JP3361310B2 - 絶縁ゲート型電界効果半導体装置の作製方法 - Google Patents

絶縁ゲート型電界効果半導体装置の作製方法

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JP3361310B2 JP2000074290A JP2000074290A JP3361310B2 JP 3361310 B2 JP3361310 B2 JP 3361310B2 JP 2000074290 A JP2000074290 A JP 2000074290A JP 2000074290 A JP2000074290 A JP 2000074290A JP 3361310 B2 JP3361310 B2 JP 3361310B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜半導体を用い
た絶縁ゲート型電界効果半導体装置(以下TFTとい
う)の構造、特にゲート電極の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりTFTの構造としては、ゲート
電極部分をマスクとして用い、イオン注入法等により一
導電型を付与する不純物をドーピングすることによっ
て、ソース・ドレイン領域を形成する自己整合型の構造
が知られている。
【0003】この構造の代表的な構造を図2に示す。図
2(A) において、ガラス等の絶縁基板(21)、ソース領域
(25)とチャネル形成領域(27)とドレイン領域(26)とが形
成される薄膜半導体層(22)、ゲート絶縁膜(23)、ゲート
電極(24)が記載されている。また図面には記載しなかっ
たが、電極、層間絶縁膜、配線等が形成されることは周
知の通りである。
【0004】図2(A)において、半導体層(22)は非晶質
珪素または非晶質珪素を結晶化させたものである。また
ソース領域(25)とドレイン領域(26)とはリンの注入のよ
ってN型化されている。従って、図2に示すTFTはN
チャネル型TFTである。また、ゲート絶縁膜(23)は、
酸化珪素(SiO2)で構成されており、ゲート電極(24)は、
その抵抗を下げるためにリンが多量にドーピングされた
珪素膜が用いられている。
【0005】図2(A)に示すTFTの作製は、まず基板
(21)上に気相法により非晶質珪素半導体層(22)を成膜
し、しかる後に非晶質珪素半導体層(22)を加熱あるいは
レーザー光の照射等によって結晶化させ、結晶性珪素と
する。
【0006】次にゲート絶縁膜(23)となる酸化珪素膜を
スパッタ法等によって形成し、ゲート電極(24)となるリ
ンがドープされた珪素膜を気相等によって形成する。そ
してパターニング工程によって、ゲート絶縁膜(23)と、
ゲート電極(24)とを形成し、図2(A)のような形状を得
る。そして、ゲート電極(24)をマスクとしてリンイオン
の打ち込み(以下イオン注入という)を行い、ソース領
域(25)とドレイン領域(26)とを自己整合的に形成する。
この際自動的にチャネル形成領域(27)も形成される。
【0007】この後、注入した不純物であるリンの活性
化、イオン注入時における半導体層(22)の損傷をアニー
ルするため、熱処理を行う。なおこの際の熱処理によっ
て非晶質珪素で形成されたゲート電極(24)は結晶化され
る。
【0008】ここで以下のようなことが問題となる。図
2(B) の(28)で示されるように、イオン注入後の熱処理
の工程において、ゲート電極(24)中からリンが拡散し、
ゲート絶縁膜(23)中を突き抜けチャネル形成領域(27)を
N型化してしまう。この結果、チャネル形成領域が有効
に機能しなくなり、TFTの特性が劣化してしまう。
【0009】上記の問題を解決するためには、 (a)熱処理を必要としないドーピングの方法の採用。 (b)熱処理温度の低温化、及び熱処理時間の短時間化。 (c)ゲート電極(24)にイオン注入するリンの濃度を低く
する。 (d)ゲート電極にイオン注入の不要な金属材料を用い
る。 等の方法が考えられるが、(a) の方法はドーピングの方
式自体を変えなくては成らず、現実的ではない。即ち現
在用いている装置や作製工程を利用できない。また(b)
の方法は、熱処理によって得られるチャネル形成領域(2
7)とゲート絶縁膜(23)との界面における界面特性の改
善、イオン注入の際に生じる半導体層(22)のダメージの
回復、等の効果を犠牲にしなければならず、根本的な解
決にはならない。実際には、この熱処理の工程の処理温
度や処理時間とチャネル形成領域への不純物の拡散の程
度とを考慮して適当な許容範囲内で熱処理の条件を設定
し、妥協しているのが現状である。
【0010】(c) の方法を採用した場合、ゲート電極自
体の抵抗が必然的に高くなるので、配線抵抗が高くな
り、TFTの特性を犠牲にしなければならない。
