JP3323563B2 - 導電性・低反射率コート膜付き透明材料積層体 - Google Patents

導電性・低反射率コート膜付き透明材料積層体

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JP3323563B2 JP34611092A JP34611092A JP3323563B2 JP 3323563 B2 JP3323563 B2 JP 3323563B2 JP 34611092 A JP34611092 A JP 34611092A JP 34611092 A JP34611092 A JP 34611092A JP 3323563 B2 JP3323563 B2 JP 3323563B2
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徹 元木
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止・高屈折率膜
形成用塗料及び、それを用いて得られる帯電防止・高屈
折率膜付き透明材料積層体に関する。更に詳しく述べる
ならば、本発明は、ディスプレー装置の表示面、その表
面カバー材料、窓ガラス、ショーウィンド用ガラス、T
Vブラウン管表示面、液晶装置の表示面、計器のカバー
ガラス及びCRTの前面映像面などのように、静電気帯
電防止及び映り込みの防止を必要とする透明材料表面の
塗装に有用な帯電防止・高屈折率膜形成用塗料及び、そ
れを用いて得られる帯電防止・高屈折率膜付き透明材料
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に画像表示用透明材料、例えばTV
ブラウン管の画像表示部には静電気が帯電し易く、この
静電気によりほこりが表示面に付着するという問題点が
知られている。また、前記画像表示面では、外部の光が
反射し、または外部影像が映り、表示面の画像を不明瞭
にするなどの問題点も知られている。
【0003】前記の問題点を解決するために、従来、透
明基材の表面に、アンチモンをドープされた酸化錫の微
粒子と、シリコンアルコキシドの加水分解生成物との混
合物の非水性溶媒分散液を塗布し、乾燥して、帯電防止
膜層を形成し、前記帯電防止膜上に、それよりも屈折率
の低い膜層を形成することが行なわれている。この低屈
折率層は、通常シリコンアルコキシドの加水分解生成
物、即ち、シリカにより形成されている。この場合、従
来の帯電防止膜層の屈折率は、n=1.50〜1.54
程度であって、シリコンアルコキシドの加水分解生成物
(シリカ)により形成される低屈折率膜層の屈折率(n
=1.46)との差が小さく、従って、従来の帯電防止
膜層と低屈折率膜との組合わせにより反射防止性が不十
分であった。
【0004】また、前記のような従来の帯電防止膜層に
おいて、導電性の向上及び屈折率の増大を目的として、
バインダーを少なくすることが試みられたが、膜強度の
劣化及び超微粒子アンチモンドープ酸化錫の成膜時の凝
集という問題を生じ、実用化に至らなかった。また、帯
電防止膜層中に配合する高屈折率の超微粒子であるアン
チモンドープ酸化錫の量を増やせなかった関係上、従来
は、これに代わるものとしてチタンのアルコキシドなど
を用いることが提案されたが、この場合、低温(200
℃以下)では、実用的に十分な強度のある膜が得られ
ず、400℃以上の焼付けが必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従って、上
記の問題点を解決するためになされたもので、透明材料
面上に、帯電防止性にすぐれ、超微粒子の凝集が少な
く、且つ低屈折率膜層に対する密着性が良好な膜層を容
易に且つ安価に形成することができる帯電防止・高屈折
率形成用塗料及びそれを用いて得られる帯電防止・高屈
折率膜付き透明材料積層体、特に帯電防止・高屈折率膜
層と、その上に形成された低屈折率膜層とを有する透明
材料積層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、1〜100nm
の平均粒径を有するアンチモンドープ酸化錫の微粉末と
シリコンオイルとチタニウムラクテートとを含む導電
性、高屈折率膜形成用塗料を提供する。そして、シリコ
ンオイルとチタニウムラクテートとの合計とアンチモン
ドープ酸化微粉末との比率が、0.01〜5重量部対9
5〜99.99重量部であることが好適である。また、
溶媒として水を含むものが好適である。そして、透明基
