JP3363605B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3363605B2
JP3363605B2 JP20241694A JP20241694A JP3363605B2 JP 3363605 B2 JP3363605 B2 JP 3363605B2 JP 20241694 A JP20241694 A JP 20241694A JP 20241694 A JP20241694 A JP 20241694A JP 3363605 B2 JP3363605 B2 JP 3363605B2
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color
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尚雄 八重樫
功 海老沢
英彦 神田
篤 新井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関するものである。より詳しくは、複数色の吐出ノ
ズルをもつ記録ヘッドを使用するカラーインクジェット
記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音、高
速記録、カラー記録が可能等の利点を有している。特
に、米国特許第4723129号、4740796号に
開示されている熱エネルギーにより気泡を発生させて液
滴を吐出させる方式によれば、高密度で応答性に優れた
記録ヘッドを容易に構成できる。
【0003】その一方で、液体のインクを使用するイン
クジェット記録装置に特有の現象として、長時間使用さ
れずにいた場合などに、ノズル内のインクの水分および
他の揮発性成分が蒸発して粘度が上昇したり、気泡がノ
ズル内やインク供給路に混入したりして、吐出に不適当
な状態となることがある。このような状態から復帰する
ためには何らかの回復手段が必要である。その手段のひ
とつとしてノズルからインクを吸い出しタンク側から新
しいインクを供給する吸引機構を持つ記録装置が多い。
【0004】一方、本出願人は図4に示すような4色一
体型の記録ヘッドを使用するインクジェット記録装置を
出願している。この方式によれば、従来のように4個の
記録ヘッドを使用してカラー記録を行う場合と異なり、
小型の装置でカラー記録を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多色一体
型の記録ヘッドの利点(即ち、本体が小型化できる)を
十分に生かすためには、吸引などのインクジェット記録
方式特有の回復操作を行う場合にも、単色のヘッドに対
するのと同様の回復操作が使用できることが好ましい。
即ち、1色ずつ複数回にわけて吸引したりすることな
く、1回の吸引によってすべての色のノズルのインクを
吸引して回復できることが望ましい。しかしながら、多
色一体型の記録ヘッドを吸引すると、キャップ内でのイ
ンクの不規則な流れなどの制御不能の要因により、ノズ
ルから吸い出されたインクが他の色のノズルへと侵入す
るという問題が不規則に発生する。また、吸引を行った
後は、ヘッドの吐出口面に残留したインク等を除去する
ため、弾性体ワイパーにより吐出口面のワイピングを行
うのが普通であるが、このワイピングによっても、混じ
りあったインクが押し込まれる。これらは、回復後の各
色の書き始めの部分の変色(以下、混色という)となっ
て画像上に現れる。
【0006】この混色を防ぐためには、混色した分のイ
ンクを印字前の予備吐出でノズルから追い出すことが必
要であるが、この予備吐出によって使用されるインク
は、印字には使用されない、いわば無駄なインクである
から、この予備吐出は極力少なくすることが望ましい。
【0007】本発明者らは、上述の4色一体型記録ヘッ
ドの吸引後の混色解消をより少ないインク消費量で行う
手段を検討した結果、全ノズルからの予備吐出と端部の
数ノズルのみからの予備吐出とを組み合わせ、繰り返し
て行うことが効果的であることを見いだし、本発明に至
ったものである。
【0008】本発明は、多色一体型のインクジェット記
録ヘッドの吐出性能の吸引回復の後の予備吐出におい
て、各色の書き始めの部分の変色解消を、より少ないイ
ンク消費量で行うインクジェット記録装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
インクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口を
有する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給されるインク
を収容したインクタンクと、前記記録ヘッドからのイン
ク吐出を安定化させる予備吐出を行うための予備吐出手
段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記
記録ヘッドは複数種のインクを吐出する吐出部を有し、
