JP3364282B2 - 高性能空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

高性能空気入りラジアルタイヤ

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JP3364282B2
JP3364282B2 JP19141693A JP19141693A JP3364282B2 JP 3364282 B2 JP3364282 B2 JP 3364282B2 JP 19141693 A JP19141693 A JP 19141693A JP 19141693 A JP19141693 A JP 19141693A JP 3364282 B2 JP3364282 B2 JP 3364282B2
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pneumatic radial
bead
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side wall
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寿夫 菅沼
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/02Seating or securing beads on rims
    • B60C15/024Bead contour, e.g. lips, grooves, or ribs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/01Shape of the shoulders between tread and sidewall, e.g. rounded, stepped or cantilevered
    • B60C2011/013Shape of the shoulders between tread and sidewall, e.g. rounded, stepped or cantilevered provided with a recessed portion

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高性能空気入りラジアル
タイヤに係り、特に、高速耐久性に優れ、操縦安定性を
高くした高性能空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高性能空気入りラジアルタイヤ
は、ショルダー部がラウンド形状を呈しており、サイド
ウォール部においてはカーカスラインに沿った滑らかな
曲線で外輪郭を描くようなゴム厚分布を有している。
【0003】近年では、車両の高速、高運動性能化に伴
って、コーナリングスピードの限界も上がり、市場では
タイヤに高い横力(グリップ)、大きな荷重移動でもタ
イヤが腰砕けにならない剛性感が求められており、また
限界時の挙動も重要視されてきており、同時に高い高速
耐久性も要求されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、この対策として
サイドウォール部の剛性アップが行われているが、これ
は乗り心地、高速耐久性の悪化及びトレッド部との剛性
のアンバランスを招く虞がある。
【0005】即ち、ビード部〜サイドウォール部の剛性
を向上させると、サイドウォール部のフレックスゾーン
が少なくなり、しかもその位置が踏面部方向、つまりベ
ルトエンド近傍に移る。これによって乗り心地が悪化す
ると同時に、ベルトエンド近傍の動きが大きくなり、発
熱が大となってベルトエンドフローチャンク、ベルトエ
ンドセパレーション等を起こし易くなる。
【0006】また横力を受けた時に、サイドウォール部
と踏面部の間に剛性のアンバランスが生じ、踏面部のバ
ックリングを生じさせ、接地厚分布が変化して限界時の
挙動が悪化する。即ち、タイヤが横力を受けると、サイ
ドウォール部のゴムに沿ってベルトエンド側へ力が伝達
