JP3366564B2 - 織機の緯糸把持装置 - Google Patents

織機の緯糸把持装置

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JP3366564B2
JP3366564B2 JP36833897A JP36833897A JP3366564B2 JP 3366564 B2 JP3366564 B2 JP 3366564B2 JP 36833897 A JP36833897 A JP 36833897A JP 36833897 A JP36833897 A JP 36833897A JP 3366564 B2 JP3366564 B2 JP 3366564B2
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和義 千代
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体噴射式織機の
ような織機において緯糸を一時的に把持する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エアージェットルーム、ウォータジェッ
トルーム等の流体噴射式織機においては、緯入れノズル
と緯糸測長貯留装置との間にあって緯入れされた緯糸を
一時的に把持する緯糸把持装置を備えている。
【0003】この種の緯糸把持装置の1つとして、ディ
スク状の固定側挟持体及び可動側挟持体とにより挟持す
るものがある。この緯糸把持装置は、可動側挟持体を固
定側挟持体に対して両挟持体の軸線方向へ往復移動させ
ることにより、両挟持体で緯糸の把持及びその解放をす
る。
【0004】緯糸を一対の挟持体で把持する緯糸把持装
置においては、緯糸を構成するポリマーの粉や添加剤、
糸くずや塵埃のような風綿等、異物(緯糸への付着物)
が両挟持体に付着することを避けることが難しい。特
に、走行中の緯糸を把持する装置においては、緯糸はこ
れが挟持体に把持される瞬間に強く擦られるから、異物
が両ディスクに付着しやすい。
【0005】しかし、上記の緯糸把持装置では、可動側
挟持体を直線往復移動させるにすぎないから、両挟持体
の糸当接箇所が不変であり、従って異物が両挟持体の糸
当接箇所の近傍に漸次堆積する。そのような堆積物によ
り、糸把持動作時に両挟持体の密着不良を招きやすくな
り、緯糸が両挟持体に十分に把持されない事態が頻繁に
発生する。このような現象は、緯入れ長さにばらつきを
生じ、織機の緯入れ動作を不安定にする。
【0006】緯糸把持装置の他の1つとして、緯糸を常
時回転される一対の挟持体で把持するものがある(特開
昭61−97448号公報)。しかし、この従来装置
は、緯糸把持時に緯糸を引き戻すことを目的としたもの
であり、緯糸把持には、両挟持体が緯糸を挟んだ状態で
回転するから、緯糸によってはループ状のビリが発生し
て糸品質が損なわれ、その結果糸緩みのような織物の欠
点の発生原因となることがある。
【0007】
【解決しようとする課題】上記のように、緯糸にループ
状のビリを生じて糸被品質が損なわれることなく、両挟
持体への異物の堆積を防止することは重要である。
【0008】
【解決手段、作用および効果】本発明の緯糸把持装置
は、相寄り相離れる方向へ移動可能の第1及び第2の挟
持体であって互いに押圧されて緯糸を把持する第1及び
第2の挟持体と、前記第1及び第2の挟持体をそれぞれ
フレームに支持させる第1及び第2の取付け手段と、該
第1及び第2の挟持体の少なくとも一方に回転力を伝達
するスリップ可能の動力伝達機構と、前記第1及び第2
の挟持体の少なくとも他方を前記第1及び第2の挟持体
の一方に対し相寄り相離れる方向へ移動させる駆動機構
と、両挟持体が押圧されたとき、前記動力伝達機構にス
リップを生じさせるべく前記挟持体の回転を阻止する回
転阻止手段を含む。
【0009】緯糸は両挟持体が押圧されることにより両
挟持体に把持される。両挟持体が互いに押圧されると、
