JP3366905B2 - 磁気センサ装置および電流センサ装置 - Google Patents

磁気センサ装置および電流センサ装置

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JP3366905B2
JP3366905B2 JP2000620175A JP2000620175A JP3366905B2 JP 3366905 B2 JP3366905 B2 JP 3366905B2 JP 2000620175 A JP2000620175 A JP 2000620175A JP 2000620175 A JP2000620175 A JP 2000620175A JP 3366905 B2 JP3366905 B2 JP 3366905B2
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magnetic
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士郎 中川
勝巳 薮崎
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01R15/18Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using inductive devices, e.g. transformers
    • G01R15/183Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using inductive devices, e.g. transformers using transformers with a magnetic core
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は、比較的大きな磁界を測定するための磁気セン
サ装置およびこれを利用して大電流を非接触で測定する
ための電流センサ装置に関する。
【0002】背景技術 近年、環境に対する配慮から、環境汚染の少ない電気自
動車や太陽光発電の開発が盛んに行われている。電気自
動車や太陽光発電では、数kW〜数十kWの直流電力を
扱うため、数十〜数百Aの直流電流を測定する非接触型
の電流センサ装置が必要とされる。このような電流セン
サ装置は、需要量が膨大なため、安価で高精度のものが
社会的に求められている。
【0003】電流の作る磁界を磁気センサで計測し、電
流値を非接触で測定する電流センサ装置としては、磁気
センサとしてホール素子を用いたものが多く利用されて
いる。
【0004】しかし、ホール素子はオフセット電圧の処
理が厄介で、これが電流センサ装置の低価格化の障害と
なっている。ここでオフセット電圧とは、被測定磁界が
ゼロのときの残留出力電圧である。
【0005】一方、磁気センサとして、磁芯の飽和現象
を利用するフラックスゲート素子を用いた磁気センサ装
置または電流センサ装置は、原理的にはオフセット電圧
を発生しないことが期待されるため、注目を集め出して
いる。
【0006】ここで、第12図を用いて、最も簡単なフ
ラックスゲート素子の動作原理を説明する。第12図
は、磁芯に巻かれたコイルのインダクタンスとコイル電
流との関係を示す特性図である。磁芯は磁気飽和特性を
有するため、コイル電流が増大すると、磁芯の実効透磁
率が低下し、コイルのインダクタンスは減少する。従っ
て、マグネット等で磁芯にバイアス磁界Bをかけておけ
ば、外部磁界H0がバイアス磁界に重畳された場合、外
部磁界H0の大きさは、コイルのインダクタンスの変化
として測定することができる。これが最も簡単なフラッ
クスゲート素子の動作原理である。なお、第12図で
は、バイアス磁界Bおよび外部磁界H0は、共に、コイ
ル電流に換算した大きさで表している。
【0007】しかし、この方法ではマグネットの発生す
る磁界の強さや、マグネットと磁芯との位置関係等でバ
イアス点Bの位置が変わるため、外部磁界がゼロのとき
のインダクタンス値を一定値に調整しておく必要があ
る。ところが、この値の温度変化や他の外乱に対しての
不安定性の補償は極めて困難である。そのため、上記の
方法は、実用に適していない。
【0008】ところで、棒状磁芯では開磁路となるため
ヒステリシスの影響は通常かなり小さい。そこで、磁芯
のヒステリシスを無視すれば、磁芯の飽和特性はコイル
電流の向きによらないので、コイル電流を正の向きにし
たときと、負の向きにしたときとのインダクタンスの変
化特性は同一である。例えば、第12図におけるP+
とP-点は、互いに絶対値の等しい正の向きのコイル電
流と負の向きのコイル電流を表すものとする。これらの
点の近傍において、コイル電流の絶対値の変化に対する
インダクタンスの変化特性は同一である。従って、コイ
ルにピーク時には磁芯が飽和領域に入るような交流電流
を印可し、電流の正負の各ピーク値でのインダクタンス
の減少分の差を測定すれば、外部磁界がゼロのときに
は、この差は常にゼロである。そしてこれは、温度変化
や外乱によって磁芯の特性が変化しても変わらない。つ
まり、この場合、オフセット電圧は発生しない。なお、
本出願において、磁芯の飽和領域とは、磁界の絶対値
が、磁芯の透磁率が最大透磁率となるときの磁界の絶対
値より大きい領域をいう。
【0009】一方、磁芯に外部磁界が印可された場合、
例えば、第12図に示したように、外部磁界H0が電流
の正の向きに印可されたとすると、電流の正のピーク
(例えば第12図におけるQ+点)ではインダクタンス
値は減少し、負のピーク(例えば第12図におけるQ-
点)ではインダクタンス値は増加するから、その差がゼ
ロ以外の値を持つ。このインダクタンス値の差は外部磁
界に依存するので、このインダクタンス値の差を測定す
ることによって、外部磁界を測定することができる。
【0010】フラックスゲート素子を用いた磁気センサ
装置または電流センサ装置において、上記のインダクタ
ンス値の差は、例えば、センサコイルに直列に接続され
た別のインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分
した信号、つまり、センサコイルを流れる電流の2次微
分係数に相当する信号から得ることができる。
【0011】このように、センサコイルに、ピーク時に
は磁芯が飽和領域に入るような交流電流を印可し、電流
の正負の各ピーク値でのインダクタンスの減少分の差を
測定する方法を、本出願において大振幅励振法と言う。
【0012】なお、日本特開平4−24574号公報に
は、センサコイルに交流電流を印加する手段として、セ
ンサコイルを共振回路の一部として用いた発振回路が開
示されている。
【0013】ところで、外部磁界ゼロのとき、電流の正
負の各ピーク値でのセンサコイルのインダクタンス値の
差がゼロになるためには、センサコイルにおける励振電
流の正側の波形と負側の波形は対称でなければならな
い。
【0014】しかし、実際にセンサコイルを励振するた
めの駆動回路を構成して詳細に検討すると、励振電流の
正側の波形と負側の波形は厳密には対称ではない。特に
駆動回路として自励発振回路を用いた場合には、励振電
流の波形の正負の非対称性はかなり大きい。このため、
大振幅励振法を用いたセンサ装置でも、実際には、無視
できない値のオフセット電圧が発生してしまう。
【0015】このオフセット電圧が発生することによる
問題点は、オフセット電圧がセンサ装置の出力に定常的
な誤差をもたらすという点と、オフセット電圧が温度や
電源電圧等の外部的な擾乱で変動する点にある。
【0016】観測によれば、励振電流の波形の正負の非
対称性を誘起するのは、発振回路を構成する能動素子の
制御入力のエネルギ損失であることが判明している。ま
た、上記非対称性を変動させる外部擾乱の主体は、発振
回路を構成する能動素子の動作温度の変動であることが
判明している。
【0017】以下、第13図ないし第15図を参照し
て、上述の励振電流の各波形の正負の非対称性について
詳しく説明する。
【0018】第13図は、フラックスゲート素子を用い
た磁気センサ装置の構成の一例を示すブロック図であ
る。この磁気センサ装置は、磁芯201と、この磁芯2
01に巻回された少なくとも1つのコイルからなるセン
サコイル202と、一端がセンサコイル202の一端に
接続され他端が接地され、磁芯201が飽和領域に達す
るような交流の駆動電流をセンサコイル202に供給す
る交流電流供給部203と、センサコイル202に対し