し、この力によってベルトエンド付近がタイヤ赤道面C
L側へ押されてベルトエンドのタイヤ赤道面CL側が路
面から離れる方向に屈曲して踏面部にバックリングを生
じるのである。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、高い限界グリ
ップ性及び高い高速耐久性を有した高性能空気入りラジ
アルタイヤを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、左右一対のビードコアに係止されてトロイド状に延
びるカーカスと、前記カーカスのクラウン部に配置され
るベルトと、前記カーカスの軸方向外側に配置されビー
ド部から径方向外側に延びる一対のサイドウォール部
と、両サイドウォール部に跨がるトレッド部と、を有す
る高性能空気入りラジアルタイヤにおいて、前記トレッ
ド部のサイドウォール部側非接地領域に、実質的にタイ
ヤ半径方向に沿ったタイヤ径方向側壁とタイヤ幅方向に
対してタイヤ幅方向外側がタイヤ半径方向内側へ傾斜し
たタイヤ幅方向側壁とを有するくびれ部を形成し、トレ
ッド端を基準として計測される前記タイヤ半径方向側壁
のタイヤ外方への延長線のタイヤ半径方向に対する傾斜
角度θを−5°<θ<+10°(ここで、角度の−側と
はタイヤ幅方向外側へ傾斜することを意味し、角度の+
側とはタイヤ幅方向内側へ傾斜することを意味する。)
とし、かつ前記タイヤ径方向側壁と前記タイヤ幅方向側
壁との交点を基準として計測される前記タイヤ幅方向側
壁のタイヤ軸方向に対する傾斜角度βを、30°<β<
70°とすることを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載の高性能空気入りラ
ジアルタイヤは、前記請求項1に記載の高性能空気入り
ラジアルタイヤにおいて、タイヤ幅方向外側に突出し、
タイヤが係合するリムフランジに相応する曲面をもつサ
イドウォール部支持体を前記サイドウォール部のタイヤ
軸線側に設けたことを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の高性能空気入りラジアルタイ
ヤによれば、前記トレッド部のサイドウォール部側非接
地領域にくびれ部を形成したので、ショルダー部、即ち
ベルトエンド部付近のゴムボリュームが少なくなり、こ
の付近の発熱が抑えられるので高速耐久性を向上させる
ことができる。
【0011】また、横力を受けた時に、サイドウォール
部のゴムに沿ってベルト側へ力が伝達しようとするが、
くびれ部によって力の伝達が阻止される。即ち、横力を
受けた時に、ベルトエンド部付近がサイドゴムによって
押されないので踏面部にバックリングを生じることがな
く、接地圧分布の変化が抑えられて高い限界グリップ性
を得ることができる。
【0012】ここで、タイヤ半径方向側壁のタイヤ外方
への延長線のタイヤ半径方向に対する傾斜角度θを10
°以上とするとベルトエンド付近のゴムボリュームを減
少させるという効果が得られず、θを−5°以上とする
と、踏面部接地端の剛性を大きく損なうことになるので
好ましくない。
【0013】また、タイヤ幅方向側壁のタイヤ軸方向に
対する傾斜角度βを30°以下とすると、ベルトエンド
付近のゴムボリュームを減少させるという効果が得られ
ず、βを70°以上とするとサイドウォール部のゴムボ
リュームを削り取ってサイド剛性を低下させることにな
り好ましくない。
【0014】また、請求項2に記載の高性能空気入りラ
ジアルタイヤでは、ビード部とリムフランジとの間の略
三角形状の隙間が、ビードプロテクトによって実質的に
埋められるため、高速旋回時のビード部の倒れ込みを抑
えることができ、これによって、車両の旋回性能をより
向上させることが可能となる。
【0015】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明の高性能空気入りラジアルタイヤ
の第1実施例を図1乃至図3にしたがって説明する。
【0016】図1に示すように、高性能空気入りラジア
ルタイヤ10(タイヤサイズ255/40ZR17)
は、一対のビードコア12(図1では一方のみ図示)
