機シラン化合物の部分加
水分解物、例えば、テトラエトキシシランを部分加水分
解したエトキシポリシロキサン、メチルジメトキシシラ
ンを部分加水分解したメトキシポリシロキサンなども、
シリカゾルの合成原料として使用できる。
【0057】有機溶媒 有機シラン化合物の加水分解・縮合反応に用いる有機溶
媒は、第1液に使用可能な有機溶媒と同様でよい。但
し、後述するように、シラン化合物の加水分解・縮合に
おいては水は反応成分であるので、溶媒に水は含まな
い。この場合も、好ましい有機溶媒はアルコールを含有
するアルコール性溶媒であり、より好ましくは少なくと
も1種の2−アルコキシエタノールまたはβ−ジケトン
を含有するアルコール性溶媒である。
【0058】シリカゾルの合成条件 第2液として用いるシリカゾルは、塩酸および/または
硝酸からなる酸触媒と水の存在下に有機溶媒中で加水分
解性有機シラン化合物を加水分解・縮合させて得たもの
であり、その際の酸触媒と水の使用量は、[H]/[Si]のモ
ル比が 0.004〜0.100 、[H2O]/[Si]のモル比が 1.2〜5.
5 (ここで、[H], [Si], [H2O]はそれぞれ、酸、アルコ
キシシラン、水の量である) の範囲内とする。こうして
合成したシリカゾルを、SiO2換算濃度で 0.5〜2.5 重量
%濃度、粘度10 cps以下に調整して第2液として使用す
ると、焼付け後に得られた導電膜において目的とする低
ヘーズ化、低反射率、低抵抗化が達成されるのである。
【0059】触媒として塩酸、硝酸以外の酸 (例えば、
リン酸、硫酸、または酢酸などの有機酸) を使用する
と、焼付け後に生成する導電膜の硬度、密着性が低下
し、シリカの密度が低下する。その上、導電層における
導電性微粉末の分布が、前述した緩やかに変化する好ま
しい構造にならず、オーバーコート層のシリカが完全に
絶縁化されるため、導電層の伝導電子を上部に伝達する
ことができなくなるため、導電性が低下する。
【0060】また、酸触媒が塩酸および/または硝酸で
あっても、酸と水の使用量が上記範囲より多くなると、
酸が多い場合には反射率と抵抗が増大し、水が多い場合
には反射率が増大し、酸や水が上記範囲より少ない場合
には、膜の硬度、密着性が劣り、いずれも低反射率、低
抵抗の目的を達成することができない。なお、酸触媒や
水の使用量は、シリカ膜の構造に影響し、これらが少な
いとシリカは線状構造となり、多くなると網目構造とな
り、さらに多くなると球状構造になると考えられる。
【0061】有機シラン化合物の加水分解・縮合は、室
温ないし加熱下で行うことができ、好ましい反応温度は
20〜80℃の範囲内である。反応後、必要に応じて溶媒
(この時には水も溶媒として使用できる) で希釈して、
得られたシリカゾル溶液の濃度をSiO2換算濃度で 0.5〜
2.5 重量%に調整して第2液として使用する。この濃度
調整後のシリカゾル溶液の粘度が10 cps以下となるよう
に、加水分解・縮合反応時間、溶媒の選択や配合量を制
御する。
【0062】第2液の濃度がSiO2換算濃度で0.5 重量%
未満では、導電性微粉末の結合やオーバーコート層の膜
厚が不十分となり、これが2.5 重量%を超えると成膜精
度が低下し、オーバーコート層の膜厚の制御がしにくく
なる。また、第2液の粘度が10 cpsを超えると、シリカ
ゾルが導電性微粉末中に十分に含浸しなくなり、導電性
が低下する上、成膜精度が低下して、オーバーコート層
の膜厚の制御も困難となる。第2液には、所望により浸
透性の調整のための界面活性剤などの添加剤を少量であ
れば添加することができる。
【0063】[低反射性・電磁シールド性透明導電膜の
形成方法]基体 本発明の低反射性・電磁シールド性透明導電膜を形成す
る基体は特に制限されず、低反射と電磁シールドを付与
することが望ましい任意の基体に適用することができ
る。好ましい基体は、TVやコンピュータ等の表示装置
として使用されるブラウン管 (CRTまたは陰極線管と
もいう) である。以下には、基体がブラウン管である場
合について説明する。
【0064】第1液の塗布 基体表面にまず、溶媒中に導電性微粉末が分散した第1
液を塗布し、溶媒を蒸発させて、最終的に導電層とな
る、導電性微粉末の皮膜を基体上に形成する。この第1
液の塗布は、スプレー法、スピンコート法、浸漬法など
によって行うことができ、成膜精度の点からスピンコー
ト法が最も好ましい。
【0065】第1液の塗布におけるスピンコートの回転
速度は、ブラウン管上への成膜性や膜特性を考慮して、
140〜200 RPM の範囲とすることが好ましい。140 RPM
未満または200 RPM 超では、不均一で成膜精度に劣った
膜が形成し易くなる。また、比較的寸法が大きく、重量
の大きいブラウン管を200 RMP より高速で回転させるに