伝達手段はスリップを生じて動力を挟持体に伝達せず、
両挟持体は回転されない。両挟持体が押圧を解除される
と、緯糸は両挟持体による把持から解放され、また、第
1又は第2の挟持体は回転される。
【0010】両挟持体が緯糸を把持すると、その緯糸に
起因する異物が両挟持体の糸当接箇所付近に付着する。
しかし、緯糸の解放時に少なくとも一方の挟持体が回転
されると、その挟持体(回転側の挟持体)に付着した異
物(すなわち、付着物)は、以後のいずれかの糸把持時
に緯糸と回転側の挟持体との間に強く挟まれることによ
り、その緯糸に付着し、緯糸の引き続く走行により緯糸
とともに回転側の挟持体の外へ運び去られる。
【0011】緯糸の解放時に少なくとも一方の挟持体が
回転されると、回転側の挟持体の糸当接箇所(ひいて
は、異物の付着箇所)が糸把持のたびに変化するから、
回転側の挟持体への付着物は糸把持毎に緯糸により順次
運び去される。また、緯糸の解放時に少なくとも一方の
挟持体が回転されると、他方の挟持体が回転されなくて
も、回転されない挟持体(非回転側の挟持体)への付着
物は回転側の挟持体に付着し、次いで緯糸の走行により
回転側の挟持体から運び去られる。
【0012】上記のように、両挟持体が糸把持時には回
転しないため、緯糸にビリを形成するおそれがない。ま
た、緯糸解放後に少なくとも一方の挟持体が回転する
と、両挟持体への付着物が漸次運び去られるから、付着
物が厚く堆積する恐れがない。
【0013】前記第1の取付け手段は、前記フレームに
支持された第1のホルダと、前記第1の挟持体が取り付
けられた回転軸であって該回転軸の軸線の周りに回転可
能に受けられかつ前記動力伝達機構に連結された回転軸
とを備え、前記第2の取付け手段は、前記フレームに支
持された第2のホルダと、該第2のホルダに前記軸線の
方向へ移動可能に受けられかつ前記駆動機構に連結され
たスライド軸であって前記第2の挟持部が一端部に取り
付けられたスライド軸とを備える。
【0014】前記回転阻止手段は、前記第2の挟持体を
前記スライド軸に回転不能に組み付けるねじ部材と、前
記第2の挟持体を前記第1の挟持体に向けて付勢する弾
性体とを備えることができる。しかし、前記回転阻止手
段は、前記第2の挟持体を回転可能に受けるベース部材
であって前記第2の挟持体が前記第1の挟持体に押圧さ
れたとき、前記第2の挟持体が押圧される摩擦接触面を
有するベース部材と、該ベース部材を前記スライド軸に
回転不能に組み付けるねじ部材と、前記第2の挟持体を
前記第1の挟持体に向けて付勢する弾性体とを備えても
よい。
【0015】前記伝達機構は、前記第1の挟持体及び前
記回転軸の少なくとも一方と、駆動源とに掛け渡された
無端ベルトを備えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照するに、緯糸
把持装置10は、緯糸12の把持及びその解放をするよ
うに、エアージェットルーム、ウォータジェットルーム
等の流体噴射式織機の緯入れノズルと緯糸測長貯留装置
との間に設けられる。緯糸把持装置10の第1及び第2
のホルダ14,16は、織機のフレーム18上に間隔を
おいて設置されている。
【0017】第1のホルダ14には、回転ピンすなわち
回転軸20がその軸線の周りに回転可能に軸受22を介
して受けられている。回転軸20は、第1のホルダ14
を第2のホルダ16の側から他側に貫通している。軸受
22の外側レース(外輪)はベアリング押え24により
第1のホルダ14に組み付けられており、軸受の内側レ
ース(内輪)はナット27により回転軸20に組み付け
られている。このため、回転ピン20は、その軸線方向
への移動を阻止されている。
【0018】回転軸20は、駆動源26の回転力を、ス
リップ可能の伝達機構28を介して、受けて軸線の周り
に回転される。駆動源26は、減速機付きの電動機であ
り、また、第2のフレーム30に取り付けられている。
【0019】伝達機構28は、駆動源26の出力軸に取
