JP3366598B2 - ドア及びドア製造方法 - Google Patents

ドア及びドア製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の室内等に設
けられるドアであり、芯材を備えたドアおよび該ドア製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の室内用ドアとしては、無垢ドア
や、フラッシュドアと呼ばれるドアが一般的である。無
垢ドアは図4に示すように各框部材1と、ドア中央に設
けられる中パネル2とを組み合わせて製造される。無垢
ドアは芯材を用いないことから重量が大きく、また、原
材料費が高いという問題点がある。
【0003】フラッシュドアは、上記無垢ドアの欠点を
解消するものであり、図5に示す工程で製造される。ま
ず、(a)に示すように、複数の芯材を組み合わせて芯部
3を形成する。次に、(b)のように芯部3の両面に化粧
板4をプレスによって貼着し、さらに(c)のように中パ
ネルに相当する化粧板の一部5をプレスによって打ち抜
く。この部材5は両面合わせて2枚打抜かれるので、こ
れらをさらにプレスして一枚の中パネル6に成形する。
プレスされた後の中パネル6は、(d)に示すように再び
固定される。このとき、中パネル6を固定するために、
図6に示す固定部材(モール)7によって周囲の框部9
に固定させている。このように、フラッシュドアでは芯
材に化粧板を貼着しているので、無垢ドアに比べて軽量
であり、原材料費も安いという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フ
ラッシュドアでは、製造工程において、図5(a)から(b)
への加工に際して化粧板をプレスし、(b)から(c)への加
工においてプレスによって中パネルに相当する化粧板の
一部を打ち抜き、これらをさらに一枚の中パネル6にプ
レスした後、図6に示すように固定部材7を用いて固定
している。このように、フラッシュドアでは多数のプレ
ス加工を要するとともに、中パネル6を再び固定する必
要があることから、製造工数が多い。さらに中パネル6
を固定するために固定部材7を用いる必要があり、部品
点数が多くなる。これらのことから、製造コストが低減
しにくいという問題があった。
【0005】上記事情に鑑み、本願発明においては、製
造コストの低減となるドア及びドア製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のドアは、
芯部と、該芯部の少なくとも一側面に固着された板部と
を備え、前記芯部は、中央部に位置する中パネル芯材
と、該中パネル芯材の両側部に設けられ、該中パネル芯
材より厚く形成された一対の框芯材とを備え、前記板部
切込み部を介して曲折可能とされて、前記框芯材と中
パネル芯材とに渡って前記框芯材と中パネル芯材の表面
に沿って固着されてなり、前記框芯材と中パネル芯材と
の固着部分の段部には、傾斜部を形成する整形芯材が設
けられ、前記切込み部には、前記固着に用いられた接着
材の残余が充填されていることを特徴とする。
【0007】このドアにおいては、板部を框芯材と中パ
ネル芯材とに渡って固着することにより框と中パネルと
を一体に形成することができるため、その後、中パネル
を打抜いて改めて固着するという工程を省くことができ
る。また、中パネルを框に固定するための固定部材に相
当する部材も不要である。框芯材としては、図2(b)に
示すように縦框とすればよいが、横框であっても良い。
【0008】請求項2記載のドアは、請求項1記載のド
アにおいて、前記板部は、可撓フィルムと、該可撓フィ
ルムに貼着された板体とを備え、該板体には、前記可撓
フィルムとは反対側の面に前記板体が除去されている部
位が設けられ、該部位において板部が曲折されているこ
とにより、前記板部が前記芯部の形状に沿って固着して
いることを特徴とする。
【0009】このドアにおいては、前記板部を芯部の形
状に沿って変形させることが容易となる。具体的には、
ドアは両側部の框において厚く構成されているため、框
と中パネルとの間の段部の形状に合わせて板部を変形さ
せる必要がある。上記のように板体を部分的に除去して
おけば、可撓フィルムの可撓性により、板部が容易に曲
折可能となる。例えば、板部を折曲させるには、図3に
示すようにV字形の切込みを入れればよいし、なめらか
に湾曲させるには、ある程度の幅をもって板材を除去す
ればよい。
【0010】請求項3記載のドア製造方法は、中パネル
芯材および該中パネル芯材の両側部に設けられた一対の
框芯材を備えた芯部の形状に沿って、切込み部を介して
板部を曲折させると共に、該板部を前記框芯材と中パネ