て直列に接続された、センサコイル202のインダクタ
ンス値の変化を検出するためのインダクタンス素子20
4とを備えている。インダクタンス素子204は、一端
がセンサコイル202の他端に接続され、他端が接地さ
れている。
【0019】第13図に示した磁気センサ装置は、更
に、センサコイル202とインダクタンス素子204と
の接続点に接続され、インダクタンス素子204の両端
に発生する電圧を微分する微分回路205と、この微分
回路205の出力信号の正のピーク値をホールドする正
ピークホールド回路206と、微分回路205の出力信
号の負のピーク値をホールドする負ピークホールド回路
207と、正ピークホールド回路206によってホール
ドされた値と負ピークホールド回路207によってホー
ルドされた値とを加算する加算回路208と、加算回路
208の出力信号を出力する出力端子209とを備えて
いる。
【0020】第13図に示した磁気センサ装置では、交
流電流供給部203から供給されたセンサコイル202
の励振電流は、インダクタンス素子204および微分回
路205で2回微分され、励振電流の正負の各ピーク値
を表す、互いに逆極性のスパイク状電圧信号となる。こ
の正負のスパイク状電圧信号の各ピーク値は、正ピーク
ホールド回路206および負ピークホールド回路207
によってホールドされ、加算回路208によって加算さ
れて出力信号として出力端子209より出力される。
【0021】第13図に示した磁気センサ装置におい
て、センサコイル202の励振電流における正負の各波
形が対称で、センサコイル202に印可される外部磁界
がゼロであれば、出力信号はゼロとなりオフセット電圧
は発生しない。
【0022】しかし、前述のように、実際に駆動回路を
構成して詳細に検討すると、励振電流の正負の各波形は
厳密には対称ではなく、特に駆動回路として自励発振回
路を用いた場合には、励振電流における正負の各波形の
非対称性はかなり大きい。このため、無視できない値の
オフセット電圧が発生してしまう。
【0023】ここで、第14図を参照して、自励発振回
路を用いた場合の励振電流における正負の各波形の非対
称性の発生原因について、自励発振回路としてバイポー
ラトランジスタを能動素子とするクラップ発振回路を用
いた場合を例にとって説明する。第14図は、センサコ
イル202を励振するためのクラップ発振回路の構成の
一例を示す回路図である。
【0024】第14図に示したクラップ発振回路は、N
PN型のバイポーラトランジスタ211と、共振用コイ
ルを兼ねたセンサコイル202と、このセンサコイル2
02に対して直列に接続された共振用コンデンサ212
とを備えている。センサコイル202と共振用コンデン
サ212は直列共振回路を構成している。トランジスタ
211のベースは、共振用コンデンサ212を介してセ
ンサコイル202の一端に接続され、センサコイル20
2の他端は接地されている。トランジスタ211のベー
スには、帰還用コンデンサ213の一端が接続されてい
る。帰還用コンデンサ213の他端には、帰還用コンデ
ンサ214の一端とトランジスタ211のエミッタが接
続されている。帰還用コンデンサ214の他端は接地さ
れている。トランジスタ211のエミッタは、エミッタ
負荷コイル215を介して接地されている。トランジス
タ211のコレクタは、電源入力端216に接続されて
いると共に、バイアス抵抗217を介してベースに接続
されている。
【0025】第14図に示した発振回路において、トラ
ンジスタ211のベースにおいて観測される発振波形に
ついて考察する。発振波形の正のピーク値付近でトラン
ジスタ211にベース電流が流れ、トランジスタ211
はオンとなり、エミッタ電流によってコンデンサ214
が充電される。この充電によるエネルギは発振の継続の
ために使用される。ここで分かることは、トランジスタ
211のベース電流が流れるのは発振波形の正のピーク
値付近だけで、負のピーク値付近ではベース電流は流れ
ないということである。そのため、発振波形の正のピー
ク値付近のみで、共振エネルギの一部がベース電流とし
て消費されてしまう。また、トランジスタ211が飽和
すると、そのベース、エミッタ間は、単なるダイオード
と等価である。そのため、トランジスタ211のベース
において観測される発振波形は、第15図に示したよう
に、正のピーク値付近がクランプされた波形となる。こ
のようにして、発振波形の正負の非対称性、すなわち励
振電流の波形の正負の非対称性が発生する。なお、第1
5図において、符号VCLは、クランプ電位を表してい
る。
【0026】もし、共振回路のQ値が十分大きければ、
発振波形の非対称性は共振回路で補正される。しかし、
フラックスゲート素子を用いた磁気センサでは、センサ
コイル102のQ値はあまり大きくないため、上述の非
対称性が残存し、この非対称性がオフセット電圧の発生
の原因となる。
【0027】しかも、第14図に示した発振回路では、
トランジスタ211の動作温度が上昇するに従って、ト
ランジスタ211のベース、エミッタ間順方向阻止電圧
は減少するので、クランプ電位は低下する。すなわち、
トランジスタ211の動作温度が上昇するに従って、上
述の非対称性が大きくなり、オフセット電圧が増大す
る。
【0028】また、第14図に示した発振回路では、ト
ランジスタ211の動作温度が上昇するに従って、発振
振幅も大きくなるので、このことがオフセット電圧の増
大を助長する。このことは、以下のように説明すること
ができる。
【0029】発振回路から供給される励振電流は、直流
成分を含まないので、励振電流波形の正の部分の面積と
負の部分の面積は等しい。ここで、励振電流波形が正負
非対称であると、波形全体の振幅を増大させた場合に、
正の部分における振幅の増大分と負の部分における振幅
の増大分は等しくなくなる。
【0030】例えば、簡単のため、励振電流波形の正の
部分が台形で、負の部分が三角形で、台形と三角形の底
辺が等しい場合を考える。この場合、励振電流波形全体
の振幅を増大させると、正の部分の面積と負の部分の面
積は等しいので、振幅の増大量は正の部分より負の部分
の方が大きくなる。このようにして、第14図に示した
発振回路では、トランジスタ211の動作温度が上昇す
るに従って、発振振幅が大きくなり、その結果、励振電
流の波形の正負の非対称性が大きくなり、オフセット電
圧も大きくなる。
【0031】これらの不具合を解決するには、第14図
に示した発振回路の例で言えば、発振波形の正のピーク
値付近でベース電流として消費されるエネルギを可能な
限り小さくすることや、ベース、エミッタ間でのクラン
プ現象を小さくすることや、温度によるクランプ電位の
変動および温度による発振振幅の変動を除去することが
必要になる。
【0032】なお、例えば、能動素子としてダーリント
ントランジスタ、接合型電界効果トランジスタ(以下、
電界効果トランジスタをFETとも記す。)、あるいは
MOS(金属酸化物半導体)型FETを採用するだけで
は、上述の不具合は解消しない。このことを以下で説明
する。
【0033】実際に実験してみると、ダーリントントラ
ンジスタを用いた場合には、ベース電流として消費され
るエネルギは小さくできる。しかし、等価電流増幅率が
極端に大きくなるため、コレクタもれ電流の温度依存性
による動作不安定性が大きく実用にならない。接合型F
ETを採用した場合には、FETが電圧制御であるた
め、発振波形がクランプされる現象はない。しかし、接
合型FETには電流容量の大きな素子がなく、大きな励
振電流を必要とする励振回路に使用すると、接合型FE
Tの内部抵抗による電力損失が大き過ぎて、実用になら
ない。MOS型FETを用いた場合には、MOS型FE
Tがオン抵抗の高い素子であるならば接合型FETと同
じ欠点を持ち、MOS型FETがオン抵抗の低い素子で
あるならば、ゲート、ソース間の静電容量による発振波
形の歪みが大きく、バイポーラトランジスタより不具合
が大きい。
【0034】以上説明したように、フラックスゲート素
子を用いた磁気センサ装置または電流センサ装置におい
て、オフセット電圧による不具合を解消するには、以下
の3点が重要である。 (1)発振波形の正負の非対称性を可能な限り小さくす
ること。 (2)発振波形の正負の非対称性が発振回路の能動素子
の動作温度で変動しないようにすること。 (3)発振振幅が発振回路の能動素子の動作温度で変動
しないようにすること。
【0035】上述の(1)はオフセット電圧の絶対値を
小さくし、(2)は温度によるオフセット電圧の変動を
除去し、(3)は温度によるオフセット電圧の増大を防