前記予備吐出手段は、前記吐出部の吸引回復後、少なく
とも相対的に薄いインクを吐出する吐出部が、すべての
吐出口からの複数発の予備吐出、前記薄いインクを吐出
する吐出部の端部付近の吐出口のみからの複数発の予備
吐出、すべての吐出口からの複数発の予備吐出の順に行
う予備吐出動作であってすべての吐出口からの複数発の
予備吐出で終了する予備吐出動作を行うことを特徴とす
る構成したものである。また、本発明に係るインクジ
ェット記録装置は、インクを吐出する吐出口を有する記
録ヘッドと、該記録ヘッドに供給されるインクを収容し
たインクタンクと、前記記録ヘッドからのインク吐出を
安定化させる予備吐出を行うための予備吐出手段と、を
備えたインクジェット記録装置において、前記記録ヘッ
ドは少なくともイエロー、マゼンタ、シアンのカラーイ
ンクを吐出する吐出部を有し、前記予備吐出手段は、前
記吐出部の吸引回復後、カラーインクの全吐出口からの
複数発の予備吐出、各カラーインクの吐出部の端部付近
の吐出口のみからの複数発の予備吐出、カラーインクの
全吐出口からの複数発の予備吐出、各カラーインクの吐
出部の端部付近の吐出口のみからの複数発の予備吐出、
カラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐出の順に
行う予備吐出動作であってカラーインクの全吐出口から
複数発の予備吐出で終了する予備吐出動作を行うこと
を特徴とする構成としたものである。また、本発明に係
るインクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口
を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給されるイン
クを収容したインクタンクと、前記記録ヘッドからのイ
ンク吐出を安定化させる予備吐出を行うための予備吐出
手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前
記記録ヘッドはイエロー、マゼンタ、シアンのカラーイ
ンク及びブラックインクを吐出する吐出部を有し、前記
予備吐出手段は、前記吐出部の吸引回復後、カラーイン
クの全吐出口からの複数発の予備吐出、各カラーインク
の吐出部の端部の6吐出口からの複数発の予備吐出、カ
ラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐出、各カラ
ーインクの吐出部の端部の6吐出口からの複数発の予備
吐出、カラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐出
の順に行う予備吐出動作であってカラーインクの全吐出
口からの複数発の予備吐出で終了する予備吐出動作を行
うことを特徴とする構成としたものである。また、前記
記録ヘッドは、インクを吐出する複数の吐出口と、対応
する吐出口毎に設けられ、インクに熱による状態変化を
生起させ該状態変化に基づいてインクを前記吐出口から
吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネルギーを発生す
る熱エネルギー発生手段とを有するようにしたものであ
る。
【0010】
【作用】以上の構成により、記録ヘッドは比較的少ない
インク消費によって予備吐出が行われて性能回復し、回
復後の各色の書き始め部分の変色を防止することができ
る。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0012】本発明に係る実施例のインクジェット記録
装置の概略的構成を、まず図1ないし図3にもとづいて
説明する。図1は記録装置1の全体構成を示す斜視図、
図2は記録装置1の正面図、図3は記録装置1の側面断
面図である。
【0013】自動給紙装置を有した記録装置1は、給紙
部2、送紙部3、排紙部4、キャリッジ部15、クリー
ニング部6から構成されている。そこで、これらを項目
に分けて概略を順次述べていく。
【0014】(A)給紙部 給紙部2は、記録紙Pを積載する圧板21と記録紙Pを
給紙する給送回転体22がベース20に取り付けられた
構成となっている。圧板21には可動サイドガイド23
が移動可能に設けられて、記録紙Pの積載位置を規制し
ている。圧板21はベース20に結合された軸を中心に
回動可能で、圧板バネ24により給送回転体22に付勢
される。給送回転体22と対向する圧板21の部位に
は、記録紙Pの重送を防止する人工皮等の摩擦係数の大
きい材質からなる分離パッド25が設けられている。さ
らに、ベース20には、記録紙Pの一方向の角部を覆
い、記録紙Pを一枚ずつ分離するための分離爪26、さ
らに分離爪26が使えないような厚紙等を分離するため
にベース20に一体成形された土手部27、普通紙ポジ
ションでは分離爪26が作用し、厚紙ポジションでは分
離爪26が作用しないように切り換えるための切り替え
レバー28、圧板21と給送回転体22の当接を解除す