材と、この透明基材の表面上に、上記の導電性、高屈折
率膜形成用塗料を塗布し、乾燥して形成された導電性、
高屈折率膜層と、この導電性、高屈折率膜層の上に形成
され、且つ、この導電性、高屈折率膜層の屈折率より
も、0.15以上低い屈折率を有する低屈折率膜層とを
含んでなることを特徴とする導電性、低反射率コート膜
付き透明材料積層体を提供する。また、低屈折率膜層
は、シリコンアルコキシドと非水溶媒とを含む塗料を、
前記導電性、高屈折率膜層上に塗布乾燥し、これに焼付
け処理を施して形成されたものが好適である。シリコン
アルコキシドと非水溶媒とを含む塗料が、更に、フッ化
マグネシウム微粉末を分散含有している導電性、低反射
率コート膜付き透明材料積層体が好適である。フッ化マ
グネシウムの微粉末が、1〜100nmの平均粒径を有
する導電性、低反射率コート膜付き透明材料積層体が好
適である。
【0007】
【作用】本発明は、アンチモンドープ酸化錫微粉末用充
填剤を用いることにより、前記の課題を解決しうること
を見出し、それに基づいて完成されたものである。即
ち、本発明に係わる帯電防止・高屈折率膜形成用塗料
は、アンチモンドープ酸化錫微粉末と充填剤との混合物
を含む水系分散液からなる。そして、高屈折率膜付き透
明材料積層体は、透明基材と、この透明基材の表面上
に、アンチモンドープ酸化錫微粉末と充填化剤との混合
物を含有する水系分散液からなる塗料を塗布し乾燥して
形成された帯電防止・高屈折率膜層とその上に形成さ
れ、かつその屈折率よりも、0.15以上低い屈折率を
有する低反射率コート膜とを含んでなる。
【0008】本発明の帯電防止・高屈折率膜層形成用塗
料に用いられるアンチモンドープ酸化錫微粉末−充填化
剤の混合物において、アンチモンドープ酸化錫微粉末の
含有量と充填化剤の含有量(有効成分の含有量)の割合
は、95〜99.99:5〜0.01である範囲が好適
である。アンチモンドープ酸化錫微粉末の含有量の混合
物全重量に対する割合は、95/5未満になると、充填
化剤が相対的割合が過度であるために、得られる膜層の
機械的強度が不十分になる。また、その割合が、99.
99/0.01より大きくなると、充填化剤の含有量が
過少になり、得られる帯電防止・高屈折率膜層の屈折率
が十分に上がらない。
【0009】シリコンアルコキシドを含む従来の帯電防
止膜形成用塗料においては、アンチモンドープ酸化錫微
粉末の含有量は、それとシリコンアルコキシド(SiO
2 )との合計重量に対し、80重量%未満であることが
一般的であった。これは、アンチモンドープ酸化錫微粉
末の含有量を、それとシリコンアルコキシド(SiO
2 )との混合物の全重量に対し80重量%以上にすると
アンチモンドープ酸化錫微粉末の分散度が低下し、均一
な塗布膜を形成し得なくなるからである。
【0010】然し乍ら、本発明においては、水系分散液
に充填化剤を用いることにより生成膜中のアンチモンド
ープ酸化錫微粉末を均一に充填させることが可能になっ
た。このため、本発明の塗料を用いて得られる帯電防止
・高屈折率膜層は、優れた帯電防止効果を示すばかりで
なく、n=1.60〜2.0という高い屈折率を具備す
ることが可能になったのである。従って、その上に形成
される低屈折率膜層の屈折率(一般的にn=1.45以
下)と、この帯電防止・高屈折率膜層の屈折率との差
を、0.15以上とすることが可能になり、このため、
本発明により得られる帯電防止・高屈折率膜層と低屈折
率膜層との組合わせは、すぐれた反射防止性を示すもの
である。
【0011】即ち、低屈折率膜層表面からの反射光を高
屈折率を有する帯電防止・高屈折率膜層と、低屈折率膜
層との界面からの反射光の干渉により、打ち消すことが
でき、それにより、反射防止効果を従来技術と比較して
かなり高めることができる。
【0012】本発明に用いられ得るアンチモンドープ酸
化錫微粉末において、その酸化錫は、気相法、CVD
法、水熱法及び炭酸塩法などのいずれの既知の方法によ
って製造されたものでも良い。また、その微粒子の形状
にも格別の制限はなく、球状、針状、板状及び鎖状など
いずれのものも用いることができる。また、酸化錫に対
するアンチモンのドープの方法及びドープされているア
ンチモンの量には、格別の制限はないが、一般的に、酸
化錫の重量に対して1〜5重量%であることが好適であ
る。これにより、酸化錫粉末は、その帯電防止効果及び
電磁波遮蔽効果などを一層増進させることができる。
【0013】本発明に用いられるアンチモンドープ酸化
錫微粉末は、1〜100nmの平均粒径を有することが