は、設備上の問題も出てくる。、回転は、見かけ上、溶
媒が蒸発した時点で終了すればよい。回転時間は一般に
は45〜90秒であり、それ以上の時間をかけても問題はな
いが、生産効率上は長くても180 秒以内が好ましい。
【0066】本発明によれば、1〜7重量%の導電性微
粉末を含有する、粘度10 cps以下の分散液を第1液とし
て使用することで、上記の回転速度でのスピンコート法
により、60〜300 nmの厚みの導電性微粉末皮膜を高い成
膜精度で形成することができる。この膜厚は、好ましく
は60〜150 nmである。
【0067】第1液の塗布量 (溶媒を含む付着量) は、
ブラウン管の被覆面を完全に覆う量であればよいが、通
常は少なくとも100 g/m2、好ましくは200 g/m2、より好
ましくは400 g/m2以上となる。
【0068】第2液の塗布 第1液の塗布により形成された導電性微粉末皮膜の上
に、シリカゾル溶液からなる第2液を塗布し、シリカゾ
ルを導電性微粉末皮膜中に含浸させると同時に、この皮
膜上にオーバーコート層を形成する。このシリカゾルの
含浸により、導電性微粉末の基体への密着性と微粉末粒
子間の結合が付与される。
【0069】この第2液の塗布もスプレー法、スピンコ
ート法、浸漬法等によって行うことができるが、第1液
と同様、成膜精度の点からスピンコート法が好ましい。
第2液のスピンコートは、第1液のスピンコートの終了
後、同じスピンコーターに載せたまま引き続いて行うこ
とが、生産効率上は好ましい。その場合には、スピンコ
ートの回転速度は第1液の時と同じにすることが有利で
あり、回転時間もほぼ同様でよい。粘度が10 cps以下、
濃度がSiO2換算濃度で 0.5〜2.5 重量%の第2液を使用
することにより、スピンコート法により、焼付け後に20
〜120 nmの膜厚のシリカ質オーバーコート層を形成する
ことができる。この膜厚は、好ましくは30〜110 nmであ
る。
【0070】第2液の塗布量 (溶媒を含む付着量) も、
第1液と同様、ブラウン管の被覆面を完全に覆う量であ
ればよく、通常は少なくとも100 g/m2、好ましくは200
g/m2、より好ましくは400 g/m2以上である。
【0071】第1液と第2液を塗布して成膜を終了した
後に焼付けを行い、シリカゾルをシリカに変換させる。
その際の体積収縮によって、導電性微粉末粒子間の接触
圧力が増大し、低抵抗で高屈折率の導電層と、その上の
低屈折率、高硬度シリカ質のオーバーコート層の2層か
らなる、本発明の低反射性・電磁シールド性透明導電膜
が基体上に形成される。
【0072】焼付け温度は、基体がブラウン管の場合に
は、前述した理由で250 ℃以下、好ましくは200 ℃以
下、さらに好ましくは180 ℃以下とする。より高温に加
熱できる基体の場合には、250 ℃より高温で焼付けを行
ってもよい。焼付け温度は150℃以上とすることが好ま
しく、150 ℃より低温では、密着性、硬度、さらには低
抵抗化が不十分となることがある。焼付け時間は、好ま
しくは10〜60分、さらに好ましくは20〜40分である。こ
れ以上の長時間はブラウン管の生産効率面から好ましく
ない。
【0073】本発明の塗料系は2液型であるが、1台の
スピンコーター上で順に第1液と第2液を滴下すること
により連続的に塗布を実施できるため、実質的には1工
程と同様の、単純な作業工程で実施することができる。
【0074】こうして形成された本発明の低反射性・電
磁シールド性透明導電膜の厚み方向の断面での膜構造を
調査した結果、下層の導電層における導電性微粉末の分
布が、上層のオーバーコート層 (導電性微粉末が存在し
ない) との界面から急激な増大を見せるのではなく、緩
やかに増大することが判明した。この膜構造が得られる
ことによって、導電層の厚さが60〜300 nmと広い範囲内
で変化しても、可視光最低反射率が0.5 %未満、ヘーズ
も0.5 %未満、表面抵抗値が105 Ω/□台以下という、
低抵抗で視認性に優れた低反射性・電磁シールド性透明
導電膜を得ることが可能になると推測される。
【0075】
【実施例】
(第1液の調製)表3に組成をまとめて示すように、下記
表1に示す透明導電性微粉末、場合により有機チタン化
合物、および溶媒 (表3には下記の < > 内の番号また
は記号で記載) を使用して、第1液を調製した。これら
の成分を表3に示す配合比となるように、合計量を60g
として100 ccのガラス瓶に入れ、直径0.3 mmのジルコニ
アビーズ (ミクロハイカ、昭和シェル石油製) 100 gを
用いてペイントシェーカーで6時間分散することによ
り、各第1液の塗料を得た。
【0076】表3のpHは、第1液の調製終了後にpH
メーターで測定した結果を示す。なお、pH調整は、成
分調合時に、60%硝酸をエタノールで濃度2.0 重量%に