るリリースカム29、が設けられている。
【0015】上記構成において、待機状態ではリリース
カム29が圧板21を所定位置まで押し下げている。こ
れにより、圧板21と給送回転体22の当接は解除され
る。そして、この状態で搬送ローラー36の有する駆動
力が、ギア等により給送回転体22およびリリースカム
29に伝達されると、リリースカム29は圧板21から
離れるので圧板21は上昇し、給送回転体22と記録紙
Pが当接し、給送回転体22の回転に伴い記録紙Pはピ
ックアップされ給紙を開始し、分離爪26によって一枚
ずつ分離されて送紙部3に送られる。給送回転体22お
よびリリースカム29とはシート材Pを送紙部3に送り
込むまで回転し、再び記録紙Pと給送回転体22との当
接を解除した待機状態となって搬送ローラー36からの
駆動力が切られる。
【0016】(B)送紙部 送紙部3は記録紙Pを搬送する搬送ローラ36とPEセ
ンサー32を有している。搬送ローラー36には従動す
るピンチローラー37が当接して設けられている。ピン
チローラー37はピンチローラーガイド30に保持さ
れ、ピンチロラーバネ31で付勢することで、ピンチロ
ーラー37を搬送ローラー36に圧接することで記録紙
Pの搬送力を生み出している。さらに、記録紙Pが搬送
されてくる送紙部3の入口には記録紙Pをガイドする上
ガイド33およびプラテン34が配設されている。ま
た、上ガイド33には記録紙Pの先端、後端検出をPE
センサー32に伝えるPEセンサーレバー35が設けら
れている。さらに、搬送ローラー36の記録紙搬送方向
における下流側には、画像情報に基づいて画像を形成す
るヘッドカートリッジ7が設けられている。
【0017】上記構成において、送紙部3に送られた記
録紙Pはプラテン34、ピンチローラーガイド30およ
び上ガイド33に案内されて、搬送ローラー36とピン
チローラー37とのローラー対に送られる。この時、P
Eセンサーレバー35は搬送されてきた記録紙Pの先端
を検知して、これにより記録紙Pの印字位置を求めてい
る。また、記録紙Pは不図示のLFモーターによりロー
ラー対36,37が回転することでプラテン34上を搬
送される。
【0018】なお、ヘッドカートリッジ7はインクタン
クと一体に構成された交換容易なインクジェット記録ヘ
ッドが用いられている。このヘッドカートリッジ7は、
ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能となって
いる。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜
沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変
化によって記録ヘッドカートリッジ7のノズル70から
インクが吐出されて記録紙P上に画像が形成される。
【0019】(C)キャリッジ部 キャリッジ部5は、ヘッドカートリッジ7を取り付ける
キャリッジ50を有している。
【0020】そしてキャリッジ50は、記録紙Pの搬送
方向(副走査方向)にたいして直角方向(主走査方向)
に往復走査させるためのガイド軸81およびキャリッジ
50の後端を保持してヘッドカートリッジ7と記録紙P
との隙間を維持するガイドレール82によって支持され
ている。なお、これらガイド軸81およびガイドレール
82はシャーシー8に取り付けられている。また、キャ
リッジ50はシャーシー8に取り付けられたキャリッジ
モーター80によりタイミングベルト83を介して駆動
される。このタイミングベルト83は、アイドルプーリ
ー84によって張設、支持されている。さらに、キャリ
ッジ50には、電気基板9からヘッドカートリッジ7ヘ
ッド信号を伝えるためのフレキシブル基板51を備えて
いる。
【0021】上記構成において、記録紙Pに画像形成す
る時は、画像形成する行位置(記録紙Pの搬送方向の位
置)にローラー対36、37が記録紙Pを搬送すると共
にキャリッジモーター80によりキャリッジ50を画像
形成する位置(記録紙Pの搬送方向と垂直な位置)に移
動させて、ヘッドカートリッジ7を画像形成位置に対向
させる。その後、電気基板9からの信号によりヘッドカ
ートリッジ7が記録紙Pに向けてインクを吐出して画像
が形成される。
【0022】(D)排紙部 排紙部4は、伝達ローラ40が搬送ローラー36に当接
し、さらに、伝達ローラ40は排紙ローラー41と当接
して設けられいる。したがって、搬送ローラー36の駆
動力が伝達ローラー40を介して排紙ローラー41に伝
達される。また、排紙ローラー41に従動して回転可能
な如く拍車42が排紙ローラー41に当接されている。
以上の構成によって、キャリッジ部5で画像形成された
記録紙Pは、排紙ローラー41と拍車42とのニップに
挟まれ、搬送されて不図示の排紙トレー等に排出され
る。
【0023】(E)クリ−ニング部 クリーニング部6は、ヘッドカートリッジ7のクリーニ
ングを行うポンプ60と記録ヘッドの乾燥を抑えるため
