JP3361335B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP3361335B2 JP13093492A JP13093492A JP3361335B2 JP 3361335 B2 JP3361335 B2 JP 3361335B2 JP 13093492 A JP13093492 A JP 13093492A JP 13093492 A JP13093492 A JP 13093492A JP 3361335 B2 JP3361335 B2 JP 3361335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ピックアップ装置等
に用いる半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ピックアップ装置では、記録
媒体に光ビームを照射し、記録された情報の読み取りを
行う。この光ピックアップ装置は、光ビームの発生源と
して例えば半導体レーザ装置を用い、ここから発生した
光ビームを記録媒体に形成された記録トラック上にビー
ムスポットとして照射させ、記録媒体からの反射光を光
検出手段に導き各種の信号を得るようにしている。この
半導体レーザ装置は、以下に示すように種々提案されて
いる。
【0003】特開平2−125687号公報の中には、
図9に示すような半導体レーザが開示されている(従来
例1)。これによると、環状のステム50にレーザチッ
プ支持片51が一体に形成され、ここにレーザダイオー
ド素子52がボンディングされている。さらにステム5
0には円板状の金属製ベース53が嵌合されており、こ
のベース53には3本のリード54が設けられている。
また、レーザダイオード素子52、フォトダイオードの
電極と、リード54とはコネクトワイヤ55で接続され
ている。さらに、ステム50の上面には前記レーザダイ
オード素子52等を覆う金属製キャップ56が設けられ
ている。なお、金属製キャップ56の上面には光透過孔
57が形成されており、ガラス等の透明板58で閉塞さ
れている。
【0004】上記従来例1は、製造する場合にベース5
3にリード54のうちの2本を絶縁ガラス59を介して
貫通状に固定しなければならない。さらに、ベース53
をレーザダイオード素子52が或いは、レーザダイオー
ド素子52およびサブマウント60がボンディイングさ
れたステム50に固着しなければならない。さらに、キ
ャップ56を金属で成形加工後、透明板58で光透過孔
57を閉塞しなければならず、キャップ56もステム5
0に電気溶接しなければならない。したがって、半導体
レーザ装置の製造工程が多くなるとともに、コストダウ
ンを図ることが極めて困難になるという不具合がある。
【0005】この不具合を解決するための手段として、
上記従来例1には図10に示すような内容が開示されて
いる(従来例2)。これによると、金属製の基板61の
一端部が幅広に形成されており、この幅広部分62上に
シリコン製のサブマウント63がボンディングされてい
る。さらに、サブマウント63上にはモニタ用フォトダ
イオード64が形成され、レーザダイオード素子65が
ボンディングされている。なお、レーザダイオード素子
65の光出射端面66は前記幅広部分62の先端面6
7、前記サブマウント63の先端面68と略面一となる
ようにされている。
【0006】また、基板61の狭小部分の両側にはリー
ド69、70が平行に配設されており、リード69とレ
ーザダイオード素子65の電極とはコネクトワイヤ71
で接続されている。さらに、リード70とフォトダイオ
ード64の電極とはコネクトワイヤ72で接続されてい
る。さらに、レーザダイオード素子65、サブマウント
63等は光透過性樹脂73で封止されている。
【0007】しかし図10に示してある従来例2は半導
体レーザ装置の出射光軸方向の寸法Hが大きくなってし
まうという問題、さらに半導体レーザ装置からの出射光
軸が、レーザダイオード素子65の取り付け面と直交す
るようになっているので、半導体レーザ装置からの出射
光の戻り光を受光する受光素子と一体化しにくく、製造
効率が悪いという不具合がある。
【0008】この不具合を解決するための手段として、
上記従来例には図11に示すような内容が開示されてい
る(従来例3)。これによると、金属板の表面に絶縁膜
を介して配線した金属基板74の上にビームスプリッタ
75および戻り光検出用の分割フォトダイオード76を
設け、レーザダイオード素子77からの光ビームをビー
ムスプリッタ75により上方に反射させるようにしてい
る。このように構成することにより、低価格でコンパク
トな光ピックアップとすることができる。
【0009】また、図10に示すような従来例の不具合
