JP3366034B2 - アルミ電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサの製造方法

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幸弘 新田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミ電解コンデンサの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミ電解コンデンサでは陽極箔
と陰陽箔の間に電解紙などのセパレーターを介在させ、
かつこのセパレーターに電解液を含浸させてコンデンサ
素子を構成している。このため、アルミ電解コンデンサ
を長期あるいは高温で使用していると、電解液が封口体
を透過して徐々に蒸発してしまい、性能の劣化が起こる
という問題点がある。これらの問題点を改良する方法が
種々提案されている。たとえば(1)の方法として、特
開昭63−104317号公報、特開昭63−2547
17号公報に示されているように、セルロース繊維に化
学反応によって有機置換基を導入した電解紙を用いるこ
とが提案されている。また(2)の方法として、特公昭
63−54208号公報に示されているように、電解液
をゲル化する方法が提案されている。そしてこれに加え
て、近年、過電圧印加時において、ショート・発火や外
装ケースの開弁にともなう電解液蒸気の吐き出しや液も
れの少ないアルミ電解コンデンサが求められており、こ
の要望を満たすためには耐電圧が高く、かつ固体の電解
質を用いたアルミ電解コンデンサが必要である。このた
めに(3)の方法として、たとえば特開平2−1383
64号公報に示されているように、ポリエチレングリコ
ールと三官能性ポリオールとポリイソシアネートからな
る架橋重合体を用いた高分子固体電解質を用いる方法な
どが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
提案されている(1)、(2)の方法では、アルミ電解
コンデンサの劣化を防止することはまだ不十分であり、
また(3)の方法ではアルミ電解コンデンサの特性のう
ち、イオン伝導度およびtanδが悪くなるという問題
点があった。
【0004】本発明はこのような課題を解決するもの
で、性能の劣化が少なく、かつ耐電圧が高く、しかもイ
オン伝導度、等価直列抵抗およびtanδにおいて優れ
ているアルミ電解コンデンサの製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のアルミ電解コンデンサの製造方法は、陽極
箔、陰極箔およびセパレーターの少なくとも一つにヒド
ロキシプロピル(アルキル)セルロースを付着させたコ
ンデンサ素子をラクトン系溶媒を含む駆動用電解液に接
触させて駆動用電解液をゲル化させるようにしたもので
ある。
【0006】
【作用】上記方法によれば、陽極箔、陰極箔およびセパ
レーターの少なくとも一つにヒドロキシプロピル(アル
キル)セルロースを付着させたコンデンサ素子をラクト
ン系溶媒を含む駆動用電解液に接触させて駆動用電解液
をゲル化させているため、これにより高温中でのラクト
ン系溶媒の揮散を抑制し、その結果、イオン伝導度、等
価直列抵抗およびtanδの経時変化の少ないアルミ電
解コンデンサを得ることができる。また、本発明の製造
方法により得られるアルミ電解コンデンサは、アルミニ
ウム箔との反応性が低く、かつ耐電圧の高いものを得る
ことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明の実施例の基本は、陽極箔、陰極箔およびセパレー
ターの少なくとも一つにヒドロキシプロピル(アルキ
ル)セルロースを付着させたコンデンサ素子をラクトン
系溶媒を含む駆動用電解液に接触させて駆動用電解液を
ゲル化させることにより、アルミ電解コンデンサを製造
するようにしたものである。
【0008】前記陽極箔、陰極箔は、通常アルミ電解コ
ンデンサに使用するアルミニウム箔であればよい。また
駆動用電解液はラクトン系溶媒を含む溶媒に電解質塩を
溶解したものである。
【0009】ラクトン系溶媒としてはγ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メ
チル−1,3−オキサゾリジン−2−オンおよび3−エ
チル1,3−オキサゾリジン−2−オンが挙げられ、中
でもγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトンおよびこれらの併用が好ましく、これらの
中でも最も電導度が高いγ−ブチロラクトンを用いた場
合が最も好ましい。また、γ−ブチロラクトン以外のラ
クトン系溶媒では、tanδが大きくなり、良好なコン
デンサ特性が得られない。
【0010】このラクトン系溶媒とともに、必要により
