JP3814127B2 - 複合光学ユニット - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスク装置のピックアップボディに備えられる複合光学ユニットに係り、特に、発光部材を備えたハウジングに対するコリメータレンズの取付構造と取付位置の規制手段とに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、図16及び図17に基づいて、従来の複合光学部材を備えたCD(コンパクト・ディスク)用の光学ユニットを説明する。図16は従来の光学ユニット50の一部断面図であり、図17は従来の光学ユニット50の一部分解斜視図である。
【0003】
図16に示すように、この光学ユニット50は、CD用のレーザ光(波長780nm帯)を出射する光源46と、CD(図示せず)で反射されたレーザ光を受光する受光部材47と、光源46と受光部材47を有する基板部48aと、光源46と受光部材47を包含するように基板部48aに取付固定された側壁部48bと、側壁部48bの開口窓である出射部48dと、出射部48dを覆うように接合されたガラス等の光透過性の複合光学部材49とから構成されている。
【0004】
光源46は、複合光学部材49と対向するように基板部48a上に固着されており、受光部材47は、光源46と接近させて基板部48aの表面に形成されている。複合光学部材49の上端面に形成した回折格子49aは、光源46から出射されてCDで反射された戻り光を回折して受光部材47の所定の位置に導くようになっている。また、3ビーム法によるトラッキング制御を行うために、複合光学部材49の下端面には回折格子であるビーム形成部49bを設けてある。
【0005】
複合光学部材49は、図17に示すように、基板部48aと側壁部48bとからなるハウジングに対して、光軸Nと直交するx方向及びy方向並びに光軸回りの回転方向であるθ方向に光軸が調整される。これら複合光学部材49とハウジングとの光軸合わせは、複合光学部材49を微調機構付きの治具(図示せず)で保持し、x方向、y方向及びθ方向の微調機構を操作することにより行われる。光軸合わせが終了した後、この複合光学部材49は、ハウジングの出射部48dに接着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来例に係る光学ユニット50は、微調機構を備えた治具を用いて、ハウジングに対する複合光学部材49の光軸合わせをx方向、y方向及びθ方向の3方向について行わなくてはならず、しかもその調整範囲が微小であることから、光軸の調整作業が非常に難しく、高精度な光学ユニット50を高能率に製造することが難しいという問題点がある。
【0007】
また、ハウジングに対する複合光学部材49の光軸合わせ終了後に、複合光学部材49をハウジングに接着する必要があるので、この点からも作業工程が複雑化するという問題がある。
【0008】
さらに、従来例に係る光学ユニット50には、コリメータレンズが一体に備えられていないので、光ピックアップ装置のピックアップボデイに光学ユニット50とコリメータレンズとを併設しなくてはならず、光ピックアップ装置が大型化するという問題がある。この場合、コリメータレンズを光学ユニット50に組み込めば、かかる不都合を解消することができるが、ハウジングに対するコリメータレンズの組み込みを前記複合光学部材49と同様に微調機構を備えた治具を用いて行うと、光学ユニット50の製造効率がさらに低下することになるので、ハウジングに対するコリメータレンズの取付構造の改善が求められている。即ち、光ピックアップ装置に備えられるコリメータレンズとしては、通常、樹脂成形品が用いられるが、樹脂製のコリメータレンズはガラス製のコリメータレンズとは異なり、成形条件のミクロ的な不均一によって光学的異方体になりやすいので、光学ユニット50に組み込むについては、コリメータレンズから出射されるレーザ光の収差が最小になるように、コリメータレンズの中心軸回りの方位を光源46から出射されたレーザ光の偏光面に対して調整する必要があり、かかる調整を簡単に行える取付構造の改善が求められている。
【0009】
ところで、樹脂製のコリメータレンズは、複数のキャビティを備えた成形金型によって多数個取りされるのが普通であり、同一のキャビティにて成形されたコリメータレンズは、ほぼ均一な光学的特性を有することが知られている。したがって、同一のキャビティにて成形されたコリメータレンズについては、レーザ光の偏光面を合致したときに収差が最小になる特定の基準位置に対する方位がほぼ一定であり、この方位を個々のコリメータレンズに表示しておけば、レーザ光の偏光面に対するコリメータレンズの設定を容易化することができる。
【0010】
従来は、かかる事実に着目し、個々のコリメータレンズに、成形に適用したキャビティの型番とレーザ光の偏光面を合致したときに収差が最小になる基準方位とを表示し、同一型番のコリメータレンズごとに異なるパレットに収納して光ピックアップ装置の組立ラインまでロボット搬送し、光ピックアップ装置の組立ラインにおいては、コリメータレンズに表示された基準方位を参照してレーザ光の偏光方向に対するコリメータレンズのおよその設定方位を決定し、しかる後に、レーザ光の偏光方向に対するコリメータレンズの方位の微調整を行って、コリメータレンズを光ピックアップ装置に組み込むという方法がとられている。
【0011】
しかるに、かかる方法によると、同一型番のコリメータレンズの保存や搬送等の管理が困難で、光ピックアップ装置の組立ラインが複雑化するばかりでなく、レーザ光の偏光方向に対するコリメータレンズの方位の微調整を要するので、この方法を複合光学ユニットへのコリメータレンズの組み込みに応用しても、複合光学ユニットの製造を十分に容易化することができない。