と、一方のビードコア12から他方のビードコア12に
亘ってトロイド状に延びるカーカス層14とを有し、こ
のカーカス層14は少なくとも1枚のカースプライ、本
実施例では2枚のカーカスプライ16及びカーカスプラ
イ18から構成されている。
【0017】本実施例のビードコア12は、断面形状が
四角形とされたいわゆるストランドビードである。
【0018】カーカスプライ16、18の端末部は、ビ
ードコア12の回りをタイヤ内側から周回してタイヤ半
径方向外側に向かって折り返されており、各カーカスプ
ライ16、18の折り返し端部16A、18Aは、ステ
ップをつけて配置されてタイヤ半径方向に離れている。
【0019】カーカスプライ16、18は、多数本の有
機繊維からなるコードをゴムコーティングして形成され
ており、コード方向はラジアル方向とされている。本実
施例では、コードが1260d/2のナイロンコードで
あり、カーカスプライ16のコード方向は赤道面に対し
て80°、カーカスプライ18のコード方向は赤道面に
対して−80°で傾斜して、互いに交差している。
【0020】カーカス層14のタイヤ軸方向外側には、
サイドウォール部を形成するサイドトレッド層28が配
設されている。
【0021】カーカス層14のタイヤ半径方向外側に
は、トレッド部を形成するトップトレッド層20がサイ
ドトレッド層28を跨ぐように配設されている。なお、
トップトレッド層20の表面には、トレッドパターンが
刻まれていても良く、刻まれていなくても良い。
【0022】トップトレッド層20のゴム材は100°
Cにおける硬度が50°(JIS規格硬度)以下である
ことが好ましい。また、トップトレッド層20のゴムゲ
ージは6mm以下であることが好ましい。本実施例の高性
能空気入りラジアルタイヤ10では、トップトレッド層
20のゴム材の100°Cにおける硬度が45°であ
り、トップトレッド層20のゴムゲージが6mmに設定さ
れている。
【0023】カーカス層14とトップトレッド層20と
の間にはベルト層22が配置されている。ベルト層22
は、少なくとも2枚のベルトプライを有することが好ま
しく、本実施例では、2枚のベルトプライ24、26を
有している。これらのベルトプライ24、26内には、
タイヤ周方向に対して傾斜した多数本のコードが埋設さ
れると共に、これらのコードは隣接するベルトプライに
おいて互いに交差している。
【0024】また、ベルトプライ24、26の端部のタ
イヤ半径方向外側には、ベルトプライ24、26の端部
を覆うように実質上タイヤ周方向に延びる有機繊維より
なるベルト補強層としてのレイヤー30が1乃至2枚隣
接して配置されている。
【0025】トップトレッド層20のサイドウォール部
側非接地領域にはくびれ部32が形成されている。
【0026】図1及び図2に示すように、くびれ部32
は実質上三角形状の断面形状を呈しており、タイヤ赤道
面CLからトレッド端20A(但し、トレッド端20A
を円弧状とした場合には、タイヤ半径方向側壁32Bの
延長線とトップトレッド層20の外輪郭線の延長線との
交点)までのタイヤ軸方向(矢印A方向)に沿った距離
Bとベルト最大半幅BWとの関係をB=BW×(0.9
5〜1.10)、且つ、くびれ部32の底部32A(三
角形の頂部)のタイヤ半径方向高さhとタイヤ断面高さ
SHとの関係をh=SH×(0.78〜0.85)とす
ることが好ましい。
【0027】また、トレッド端20Aを小円弧状に形成
し、その円弧の曲率半径rとトレッド中央域におけるト
レッド表面の曲率半径Rとの関係をr/R<0.002
とすることが好ましい。
【0028】更に、三角形状のくびれ部32において、
トレッド端20Aを基準として計測されるタイヤ半径方
向側壁32Bのタイヤ外方への延長線のタイヤ半径方向
(矢印B方向及び矢印B方向とは反対方向)に対する傾
斜角度θを、−5°<θ<+10°(ここで、角度の−
側とはタイヤ幅方向外側へ傾斜することを意味し、角度
の+側とはタイヤ幅方向内側へ傾斜することを意味す
る。)とすることが好ましく、タイヤ幅方向側壁32C
はタイヤ軸方向外側をタイヤ径方向内側へ傾斜させ、底