を解決するための手段として、図12に示すような内容
が特開昭64−46243号公報に開示されている(従
来例4)。これによると、半導体基板78の上面に光検
出部79、80を形成し、これら光検出部より低く形成
された段差部分に半導体レーザ素子81およびモニタ用
光検出部82が設けられている。さらに、半導体レーザ
素子81の出射方向である半導体基板78には傾斜面8
3が形成されている。また、前記傾斜面83には全反射
グレーティング部84が設けられており、半導体基板7
8の上方に配設されているカバー部材85の上面にはホ
ログラムにより形成されるビームスプリッタ86が設け
られている。
【0010】また、図13に示すような内容が実開昭6
2−3628号公報に開示されている(従来例5)。こ
れによると、レーザ光源87からの光線を反射させる反
射板88がビームスプリッタ89、コリメートレンズ9
0等が収納され光路を形成する筐体91と一体に形成さ
れている。なお、レーザ光源の具体的内容については開
示されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記図1
1〜図13に示した従来例(3〜5)においても、以下
のような不具合がある。先ず図11に示すものは、レー
ザダイオード素子77からの出射光ビームを上方に反射
させる手段としてビームスプリッタ75を用いている。
ところが、このビームスプリッタ75は磨いたガラスの
接合面に所要の素材をコーティングした物を用いるの
で、半導体レーザ装置のコストアップを招いてしまうと
いう不具合がある。また図11に示すものは、レーザダ
イオード素子77、分割フォトダイオード76を設けた
金属基板74に、ビームスプリッタ75を付加するよう
に設ける構成であるので、レーザダイオード素子77、
分割フォトダイオード76とビームスプリッタ75との
位置精度を確保しにくく、半導体レーザ装置を適正に製
造することが困難であるという不具合がある。
【0012】次に図12に示すものは、半導体レーザ素
子81の出射方向である半導体基板78に傾斜面83を
シリコン等の半導体基板をエッチング加工等により形成
しているので、傾斜面83の半導体レーザ素子81や分
割フォトダイオードに対する位置精度を確保することに
問題はない。しかしながら、半導体基板に傾斜面を形成
する場合、0.1mm〜0.3mm程度の加工を要する
ので、加工が容易でないという不具合がある。さらに傾
斜面は、半導体基板の材質の結晶面に限定されるので、
形成角度に自由度がないとともに、平面状の傾斜面しか
形成できないという不具合がある。
【0013】次に図13に示すものは、光ピックアップ
の筐体91の一部に反射板88を形成している構成のみ
が開示されており、レーザ光源87自体の薄型化等につ
いては何ら配慮されていない。さらに、レーザ光源87
と反射板88との距離が離れているので、反射面を大き
くとらなければならないとともに、反射面を形成する際
の精度が出しにくいという不具合がある。
【0014】本発明は、上記の不具合を解決すべく提案
されるもので、製造コストを低くできると共に、半導体
レーザチップの放熱性を向上でき、さらに半導体レーザ
チップから出射される光ビームを所要方向に反射させる
反射面の形状の自由度を高くでき、装置の薄型化が図れ
ると共に、光ピックアップ装置等に適用する場合に容易
に精度良く位置決めして取り付けることができ、光ピッ
クアップ装置等を簡単に組み立てることができる半導体
レーザ装置を提供することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に係る半導体レーザ装置の発明は、半導体レーザチ
ップと、該半導体レーザチップを固定する金属製の基台
と、該基台を固定するリードフレームと、該リードフレ
ームの一部を露出させて、該リードフレーム、前記基台
および半導体レーザチップを覆う透明なパッケージとを
有し、前記基台には、前記半導体レーザチップの位置決
め部を形成すると共に、該半導体レーザチップからの光
ビームを所要方向に反射させる反射面を形成し、前記リ
ードフレームには、前記半導体レーザチップから前記反
射面を経て出射される光ビームの光軸に関連した取り付
け基準部を形成し、前記パッケージには、前記半導体レ
ーザチップから前記反射面を経て出射される光ビームの
光路上に回折格子を形成したことを特徴とするものであ
る。請求項2に係る発明は、請求項1記載の半導体レー
ザ装置において、前記半導体レーザチップは、二つの発
光点を有することを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1の発明によると、半導体レーザチップ
を金属製の基台を介してリードフレームに固定するの