【0011】(d) の方法を採用した場合、イオン注入後
の熱処理工程、さらには後の保護膜の形成等の工程にお
いて、ゲート電極(24)を構成する金属材料の耐熱温度が
問題となるので、熱処理温度が制約される。またゲート
電極が溶融しないまでも、熱処理時において、ゲート電
極(24)を構成する金属材料がチャネル形成領域(27)に拡
散するという問題がある。なお以上の問題は、Nチャネ
ル型TFTであっても、Pチャネル型TFTであっても
本質的には同じであり、またイオン注入する元素に依る
ものでもない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、図2に示す
ような自己整合的な構造を有するTFTの作製におい
て、イオン注入の後に行う熱処理の際に、注入したイオ
ンがゲート電極(23)を突き抜け、チャネル形成領域(27)
に拡散することを防ぐ構造を有するTFT、およびその
作製方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】〔第1の発明〕本発明の
第1は、半導体材料で構成されたゲート電極中における
一導電型を付与する不純物の濃度をゲート絶縁膜に接す
る領域では低く、他の一方の領域では高く、したことを
特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装置、を要旨と
する。
【0014】上記第1の発明は、ゲート電極中における
一導電型を付与する不純物の濃度をゲート電極側では低
くし、ゲート電極と反対側では高くする構造をとること
によって、TFTの作製時においてゲート電極中からゲ
ート絶縁膜を突き抜ける一導電型を付与する不純物の量
を低減させることができるものである。この第1の発明
の構成を実現するための構造として以下の例を挙げるこ
とができる。なお、以下の説明において用いる図3の各
部の構成は、ゲート電極(24)の構造以外に部分において
は、図2において説明したものと同一である。
【0015】図3に示すTFTの構造において、半導体
層で構成されるゲート電極(24)のゲート絶縁膜(23)に接
する側(31)は、一導電型を付与する不純物を低い濃度で
含み、ゲート電極(23)に接する側と反対側(32)は、一導
電型を付与する不純物を高い濃度で含んでいる。
【0016】上記図3に示す構造は、ゲート電極(24)の
形成の際に、成膜の進行に従って、成膜と同時に徐々に
一導電型を付与する不純物を添加していく方法、または
ゲート電極を多層構造とし、一層ずつ一導電型を付与す
る不純物の濃度を変えて成膜する方法、を採ることで実
現される。
【0017】〔第2の発明〕第2の本発明は、半導体材
料で構成された2層構造のゲート電極を有し、ゲート絶
縁膜に接する側の層には一導電型を付与する不純物が低
い濃度で含まれ、ゲート絶縁膜に接しない側の層には、
前記一導電型を付与する不純物が高い濃度で含まれ、て
いることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装
置、を要旨とするものである。
【0018】上記第2の発明は、前記第1の発明を具体
化した一つの構成である。具体的には、図3に示す構造
において、ゲート電極(24)を2層構造とし、ゲート電極
(23)に接する面側の層(この場合(31)で示される部分に
設けられている)は、一導電型を付与する不純物を低い
濃度で含み、ゲート電極に接する面と反対側の層(この
場合(32)で示される部分に設けられている)は、一導電
型を付与する不純物を高い濃度で含んでいる構成を挙げ
ることができる。
【0019】〔第3の発明〕第3の発明は、半導体材料
で構成された多層構造のゲート電極を有し、ゲート絶縁
膜に接する側の層には一導電型を付与する不純物が低い
濃度で含まれ、ゲート絶縁膜に接しない側の層には、前
記一導電型を付与する不純物が高濃度に含まれ、ている
ことを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装置、を
要旨とする。
【0020】上記第3の発明は、前記第1の発明におい
て、ゲート電極を多層構造とした場合の構造に当たる。
また層の数を2層に限定した場合は、前記第2の発明と
同一なものとなる。
【0021】〔第4の発明〕第4の発明は、多層の半導
体層で構成されたゲート電極を有する絶縁ゲート型電界
効果半導体装置の作製方法であって、ゲート絶縁膜上に
実質的に真性の第1の半導体層を形成する工程と、前記
第1の層上に一導電型を付与する不純物を添加しつつ第
2の半導体層を形成する工程と、を有することを特徴と
する絶縁ゲート型電界効果半導体装置の作製方法、を要
旨とする。
【0022】上記第4の発明は、前記第3の発明を実現
する際の作製方法に関する。即ち、ゲート電極を形成す
るに際して、ゲート絶縁膜に接する第1層を実質的に真