【0012】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたもので、その目的は、ハウジングに対するコリメータレンズの取り付けが容易で、しかもコリメータレンズから出射されるレーザ光の収差を最小にできる複合光学ユニットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、筒状のハウジングと、当該ハウジングの一端部に備えられた発光部材と、前記ハウジングの他端部に備えられ、前記発光部材より出射された拡散光であるレーザ光を平行光に変換して出射する樹脂成形されたコリメータレンズとを有する複合光学ユニットであって、前記コリメータレンズの周縁部より、当該コリメータレンズの主屈折率軸方向に対して0度、45度又は90度の方向に突出する規制突出部を形成すると共に、前記ハウジングの内面の前記コリメータレンズの取付部には、前記規制突出部を挿入する規制溝を形成し、前記規制突出部と前記規制溝とをもって、前記コリメータレンズを透過したレーザ光の収差を最小にする位置規制手段を構成したことを特徴とする。
【0014】
第2に、前記コリメータレンズの周縁部より、当該コリメータレンズ上に設定された所定の基準位置に対して所定の角度方向に突出する規制突出部を形成すると共に、前記ハウジングの内面の前記コリメータレンズの取付部には、前記規制突出部を挿入する規制溝を形成し、前記規制突出部と前記規制溝とをもって前記位置規制手段を構成したことを特徴とする。
【0015】
第3に、前記ハウジングの内面に前記コリメータレンズの端面を付き当てるための段差部を形成し、当該段差部に前記コリメータレンズの端面を付き当てることによって、前記コリメータレンズを前記発光部材より出射されるレーザ光の光軸に対して垂直に位置規制することを特徴とする。
【0016】
第4に、前記コリメータレンズの外周面に、前記ハウジングの内面に圧接される少なくとも3つの固定用突起を等間隔に設けたことを特徴とする。
【0017】
第5に、前記所定の基準位置が、前記コリメータレンズの主屈折率軸方向であり、前記所定の角度方向が、前記主屈折率軸と0度、45度又は90度をなす角度方向であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合光学部材及びこれを備えた複合光学ユニットの実施形態例を、図1〜図15を用いて説明する。
【0019】
図1は実施形態例に係る複合光学ユニットを備えた光ピックアップ装置100の構成図、図2は2波長レーザダイオード102の一部断面した斜視図、図3は実施形態例に係る複合光学部材105の正面図、図4は図3の左側面図、図5は図3の右側面図、図6は図3の矢印6方向から見た図、図7は実施形態例に係るコリメータレンズ109の正面図、図8は図7の8−8線に沿った断面図、図9は実施形態例に係るハウジング106の平面図、図10は図9の10−10線に沿った断面図、図11は図10の左側面図、図12は図10の右側面図、図13は図10の矢印13の方向から見た図、図14は図1における14−14線に沿った一部断面図、図15は複合光学部材105の機能を説明するための説明図である。
【0020】
図1に示すように、光ピックアップ装置100は、ピックアップボデイすなわちキャリッジ500と、このキャリッジ500内に配設された複合光学ユニット101と、平板状の反射ミラー300と、対物レンズ200とから主として構成されており、複合光学ユニット101には、コリメータレンズ109が備えられている。
【0021】
光ピックアップ装置100は、光ディスク、例えばCD61或いはDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク又はデジタル・ビデオ・ディスク)62に対面して配置されており、CD61(DVD62)のディスク面と直交する方向であるフォーカシング(F)方向及びCD61(DVD62)の半径方向であるトラッキング(T)方向に対物レンズ200が可動支持されている。なお、対物レンズ200は、CD61及びDVD62の双方に対応できるように構成されたものである。
【0022】
複合光学ユニット101は、レーザ光を光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光(戻り光)を受光することにより光ディスクに記録された情報を再生したり、あるいは光ディスクに対して情報を記録するために用いられる受発光一体型光学素子であって、図1に示すように、主として、発光部材である2波長レーザダイオード102と、受光素子104aを内蔵した受光部材104と、複合光学部材105と、コリメータレンズ109と、プリント基板107と、これらの部材が取付固定されるハウジング106とから構成されている。
【0023】
2波長レーザダイオード102は、図2に示すように、円板状の基板部102aと、基板部102aの一方の平面部102a′から突設した直方体状の基台102bと、基台102bの側壁面に位置決めされ固着されたレーザチップ103と、基台102bを包含するように平面部102a′に取付固定され筒状の胴部102cと開口部102d′を形成した天板102dとからなるキャップ部102eと、開口部102d′をキャップ部102eの内側から塞ぐように固着された透明な円板状のガラス板102fとからなり、基板部102aとキャップ部102eとガラス板102fとをもって構成される密閉された空間内にレーザチップ103が配置されている。このレーザチップ103には、DVD用の短波長(波長650nm帯)のレーザ光103a′を出射する光源103aと、CD用の長波長(波長780nm帯)のレーザ光103b′を出射する光源103bとが、微小な間隔Dを隔てて形成されている。なお、本実施形態例においては、間隔Dを120μmに設定している。また、DVD用の650nm帯は、具体的には、635nmあるいは650nmがDVD規格として採用されている。
【0024】
また、光源103a、103bからそれぞれ出射されるレーザ光103a′、103b′は、基板部102aの一方の平面102a′と直交する方向に相互に平行となるように開口部102d′を通して出射される。なお、レーザ光103a′、103b′の出射位置は、レーザチップ103の先端面103′(平面部102a′と平行となるように配置されている)の同一平面上となるように構成されている。また、基板部102aの一方の平面部102a′とは反対側の他方の平面部からは複数の外部接続端子102g(図1参照)が突設してあり、この外部接続端子102gを介してレーザチップ103への駆動電流の供給等を行っている。
【0025】
また、2波長レーザダイオード102を製作する工程では、2つの光源103a、103bを備えたレーザチップ103は所定の基板面上に半導体プロセス類似のプロセスにより加工されるので、各光源103a、103b間の間隔Dは容易に所定の値に高精度で均一に形成することができる。また、そのためディスクリート部品として大量生産も可能となるので2波長レーザダイオード102のコストも安価なものにすることができる。