り付けられたプーリ32と、回転軸20の端部であって
第2のホルダ16と反対の側の端部に取り付けられたプ
ーリ34と、両プーリ32,34に掛け渡された無端ベ
ルト36と、無端ベルト36に張力を付与するテンショ
ンプーリ38を備える。テンションプーリ38は、無端
ベルト36の張力を調整可能にフレーム30に取り付け
られている。
【0020】回転軸20には、第1の挟持体40がねじ
部材42により変位不能に組み付けられている。第1の
挟持体40は、ディスク状の本体44をゴムのような弾
性材料製の円板46の一方の面に接着することにより形
成されており、また、円板46の糸把持面が第2のホル
ダ16の側となるように本体44において回転軸20の
他端部に取り付けられている。
【0021】第2のホルダ16には、スライドピンすな
わちスライド軸50がその軸線の方向へ移動可能に軸受
52を介して受けられている。スライド軸50は、その
軸線が回転軸20の軸線と一致するように、第2のホル
ダ16を貫通している。
【0022】スライド軸50は、第1のホルダ14と反
対側の端部において駆動機構のスイングアーム54の一
端部にピン56により連結されている。スイングアーム
54は、その他端に形成されたボス部において図示しな
い駆動源の出力軸58に連結されており、出力軸58を
中心として所定角度往復回転(揺動)可能である。これ
により、スライド軸50は、その軸線方向へスライドす
るが、その軸線の周りの回転は不能である。
【0023】スライド軸50の他端には、ディスク状の
第2の挟持体60がねじ部材62により変位不能に組み
付けられている。第2の挟持体60は、その糸把持面を
第1の挟持体40の糸把持面と対向させている。第2の
挟持体60は、これと第2のホルダ16との間に配置さ
れた圧縮コイルばね64により、第1の挟持体40の側
に付勢されている。
【0024】緯糸12は、第1及び第2の挟持体40及
び60の間にあって第1の挟持体40の側を通過する。
図示の例では、出力軸58を有する図示しない駆動源
と、スイングアーム54とは、スライド軸50及び第2
の挟持体60を図において左右方向へ移動させるととも
に、圧縮コイルばね64に付勢力を与え駆動機構を構成
している。
【0025】図示しない駆動源の出力軸58により、ス
イングアーム54が図において反時計方向に所定角度回
動されると、スライド軸50及び第2の挟持体60が図
において左方向へ移動され、同時に圧縮コイルばね64
に付勢力が与えられる。これに対し、スイングアーム5
4が出力軸58の駆動力から解放されると、先に出力軸
68から付勢力を蓄えられたに圧縮コイルばね64が、
付勢力でスライド軸及び第2の挟持体60を図において
右方向に移動させ、第2の挟持体60を第1の挟持体4
0に押圧させる。
【0026】伝達機構28の無端ベルト36の張力は、
両挟持体40,60が互いに押圧されたときの両挟持体
40,60の間の摩擦力がプーリ32と無端ベルト36
との間の摩擦力又はプーリ34と無端ベルト36との間
の摩擦力を越えて、無端ベルト36がスリップを生じる
値に設定されている。
【0027】詳細には、圧縮コイルばね64の付勢力に
より第1及び第2の挟持体40,60が互いに押圧さ
れ、両挟持体40,60間の押圧力と摩擦係数とに応じ
た摩擦力が両挟持体40,60間に生じる。ここに、第
2の挟持体60が回転不能の状態のため、生じた摩擦力
は第1の挟持体40に対し回転を妨げる制止力として働
く。第1の挟持体40の回転力は駆動原26から伝達機
構28を介して伝達されるが、その値は無端ベルト36
のベルト張力の大きさにより異なる。
【0028】無端ベルト36のベルト張力が十分に大き
いと、無端ベルト36とプーリ32との間及び無端ベル
ト36とプーリ34との間の摩擦力が大きくなり、それ
らの間にスリップが発生しにくくなくなり、第1の挟持
体40の回転力は大きい値となる。このため、第1の挟
持体40に制止力が加わっても、無端ベルト36とプー
