JP3365051B2 - 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器 - Google Patents

中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器

Info

Publication number
JP3365051B2
JP3365051B2 JP13472594A JP13472594A JP3365051B2 JP 3365051 B2 JP3365051 B2 JP 3365051B2 JP 13472594 A JP13472594 A JP 13472594A JP 13472594 A JP13472594 A JP 13472594A JP 3365051 B2 JP3365051 B2 JP 3365051B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded article
hollow molded
lactam
metal
polyol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13472594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH081694A (ja
Inventor
功治 大西
正聰 岩元
耕三 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP13472594A priority Critical patent/JP3365051B2/ja
Publication of JPH081694A publication Critical patent/JPH081694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3365051B2 publication Critical patent/JP3365051B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ω−ラクタムのアニオ
ン重合を利用して、回転成形により中空成形品を製造す
る方法であって、耐衝撃性、耐ガソリン透過性の優れた
中空成形品に関するものであり、例えば二輪および四輪
自動車やレジャー・産業用車両などに用いられるガソリ
ンなどへの耐油透過性が高く、さらに耐衝撃性が高いオ
イルタンク、ガソリンタンクなど油貯蔵容器を与える中
空成形品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱
性、耐薬品性、耐ガソリン透過性にすぐれたエンジニア
リングプラスチックとして広く使用されている。回転成
形によってポリアミド樹脂の中空成形品を製造する方法
としては、例えば、粉末状のポリアミドを回転する型内
でポリアミドの融点以上に加熱し、溶融させて型内壁面
に溶融ポリマー皮膜を形成した後、冷却・固化させる方
法(例えばUSP−2629134、USP−3439
079)、ω−ラクタム類をアルカリ触媒および活性化
剤により回転成形機内でアニオン重合する方法(例えば
特公昭41−32号公報、特開昭47−13667号公
報、特開昭47−18996号公報、特開昭51−10
6167号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粉末状
のポリアミドを用いて回転成形金型内で成形して得られ
る成形品の耐衝撃性は低く、特に耐衝撃性が要求される
二輪車用のガソリンタンクなどには使用することができ
なかった。
【0004】一方アニオン重合法によれば、かかる欠点
は特開昭58−21425号公報に記載されているよう
にポリオ−ルなどの柔軟性付与成分を共重合することに
より解決されるが、大量のポリオ−ルを共重合する必要
があり、もう一つの要求特性である耐ガソリン透過性が
損なわれると共に機械物性、熱的特性が低下するという
欠点があった。アニオン重合法での他の方法として、衝
撃性改良剤をラクタムに溶解または粉末を分散させて重
合することにより、衝撃性を向上しようとする方法
(特公昭49−11755号公報、特開昭59−229
23号公報、特開昭59−93726号公報、特開昭6
2−141025号公報)があるが、これらはラクタム
への衝撃性改良剤の溶解度が低いため、十分な耐衝撃性
が得られなかったり、また衝撃改良剤を分散させる方法
は、耐衝撃性改良剤の分散が十分でなく、一般に融点が
低いため、重合温度で衝撃改良剤が凝集するなどの問題
があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、ω−ラクタムのアニ
オン重合を利用して、ポリオ−ルの肉厚方向の含有量を
連続的に変え、肉厚方向に含有量を差をもたせることに
よって耐衝撃性と機械特性および熱的特性を同時に満足
する中空成形品を見出すにいたり、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、(1) 「ω−ラクタムお
よびポリオールの重合反応によって回転成形されて得ら
れる中空成形品であって、該中空成形品の肉厚方向にお
けるポリオール重合体の含有量が肉厚方向に連続的に変
化しており、成型品の肉厚の最薄部分の肉厚方向におけ
るポリオール重合体の含有量が15重量%未満の厚みt
1 と15重量%以上の厚みt2 との比(t2 /t1 )が
1以上であることを特徴とする中空成形品。」および
(2) 「ω−ラクタムおよびポリオ−ルの含有量の異なる
2種類以上の原料を、該原料の供給の比率を変化させな
がら、回転成形機に供給し、重合、回転成形させること
を特徴とする請求項1記載の中空成形品の製造方法。」
からなるものである。