部32A(三角形の頂部)を基準として計測されるタイ
ヤ軸方向に対する傾斜角度βを、30°<β<70°と
することが好ましい。この時、底部32A(三角形状の
頂部)を微小曲率半径r’で形成した時の該頂部とレイ
ヤー30迄の間の最小ゴム厚さtと、くびれ部32の底
部32A(三角形の頂部)からトレッド外側域のトレッ
ド外輪郭線を延長したトレッド外側仮想輪郭線20Bと
サイドウォール上方域のサイドウォール外輪郭線を延長
したサイドウォール上方仮想外輪郭線28Aとを滑らか
に連結して得られるトレッド端仮想外輪郭線34までの
法線H方向に測定した時の距離Tとの関係を0.25<
t/T<0.6とすることが好ましい。ここで、底部3
2Aの微小曲率半径r’はr’≦1(mm)とすることが
好ましい。
【0029】図3に示すように、高性能空気入りラジア
ルタイヤ10のビード部36には、ビードプロテクト3
8が設けられている。
【0030】ビードプロテクト38は、断面が略三角形
状を呈しており、高性能空気入りラジアルタイヤ10を
リム40に組み付けた時に、リムフランジ40Aとビー
ド部36との間の断面略三角形状を呈した隙間部分を埋
めるようになっている。このビードプロテクト38とリ
ムフランジ40Aとの間隔tBは、0mm(密着状態)〜
5mm程度が好ましい。また、リムフランジ40A側の形
状は、図に示すように、リムフランジ40Aに沿って滑
らかな曲率を有することが好ましい。
【0031】このビードプロテクト38は、グリーンタ
イヤ成型時に断面が略三角形状を呈した長尺の生ゴム部
材をビード部36の所定位置に貼り付けることによって
形成することができる。
【0032】加硫後におけるビードプロテクト38のゴ
ムの硬度は、ビード部36のゴムの硬度よりも高いこと
が好ましい。
【0033】なお、ビードプロテクト38のタイヤ径方
向外側端部のタイヤ径方向外側(矢印B方向側)に、ビ
ード部36のゴムを突出させた環状のリムライン42を
設けることが好ましい。即ち、このリムライン42を設
けるには、このリムライン42と逆形状の凹部(図示せ
ず)がモールド内面に形成されることとなり、モールド
内の凹部が加硫成型時のモールド内の空気の逃げ場とし
て作用し、エア溜まりをスムーズに除去し、モールド内
のゴム流れを良くしてベア等の不良を防止することがで
きる。なお、このリムライン42は、必要に応じて2本
以上設けることもできる。
【0034】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
の高性能空気入りラジアルタイヤ10では、トップトレ
ッド層20の両端部にくびれ部32を設けたので、ショ
ルダー部、即ちベルトエンド部付近のゴムボリュームが
少なくなり、この付近の発熱が抑えられるのでベルトエ
ンドフローチャンク、ベルトエンドセパレーション等の
発生を防止して高速耐久性を向上させることができる。
【0035】また、強制的にショルダー部分のゴムゲー
ジを落として剛性分布を変えたので、限界時の踏面〜サ
イドウォール部の剛性アンバランスが是正され、高い限
界グリップを得ることができる。詳述すると、高性能空
気入りラジアルタイヤ10が横力を受けた時に、サイド
トレッド層のゴムに沿ってベルトエンド側へ力が伝達し
ようとするが、くびれ部32によって力の伝達が阻止さ
れ、ベルトエンド部付近がサイドトレッド層のゴムによ
り伝達される力で押されることがないため、踏面部にバ
ックリングを生じることがない。即ち、横力を受けた際
の接地圧分布の変化が抑えられるので、高い限界グリッ
プ性を得ることができるのである。
【0036】また、ビード部36とリムフランジ40A
との間の略三角形状の隙間が、ビードプロテクト38に
よって実質的に埋められるため、高速旋回時のビード部
36の倒れ込みを効果的に抑えることができ、これによ
って、車両の旋回性能をより向上させることが可能とな
る。なお、ビード部36とリムフランジ40Aとの間の
略三角形状の隙間は、実際にはさほど大きな隙間ではな
いため、ビードプロテクト38のゴム使用量は僅かであ
り、重量増加は実質的に無視できる値である。
【0037】また、本実施例の高性能空気入りラジアル