性な半導体層として形成し、第1の層上に形成される第
2の層の形成の際には、一導電型を付与する不純物を添
加することを特徴とするものである。
【0023】上記構成をとることによって、イオン注入
及びその後の熱処理によるソースドレイン領域の形成の
際に、実質的な第1の層(例えば、図3でいうと(31)の
部分に相当する)がいわゆるバッファー層となり、第2
の層(例えば、図3でいうと(32)の部分に相当する)に
添加されている一導電型を付与する不純物が、ゲート絶
縁膜を突き抜けてチャネル形成領域に拡散することを低
減、あるいは実用上防止することができる。当然第1の
層には第2の層から一導電型を付与する不純物が拡散す
る。なお、この際第1の層が一導電型化していることが
好ましい。
【0024】また、第2の層に一導電型を付与する不純
物を多量に添加することによって、ゲート電極自体の電
気抵抗を十分下げることができる。
【0025】〔第5の発明〕第5の発明は、多層の半導
体層で構成されたゲート電極を有する絶縁ゲート型電界
効果半導体装置の作製方法であって、ゲート絶縁膜上に
低濃度に一導電型を付与する不純物をドーピングしつつ
第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の層上に前
記不純物を前記第1の層よりも高濃度に添加しつつ第2
の半導体層を形成する工程と、を有することを特徴とす
る絶縁ゲート型電界効果半導体装置の作製方法、を要旨
とするものである。
【0026】上記第5の発明は、前記第4の発明の変形
であって、ゲート電極に接する第1の層(例えば、図3
でいうと(31)の部分に相当する)にも実用上問題となら
ない程度に一導電型を付与する不純物の添加を行うもの
である。勿論、第1の層に添加される一導電型を付与す
る不純物の添加量は、該不純物が後に行われるソース・
ドレイン領域形成のためのイオン注入工程及び熱処理工
程において、ゲート電極を突き抜けてチャネル形成領域
に拡散することを考慮して決めなければならない。即
ち、一導電型を付与する不純物の拡散が問題とならない
程度に不純物の量を第1の層中に添加しなければならな
い。
【0027】〔第6の発明〕第6の発明は、半導体材料
で構成されたゲート電極を有する絶縁ゲート型電界効果
半導体装置の作製方法であって、一導電型を付与する不
純物をドーピングしつつゲート絶縁膜上にゲート電極を
形成する工程を有し、該工程において、成膜開始時にお
いては不純物のドーピングを行わず、成膜が進行すると
ともに、連続的あるいは段階的にドーピング濃度を高く
する、ことを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装
置作製方法、を要旨とする。
【0028】上記第6の発明は、単一の層で構成された
ゲート電極の構造において、成膜開始時においては成膜
を行わず、成膜が進行したところで、一導電型を付与す
る不純物を添加して成膜を行うことによって、イオン注
入及び熱処理後において、図3の例でいうと、(31)の領
域のドーピング濃度を低く、(32)の領域のドーピング濃
度を高く、するものである。
【0029】〔第7の発明〕第7の発明は、半導体材料
で構成されたゲート電極を有する絶縁ゲート型電界効果
半導体装置の作製方法であって、一導電型を付与する不
純物をドーピングしつつゲート絶縁膜上にゲート電極を
形成する工程を有し、該工程において、成膜開始時にお
いては低濃度で不純物のドーピングを行い、成膜が進行
するとともに、連続的あるいは段階的にドーピング濃度
を高くすることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導
体装置作製方法、を要旨とする。
【0030】上記第7の発明は、前記第6の発明におい
て、ゲート絶縁膜に接する領域(例えば、図3でいうと
(31)の領域)に低濃度で一導電型を付与する不純物を添
加したものである。この第7の発明においても、後のイ
オン注入及び熱処理の工程において、添加された一導電
型を付与する不純物がゲート電極を突き抜けてチャネル
形成領域に拡散しないように、ゲート電極の成膜開始時
において添加する不純物の量を決定しなければならな
い。
【0031】ゲート電極のゲート絶縁膜側をノンドープ
半導体、または低濃度半導体とし、その上に高濃度半導
体を形成することにより、ゲート電極をマスクとしてイ
オン注入によりソース・ドレイン領域を形成する際にお
いて、ゲート電極中からゲート絶縁膜を突き抜けてゲー
ト電極中に添加された一導電型を付与する不純物が拡散
する問題を解決することができる。そして同時に、ゲー
ト電極の低抵抗化を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕以下本発明を利用し
た実施例を示す。本実施例の基本構造を図1に示す。図
1において、(11)はガラス基板であり、(12)が結晶性珪
