JP3366920B2 - 積載状態判断装置 - Google Patents

積載状態判断装置

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JP3366920B2 JP26859995A JP26859995A JP3366920B2 JP 3366920 B2 JP3366920 B2 JP 3366920B2 JP 26859995 A JP26859995 A JP 26859995A JP 26859995 A JP26859995 A JP 26859995A JP 3366920 B2 JP3366920 B2 JP 3366920B2
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克也 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における積載
量の変化状態を検出する積載状態判断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特表平4−
500490号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、動的な車両走
行状態をセンサにより検出し、車両の各車輪に設けられ
た半能動的なショックアブソーバを制御する制御信号を
形成し、制御信号と減衰力の実際値に従って、車体制御
を行なうようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置にあっては、車両における積載状態の変化については
何ら考慮されていないため、以下に述べるような問題点
があった。
【0005】即ち、この従来装置では、一定の積載状
態、即ち車両重量および各車輪に作用する車輪荷重、お
よび、前輪と後輪との車輪荷重バランス等を考慮して各
車輪におけるショックアブソーバの減衰力特性制御を行
なうための制御ゲインの設定が行なわれているが、設計
時の状態から車両重量および前輪と後輪との車輪荷重バ
ランス等が変化した場合においては、車両の走行状態に
対する制御ゲインが適切ではなくなり、最適な乗り心地
や操縦安定性が得られなくなる恐れがある。
【0006】なお、別に車高センサを用いることによ
り、車両における車高の変化から積載状態の変化を検出
することが可能であるが、コストアップになるという別
の問題が生じる。
【0007】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、別に車高センサを設けることなしに、
車両上下方向状態量検出手段で検出された車両前後方向
2カ所の車両上下方向状態量から車両における積載状態
の変化を検出することができる積載状態判断装置を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の積載状態判断装置は、図1
のクレーム対応図に示すように、車両の前輪側と後輪側
にそれぞれ設けられていてそれぞれ車両の上下方向状態
量を検出する前輪側車両上下方向状態量検出手段aおよ
び後輪側車両上下方向状態量検出手段bと、該前輪側車
両上下方向状態量検出手段aで検出された前輪側の車両
上下方向状態量から所定の伝達関数に基づいて後輪側の
車両上下方向状態量を推定する後輪側車両上下方向状態
量推定手段cと、前記後輪側車両上下方向状態量検出手
段bで検出された後輪側車両上下方向状態量検出値を前
記後輪側車両上下方向状態量推定手段cで推定された後
輪側車両上下方向状態量推定値と比較することにより、
車両の積載量変化状態を判断する積載量変化判断手段d
と、を備えている手段とした。
【0009】また、請求項2記載の積載状態判断装置で
は、前記車両上下方向状態量を、車両のばね上上下速度
とした。
【0010】また、請求項3記載の積載状態判断装置で
は、前記車両上下方向状態量を、車両のばね上上下加速
度とした。
【0011】また、請求項4記載の積載状態判断装置で
は、前記車両上下方向状態量を、車両のばね上ばね下間
相対速度とした。
【0012】また、請求項5記載の積載状態判断装置で
は、前記車両上下方向状態量を、車両のばね上ばね下間
相対加速度とした。
【0013】
【作用】本発明請求項1記載の積載状態判断装置では、
上述のように、後輪側車両上下方向状態量検出手段bで
後輪側の車両上下方向状態量が検出される一方で、後輪
側車両上下方向状態量推定手段cでは前輪側車両上下方
向状態量検出手段aで検出された前輪側の車両上下方向
状態量から所定の伝達関数に基づいて後輪側の車両上下
方向状態量が推定される。
【0014】そして、車両の乗員が運転者一人であり、
かつ、トランクルームの積載荷物が0である最小の積載
量状態で走行した時とトランクルームに荷物を大量に積
み込んだ状態で走行した時の後輪側の車両上下方向状態
量の検出値と推定値の変動状態を見てみると、積載量に
よって検出値と推定値の変動幅に明瞭に区別可能な差異
が生じる。これは、トランクルームに荷物を積載する
と、前輪側に対し後輪側に作用する荷重の比率が増加す
ることから起きる現象であり、同様のことは後部シート
側に人が乗車した場合においても生じる。
【0015】そこで、積載量変化判断手段cで、後輪側
車両上下方向状態量検出値を前輪側の車両上下方向状態
量から所定の伝達関数に基づいて推定された後輪側車両
上下方向状態量推定値と比較することにより、車両の積