止する。
【0036】発明の開示 本発明の第1の目的は、フラックスゲート素子を用いた
磁気センサ装置および電流センサ装置であって、オフセ
ット電圧の変動を小さくすることができるようにした磁
気センサ装置および電流センサ装置を提供することにあ
る。
【0037】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に
加え、オフセット電圧を小さくすることができるように
した磁気センサ装置および電流センサ装置を提供するこ
とにある。
【0038】本発明の磁気センサ装置は、磁芯と、磁芯
に巻回された、印加される被測定磁界を検出するための
センサコイルと、磁芯が飽和領域に達するような交流電
流をセンサコイルに供給してセンサコイルを駆動する駆
動手段とを備え、駆動手段は、センサコイルを共振回路
の一部に含む自励発振回路を有し、自励発振回路は、そ
れぞれ単独では動作温度の変化に応じて発振波形の変動
を生じさせる2つの能動素子を含み、2つの能動素子に
よる発振波形の変動は発振波形の正負の非対称性の変動
を抑制する方向に働くものである。
【0039】本発明の電流センサ装置は、被測定電流に
よって発生する被測定磁界を測定することによって被測
定電流を測定するものであって、磁芯と、磁芯に巻回さ
れた、印加される被測定磁界を検出するためのセンサコ
イルと、磁芯が飽和領域に達するような交流電流を前記
センサコイルに供給して前記センサコイルを駆動する駆
動手段とを備え、駆動手段は、センサコイルを共振回路
の一部に含む自励発振回路を有し、自励発振回路は、そ
れぞれ単独では動作温度の変化に応じて発振波形の変動
を生じさせる2つの能動素子を含み、2つの能動素子に
よる発振波形の変動は発振波形の正負の非対称性の変動
を抑制する方向に働くものである。
【0040】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置では、自励発振回路の2つの能動素子は、それぞれ
単独では動作温度の変化に応じて発振波形の変動を生じ
させるが、2つの能動素子による発振波形の変動は発振
波形の正負の非対称性の変動を抑制する方向に働く。
【0041】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、2つの能動素子は、発振の継続のために
用いられる増幅素子である、発振波形が正側のときに動
作するNPN型トランジスタと、発振波形が負側のとき
に動作するPNP型トランジスタであってもよい。この
場合には、自励発振回路において、発振波形のクランプ
現象は正側と負側で同様に発生する。従って、発振波形
の正負の非対称性が小さくなる。
【0042】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、NPN型トランジスタのエミッタとPN
P型トランジスタのエミッタが接続されていてもよい。
【0043】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、NPN型トランジスタとPNP型
トランジスタは、同一の半導体基板上に形成されている
ことが好ましい。
【0044】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置は、更に、センサコイルに流れる交流電流を
検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて駆
動手段を制御して、センサコイルに流れる電流の振幅を
制御する制御手段とを備えていてもよい。この場合、制
御手段は、駆動手段の動作電圧を制御するものでもよ
い。
【0045】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、2つの能動素子は、動作温度が上昇する
に従って発振振幅を減少させる特性を有する第1の能動
素子と、動作温度が上昇するに従って発振振幅を増大さ
せる特性を有する第2の能動素子であってもよい。この
場合には、温度変動に伴うオフセット電圧の変動が抑え
られる。
【0046】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、第1の能動素子は電界効果トランジスタ
であり、第2の能動素子はバイポーラトランジスタであ
ってもよい。
【0047】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、電界効果トランジスタとバイポー
ラトランジスタは縦続接続されていてもよい。
【0048】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、自励発振回路は、電界効果トラン
ジスタを含み、発振波形に対応した波形の電圧を電流に
変換して出力する電圧−電流変換素子と、バイポーラト
ランジスタを含み、電圧−電流変換素子より出力される
電流を増幅して、発振の継続のための電流を生成する電
流増幅素子とを有していてもよい。この場合には、クラ
ンプ現象が発生せず、発振波形の正負の非対称性が抑え
られ、オフセット電圧が小さくなる。
【0049】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、自励発振回路は、コルピッツ発振
回路またはクラップ発振回路を含んでいてもよい。
【0050】本発明のその他の目的、特徴および利益
は、以下の説明を以って十分明白になるであろう。
【0051】発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細
に説明する。 [第1の実施の形態] 第1図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、磁気飽和特性を有する磁芯1と、この
磁芯1に巻回された少なくとも1つのコイルからなるセ
ンサコイル2と、磁芯1が飽和領域に達するような交流
電流をセンサコイル2に供給してセンサコイル2を駆動
する駆動部10と、センサコイル2に対して直列に接続
されたインダクタンス素子4と、被測定磁界を測定する
ための検出部40とを備えている。センサコイル2は、
印加される被測定磁界を検出するためのコイルである。
インダクタンス素子4は、センサコイル2のインダクタ
ンス値の変化を検出するための素子である。インダクタ
ンス素子4は、例えば、一端がセンサコイル2の他端に
接続され、他端が接地されたコイルよりなる。なお、駆
動部10は、センサコイル2およびインダクタンス素子
4を含んでいる。検出部40は、センサコイル2とイン
ダクタンス素子4との接続点に接続されている。
【0052】駆動部10は、以下のように構成された自
励発振回路となっている。すなわち、自励発振回路は、
発振の継続のために用いられる増幅素子として、発振波
形が正側のときに動作するNPN型トランジスタ21
と、発振波形が負側のときに動作するPNP型トランジ
スタ31とを有している。NPN型トランジスタ21と
PNP型トランジスタ31は、同一の半導体基板(ウェ
ハ)上に形成されているのが好ましい。
【0053】NPN型トランジスタ21のベースは、共
振用コンデンサ22の一端に接続されている。PNP型
トランジスタ31のベースは、共振用コンデンサ32の
一端に接続されている。共振用コンデンサ22,32の
各他端はセンサコイル2の一端に接続されている。
【0054】また、NPN型トランジスタ21のベース
は、帰還用コンデンサ23の一端に接続されている。P
NP型トランジスタ31のベースは、帰還用コンデンサ
33の一端に接続されている。帰還用コンデンサ23,
33の各他端は帰還用コンデンサ30の一端に接続され
ている。帰還用コンデンサ30の他端は接地されてい
る。
【0055】NPN型トランジスタ21のエミッタとP
NP型トランジスタ31のエミッタは、互いに接続され
ていると共に、帰還用コンデンサ23,33の接続点に
接続されている。
【0056】NPN型トランジスタ21のベースは、バ
イアス用抵抗24を介して電源入力端25に接続されて
いる。また、NPN型トランジスタ21のコレクタは電
源入力端25に接続されている。
【0057】PNP型トランジスタ31のベースは、バ
イアス用抵抗34を介して接地されている。また、PN
P型トランジスタ31のコレクタは接地されている。
【0058】このような構成の駆動部10において、セ
ンサコイル2、インダクタンス素子4およびコンデンサ
22,23,30,32,33は、自励発振回路におけ