で、半導体レーザチップの放熱性を向上できる。また、
金属製の基台を加工して半導体レーザチップの位置決め
部および反射面を形成するので、成形加工が容易で反射
面の形状の自由度を高くできると共に、半導体レーザチ
ップを基台に簡単かつ高精度で固定でき、製造コストを
安くできる。また、パッケージに回折格子を一体に形成
して、半導体レーザチップから反射面を経て出射される
光ビームを回折させるようにしているので、半導体レー
ザ装置の出射方向の寸法を薄くできる。また、基台を介
して半導体レーザチップを取り付けたリードフレーム
に、半導体レーザチップから反射面を経て出射される光
ビームの光軸に関連した取り付け基準部を形成したの
で、光ピックアップ装置等に適用する場合にこの基準部
を介して取り付けることにより、容易に精度良く位置決
めして取り付けることができ、光ピックアップ装置等を
簡単に組み立てることができる。また、請求項2の発明
によると、半導体レーザチップが二つの発光点を有する
ので、上記の作用効果に加え、例えば光ピックアップ装
置に適用した場合には、例えば記録媒体の2本の記録ト
ラックに対して同時に記録、再生が可能となる。
【0017】
【実施例】以下、図面にしたがい本発明の実施例を説明
していく。図1および図2は、本発明とともに開発した
半導体レーザ装置の第1開発例を示す斜視図および要部
断面図である。ブロック1は、板状の金をプレス成形し
後述するレーザダイオード2等を設けるものである。こ
のブロック1のレーザダイオード2からの光ビーム出射
方向には、角度が45°のビーム反射面3を形成すると
ともに、ブロック1上面にはレーザダイオード2、後述
するフォトダイオード4のそれぞれの取り付け部5、6
を形成する。
【0018】また、レーザダイオード2の取り付け部5
には、レーザダイオード2の成長層側の電極7をInロ
ー材等を介してマウントしている。この場合、レーザダ
イオード2はX方向を取り付け部5の面8に、Y方向を
取り付け部5の面9に当て付けることにより前記ビーム
反射面3に対する位置精度を確保する。さらに、取り付
け部6にはコーナーに位置決めしながらフォトダイオー
ド4の裏面10の電極をInロー材等を介してマウント
している。
【0019】また、ブロック1は第1のリードフレーム
11上にマウントされているが、第1のリードフレーム
11は凹溝を介して連続する部分を有し、その近傍には
第2のリードフレーム12、第3のリードフレーム13
が配設されており、レーザダイオード2の電極と第2の
リードフレーム12、およびフォトダイオード4の電極
と第3のリードフレーム13はそれぞれコネクトワイヤ
14、15によりボンディングされている。
【0020】上記のブロック1、リードフレーム11、
12、13等は、それぞれのリードフレームの一部が突
出状態にエポキシ樹脂等の透明なプラスチックから成る
パッケージ16でカバーされている。第1のリードフレ
ーム11のY方向端部近傍には、基準孔17、18が形
成されており、基準孔のX方向の位置は、パッケージ1
6から出射する光軸と一致するようにされている。ま
た、基準孔18に対してパッケージ16から出射する光
軸とY方向の寸法精度を確保している。
【0021】次に、以上のように構成されている第1開
発例の動作を説明する。レーザダイオード2からX
(−)方向に出射した光ビームは、ブロック1の反射面
3で光路をZ(+)方向に曲げられ、ブロック1のX方
向平面に対して垂直に出射される。一方、レーザダイオ
ード2からX(+)方向に出射された光ビームは、フォ
トダイオード4の受光面19に入射し、フォトダイオー
ド4はレーザダイオード2の後方出射モニタとして作用
する。レーザダイオード2から出射された光ビームは、
パッケージ16から出射し、所要の光学素子を通過して
記録媒体の記録面にビームスポットとして照射されるの
である。
【0022】このように動作する第1開発例は、レーザ
ダイオード2からの光ビームを反射面3で一度反射させ
た後に半導体レーザ装置から出射させているので、半導
体レーザ装置の出射方向の寸法を小さくできる。さらに
レーザダイオード2を設けてあるブロック1を金で形成
しているので、レーザダイオード2の放熱特性が良い。
さらにレーザダイオード2、フォトダイオード4の取り
付け部が形成されているので、位置合わせが容易でそれ
らの取り付け精度が良い。さらに半導体レーザ装置には
取り付け時に、出射光軸に対して位置関係を出すための
基準孔が形成されているので、半導体レーザ装置の取り
付け精度が良い。
【0023】図3は、本発明の第1実施例に係る半導体
レーザ装置の要部断面図である。第1開発例と対応する
箇所には同一符号を付した(以下の実施例および開発例
についても同様)。本実施例ではレーザダイオード2か