タイヤ10は、従来の高性能空気入りラジアルタイヤの
ように、ワイヤーインサート等の補助部材を付加してい
ないため、重量が増加したり、乗り心地が悪化する等の
不具合がない。
【0038】なお、くびれ部32に関し、Bが0.95
BW未満となるとくびれ部32が踏面内に入り、サイド
ウォール部〜踏面部の間の剛性アンバランスを補正する
効果が少なくなり、Bが1.10BWを超えると、ベル
トエンド付近のゴムボリュームを減少させるという効果
が得られず、また、接地面内にくびれ部32が入ってし
まい接地形状を大きく損なう虞があるため高速耐久性を
上げることが出来なくなる。
【0039】また、hが0.78SH未満であるとサイ
ド剛性を損なう事があり、hが0.85SHを超えると
ベルトエンドのゴムボリュームを減少させるという効果
が得られないため、高速耐久性を上げることができな
い。
【0040】また、r/R<0.002としたが、r/
Rの値が0.002以上となるとrの範囲が踏面部(接
地面内)にかかり好ましくない。
【0041】θの範囲を−5°<θ<+10°とした
が、θを10°以上とするとベルトエンド付近のゴムボ
リュームを減少させるという効果が得られず、θを−5
°以上とすると、踏面部接地端の剛性を大きく損なうこ
とになるので好ましくない。
【0042】また、βを30°以下とすると、ベルトエ
ンド付近のゴムボリュームを減少させるという効果が得
られず、βを70°以上とするとサイドトレッド層のゴ
ムボリュームを削り取ってサイド剛性を低下させること
になり好ましくない。
【0043】また、t/Tが0.6以上になるとベルト
エンド付近のゴムボリュームを減少させるという効果が
少なくなり、t/Tが0.25以下になるとベルトプラ
イ24、26上のゴムゲージが確保出来なくなるため好
ましくない。
【0044】また、r’はベルトエンド付近のゴムボリ
ュームを減少させるという意味で出来るだけ小さいこと
が好ましく、r’が1mmを超えることはベルトエンド付
近のゴムボリュームを増大させるので好ましくない。
【0045】〔第2実施例〕本発明の第2実施例に係る
高性能空気入りラジアルタイヤ10を図4にしたがって
説明する。なお、第1実施例と同一構成に関しては同一
符号を付しその説明は省略する。
【0046】図4に示すように、本実施例の高性能空気
入りラジアルタイヤ10には、ビードコア12のカーカ
スプライ16、18を挟んでタイヤ半径方向内側にトウ
先補強ゴムストック44が配置されている。トウ先補強
ゴムストック44は、タイヤ軸に沿った断面が略三角形
を呈しており、外周がビード部36のタイヤ内側面、リ
ム側面及びカーカスプライ16に沿っている。ここで、
トウ先補強ゴムストック44の硬度は、JIS規格硬度
で80°〜98°、好ましくは85°〜97°とするこ
とが良い。なお、本実施例のトウ先補強ゴムストック4
4の硬度は95°である。
【0047】ここで、トウ先補強ゴムストック44のタ
イヤ軸方向幅L2は、ビードコア12のタイヤ軸方向幅
L3の0.5〜2.0倍、好ましくは0.5〜1.5倍
である。
【0048】なお、トウ先補強ゴムストック44のタイ
ヤ半径方向寸法Hは、本実施例では10mmである。
【0049】さらに、ビードコア12のタイヤ軸方向外
方端からビード部36のタイヤ軸方向内方端までのタイ
ヤ軸方向幅L1はビードコア12のタイヤ軸方向幅L3
の1.1〜3.0倍とすることが好ましい。本実施例で
は、L1をL3の1.7倍とした。
【0050】これらビードコア12及びトウ先補強ゴム
ストック44のタイヤ軸方向側方及びタイヤ半径方向内
方側には、有機繊維コードよりなるキャンバスチェーフ
ァー46が一体的に配設されている。このキャンバスチ
ェーファー46は一般的なものであり、成型方法として
は、好ましくはトウ先補強ゴムストック44をキャンバ
スチェーファー46にプリセットして、成型フォーマー
上で一体化することが精度、生産性の上で好ましい。
【0051】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の高性能空気入りラジアルタイヤ10では、ビードコ