リ32との間及び無端ベルト36とプーリ34との間で
多少のスリップが生じるものの、第1の挟持体40は回
転を続行する。
【0029】しかし、無端ベルト36のベルト張力が小
さいと、無端ベルト36とプーリ32との間及び無端ベ
ルト36とプーリ34との間の摩擦力が小さくなり、そ
れらの間にスリップが発生しやすくなり、第1の挟持体
40の回転力は小さい値となる。このため、第1の挟持
体40に制止力が加わると、無端ベルト36とプーリ3
2との間又は無端ベルト36とプーリ34との間にスリ
ップが発生し、第1の挟持体40は回転を停止する。
【0030】なお、無端ベルト36のベルト張力が極端
に小さいと、第1の挟持体40に制止力が加わらなくて
も、無端ベルト36とプーリ32との間又は無端ベルト
36とプーリ34との間にスリップが発生し、第1の挟
持体40は回転することができない。
【0031】本実施形態の伝達機構28では、圧縮コイ
ルばね64の付勢力を一定にして、第1の挟持体40に
加わる制止力を一定とし、無端ベルト36のベルト張力
のみを調整する構造を用いており、第1の挟持体40に
ある一定の制止力が加わっていない状態では、第1の挟
持体40は回転し、第1の挟持体40にある一定以上の
制止力が加わると、無端ベルト36とプーリ32との間
又は無端ベルト36とプーリ34との間にスリップを発
生させて、第1の挟持体40を停止させている。
【0032】上記のほかに、ベルト張力を一定とし、圧
縮コイルばね64の付勢力を調整することにより、第1
の挟持体40に加わる制止力を調整するようにしてもよ
い。無端ベルト36のベルト張力の調整は、テンション
プーリ38の取付け位置を移動して行うことができる。
【0033】緯糸12を把持しないとき、スイングアー
ム54は出力軸58に得られる回動力を受けて、図にお
いて反時計方向へ所定角度回転されている。このため図
1に示すように、スライド軸50及び第2の挟持体60
は圧縮コイルばね64の力に抗して左方へ移動されてお
り、第2の挟持体60は第1の挟持体40から左方へ離
されている。図1に示す状態において、緯糸12は走行
可能であり、第1の挟持体40は駆動源26の回転力を
伝達機構28を介して受けて回転されている。
【0034】緯糸把持装置10が緯糸12の把持動作に
移行するとき、スイングアーム54は出力軸58を有す
る駆動源の回動力を解除される。これにより、図2に示
すように、スライド軸50及び第2の挟持体60が圧縮
コイルばね64の付勢力により図において右方へ移動さ
れるから、第2の挟持体60がその糸把持面を第1の挟
持体40の糸把持面に押圧されることにより、緯糸12
が両挟持体40,60の間に挟持される。このとき、ス
イングアーム54及び出力軸58は第2の挟持体60の
運動に従動して時計方向へ所定角度回転される。
【0035】緯糸把持装置10においては、第2の挟持
体60がねじ部材62によりスライド軸50に回転不能
に取り付けられているから、圧縮コイルばね64の付勢
力により第2の挟持体60が第1の挟持体40に押圧さ
れると、第1の挟持体40は第2の挟持体60により回
転を阻止される。このため、ねじ部材62と圧縮コイル
ばね64とは、両挟持体40,60が互いに押圧されて
いる間両挟持体40,60の回転を阻止する手段として
作用する。
【0036】両挟持体40,60が互いに押圧される
と、両挟持体40,60の間の摩擦力がプーリ32又は
34と無端ベルト36との間の摩擦力を越えるから、伝
達機構28の無端ベルト36はスリップを生じて空転す
る。これにより、両挟持体40,60は回転されず、両
挟持体40,60間にある緯糸12は静止状態にあり、
ループ状のビリの発生を防止される。
【0037】緯糸把持装置10が緯糸12を解放すると
き、スイングアーム54は出力軸58を有する駆動源の
回動力を受けて図2において反時計方向へ所定角度回転
される。これにより、スライド軸50及び第2の挟持体
60は、図1に示すように、左方へ移動され、第2の挟