他の溶媒を併用してもよい。その例としては水、アミド
系溶媒(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロ
ジリノンなど)、アルコール系溶媒(エチレングリコー
ル、メチルセルソルブ、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、グリセリン、ポリオキシアルキレン
ポリオール、シクロヘキサンジオールなど)、エーテル
系溶媒(メチラール、1,2−ジメトキシエタン、1−
エトキシ−2−メトキシエタン、1−2−ジエトキシエ
タンなど)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、3−メ
トキシプロピオニトリルなど)、フラン系溶媒(2,5
−ジメトキシテトラヒドロフランなど)、2−イミダゾ
リジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
など)およびピロリドン類が挙げられ、これらのうち2
種以上を併用してもよい。これらのうちでは、アミド系
溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、フラン系溶媒
が好ましい。他の溶媒を併用する場合は、通常ラクトン
系溶媒100重量部に対し50重量部以下である。この
範囲外では良好なコンデンサ性能が得られない。
【0011】電解質塩の例としては、アミン塩、第4級
アンモニウムおよびジアザビシクロアルケン塩が挙げら
れる。アミン塩はアミンと酸との塩であり、アミンとし
ては1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミンなど)、2
級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミンな
ど)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミンなど)が
挙げられる。第4級アンモニウム塩は第4級アンモニウ
ムと酸との塩であり、第4級アンモニウムとしてはテト
ラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアン
モニウム、ジメチルジエチルアンモニウムなど)、ピリ
ジニウム(1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジ
ニウム、1,3−ジエチルピリジニウムなど)が挙げら
れる。ジアザビシクロアルケン塩はジアザビシクロアル
ケンとの酸との塩であり、ジアザビシクロアルケンとし
ては1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−
5、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などが挙げられる。これらの塩を形成する酸として
はホウ酸、リン酸、カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、安息香酸、ブチルオクタニン酸、蟻
酸、デカンジカルボン酸など)などが挙げられる。これ
ら電解質塩として例示したもののうち好ましいものは2
級アミン、3級アミン、テトラアルキルアンモニウムと
カルボン酸もしくはホウ酸とのアミン塩もしくは第4級
アンモニウム塩である。これらは併用してもよい。
【0012】また、セパレーターは連通多孔質基材から
構成される。これ連通多孔質基材としては、たとえば合
成高分子(ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、フッ素化ポリオレフィンなど)製の連
通多孔質基材、セルロース繊維再生セルロース繊維(ビ
スコースレーヨン、キュプラレーヨンなど)、非木材パ
ルプ繊維(マニラ麻、紅麻、サイザル麻、エスパルト草
など)、木材パルプ繊維(針葉樹、広葉樹など)製の連
通多孔質基材およびガラス繊維製の連通多孔質基材が挙
げられる。また、ポリエチレン多孔膜にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合したものやポリアミド不織
布とポリプロピレン不織布をラミネートしたものも使用
できる。これらのうちで好ましい連通多孔質基材はポリ
オレフィンおよびセルロース繊維を使用したものであ
る。連通多孔質基材の孔径は限定はないが通常、0.0
1〜1000μmであり、好ましくは0.1〜100μ
mである。また厚みも限定はないが、通常0.01〜1
mm、好ましくは0.01〜0.5mmである。
【0013】前記連通多孔質基材の密度は、通常0.0
1〜0.9g/cm3 である。この範囲未満では基材の
強度が不充分であり、またこの範囲を越えると、コンデ
ンサのtanδが増大するなどの問題を生じる。