載量変化状態を判断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。 (実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1の積載
状態判断装置を適用した車両懸架装置を示す構成説明図
であり、車体と4つの車輪との間に介在されて、4つの
ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SA
RR(なお、ショックアブソーバを説明するにあたり、こ
れら4つをまとめて指す場合、およびこれらの共通の構
成を説明する時にはただ単にSAと表示する。また、右
下の符号は車輪位置を示すもので、FLは前輪左,FRは前
輪右,RLは後輪左,RRは後輪右をそれぞれ示してい
る。)が設けられている。そして、前輪左右の各ショッ
クアブソーバSAFL,SAFRおよび後輪左右各ショック
アブソーバSARL,SARRの近傍位置(タワー位置)の
車体には、上下方向の加速度Gを検出する上下加速度セ
ンサ(以後、上下Gセンサという)1FL,1FR,1RL
RRが設けられ、また、図示を省略したが車両の走行速
度を検出する車速センサ2が設けられ、さらに、運転席
の近傍位置には、各上下Gセンサ1(1FL,1FR
RL,1RR)および車速センサ2からの信号を入力し
て、各ショックアブソーバSAのパルスモータ3に駆動
制御信号を出力するコントロールユニット4が設けられ
ている。
【0017】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ
FL,1FR,1RL,1RRおよび車速センサ2からのばね
上上下加速度GFL,GFR,GRL,GRR信号および車速S
V信号が入力される。そして、前記インタフェース回路
4aには、図14に示すように、ばね上上下加速度
FL,GFR,GRL,GRR信号から各タワー位置のばね上
上下速度ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRRおよびばね上
−ばね下間相対速度(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx
0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RRを求
めるための信号処理回路と、図19〜図21に示すよう
に、車両における積載量の変化状態を判断する判断信号
を求めるための信号処理回路とが設けられている。な
お、信号処理回路の詳細については後述する。
【0018】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0019】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0020】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0021】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0022】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0023】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0024】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、ばね上上下速度Δxおよびばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )を求めるための信号処理回路の
構成を、図14のブロック図に基づいて説明する。
【0025】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出さ
れた各ばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR
を、各タワー位置のばね上上下速度信号に変換する。な
お、位相遅れ補償の一般式は、次の伝達関数式(1) で表
わすことができる。 G(S) =(AS+1)/(BS+1)・・・・・・・・(1) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(2) が用いられる。
【0026】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(2) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
実施の形態ではγ=10に設定されている。その結果、
図15の(イ) における実線のゲイン特性、および、図1
5の(ロ) における実線の位相特性に示すように、減衰力
特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz )における
位相特性を悪化させることなく、低周波側のゲインだけ
が低下した状態となる。なお、図15の(イ),(ロ) の点線
は、積分(1/S)により速度変換されたばね上上下速
度信号のゲイン特性および位相特性を示している。
【0027】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次
のハイパスフィルタHPF(カットオフ周波数fH =0.