ル芯材とに渡って固着することにより、框と中パネルと
を一体に形成する製造方法であって、前記框芯材と中パ
ネル芯材との固着部分の段部に、傾斜部を形成する整形
芯材が設けられ、前記曲折された切込み部には、前記固
着に用いられた接着材の残余が充填されることを特徴と
する。
【0011】このドア製造方法においては、板部を框芯
材と中パネル芯材とに渡って固着することにより框と中
パネルとを一体に形成することができるため、その後、
中パネルを打抜いて改めて固着するという工程を省くこ
とができる。また、中パネルを框に固定するための固定
部材に相当する部材も不要である。框芯材としては、図
2(b)に示すように縦框とすればよいが、横框であって
も良い。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は本例のドアの部分
横断面図であり、図2はドアの製造工程を示す図であ
る。図2(b)におけるA-A矢視断面図が図1となってい
る。図1及び図2において、符号10は縦框芯材であ
り、11は両側部の縦框芯材10の間に位置する中パネ
ル芯材である。縦框芯材10は各々一組の棒材12から
なり、これら棒材12は、互いに複数の連結芯材13で
連結されている。また、ドアノブ取り付け位置にも芯材
14が設けられている。中パネル芯材11は同一長さの
棒材15からなり、これら棒材15は上下方向に所定距
離を隔てた状態で、その両端において各々縦框芯材10
に固着されている。また、中パネル芯材11を構成する
棒材15の厚さは、図1に示すように縦框芯材10より
も薄くなっている。縦框芯材10と中パネル芯材11と
の固着部分の段部16には、傾斜部17aを形成する整
形芯材17が固着されている。この傾斜部17aは、縦
框芯材10と中パネル芯材11との間の段差を緩和する
傾斜面を有している。以上の縦框芯材10、中パネル芯
材11および整形芯材17により芯部20が構成されて
いる。
【0013】芯部20には、その両側面から化粧板(板
部)21が貼着されている。図3は貼着前の化粧板の横
断面図である。化粧板21は木材からなる板体22と、
板体22に貼着された塩化ビニル製またはポリオレフィ
ン製の可撓フィルム23とからなっている。可撓フィル
ム23は木目等が印刷されているフィルムであり、その
色彩、模様等を種々選択することで、ドアの意匠性を高
めることができる。化粧板21は芯部20の両側面全体
にプレスにより貼着されるものであるから、その大きさ
は芯部20の大きさととほぼ同じ大きさであるが、後述
するように芯部20の形状に合わせて折曲されるため、
芯部20よりも所定の幅だけ大きく形成されている。板
体22には、図のように予め所定箇所にVカットと呼ば
れる切込みが行われた切込み部(板体が除去されている
部位)24が形成され、板体22の一部が除去されてい
る。この切込みは可撓フィルム23には達していないた
め、化粧板21が分離しないようになっている。なお、
以後において両側から中央部にかけて、切込み部24の
符号を各々24−1、24−2、24−3として説明す
る。
【0014】このように形成されている化粧板21は、
可撓フィルム23を外側に向け芯部20の両側面にプレ
スにより貼着される。このとき、図1および図2(b)に
示すように、化粧板21が芯部20側面全体を覆うと共
に、プレスによってその立体形状が同時に形成される。
すなわち化粧板21の各切込み部24が各々段部16の
形状に沿って折曲し、化粧板21が芯部20の立体形状
(横断面形状)に合わせて変形される。具体的には、縦
框芯材10の角部10aに位置して切込み部24−1が
直角に折曲され、縦框芯材10と整形芯材17との間の
段差部17bで切込み部24−2がその溝を広げる方向
に折曲され、さらに整形芯材17と中パネル芯材11と
の間で、切込み部24−3がその溝を広げる方向に折曲
される。このように、切込み部24において、化粧板2
1を自在に折曲させることができる。これにより、ドア
両側部に縦框30が形成され、縦框30の間には、縦框
30と一体に中パネル31が形成される。なお、切込み
部24−2および24−3の空隙には、プレス時に用い
られた接着材の残余が充填される。
【0015】このようにして、芯部20に化粧板21を
プレスして貼着することにより、縦框30と中パネル3
1とが一体に形成されるので、製造工数が少なくなり、
製造コストの低減となる。また、従来のフラッシュドア
では、中パネル部材を固着するために図6に示す固定部
材7を用いていたが、本例においては上記のように中パ
ネル31と縦框30とが一体に形成されるので、固着部
材7に相当する部材は必要ない。したがって部材点数が
減少し、製造コストの低減となる。