希釈した硝酸溶液を添加して行った。第1液および第2
液の粘度はE型粘度計 (形式ELD:トキメック製) を
用いて室温下で測定した値である。
【0077】また、表3の粒度分布は、第1液の調製終
了後に、レーザードップラー法 (周波数解析方式) によ
るマイクロトラックUPA粒度分析計 (日機装社製) に
よって測定し、測定した粉体集団の全体積を100 %とし
て累積カーブを作製し、この累積カーブの50体積%およ
び90体積%での最大粒径をそれぞれ50%累積粒径および
90%累積粒径として求めた。なお、50%累積粒径は塗料
中に二次凝集体として分散している導電性微粉末の中心
粒径 (平均粒径) である。
【0078】透明導電性微粉末 次の表1に示す組成、比表面積および平均一次粒子径の
ITOまたはATO微粉末を使用した。
【0079】
【表1】
【0080】有機チタン化合物
【0081】<a>
【化1】の(1) 式で示されるチタンカップリング剤
【0082】<b>
【化1】の(2) 式で示されるチタンカップリング剤 <c> テトラステアロキシチタン <d> チタニウムテトライソプロポキシド/イソプロパ
ノール/水/塩酸 (重量比=10:50:10:1) を反応さ
せた加水分解・縮合生成物。
【0083】シリカ 従来例で有機チタン化合物の代わりに使用したシリカ
は、テトラエトキシシラン(エチルシリケート)の加水
分解・縮合物であり、これは皮膜形成性を有するバイン
ダーの1種である。
【0084】溶 媒 <ア> エタノール/イソプロパノール/ブタノールの混
合溶媒(重量比=4:4:1) <イ> 混合溶媒 <ア> にアセチルアセトンを混合(重量比
=99:1) <ウ> イソプロパノール/2-iso-プロポキシエタノール
の混合溶媒(重量比=80:20) <エ> 水/エタノール/4−ヒドロキシ−4−メチル−
エチル−2−ペンタノン/2−エトキシエタノールの混
合溶媒(重量比=85:10:2:8) 。
【0085】(第2液の調製)第2液の調製は、下記の方
法により異なる条件下で合成したシリカゾルを各溶媒で
希釈して、表3に示すSiO2換算濃度に調整することによ
り行った。第2液の成分または条件についても、表3に
は下記の < > 内の番号または記号で記載してある。
【0086】シリカゾル合成方法 500 mLの4ツ口フラスコに水冷コンデンサー、テフロン
製攪拌プロペラ、および温度調節用の熱電対とマントル
ヒーターを取り付け、SiO2換算濃度で10重量%になるよ
うに、原料のアルコキシシランもしくはその加水分解
物、イオン交換水、酸触媒、および溶媒のエタノールを
合計で250 g加え、200 RPM の攪拌下、60℃で1時間反
応させてシリカゾルを合成した。
【0087】アルコキシシラン <e> テトラエトキシシラン <f> エトキシポリシロキサン SinOn-1(C2H5O)2(n+1):n=4〜6 (平均) <g> メトキシポリシロキサン SinOn-1(CH3O)2(n+1) :n=3〜5 (平均) <h> テトラn-プロポシキシラン。
【0088】合成条件 下記のA〜Eで示される合成条件 ([H], [Si], [H2O]は
それぞれ、酸、アルコキシシラン、水の量) 。 <A> [H]/[Si]=0.050 、[H2O]/[Si]=2.5 <B> [H]/[Si]=0.006 、[H2O]/[Si]=4.0 <C> [H]/[Si]=0.095 、[H2O]/[Si]=1.4 <D> [H]/[Si]=0.080 、[H2O]/[Si]=7.0 <E> [H]/[Si]=0.200 、[H2O]/[Si]=4.5酸触媒 表3に示したように、塩酸、硝酸、燐酸、酢酸を使用し
た。
【0089】溶 媒 (シリカゾルの希釈用) <オ> エタノール/イソプロパノール/ブタノールの混
合溶媒(重量比=5:8:1) <カ> 混合溶媒 <オ> に2−メトキシエタノールを混合
(重量比=9:1) <キ> イソプロパノール/4−ヒドロキシ−4−メチル
−2−ペンタノン/2-iso-プロポキシエタノール/アセ
チルアセトンの混合溶媒(重量比=98:2:15:1) 。
【0090】(成膜方法)基体として100 mm×100 mm×厚
さ3mmの寸法のソーダライムガラス (青板ガラス) を使
用し、この基体上にスピンコーターを用いて第1液と第
2液を下記表2に示す条件下で順に滴下して成膜した
後、大気中において170 ℃で30分間の焼付けを行って皮
膜を硬化させ、導電層とオーバーコート層とからなる導
電膜を基体上に形成した。
【0091】
【表2】
【0092】(膜特性の評価)膜 厚 各層の膜厚はSEM断面により測定した。ヘーズ ヘーズはヘーズメーター (HGM-3D:スガ試験機製) によ
り測定した。
【0093】反射率 反射率は、ガラスサンプルの背面に黒色ビニールテープ