【0026】
受光部材104は、図1に示すように、受光素子104aを内蔵し、当該受光素子104aの受光面側に受光窓104b′が設けられたパッケージ104bと、パッケージ104bから両側に突設した外部接続端子104cとから構成されており、受光素子104aへの電源電圧の供給と、受光素子104aにて光電変換された信号の外部への出力を、外部接続端子104cを介して行うようになっている。
【0027】
図3乃至図6に示す複合光学部材105は、透明度が高い樹脂材料の成形体からなり、光軸N方向の両端面が平行に形成された略円錐状の基体部105cと、前記2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の入射面105aと、前記2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光を光ディスクに向けて出射する出射面105bと、光ディスクからの戻り光を前記受光素子104aに導く反射面105dとが一体に形成されている。なお、本実施形態例に係る複合光学部材105においては、基体部105cの両端面がそれぞれレーザ光の入射面105a及び出射面105bになっており、光ディスクからの戻り光の入射面は前記出射面105bと兼用になっていて、光ディスクからの戻り光が前記出射面105bに入射する構成になっている。
【0028】
前記入射面105aには、図3及び図4に示すように、2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光を回折して、CDに照射されるトラッキング制御用及びデータ再生用の3ビームを生成するための3ビーム生成用回折格子105hが形成され、出射面105bの中央部には、図3及び図5に示すように、光ディスクからの戻り光を反射面105dに導くための方形状の第1の回折格子105fが形成されている。
【0029】
反射面105dは、複合光学部材105の両端面に対して傾斜する傾斜面になっており、当該反射面105dの表面には、図3及び図4に示すように、戻り光の経路を補正するための反射型の第2の回折格子105gが形成されている。この反射面105dにて反射された戻り光の透過経路には、平坦面105nが基体部105cの周面にかけて形成されている。また、この平坦面105nの縁部からは、図6に示すように、非点収差法によるフォーカス制御を行うためのシリンダー面105iが光軸Nと所定の角度αをなす溝状に形成されており、当該シリンダー面105iの内壁が戻り光出射面105pとなっている。
【0030】
なお、本実施形態例に係る複合光学部材105においては、前記第1及び第2の回折格子105f、105g及び3ビーム用回折格子105hが、前記入射面105a、出射面105b、基体部105c、反射面105d及びシリンダー面105iと共に、成形型を用いて一体成形されている。これら各回折格子105f、105g、105hの機能については、後により詳細に説明する。
【0031】
基体部105cは、入射面105a側から出射面105b側に至るにしたがって順次直径が小さくなる略円錐形に形成されており、当該基体部105cの前端部には円柱状部105jが形成されていて、その円柱面105j′がハウジング106に対する複合光学部材105の第1規制部になっている。
【0032】
当該基体部105cの後端側、即ち入射面105a及び反射面105dの形成部側の外周面には、図3及び図4に示すように、半円柱状の外面を有する4つの突部105k′が周方向にほぼ均等に配置されて形成されており、これら各突部105k′の頂面がハウジング106に対する複合光学部材105の第2規制部になっている。また、当該基体部105cの後端面(前記入射面105aの一部及び前記反射面105dの一部を含む。)には、図3、図4に示すように、前記各突部105k′と対向する部分に、ハウジング106に対する複合光学部材105の圧入力を緩衝するための空間部105sが所定の深さで座ぐり形成されている。さらに、基体部105cの中央部には、図3乃至図6に示すように、円柱状の位置規制突部105mが下向きに突出形成されており、その外周面がハウジング106に対する複合光学部材105の第3規制部になっている。
【0033】
なお、本実施形態例の複合光学部材105は、出射面105bと戻り光入射面を同一面としたが、出射面と戻り光入射面を別々に設け、この戻り光入射面に第1の回折格子を形成するようにしてもよい。
【0034】
図7及び図8に示すコリメータレンズ109は、透明度が高い樹脂材料の成形体からなり、レンズ部109aと、当該レンズ部109aの周囲に形成されたリング状のフランジ部109bと、当該フランジ部109bの外周面より外向きに突出されたピン状の規制突出部109cと、前記フランジ部109bの外周面にほぼ等間隔に突設された3つの半円柱状の固定用突起109dとが一体に形成されている。レンズ部109aは、図1に示すように、レーザ光入射側の面109a′が平面状に形成され、その対向面109a″が凸状の球面に形成された凸レンズになっており、前記2波長レーザダイオード102より出射された拡散光であるレーザ光を平行光に変換して出射するようになっている。フランジ部109bは、レンズ部109aと一体かつ同心に形成されており、固定用突起109dは、当該フランジ部109bの厚さ方向にそれぞれ平行に形成されていて、固定用突起109dの頂部をハウジング106の内面に当接することによって、ハウジング106の内面に対してコリメータレンズ109のレンズ部109aを同心に配置できるようになっている。なお、図7に表示の符号109eは、コリメータレンズ109の成形時に形成されるゲートの切断部を示している。
【0035】