【0014】また前記ヒドロキシプロピル(アルキル)
セルロースとしてはヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルエチルセルロースなどが挙げられる。これらのうちで
は、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースが好ましく、その中でも、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースのメトキシル基含有量
は、通常、26〜32重量%、好ましくは28〜30重
量%であり、かつ、ヒドロキシプロポキシル基含有量は
通常、5〜15重量%、好ましくは7〜12重量%であ
る。この範囲外では良好なコンデンサ性能が得られな
い。また、ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロース
以外のセルロースではラクトン系の溶媒を含む電解液を
ゲル化するのは困難である。ヒドロキシプロピル(アル
キル)セルロースは、ヒドロキシプロピル(アルキル)
セルロースの2%水溶液(25℃)にして、その粘度を
測定したときに1.0〜10.0Pa・sの範囲のもの
である。この範囲外では良好なコンデンサ性能が得られ
ない。
【0015】ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロー
ス中のアルカリ金属含有量は、通常500ppm以下で
あり、好ましくは400ppm以下である。アルカリ金
属含有量が500ppmを越えるとコンデンサの耐電圧
が低下したり、エージング時のショートが多発する。
【0016】ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロー
スは粉状のもので、その粉径は特に限定はないが、42
メッシュの金網を通過する微粉状のものが好ましい。微
粉状のヒドロキシプロピル(アルキル)セルロース以外
では、陽極箔、陰極箔またはセパレータにこれを付着さ
せることは困難となるものである。
【0017】また陽極箔、陰極箔および/またはセパレ
ーターに塗布するヒドロキシプロピル(アルキル)セル
ロースの量は陽極箔、陰極箔またはセパレーター100
重量部に対し、通常、0.01〜50重量部であり、好
ましくは0.03〜40重量部である。この範囲外では
良好なコンデンサ性能が得られない。
【0018】陽極箔、陰極箔またはセパレーターにヒド
ロキシプロピル(アルキル)セルロースを塗布し、粒子
状に付着させる方法としては、第1の方法として、セル
ロース粉末を貧溶媒に分散させた溶液を塗布し、必要に
より加熱および/または減圧で溶媒を揮散させる方法、
第2の方法として、セルロース粉末を貧溶媒と良溶媒の
混合溶媒で膨潤させた溶液を塗布し、必要により加熱お
よび/または減圧で溶媒を揮散させる方法、第3の方法
として、陽極箔、陰極箔およびセパレーターを良溶媒、
貧溶媒または駆動用電解液のうち、少なくとも1つで湿
潤させ、その上にセルロース粉末を散布して付着させ、
必要により加熱および/また減圧で溶媒を揮散させる方
法などが挙げられる。
【0019】前記した良溶媒としては水、アルコール
(メタノール、エタノールなど)、アルコールとハロゲ
ン系溶媒(クロロホルム、四塩化炭素、エチレンブロマ
イドなど)との混合溶媒が挙げられる。貧溶媒としては
イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、メチル
アセテート、エチルセルソルブ、ガソリン、グリセリン
などが挙げられ、そして電解液としては前述したものが
挙げられる。
【0020】前記ヒドロキシプロピル(アルキル)セル
ロースを陽極箔、陰極箔またはセパレータに付着する方
法において、好ましい方法は第1の方法および第2の方
法である。ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロース
の溶媒中の濃度は通常0.1〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%である。この範囲外では作業性が著し
く低下する。
【0021】ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロー
スは通常、陽極箔、陰極箔セパレーターの少なくとも1
つに付着しているが、コンデンサ性能の観点からすれ
ば、ヒドロキシプロピルセルロースを使用する場合は、
陽極箔、陰極箔に付着させるのが好ましい。
【0022】次に本発明の実施例のアルミ電解コンデン
サの製造方法を例示する。セパレーター、陰極箔または
エッチング処理した陽極箔の少なくとも1つにヒドロキ
シプロピル(アルキル)セルロース付着させ、そして規
定の寸法に裁断し、かつ陽極箔、陰極箔にリード線を付