素の半導体層(1500Å厚)であり、(13)がゲート絶縁膜
となる酸化珪素膜(1000Å厚)であり、(14)がゲート電
極を構成するノンドープの珪素半導体層であり、(15)が
(14)とともにゲート電極を構成する高濃度にリンをドー
プした珪素半導体層(2000Å厚)である。なおリンイオ
ンの珪素半導体層(15)へのドーピングの濃度は、1×10
21cm-3である。
【0033】本実施例は上記構成において、ノンドープ
の珪素膜(14)の厚さを0Å(即ち、ノンドープの珪素膜
(15)がない状態)、100Å、200Å、300Å、400Åと4段
階に変化させた場合におけるチャネル形成領域(17)とゲ
ート絶縁膜(13)との界面におけるリンの濃度の関係を計
算によって調べたものである。
【0034】即ち、チャネル形成領域(17)とゲート絶縁
膜(13)との界面におけるリンの濃度を調べることによっ
て、チャネル形成領域(17)に珪素膜(15)からどの程度リ
ンが拡散したかを知ることができ、このことから、ノン
ドープの珪素膜(14)の効果を知ることができる。
【0035】〔TFTの作製方法〕まず、図1に示す本
実施のTFTの作製方法を以下に説明する。まず、ガラ
ス基板(11)上に非晶質珪素半導体層(12)を周知の減圧C
VD法によって1000Åの厚さに成膜する。成膜条件は以
下の通りである。 圧力 0.5 Torr 温度 520℃ 成膜ガス SiH4 200sccm
【0036】つぎに、非晶質珪素半導体層(12)を加熱に
より結晶化させる。結晶化条件は以下の通りである。 圧力 常圧 温度 600℃ 時間 48時間 雰囲気 N2
【0037】つぎに非晶質珪素半導体層(12)上にゲート
絶縁膜となる酸化珪素膜(SiO2)を1000Åの厚さにマグネ
トロンスパッタ法によって形成する。成膜条件は以下の
通りである。 RF電力(13.56MHz) 400 W 圧力 0.5Pa 雰囲気(スパッタガス) O2 基板温度 150 ℃
【0038】つぎに、ゲート絶縁膜(13)上にゲート電極
を構成する第1の半導体層であるノンドープの珪素半導
体層(14)を減圧CVD法によって必要とする膜厚に成膜
する。成膜条件は以下の通りである。 成膜温度 640 ℃ 成膜圧力 0.5Torr 成膜ガス SiH4 200sccm
【0039】つぎにノンドープの珪素半導体層(14)上に
ゲート電極を構成する第2の半導体層として高濃度にリ
ンが添加された珪素半導体層(15)を減圧CVD法により
成膜する。成膜条件は以下の通りである。 成膜温度 600 ℃ 成膜圧力 0.5Torr 成膜ガス PH3/SiH4=0.5 % 200sccm 上記成膜の結果、リンが1×1021cm-3の濃度にドーピン
グされた珪素半導体層(15)が形成される。
【0040】つぎにリンのイオン打ち込みを行い、ソー
ス領域(16)、ドレイン領域(18)、チャネル形成領域(17)
を自己整合的に形成する。この工程において、ソース領
域(16)とドレイン領域(18)へはリンが1.7×1019cm-3
度の濃度に注入される。
【0041】上記イオン注入後に熱処理を行い、リンイ
オンの活性化、イオン打ち込みに従う損傷のアニールを
行う。熱処理条件は以下の通りである。 処理温度 600 度 処理時間 24時間 処理雰囲気 N2 ガス 処理圧力 常圧
【0042】さらに必要に応じてソース電極、ドレイン
電極、ゲート電極の配線等を形成する。(図示せず) 本実施例においては、ゲート電極を2層構造としたが、
これを多層構造とすることもできる。この場合、ゲート
絶縁膜に接する層から段階的にドーピング濃度を変化さ
せるが有効である。
【0043】〔評価方法〕図4に、図1の構成を採用
し、ノンドープの珪素半導体層(14)の厚さを0Å〜400
Åへと100Å毎に膜厚を変化させていった場合の、チャ
ネル形成領域(17)とゲート絶縁膜(13)との界面付近にお
けるリンの濃度を計算によって求めたものを示す。計算
の仕方は、リンの濃度が分かっている珪素膜(15)中のリ
ン濃度を基にして、600 度の温度におけるノンドープの
珪素膜(14)とゲート絶縁膜(13)におけるリンの拡散を計
算し、600 度で24時間熱処理をした結果、ゲート絶縁膜
(13)を突き抜けたリンが、チャネル形成領域(17)とゲー
ト絶縁膜(13)との界面付近にどれほどの濃度で存在する
か求めたものである。
【0044】〔評価結果〕図4に示すように、ゲート電
極部分にノンドープ珪素半導体層(14)を設け、その厚さ
を厚くしていくことにより、チャネル形成領域(17)とゲ
ート絶縁膜(13)との界面付近におけるリンの濃度を下げ
ることができる。特にノンドープ珪素半導体層(14)の厚
さを400Å以上とすれば、ゲート電極上層に7×1021/c
m3程度の濃度にリンをドーピングした場合であっても、
チャネル形成領域(17)とゲート絶縁膜(13)との界面付近