【0016】以上のようにしてドアが形成されるが、消
費者の好みに応じて、図1および図2(c)に示す横框3
5付きのドアとしても良い。この横框35は芯材36と
化粧板37とからなり、芯材36は中パネル31の形状
に対応するように形成され、縦框30間に嵌合してい
る。このドアにあっては、消費者の好みに応じて、図2
(b)のドアから図2(c)のドアに容易に変更可能である。
なお、本例においては、縦框と中パネルとを一体に形成
するものであるが、横框と中パネルとを一体に形成して
も良い。
【0017】また、板体22に切込み部24を設けるこ
とにより化粧板21を折曲したが、これに限らず、板体
22を所定幅切り取っても良い。この場合、化粧板を折
曲することのできる範囲が広くなる。さらにまた、芯材
20の形状および化粧板21のカットにより、種々の形
状のドアとすることもできる。例えば、整形芯材17ま
たは棒材12の横断面形状を曲線状に形成することもで
きる。この場合、切込み部24を連続的に設けることで
化粧板21を湾曲させることができ、また板体22を所
定幅切取ることによっても、なめらかに湾曲させること
ができる。このように、段部16の形状を種々に形成す
ることができるので、意匠上高い効果を得ることもでき
る。
【0018】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明のドア及び
ドア製造方法によれば、一対の框芯材と中パネル芯材と
に渡って板体が設けられているので、框と中パネルとが
一体に形成され、製造工数が少なくなり、製造コストの
低減となる。また、従来のフラッシュドアでは、中パネ
ル部材を固着するために固定部材を用いていたが、本発
明においては上記のように框と中パネルとが一体に形成
されるので、固着部材に相当する部材は必要ない。した
がって部材点数が減少し、製造コストの低減となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態として示したドアの部分
横断面図である。
【図2】 同ドアの製造工程を示す図であり、(a)は芯
部20の正面図、(b)はドアの正面図、(c)は(b)のドア
に対してさらに横框部材35を設けたドアの正面図であ
る。
【図3】 同ドアに設けられる化粧板の横断面図であ
る。
【図4】 無垢ドアの製造工程を示す概略斜視図であ
る。
【図5】 フラッシュドアの製造工程を示す図である。
【図6】 同フラッシュドアにおいて、パネルと框との
固定部分を示す部分横断面図である。
【符号の説明】
10 縦框芯材(框芯材) 11 中パネル芯材 20 芯部 21 化粧板(板部) 22 板体 23 可撓フィルム 24 切込み部(板体が除去されている部位)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部と、該芯部の少なくとも一側面に固
    着された板部とを備え、前記芯部は、中央部に位置する
    中パネル芯材と、該中パネル芯材の両側部に設けられ、
    該中パネル芯材より厚く形成された一対の框芯材とを備
    え、前記板部は切込み部を介して曲折可能とされて、前
    記框芯材と中パネル芯材とに渡って前記框芯材と中パネ
    ル芯材の表面に沿って固着されてなり、 前記框芯材と中パネル芯材との固着部分の段部には、傾
    斜部を形成する整形芯材が設けられ、 前記切込み部には、前記固着に用いられた接着材の残余
    が充填されている ことを特徴とするドア。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のドアにおいて、前記板部
    は、可撓フィルムと、該可撓フィルムに貼着された板体
    とを備え、該板体には、前記可撓フィルムとは反対側の
    面に前記板体が除去されている部位が設けられ、該部位
    において板部が曲折されていることにより、前記板部が
    前記芯部の形状に沿って固着していることを特徴とする
    ドア。
  3. 【請求項3】 中パネル芯材および該中パネル芯材の両
    側部に設けられた一対の框芯材を備えた芯部の形状に沿
    って、切込み部を介して板部を曲折させると共に、該板
    部を前記框芯材と中パネル芯材とに渡って固着すること
    により、框と中パネルとを一体に形成する製造方法であ
    って、 前記框芯材と中パネル芯材との固着部分の段部に、傾斜
    部を形成する整形芯材が設けられ、 前記曲折された切込み部には、前記固着に用いられた接
    着材の残余が充填される ことを特徴とするドア製造方法
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