け、その後、陽極箔と陰極箔の間にセパレーターを介在
させて円筒型のコンデンサ素子を作成する。次に駆動用
電解液を含浸させたコンデンサ素子をケース内に入れて
封口材でシールし、そして高温下で直流電流を印加して
エージングを行うもので、このエージング工程でヒドロ
キシプロピル(アルキル)セルロースにより駆動用電解
液のゲル化を促進される。
【0023】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、部は重量部を示し、粘度は2%水溶液にしたとき
粘度で25℃での値である。
【0024】実施例で使用したアルミ電解コンデンサ駆
動用電解液の組成は次の通りである。 セルロースA:粉末状ヒドロキシプロピルセルロース
(粘度:4.3Pa・s、アルカリ金属含有量320p
pm、42メッシュを透過したもの)。 セルロースB:粉末状ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(粘度:9.8Pa・s、42メッシュを透過した
もので、メトキシル基含有量が29%で、かつヒドロキ
シプロポキシル基含有量が10%のもの)。 セルロースC:セルロースAのアルカリ金属含有量が1
000ppmのもの。 セルロースD:セルロースAの粘度が0.5Pa・sの
もの。 セルロースE:セルロースBのアルカリ金属含有量が1
000ppmのもの。 セルロースF:セルロースBのメトキシル基含有量が2
0%で、かつヒドロキシプロポキシル基含有量が10重
量%のもの。 セルロースG:ヒドロキシエチルセルロース(粘度:
4.1Pa・s) 電解液A:γ−ブチロラクトン100部にマレイン酸テ
トラエチルアンモニウム33部を溶解したもの。 (実施例1)セルロースA、1部をイソプロピルアルコ
ール100部に加え、均一に膨潤させた。これを、セパ
レーター(マニラ麻繊維電解紙、密度0.40g/cm
3 )に塗布し、加熱乾燥させて、セルロースAが粒子状
に付着したセパレーターを得た。セルロースAの付着量
はセパレーターに対し5重量%であった。 (実施例2)セルロースB、1部をメタノール100部
に加え、均一に溶解させた。これを、セパレーター(マ
ニラ麻繊維電解紙、密度0.40g/cm3 )に塗布
し、加熱乾燥させてセルロースBが付着したセパレータ
ーを得た。セルロースBの付着量はセパレーターに対し
5重量%であった。 (実施例3)実施例2と同様にしてセルロースBの溶液
の塗布、乾燥を数回繰り返し、セルロースBが付着した
セパレーターを得た。セルロースBの付着量はセパレー
ターに対し15重量%であった。 (実施例4)実施例1において、セパレーターの代わり
に陽極箔を使用した以外は実施例1と同様にしてセルロ
ースAが付着した陽極箔を得た。セルロースAの付着量
はセパレーターに対し5重量%であった。 (実施例5)実施例1において、セパレーターの代わり
に陰極箔を使用した以外は実施例1と同様にしてセルロ
ースAが付着した陰極箔を得た。セルロースAの付着量
はセパレーターに対し5重量%であった。 (比較例1)実施例1においてセルロースCを使用した
以外は実施例1と同様にした。セルロースCの付着量は
セパレーターに対し5重量%であった。 (比較例2)実施例2においてセルロースEを使用した
以外は実施例1と同様にした。セルロースEの付着量は
セパレーターに対し5重量%であった。 (比較例3)実施例1においてセルロースDを使用した
以外は実施例1と同様にした。セルロースDの付着量は
セパレーターに対し5重量%であった。 (比較例4)実施例2においてセルロースFを使用した
以外は実施例1と同様にした。セルロースFの付着量は
セパレーターに対し5重量%であった。 (比較例5)実施例1においてセルロースGを使用した
以外は実施例1と同様にした。セルロースGの付着量は
セパレーターに対し5重量%であった。 (比較例6)実施例1において密度1.0g/cm3
セパレーターを使用した以外は実施例1と同様にした。
セルロースAの付着量はセパレーターに対し5重量%で
あった。
【0025】実施例1〜5、比較例1〜6で作成したセ
パレーターもしくは陽極箔、陰極箔を用いて、定格電圧
35V−静電容量1000μFの巻き取り形コンデンサ
素子を作成し、このコンデンサ素子に電解液Aを含浸さ
せ、かつこのコンデンサ素子をケース内に入れて封口材
でシールすることにより、アルミ電解コンデンサを作成
した。これらに定格電圧を印加し、125℃で2000
時間の高温負荷試験を行った。その試験結果を(表1)
に示した。なお、125℃−2000時間後のコンデン
サ特性は、各々の初期特性に対する変化量として、%で
示した。試験数は各例とも10個とし、その特性は10
個のコンデンサの平均値で示した。
【0026】
【表1】
【0027】この(表1)から明らかなように、良好な