規制突出部109cは、図1に示すように、ハウジング106に形成された規制溝106nに挿入したときに、2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の偏光面が自動的にレンズ部109aの主屈折率軸の方向、又は主屈折率軸と垂直な方向、若しくは主屈折率軸と45度をなす方向に合致され、レンズ部109aから出射されるレーザ光の非点収差が最小となる位置に形成される。即ち、前記したように、複数のキャビティを備えた成形金型によって多数個取りされる樹脂製のコリメータレンズはキャビティごとに光学的特性が異なり、同一のキャビティにて成形されたコリメータレンズについてはほぼ均一な光学的特性を有すると共に、コリメータレンズ109から出射するレーザ光の非点収差は、2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の偏光面をレンズ部109aの主屈折率軸の方向、又は主屈折率軸と垂直な方向、若しくは主屈折率軸と45度をなす方向に合致したときに最小となるので、各キャビティにて成形されるコリメータレンズについて、どの方位に主屈折率軸が配置されるかを予め試験により求め、求められた主屈折率軸の方位を基準位置とし、かつ規制溝106nの形成位置及び2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の偏光面の方位を参酌した所定の角度方向に、規制突出部109cが形成される。
【0036】
したがって、規制突出部109cの突設位置及び突出方向は、必ずしもレンズ部109aの主屈折率軸と0度、45度又は90度をなす角度方向である必要はなく、規制溝106nの形成位置及び2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の偏光面の方位に応じて適宜の位置に設定される。この規制突出部109cは、成形金型に規制突出部109cに対応するくぼみを形成しておくことによって、コリメータレンズ109の成形と同時に形成することができる。また、1個取り方式で成形されるコリメータレンズについても、キャビティ位置と無関係であることを除いて、前記と同様の方法で製造される。
【0037】
なお、実用的には、レーザ光の偏光面を主屈折率軸の方向、又は主屈折率軸と垂直な方向、若しくは主屈折率軸と45度をなす方向に厳密に合致させなくとも、レーザ光の偏光面を前記各方向に対して±5度程度の範囲に設定すれば、レーザ光の偏光面を前記各方向に対して厳密に設定した場合と近似の効果を得ることができる。したがって、本明細書における0度、45度、90度なる記載は、それぞれ±5度程度の誤差を許容していることを意味する。
【0038】
図9〜図13に示すハウジング106は、アルミダイキャスト製のブロックからなり、主として、筒状胴部106gと、この筒状胴部106gの両端部からそれぞれ外方へ突設した取付部106h、106iとからなっている。これら取付部106h、106iには、方形状の取付面106h′、106i′がそれぞれ形成されている。
【0039】
図10に示すように、筒状胴部106gの左端部の内面には、図2に示した2波長レーザダイオード102を収納するための収容室106aが形成され、それに続く左端面には、2波長レーザダイオード102を位置決めして取り付けるための取付穴106bが座ぐり形成されている。また、筒状胴部106gの略中央部の内面には、図3に示した複合光学部材105を収納するための収容室106cが形成され、その両端側には、前記複合光学部材105に形成された第1規制部(円柱面105j′)を挿入する第1規制受部106jと、前記複合光学部材105に形成された第2規制部(突部105k′)を挿入する第2規制受部106kとがそれぞれ形成されている。さらに、筒状胴部106gの右端部の内面には、図7乃至図8に示したコリメータレンズ109を位置決めして取り付けるための段差部106mが座ぐり形成されている。これら各収納室106a,106c及び段差部106mは、中心軸N′に関して同心に形成される。
【0040】
前記複合光学部材105を収納するための収容室106cは、前記2波長レーザダイオード102を収納するための収納部106k側の直径が大きく、取付面106i′側に至るにしたがって順次直径が小さくなる円錐面状に形成されている。また、第1規制受部106jの直径は、複合光学部材105(図3参照)の円柱状部105j(直径D1)が高精度に嵌合できる寸法に設定され、第2規制受部106kの直径は、複合光学部材105の後端部105kに設けた各突部105k′の先端を外接する外接円の直径D2(図4参照)よりもやや小径に形成されており、複合光学部材105を圧入により固定できるようになっている。
【0041】
前記収容室106cの前端部には、複合光学部材105を中心軸N′方向に位置決めするための位置決め部すなわち突き当て面106c′が形成されている。この突き当て面106c′には、円形の開口部106fが開設されており、複合光学部材105に設けた第1の回折格子105fが前方に露出するようになっている。
【0042】
さらに、前記筒状胴部106gには、図10及び図13に示すように、前記収容室106a、106cに貫通するU字孔状の位置規制溝106dと、当該位置規制溝106dの後方端に連接され、前記収容室106aの後方端に貫通する扇形の案内溝106d′とが形成されている。前記位置規制溝106dの溝幅は、複合光学部材105に突設された位置規制突部105mの外周面が高精度に嵌合できる所定の寸法に設定される。また、当該収納部106gの前記位置規制溝106dに臨む部分には、受光部材104を配置するための配置面106eが形成されている。この配置面106eは、図1に示すように、前記取り付け部106h、106iの取付面106h′、106i′に受光部材104が電気的に接続されたプリント基板107を取り付けたとき、受光部材104がハウジング106と干渉しないように、前記各取付面106h′、106i′との間に所要の段差をもって形成される。
【0043】
前記コリメータレンズ109を設定するための段差部106mは、コリメータレンズ109のフランジ部109bを付き当てたとき、コリメータレンズ109を複合光学部材105の前方の所定位置に垂直に設定できるように形成される。また、前記段差部106mのコリメータレンズ設定側の直径は、ハウジング106に対するコリメータレンズ109の第1規制部である固定用突起109dの先端を外接する外接円の直径よりもやや小径に形成されており、コリメータレンズ109を圧入により固定できるようになっている。さらに、この段差部106mのコリメータレンズ設定側には、前記収容室106a、106cに形成された位置規制溝106dと一直線状に、前記コリメータレンズ109に形成されたピン状の規制突出部109cを嵌合するための凹溝状の規制溝106nが形成されている。前記規制溝106nの溝幅は、前記コリメータレンズ109に形成された規制突出部109cの外周面が高精度に嵌合できる所定の寸法に設定される。