3 Hz)と2次のローパスフィルタLPF(カットオフ周
波数fL =4 Hz)とで構成され、車両の積載量標準時に
おける車両のばね上共振周波数帯を目標としたばね上上
下速度Δx(ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号を
求める。
【0028】一方、B3では、次式(3) に示すように、
各ばね上上下加速度からばね上−ばね下間相対速度まで
の伝達関数Gu(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出さ
れた上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
から、各タワー位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx
0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信
号を求める。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(3) なお、図18の一輪モデルに示すように、mはばね上マ
ス、cはサスペンションの減衰係数、kはサスペンショ
ンのばね定数、sはラプラス演算子である。
【0029】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動の内容
を図16のフローチャートに基づいて説明する。なお、
この基本制御は各ショックアブソーバSAFL,SAFR
SARL,SARRごとに行なわれる。
【0030】ステップ101では、ばね上上下速度Δx
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハー
ド領域HSに制御し、NOであればステップ103に進
む。
【0031】ステップ103では、ばね上上下速度Δx
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハー
ド領域SHに制御し、NOであればステップ105に進
む。
【0032】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度Δxの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御する。
【0033】次に、減衰力特性制御の作動を図16のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度Δxが、
この図に示すように変化した場合、図に示すように、ば
ね上上下速度Δxの値が0である時には、ショックアブ
ソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0034】また、ばね上上下速度Δxの値が正の値に
なると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減衰力
特性をソフト特性に固定する一方、伸側の減衰力特性
(目標減衰力特性ポジションPT )を、次式(4) に基づ
き、ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。
【0035】 PT =α・Δx・K・δ ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) なお、αは、伸側の定数、Kは、ばね上−ばね下間相対
速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲイン、
δは、車両における積載量変化に応じて可変設定される
制御ゲインであり、この制御ゲインδの可変設定制御の
内容については後述する。
【0036】また、ばね上上下速度Δxの値が負の値に
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰力特
性をソフト特性に固定する一方、圧側の減衰力特性(目
標減衰力特性ポジションPC )を、次式(5) に基づき、
ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。 PC =β・Δx・K・δ ・・・・・・・・・・・・・・・・(5) なお、βは、圧側の定数である。
【0037】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図17のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0038】図17のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxが負の値(下向き)から正の値
(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速
度(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバSA
の行程は圧行程側)となっている領域であるため、この
時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0039】また、領域bは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は負の値から正の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、ばね上上下速度Δxの