る直列共振回路を構成している。すなわち、直列共振回
路は、センサコイル2を一部に含んでいる。
【0059】第1図におけるコンデンサ22,23,3
0,32,33のキャパシタンスをそれぞれCS1
B1,CE,CS2,CB2とすると、CS1,CS2<<
B1,CB2およびCS1,CS2<<CEとした場合には、
第1図に示した自励発振回路はクラップ発振回路を含ん
だものとなる。また、CS1,CS2>>CB1,CB2および
S1,CS2>>CEとした場合には、第1図に示した自
励発振回路はコルピッツ発振回路を含んだものとなる。
【0060】検出部40は、センサコイル2とインダク
タンス素子4との接続点に接続され、インダクタンス素
子4の両端に発生する電圧を微分する微分回路41と、
この微分回路41の出力信号の正のピーク値をホールド
する正ピークホールド回路42と、微分回路41の出力
信号の負のピーク値をホールドする負ピークホールド回
路43と、正ピークホールド回路42によってホールド
された値と負ピークホールド回路43によってホールド
された値とを加算する加算回路44とを備えている。加
算回路44の出力端は出力端子45に接続されている。
【0061】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の作用について説明する。本実施の形態に係る磁気セン
サ装置では、自励発振回路よりなる駆動部10によっ
て、磁芯1が飽和領域に達するような交流の励振電流が
センサコイル2に供給されて、センサコイル2が駆動さ
れる。励振電流は、電源電圧で制限される電流値に対し
て、自励発振回路における直列共振回路のQ値倍とな
る。
【0062】励振電流のピーク値付近で磁芯1が飽和領
域に達すると、センサコイル2のインダクタンス値が急
減するため、励振電流は急増する。励振電流の波形を2
回微分すれば、急増した部分の電流波形に相似な逆位相
の出力を検出することができる。本実施の形態では、セ
ンサコイル2の励振電流は、インダクタンス素子4およ
び微分回路41で2回微分され、励振電流の正負の各ピ
ーク値を表す、互いに逆極性のスパイク状電圧信号とな
る。この正負のスパイク状電圧信号の各ピーク値は、正
ピークホールド回路42および負ピークホールド回路4
3によってホールドされ、加算回路44によって加算さ
れて、被測定磁界に対応した出力信号として出力端子4
5より出力される。
【0063】本実施の形態における自励発振回路では、
NPN型トランジスタ21は、ベースに印加される発振
電圧波形の正のピーク値付近でオンとなり、そのエミッ
タ電流によってコンデンサ30が充電される。コンデン
サ30に充電されたエネルギは発振の継続のために使用
される。ここで、発振電圧波形の正のピーク値付近で
は、共振エネルギの一部がNPN型トランジスタ21の
ベース電流として消費されてしまうと共に、クランプ現
象が発生する。
【0064】一方、PNP型トランジスタ31は、ベー
スに印加される発振電圧波形の負のピーク値付近でオン
となり、そのエミッタ電流によってコンデンサ30が放
電、すなわち、発振電圧波形の正のときとは逆の向きに
充電される。コンデンサ30に充電されたエネルギは発
振の継続のために使用される。ここで、発振電圧波形の
負のピーク値付近では、共振エネルギの一部がPNP型
トランジスタ31のベース電流として消費されてしまう
と共に、クランプ現象が発生する。
【0065】このように、本実施の形態では、発振波形
のクランプ現象は正側と負側で同様に発生する。従っ
て、本実施の形態では、発振波形は、第2図に示したよ
うに、正負対称になるか、非対称性があっても非常に小
さくなる。その結果、本実施の形態によれば、フラック
スゲート素子を用いた磁気センサ装置におけるオフセッ
ト電圧を小さくすることができる。
【0066】また、本実施の形態では、トランジスタ2
1,31の動作温度の変動に伴ってクランプ電位が変動
しても、クランプ電位は発振波形の正側と負側で同様に
変化するので、発振波形の正負の対称性は維持される。
従って、本実施の形態によれば、フラックスゲート素子
を用いた磁気センサ装置において、温度変化に伴うオフ
セット電圧の変動を小さくすることができる。
【0067】また、本実施の形態によれば、NPN型ト
ランジスタ21のエミッタとPNP型トランジスタ31
のエミッタが接続されているので、一方のトランジスタ
が他方のトランジスタのエミッタの負荷となり、各トラ
ンジスタ21,31毎の独立したエミッタの負荷が不要
になる。
【0068】また、本実施の形態において、NPN型ト
ランジスタ21とPNP型トランジスタ31が同一の半
導体基板上に形成されている場合には、トランジスタ2
1,31が独立している場合に比べて、トランジスタ2
1,31の温度変化に対する特性がより近似したものと
なるため、温度変化に対するオフセット電圧の変動をよ
り小さくすることができる。
【0069】第3図は、本実施の形態に係る磁気センサ
装置におけるオフセット電圧の温度変動率の一例を示す
特性図である。この図において、横軸は温度を表し、縦
軸はオフセット電圧の温度変動率を表している。オフセ
ット電圧の温度変動率は、25℃における磁気センサ装
置の出力電圧を基準にして、異なる温度における出力電
圧の変動率を百分率で表したものである。第3図におい
て、破線は本実施の形態に係る磁気センサ装置の特性を
示し、実線は、比較例として例えば第14図に示した発
振回路を用いた磁気センサ装置の特性を示している。
【0070】なお、第3図に示したオフセット電圧の温
度変動率の値は、以下の通りである。 温度−40℃のとき、本実施の形態では−0.17%、比
較例では2.08%。 温度−20℃のとき、本実施の形態では−0.13%、比
較例では1.39%。 温度 0℃のとき、本実施の形態では−0.05%、比
較例では0.75%。 温度50℃のとき、本実施の形態では0.06%、比較
例では−0.75%。 温度80℃のとき、本実施の形態では0.12%、比較
例では−1.87%。
【0071】第3図からも、本実施の形態によれば、温
度変化に対するオフセット電圧の変動を小さくすること
ができることが分かる。
【0072】[第2の実施の形態] 次に、第4図を参照して、本発明の第2の実施の形態に
係る磁気センサ装置について説明する。第4図は、本実
施の形態に係る磁気センサ装置の構成を示す回路図であ
る。
【0073】本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第
1の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、センサ
コイル2に流れる交流電流を検出する検出手段と、この
検出手段の検出結果に基づいて駆動部を制御して、セン
サコイル2に流れる電流の振幅を制御する制御手段とを
付加したものである。
【0074】上記検出手段および制御手段は、以下のよ
うに構成されている。すなわち、センサコイル2とイン
ダクタンス素子4との接続点には、コンデンサ51の一
端が接続され、このコンデンサ51の他端には、コンデ
ンサ52の一端と抵抗53の一端とが接続されている。
コンデンサ52の他端には、抵抗54の一端とダイオー
ド55のカソードとNPN型トランジスタ56のベース
とが接続されている。抵抗53,54の各他端とダイオ
ード55のアノードとトランジスタ56のエミッタは接
地されている。トランジスタ56のコレクタとエミッタ
はコンデンサ58を介して接続されている。また、トラ
ンジスタ56のコレクタには、NPN型トランジスタ5
7のベースが接続されている。
【0075】本実施の形態では、トランジスタ31のコ
レクタと抵抗34との接続点は接地されておらず、この
接続点は、トランジスタ57のコレクタに接続されてい
ると共に、コンデンサ59を介して接地されている。ト
ランジスタ57のエミッタは接地されている。トランジ
スタ56のコレクタとトランジスタ57のベースは、抵
抗60を介して電源入力端25に接続されている。
【0076】コンデンサ51および抵抗53は微分回路
を構成している。コンデンサ52、抵抗54、ダイオー
ド55、トランジスタ56およびコンデンサ58は、増
幅回路を兼ねたピーク整流回路を構成している。これら
微分回路およびピーク整流回路は、本発明における検出
手段に対応する。トランジスタ57は、駆動部の動作電
圧を制御するものであり、本発明における制御手段に対
応する。
【0077】本実施の形態では、コンデンサ51および
抵抗53よりなる微分回路によって、インダクタンス素