(No.21:日東電工) を貼り、50℃で30分保温してブラッ
クマスクを形成した後、自記分光光度計 (U-4000 形:
日立製作所) によって12°の正反射による可視光最低反
射率を測定した。なお、可視光最低反射率とは、視感度
の高い 500〜600 nmをボトムとする反射率を示す。表面抵抗 表面抵抗値は、四探針法 (ロレスタAP:三菱油化製) に
より測定した。
【0094】ESCA分析 得られた導電膜の厚み方向におけるInとSiの含有率の変
動を、表面から膜を一定速度でアルゴンスパッタリング
によりエッチングして除去しながら、ESCA850 形
(島津製作所) を使用して追跡した。Arスパッタ条件
は、サンプルの表面から加速電圧2KV (25mA) でエッチ
ングし、測定条件は、MgK α線を使用して、加速電圧8
KV (30 mA)、0.1 eV/step 、および 300 msec/stepの3
回積算を行った。
【0095】以上の試験結果も表3に併せて示す。ま
た、試験No. 5 (本発明例) 、8 (比較例) および12
(従来例) のESCA分析結果 (導電膜の厚み方向のIn
とSiの含有率変化) を、それぞれ図1、2、および3に
示す。
【0096】
【表3】
【0097】表3からわかるように、本発明例では、下
層の導電層の膜厚が64〜280 nmの広い範囲にわたってい
る(1/4λから大きくはずれる場合がある) にもかかわら
ず、得られた導電膜は0.5 %未満の可視光最低反射率、
0.5 %未満のヘーズ、および105 Ω/□台以下の表面抵
抗値を示し、視認性に優れた低反射性・電磁シールド性
透明導電膜が得られている。これに対し、比較例や従来
例では、反射率、ヘーズ、導電性の少なくとも1つが低
下した。
【0098】また、図1に示すように、本発明例の導電
膜では、下層の導電層におけるIn含有率で示されるIT
O微粉末の分布が、上層 (In含有率が0原子%の範囲)
との境界から緩やかに増大し、これに対応して、Si含有
率 (導電膜のバインダーとなるシリカの含有率) が緩や
かに減少して、いずれも導電層における定常値に達す
る。
【0099】一方、図2および図3に示す比較例および
従来例の導電膜ではいずれも、下層の導電層のITO微
粉末の含有率は、上層との境界から急激に増大して定常
値に到達し、これに対応してSi含有率も上層の境界から
急激に減少している。即ち、導電層とシリカ層との境界
がより明確に分かれている。
【0100】
【発明の効果】本発明により、塗布法によりブラウン管
表面に可視光最低反射率が0.5 %未満、ヘーズが0.5 %
未満、表面抵抗値が105 Ω/□台以下という、低反射性
・電磁シールド性透明導電膜を低コストで形成すること
が可能となる。それにより、ブラウン管の視認性と電磁
シールド性が向上し、映像が見やすくなるだけでなく、
電磁波の漏洩による人体への悪影響やコンピュター誤動
作の防止にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低反射性・電磁シールド性透明導電膜
の厚み方向におけるInとSiの含有率の変動を示す図であ
る。
【図2】比較例の低反射性・電磁シールド性透明導電膜
の同様なInとSiの含有率の変動を示す図である。
【図3】従来例の低反射性・電磁シールド性透明導電膜
の同様なInとSiの含有率の変動を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 29/28 H01J 29/28 (56)参考文献 特開 平7−37494(JP,A) 特開 平6−196110(JP,A) 特開 平4−155732(JP,A) 特開 平8−102227(JP,A) 特開 平7−315881(JP,A) 特開 平6−234552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/00 - 183/16 C03C 17/34 - 17/42 C09D 5/24 H01B 5/14 H01J 9/20 - 9/233 H01J 29/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に塗布するための第1液、および
    第1液の塗布で形成した塗膜上に塗布するための第2
    液、からなる2液型の低反射性・電磁シールド性透明導
    電膜形成用塗料であって、 前記第1液は、溶媒中に透明導電性微粉末が分散してい
    る、粘度10 cps以下の分散液からなり、この分散液はバ
    インダーを含有せず、前記透明導電性微粉末は、分散液
    中の含有量が1〜7重量%、分散液中での体積基準粒度
    分布における90%累積粒径が0.180 μm以下、50%累積