好適である。平均粒径が1nm未満では、その導電性が
低く、且つ粒子が凝集し易くなり、塗料中において、そ
の均一な分散が困難になり、塗料の粘度が増大する。こ
の粘度を下げるには、多量の分散溶媒の添加が必要にな
ることがある。また、アンチモンドープ酸化錫微粉末の
平均粒径が100nmより大きくなると、得られる帯電
防止、高屈折率膜層において、レイリー散乱により光が
著しく乱反射され、白く見えるようになって透明度が低
下する。
【0014】アンチモンドープ酸化錫微粉末と充填化剤
との混合物を分散する分散媒体は、主に水が好適であ
り、生成膜の膜質を良好にするために、5〜20重量%
の高沸点有機溶剤(b.p.100℃以上)を添加する
ことが好適である。また、水系分散液中の固形分濃度
は、0.5〜5重量%(SnO2 換算)の範囲が好適で
ある。 本発明に用いられる充填化剤については、微粒
子に親水効果を与える充填化剤であればどのようなもの
でも使用でき、例えば、陰イオン、陽イオン、非イオン
系界面活性剤、及びアミノ変性、エポキシ変性、カルボ
キシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メル
カプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性、メチ
ルスチリル変性、アルキル変性、エステル変性、アルコ
キシ変性、フッ素変性などのシリコンオイル、チタニウ
ムラクテート、テトラアセタセテート、トリエタノール
チタネート、チタニウムアセチルアセネート、チタニウ
ムエチルアセテート、トリエタノールアミンチタネー
ト、チタニウムアセトネート、チタニウムエチルアセテ
ート、オクチレングリコールチタネートなどの有機チタ
ネートなどが使用することができる。特に、高屈折率性
の点で優れている有機チタネートが望ましい。この充填
化剤を添加することにより、従来の塗布型アンチモン含
有酸化錫では、得ることが困難であった高屈折率1.7
以上が、200℃以下の焼成温度で容易に得ることが可
能となった。
【0015】本発明の導電性・低反射率コート膜付き透
明材料積層体において、透明基材上に形成される帯電防
止・高屈折率膜層の厚さ、又は重量に格別の制限はない
が、一般的に、0.05〜0.2μmの厚さを有するこ
とが好適である。本発明の塗料を用いて形成された帯電
防止・高屈折率膜層の上には、低屈折率膜層が形成され
る。低屈折率膜層は帯電防止・高屈折率膜層表面におけ
る空隙を充填し、乱反射を抑制し、その耐擦傷性を向上
させるに有効なものである。
【0016】低屈折率膜層は、シリコンアルコキシドを
含む非水溶媒溶液からなる塗料を帯電防止・高屈折率膜
層上に塗布乾燥し、これに焼付け処理を施して形成する
ことができる。上記の低屈折率膜層形成用塗料に用いら
れるシリコンアルコキシドは、テトラアルコキシシラン
系化合物、アルキルトリアルコキシシラン系化合物、ジ
アルキルジアルコキシシラン系化合物などから選択する
ことができる。これらの化合物の中でも反応性及び安全
性の見地からテトラエトキシシランが好適である。非水
溶媒は、アルコール系、グリコールエーテル系、エステ
ル系及びケトン系などから選択することができる。これ
らは、単一種で用いても良く、2種以上の混合物として
用いても良い。非水溶媒溶液中のシリコンアルコキシド
濃度は、0.5〜5重量%(SiO2 換算)ですること
が好適である。
【0017】前記の塗料は、帯電防止・高屈折率膜層上
に塗布、乾燥し、これを焼付け処理する。焼付けは、2
00℃以下、好適には、120〜180℃の低温で行な
うことができる。このような低温焼付けにより実用上十
分な強度を持つ膜を形成することができることは、本発
明の塗料の顕著な特徴である。
【0018】焼付け処理によりシリコンアルコキシド加
水分解物生成物は、シリカとなる。シリカの屈折率は、
n=1.46であり、本発明の塗料から生成するアンチ
モンドープ酸化錫の屈折率よりも、0.54〜0.14
程度低い。帯電防止・高屈折率膜層と低屈折率膜層との
屈折率差をより大きくするには、シリカよりも屈折率が
低く、かつ、透明性の高い物質をシリコンアルコキシド
とともに低屈折率膜層形成用塗料中に配合することが好
適である。そのような物質の例としては、フッ化マグネ
シウム(n=1.38)微粉末が挙げられる。
【0019】低屈折率膜層中のフッ化マグネシウム微粉
末の含有率には、格別の制限はなく、対応する帯電防止
・高屈折率膜層の組成に応じて適宜設定することができ