子4の両端に発生する電圧が微分されて、励振電流の正
負の各ピーク値を表す、互いに逆極性のスパイク状電圧
信号が生成される。そして、ピーク整流回路によって、
上記スパイク状電圧信号の振幅に対応した、トランジス
タ57のベースに印加される制御信号が生成される。こ
の制御信号は、以下で説明するように、励振電流の振幅
が増加すると小さくなり、励振電流の振幅が減少すると
大きくなる。
【0078】温度変動等の外部擾乱により励振電流の振
幅が増加するとトランジスタ56のベース電位が上昇
し、トランジスタ56のコレクタ電位が低下する。トラ
ンジスタ56のコレクタ電位は、制御信号としてトラン
ジスタ57のベースに印加される。制御信号が小さくな
ると、トランジスタ57のコレクタ、エミッタ間に流れ
る電流が減少し、トランジスタ57のコレクタ電位が上
昇する。その結果、トランジスタ21,31のコレク
タ、エミッタ間電位、すなわち動作電圧が低下し、励振
電流の振幅は減少するように制御される。
【0079】逆に、外部擾乱により励振電流の振幅が減
少すると、制御信号が大きくなり、トランジスタ21,
31の動作電圧が増加し、励振電流の振幅は増加するよ
うに制御される。
【0080】このように、本実施の形態では、励振電流
の振幅が一定になるように、励振電流の振幅の検出結果
に基づいて励振電流の振幅が制御される。従って、本実
施の形態によれば、わずかに励振電流の波形の正負の非
対称性があったとしても、外部擾乱によって非対称性が
変化することが防止され、オフセット電圧の変動をより
小さくすることができる。
【0081】なお、本実施の形態において、必要に応じ
て、制御信号に対して増幅や位相補正等の信号処理を施
してもよい。
【0082】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0083】[第3の実施の形態] 次に、第5図を参照して、本発明の第3の実施の形態に
係る磁気センサ装置について説明する。第5図は、本実
施の形態に係る磁気センサ装置の構成を示す回路図であ
る。
【0084】本実施の形態は、第2の実施の形態と同様
に、第1の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、
センサコイル2に流れる交流電流を検出する検出手段
と、この検出手段の検出結果に基づいて駆動部を制御し
て、センサコイル2に流れる電流の振幅を制御する制御
手段とを付加したものである。
【0085】本実施の形態において、微分回路およびピ
ーク整流回路の構成は、第2の実施の形態と同様であ
る。本実施の形態では、第2の実施の形態におけるトラ
ンジスタ57の代りに、NPN型トランジスタ61が設
けられている。トランジスタ61は、第1の実施の形態
におけるトランジスタ21のコレクタと電源入力端25
との間に設けられている。トランジスタ61のベースは
トランジスタ56のコレクタに接続されている。トラン
ジスタ61のコレクタは電源入力端25に接続されてい
る。トランジスタ61のエミッタは、トランジスタ21
のコレクタに接続されていると共に、コンデンサ62を
介して接地されている。トランジスタ61は、駆動部の
動作電圧を制御するものであり、本発明における制御手
段に対応する。また、本実施の形態では、トランジスタ
31のコレクタと抵抗34との接続点は接地されてい
る。
【0086】本実施の形態では、温度変動等の外部擾乱
により励振電流の振幅が増加するとトランジスタ56の
ベース電位が上昇し、トランジスタ56のコレクタ電位
が低下する。トランジスタ56のコレクタ電位は、制御
信号としてトランジスタ61のベースに印加される。制
御信号が小さくなると、トランジスタ61のエミッタ電
位が低下する。その結果、トランジスタ21,31のコ
レクタ、エミッタ間電位、すなわち動作電圧が低下し、
励振電流の振幅は減少するように制御される。
【0087】逆に、外部擾乱により励振電流の振幅が減
少すると、制御信号が大きくなり、トランジスタ21,
31の動作電圧が増加し、励振電流の振幅は増加するよ
うに制御される。
【0088】なお、本実施の形態において、必要に応じ
て、制御信号に対して増幅や位相補正等の信号処理を施
してもよい。
【0089】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1または第2の実施の形態と同様であ
る。
【0090】[第4の実施の形態] 次に、第6図を参照して、本発明の第4の実施の形態に
係る電流センサ装置について説明する。第6図は、本実
施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回路図であ
る。本実施の形態に係る電流センサ装置は、第1の実施
の形態に係る磁気センサ装置を用いて構成されている。
【0091】本実施の形態に係る電流センサ装置は、被
測定電流が通過する導電部71を囲うように設けられ、
一部にギャップを有する磁気ヨーク72を備えている。
そして、磁気ヨーク72のギャップ内に、第1の実施の
形態に係る磁気センサ装置における磁芯1およびセンサ
コイル2が配置されている。
【0092】本実施の形態の電流センサ装置では、導電
部71を第6図における紙面に垂直な方向に流れる電流
(被測定電流)によって発生する磁束が、磁気ヨーク7
2によって収束され、磁気ヨーク72を通過する。そし
て、磁気ヨーク72のギャップ内に配置された磁芯1お
よびセンサコイル2を含む磁気センサ装置によって、上
記ギャップ内の磁界(被測定磁界)が測定され、これに
より、被測定電流が非接触で測定される。
【0093】なお、本実施の形態において、磁気センサ
装置として第2または第3の実施の形態に係る磁気セン
サ装置を用いてもよい。本実施の形態におけるその他の
構成、作用および効果は、第1ないし第3の実施の形態
と同様である。
【0094】[第5の実施の形態] 第7図は、本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係
る磁気センサ装置は、磁気飽和特性を有する磁芯101
と、この磁芯101に巻回された少なくとも1つのコイ
ルからなるセンサコイル102と、磁芯101が飽和領
域に達するような交流電流をセンサコイル102に供給
してセンサコイル102を駆動する駆動部110と、セ
ンサコイル102に対して直列に接続されたインダクタ
ンス素子104と、被測定磁界を測定するための検出部
140とを備えている。センサコイル102は、印加さ
れる被測定磁界を検出するためのコイルである。インダ
クタンス素子104は、センサコイル102のインダク
タンス値の変化を検出するための素子である。インダク
タンス素子104は、例えば、一端がセンサコイル10
2の他端に接続され、他端が接地されたコイルよりな
る。なお、駆動部110は、センサコイル102および
インダクタンス素子104を含んでいる。検出部140
は、センサコイル102とインダクタンス素子104と
の接続点に接続されている。
【0095】駆動部110は、以下のように構成された
自励発振回路となっている。すなわち、駆動部110
は、センサコイル102の一端に、順に直列に接続され
た共振用コンデンサ121、帰還用コンデンサ122お
よび帰還用コンデンサ123を有している。帰還用コン
デンサ123の帰還用コンデンサ122とは反対側の端
部は接地されている。センサコイル102、インダクタ
ンス素子104およびコンデンサ121,122,12
3は、自励発振回路における直列共振回路を構成してい
る。すなわち、直列共振回路は、センサコイル102を
一部に含んでいる。
【0096】駆動部110は、更に、共振用コンデンサ
121と帰還用コンデンサ122との接続点に、順に縦
続接続された電圧−電流変換素子111と電流増幅素子
112を有している。電流増幅素子112は帰還用コン
デンサ122,123の接続点に接続されていると共
に、例えばコイルよりなる負荷用インダクタンス素子1
24の一端に接続されている。インダクタンス素子12
4の他端は接地されている。また、電圧−電流変換素子
111および電流増幅素子112は電源入力端125に
接続されている。
【0097】電圧−電流変換素子111は、発振波形に
対応した波形の電圧を電流に変換して出力する。電流増
幅素子112は、電圧−電流変換素子111より出力さ
れる電流を増幅して、発振の継続のための電流を生成す
る。
【0098】検出部140は、センサコイル102とイ
ンダクタンス素子104との接続点に接続され、インダ