    粒径が0.050 μm以下であり、 前記第2液は、塩酸および/または硝酸からなる酸触媒
    と水の存在下に有機溶媒中で加水分解性有機シラン化合
    物を加水分解・縮合させて得た、粘度が10 cps以下のシ
    リカゾル溶液からなり、前記酸触媒と水は[H]/[Si]のモ
    ル比が 0.004〜0.100 、[H2O]/[Si]のモル比が 1.2〜5.
    5 (ここで、[H], [Si], [H2O]はそれぞれ、酸、アルコ
    キシシラン、水の量である) となる量で使用され、前記
    シリカゾルの濃度はSiO2換算濃度で 0.5〜2.5 重量%で
    ある、ことを特徴とする、低反射性・電磁シールド性透
    明導電膜形成用塗料。
  2. 【請求項2】 前記透明導電性微粉末が、比表面積30〜
    60 m2/g の錫ドープ酸化インジウム微粉末である、請求
    項1記載の低反射性・電磁シールド性透明導電膜形成用
    塗料。
  3. 【請求項3】 前記第1液が、有機チタン化合物および
    その加水分解・縮合生成物よりなる群から選ばれた1種
    もしくは2種以上を、前記透明導電性微粉末に対して
    0.1〜2.0 重量%の量で含有する、請求項1または2記
    載の低反射性・電磁シールド性透明導電膜形成用塗料。
  4. 【請求項4】 前記第1液および第2液の溶媒がいずれ
    も、アルコールを含有するアルコール性溶媒である、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の低反射性・電磁シー
    ルド性透明導電膜形成用塗料。
  5. 【請求項5】 前記第1液および第2液の一方または両
    方のアルコール性溶媒が、2−アルコキシエタノールお
    よびβ−ジケトンよりなる群から選ばれた1種または2
    種以上を含有する、請求項4記載の低反射性・電磁シー
    ルド性透明導電膜形成用塗料。
  6. 【請求項6】 透明基体上に、前記第1液を塗布するこ
    とにより形成された導電層と、この導電層上に前記第2
    液を塗布し、加熱乾燥することにより形成されたオーバ
    ーコート層とを備えた、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の塗料から形成された低反射性・電磁シールド性透
    明導電膜。
  7. 【請求項7】 基体がブラウン管であり、前記加熱乾燥
    が250 ℃以下の温度で行われた、請求項6記載の低反射
    性・電磁シールド性透明導電膜。
  8. 【請求項8】 前記導電層の厚さが60〜300 nm、前記オ
    ーバーコート層の厚さが20〜120 nmであり、0.5 %未満
    の可視光最低反射率、0.5 %未満のヘーズ、および105
    Ω/□台以下の表面抵抗値を示す、視認性に優れた請求
    項6または7記載の低反射性・電磁シールド性透明導電
    膜。
JP30926794A 1994-12-13 1994-12-13 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料 Expired - Lifetime JP3367241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30926794A JP3367241B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30926794A JP3367241B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165147A JPH08165147A (ja) 1996-06-25
JP3367241B2 true JP3367241B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=17990942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30926794A Expired - Lifetime JP3367241B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3367241B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5938979A (en) * 1997-10-31 1999-08-17 Nanogram Corporation Electromagnetic shielding