ア12のカーカスプライ16、18を挟んでタイヤ半径
方向内側に高硬度のトウ先補強ゴムストック44が配置
されており、さらに、キャンバスチェーファー46が設
けられているため、高速旋回時のビード部36の倒れ込
みを減少させることができ、旋回性能を向上させること
ができる。しかも、本実施例の高性能空気入りラジアル
タイヤ10では、ビード部36内の一部のゴムが高硬度
となっただけであるので、タイヤ重量を増加させること
はない。
【0052】なお、トウ先補強ゴムストック44の硬度
が80°以下では、ビード部36の大変形時のビード部
36の基部36Aが動きやすく、また極端な場合ではリ
ム外れ等を発生しやすい。また、トウ先補強ゴムストッ
ク44の硬度が98°以上では、極端にビード部36の
剛性が高まり、リム組み等に種々の問題、例えば、ビー
ドトウ欠け、フィット性悪化、を生じる場合があるため
好ましくない。
【0053】また、トウ先補強ゴムストック44のタイ
ヤ軸方向幅L2が、ビードコア12のタイヤ軸方向幅L
3の0.5倍未満では、ビード外れ、ビード部36の動
き抑制の効果が無くなるため好ましくなく、2.0倍を
超えると、リム組み性、フィット性等の問題が生じるた
め好ましくない。
【0054】さらに、ビードコア12のタイヤ軸方向外
側端からビード部36のタイヤ軸方向内側端までの距離
L1がビードコア12のタイヤ軸方向幅L3の1.1倍
未満の場合には、ビード部36の大変形時のビード部動
きを抑制し難くなり、リム外れ等の問題を生じる場合が
あり好ましくなく、3.0倍を超えるとリム組み性、フ
ィット性等の問題が生じるため好ましくない。
【0055】なお、ビードコア12を金属よりなる1本
の素線の巻回により実質上円形断面に形成した丸ビード
とすることが好ましい。1本の素線の巻回により実質上
円形断面に形成したビードコア12(丸ビード)は、ス
トランドビードコアに対して剛性が低くなり、また、均
一に力を負担することができる。このため、リム組み時
のフィット性が良好であり、組立て体としての均一性が
得られ、車両旋回時の大変形時等による局所的な変形が
なく、タイヤの広範囲にわたって負担することができる
ため、旋回時の接地形状(特に接地圧)の変化が少なく
なり、さらに旋回性能を向上させることができる。な
お、このビードコア12は実質上円形断面が好ましいが
四角形断面としてもよい。
【0056】〔第3実施例〕本発明の第3実施例に係る
高性能空気入りラジアルタイヤ10を説明する。
【0057】本実施例の高性能空気入りラジアルタイヤ
10では、カーカスプライ16、18のコードをコーテ
ィングしているゴム及びサイドトレッド層28を構成す
るゴムの硬度が通常のそれよりも高く設定されており、
さらに、100%モジュラスにおいても通常のそれより
も高く設定されている。
【0058】また、カーカスプライ16、18のコード
に熱収縮性の有機繊維が用いられており、以下の式1で
表される撚り係数を0.1〜0.5とすることが好まし
い。
【0059】 撚り係数=N× 0.139×D/ρ×10-3・・・・・・(1) ここで、Nは有機繊維の長さ10cm当たりの撚り数、
Dは有機繊維のトータルデニール、ρは有機繊維の比重
である。
【0060】また、本実施例のビードコア12は、金属
よりなる1本の素線を実質上連続巻回して断面を実質上
円形に形成したものである。
【0061】ここで、カーカスプライ16、18のコー
ドをコーティングしているゴムは、常温(20°C)に
おいてJIS規格硬度が65°以上、JISのK630
1試験法に準じ、資料形状JIS3号で試験温度20°
Cでの100%モジュラスが40kg/cm2以上とす
ることが好ましい。
【0062】また、サイドトレッド層28を構成するゴ
ムも、カーカスプライ16、18のコードをコーティン
グしているゴムと同様に、常温(20°C)においてJ
IS規格の硬度で65°以上とすることが好ましく、J
ISのK6301試験法に準じ、資料形状JIS3号で
試験温度20°Cでの100%モジュラスを40kg/
cm2以上とすることが好ましい。
【0063】上記のようにゴム硬度及びモジュラスを設
