JP3363371B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3363371B2
JP3363371B2 JP04686798A JP4686798A JP3363371B2 JP 3363371 B2 JP3363371 B2 JP 3363371B2 JP 04686798 A JP04686798 A JP 04686798A JP 4686798 A JP4686798 A JP 4686798A JP 3363371 B2 JP3363371 B2 JP 3363371B2
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広明 塚原
定男 金谷
渉 藤本
宏 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炊飯器に関する
ものであり、特に炊飯時に生じるおねばの吹きこぼれを
防止する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の炊飯器の縦断面図、図1
1はその上面図である。図において、1は炊飯器本体、
2は本体1の上部開口部を覆う蓋、4は本体1内に収納
される内鍋、5は内鍋を加熱するための誘導コイル、3
1は蓋2に設けられた蒸気口、32は炊飯中に発生する
蒸気を蒸気口31に導くとともに蒸気とおねばとを分離
し、おねばを内鍋に戻すおねば容器である。
【0003】図12は、蒸気口31及びおねば容器32
が設けられた部分の断面図である。図に示すように、お
ねば容器32は上ケース33と下ケース34とから構成
されており、蓋2に着脱自在に取り付けられている。炊
飯中に発生したおねばを含む蒸気は下ケース34のほぼ
中央に形成された小孔35及び上ケース33の側面に形
成された小孔36からおねば容器32内に入る。上ケー
ス33のほぼ中央に形成された開口部37は小孔35、
36より径が大きいため、蒸気の勢いは弱められ、蒸気
とおねばが分離されて、蒸気は開口部37を介して蒸気
31から排出される。また、おねば容器32内に溜ま
ったおねばは、加熱が弱まり内鍋4の内圧が減少すると
小孔35から内鍋4内に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の炊飯器は以上の
ような構成によっておねばの吹きこぼれを防止していた
が、おねば容器32内におねばが溜まっても小孔35か
ら流入する蒸気によっておねばが吹き上げられ、結局吹
きこぼれてしまうという問題があった。また、吹きこぼ
れを防止するために、沸騰直後に火力を弱める方法も考
えられるが、沸騰直後はご飯全体の温度にばらつきがあ
るため、このような加熱制御をした場合には温度が上が
りきらない部分ができ、炊きむらが生じてしまうという
問題があった。
【0005】更に、図13に示すように、蒸気が流入す
る蒸気流入口40とは別に複数の小孔41を下ケース3
9に設け、この小孔41をゴム等の軟質材の弁42で覆
う方法も考えられる。すなわち、蒸気が発生している間
はその圧力により弁42が小孔41に押し付けられて蒸
気の流入を防ぎ、内鍋内の内圧が減少するとおねばの重
さにより弁42が開いておねばが内鍋4内に戻る。しか
し、この方法では、経年変化で軟質材の弁42の機能が
弱まり、常時開口状態となってしまうという問題があっ
た。
【0006】この発明はこのような問題を解消するため
になされたもので、おねばの吹きこぼれを確実に防止
し、おいしいご飯を炊くことのできる炊飯器を得ること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る炊飯器
は、内鍋を収納する本体と、この本体の開口部を覆う蓋
と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記蓋に設けられ
たおねば容器とを備え、このおねば容器に、上面の端部
近くに形成され、蒸気を外部へ排出する蒸気口と、この
蒸気口が形成されている側とは反対の端部近くの下面に
設けられ、炊飯中に発生するおねばを含んだ蒸気を容器
内に取り入れる蒸気案内筒と、おねばを溜める前記蒸気
案内筒と前記蒸気口の間の溜り凹部と、この溜り凹部に
形成され前記おねば容器内部と前記内鍋を連通する連通
口と、前記内鍋の内圧によって前記連通口を開閉する開
閉弁と、前記おねば容器内の上面および底面に形成され
た障壁とを設け、おねばを含んだ蒸気は前記蒸気案内筒
から前記蒸気口に至る空間内の前記障壁に衝突して蛇行