【0007】以下、本発明について詳しく述べる。
【0008】本発明の回転成形は、材料が金型内に連続
的に供給される構造であれば、どんな回転成形機でもよ
く、例えば、金型に材料供給装置が接続された、一軸ま
たは二軸以上の軸に対して回転、反転もしくは振り子運
動が可能な、公知の回転成形法を利用して実施すること
ができる。特に好ましい回転成形機は、一軸が回転運動
をし、他の軸が両端上下運動の中心にあり、水平に対し
て90°反転できる様に設計された回転成形機であり、
材料は軸の内部を通して金型に連続供給できるようにな
っているもので、一般に揺動式回転成形機と呼ばれてい
るものである。金型内は本質的に無酸素、無水になるよ
うに、窒素などの不活性ガスで置換されていることが樹
脂の変色、劣化を防止し、重合性を損なわないために特
に好ましい。
【0009】本発明で用いられるω−ラクタムは環状ア
ミド化合物であり、炭素数4〜12のものが好ましく用
いられる。例えばピロリドン、バレロラクタム、カプロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウ
ロラクタムなどをあげることができる。特に好ましい例
としては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリ
ルラクタム、ラウロラクタム重合体などである。これら
のω−ラクタムは二種以上を混合して用いてもよい。
【0010】本発明で用いられるω−ラクタムと共に重
合されるポリオ−ルとしては、2個の水酸基を有し、分
子量が200〜10,000の範囲にあるポリマ−が好
ましく、例えばポリオキシエチレングリコ−ル、ポリオ
キシプロピレングリコ−ル、ポリオキシプロピル化グリ
セリン、ポリオキシテトラメチレングリコ−ルなどが好
ましく用いられる。ポリオ−ルの分子量が200より小
さい場合には、得られる成形品への衝撃性の改良効果が
小さく、またω−ラクタムとの共重合性も悪くなる。ま
た、分子量が10,000より大きくなると、一方の原
料であるω−ラクタムとの相溶性が低下し、成形品の衝
撃性の改良効果が小さくなる。添加量は、特に限定され
るものではないが、肉厚方向に最大のポリオール含有量
をもつ部分において、80重量%以下、さらに50重量
%以下、またさらに45重量%以下が好ましい。添加量
が多いと重合性に悪影響を及ぼし、その結果、機械物性
に悪い影響を与えるので好ましくない。
【0011】回転成形における重合反応においては、重
合触媒の利用が好ましい。通常アニオン重合触媒と称さ
れるものが用いられ、アルカリ金属、アルカリ土類金属
(以下上記2種類の金属をアルカリ(土類)金属と称す
る)、アルカリ(土類)金属水素化物、アルカリ(土
類)金属水酸化物、アルカリ(土類)金属酸化物、アル
カリ(土類)金属炭酸塩、アルカリ(土類)金属アルコ
キシ化合物、アルカリ(土類)金属アリ−ル化合物、ト
リアルキルアルミニウム、グリニヤ−ル試薬が好ましく
用いられる。またこれらの金属化合物とω−ラクタムと
の反応生成物または塩として利用することも、ω−ラク
タムおよびポリオールとの相溶性の面から好ましく用い
られる。特に好ましい重合触媒としては、ナトリウムカ
プロラクタム、カリウムカプロラクタム、ブロモマグネ
シウムカプロラクタムなどが挙げられる。
【0012】重合反応における重合触媒の量としては、
原料であるω−ラクタムおよびポリオールの総和に対し
て、0.01〜10重量%の範囲が好ましく用いられ
る。
【0013】また重合触媒に、さらに重合活性化剤を配
合することも重合速度の面から好ましい。重合活性化剤
としては、イソシアネ−ト化合物、イソシアネ−ト化合
物とω−ラクタムとの反応物、ポリアシルラクタムが好
ましく用いられる。ポリアシルラクタムの具体的なもの
としてはアセチルラクタム、ベンゾイルラクタム、アジ
ポイルビスラクタム、テレフタロイルビスラクタム、ク
ロロテレフタロイルビスラクタム、セバコイルビスラク
タム、イソフタロイルビスラクタムなどが挙げられる。
特に好ましい例としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
−ト、トリレンジイソシアネ−ト、パラキシリレンジイ
ソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシアネ−トおよ
び、それらのカプロラクタムとの反応物、アセチルカプ
ロラクタム、テレフタロイルビスカプロラクタム、イソ
フタロイルビスカプロラクタム、アジポイルビスカプロ
ラクタム、セバコイルビスカプロラクタム、クロロテレ
フタロイルビスカプロラクタムなどが挙げられる。これ
ら重合活性化剤の量としては、原料であるω−ラクタム
およびポリオールの総和に対して0.05〜10重量%
の範囲が好ましく用いられる。
【0014】以上ω−ラクタムおよびポリオールの重合
反応によって回転成形によって中空成形品が得られる。
この中空成形品において、製造の簡便さからポリオール
に起因する重合構造の含有量が、肉厚方向に連続的に変
化する必要がある。その変化は直線的でもよく、ステッ
プ状、曲線状などどの様なパタ−ンになってもいてもさ
しつかえない。またさらに成形品の肉厚の最薄部分の厚
みが1mm以上であって、その肉厚部分のポリオール重
合体の含有量が15重量%未満の厚みt1 と15重量%
以上の厚みt2 との比(t2 /t1 )が1以上である必
要がある。この比が小さいと、耐衝撃性などの機械的強
度とおよびガソリンなどの油の透過防止性とを両立させ
ることができないためである。
【0015】また、本発明の回転成形によって得られる
中空成形品におけるポリオール重合体の含有量は多い
と、油の透過防止性の低下、また少ないと機械的強度が
低下することから全体において1〜50重量%、さらに