JP2001131485A (ja) * 1999-10-29 2001-05-15 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 透明導電性膜形成用塗料及び透明導電性膜
CN1204568C (zh) * 1999-12-28 2005-06-01 Tdk株式会社 透明导电膜及其制造方法
JP4491910B2 (ja) * 2000-05-19 2010-06-30 Tdk株式会社 多層機能性膜及びその製造方法
KR100544429B1 (ko) * 2001-04-09 2006-01-24 주식회사 포스코 전자파 차폐용 수지코팅재 및 저탄소 수지코팅 강판
WO2003049123A1 (en) * 2001-12-05 2003-06-12 Asahi Glass Company, Limited Conductive film, manufacturing method thereof, substrate having the same
JP5600457B2 (ja) * 2010-03-26 2014-10-01 パナソニック株式会社 透明導電膜付き基材
JP2015069913A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 三菱マテリアル株式会社 表面処理されたito導電膜及びその製造方法
CN115368763B (zh) * 2022-08-22 2023-08-01 浙江大学杭州国际科创中心 一种用于制备透明保温隔热薄膜的改性硅溶胶的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08165147A (ja) 1996-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100236154B1 (ko) 투명 도전막 형성용 도포액, 이것을 이용한 투명 도전막 및 그 형성 방법
JP4031624B2 (ja) 透明被膜付基材、透明被膜形成用塗布液、および表示装置
US6777069B2 (en) Transparent film-coated substrate, coating liquid for transparent film formation, and display device
KR19990029225A (ko) 투명 도전성 막 및 그 막을 형성하기 위한 조성물
JP3367241B2 (ja) 低反射性・電磁シールド性透明導電膜とその形成用塗料
JPH09263716A (ja) 導電性に優れた透明導電膜用オーバーコート組成物
JP3399270B2 (ja) 透明導電膜およびその形成用組成物
JP2001332123A (ja) 導電性顔料粉末及びこれを用いて作られた透明導電膜
JP3399268B2 (ja) 透明黒色性導電膜
JP3460484B2 (ja) 透明導電膜
JPH07242842A (ja) 透明導電膜形成用組成物および透明導電膜
JPH0570178A (ja) 熱線反射膜及びその製造方法
JPH09176527A (ja) 紫外線および/または赤外線遮断膜とその形成用塗料および形成方法
JP3002327B2 (ja) 導電性・高屈折率膜形成用塗料及び導電性・高屈折率膜付き透明材料積層体
JP3152070B2 (ja) 透明導電膜形成用組成物
JP3451808B2 (ja) 低反射性透明導電膜とその形成方法
JP3266066B2 (ja) 保存安定性に優れた金属微粒子含有導電膜形成用組成物
JPH0953030A (ja) 透明導電塗料及び透明導電膜
JP3266065B2 (ja) 金属微粒子からなる透明導電膜とその形成用組成物
KR100420049B1 (ko) 투명 도전막의 보호막 형성용 조성물 및 이를 이용하여 제조되는 보호막의 제조방법
JP3323563B2 (ja) 導電性・低反射率コート膜付き透明材料積層体
JPH1045427A (ja) 暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色系透明導電膜
JP6238683B2 (ja) 導電性粒子
JP2004181735A (ja) 被膜形成品及びその製造方法
JPH06119816A (ja) 透明導電膜及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021008

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111108

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131108

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term