らの光ビームが入射し、反射される反射面3が略凹面形
状(略円筒面)に形成されている。また、パッケージ上
面16aの光ビーム通過部分には、回折格子16bが樹
脂で一体成形されている。なお、パッケージ16の光ビ
ーム通過部分には、回折格子16bに限らずホログラム
素子やレンズ等を設けることもできる。他の構成につい
ては、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0024】次に本実施例の動作を説明すると、レーザ
ダイオード2からX(−)方向に出射した光ビームは、
反射面3によりZ(+)方向に反射される。この反射光
は反射面3が凹面であるため、第1実施例に比較してX
方向に多少収束ぎみにビーム成形される。さらに反射光
は、回折格子16bに入射し、0次光と±1次回折光に
回折され半導体レーザ装置から出射していく。半導体レ
ーザ装置からの出射光は、図示していない対物レンズを
透過し記録媒体である光ディスク上に3つの光スポット
を照射する。したがって、トラッキングエラー検出はい
わゆる3ビーム法により行われる。
【0025】本実施例では、反射面3がビーム成形機能
を有しているので、他のプリズム等の光学素子を不要と
し、半導体レーザ装置を用いた光ピックアップ等の構成
をより簡素化できる。さらに、反射面3はレーザダイオ
ード2をマウントする部材に形成しているので、レーザ
ダイオード2に対する位置精度を確保しやすい等の他の
効果については第1開発例と同様である。
【0026】図4は、本発明とともに開発した半導体レ
ーザ装置の第2開発例を示す要部断面図である。本開発
例は、第1開発例の変形例ともいうべきものであり、反
射面3に回折格子20をプレスにより同時に一体成形し
ている。なお、回折格子20に限らずホログラム素子や
レンズ等を設けることもできる。他の構成については、
第1開発例と同様であるので説明を省略する。このよう
に構成されているので、レーザダイオード2から出射さ
れた光ビームは、反射面3でZ(+)方向に反射させる
とともに、光ビームを0次光と±1次回折光に回折させ
ることができる。
【0027】図5は、本発明とともに開発した半導体レ
ーザ装置の第3開発例を示す要部断面図である。本開発
例では、第1のリードフレーム11を形成する場合、ほ
ぼ中央位置をプレス成形により凹部21およびこの凹部
21に連続する反射面3、22を形成する。反射面3は
45°の傾斜角を有し、反射面22は30°の傾斜角を
有するように形成してあるとともに、これら反射面3、
22の表面に反射率を高くするための金メッキを施して
ある。また、凹部21にはレーザダイオード2をマウン
トし、反射面22の上部には下面を受光面19とするよ
うにしたフォトダイオード4をマウントする。このよう
に本開発例ではブロックを設けていないが、他の構成に
ついては、第1開発例とほぼ同様であるので説明を省略
する。
【0028】次に本開発例の動作の説明をすると、レー
ザダイオード2からX(−)方向に出射された光ビーム
は、45°の傾斜角を有する反射面3で反射されてZ
(+)方向に出射される。一方、レーザダイオード2の
X(+)方向に出射された光ビームは30°の傾斜角を
有する反射面22で反射されてフォトダイオード4の受
光面19に入射し、フォトダイオード4はレーザダイオ
ード2の後方出射モニタとして作用する。レーザダイオ
ード2から出射された光ビームは、パッケージ16から
出射し、所要の光学素子を通過して記録媒体の記録面に
ビームスポットとして照射されるのである。
【0029】本開発例はこのように構成されており、リ
ードフレーム11を直接プレス成形して反射面3、22
を形成しているので、ブロックを要することなく少ない
部品点数で構成することができ、またリードフレーム1
1に対する光軸の精度も確保しやすい。他の効果につい
ては、第1開発例と同様である。なお、本開発例ではリ
ードフレームに金メッキを施し反射面としたが金メッキ
は無くともよい。又リードフレームを例えば金をクラッ
ドにしたリードフレームをプレス成形したものでもよ
い。
【0030】図6は本発明の第2実施例を示す半導体レ
ーザ装置の要部断面図であり、図7はかかる半導体レー
ザ装置を用いる光ピックアップ装置の一例を示す図であ
る。本実施例の半導体レーザ装置では板状の金をプレス
成形してブロック1を形成するにあたり、レーザダイオ
ード2を固定する凹部5と、その前後に反射面3、23
を形成している。これら反射面3、23の傾斜角度θは
45°よりも小さい角度に設定している。他の構成につ
いては、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0031】次に図7に示す光ピックアップ装置を参照
して本実施例の半導体レーザ装置の動作を説明すると、