定することにより、高性能空気入りラジアルタイヤ10
は、横力(サイドフォース)を受けた時のタイヤの横撓
みが減少し、同じく縦方向に力を受けた際の縦撓みも減
少する。即ち、横方向及び縦方向のばね定数の増加によ
り、コーナリング時のタイヤの倒れ込みが抑えられ、フ
ィーリングとして剛性感が向上する。
【0064】また、横方向のばね定数の増大化により、
タイヤにスリップアングルを与えた時のタイヤ変形から
生じるコーナリングフォースが上昇するため、コーナリ
ング時のグリップ力が向上する。さらに、少ないスリッ
プアングルで従来の高性能空気入りラジアルタイヤより
も大きなコーナリングフォースを得ることができるた
め、走行抵抗も少なくなる。
【0065】また、ビードコア12が、1本の素線の巻
回により形成されたものであるため、ストランドビード
コアに対して剛性が低くなり、また、均一に力を負担す
ることができる。このため、リム組み時のフィット性が
良好であり、組立て体としての均一性が得られ、車両旋
回時の大変形時等による局所的な変形がなく、タイヤの
広範囲にわたって負担することができるため、旋回時の
接地形状(特に接地圧)の変化が少なくなり、さらに旋
回性能が向上させることができる。なお、このビードコ
ア12は実質上円形断面が好ましいが、四角形断面とし
てもよい。
【0066】さらに、本実施例では、カーカスプライ1
6、18のコードの撚り係数を0.1〜0.5として、
従来よりも撚り係数を小さくしたので(従来タイヤのカ
ーカスプライの撚り係数は0.65〜0.75)、コー
ドの曲げ剛性が高くなり、これによってカーカスプライ
16、18によって形成されるタイヤケースのバネ定数
が全体的に均一に向上する。即ち、横方向及び縦方向の
タイヤとしてのバネ定数が向上することによりコーナリ
ング時のタイヤ変形を抑えることができ、フィーリング
として剛性感が向上する。また、スリップアングルを与
えた時、タイヤ変形から生じるコーナリングフォースが
上昇するため、グリップ力の向上に結びつく。
【0067】なお、前記実施例では、偏平率が40%の
高性能空気入りラジアルタイヤの例を示したが、本発明
の適用は偏平率が40%の高性能空気入りラジアルタイ
ヤに限るものではなく、特に高性能車両に用いられる偏
平率が60%以下の高性能空気入りラジアルタイヤに適
用することにより、最も大きな効果を発揮することがで
きる。
【0068】〔試験例〕本発明の効果を調べるために、
従来形状の高性能空気入りラジアルタイヤ1種(くびれ
部及びビードプロテクトの無いもの。図5参照)、本発
明形状の高性能空気入りラジアルタイヤ2種(タイヤ構
造は図1に示す高性能空気入りラジアルタイヤと同一で
あって、本発明形状タイヤ1と本発明形状タイヤ2とは
各部の寸法、角度のみが異なる)及び比較形状の高性能
空気入りラジアルタイヤ4種(タイヤ構造は図1に示す
高性能空気入りラジアルタイヤと同一であって、本発明
形状タイヤ1と本発明形状タイヤ2とは各部の寸法、角
度のみが異なる)を用意し、それぞれ実車に装着して高
速耐久性及び操縦安定性を試験した。なお、各試験タイ
ヤは全てタイヤサイズ255/40ZR17としてあ
り、各諸元は以下の表1に示す通りである。
【0069】高速耐久性の試験方法:内圧2kgf/cm2
充填し、荷重500kgfにて直径2mのドラム上を走
行させ、速度100km/hから10km/h/10分でステッ
プアップして行き、故障が生じた時の速度を測定する。
評価は、従来形状のタイヤを100とする指数表示と
し、数値が大きいほど性能に優れていることを示す。
【0070】操縦安定性の試験方法:試験タイヤを装着
した車両を1周6kmのテストコースにて走行させ、1周
のラップタイムにテストドライバーのフィーリング評価
を加味して指数評価した。成績は従来形状のタイヤを1
00としており、数値が大きいほど性能に優れているこ
とを示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】上記表2の試験結果からも、本発明の適用
された高性能空気入りラジアルタイヤは従来形状の高性