におけるリンの濃度を1×1010/cm3程度にまで下げる
ことができ、熱処理におけるリンの異常拡散や、作製工
程におけるリンの混入を考えてもその影響を十分下げる
ことができることが分かる。
【0045】〔実施例2〕本実施例は、実施例1で示し
たTFTにおいて(14),(15) で構成されるゲート電極を
単層の珪素膜としたものである。ゲート電極の構成及び
作製方法以外は実施例1において説明したのと同様であ
る。従って本実施例においては、ゲート電極の作製方法
について説明する。
【0046】本実施例にけるTFTの基本構造を図5に
示す。ゲート電極(51)部分以外は図1に示すものと同様
の構成であり、符号も図1のものと同様である。図5に
示すTFTはゲート電極(51)が珪素半導体で形成されて
おり、その抵抗を下げるためにドーピングしてあるリン
が、濃度が変化されてドーピングされていることを特徴
とするものである。
【0047】本実施例におけるゲート電極(51)の厚さは
2000Åであり、(52)で示される400Å厚の下層部分には
作製時においてリンのドーピングがされず、(53)で示さ
れる1600Å厚の上層部分には成膜時にリンが高濃度(1
×1021cm-3)に添加される。作製方法は、まずLPCV
D法等の気相法によってゲート電極(51)となる珪素膜を
形成する際に、最初リンをドーピングするための原料ガ
スであるフォスフィン(PH3)を反応室に導入せずに成膜
を行ない400Å厚の珪素膜を(52)として形成する。そし
て成膜途中のある時点でフォスフィンを反応室に導入す
ることによって、その後の成膜はリンがドーピングされ
た珪素膜を(53)として1600Åの厚さに成膜する。
【0048】この工程は従来の作製工程において単に成
膜途中において反応室に一導電型を付与する不純物を含
む反応性気体を加えるだけでよいため、工業的にも有用
である。
【0049】また上記構成において、ある時点でフォス
フィンを導入するのではなく、成膜開始にはフォスフィ
ンを導入せず、徐々にその添加を増やしていくことに
よって、濃度勾配を与えてやる方法でもよい。この方法
を用いると、ゲート電極(51)とゲート絶縁膜(13)との界
面においては、リン濃度が低く、ゲート電極(51)の上面
即ちゲート電極(51)と接する面側とは反対側の面におい
てはリンの濃度が高くその抵抗が低い、という構成を実
現することができる。
【0050】〔本発明を利用したその他の構成につい
て〕以下本発明を利用した他の構成について説明する。
以上においては、本発明を利用した基本的構造を有する
Nチャネル型TFTを実施例を示したが、ゲート電極を
マスクとして用い、半導体に一導電型を付与する不純物
をイオン注入し、熱処理を行うことによって、ソース領
域とドレイン領域、さらにはチャネル形成領域を自己整
合的に形成する方式のTFTにおいて、本発明が利用で
きることはいうまでもない。また半導体の種類も珪素に
限定されるものではない。さらに半導体の結晶性も非晶
質、微結晶、多結晶等を用いることができ、特に限定さ
れるものではない。
【0051】また本発明は、イオン注入を用いる方法以
外の方法で作製するTFTにおいて、ゲート電極からの
不純物のチャネル形成領域への拡散を防ぐ構成、または
そのプロセスとして利用することができる。
【0052】
【発明の効果】ゲート電極をマスクとして用いて一導電
型を付与する不純物をイオン注入によってドーピングを
行ない、ソース領域とドレイン領域とを自己整合的に形
成するTFTにおいて、ゲート電極を2層に、ゲート絶
縁膜側から一導電型を付与する不純物がノンドープの珪
素膜、一導電型を付与する不純物が高濃度にドープされ
た珪素膜、と積層して設けることにより、ゲート電極自
体の抵抗を下げると同時に、イオン注入時及びその後の
熱処理時における前記不純物の拡散に起因するチャネル
形成領域へ悪影響を防ぐことができる。
【0053】また、結晶性珪素(一般にポリシリコンと
も言われる)を用いたTFTにおいては、そのしきい値
の絶対値が高くなるという問題が存在する。この問題を
解決するためには、ゲート絶縁膜の厚さを薄くすること
が有効であるが、前述のように、ゲート電極に半導体材
料を用いた場合には、熱処理工程におけるゲート絶縁膜
を突き抜ける不純物の存在が問題となるので、ゲート電
極を薄くすることは問題があった。
【0054】しかしながら、本発明の構成を利用した場
合、ゲート電極を突き抜ける不純物の問題をゲート電極
の構造を工夫することによって解決できるので、ゲート
絶縁膜の厚さを、ゲート絶縁膜の耐圧、成膜の際のステ
ップカバレッジ、成膜分布等の条件が許す限り、薄くす
ることができる。よってゲート絶縁膜を薄く形成して、
必要とする低いしきい値を有するTFTを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のTFTの基本構造を示す。