レーザダイオード2のX(−)方向に出射された光ビー
ムは反射面3に入射し、X(+)方向に出射した光ビー
ムは反射面23に入射する。なお、A、Bはレーザダイ
オード2のX(−)、X(+)方向の発光点を示したも
のである。反射面3、23で反射された光ビームは、半
導体レーザ装置から対物レンズ24を透過し、記録媒体
25に照射されるようになっている。
【0032】本実施例の半導体レーザ装置を用いる光ピ
ックアップ装置の場合、半導体レーザ装置から出射され
る光ビームは、2つの反射面3、23で反射されること
により、それぞれが対物レンズ24に入射し集光される
ので、記録媒体25上には2つのビームスポットが結像
される。この2つのビームスポットは、例えば記録媒体
25の離れ合う2本の記録トラック上に1つづつ位置さ
せ、2本の記録トラックを同時に記録、再生を行う。
【0033】ここで、反射面を図7に示すように仮に3
a、23a(破線)のごとく45°に形成した場合、発
光点Aの反射面3aによる像はA1aの位置であり、反
射面3aで反射され、対物レンズ24を透過して記録媒
体25に結像されるビームスポットの位置はA2aであ
る。次に、発光点Bの反射面23aによる像はB1aの
位置であり、反射面3aで反射され、対物レンズ24を
透過して記録媒体25に結像されるビームスポットの位
置はB2aである。
【0034】一方、反射面3、23の傾斜角度θは45
°より角度φだけ小さく形成されているので、発光点A
の反射面3による像はA1の位置にあり、この位置は前
記A1aに比較して発光点Aから反射面3までの距離l
とするとlsin(2φ)だけ光軸26に近い。発光点Bの
反射面23による像B1についても同様である。したが
って、反射面3で反射され、対物レンズ24を透過して
記録媒体25に結像されるビームスポットの位置はA2
となり、光軸26に近くなる。反射面23で反射され記
録媒体25に結像されるビームスポットはB2となり、
同様に光軸26に近くなる。以上のごとく、反射面の傾
斜角θが前記45°の場合に比較して2つのビームスポ
ットA2、B2の間隔を小さくすることができる。
【0035】上記のごとく、光スポットA2、B2の間
隔を小さくできるので、対物レンズの軸外性能の範囲を
小さくでき、対物レンズ24の小型化を図れる。さら
に、ビームスポットが円状の記録トラックに対して接線
方向にずれた場合の、ビームスポットの記録トラックに
対する半径方向のずれを小さくできるので、正確な記
録、再生が可能となる。なお、本実施例の場合は1つの
光源であるレーザダイオード2の前後の出射光を用い
て、2つのビームスポットを形成し、それらの間隔を小
さくできるので構成の複雑化を招くことがない。
【0036】本実施例においては、反射面3、23の傾
斜角度を自由に設定することによって、光ピックアップ
装置に用いた場合に記録媒体25上のビームスポットの
位置を任意に変更することができる。また、反射面の角
度θを45°より大にすることで光スポット間隔を広げ
ることもできる。また、反射面3、23をX軸回りに傾
けることによりビームスポットをY方向に移動させるこ
ともできる。
【0037】図8は、本発明の第3実施の形態に係る半
導体レーザ装置を用いる光ピックアップ装置の他の例を
示す図である。本実施の形態の半導体レーザ装置は、板
状の金を成形した基台1上にレーザダイオード2がマウ
ントされ、光ビームはX方向(紙面に垂直方向)に出射
されるようになっている。図8においては、光ビームが
基台1に形成された図示されていない反射面によりZ
(+)方向に反射されている状態を示している。なおこ
の図示されていない反射面は、図4に示された反射面3
と同様に回折格子が形成されており、反射光をX方向に
3つの光ビームに分けるようになっている。
【0038】また、基台1には、光ビームを反射させて
非点収差を与えると共に、焦点位置を長くする突起状の
反射面27が形成され、さらに、基台1上に4角を位置
決めされたフォトダイオード28がマウントされてい
る。また、レーザダイオード2、フォトダイオード28
等をカバーするように配設されているパッケージ16の
上面16aには、ホログラム16bが形成されている。
以下、かかる光ピックアップ装置の動作を説明する。
【0039】前記図示されていない反射面でZ(+)方
向に反射された反射光は、パッケージ16を透過し、対
物レンズ24に入射し集光された光ビームは記録媒体2
5上にビームスポットを結ぶ。記録媒体で反射された光
ビームは、再び対物レンズ24を経てパッケージ16の
上面に形成されているホログラム16bに入射する。こ
のホログラム16bにより回折された1次回折光は、基
台1上に形成されている反射面27に入射する。反射面