るが、一般的にはシリコンアルコキシドの重量(SiO
2 換算)に対し、0.01〜50重量%の範囲内にある
ことが好適である。低屈折率膜層の形成に用いられるフ
ッ化マグネシウム微粉末は、1〜100nmの平均粒径
を有していることが好適である。この平均粒径が100
nmより大きくなると、得られる低屈折率膜層におい
て、レイリー散乱により光が乱反射され、低屈折率膜層
が白っぽく見え、その透明性が低下することがあり、ま
た、それが1nm未満であると、微粒子とが凝集し易
く、従って塗料中における微粒子の均一分散が困難にな
り、塗料の粘度が過大になるなどの問題を生じる。ま
た、塗料の粘度を低下させるために、溶媒の使用量が増
大すると、塗料中のフッ化マグネシウム微粉末及びシリ
コンアルコキシドの濃度が低下するという問題が生じ
る。
【0020】低屈折率膜層の形成に使用されるフッ化マ
グネシウム微粉末は、気相法(当該化合物をガス化し、
これを気相で冷却し固化する)、CVD法(成分元素を
ガス化し、気相においてこれらを反応させ、生成物を冷
却固化する)、炭酸塩又はシュウ酸塩法(当該金属元素
の炭酸塩又はシュウ酸塩から気相中で変性し、冷却固化
する)などの既知の方法により製造することができる。
また、成分元素のフッ化物の水溶液と塩基性化合物の水
溶液とを混合して反応させ、目的化合物の超微粒子ゾル
を製造する酸アルカリ法、又は、それから溶媒を除去す
る水熱法などもフッ化マグネシウム微粉末の製造に用い
ることができる。また、その微粒子の形状は、球状、針
状、板状及び鎖状などのいずれであっても良い。
【0021】本発明において、低屈折率膜層の厚さには
格別の制限はないが、0.05〜0.2μmの厚さを有
することが好適である。前記の範囲の厚さを有する低屈
折率膜層は、比較的薄いので、これと帯電防止・高屈折
率膜層の導電性とがあいまって、全体として、実用上十
分な帯電防止性及び電磁波遮蔽性を示すことができる。
本発明に用いられる透明基材は、ガラス材料或いはプラ
スチック材料などから選択することができる。
【0022】次に、本発明の導電性・高屈折率膜形成用
塗料及びそれを用いた導電性・低反射率コート膜付き透
明材料積層体について更に詳しく具体的に以下実施例よ
り、説明するが、本発明がそれらによって、制限される
ものではない。
【0023】
【実施例1】(1)帯電防止・高屈折率膜形成用塗料
(A)を、下記のように調製した。即ち、アンチモンド
ープ酸化錫微粉末2.8g(住友セメント社製、粒径:
5〜10nm)と、0.01g(SiO2 換算)のポリ
エーテル変性シリコーンオイル(シリコ−ン界面活性
剤、L−77として、日本ユニカ社より販売)、及び
0.62g(TiO2 換算)のチタニウムラクテート
(有機チタネート;TLAとして三菱瓦斯化学社より販
売)をブチルセロソルブ10gと水186.57gの混
合溶媒中に添加し、撹拌し、均一な水系溶液とした。
【0024】(2)低屈折率膜層形成用塗料(a)を下
記の操作により調製した。即ち、テトラエトキシシラン
0.8g、0.01N硝酸0.8g、エチルセロソルブ
30g及びエチルアルコール68.4gを混合して、均
一な溶液とした。
【0025】(3)積層体の製造 ガラス基板の一面上に30℃の温度において、前記の塗
料(A)をスピンコート法により塗布し、1分間の風乾
をした。これにより、0.1μm厚を有する帯電防止・
高屈折率膜層が形成された。次に、このガラス基板の帯
電防止・高屈折率膜層上に、30℃の温度において、前
記の塗料(a)をスピンコート法により塗布し、3分間
の風乾を行ない、160℃、30分間の焼付け処理を施
すことにより、厚さ0.1μmの低屈折率膜層を形成し
た。
【0026】(4)テスト 前記のようにして得られた透明材料積層体の表面抵抗率
(表面抵抗計による)、表面反射率(入射角5°の正反
射治具を用い、分光光度計により波長550nmの光反
射率の片面値を測定した)及び帯電防止・高屈折率膜層
と低屈折率膜層との密着性(消しゴムテスト、荷重1k
g、50回往復)を測定した。
【0027】
【実施例2】実施例1と同じ操作を行なった。但し、低
屈折率形成用塗料(a)の代わりに下記のようにして調
製した塗料(b)を用いた。即ち、フッ化マグネシウム
微粉末(住友セメント社製、粒径:10〜20nm)
0.4gをテトラエトキシシラン0.6g、水10g、
0.1N塩酸0.6g及びエチルアルコール89gに混
合し、均一に分散した。
【0028】
【比較例1】実施例1と同一操作を行なった。但し、前
記帯電防止・高屈折率膜層形成用塗料(A)の代わり