【図2】従来のTFTの基本構造を示す。
【図3】実施例のTFTの基本構造を示す。
【図4】実施例において、成膜時にドーピングを行わな
い珪素膜(ノンドープ珪素膜)の厚さを変化させていっ
た場合のチャネル形成領域とゲート絶縁膜との界面にお
ける不純物濃度(計算値)を示す。
【図5】実施例のTFTの基本構造を示す。
【符号の説明】
21 ガラス等の絶縁基板 25 ソース領域 26 ドレイン領域 27 チャネル形成領域 22 薄膜半導体層 23 ゲート絶縁膜 24 ゲート電極 11 ガラス基板 12 半導体層 13 ゲート絶縁膜 14 ゲート電極を構成するノンドープの珪素半導体
層 15 ゲート電極を構成するリンをドープした珪素半
導体層 17 チャネル形成領域 16 ソース領域 18 ドレイン領域 51 ゲート電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−268213(JP,A) 特開 昭55−151366(JP,A) 特開 平4−225281(JP,A) 特開 平5−55560(JP,A) 特開 昭61−190981(JP,A) 特開 平1−292860(JP,A) 特開 平3−44032(JP,A) 特開 平1−276726(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/336 H01L 21/28 301 H01L 29/43 H01L 29/78 H01L 29/786

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体膜上にゲート絶縁膜となる酸化珪
    素膜を形成し、 前記酸化珪素膜上に、一導電型を付与する第1の不純物
    が導入された半導体材料からなるゲート電極をCVD法
    で形成し、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体膜中に一導
    電型を付与する第2の不純物を添加し、 前記半導体膜を加熱して、前記半導体膜中に添加された
    前記第2の不純物を活性化する絶縁ゲート型電界効果半
    導体装置の作製方法であって、 前記酸化珪素膜は、前記半導体膜を酸素でスパッタする
    ことにより形成され、 前記ゲート電極は、前記CVD法において、前記第1の
    不純物を有するガスが形成開始時には含まれず、形成に
    つれて連続的にガス濃度を増加させながら含ませること
    により形成されることを特徴とする絶縁ゲート型電界効
    果半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 半導体膜上にゲート絶縁膜となる酸化珪
    素膜を形成し、 前記酸化珪素膜上に、一導電型を付与する第1の不純物
    が導入された半導体材料からなるゲート電極をCVD法
    で形成し、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体膜中に一導
    電型を付与する第2の不純物を添加し、 前記半導体膜を加熱して、前記半導体膜中に添加された
    前記第2の不純物を活性化する絶縁ゲート型電界効果半
    導体装置の作製方法であって、 前記酸化珪素膜は、前記半導体膜を酸素でスパッタする
    ことにより形成され、 前記ゲート電極は、前記CVD法において、前記第1の
    不純物を有するガスが形成開始時に低濃度で含まれ、形
    成につれて連続的にガス濃度を増加させることにより形
    成されることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体
    装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記CVD法は減圧CVD法であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ゲート型電界
    効果半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体膜は非晶質、微結晶もしくは
    多結晶の半導体からなることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか一に記載の絶縁ゲート型電界効果半導体装
    置の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の不純物はリンであることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の絶縁ゲー
    ト型電界効果半導体装置の作製方法。
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