値に比例したハード特性となる。
【0040】また、領域cは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )は正の値(ショックアブソーバSAの行程は
伸行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバ
SAは圧側ハード領域SHに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある伸行程側がソフト特性となる。
【0041】また、領域dは、ばね上上下速度Δxが負
の値(下向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は正の値から負の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)になる領域であるため、こ
の時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、ばね上上下速度Δxの値に比
例したハード特性となる。
【0042】以上のように、この実施の形態では、ばね
上上下速度Δxとばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δ
0 )とが同符号の時(領域b,領域d)は、その時の
ショックアブソーバSAの行程側をハード特性に制御
し、異符号の時(領域a,領域c)は、その時のショッ
クアブソーバSAの行程側をソフト特性に制御するとい
う、スカイフック制御理論に基づいた減衰力特性制御と
同一の制御が、ばね上上下速度Δx信号のみに基づいて
行なわれることになる。そして、さらに、この実施の形
態では、ショックアブソーバSAの行程が切り換わった
時点、即ち、領域aから領域b,および領域cから領域
d(ソフト特性からハード特性)へ移行する時には、切
り換わる行程側の減衰力特性ポジションは前の領域a,
cで既にハード特性側への切り換えが行なわれているた
め、ソフト特性からハード特性への切り換えが時間遅れ
なく行なわれるもので、これにより、高い制御応答性が
得られると共に、ハード特性からソフト特性への切り換
えはパルスモータ3を駆動させることなしに行なわれる
もので、これにより、パルスモータ3の耐久性向上と、
消費電力の節約が成されることになる。
【0043】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、前記式(4),(5) において用いられる積載量の変
化に基づく制御ゲインδの可変設定制御の内容について
説明する。
【0044】図19〜図21は、積載量の変化状態を判
断する判断信号を求めるための信号処理回路の構成を示
すブロック図であり、まず、図19のブロック図におい
て、C1では、前輪側左右両上下Gセンサ1FL,1FR
検出された前輪側左右両ばね上上下加速度GFL,GFR
号の平均値から、前輪側中央位置のばね上上下加速度G
F を求める。続くC2では、前記前輪側中央位置のばね
上上下加速度GF から、次式(6) に示す路面入力を伝達
経路とする前輪位置から後輪位置への伝達関数GB(S)
基づき、路面入力を伝達経路として車両の後輪側中央位
置に伝達されるばね上上下加速度成分Gr を求める。
【0045】 GB(S)=G1(S)・G2(S)・G3(S)・・・・・・・・・・(6) なお、G1(S)は前輪側ばね上から路面までの伝達関数、
2(S)は後輪側路面から後輪側ばね上までの伝達関数、
3(S)は車体前後間の入力時間差のディレイ伝達関数で
ある。そして、前記ディレイ伝達関数G3(S)は、次式
(7) に示すように、車両のホイールベースWB と車速S
V により決定される。
【0046】G3(S)=e-s(WB/Sv) ・・・・・・・・・・・・・・(7) 一方、C3では、前記前輪側中央位置のばね上上下加速
度GF 信号から、車体ばね上を伝達経路とするばね上前
後方向の伝達関数GP(S)に基づき、車体ばね上を伝達経
路として車両の後輪側中央位置に伝達されるばね上上下
加速度成分Gbを求める。
【0047】そして、最後にC4において、前記路面入
力を伝達経路として車両の後輪側中央位置に伝達される
ばね上上下加速度成分Gr と、車体ばね上を伝達経路と
して車両の後輪側中央位置に伝達されるばね上上下加速
度成分Gb とを加算することにより、後輪側中央位置に
おけるばね上上下加速度推定値GR-s を求める。
【0048】次に、図20のブロック図に示す信号処理
回路においては、後輪側左右両上下Gセンサ1RL,1RR
で検出された後輪側左右両ばね上上下加速度GRL,GRR
信号の平均値から、後輪側中央位置のばね上上下加速度
検出値GR を求める。
【0049】次に、図21のブロック図に示す信号処理
回路においては、E1で、後輪側中央位置のばね上上下
加速度検出値GR (または、後輪側中央位置のばね上上
下加速度推定値GR-s )の高周波成分GR1(またはGR-
s1)を抽出するためのバンドパスフィルタ処理が行なわ
れ、さらに、E2では、低周波成分(特にばね上共振周
波数成分)を完全に除去した高周波成分GR2(またはG
R-s2)を得るためのハイパスフィルタ処理が行なわれ