しながら流れて蒸気とおねばに分離され、蒸気から分離
されたおねばは前記空間の前記障壁が設けられた容器底
面を流れて前記溜り凹部に溜まるものである。
【0008】
【0009】第の発明に係る炊飯器は、第の発明に
おいて、開閉弁の裾部を下方に向かって広がる傘状に形
成したものである。
【0010】
【0011】
【0012】第の発明に係る炊飯器は、第1〜2の何
れかの発明において、前記おねば容器の底面を前記溜り
凹部に向かって降り傾斜になるように形成したものであ
る。
【0013】第の発明に係る炊飯器は、内鍋を収納す
る本体と、この本体の開口部を覆う蓋と、前記内鍋を加
熱する加熱手段と、前記蓋に設けられたおねば容器とを
備え、このおねば容器に、炊飯中に発生するおねばを含
んだ蒸気を容器内に取り入れる蒸気案内筒と、蒸気を排
出する蒸気口と、おねばを溜める溜り凹部と、この溜り
凹部に形成され前記おねば容器内部と前記内鍋を連通す
る連通口と、前記内鍋の内圧によって前記連通口を開閉
する開閉弁と、前記蒸気案内筒の出口部または容器内の
上面または底面に形成された障壁とを設け、容器内の上
面および底面に形成された障壁は、蒸気案内筒からの蒸
気が流れる方向に対してほぼ直角に、それぞれ互い違い
に設けられ、その高さをおねば容器内部の高さの半分以
上になるように形成したものである。
【0014】第の発明に係る炊飯器は、第の発明に
おいて、底面に形成された障壁は、前記溜り凹部に向か
って降り傾斜になるように形成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、この発明の第1の実施の形態について説明する。
図1はこの実施の形態における炊飯器の縦断面図、図2
はその上面図である。図において、1は炊飯器本体、2
は本体1の上部開口部を覆う蓋、3は後述するおねば容
器を取り付けるために蓋2に形成された凹部、4は本体
1内に収納される内鍋、5は内鍋を加熱するための誘導
コイル、11は蓋2に着脱自在に取り付けられたおねば
容器、12はおねば容器11の上面の端部近くに形成さ
れた蒸気口である。内鍋4内で発生した蒸気は、おねば
容器11内の空間を介して蒸気口12から外部へ排出さ
れる。
【0016】図3は、おねば容器11の断面図である。
おねば容器11は分離可能な上ケース13と下ケース1
4とから構成されている。上ケース13と下ケース14
の断面図をそれぞれ図4、図5に、また、それぞれの平
面図を図6と図7に示す。図3において、15はおねば
容器11内部と内鍋4とを連通し内鍋4内で発生したお
ねばを含む蒸気をおねば容器11内に導く案内筒であ
り、おねば容器11内の空間に突出して形成されてい
る。この案内筒15は蒸気口12から離れた位置、すな
わち蒸気口12が形成されている側とは反対の端部近く
の下面に設けられている。16は案内筒15の下端に開
口した蒸気入口部である。17は蒸気と分離されたおね
ばが溜まる溜り凹部であり、案内筒15と蒸気口12の
間に設けられている。下ケース14の底面は、おねばが
溜り凹部17に流れ易いように溜り凹部17に向かって
傾斜している。
【0017】18はおねば容器11内部と内鍋4とを連
通する連通口であり、上下動可能に設けられた開閉弁1
9によって開閉される。連通口18は、図7に示すよう
に、溜り凹部17に設けられた開口部18aの周囲に4
箇所切欠き18bを設けて形成されている。開閉弁19
は、開口部18aに嵌入して取り付けられており、頭部
19a、柱部19b、裾部19cとで構成されている。
柱部19bは開口部18aの径より小さく溜り凹部17
の厚みより長く形成されている。頭部19aは、この柱
部19bより径が大きく、内鍋4の内圧が低いときは開
口部18aの周縁に係合して、抜けを防止している。こ
のとき、切欠き18bは開口状態となっている。また、
裾部19cは、連通口18より径が大きく、加熱中すな
わち内鍋4の内圧が高いときは、上方に押し上げられて
その上面を当接することによって連通口18を塞ぐ。な
お、開閉弁19は、耐熱性を有し経年変化しにくい例え
ばシリコンゴム等からなり、頭部19a側から連通口1
8に嵌入される。
【0018】20は案内筒15の出口を囲むように上ケ
ース13に形成された円筒状の障壁である。21は上ケ
ース13に形成された障壁、22は下ケース14に形成
された障壁であり、蒸気が流れる方向に対してほぼ直角
に、それぞれ重ならないよう互い違いに設けられ、その
高さはおねば容器11内部の高さの半分以上になるよう
に形成されている。また、障壁22は図7に示すよう
に、おねば容器11内に生じたおねばが溜り凹部17に