のキャップ61および搬送ローラー36からの駆動力を
給紙部2およびポンプ60にきり換える駆動切り替えア
ーム62から構成されている。駆動切り替えアーム62
が給紙、クリーニング以外の時は、搬送ローラー36の
軸心を中心に回転する遊星ギア(不図示)を所定位置に
固定しているので、給紙部2およびポンプ60に駆動力
は伝達されない。キャリッジ50が移動することで、駆
動切り替えアーム62を矢印A方向に移動させると、遊
星ギアがフリーになるので搬送ローラー36の正転、逆
転に応じて遊星ギアが移動し、搬送ローラー36が正転
したときは給紙部2に駆動力が伝達され、逆転したとき
はポンプ60に駆動力が伝達されるようになっている。
【0024】図4は、本発明が実施されるインクジェッ
ト記録装置に登載されるインクジェット記録ヘッドの模
式断面図である。
【0025】イエローインクを吐出するノズル24個
(以下、イエローノズル列と呼ぶ)、マゼンタインクを
吐出するノズル24個(以下、マゼンタノズル列と呼
ぶ)、シアンインクを吐出するノズル24個(以下、シ
アンノズル列と呼ぶ)、ブラックインクを吐出するノズ
ル64個(以下、ブラックノズル列と呼ぶ)が一列に配
列されており、各色ノズル列間は8ノズル相当の間隔が
ある。各色ノズル列は各色の共通液室113からインク
供給を受けており、各共通液室113へは各色のインク
タンク116からインクが供給されている。
【0026】本記録ヘッドでは、カラーは約40ngの
インク滴を、ブラックは約80ngのインク滴を、最大
6.25kHzで連続吐出出来る。
【0027】(実施例1)本実施例のインクジェット記
録装置の吸引回復シーケンスを図5にしめす。吸引、ワ
イピングをおこなった後(ステップS51〜S53)、
カラー(イエロー、マゼンタ、シアン)の全ノズルから
6.25kHzで1000発の予備吐出を行い(S5
4)、ついで各カラーノズル列の端部6ノズルから6.
25kHzで2000発の予備吐出を行い(S55)、
つぎにカラーの全ノズルから6.25kHzで500発
の予備吐出を行い(S56)、つぎに各カラーノズル列
の端部6ノズルから6.25kHzで1000発の予備
吐出を行い(S57)、つぎにカラーの全ノズルから
6.25kHzで2000発の予備吐出を行って(S5
8)、吸引後のカラーの予備吐出動作を終了する。
【0028】理解を助けるために上記のカラーの予備吐
出パターンを図7に示す。
【0029】ブラックは、全ノズルから6.25kHz
で900発の予備吐出を行って、吸引後の予備吐出を終
了する。本実施例では、このブラックの予備吐出は、カ
ラーの予備吐出終了後に行ったが、上記のカラーの予備
吐出と同時に行ってもよい。本発明者らの検討によれ
ば、混色の度合いは、各色ノズル列の中央部より、端部
で著しい。これはおそらく、他色のノズルと近い位置に
ある端部のノズルへの侵入インク量が多いためと、共通
液室の中央付近のインクに比べて、共通液室の壁に近い
部分のインクが動きにくいために、侵入した他色のイン
クが排出されにくいための、2つの理由によると考えら
れる。
【0030】そこで、各色ノズル列の中央付近のノズル
からの予備吐出より、端部付近のノズルからの予備吐出
を多くすることで、少ないインク消費量で混色の解消が
出来る。さらに、端部付近のノズルからの予備吐出と、
全ノズルからの予備吐出とを組み合わせ、繰り返して行
うことにより、より少ない総インク消費量で混色が効果
的に解消できる。このメカニズムは必ずしも明確でない
が、各色の共通液室内のインクの流れの様子が、全ノズ
ル使用時と端部ノズル使用時とで異なり、この変化が繰
り返されることによって、より効率よく混色が解消され
ているものと思われる。
【0031】さらに、端部ノズルのみの予備吐出の効果
を高めるために、端部ノズルのみの予備吐出のときに、
より吐出量の多くなるような駆動条件を用いたりしても
良い。
【0032】また、カラーはすべて同一の予備吐条件と
するのではなく、色によって予備吐出条件を変えても良
い。例えば、混色のより目立ち易いイエローの予備吐出
量を他の色より多くしても良い。
【0033】本実施例の記録装置を用い、吸引回復動作
後記録紙に印字を行う試験を100回繰り返したが、書
き始め部分での変色(混色)は一度も発生しなかった。
【0034】(比較例)実施例1と同様の記録装置を用
い、吸引、ワイピングをおこなった後は、カラー(イエ
ロー、マゼンタ、シアン)の全ノズルから6.25kH
zで3500発の予備吐出を行い、ついで各カラーノズ
ル列の端部6ノズルから6.25kHzで3000発の
予備吐出を行うよう、吸引回復シーケンスを変更した。
ブラックについては、実施例1と同じである。
【0035】この場合、予備吐出発数(即ちインク消費
量)は実施例1と全く同じであり、ただ、全ノズルから
の予備吐出と端部6ノズルからの予備吐出が繰り返しに
なっていないことだけが異なっている。
【0036】本比較例の記録装置を用い、吸引回復動作