持体60は第1の挟持体40から離されるとともに、第
2の挟持体60の移動により圧縮コイルばね64に付勢
力が与えられる。
【0038】第1及び第2の挟持体40,60が緯糸1
2を把持すると、その緯糸12を構成するポリマーの粉
や添加剤のような異物が両挟持体40,60の糸当接箇
所付近に付着する。
【0039】しかし、緯糸把持装置10では、緯糸12
の解放のたびに第1の挟持体40が回転され、第1の挟
持体40の緯糸当接箇所が緯糸把持のたびに変化するか
ら、第1の挟持体40に付着した異物(すなわち、付着
物)は、以後のいずれかの糸把持時に緯糸12と第1の
挟持体40との間に強く挟まれて緯糸12に付着し、緯
糸12の引き続く走行により緯糸12とともに第1の挟
持体40の外へ運び去られとともに、第1の挟持体40
への付着物は緯糸把持のたびに緯糸12により順次運び
去される。
【0040】さらに、第2の挟持体60は回転されない
が、第2の挟持体60への付着物は、これが第1の挟持
体40に押圧されることにより、第1の挟持体40に付
着し、次いで緯糸12により前記のように第1の挟持体
40から運び去られる。
【0041】緯糸把持装置10によれば、両挟持体4
0,60が糸把持時に回転しないから、緯糸12は静止
状態におかれ、ループ状のビリを形成するおそれがな
く、糸品質が損なわれない。また、緯糸解放後に第1の
挟持体40が回転されるから、両挟持体40,60への
付着物が漸次運び去られて厚く堆積せず、その結果緯糸
の把持が確実に行われ、緯入れ長さにばらつきがなくな
り、織機の緯入れが安定化する。さらに、第1の挟持体
40の糸当接箇所が漸次変化するから、第1の挟持体4
0の糸把持面が均一に摩耗し、第1の挟持体40が糸に
より比較的摩耗しやすい材料であっても、糸通過溝が第
1の挟持体40の糸把持面に形成されるおそれがない。
【0042】図3及び図4を参照するに、緯糸把持装置
70は、ベース部材72をねじ部材62によりスライド
軸50の端部に回転不能に取り付け、第2の挟持体60
をベース部材72に回転可能に支持させ、圧縮コイルば
ね64を、第2のホルダ16とベース部材72との間に
配置している。
【0043】ベース部材72は、第1の挟持体40の側
に配置されており、第2の挟持体60はさらに第1の挟
持体40の側に配置されている。第2の挟持体60は、
その左右方向へわずかに移動可能に及び回転可能にベー
ス部材72に受けられている。
【0044】この緯糸把持装置70において、両挟持体
40,60が図3に示すように離されていると、第2の
挟持体60は、ベース部材72に対し、回転可能である
とともに、左右方向へわずかに移動可能である。ベース
部材72が圧縮コイルばね64の付勢力により第1の挟
持体40の方向に移動されると、第2の挟持体60は、
図4に示すように、ベース部材72と第1の挟持体40
との間で押圧される。
【0045】緯糸把持装置70の場合も緯糸把持装置1
0と同様に、伝達機構28の無端ベルト36の張力は、
両挟持体40,60が互いに押圧されたときの両挟持体
40,60の間の摩擦力及び第2の挟持体60とベース
部材72との間の摩擦力がプーリ32と無端ベルト36
との間の摩擦力又はプーリ34と無端ベルト36との間
の摩擦力を越えて、無端ベルト36がスリップを生じる
値に設定されている。
【0046】糸把持装置70では、第2の挟持体60が
ベース部材72に対し左右方向へわずかに移動可能であ
るので、第2の挟持体60は、第1の挟持体40に接触
した瞬間(糸把持開始直後)と、第1の挟持体40から
離間する瞬間(緯糸把持終了直後)とに、第1の挟持体
40によりわずかに回転される。
【0047】すなわち、糸把持開始直後においては、先
ず、圧縮コイルばね64の付勢力によりベース部材72
が第1の挟持体40の方向に移動されることにより、ベ
ース部材72に受けられた第2の挟持体60が回転して
いる第1の挟持体40に接触して、回転される。次い
で、ベース部材72により、第1及び第2の挟持体4
0,60が押圧されて緯糸12を把持すると同時に、ベ
ース部材72と第2の挟持体60との間、及び、第2の
挟持体60と第1の挟持体40との間に摩擦力が発生す
ることにより伝達機構28にスリップが生じて、第1及
び第2の挟持体40,60の回転が停止される。
【0048】これに対し、緯糸把持終了直後において
は、先ず、ベース部材72が図において左方向への移動
を開始することにより、ベース部材72と第2の挟持体
60との間、及び、第2の挟持体60と第1の挟持体4
0との間の摩擦力がなくなり、第1の挟持体40の回転
が再開され、第1の挟持体40に接している第2の挟持
体60が回転される。この際、両挟持体40,60間に
付着物が存在すると、粘着力が両挟持体40,60間に
発生するから、第2の挟持体60はより回転される。こ
の後、ベース部材72が図において左方向へさらに移動
されると、第2の挟持体60は第1の挟持体40から離
間され、回転を停止する。
【0049】なお、第2の挟持体60が回転されると
き、緯糸12はわずかに動かされるが、その量は微少で
あるから、緯糸12にループ状のビリが発生して糸品質
を損なうことはない。
【0050】糸把持装置70によれば、両挟持体40,
60の接触開始時及び離間開始時に第2の挟持体60が
第1の挟持体40によりわずかに回転されるから、第2
の挟持体60への付着物も第1の挟持体40への付着物
と同様に除去され、その結果両挟持体40,60への付
着物の堆積が確実に防止される。
【0051】図5及び図6を参照するに、緯糸把持装置
80は、第2の挟持体60も積極的に回転させる、スリ
ップ可能の伝達機構82を用いている。この伝達機構8
2は、2つの溝を有するプーリ84を駆動源26の回転
軸に取り付け、このプーリ84の溝と、第1及び第2の
挟持体40及び60の外周面に形成した溝とにそれぞれ
無端ベルト86,88を掛け渡している。テンションプ
ーリ90は、両無端ベルト86,88の張力を同時に調
整可能である。
【0052】緯糸把持装置80の場合も緯糸把持装置1
0と同様に、無端ベルト86,88の張力は、両挟持体
40,60が互いに押圧されたときの両挟持体40,6
0の間の摩擦力及び第2の挟持体60とベース部材72
との間の摩擦力が第1及び第2の挟持体40及び60と
無端ベルト86及び88との間の摩擦力又はプーリ84
と無端ベルト86及び88との間の摩擦力を越えて、無
端ベルト86及び88がともにスリップを生じる値に設
定されている。
【0053】糸把持装置80によれば、第1及び第2の
挟持体40及び60がともに回転されるから、第1及び
第2の挟持体40,60への付着物の堆積がより確実に
防止される。
【0054】上記のいずれの実施例においても、伝達機
構28により回転される第1の挟持体40の回転速度
は、緯糸把持時、迅速に停止可能の回転数に設定されて
いる。一例をあげるならば、織機が回転数500rpm
で稼働している場合、第1の挟持体40の回転速度は5
から60rpmとすることができる。
【0055】本発明は、上記実施例に限定されない。た
とえば、本発明は、流体噴射式の織機用緯糸把持装置の
みならず、レピア織機のような他の織機用緯糸把持装置
にも適宜利用することができる。また、スリップ可能の
動力伝達機構は、無端ベルトがスリップする機構に代え
て、スプリングを備えたスリップ機構を用いてもよい。
さらに、圧縮コイルばねの代わりに、ゴムのような他の
弾性体を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緯糸把持装置の第1の実施例を示
す正面図であって両挟持体が離されている状態を示す正
面図である。
【図2】図1に示す緯糸把持装置において両挟持体が互
いに押圧されている状態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る緯糸把持装置の第2の実施例を示
す正面図であって両挟持体が離されている状態を示す正