る。即ち、前記バンドパスフィルタ処理には、次式(8)
で示すようなカットオフ周波数3Hzの2次のバンドパス
フィルタBPFが用いられ、また、前記ローパスフィル
タ処理には、次式(9) で示すようなカットオフ周波数3
Hzの2次のハイパスフィルタHPFが用いられている。 FB(s)=(ω/Q・S)/(S2 +ω/Q・S+ω2 )・・・・・・・・(8) FH(s)=S2 /(S2 +ω/Q・S+ω2 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) なお、カットオフ周波数ω=2πfcである。
【0050】そして、この両フィルタBPF、HPFと
しては、図22の周波数に対するゲイン特性図に示すよ
うに、目的とする3Hz部分のゲインを強調するために、
ダンピング値の小さいもの(Q=5)が用いられてい
る。
【0051】続くE3では、前記高周波成分GR2(また
はGR-s2)におけるプラス側ピーク値とマイナス側ピー
ク値との間の振幅の変動状態を示す低周波信号PR1を求
める。即ち、図23の(イ) に示すように、高周波成分G
R2(またはGR-s2)のプラス側およびマイナス側のピー
ク値をそれぞれ検出してメモリすると共に、次のピーク
値が検出された時点でそのピーク値を順次更新する。そ
して、プラス側またはマイナス側の各ピーク値が検出さ
れる毎にプラス側ピーク値からマイナス側ピーク値を減
算し、その値をメモリすることにより、図23の(ロ) に
示すような低周波処理信号PR1(PR-s1)を得る。
【0052】最後にE4では、前記低周波処理信号PR1
(PR-s1)をカットオフ周波数0.1Hz のローパスフィル
タLPFで処理することにより、移動平均化された状態
の低周波処理信号PR (PR-s )を得る。
【0053】そこで、前記両低周波処理信号PR 、PR-
s から、次式 (10) に基づいて、積載状態判断信号RM
を求める。 RM =PR-s /PR ・・・・・・・・・・・・・・(10) なお、図26は、積載状態判断信号(推定値と検出値と
の比)RM の変動状態を示すタイムチャートであり、こ
の図において、時間帯(I) は、車両の乗員が運転者一人
であり、かつ、トランクルームの積載荷物が0である最
小の積載量状態で走行した時の積載状態判断信号RM
変動状態を示しているのに対し、時間帯(II)は、トラン
クルームに荷物を大量に積み込んだ状態で走行した時の
積載状態判断信号RM の変動状態を示しており、積載量
によって積載状態判断信号RM のレベルに明瞭に区別可
能な差異が生じているのが分かる。
【0054】これは、トランクルームに荷物を積載する
と、前輪側に対し後輪側に作用する荷重の比率が増加す
ることから起きる現象であり、同様のことは後部シート
側に人が乗車した場合においても生じるもので、その理
由を以下具体的に説明する。図24の(イ) は前輪側にお
ける路面入力周波数に対するばね上伝達率特性、また、
図24の(ロ) は、後輪側における路面入力周波数に対す
るばね上伝達率特性を示すもので、両図において実線で
示すのが標準積載時における伝達率特性であり、点線で
示すのがフル積載時における伝達率特性である。
【0055】この両特性図において明らかなように、ば
ね上伝達率、即ち、ばね上挙動のレベルを、標準積載時
とフル積載時で比較すると、前輪側では図24の(イ) に
示すようにレベル変化が少ないのに対し、後輪側では図
24の(ロ) に示すように大きなレベル差となって表われ
ている。特に、路面入力周波数で見ると、2Hz以上の高
周波側は標準積載時(実線)が高くフル積載時(点線)
が低くなる方向にレベル差が発生し、特に、3Hz付近で
最も大きなレベル差となって表われている。
【0056】そして、前記式 (8)において、図24の
(ロ) の3Hzにおける大きなレベル変動に相当するのが、
後輪側での実際の検出値に基づく後輪側低周波処理信号
PR の変動であり、また、図24の(イ) の前輪側におけ
る小さなレベル変動に相当するのが、前輪側検出値から
の推定値に基づく後輪側低周波処理信号PR-s の変動で
あり、従って、積載状態判断信号RM の値は、車両の積
載量の変動に対し比例的に変化することになる。
【0057】そこで、図26に示すように、積載量判断
しきい値RL を設定し、積載状態判断信号RM をこの積
載量判断しきい値RL と比較することにより、車両にお
ける積載量の変動状態を検出することができる。即ち、
以上の作動を行なう部分(図24のステップ202)が
請求項1の発明における積載量変化判断手段を構成して
いる。
【0058】以下、積載量変動に基づく減衰力特性の切
り換え制御作動の内容を、図25のフローチャートと図
26のタイムチャートに基づいて説明する。まず、図2
5のフローチャートにおいて、ステップ201では、積
載判断フラグFlagが0.0 にリセットされているか否
かを判定し、YESである時は、ステップ202に進
む。
【0059】このステップ202では、積載状態判断信
号RM が積載量判断しきい値RL を越えているか否かを
判定し、YESであれば積載量が増加した可能性がある
ため、ステップ203に進んでタイマーをスタート(T
t=Time −TON)させた後、ステップ204に進む。
【0060】このステップ204では、タイマーカウン
トTtが所定の判断時間Δtを越えているか否かを判定