後記録紙に印字を行う試験を100回繰り返したとこ
ろ、書き始め部分での変色(混色)は100回中2回発
生した。この混色はタンクのインク残量が少なくなった
場合に発生し易い傾向があった。
【0037】(実施例2)本実施例2のインクジェット
記録装置においては、吸引回復シーケンスとして、実施
例1と同様に予備吐出を行うが、そのさいに、全ノズル
を使用した予備吐出は2kHzで行った。
【0038】本記録装置を用い、吸引回復動作後記録紙
に印字を行う試験を100回繰り返したが、書き始め部
分での変色(混色)は一度も発生しなかった。
【0039】(実施例3)本実施例3のインクジェット
記録装置においては、吸引回復シーケンスとして、図6
に示すように、吸引後、ワイピングをおこない(ステッ
プS61〜S63)、実施例1と同様にカラーの予備吐
出を行った後(ステップS64〜S68)、ブラックの
予備吐出を行う(ステップS69〜S71)。
【0040】ブラックの予備吐出は、全ノズルから6.
25kHzで200発の予備吐出を行い(S69)、つ
いで端部6ノズルから6.25kHzで300発の予備
吐出を行い(S70)、つぎに全ノズルから6.25k
Hzで200発の予備吐出を行う(S71)。
【0041】本記録装置を用い、吸引回復動作後記録紙
に印字を行う試験を100回繰り返したが、書き始め部
分での変色(混色)は一度も発生しなかった。
【0042】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるか
らである。
【0043】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応している膜沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、前記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0044】記録ヘッドの構成としては、前記の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0045】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多色一体型のインクジェット記録ヘッドを吸引回復する
際に、回復後の各色の書き始めの部分の変色を少ないイ
ンク消費量で確実に防止することのできるインクジェッ
ト記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図2】 実施例の正面図である。
【図3】 実施例の側面断面図である。
【図4】 実施例に搭載されるヘッドカートリッジを説
明するための模式断面図である。
【図5】 実施例1の回復シーケンス例を示すフローチ
ャートである。
【図6】 実施例3の回復シーケンス例を示すフローチ
ャートである。
【図7】 実施例動作の説明図である。
【符号の説明】
1 記録装置 2 給紙部 3 送紙部 4 排紙部 5 キャリッジ部 6 クリーニング部 7 ヘッドカートリッジ 8 シャーシ 9 電気基板 15 キャリッジ部 20 ベース 21 圧板 22 給紙回転体 23 可動サイドガイド 24 圧板バネ 25 分離パット 26 分離爪 27 土手部 28 切り替えレバー 29 リリースカム 30 ピッチローラー 31 ピッチローラーバネ 32 PEセンサー 33 上ガイド 34 プラテン 35 PEセンサーレバー 36 搬送ローラー 37 ピンチローラー 40 伝達ローラー 41 排紙ローラー 42 拍車 50 キャリッジ 51 ヘッドホルダー 52 ベースカバー 53 フッックレバー 54 コンタクトバネ 55 フックカバー 56 フレキシブル基板 57 ラバーパッド 58 紙間調整部 60 ポンプ 61 キャップ 62 駆動切り替えローラー 70 ノズル面 72 ベースプレート 73 インクタンク 74 ガイド 75 凹部 79 切欠部 80 キャリッジモーター 81 ガイド軸 82 ガイドレール 83 タイミングベルト 84 アイドルプーリー 85 フレキ固定板 111 インク吐出口 112 ノズル 113 共通液室 114 インク供給路 115 フィルター 116 インクタンク 117 大気連通口 118 吸収体 119 キャップ 120 吸引孔 121 吐出口面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 篤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−92579(JP,A) 特開 平4−128049(JP,A) 特開 平6−206320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/18 B41J 2/185 B41J 2/21