向かって流れ易いように傾斜して設けられている。23
は上ケースの内壁に数箇所設けられた凸部、24は下ケ
ースの外壁の数箇所に設けられた凹部であり、この凸部
23と凹部24とが係合することによって上ケース13
と下ケース14とが組み合わされる。25は上ケース1
3に設けられた取手であり、この取手25を持つことに
より容易に上ケース13と下ケース14とを分離するこ
とができる。
【0019】次に、この実施の形態におけるおねば容器
11を設けた炊飯器の動作について説明する。内鍋4内
に米と水を入れ炊飯を開始すると、誘導コイル5により
内鍋4が加熱され、内鍋4内からおねばを含んだ蒸気が
発生する。このとき、内鍋4の内圧は上昇しているた
め、図8の(a)に示すように開閉弁19は上方に押し
上げられ、連通口18は閉じられている。おねばを含ん
だ蒸気は蓋2に取り付けられたおねば容器11の蒸気入
口部16から流入し、案内筒15を通っておねば容器1
1内部に導かれる。
【0020】案内筒15から出て上ケース13の内壁に
当たったおねばを含む蒸気はおねば容器11内部を蒸気
口12に向かって拡散していく。おねばを含む蒸気は案
内筒15から蒸気口12に至る空間内で蒸気とおねばに
分離されるため、案内筒15と蒸気口12の距離が長い
ほど分離し易い。また、この実施の形態によれば、おね
ばを含む蒸気は障壁20、21、22に衝突して蛇行し
ながら流れるため、より確実に分離される。分離された
蒸気は蒸気口12から炊飯器外へ排出され、おねばは下
ケース14の底面を流れて溜り凹部17に溜まる。この
ように、おねば容器11によりおねばが確実に分離され
て溜り凹部17に溜まるため、吹きこぼれることはな
い。また、強火にしても吹きこぼれることがないので、
沸騰直後にも強火を継続することができ、焚きむらのな
いおいしいご飯を炊くことができる。
【0021】加熱が停止し内鍋4の内圧が下がると、図
8の(b)に示すように、開閉弁19はその自重及びお
ねばの重さにより下がり、連通口18が開いて、溜り凹
部17に溜まったおねばが内鍋4内に戻る。おねばが内
鍋4のご飯に戻ることにより、おねばに含まれるおいし
さの成分が与えられ、つやや粘りのあるおいしいご飯を
炊くことができる。
【0022】おねば容器11の内部が汚れた場合には、
蓋2から取り外し、上ケース13と下ケース14を分離
することにより、簡単に内部を洗うことができる。ま
た、おねば容器11を抗菌プラスチックで形成すれば、
雑菌の繁殖が抑えられ、清潔さを保つことができる。
【0023】実施の形態2. 図9は、この発明の第2の実施の形態における炊飯器の
おねば容器の断面図である。この実施の形態において
は、開閉弁19の裾部19cを下方に向かって広がる傘
状に形成している。このように形成すれば、溜り凹部1
7に溜まったおねばが連通口18から確実に内鍋4に戻
り、しかも、広範囲に流れ落ちるため、つやや粘りのあ
るおいしいご飯を炊くことができる。なお、その他の構
成及び動作については蒸気実施の形態1と同様であるた
め、説明を省略する。
【0024】
【発明の効果】第1の発明によれば、溜り凹部に溜まっ
たおねばは、加熱終了後に内鍋に戻るため、おねばの吹
きこぼれを確実に防止できるとともに、つやや粘りのあ
るおいしいご飯を炊くことができる。
【0025】
【0026】第の発明によれば、おねばの吹きこぼれ
を確実に防止できるとともに、更につやや粘りのあるお
いしいご飯を炊くことができる。
【0027】
【0028】
【0029】第の発明によれば、おねばが容器の底面
を流れて溜り凹部に溜めることができる。
【0030】第の発明によれば、おねばを含む蒸気は
各障壁に衝突して蛇行しながら流れるため、蒸気とおね
ばにより確実に分離することができる。
【0031】第の発明によれば、おねばが溜り凹部に
向かって流れ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における炊飯器の縦断面図であ
る。
【図2】 実施の形態1における炊飯器の上面図であ
る。
【図3】 実施の形態1における炊飯器のおねば容器の
断面図である。
【図4】 実施の形態1におけるおねば容器の上ケース
の断面図である。
【図5】 実施の形態1におけるおねば容器の下ケース
の断面図である。
【図6】 実施の形態1におけるおねば容器の上ケース
平面図である。
【図7】 実施の形態1におけるおねば容器の下ケース
の平面図である。
【図8】 実施の形態1における開閉弁の動作を示す図
である。
【図9】 実施の形態2における炊飯器のおねば容器の
断面図である。