し、YESであれば積載量が増加したことが確実である
ため、ステップ205に進んで積載判断フラグFlag
を1.0 にセットした後、ステップ206に進む。そし
て、このステップ206では、積載時制御パラメータへ
の切り換えを行なった後、ステップ207に進む。
【0061】このステップ207では、車両のドアがオ
ープンしているか否かを判定し、YESである時は、積
載量が変動する可能性があるため、ステップ208に進
み、次の制御回数でステップ202〜205の積載量判
断を行なわせるために積載判断フラグFlagを0.0 に
リセットし、これで一回の制御フローを終了する。
【0062】また、前記ステップ201でNO(Fla
g=1.0 )と判定された場合は、積載時制御を継続させ
るため、ステップ202〜205の積載量判断を省略し
て、ステップ206に進む。
【0063】また、前記ステップ202またはステップ
204でNOと判定された場合は、積載量の増加はない
ため、ステップ209に進んで通常時制御パラメータへ
の切り換えを行なった後、これで一回の制御フローを終
了する。
【0064】また、前記ステップ207でNOと判定さ
れた場合は、積載量が変動する可能性がないため、これ
で一回の制御フローを終了させる。そして、以後は以上
の制御フローを繰り返すものである。
【0065】次に、積載量変動に基づく減衰力特性の切
り換え制御作動の内容を、図26のタイムチャートに基
づいて説明する。 (イ)積載量最小時 車両の乗員が運転者一人であり、かつ、トランクルーム
の積載荷物が0である最小の積載量状態で走行する時
は、図26のタイムチャートに示すように、判断信号で
ある積載状態判断信号RM が前記積載量判断しきい値R
L 以下となるもので、この時は、前記ステップ209に
おいて通常時制御パラメータへの切り換えが行なわれ
る。即ち、目標減衰力特性ポジションPT ,PC を求め
る前記式(4),(5) における制御ゲインδが、基本ゲイン
δM に設定された状態となるもので、これにより、積載
量最小時において、スカイフック制御理論に基づいた最
適の減衰力特性制御が行なわれ、車両の乗り心地と操縦
安定性とを確保することができる。
【0066】(ロ)積載量増加時 前述の積載量最小の状態から、トランクルームに荷物を
大量に積み込んだ状態で走行を開始すると、図26のタ
イムチャートに示すように、積載量判断信号である積載
状態判断信号RM が前記積載量判断しきい値RL を越え
ると共に、その状態が所定の判断時間Δt継続するもの
で、この時は、前記ステップ206において積載時制御
パラメータへの切り換えが行なわれる。即ち、目標減衰
力特性ポジションPT ,PC を求める前記式(4),(5) に
おける制御ゲインδが、基本ゲインδM より高めの補正
ゲインδH に可変設定され、これにより、目標減衰力特
性ポジションPT ,PC が高めに設定された状態とな
る。なお、この場合、前輪側より後輪側の重量増加率が
多くなることから、前記補正ゲインδH の値は前輪側よ
り後輪側の方が高めに設定される。また、一旦積載時制
御パラメータへの切り換えが行なわれた後は、少なくと
もその後ドアがオープンされるまでの間は継続される。
従って、積載量増加による車両の乗り心地および操縦安
定性の悪化を自動的に可変設定される高めの減衰力特性
により防止することができる。
【0067】以上説明してきたように、この実施の形態
1の積載状態判断装置では、以下に列挙する効果が得ら
れる。 別に車高センサを設けることなしに、各上下Gセン
サ1で検出された車両前後方向2カ所のばね上上下加速
度信号から車両における積載状態の変化を検出すること
ができ、これにより、コストを低減することができる。
【0068】 ばね上上下加速度からばね上上下速度
に変換するための手段として、位相遅れ補償式を用いた
ことで、制動時等におけるように、余分な低周波信号入
力に基づく信号ドリフトを防止し、これにより、ショッ
クアブソーバSAにおける減衰力特性の制御性の悪化を
防止して車両の乗り心地を確保することができるように
なる。
【0069】 ソフト特性からハード特性への切り換
えが時間遅れなく行なわれるもので、これにより、高い
制御応答性が得られると共に、ハード特性からソフト特
性への切り換えはアクチュエータを駆動させることなし
に行なわれるもので、これにより、アクチュエータの耐
久性向上と、消費電力の節約が可能になる。
【0070】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、この他の実施の形態の説明に当たって
は、前記実施の形態1と同様の構成部分には同一の符号
を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明す
る。
【0071】(実施の形態2)この実施の形態2は、前
記実施の形態1が通常時の制御パラメータと積載時の制
御パラメータとの2段階のみで切り換えを行なうのに対
し、積載状態判断信号RM の変動に応じて連続的に制御
パラメータを切り換えるようにしたものであり、以下、
図27の制御パラメータの切り換え設定制御の内容を示
すフローチャート、および、図28の積載状態判断信号
M に対する制御ゲインの切り換え設定制御の内容を示
すタイムチャートに基づいて説明する。
【0072】まず、図27のフローチャートにおいて、
ステップ301では、前輪側の制御ゲインδf として、