5〜40重量%であることが好ましい。
【0016】本発明の中空成形品には、成形品の機械特
性を改良する目的で、重合性を損なわない範囲におい
て、熱可塑性樹脂やエラストマ−など、他の樹脂を添加
しても良い。これらの例としては、例えば熱可塑性樹脂
としてはアクリロニトリル/アクリリックスチレン樹脂
(AAS)、アクリロニトリル/エチレン/プロピレン
/ジエン/スチレン樹脂(AES)、アクリロニトリル
/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエ
ン/スチレン樹脂(ABS)、液晶ポリマ−(LC
P)、エチレン/塩化ビニル共重合体(E−PVC)、
エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)エチレン/ビ
ニルアルコ−ル共重合体(EVOH)、塩素化ポリ塩化
ビニル(PVC−C)、塩素化ポリエチレン(PE−
C)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、全芳香族ポリ
エステル、フェノキシ樹脂、ふっそ樹脂、ポリアクリレ
−ト、ポリアセタ−ル(POM)、ポリアミドイミド
(PAI)、ポリアリレ−ト(PAR)、ポリエ−テル
イミド(PEI)、ポリエ−テルエ−テルケトン(PE
EK、ポリエチレン(PE)、架橋ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリ塩化ビニリデ
ン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキ
シベンゾイルエステル、ポリカ−ボネ−ト(PC)、ポ
リ酢酸ビニル(PVAC)、ポリサルホン(PSF)、
ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンエ−テル(PP
E)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブ
チレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリアミド樹脂(P
A)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)、メチルペンテンポリマ−(TPX)、
およびα,β−不飽和カルボン酸およびそれらの酸無水
物(例えばマレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、無水マレイ
ン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、)、アクリル酸エステル(メチルメタクリル
酸エステル、グリシジルメタクリル酸エステルなど)な
どで変性されたPE、PP、PPE、PSなどが挙げら
れる。またエラストマ−としては、例えばエチレン/ア
クリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体お
よび、これら共重合体中のカルボン酸部分の一部または
全部がナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシ
ウムとの塩としたもの (アイオノマ−樹脂)、エチレ
ン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸
エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無
水マレイン酸共重合体(“g”はグラフトを表す、以下
同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレ
イン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マ
レイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−
N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体
の部分ケン化物、エチレン/プロピレン共重合体、エチ
レン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エ
チレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、
エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン共重
合体、エチレン/ブテン共重合体およびこれらのα,β
−不飽和カルボン酸およびその酸無水物(例えばマレイ
ン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、フマル
酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸など)、アクリル酸エステル(メチルメタクリル酸エ
ステル、グリシジルメタクリル酸エステルなど)などで
変性された共重合体、少なくとも一個のビニル芳香族化
合物(スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、ビニルナフタレンなど)を主体とする重合体ブロッ
クと、少なくとも一個の共役ジエン化合物(1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど)を主体と
する重合体ブロックからなるブロック共重合体、および
そのブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体、さ
らにはそれらの上記α,β−不飽和カルボン酸およびそ
の酸無水物、アクリル酸エステルなどで変性された共重