【0044】
なお、ハウジング106に用いるブロックはアルミダイキャストだけでなく、亜鉛ダイキャスト、マグネシウム合金、あるいは他の金属等で構成するようにしてもよい。
【0045】
以下、図1を参照して、ハウジング106への2波長レーザダイオード102、受光部材104、複合光学部材105及びコリメータレンズ109の組み立て方法について説明する。
【0046】
複合光学部材105は、位置規制突部105mをハウジング106に形成された案内溝106d′の開口部に合致させた状態で、ハウジング106の取付穴106bから挿入され、図示しない所要の治具で入射面105aの回折格子105hを除く面を均一に押圧することによって、その基体部105cが収容室106c内に嵌め込まれる。そして、出射面105bの外縁部がハウジング106の収容室106cに形成した突き当て面106c′に当接された段階で、ハウジング106に対する中心軸N′方向の位置決めがなされる。
【0047】
このとき、基体部105cに設けられた円柱状部105jが、収容室106cの第1規制受部106jに嵌合されるので、基体部105cの円柱状部105jの円柱面105j′(規制面、図3参照)が第1規制受部106jに当接し、基体部105cの前端部における光軸Nと直交する方向の位置規制が高精度になされる。また、これと同時に、基体部105cの後端部105kが収容室106cに設けた第2規制受部106kに圧入される。このとき、図15に示すように、後端部105kの外周面に形成した各突部105k′がそれぞれ均一に押しつぶされた状態となって、各突部105k′の先端面(規制面)が第2制受部106kに当接し、基体部105cの後端部105kにおける中心軸N′と直交する方向の位置規制が高精度でなされると共に、複合光学部材105の収容室106cからの抜けが防止される。さらには、複合光学部材105をハウジング106に設けられた収容室106cに嵌入することによって、複合光学部材105に形成された位置規制突部105mがハウジング106に形成された案内溝106d′に案内されて位置規制溝106dに嵌入されるので、中心軸N′回りの回転方向の位置規制が高精度でなされる。
【0048】
かように、本実施形態例の複合光学ユニット101は、複合光学部材105をハウジング106に嵌入するだけで、ハウジング106に対する複合光学部材105の中心軸N′方向の位置規制と、中心軸N′と直交する方向の位置規制と、中心軸N′回りの回転方向の位置規制とを行うことができるので、複合光学ユニット101の組立を容易かつ高精度に行うことができる。また、本実施形態例の複合光学ユニット101は、複合光学部材105における突部105k′の形成部と対応する部分に空間部105sを座ぐり形成したので、各突部105k′の先端面(規制面)を第2規制受部106kに当接したとき、各突部105k′の形成部が空間部105s側に弾性変形することによってその圧入力が緩和され、必要以上の圧入力が複合光学部材105に作用するのを防止でき、光学機能部の歪、とりわけ第2の回折格子105g及び3ビーム用回折格子105hの歪を防止することができる。
【0049】
2波長レーザダイオード102は、そのキャップ部102e(図2参照)をハウジング106の収容室106a内に挿入し、基体部102aをハウジング106に形成された取付穴106bに嵌入することによって、ハウジング106に固定される。これにより、図1及び図15に示すように、2波長レーザダイオード102から出射されたレーザ光の光軸Nをハウジング6の中心軸N′に自動的に合致させることができる。また、この2波長レーザダイオード102は、出射されるレーザ光の偏光面がコリメータレンズ109の非点収差が最小になる方位(主屈折率軸に対して、0度、45度又は90度の方位)に合致するように、収容室106aの中心軸に対する回転方向位置を調整して、ハウジング106に固定される。これにより、コリメータレンズ109より出射されるレーザ光の非点収差を最小にすることができる。
【0050】
コリメータレンズ109は、フランジ部109bの外周面より突出されたピン状の規制突出部109cをハウジング106に形成された規制溝106nの開口部に合致させた状態で、ハウジング106の前方開口部から挿入され、図示しない所要の治具でフランジ部109bの片面を均一に押圧することによって、ハウジング106に形成された段差部106mに嵌め込まれる。そして、フランジ部109bの押圧側とは反対面が段差部106mに当接された段階で、ハウジング106に対する中心軸N′方向の位置決めがなされる。
【0051】
また、これと同時に、フランジ部109bの外周面に形成された3つの半円柱状の固定用突起109dの頂部がハウジング106の内面に圧入されるので、中心軸N′と直交する方向の位置規制が高精度でなされると共に、コリメータレンズ109の段差部106mからの抜けが防止される。さらには、ハウジング106に対するコリメータレンズビーム109の挿入動作に伴って、フランジ部109bの外周面より突出された規制突出部109cがハウジング106に形成された規制溝106nに嵌入されるので、中心軸N′回りの回転方向の位置規制が高精度でなされる。
【0052】
かように、本実施形態例の複合光学ユニット101は、コリメータレンズ109をハウジング106に嵌入するだけで、ハウジング106に対するコリメータレンズ109の中心軸N′方向の位置規制と、中心軸N′と直交する方向の位置規制と、中心軸N′回りの回転方向の位置規制とを行うことができるので、複合光学ユニット101の組立を容易かつ高精度に行うことができると共に、2波長レーザダイオード102より出射されるレーザ光の偏光面を、コリメータレンズ109より出射されるレーザ光の非点収差が最小になる方位(主屈折率軸に対して、0度、45度又は90度の方位)に自動的に合致できるので、情報記録再生時のトラッキングエラーを最小にすることができる。
【0053】