能空気入りラジアルタイヤ及び比較形状の高性能空気入
りラジアルタイヤに比較して、高速耐久性及び操縦安定
性共に向上していることは明らかである。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
高性能空気入りラジアルタイヤは上記構成としたので、
高い限界グリップ性及び高い高速耐久性を得ることがで
き、コーナリング時の操縦安定性が向上すると共に連続
高速走行性能が向上するという優れた効果を有する。
【0075】また、請求項2に記載の高性能空気入りラ
ジアルタイヤは上記構成としたので、高速旋回時のビー
ド部の倒れ込みを減少させて、旋回性能をさらに向上さ
せることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る高性能空気入りラジ
アルタイヤの子午線断面図である。
【図2】図1に示す高性能空気入りラジアルタイヤの矢
印C拡大図である。
【図3】図1に示す高性能空気入りラジアルタイヤの矢
印D拡大図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る高性能空気入りラジ
アルタイヤのビード部周辺の拡大図断面図である。
【図5】従来形状の高性能空気入りラジアルタイヤの断
面図である。
【符号の説明】
10 高性能空気入りラジアルタイヤ 12 ビードコア 14 カーカス 20 トップトレッド層 20A トレッド端 22 ベルト層 28 サイドトレッド層 32 くびれ部 38 ビードプロテクト(サイドウォール部支持体) 40A リムフランジ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−356204(JP,A) 特開 平5−58110(JP,A) 特開 昭54−7703(JP,A) 特開 昭55−91409(JP,A) 特開 平4−252703(JP,A) 特開 平6−40223(JP,A) 実開 昭57−150002(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/01,13/00 B60C 15/00 - 15/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のビードコアに係止されてトロ
    イド状に延びるカーカスと、 前記カーカスのクラウン部に配置されるベルトと、 前記カーカスの軸方向外側に配置されビード部から径方
    向外側に延びる一対のサイドウォール部と、 両サイドウォール部に跨がるトレッド部と、を有する高
    性能空気入りラジアルタイヤにおいて、 前記トレッド部のサイドウォール部側非接地領域に、実
    質的にタイヤ半径方向に沿ったタイヤ径方向側壁とタイ
    ヤ幅方向に対してタイヤ幅方向外側がタイヤ半径方向内
    側へ傾斜したタイヤ幅方向側壁とを有するくびれ部を形
    成し、 トレッド端を基準として計測される前記タイヤ半径方向
    側壁のタイヤ外方への延長線のタイヤ半径方向に対する
    傾斜角度θを−5°<θ<+10°(ここで、角度の−
    側とはタイヤ幅方向外側へ傾斜することを意味し、角度
    の+側とはタイヤ幅方向内側へ傾斜することを意味す
    る。)とし、かつ前記タイヤ径方向側壁と前記タイヤ幅
    方向側壁との交点を基準として計測される前記タイヤ幅
    方向側壁のタイヤ軸方向に対する傾斜角度βを、30°
    <β<70°とすることを特徴とする高性能空気入りラ
    ジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤ幅方向外側に突出し、タイヤが係
    合するリムフランジに相応する曲面をもつサイドウォー
    ル部支持体を前記サイドウォール部のタイヤ軸線側に設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の高性能空気入り
    ラジアルタイヤ。
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