合体など、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ−、シリ
コ−ンゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマ−、ポ
リアミド系熱可塑性エラストマ−などが挙げられる。
【0017】エラストマ−および熱可塑性樹脂は単独で
用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、そ
れぞれを溶融混練して樹脂組成物として用いてもよい。
これら添加される熱可塑性樹脂やエラストマ−は、一般
的には粉末状の形で添加される。一方、本発明の原料の
ラクタム液のどの液に添加してもよい。粉末状樹脂の粒
径は材料液の流動性、送液性および樹脂の沈降性に問題
の無い範囲に粉砕し、好ましくは1mm以下の粒径のも
のが使用され、特に好ましくは80メッシュ篩(177
μm)を通過したものが用いられる。
【0018】本発明の中空成形品には必要に応じて、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリア
ミド繊維などの無機または有機の繊維状強化材あるいは
タルク、ワラステナイト、ベントナイト、モンモリロナ
イト、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、
雲母、ガラスビーズ、チタン酸カリウィスカーなどの粉
末状、球状の充填材、二硫化モリブデン、パラフィン、
シリコーンなどを導入することができる。
【0019】本発明の中空成形品には成形性を損わない
限りにおいて、他の成分たとえばステアリン酸マグネシ
ウムおよびステアリン酸アルミニウムなどからなるステ
アリン酸金属塩などの離型剤、その他に顔料、染料、難
燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、帯
電防止剤、可塑剤、結晶核剤、発泡剤、強化材などを添
加することもできる。
【0020】本発明の中空成形品は、肉厚方向にポリオ
ール重合体の含有量が変化する必要があるが、その製造
方法について以下説明する。
【0021】ω−ラクタムとポリオ−ルとからなり、こ
れらの含有量の異なる2種類以上の原料を調製する。こ
こで、これらにおいて、一方が含有されていない原料で
あってもよい。重合触媒、重合活性化剤を重合反応に用
いる場合には、これらの原料に、重合触媒、重合活性化
剤を添加しておくことも、また重合触媒、重合活性化剤
からなる原料を別に準備しておくことも可能である。
【0022】具体的な原料の調製方法としては、例えば
ω−ラクタム、ω−ラクタムと重合触媒、ω−ラクタム
と重合活性化剤、ω−ラクタムとポリオ−ルとアニオン
重合活性化剤を、それぞれ温度80〜130℃に調節さ
れた容器において、調製する方法が例示される。また、
ω−ラクタムはω−ラクタムとアニオン重合触媒、ω−
ラクタムとアニオン重合活性化剤およびω−ラクタムと
ポリオ−ルとアニオン重合活性化剤とに分配してもよ
く、ポリオ−ルは単独で供給してもさしつかえない。
【0023】上記原料、および必要に応じて重合触媒や
重合活性剤を含む材料を回転成形機に供給して、重合お
よび成形を行なう。
【0024】本発明の材料の供給方法は、ポリオ−ルの
含有量が中空成形品の外表面から内表面へと連続的に変
化するように供給される必要がある。原料の供給はギヤ
−ポンプなどの、定量性の良い供給装置を用いるのが好
ましく、送液量は所望のポリオールが配合されるように
制御される。特にコンピュ−タでコントロ−ルするのが
好ましい。
【0025】回転成形の温度は、通常用いられるω−ラ
クタムのアニオン重合の温度条件が使用できる。一般的
には材料の温度が130〜200℃の範囲が適当であ
る。
【0026】以上のようにして得られた中空成形品は耐
衝撃性の改良されており、かつその油透過防止性から、
自動二輪車、自動車用などのオイルタンク、ガソリンタ
ンクなどの油貯蔵容器を与える中空成形品の成形に適用
でき、特に耐衝撃性を必要とするガソリンタンクに最適
である。
【0027】なお本発明の中空成形品には、その成形品
の外側や内側に、その他の種類の樹脂層を被覆すること
もできる。その樹脂層は本発明の成形の前に設けられて
いても、また本発明の成形の後に設けられてもよい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例において限定
されるものではない。
【0029】なお、中空成形品の評価は下記の方法に従
って実施した。 (1)表面外観:肉眼判定 (2)肉厚:切削後ノギスにて測定 (3)耐衝撃性試験:成形中空体に50容量%まで自動
車エンジン用不凍液をいれて、−15℃の温度に調節
し、中空成形体に角錐(角の丸み:r=5mm)による
40Nmの衝撃エネルギ−にて打ち当てる方法により実
施。 (4)曲げ強度試験:ASTMD790に準じて測定し
た。
【0030】(5)耐ガソリン透過性:JIS K 2
202に規定されるガソリンを、成形中空体の50容量
%まで入れて密閉し、40±2℃の雰囲気温度に調節し
た恒温試験室に8週間置き、ガソリンの減少量を測定す
る方法により実施。 (6)耐熱性試験:成形中空体に50容量%まで自動車
エンジン用不凍液を入れて、70℃に調節されたオ−ブ
ン中に1時間放置し、液漏れ、変形を目視観察して判定
した。
【0031】参考例1(材料の調製) 材料のε−カプロラクタム(A)、ε−カプロラクタム
と重合触媒(B)、ε−カプロラクタムと重合活性化剤
(C)、ε−カプロラクタムとポリオ−ルとン重合活性
化剤(D)を、それぞれ表1の組成で調製した。
【0032】
【表1】 実施例1 揺動式回転成形機を用い。中空成形品中の外表面から内
表面に向けて、ポリオ−ル重合体の含有量が表2の矢印