受光部材104は、図1及び図15に示すように、プリント基板107を介してハウジング106に取り付けられる。プリント基板107に対する当該受光部材104の取り付けは、パッケージ104bの受光窓104b′側をプリント基板107に設けた貫通孔107aに挿通し、外部接続端子104cをプリント基板107面に形成されたランド部(図示せず)にハンダ付けすることにより行われる。なお、必要に応じて、パッケージ104bをプリント基板107又はハウジング106に接着剤等により固着して補強してもよい。そして、受光部材104が固定されたプリント基板107は、受光窓104b′がハウジング106に形成した位置規制溝106dに対面するように配置された状態で、取付部106h、106iのそれぞれ取付面106h′、106i′に載置され、ネジ108で締め付け固定されてハウジング106に固定される。なお、受光部材104を搭載したプリント基板107は、予め所定の基準光学系により光源103a、103bから出射されるレーザ光103a′、103b′に対する光ディスクからの戻り光が第1及び第2の回折格子105fと105gで回折されたときに、受光素子104aの所定位置Pに最適に導かれるように調整された後、取付面106h′、106i′に固定される。
【0054】
次に、光ピックアップ装置100によるDVD62とCD61の再生動作について説明する。
【0055】
上述した構成において、DVD62を再生するときには、図1に示すように、2波長レーザダイオード102の光源103aから出射したレーザ光103a′は、複合光学部材105の入射面105aに形成した3ビーム用回折格子105hを透過して3ビームに変換された後、第1の回折格子105fを透過し、出射面105bから出射される。そして、そのレーザ光103a′は、複合光学部材105の前方に配置されたコリメータレンズ109にて平行光に変換され、複合光学ユニット101から出射される。
【0056】
光学ユニット101から出射されたレーザ光103a′は、光軸に対して45度に配置された反射ミラー300により反射されてその角度を90度偏向し、対物レンズ200に入射される。そして、対物レンズ200の集光作用により、DVD62の情報記録面に結像される。
【0057】
DVD62で反射されたレーザ光(戻り光)103a′は、再び対物レンズ200を透過し、反射ミラー300で反射した後、図1に示す戻り光入射面すなわち出射面105bに形成した第1の回折格子105fに入射し、所定の回折角度に回折された1次回折光である戻り光103a′−2となる。戻り光103a′−2はさらに複合光学部材105に形成した戻り光反射面105dで反射してシリンダー面105iに入射し、戻り光出射面105pから出射される。そして、出射した戻り光103a′−2は位置規制溝106d(図10、図13参照)を通過して、受光部材104の受光素子104aにおける受光位置Pに入射する。
【0058】
このとき、受光素子104aで受光された戻り光103a′−2は光電変換されることによりDVD62の情報記録面の信号に応じた電流出力が電圧信号に変換されることによって再生信号が生成されて受光部材104の外部接続端子104bから出力され、プリント基板107を通して外部に伝達される。また、受光素子104aで受光された戻り光103a′−2の一部はフォーカス及びトラッキング制御のために用いられる。
【0059】
一方、CD61を再生するときには、2波長レーザダイオード102の光源103bから出射したレーザ光103b′は、図1に示すように、複合光学部材105の入射面105aに形成した3ビーム用回折格子105hを透過して3ビームに変換された後、第1の回折格子105fを透過し、出射面105bから出射される。そして、そのレーザ光103b′は、複合光学部材105の前方に配置されたコリメータレンズ109にて平行光に変換され、複合光学ユニット101から出射された後、DVD62の場合と同様に対物レンズ200へ導かれ、対物レンズ200の集光作用により、CD61の情報記録面に結像される。
【0060】
そして、CD61で反射された戻り光103b′は、再び対物レンズ200を透過して反射ミラー300で反射した後、第1の回折格子105fに入射し、所定の回折角度に回折された1次回折光である戻り光103b′−2となる。戻り光103b′−2はさらに複合光学部材105に形成した戻り光反射面105d″により反射されてシリンダー面105iに入射する。シリンダー面105iにおいて戻り光103b′−2はフォーカス制御のための非点収差が与えられて戻り光出射面105pを出射し位置規制溝106d(図10、図13参照)を通過して、受光素子104aの受光位置Pで受光される。このとき、受光素子104aで受光された戻り光103b′−2は光電変換されることによりCD61の情報記録面の信号に応じた電流出力が電圧信号に変換されることによって再生信号が生成されて受光部材104の外部接続端子104bから出力され、プリント基板107を通して外部へ伝達される。また、受光素子104aで受光された戻り光103b′−2の一部は非点収差法によるフォーカス制御、及び3ビーム法によるトラッキング制御のために用いられる。
【0061】
なお、光ピックアップ装置100において、出射面105bから出射したレーザ光103a′、103b′の光束の径を規制する波長フィルタ等を出射面105bと対物レンズ200との間の光路に設けるようにしてもよい。
【0062】
次に、複合光学部材105に備えられた各回折格子105f、105g、105hの機能について説明する。
【0063】
図15に示したように、複合光学部材105の出射面105bから出射したレーザ光103a′、103b′に対するそれぞれのDVD62及びCD61からの戻り光は出射面105bに形成した第1の回折格子105fで回折されてそれぞれ戻り光103a′−2及び103b′−2となる。そのとき、CD61に対応する戻り光103b′−2はDVD62に対応する戻り光103a′−2よりも波長が長いため、戻り光103b′−2の回折角度は、戻り光103a′−2の回折角度よりも大きくなっている(回折格子では波長が長いほど回折角度が大きくなるという原理を利用している)。
【0064】
そして、この回折角度の差を利用して、回折される前にレーザ光103a′、103b′のそれぞれの光軸間距離がDであったものを戻り光反射面105d″に戻り光103a′−2、103b′−2が到達するときには両者の到達位置が一致するようになっている。
【0065】