クタンス素子104の両端に発生する電圧を微分する微
分回路141と、この微分回路141の出力信号の正の
ピーク値をホールドする正ピークホールド回路142
と、微分回路141の出力信号の負のピーク値をホール
ドする負ピークホールド回路143と、正ピークホール
ド回路142によってホールドされた値と負ピークホー
ルド回路143によってホールドされた値とを加算する
加算回路144とを備えている。加算回路144の出力
端は出力端子145に接続されている。
【0099】第8図は、本実施の形態に係る磁気センサ
装置における自励発振回路の能動素子部分を示す回路図
である。なお、本実施の形態において、能動素子部分と
は、能動素子と、この能動素子の動作に必要な抵抗等の
受動素子とを含む部分を言う。第8図において、符号1
20で示した部分が能動素子部分である。なお、第8図
では、インダクタンス素子104を省略している。
【0100】能動素子部分120は、電圧−電流変換素
子111としての接合型電界効果トランジスタ(接合型
FET)131と、電流増幅素子112としてのNPN
型のバイポーラトランジスタ132とを有している。接
合型FET131とバイポーラトランジスタ132は、
以下で説明するように縦続接続されている。
【0101】接合型FET131のゲートGは、共振用
コンデンサ121と帰還用コンデンサ122との接続点
に接続されている。接合型FET131のゲートGは、
更に、バイアス用抵抗135を介して、帰還用コンデン
サ122,123の接続点と、バイポーラトランジスタ
132のエミッタEと、インダクタンス素子124の一
端とに接続されている。接合型FET131のソースS
は、抵抗133を介して、帰還用コンデンサ122,1
23の接続点と、バイポーラトランジスタ132のエミ
ッタEと、インダクタンス素子124の一端とに接続さ
れている。接合型FET131のソースSは、更に、抵
抗134を介して、バイポーラトランジスタ132のベ
ースBに接続されている。接合型FET131のドレイ
ンDとバイポーラトランジスタ132のコレクタCは電
源入力端125に接続されている。
【0102】接合型FET131は、動作温度が上昇す
るに従って発振振幅を減少させる特性を有し、本発明に
おける第1の能動素子に対応し、バイポーラトランジス
タ132は、動作温度が上昇するに従って発振振幅を増
大させる特性を有し、本発明における第2の能動素子に
対応する。
【0103】第8図におけるコンデンサ121,12
2,123のキャパシタンスをそれぞれCs ,Cb ,C
e とすると、Cs <<CbおよびCs <<Ceとした場合
には、第8図に示した自励発振回路はクラップ発振回路
を含んだものとなる。また、Cs>>CbおよびCs >>
Ce とした場合には、第8図に示した自励発振回路はコ
ルピッツ発振回路を含んだものとなる。
【0104】第9図は、第8図に示した能動素子部分1
20を含む、本実施の形態に係る磁気センサ装置の構成
を示す回路図である。この図の説明は、第7図および第
8図の説明と重複するので省略する。
【0105】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の作用について説明する。本実施の形態に係る磁気セン
サ装置では、自励発振回路よりなる駆動部110によっ
て、磁芯101が飽和領域に達するような交流の励振電
流がセンサコイル102に供給されて、センサコイル1
02が駆動される。励振電流は、電源電圧で制限される
電流値に対して、自励発振回路における直列共振回路の
Q値倍となる。
【0106】励振電流のピーク値付近で磁芯101が飽
和領域に達すると、センサコイル102のインダクタン
ス値が急減するため、励振電流は急増する。励振電流の
波形を2回微分すれば、急増した部分の電流波形に相似
な逆位相の出力を検出することができる。本実施の形態
では、センサコイル102の励振電流は、インダクタン
ス素子104および微分回路141で2回微分され、励
振電流の正負の各ピーク値を表す、互いに逆極性のスパ
イク状電圧信号となる。この正負のスパイク状電圧信号
の各ピーク値は、正ピークホールド回路142および負
ピークホールド回路143によってホールドされ、加算
回路144によって加算されて、被測定磁界に対応した
出力信号として出力端子145より出力される。
【0107】本実施の形態では、自励発振回路の能動素
子部分120は、電圧−電流変換素子111としての接
合型FET131と、電流増幅素子112としてのバイ
ポーラトランジスタ132とを有している。
【0108】FET131のゲートGの入力インピーダ
ンスは極めて大きく、入力信号のクランプ現象は発生し
ない。従って、電圧−電流変換素子111として、電圧
駆動素子である接合型FET131を用いると、電圧−
電流変換素子111の駆動に電流を必要とせず、エネル
ギを分流する部分がないため、電圧−電流変換素子11
1の入力端子(接合型FET131のゲートG)に印加
される電圧波形(発振波形)においてクランプ現象は発
生しない。電圧−電流変換素子111によって出力され
る電流は、電流増幅素子112によって増幅され、コン
デンサ123に充電される。この充電によるエネルギは
発振の継続のために使用される。
【0109】本実施の形態では、発振波形のクランプ現
象がないため、発振波形の正負の非対称性は非常に少な
い。また、クランプ現象自体がないため、温度変動に伴
ってクランプ電位が変動することに起因する非対称性の
変動は発生しない。従って、本実施の形態によれば、フ
ラックスゲート素子を用いた磁気センサ装置におけるオ
フセット電圧を小さくすることができる。
【0110】また、能動素子部分120における電流出
力は、電流増幅素子112としてのバイポーラトランジ
スタ132のエミッタEから得られる。本実施の形態で
は、電流増幅素子112として、コレクタ、エミッタ間
飽和電圧が十分小さいバイポーラトランジスタ132を
採用することができるため、電力損失を小さくすること
ができる。
【0111】ところで、電圧−電流変換素子111とし
ては、オペアンプによるヴォルテージフォロアや、バイ
ポーラトランジスタによるエミッタフォロアや、接合型
あるいはMOS型FETによるソースフォロア等の回路
も考えられる。しかし、オペアンプの使用はコスト的に
無駄である。また、バイポーラトランジスタによるエミ
ッタフォロア回路は、ベース電圧が上昇し、トランジス
タが飽和すればクランプ現象を発生させ、また動作温度
が上昇するに従って発振振幅を増大させる特性を有す
る。従って、電流増幅素子112としてバイポーラトラ
ンジスタを使用する場合には、電圧−電流変換素子11
1と電流増幅素子112が共に、動作温度が上昇するに
従って発振振幅を増大させるため好ましくない。
【0112】一方、電圧−電流変換素子111の出力電
流は電流増幅素子112を駆動するに足りればよいの
で、小信号用のFETが使用可能である。以上のことか
ら、本発明に用いる電圧−電流変換素子としてはFET
が好ましい。
【0113】更に、FETは、接合型およびMOS型共
に、ゲート電圧、ドレイン電流間の相互コンダクタンス
の温度係数は負である。このことは、電圧−電流変換素
子111としてFETを使用した場合、電圧−電流変換
の変換係数が動作温度の上昇に伴って減少することを意
味する。従って、本実施の形態における電圧−電流変換
素子111としてのFET131は、動作温度が上昇す
るに従って発振振幅を減少させる特性を有する。
【0114】これに対し、バイポーラトランジスタは、
一般に、電流増幅率の温度係数が正である。従って、本
実施の形態における電流増幅素子112としてのバイポ
ーラトランジスタ132は、動作温度が上昇するに従っ
て発振振幅を増大させる特性を有する。
【0115】本実施の形態では、このように、自励発振
回路が、動作温度が上昇するに従って発振振幅を減少さ
せる特性を有するFET131と、動作温度が上昇する
に従って発振振幅を増大させる特性を有するバイポーラ
トランジスタ132とを含むようにしたので、自励発振
回路において、温度上昇に伴う発振振幅の変動は、FE
T131とバイポーラトランジスタ132とで逆方向に
生じる。その結果、本実施の形態によれば、温度変化に
伴う駆動部110(自励発振回路)の発振振幅の変動を
効果的に抑制することができ、フラックスゲート素子を
用いた磁気センサ装置におけるオフセット電圧の変動を
小さくすることができる。
【0116】また、このことは、クランプ現象以外の未
確認の原因による発振波形の正負の非対称性が残存した