のように成形厚みの上昇にしたがって直線的に変化する
ように、表1のA〜Dの材料の供給量変化をコンピュ−
タプログラムを組んでポンプの送液量の制御をした。表
2に示す回転成形条件で、所望のポリオール重合体の含
有量の分布を有する12リットルの左右対象鞍型状の中
空のガソリンタンクを成形した。この容器の耐衝撃性試
験を実施したところ、ひび割れや破損などなく、衝撃性
のよい成形品であった。耐ガソリン透過性は0.2g/
日と非常に少ない優秀なものであった。熱変形試験でも
変形や液漏れがなく、耐熱性のある実用的な成形品が得
られた。
【0033】比較例1<ポリオール重合体の含有量が15
重量%以上となる部分が薄い例> 表2に示した条件の他は、実施例1と同様に操作して、
12リットルの左右対象鞍型状の容器を回転成形した。
この容器を評価し、表2の結果を得た。成形品の表面外
観、肉厚の均一性、耐ガソリン透過性、熱変形試験は良
好であったが、耐衝撃性試験の結果、破損し衝撃性の不
十分な、実用的価値の無い成形品であった。
【0034】比較例2<肉厚方向のポリオール重合体の
含有量に変化がない例> 表2に示した条件の他は、実施例1と同様に操作して、
12リットルの左右対象鞍型状の容器を回転成形した。
耐衝撃性は良好であったが、耐熱性、曲げ強さ、曲げ弾
性率も低く、ガソリン透過性も大きく満足のいくもので
はなかった。
【0035】実施例2〜3 表2に示す条件の他は、実施例1と同様に操作して容器
を回転成形した。なお実施例3では、厚み部分の中心部
がポリオール重合体の含有量が最大となるようにしたも
のである。いずれも本発明の目的とした耐衝撃性、耐ガ
ソリン透過性、その他の機械的物性の優れた実用的な成
形品が得られた。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の回転成形品によって耐衝撃性、
曲げ強度、油透過防止性などの物性の優れ、油貯蔵容器
に最適な中空成形品が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 77:00 B29L 22:00 B29L 22:00 B60K 15/02 A (56)参考文献 特開 平7−32390(JP,A) 特開 平4−202527(JP,A) 特開 昭62−259817(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/04 B29C 41/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ω−ラクタムおよびポリオールの重合反
    応によって回転成形されて得られる中空成形品であっ
    て、該中空成形品の肉厚方向におけるポリオール重合体
    の含有量が肉厚方向に連続的に変化しており、成型品の
    肉厚の最薄部分の肉厚方向におけるポリオール重合体の
    含有量が15重量%未満の厚みt1 と15重量%以上の
    厚みt2 との比(t2 /t1 )が1以上であることを特
    徴とする中空成形品。
  2. 【請求項2】 ω−ラクタムがピロリドン、バレロラク
    タム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラ
    クタムまたはラウロラクタムであることを特徴とする請
    求項1記載の中空成形品。
  3. 【請求項3】 重合反応が重合触媒を用いるものであっ
    て、重合触媒がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アル
    カリ(土類)金属水素化物、アルカリ(土類)金属水酸
    化物、アルカリ(土類)金属酸化物、アルカリ(土類)
    金属炭酸塩、アルカリ(土類)金属アルコキシ化合物、
    アルカリ(土類)金属アリ−ル化合物、トリアルキルア
    ルミニウム、グリニヤ−ル試薬、およびこれらの金属化
    合物とω−ラクタムとの反応生成物の中から選ばれるも
    のであることを特徴とする請求項2記載の中空成形品。
  4. 【請求項4】 重合反応が、重合活性化剤を用いるもの
    であって、活性化剤がイソシアネ−ト化合物、イソシア
    ネ−ト化合物とω−ラクタムとの反応物、またはポリア
    シルラクタムであることを特徴とする請求項3記載の中
    空成形品。
  5. 【請求項5】 回転成形前のポリオ−ルが、少なくとも
    2個の水酸基を有し、分子量が200〜10,000の
    範囲にあることを特徴とする請求項1記載の中空成形
    品。
  6. 【請求項6】 中空成形品におけるポリオール重合体の
    含有量が1〜50重量%であることを特徴とする請求項
    1記載の中空成形品
  7. 【請求項7】 ω−ラクタムおよびポリオ−ルの含有量
    の異なる2種類以上の原料を、該原料の供給の比率を変
    化させながら、回転成形機に供給し、重合、回転成形さ
    せることを特徴とする請求項1記載の中空成形品の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 回転成形機が二軸回転成形機、揺動式回
    転成形機である請求項6記載の中空成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の中空成形品からなる油貯
    蔵容器。