アルミ電解コンデンサを得るためには次のようなことが
必要である。(1)ヒドロキシプロピル(アルキル)セ
ルロースの粘度が高いこと(すなわち分子量が大きいこ
と)。(2)アルカリ金属含有量が低いこと。(3)ヒ
ドロキシプロピル(アルキル)セルロースを使用するこ
と。ヒドロキシエチル(アルキル)セルロースでは良好
なアルミ電解コンデンサが得られない。(4)連通多孔
質基材の密度が低いこと。
【0028】実施例1〜5、比較例1〜6で作成したセ
パレーターもしくは陽極箔、陰極箔を用いて構成したア
ルミ電解コンデンサに、50Vの電圧を印加し、125
℃で500時間の過電圧試験を行った。その試験結果を
(表2)に示した。なお、試験数は各例とも10個と
し、試験後にショートや開弁が生じたコンデンサ個数を
表中に示した。
【0029】
【表2】
【0030】この(表2)から明らかなように、良好な
アルミ電解コンデンサを得るためには次のようなことが
必要である。(1)ヒドロキシプロピル(アルキル)セ
ルロースの粘度が高いこと(すなわち分子量が大きいこ
と)。(2)アルカリ金属含有量が低いこと。(3)ヒ
ドロキシプロピル(アルキル)セルロースを使用するこ
と。ヒドロキシエチル(アルキル)セルロースでは良好
なアルミ電解コンデンサが得られない。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明のアルミ電解コンデンサの製造方法によれ
ば、耐電圧が高く、イオン伝導度、tanδにおいて優
れ、かつ高温中で長時間使用しても、これらの特性の劣
化が少なく、また液もれもなく、しかも過電圧印加時の
ショートや、開弁にともなう電解液の吹き出しも少ない
アルミ電解コンデンサを得ることができ、さらには従来
のアルミ電解コンデンサ製造工程がそのまま使用できる
などの優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐村 徹也 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の 1 三洋化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−145517(JP,A) 特開 昭61−101017(JP,A) 特開 昭55−16485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/035 H01G 9/02 301 H01G 9/055

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔、陰極箔およびセパレーターの少
    なくとも一つにヒドロキシプロピル(アルキル)セルロ
    ースを付着させたコンデンサ素子をラクトン系溶媒を含
    む駆動用電解液に接触させて駆動用電解液をゲル化させ
    るアルミ電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 セパレーターが連通多孔質基材から構成
    され、かつこの連通多孔質基材の密度が0.01〜0.
    9g/cm3である請求項1記載のアルミ電解コンデン
    サの製造方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロ
    ースは、その2%水溶液(25℃)にしたときの粘度が
    1.0〜10.0Pa・sである請求項1記載のアルミ
    電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロ
    ースは粉末であって、これを貧溶媒に分散、および/ま
    たは貧溶媒と良溶媒の混合溶媒に膨潤させた溶液として
    なる請求項1記載のアルミ電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロ
    ース中のアルカリ金属含有量が500ppm以下である
    請求項1、3、4のいずれかに記載のアルミ電解コンデ
    ンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 ヒドロキシプロピル(アルキル)セルロ
    ースがヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、メ
    トキシル基含有量が26〜32重量%で、かつヒドロキ
    シプロポキシル基含有量が5〜15重量%である請求項
    1、3、4、5のいずれかに記載のアルミ電解コンデン
    サの製造方法。
  7. 【請求項7】 ラクトン系溶媒がγ−ブチロラクトンを
    含む溶媒である請求項1記載のアルミ電解コンデンサの
    製造方法。
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