面図である。
【図4】図3に示す緯糸把持装置において両挟持体が互
いに押圧されている状態を示す正面図である。
【図5】本発明に係る緯糸把持装置の第3の実施例を示
す正面図であって両挟持体が離されている状態を示す正
面図である。
【図6】図5に示す緯糸把持装置において両挟持体が互
いに押圧されている状態を示す正面図である。
【符号の説明】
10,70,80 緯糸把持装置 12 緯糸 14,16 ホルダ 20 回転軸 26 回転機構の駆動源 27 ナット 28,82 伝達機構 32,34,84 プーリ 36,86,88 無端ベルト 38,90 テンションプーリ 40 第1の挟持体 42,62 ねじ部材 44 第1の挟持体の本体 46 第1の挟持体の円板 50 スライド軸 54 駆動機構のスイングアーム 58 駆動機構の駆動源の出力軸 60 第2の挟持体 64 圧縮コイルばね 72 ベース部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−133683(JP,U) 実開 昭59−57585(JP,U) 実開 昭57−116789(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 47/23 D03J 1/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相寄り相離れる方向へ移動可能の第1及
    び第2の挟持体であって互いに押圧されて緯糸を把持す
    る第1及び第2の挟持体と、前記第1及び第2の挟持体
    をそれぞれフレームに支持させる第1及び第2の取付け
    手段と、該第1及び第2の挟持体の少なくとも一方に回
    転力を伝達するスリップ可能の動力伝達機構と、前記第
    1及び第2の挟持体の少なくとも他方を前記第1及び第
    2の挟持体の一方に対し相寄り相離れる方向へ移動させ
    る駆動機構と、両挟持体が押圧されたとき、前記動力伝
    達機構にスリップを生じさせるべく前記挟持体の回転を
    阻止する回転阻止手段とを含む、織機の緯糸把持装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の取付け手段は、前記フレーム
    に支持された第1のホルダと、前記第1の挟持体が取り
    付けられた回転軸であって該回転軸の軸線の周りに回転
    可能に受けられかつ前記動力伝達機構に連結された回転
    軸とを備え、前記第2の取付け手段は、前記フレームに
    支持された第2のホルダと、該第2のホルダに前記軸線
    の方向へ移動可能に受けられかつ前記駆動機構に連結さ
    れたスライド軸であって前記第2の挟持体が一端部に取
    り付けられたスライド軸とを備える、請求項1に記載の
    緯糸把持装置。
  3. 【請求項3】 前記回転阻止手段は、前記第2の挟持体
    を前記スライド軸に回転不能に組み付けるねじ部材と、
    前記第2の挟持体を前記第1の挟持体に向けて付勢する
    弾性体とを備える、請求項2に記載の緯糸把持装置。
  4. 【請求項4】 前記回転阻止手段は、前記第2の挟持体
    を回転可能に受けるベース部材であって前記第2の挟持
    体が前記第1の挟持体に押圧されたとき、前記第2の挟
    持体が押圧される摩擦接触面を有するベース部材と、該
    ベース部材を前記スライド軸に回転不能に組み付けるね
    じ部材と、前記第2の挟持体を前記第1の挟持体に向け
    て付勢する弾性体とを備える、請求項3に記載の緯糸把
    持装置。
  5. 【請求項5】 前記動力伝達機構は、前記第1の挟持体
    及び前記回転軸の一方と、駆動源とに掛け渡された無端
    ベルトを備える、請求項2に記載の緯糸把持装置。
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