しかし、複合光学部材105の戻り光反射面105d″において、戻り光103a′−2及び103b′−2を単に反射させただけでは、双方のレーザ光の入射角が異なるため受光素子104aの受光位置Pに2つの戻り光103a′−2及び103b′−2を一致させて向わせることはできない。これを補正するために戻り光反射面105d″には第2の回折格子105gを設けている。即ち、第2の回折格子105gに入射した戻り光103a′−2及び103b′−2を再度波長の違いによる回折角度の差を利用して戻り光反射面105d″で反射した戻り光103a′−2及び103b′−2の双方の光軸を一致させるようにしている。
【0066】
このようにして、第1の回折格子105fでそれぞれ回折された戻り光103a′−2及び103b′−2を、共に受光素子104aの受光位置Pに受光されるように補正することができ、2波長の光源103a、103bを用いても1つの受光素子104aを有する受光部材104で双方のレーザ光が受光可能になっている。
【0067】
以上説明したように、本実施形態例に係る複合光学ユニット101は、図1に示すように、光ピックアップ100に取り付けられるハウジング106を有し、ハウジング106には2波長レーザダイオード102と受光部材104と複合光学部材105とが取付固定され、2波長レーザダイオード102はDVD用の短波長レーザを出射するレーザダイオード103aとCD用の長波長レーザを出射するレーザダイオード103bを有し、複合光学部材105は2波長レーザダイオード102から出射した光が入射する入射面105a及び出射する出射面105bと、出射面105bに設けられた光ディスクD1(D2)で反射した戻り光を回折する第1の回折格子105fと、第1の回折格子105fで回折された戻り光を受光部材104に反射させる反射面105dとを設けるとともに、反射面105dには波長の異なる光を共に受光部材104の受光位置Pに光軸を一致させて結像させる第2の回折格子105gを設けたので、1つの複合光学ユニット101で異なる2つの波長を使用する光ピックアップ装置100に対応できる。また、受光部材104は1つで良く、この受光部材104のみを調整して位置合わせしておけばよいので、調整工程でのコストを増加させることはない。さらに、2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の出射面105bと光ディスクからの戻り光を入射する戻り光入射面とを同一面にしたので、この点からも構成を簡略化することができる。
【0068】
また、2波長レーザダイオード102は基板部102aとキャップ部102eとガラス板102fからなるパッケージと基板部102aから突設した外部接続端子102gとから構成され、受光部材104は受光素子104aを内蔵したパッケージ104bとこのパッケージ104bに設けられた外部接続端子104cとから構成されたいわゆるディスクリート部品であり、それぞれ単体で安価に製造される部材を用いて複合光学ユニット101を構成しているので、各部材の取り扱いも容易であり、また、ハウジング106への組み込み作業がし易くなり、部材コスト及び工程費を低減できる。
【0069】
また、複合光学部材105を安価な樹脂材料をもって形成すると共に、複合光学部材105の成形時に第1及び第2の回折格子105f、105gと、3ビーム用回折格子105hと、シリンダー面105iとを同時に一体形成したので、成形時間も短縮でき、複合光学部材105の製造コストをより低減できる。
【0070】
また、本例の複合光学ユニット101は、ハウジング106内にコリメータレンズ109を備えたので、光ピックアップ装置の小型化を図ることができる。また、ハウジング106の内面とコリメータレンズ109との間に、2波長レーザダイオード102より出射されたレーザ光の光軸回りに対するコリメータレンズ109の回転方向位置を規制し、コリメータレンズ109を透過したレーザ光の非点収差を最小にする位置規制手段109c、106nを設けたので、光学的不等体である樹脂製のコリメータレンズを用いた場合にもコリメータレンズ109を透過したレーザ光の非点収差を最小にすることができ、記録再生時のトラッキングエラーを最小にすることができる。
【0071】
また、コリメータレンズ109の周縁部より、当該コリメータレンズ109上に設定された所定の基準位置に対して所定の角度方向に突出する規制突出部109cを形成すると共に、ハウジング106の内面のコリメータレンズの取付部には、規制突出部109cを挿入する規制溝106nを形成し、これら規制突出部109cと規制溝106nとをもってハウジング106とコリメータレンズ109との間の位置規制手段を構成したので、成形金型により多数個取りされるコリメータレンズについても、キャビティの型番に関係なく、常に発光部材より出射されるレーザ光の偏光面に対してコリメータレンズ109の主屈折率軸方向を所定の位置関係で合致させることができ、個々のコリメータレンズ109の保存や搬送に関する管理が不要になって、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0072】
また、ハウジング106の内面にコリメータレンズ109の端面を付き当てるための段差部106mを形成し、当該段差部106mにコリメータレンズ109の端面を付き当てることによって、コリメータレンズ109を2波長レーザダイオード102より出射されるレーザ光の光軸に対して垂直に位置規制するようにしたので、単にハウジング106に対してコリメータレンズ109を圧入するだけでコリメータレンズ109の姿勢調整を完了することができ、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0073】
また、コリメータレンズ109の外周面に、ハウジング106の内面に圧接される少なくとも3つの固定用突起109dを等間隔に設けたので、単にハウジング106に対してコリメータレンズ109を圧入するだけでコリメータレンズ109の姿勢調整を完了できると共に、ハウジング106からのコリメータレンズ109の脱落を防止できるので、接着や締結等の手段によってハウジングにコリメータレンズを取り付ける場合に比べて、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0074】
さらに、所定の基準位置をコリメータレンズの主屈折率軸方向とし、所定の角度方向を主屈折率軸と0度、45度又は90度をなす角度方向としたので、基準位置及び所定の角度方向の設定が容易で、コリメータレンズの成形を容易にすることができる。