【図10】 従来の炊飯器の縦断面図である。
【図11】 従来の炊飯器の上面図である。
【図12】 従来の炊飯器のおねば容器の断面図であ
る。
【図13】 従来の他の炊飯器のおねば容器の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 炊飯器本体、2 蓋、4 内鍋、5 誘導コイル、
11 おねば容器、12 蒸気口、13 上ケース、1
4 下ケース、15 案内筒、16 蒸気入口部、17
溜り凹部、18 連通口、19 開閉弁、19a 頭
部、19b 柱部、19c 裾部、20 障壁、21
障壁、22 障壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金谷 定男 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機株式会社内 (72)発明者 藤本 渉 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 中村 宏 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−236567(JP,A) 特開 平9−140568(JP,A) 特開 平5−253052(JP,A) 実公 昭7−14521(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 103

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内鍋を収納する本体と、この本体の開口
    部を覆う蓋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記蓋
    に設けられたおねば容器とを備え、このおねば容器に、
    上面の端部近くに形成され、蒸気を外部へ排出する蒸気
    口と、この蒸気口が形成されている側とは反対の端部近
    くの下面に設けられ、炊飯中に発生するおねばを含んだ
    蒸気を容器内に取り入れる蒸気案内筒と、おねばを溜め
    前記蒸気案内筒と前記蒸気口の間の溜り凹部と、この
    溜り凹部に形成され前記おねば容器内部と前記内鍋を連
    通する連通口と、前記内鍋の内圧によって前記連通口を
    開閉する開閉弁と、前記おねば容器内の上面および底面
    に形成された障壁とを設け、おねばを含んだ蒸気は前記
    蒸気案内筒から前記蒸気口に至る空間内の前記障壁に衝
    突して蛇行しながら流れて蒸気とおねばに分離され、蒸
    気から分離されたおねばは前記空間の前記障壁が設けら
    れた容器底面を流れて前記溜り凹部に溜まることを特徴
    とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 前記開閉弁の裾部を下方に向かって広が
    る傘状に形成したことを特徴とする請求項1記載の炊飯
    器。
  3. 【請求項3】 前記おねば容器の底面を前記溜り凹部に
    向かって降り傾斜になるように形成したことを特徴とす
    る請求項1〜2の何れかに記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】 内鍋を収納する本体と、この本体の開口
    部を覆う蓋と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記蓋
    に設けられたおねば容器とを備え、このおねば容器に、
    炊飯中に発生するおねばを含んだ蒸気を容器内に取り入
    れる蒸気案内筒と、蒸気を排出する蒸気口と、おねばを
    溜める溜り凹部と、この溜り凹部に形成され前記おねば
    容器内部と前記内鍋を連通する連通口と、前記内鍋の内
    圧によって前記連通口を開閉する開閉弁と、前記蒸気案
    内筒の出口部または容器内の上面または底面に形成され
    た障壁とを設け、容器内の上面および底面に形成された
    障壁は、蒸気案内筒からの蒸気が流れる方向に対してほ
    ぼ直角に、それぞれ互い違いに設けられ、その高さをお
    ねば容器内部の高さの半分以上になるように形成したこ
    とを特徴とする炊飯器。
  5. 【請求項5】 底面に形成された障壁は、前記溜り凹部
    に向かって降り傾斜になるように形成したことを特徴と
    する請求項4記載の炊飯器。
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