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する吐出口を有する記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給されるインクを収容したイ
    ンクタンクと、前記記録ヘッドからのインク吐出を安定
    化させる予備吐出を行うための予備吐出手段と、を備え
    たインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは複数種のインクを吐出する吐出部を有
    し、前記予備吐出手段は、前記吐出部の吸引回復後、少
    なくとも相対的に薄いインクを吐出する吐出部が、すべ
    ての吐出口からの複数発の予備吐出、前記薄いインクを
    吐出する吐出部の端部付近の吐出口のみからの複数発の
    予備吐出、すべての吐出口からの複数発の予備吐出の順
    に行う予備吐出動作であってすべての吐出口からの複数
    発の予備吐出で終了する予備吐出動作を行うことを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引回復は、1回の吸引によって前
    記複数種のインクを吐出する吐出部から吸引を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 インクを吐出する吐出口を有する記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給されるインクを収容したイ
    ンクタンクと、前記記録ヘッドからのインク吐出を安定
    化させる予備吐出を行うための予備吐出手段と、を備え
    たインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは少なくともイエロー、マゼンタ、シア
    ンのカラーインクを吐出する吐出部を有し、前記予備吐
    出手段は、前記吐出部の吸引回復後、カラーインクの全
    吐出口からの複数発の予備吐出、各カラーインクの吐出
    部の端部付近の吐出口のみからの複数発の予備吐出、カ
    ラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐出、各カラ
    ーインクの吐出部の端部付近の吐出口のみからの複数発
    予備吐出、カラーインクの全吐出口からの複数発の
    備吐出の順に行う予備吐出動作であってカラーインクの
    全吐出口からの複数発の予備吐出で終了する予備吐出動
    作を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 インクを吐出する吐出口を有する記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給されるインクを収容したイ
    ンクタンクと、前記記録ヘッドからのインク吐出を安定
    化させる予備吐出を行うための予備吐出手段と、を備え
    たインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドはイエロー、マゼンタ、シアンのカラー
    インク及びブラックインクを吐出する吐出部を有し、前
    記予備吐出手段は、前記吐出部の吸引回復後、カラーイ
    ンクの全吐出口からの複数発の予備吐出、各カラーイン
    クの吐出部の端部の6吐出口からの複数発の予備吐出、
    カラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐出、各カ
    ラーインクの吐出部の端部の6吐出口からの複数発の
    備吐出、カラーインクの全吐出口からの複数発の予備吐
    出の順に行う予備吐出動作であってカラーインクの全吐
    出口からの複数発の予備吐出で終了する予備吐出動作を
    行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吸引回復は、1回の吸引によってす
    べての色のインクを吐出する吐出部から吸引を行うこと
    を特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット
    記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する複
    数の吐出口と、対応する吐出口毎に設けられ、インクに
    熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいてイン
    クを前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱
    エネルギーを発生する熱エネルギー発生手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
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