【0075】
その他、前記実施形態例においては、発光部材として波長が異なる2つの光源103a、103bを有する2波長レーザダイオード102を用いたが、1つの光源のみを備えた発光部材を用いることもできるし、波長が異なる3個以上の光源を有する発光部材を用いることも可能である。
【0076】
また、前記実施形態例においては、複合光学ユニット101内にビーム整形手段が備えられていないが、レーザパワーの無駄を減少してより高いレーザパワーが要求される光ディスクに対応させるために、複合光学ユニット101内に三角プリズム、シリンドリカルレンズ又は円形回折格子などのビーム整形手段を備えることもできる。この場合、ビーム整形手段は、複合光学部材105と一体に形成することもできるし、別体に形成することもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合光学ユニットは、ハウジング内に発光部材とコリメータレンズとを一体に備えたので、光ピックアップ装置の小型化を図ることができる。また、ハウジングの内面とコリメータレンズとの間に、発光部材より出射されたレーザ光の光軸回りに対するコリメータレンズの回転方向位置を規制し、コリメータレンズを透過したレーザ光の非点収差を最小にする位置規制手段を設けたので、光学的不等体である樹脂製のコリメータレンズを用いた場合にもコリメータレンズを透過したレーザ光の非点収差を最小にすることができ、記録再生時のトラッキングエラーを最小にすることができる。
【0078】
また、本発明の複合光学ユニットは、コリメータレンズの周縁部より、コリメータレンズ上に設定された所定の基準位置に対して所定の角度方向に突出する規制突出部を形成すると共に、ハウジングの内面のコリメータレンズの取付部には、規制突出部を挿入する規制溝を形成し、これら規制突出部と規制溝とをもってハウジングとコリメータレンズとの間の位置規制手段を構成したので、成形金型により多数個取りされるコリメータレンズについても、キャビティの型番に関係なく、常に発光部材より出射されるレーザ光の偏光面に対してコリメータレンズの主屈折率軸方向を所定の位置関係で合致させることができ、個々のコリメータレンズの保存や搬送に関する管理が不要になって、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0079】
また、本発明の複合光学ユニットは、ハウジングの内面にコリメータレンズの端面を付き当てるための段差部を形成し、当該段差部にコリメータレンズの端面を付き当てることによって、コリメータレンズを発光部材より出射されるレーザ光の光軸に対して垂直に位置規制するようにしたので、単にハウジングに対してコリメータレンズを圧入するだけでコリメータレンズの姿勢調整を完了することができ、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0080】
また、本発明の複合光学ユニットは、コリメータレンズの外周面に、ハウジングの内面に圧接される少なくとも3つの固定用突起を等間隔に設けたので、単にハウジングに対してコリメータレンズを圧入するだけでコリメータレンズの姿勢調整を完了できると共に、ハウジングからのコリメータレンズの脱落を防止できるので、接着や締結等の手段によってハウジングにコリメータレンズを取り付ける場合に比べて、複合光学ユニットの組立を容易化することができる。
【0081】
また、本発明の複合光学ユニットは、所定の基準位置をコリメータレンズの主屈折率軸方向とし、所定の角度方向を主屈折率軸と0度、45度又は90度をなす角度方向としたので、基準位置及び所定の角度方向の設定が容易で、コリメータレンズの成形を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例に係る光ピックアップ装置100の説明図である。
【図2】実施形態例に係る2波長レーザダイオード102の一部断面した斜視図である。
【図3】実施形態例に係る複合光学部材105の正面図である。
【図4】図3の左側面図である。
【図5】図3の右側面図である。
【図6】図3の矢印6方向から見た図である。
【図7】実施形態例に係るコリメータレンズ109の正面図である。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図である。
【図9】実施形態例に係るハウジング106の平面図である。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図である。
【図11】図10の左側面図である。
【図12】図10の右側面図である。
【図13】図10の矢印13の方向から見た図である。
【図14】図1における14−14線に沿った一部断面図である。
【図15】複合光学部材105の機能を説明するための説明図である。
【図16】従来の光学ユニット50の一部断面図である。
【図17】従来の光学ユニット50の一部分解斜視図である。
【符号の説明】
100 光ピックアップ装置
101 複合光学ユニット
102 2波長レーザダイオード(発光部材)
104 受光部材
105 複合光学部材
106 ハウジング
106m 段差部
106n 規制溝
109 コリメータレンズ
109a レンズ部
109b フランジ部
109c 規制突出部
106d 固定用突起

Claims (1)

  1. 筒状のハウジングと、当該ハウジングの一端部に備えられた発光部材と、前記ハウジングの他端部に備えられ、前記発光部材より出射された拡散光であるレーザ光を平行光に変換して出射する樹脂成形されたコリメータレンズとを有する複合光学ユニットであって、
    前記コリメータレンズの周縁部より、当該コリメータレンズの主屈折率軸方向に対して0度、45度又は90度の方向に突出する規制突出部を形成すると共に、前記ハウジングの内面の前記コリメータレンズの取付部には、前記規制突出部を挿入する規制溝を形成し、前記規制突出部と前記規制溝とをもって、前記コリメータレンズを透過したレーザ光の収差を最小にする位置規制手段を構成したことを特徴とする複合光学ユニット。
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