に、下記のようにして調製した塗料(B)を用いた。即
ち、アンチモンドープ酸化錫(粒径5〜10nm)1g
を、テトラエトキシシラン1.68g、0.1N塩酸
4.1g及びエチルアルコール143gに混合し、均一
に分散した。テスト結果を表1に示す。表に示される結
果から、本発明の導電性・低反射率コート膜付き透明材
料積層体は、表面抵抗が低い割りに、反射率が著しく低
く、また密着性が良いことが分かる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の帯電防止
・高屈折率膜層形成用塗料とそれにより作成される導電
性・低反射率コート膜付き透明材料積層体により、前記
のような効果が得られた。それらをまとめると、次のよ
うな顕著な技術的効果となる。即ち、第1に、その塗料
から形成される膜は、帯電防止性にすぐれるとともに高
い屈折率(n=1.60〜2.0)を有し、また、その
上に形成する低屈折率膜層に対する密着性が良く、その
ために、導電性・低反射率コート膜付き透明材料積層体
の作成も容易である。第2に、即ち、この帯電防止、高
屈折率膜層と低屈折率膜層との組合わせにより、すぐれ
た反射防止効果がある導電性・低反射率コート膜付き透
明材料積層体が提供される。第3に、更に、形成される
膜は、200℃以下の低温の焼付けで実用上十分な強度
を付与された導電性・低反射率コート膜付き透明材料積
層体となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05F 1/02 H05F 1/02 F G02B 1/10 A (72)発明者 矢沢 朗 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメ ント株式会社新材料事業部内 (56)参考文献 特開 平5−34507(JP,A) 特開 平5−117552(JP,A) 特開 平5−80204(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/88 G02B 1/11 H01J 9/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜100nmの平均粒径を有するア
    ンチモンドープ酸化錫の微粉末とシリコンオイルとチタ
    ニウムラクテートとを含む導電性、高屈折率膜形成用塗
    料。
  2. 【請求項2】 前記シリコンオイルと前記チタニウム
    ラクテートとの合計と前記アンチモンドープ酸化微粉末
    との比率が、0.01〜5重量部対95〜99.99重
    量部であることを特徴とする請求項1に記載の導電性、
    高屈折率膜形成用塗料
  3. 【請求項3】 溶媒として水を含むことを特徴とする
    請求項1或いは2に記載の導電性、高屈折率膜形成用塗
  4. 【請求項4】 透明基材と、この透明基材の表面上に
    請求項1又は2に記載の導電性、高屈折率膜形成用塗料
    を塗布し、乾燥して形成された導電性、高屈折率膜層
    と、この導電性、高屈折率膜層の上に形成され、且つ、
    この導電性、高屈折率膜層の屈折率よりも、0.15以
    上低い屈折率を有する低屈折率膜層とを含んでなること
    を特徴とする導電性、低反射率コート膜付き透明材料積
    層体。
  5. 【請求項5】 前記の低屈折率膜層が、シリコンアル
    コキシドと非水溶媒とを含む塗料を、前記導電性、高屈
    折率膜層上に塗布乾燥し、これに焼付け処理を施して形
    成されたものであることを特徴とする請求項4に記載の
    導電性、低反射率コート膜付き透明材料積層体。
  6. 【請求項6】 前記のシリコンアルコキシドと非水溶
    媒とを含む塗料が、更に、フッ化マグネシウム微粉末を
    分散含有していることを特徴とする請求項5に記載の導
    電性、低反射率コート膜付き透明材料積層体。
  7. 【請求項7】 前記のフッ化マグネシウムの微粉末
    が、1〜100nmの平均粒径を有することを特徴とす
    る請求項6に記載の導電性、低反射率コート膜付き透明
    材料積層体。
JP34611092A 1992-12-25 1992-12-25 導電性・低反射率コート膜付き透明材料積層体 Expired - Fee Related JP3323563B2 (ja)

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