27でパッケ−ジ上面16a方向に反射された光ビーム
は、パッケージ上面16aで反射されフォトダイオード
28に入射する。このフォトダイオード28の出力によ
りトラッキングエラー信号は3ビーム法により、フォー
カスエラー信号は非点収差法により得られる。
【0040】なお、本実施例の半導体レーザ装置の場
合、突起状の反射面27に代えて反射型のホログラム等
を形成するようにしてもよい。さらに、ブロック1の材
質は板状の金に代えてアルミニューム、銀等の他の材質
を用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、半導体レ
ーザチップを金属製の基台を介してリードフレームに固
定するようにしたので、半導体レーザチップの放熱性を
向上することができる。また、金属製の基台を加工して
半導体レーザチップの位置決め部および反射面を形成す
るようにしたので、成形加工が容易で反射面の形状の自
由度を高くできると共に、半導体レーザチップを基台に
簡単かつ高精度で固定でき、製造コストを安くでき。ま
た、パッケージに回折格子を一体に形成して、半導体レ
ーザチップから反射面を経て出射される光ビームを回折
させるようにしたので、半導体レーザ装置の出射方向の
寸法を薄くできる。また、基台を介して半導体レーザチ
ップを取り付けたリードフレームに、半導体レーザチッ
プから反射面を経て出射される光ビームの光軸に関連し
た取り付け基準部を形成するようにしたので、光ピック
アップ装置等に適用する場合に、この基準部を介して取
り付けることにより、容易に精度良く位置決めして取り
付けることができ、光ピックアップ装置等を簡単に組み
立てることができる。また、半導体レーザチップが二つ
の発光点を有する構成においては、例えば光ピックアッ
プ装置に適用した場合に、例えば記録媒体の2本の記録
トラックに対して同時に記録、再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明とともに開発した半導体レーザ装置の
第1開発例を示す斜視図である。
【図2】 同じく、要部断面図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係る半導体レーザ装置
の要部断面図である。
【図4】 本発明とともに開発した半導体レーザ装置の
第2開発例を示す要部断面図である。
【図5】 同じく、第3開発例を示す要部断面図であ
る。
【図6】 本発明の第2実施例を示す半導体レーザ装置
の要部断面図である。
【図7】 図6に示す半導体レーザ装置を用いる光ピッ
クアップ装置の一例を示す図である。
【図8】 本発明の第3実施の形態に係る半導体レーザ
装置を用いる光ピックアップ装置の他の例を示す図であ
る。
【図9】 従来例に係る半導体レーザ装置の一部切欠き
斜視図である。
【図10】 従来例に係る半導体レーザ装置の斜視図で
ある。
【図11】 従来例に係る半導体レーザ装置の斜視図で
ある。
【図12】 従来例に係る半導体レーザ装置の断面図で
ある。
【図13】 従来例に係る半導体レーザ装置を用いる光
ピックアップ装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ブロック 2 レーザダイオード 3 反射面 4 フォトダイオード 5 レーザダイオード取り付け部 6 フォトダイオード取り付け部 7 電極 10 フォトダイオード裏面 11 リードフレーム 16 パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザチップと、 該半導体レーザチップを固定する金属製の基台と、 該基台を固定するリードフレームと、 該リードフレームの一部を露出させて、該リードフレー
    ム、前記基台および半導体レーザチップを覆う透明なパ
    ッケージとを有し、 前記基台には、前記半導体レーザチップの位置決め部を
    形成すると共に、該半導体レーザチップからの光ビーム
    を所要方向に反射させる反射面を形成し、 前記リードフレームには、前記半導体レーザチップから
    前記反射面を経て出射される光ビームの光軸に関連した
    取り付け基準部を形成し、 前記パッケージには、前記半導体レーザチップから前記
    反射面を経て出射される光ビームの光路上に回折格子を
    形成したことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体レーザチップは、二つの発光
    点を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レ
    ーザ装置。
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