積載状態判断信号RM に前輪側定数aを乗じた値(=a
・RM )を設定し、また、ステップ302では、後輪側
の制御ゲインδr として、積載状態判断信号RM に後輪
側定数bを乗じた値(=b・RM )を設定する。なお、
両定数a,bは共に正数であり、前輪側定数aより後輪
側定数bの方が大きな値に設定される(0<a<b)。
【0073】続くステップ303では、前記式(4),(5)
に制御ゲインδf ,δr を当てはめることにより、前輪
側および後輪側ショックアブソーバSAにおける伸圧両
行程の目標減衰力特性ポジションPT ,PC をそれぞれ
求める。以上のように制御ゲインδf ,δr の切り換え
設定を行なうことにより、図28のタイムチャートに示
すように、積載状態判断信号RM の変動に対し無段階か
つ連続的に制御ゲインδf ,δr の切り換えが行なわれ
る。従って、この実施の形態2によると、積載量変化に
応じたきめ細かな制御パラメータの補正制御を行なうこ
とができるようになる。
【0074】(実施の形態3,4)前記実施の形態1,
2が、積載状態の変化に基づく積載状態判断信号RM
変動に対し、制御ゲインδを可変制御することにより、
制御パラメータを切り換え制御するようにしたのに対
し、この実施の形態3,4では、車両の積載量が変化す
ると、ばね上マスの変動により車両におけるばね上共振
周波数も変動することから、車両のばね上共振周波数帯
を目標としたばね上上下速度信号を求めるバンドパスフ
ィルタBPF(図14のブロック図のB3)のカットオ
フ周波数をばね上共振周波数の変動に合わせて切り換え
制御することにより、制御パラメータを切り換え制御す
るようにしたものである。
【0075】即ち、実施の形態3では、標準積載時とフ
ル積載時とで2段階に切り換え制御するようにしたもの
である。
【0076】 標準積載時・・・・HPF(fH =0.3 Hz)、LPF(fL =4 Hz) フル積載時・・・・HPF(fH ’=0.2 Hz)、LPF(fL ’=3 Hz) また、実施の形態4では、次式(11),(12) 、および、数
式1,2により、積載状態の変化に基づく積載状態判断
信号RM の変動に応じて無段階に切り換え制御するよう
にしたものである。 fH ’=γ・fH ・・・・・・・・・・・・・・・・(11) fL ’=ε・fL ・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
【0077】
【数式1】
【0078】
【数式2】 なお、γ、ε、m、nは、正の定数である。従って、こ
の実施の形態3、4においても、前記実施の形態1また
は2と同様の効果が得られることになる。
【0079】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが具体的な構成はこの実施の形態に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等
があっても本発明に含まれる。
【0080】例えば、実施の形態では、車両上下方向状
態量検出手段で検出される車両上下方向状態量として、
ばね上上下加速度を用いる場合を示したが、その他に、
ばね上上下速度,ばね上ばね下間相対速度,ばね上ばね
下間相対加速度等を用いることもできる。
【0081】また、実施の形態では、前輪側の車両上下
方向状態量から後輪側の車両上下方向状態量を推定する
のに用いられる伝達関数として路面入力を伝達経路とす
る伝達関数とばね上を伝達経路とする伝達関数の両方を
用いたが、後者は省略することができる。
【0082】また、実施の形態では、積載時制御パラメ
ータに切り換わるまでは積載量変化状態を常時判断する
ようにしたが、車両のドアおよび/またはトランクが開
かれるまでは通常時制御パラメータへの切り換え状態を
維持させるようにし、車両のドアおよび/またはトラン
クが開かれた時は、その後車両が走行することによって
積載量変化判断を開始させるようにしてもよい。
【0083】また、車速センサで検出された車速信号か
ら車速の変化率を求めると共に、この車速の変化率が所
定のしきい値を越えた場合は、前記積載量変化判断を停
止するようにしてもよい。
【0084】また、実施の形態では、制御ゲインの可変
設定を、前輪側および後輪側の全てのショックアブソー
バについて行なうようにしたが、前輪側または後輪側の
いずれか一方のみとしてもよい。
【0085】また、実施の形態では、ばね上上下速度信
号が0の時のみソフト領域SSに制御するようにした
が、0を中心とする所定の不感帯を設けこの不感帯の範
囲内でばね上上下速度が推移している間は減衰力特性を
ソフト領域SSに維持させることにより、制御ハンチン
グを防止することができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の積載状
態判断装置では、上述のように、車両の前輪側と後輪側
にそれぞれ設けられていてそれぞれ車両の上下方向状態
量を検出する前輪側車両上下方向状態量検出手段および
後輪側車両上下方向状態量検出手段と、該前輪側車両上
下方向状態量検出手段で検出された前輪側の車両上下方
向状態量から所定の伝達関数に基づいて後輪側の車両上
下方向状態量を推定する後輪側車両上下方向状態量推定
手段と、前記後輪側車両上下方向状態量検出手段で検出
された後輪側車両上下方向状態量検出値を前記後輪側車
両上下方向状態量推定手段で推定された後輪側車両上下
方向状態量推定値と比較することにより、車両の積載量
変化状態を判断する積載量変化判断手段と、を備えてい
る構成としたことで、別に車高センサを設けることなし
に、車両上下方向状態量検出手段で検出された車両前後
方向2カ所の車両上下方向状態量から車両における積載
状態の変化を検出することができるようになるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積載状態判断装置を示すクレーム対応
図である。
【図2】本発明積載状態判断装置の実施の形態1を示す
構成説明図である。
【図3】本発明積載状態判断装置の実施の形態1を示す
システムブロック図である。
【図4】実施の形態1に適用したショックアブソーバを
示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施の形態1におけるばね上上下速度および
ばね上−ばね下間相対速度を求める信号処理回路を示す
ブロック図である。
【図15】実施の形態1における信号処理回路で得られ
たばね上上下速度信号のゲイン特性(イ) および位相特性
(ロ) を示す図である。
【図16】実施の形態1におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動の内容を示すフローチャートであ
る。
【図17】実施の形態1におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動の内容を示すタイムチャートであ
る。
【図18】実施の形態1における各ばね上上下加速度か
らばね上−ばね下間相対速度までの伝達関数式を導くた
めの一輪モデル図である。
【図19】実施の形態1における積載状態判断信号を求
める信号処理回路のうち、後輪側ばね上上下加速度推定
値を求める信号処理回路を示すブロック図である。
【図20】実施の形態1における積載状態判断信号を求
める信号処理回路のうち、後輪側ばね上上下加速度検出
値を求める信号処理回路を示すブロック図である。
【図21】実施の形態1における積載状態判断信号を求
める信号処理回路のうち、低周波処理信号を求める信号
処理回路を示すブロック図である。
【図22】実施の形態1で用いられるバンドパスフィル
タおよびハイパスフィルタの周波数に対するゲイン特性
図である。
【図23】実施の形態1において低周波処理信号の求め
方を説明するためのタイムチャートである。
【図24】前輪側および後輪側における路面入力に対す
るばね上伝達率特性図である。
【図25】実施の形態1における積載量変動に基づく減
衰力特性(制御パラメータ)の切り換え制御作動の内容
を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態1における積載量変動に基づく減
衰力特性(制御パラメータ)の切り換え制御作動の内容
を示すタイムチャートである。
【図27】実施の形態2における積載量変動に基づく減
衰力特性(制御パラメータ)の切り換え制御作動の内容
を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態2における積載量変動に基づく減
衰力特性(制御パラメータ)の切り換え制御作動の内容
を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
a 前輪側車両上下方向状態量検出手段 b 後輪側車両上下方向状態量検出手段 c 後輪側車両上下方向状態量推定手段 d 積載量変化判断手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015 G01G 19/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前輪側と後輪側にそれぞれ設けられ
    ていてそれぞれ車両の上下方向状態量を検出する前輪側
    車両上下方向状態量検出手段および後輪側車両上下方向
    状態量検出手段と、 該前輪側車両上下方向状態量検出手段で検出された前輪
    側の車両上下方向状態量から所定の伝達関数に基づいて
    後輪側の車両上下方向状態量を推定する後輪側車両上下
    方向状態量推定手段と、 前記後輪側車両上下方向状態量検出手段で検出された後
    輪側車両上下方向状態量検出値を前記後輪側車両上下方
    向状態量推定手段で推定された後輪側車両上下方向状態
    量推定値と比較することにより、車両の積載量変化状態
    を判断する積載量変化判断手段と、を備えていることを
    特徴とする積載状態判断装置。
  2. 【請求項2】前記車両上下方向状態量が、車両のばね上
    上下速度である請求項1に記載の積載状態判断装置。
  3. 【請求項3】前記車両上下方向状態量が、車両のばね上
    上下加速度である請求項1に記載の積載状態判断装置。
  4. 【請求項4】前記車両上下方向状態量が、車両のばね上
    ばね下間相対速度である請求項1に記載の積載状態判断
    装置。
  5. 【請求項5】前記車両上下方向状態量が、車両のばね上
    ばね下間相対加速度である請求項1に記載の積載状態判
    断装置。
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