としても、発振振幅の変動によるオフセット電圧の変動
が抑制されることを意味し、実用上極めて好都合であ
る。
【0117】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、クランプ現象に起因する発振波形の正負の非対称性
はほとんどないため、クランプ現象に付随する非対称性
の温度変動もほとんどない。また、発振振幅の温度依存
性も抑圧されるので、残存するわずかな非対称性が温度
変化によって拡大されることもない。従って、本実施の
形態によれば、フラックスゲート素子を用いた磁気セン
サ装置において、オフセット電圧による不具合を解消す
るための以下の課題を全て解決することができる。 (1)発振波形の正負の非対称性を可能な限り小さくす
ること。 (2)発振波形の正負の非対称性が発振回路の能動素子
の動作温度で変動しないようにすること。 (3)発振振幅が発振回路の能動素子の動作温度で変動
しないようにすること。
【0118】また、本実施の形態における自励発振回路
は、例えば第14図に示したような従来の自励発振回路
に、小信号用のFET131とそのソース負荷用の2個
の抵抗133,134を追加するだけの非常に簡単な構
成で実現できる。従って、本実施の形態によれば、非常
に安価で特性の優れた磁気センサ装置を実現することが
できる。この磁気センサ装置は、電気自動車や太陽光発
電等で用いられる電流センサ装置等へ適用すれば、産業
上の貢献は極めて大きい。
【0119】[第6の実施の形態] 次に、第10図を参照して、本発明の第6の実施の形態
に係る磁気センサ装置について説明する。第10図は、
本実施の形態に係る磁気センサ装置における自励発振回
路の能動素子部分を示す回路図である。本実施の形態
は、自励発振回路の電圧−電流変換素子111として、
第5の実施の形態における接合型FET131の代り
に、小信号用のMOS型FET136を用いたものであ
る。また、本実施の形態では、第5の実施の形態におけ
るバイアス抵抗135の代りに、FET136のゲート
と電源入力端125との間にバイアス抵抗137が設け
られている。
【0120】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第5の実施の形態と同様である。
【0121】[第7の実施の形態] 次に、第11図を参照して、本発明の第7の実施の形態
に係る電流センサ装置について説明する。第11図は、
本実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回路図
である。本実施の形態に係る電流センサ装置は、第5の
実施の形態に係る磁気センサ装置を用いて構成されてい
る。
【0122】本実施の形態に係る電流センサ装置は、被
測定電流が通過する導電部151を囲うように設けら
れ、一部にギャップを有する磁気ヨーク152を備えて
いる。そして、磁気ヨーク152のギャップ内に、第5
の実施の形態に係る磁気センサ装置における磁芯101
およびセンサコイル102が配置されている。
【0123】本実施の形態の電流センサ装置では、導電
部151を第11図における紙面に垂直な方向に流れる
電流(被測定電流)によって発生する磁束が、磁気ヨー
ク152によって収束され、磁気ヨーク152を通過す
る。そして、磁気ヨーク152のギャップ内に配置され
た磁芯101およびセンサコイル102を含む磁気セン
サ装置によって、上記ギャップ内の磁界(被測定磁界)
が測定され、これにより、被測定電流が非接触で測定さ
れる。
【0124】なお、本実施の形態において、磁気センサ
装置として第6の実施の形態に係る磁気センサ装置を用
いてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第5または第6の実施の形態と同様であ
る。
【0125】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々変更が可能である。例えば、実施の形態で
挙げた回路構成は一例であり、通常の技術を用いて種々
変更が可能である。
【0126】以上説明したように、本発明の磁気センサ
装置または電流センサ装置によれば、自励発振回路の2
つの能動素子は、それぞれ単独では動作温度の変化に応
じて発振波形の変動を生じさせるが、2つの能動素子に
よる発振波形の変動は発振波形の正負の非対称性の変動
を抑制する方向に働くので、フラックスゲート素子を用
いた磁気センサ装置または電流センサ装置において、オ
フセット電圧を小さくすることができる。
【0127】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、2つの能動素子が、発振波形が正
側のときに動作するNPN型トランジスタと、発振波形
が負側のときに動作するPNP型トランジスタである場
合には、発振波形のクランプ現象が正側と負側で同様に
発生し、発振波形の正負の非対称性が小さくなるので、
フラックスゲート素子を用いた磁気センサ装置または電
流センサ装置において、オフセット電圧を小さくすると
共にオフセット電圧の変動を小さくすることができる。
【0128】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、NPN型トランジスタのエミッタ
とPNP型トランジスタのエミッタが接続されている場
合には、一方のトランジスタが他方のトランジスタのエ
ミッタの負荷となり、各トランジスタ毎の独立したエミ
ッタの負荷が不要になる。
【0129】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、NPN型トランジスタとPNP型
トランジスタが同一の半導体基板上に形成されている場
合には、温度変化に対するオフセット電圧の変動をより
小さくすることができる。
【0130】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、センサコイルに流れる電流の振幅
を制御するようにした場合には、オフセット電圧の変動
をより小さくすることができる。
【0131】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、2つの能動素子が、動作温度が上
昇するに従って発振振幅を減少させる特性を有する第1
の能動素子と、動作温度が上昇するに従って発振振幅を
増大させる特性を有する第2の能動素子である場合に
は、温度変動に伴うオフセット電圧の変動を抑えること
ができるので、フラックスゲート素子を用いた磁気セン
サ装置または電流センサ装置において、オフセット電圧
の変動を小さくすることができる。
【0132】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、自励発振回路は、電界効果トラン
ジスタを含み、発振波形に対応した波形の電圧を電流に
変換して出力する電圧−電流変換素子と、バイポーラト
ランジスタを含み、電圧−電流変換素子より出力される
電流を増幅して、発振の継続のための電流を生成する電
流増幅素子とを有するようにした場合には、クランプ現
象が発生しないので、発振波形の正負の非対称性を抑
え、オフセット電圧を小さくすることができる。
【0133】以上の説明に基づき、本発明の種々の態様
や変形例を実施可能であることは明らかである。従っ
て、以下の請求の範囲の均等の範囲において、上記の最
良の形態以外の形態でも本発明を実施することが可能で
ある。 [図面の簡単な説明] 第1図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。 第2図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ
装置における発振波形を示す波形図である。 第3図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ
装置におけるオフセット電圧の温度変動率の一例を示す
特性図である。 第4図は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。 第5図は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。 第6図は、本発明の第4の実施の形態に係る電流センサ
装置の構成を示す回路図である。 第7図は、本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示すブロック図である。 第8図は、本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサ
装置における自励発振回路の能動素子部分を示す回路図
である。 第9図は、本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。 第10図は、本発明の第6の実施の形態に係る磁気セン
サ装置における自励発振回路の能動素子部分を示す回路
図である。 第11図は、本発明の第7の実施の形態に係る電流セン
サ装置の構成を示す回路図である。 第12図は、フラックスゲート素子の動作原理を説明す
るための説明図である。 第13図は、フラックスゲート素子を用いた磁気センサ
装置の構成の一例を示すブロック図である。 第14図は、第13図におけるセンサコイルを励振する
ためのクラップ発振回路の構成の一例を示す回路図であ
る。 第15図は、第14図におけるトランジスタのベースに
おいて観測される発振波形を示す波形図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/02 - 33/10 G01R 15/18 - 15/20

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流電流を前記セン
    サコイルに供給して前記センサコイルを駆動する駆動手
    段と を備え、 前記駆動手段は、前記センサコイルを共振回路の一部に
    含む自励発振回路を有し、 前記自励発振回路は、それぞれ単独では動作温度の変化
    に応じて発振波形の変動を生じさせる2つの能動素子を
    含み、前記2つの能動素子による発振波形の変動は発振
    波形の正負の非対称性の変動を抑制する方向に働く ことを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 【請求項2】 前記2つの能動素子は、発振の継続のた
    めに用いられる増幅素子である、発振波形が正側のとき
    に動作するNPN型トランジスタと、発振波形が負側の
    ときに動作するPNP型トランジスタであることを特徴
    とする請求項1記載の磁気センサ装置。
  3. 【請求項3】 前記NPN型トランジスタのエミッタと
    前記PNP型トランジスタのエミッタが接続されている
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気センサ装置。
  4. 【請求項4】 前記NPN型トランジスタと前記PNP
    型トランジスタは、同一の半導体基板上に形成されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の磁気センサ装置。
  5. 【請求項5】 更に、前記センサコイルに流れる交流電
    流を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基
    づいて前記駆動手段を制御して、前記センサコイルに流
    れる電流の振幅を制御する制御手段とを備えたことを特
    徴とする請求項2記載の磁気センサ装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記駆動手段の動作電
    圧を制御することを特徴とする請求項5記載の磁気セン
    サ装置。
  7. 【請求項7】 前記2つの能動素子は、動作温度が上昇
    するに従って発振振幅を減少させる特性を有する第1の
    能動素子と、動作温度が上昇するに従って発振振幅を増
    大させる特性を有する第2の能動素子であることを特徴
    とする請求項1記載の磁気センサ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の能動素子は電界効果トランジ
    スタであり、前記第2の能動素子はバイポーラトランジ
    スタであることを特徴とする請求項7記載の磁気センサ
    装置。
  9. 【請求項9】 前記電界効果トランジスタと前記バイポ
    ーラトランジスタは縦続接続されていることを特徴とす
    る請求項8記載の磁気センサ装置。
  10. 【請求項10】 前記自励発振回路は、前記電界効果ト
    ランジスタを含み、発振波形に対応した波形の電圧を電
    流に変換して出力する電圧−電流変換素子と、前記バイ
    ポーラトランジスタを含み、前記電圧−電流変換素子よ
    り出力される電流を増幅して、発振の継続のための電流
    を生成する電流増幅素子とを有することを特徴とする請
    求項9記載の磁気センサ装置。
  11. 【請求項11】 前記自励発振回路は、コルピッツ発振
    回路またはクラップ発振回路を含むことを特徴とする請
    求項1記載の磁気センサ装置。
  12. 【請求項12】 被測定電流によって発生する被測定磁
    界を測定することによって被測定電流を測定する電流セ
    ンサ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流電流を前記セン
    サコイルに供給して前記センサコイルを駆動する駆動手
    段と を備え、 前記駆動手段は、前記センサコイルを共振回路の一部に
    含む自励発振回路を有し、 前記自励発振回路は、それぞれ単独では動作温度の変化
    に応じて発振波形の変動を生じさせる2つの能動素子を
    含み、前記2つの能動素子による発振波形の変動は発振
    波形の正負の非対称性の変動を抑制する方向に働く ことを特徴とする電流センサ装置。
  13. 【請求項13】 前記2つの能動素子は、発振の継続の
    ために用いられる増幅素子である、発振波形が正側のと
    きに動作するNPN型トランジスタと、発振波形が負側
    のときに動作するPNP型トランジスタであることを特
    徴とする請求項12記載の電流センサ装置。
  14. 【請求項14】 前記NPN型トランジスタのエミッタ
    と前記PNP型トランジスタのエミッタが接続されてい
    ることを特徴とする請求項13記載の電流センサ装置。
  15. 【請求項15】 前記NPN型トランジスタと前記PN
    P型トランジスタは、同一の半導体基板上に形成されて
    いることを特徴とする請求項13記載の電流センサ装
    置。
  16. 【請求項16】 更に、前記センサコイルに流れる交流
    電流を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に
    基づいて前記駆動手段を制御して、前記センサコイルに
    流れる電流の振幅を制御する制御手段とを備えたことを
    特徴とする請求項13記載の電流センサ装置。
  17. 【請求項17】 前記制御手段は、前記駆動手段の動作
    電圧を制御することを特徴とする請求項16記載の電流
    センサ装置。
  18. 【請求項18】 前記2つの能動素子は、動作温度が上
    昇するに従って発振振幅を減少させる特性を有する第1
    の能動素子と、動作温度が上昇するに従って発振振幅を
    増大させる特性を有する第2の能動素子であることを特
    徴とする請求項12記載の電流センサ装置。
  19. 【請求項19】 前記第1の能動素子は電界効果トラン
    ジスタであり、前記第2の能動素子はバイポーラトラン
    ジスタであることを特徴とする請求項18記載の電流セ
    ンサ装置。
  20. 【請求項20】 前記電界効果トランジスタと前記バイ
    ポーラトランジスタは縦続接続されていることを特徴と
    する請求項19記載の電流センサ装置。
  21. 【請求項21】 前記自励発振回路は、前記電界効果ト
    ランジスタを含み、発振波形に対応した波形の電圧を電
    流に変換して出力する電圧−電流変換素子と、前記バイ
    ポーラトランジスタを含み、前記電圧−電流変換素子よ
    り出力される電流を増幅して、発振の継続のための電流
    を生成する電流増幅素子とを有することを特徴とする請
    求項20記載の電流センサ装置。
  22. 【請求項22】 前記自励発振回路は、コルピッツ発振
    回路またはクラップ発振回路を含むことを特徴とする請
    求項12記載の電流センサ装置。
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