JP13472594A 1994-06-16 1994-06-16 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器 Expired - Fee Related JP3365051B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13472594A JP3365051B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13472594A JP3365051B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH081694A JPH081694A (ja) 1996-01-09
JP3365051B2 true JP3365051B2 (ja) 2003-01-08

Family

ID=15135147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13472594A Expired - Fee Related JP3365051B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3365051B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1027976A3 (de) * 1999-02-12 2003-01-22 MANNESMANN Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung rotations-symmetrischer Bauteile wie Seilrollen, Laufräder oder dergleichen aus Kunststoff
FR2893622B1 (fr) * 2005-11-24 2007-12-21 Commissariat Energie Atomique Composition a base de caprolactame,procede de fabrication d'un element d'etancheite,et reservoir
JP2008254777A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Takagi Seiko Corp ポリアミドを有するガソリン容器、及び溶着によるポリアミド体製造方法
KR101355335B1 (ko) * 2011-04-05 2014-01-24 성균관대학교산학협력단 폴리아미드 수지의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH081694A (ja) 1996-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5499512B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及びそれを用いた成形品
KR20130118326A (ko) 단량체 조성물을 제조하는 방법 및 몰딩된 폴리아미드 부품 제조를 위한 이의 용도
JPS6164741A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP5263371B2 (ja) ポリアミド樹脂発泡成形体および自動車用樹脂成形品
CA2592440A1 (en) Toughened poly (ethylene terephthalate) compositions
WO2006025615A1 (ja) エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂組成物からなる多層ペレット
JP3365051B2 (ja) 中空成形品、その製造方法および油貯蔵容器
WO1998051489A1 (fr) Objets moules composites en resine de polyester
KR20090073847A (ko) 클레이 강화 폴리아미드-폴리유산 복합 수지 조성물
JP2004161967A (ja) ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルの耐熱性シートおよび成形体の製造方法
JPH08157664A (ja) ポリカーボネート/ポリオレフィン系樹脂組成物および成形体、その製造方法
US4990567A (en) Molded amide resin product and method for its preparation
WO2004096891A1 (ja) 非晶質全芳香族ポリエステルアミド及びその組成物
JP5263370B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂発泡成形体
JP3628140B2 (ja) 中空成形品の製造方法
JP3633727B2 (ja) 中空成形品、その製造方法および中空成形品用原料
KR20140139580A (ko) 회전 몰딩 공정에 의한 중합가능한 조성물로부터의 폴리아미드 몰딩체의 제조 방법
EP0541799A1 (en) Polyamide/polyolefin resin composition
JPH08132459A (ja) 多層中空成形品および油貯蔵容器
JPH10287743A (ja) 中空成形品の製造方法
JP2004285108A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物
JP2008087318A (ja) ポリアミド樹脂製射出溶着成形体
CA2006098A1 (en) Toughened polyamide compositions having improved properties
WO2022009690A1 (ja) 無機強化ポリアミド樹脂組成物
JP3385106B2 (ja) 樹脂組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees