JP3360531B2 - 色再現域判定方法及び装置 - Google Patents

色再現域判定方法及び装置

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JP3360531B2 JP17390596A JP17390596A JP3360531B2 JP 3360531 B2 JP3360531 B2 JP 3360531B2 JP 17390596 A JP17390596 A JP 17390596A JP 17390596 A JP17390596 A JP 17390596A JP 3360531 B2 JP3360531 B2 JP 3360531B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色再現域判定方法
及び装置にかかり、色再現装置で色再現できる色情報値
を判定する色再現域判定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多数色の原稿や物体の複写物を作成する
ときや多数色の原稿や物体を忠実に表示させるときのた
めに、色を表現する方法の1つとして色分解値がある。
この色分解値は一般的には、印刷では減法混色のCMY
K(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)、表示で
は加法混色のRGB(レッド、グリーン、ブルー)が用
いられる。この色分解値を用いれば、原稿や物体の各色
を再現できる。
【0003】近年、実際に多数色の原稿や物体の複写物
を作成する以前に、作成されるべき色を検討する所謂カ
ラーデザインが行われている。このような作成されるべ
き色を検討するために用いられるものとして、原稿や物
体の各色を再現して表示装置上に表示するシミュレーシ
ョン装置や、原稿や物体の各色を再現してプリントを作
成するハードコピー装置等の色再現装置が知られてい
る。この色再現装置では、多数色の原稿や物体の色分解
値を表示装置のデバイス値、例えばTV信号やデジタル
RGB出力値(以下、RGB値という)、またはハード
コピー装置に備えられた色材の色材量(以下、CMYK
値という)に変換して表示または出力する。これによっ
て、多数色の原稿や物体の複写物を再現した色で表示ま
たは出力できる。
【0004】ところが、上記の色分解値は、原稿や物体
の色を特定するための装置の特性や色分解値をデバイス
値に変換する装置の特性に依存する。例えば、色を特定
するために原稿や物体を照射するための光源や測色装置
が異なれば、原稿や物体の色は異なる色分解値となる。
また、デバイス値への変換特性が異なれば、原稿や物体
の色は異なる色で再現される。
【0005】そこで、従来より、再現すべき色が色を特
定するための装置の特性に依存せず、どのような装置で
あっても原稿等の色と同一の色を表す値を表現するため
に、色を装置に依存しない色情報値に一度変換(中間表
現法)している。このような、色を装置に依存しない色
情報値として、CIE(Commission Internationale de
I'Eclairage)が規定したCIE XYZ値(以下、XY
Z値という)、または均等知覚色空間CIE L* *
* 値(以下、Lab値という)等の色彩値がある。
【0006】これら色情報値としてのXYZ値、また
は、Lab値等の色彩値を用い、原稿や物体の色を表す
RGB値やCMYK値等の色分解値を色彩値へ変換した
後に、色修正を行う、所謂デバイスインディペンデント
に色を再現していた。このように、装置に依存しない色
彩値の一致によって、多数色の原稿等について異なる色
再現装置であっても安定した精度で色再現することがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原稿や
物体の色を再現するためのRGB値やCMYK値等の色
分解値は色再現装置に依存するので、RGB値やCMY
K値等の色分解値と色彩値との対応が存在しない場合が
ある。すなわち、L* * * 値やXYZ値は、光源の
分光分布と原稿や物体の対象表面の分光反射率や分光透
過率、及び等色関数によって定義され、理論的に任意の
値が設定できる。一方、従来の色再現装置は、原稿等の
色を再現するときのデバイス値が許容範囲または採り得
る値を有しているので、この色再現装置において色再現
が可能な色分解値には色再現装置毎に色再現可能範囲が
ある。従って、色再現装置は、色再現可能範囲以外の色
分解値による原稿や物体の色を精度よく色再現すること
ができない。このため、再現した色は原稿等の色に一致
しないという問題がある。
【0008】このため、従来は、色再現装置で再現可能
な色彩値を求めて、この色彩値を用いて色彩値空間座標
系における再現可能空間を定め、再現可能空間の内部
に、再現すべき色彩値が含まれているか否か判断するこ
とによって、再現可能か否かを判定していた。この判定
は、再現可能空間をポリゴンで近似し判定したり、色彩
値空間座標系の所定平面への写像領域へ投影し判定した
り、これらを組み合わせて判定したりしていた。しかし
ながら、従来のように、色彩値空間座標系上における判
定は、膨大な演算量や演算時間を必要としていた。
【0009】本発明は、上記事実を考慮して、所定色を
色再現する色再現装置に入力する色情報値について色再
現可能な色情報値を容易に判定できる色再現域判定方法
及び装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明の色再現域判定方法は、複数の
色材を各々所定の色材量で組み合わせて出力することに
よって所定色を再現する色再現装置へ入力すべき色情報
値であると共に、該所定色を表す所定の表色系の色情報
値を、前記色再現装置で用いる複数の色材の各色材量に
変換し、変換された各色材量を、該各色材量の組み合わ
せにより前記色再現装置において形成されるべき変換色
の色情報値に変換し、前記所定色の色情報値と前記変換
色の色情報値との差を求め、求めた差が所定値以内のと
きに、前記所定色の色情報値は色再現可能な色情報値で
あると判定する。
【0011】請求項1の発明では、所定色を表す所定の
表色系の色情報値を、色再現装置で用いる複数の色材の
各色材量に変換する。この色情報値は、色再現装置で所
定色を再現するために色再現装置へ入力すべき値であ
り、XYZ値、または、Lab値等の色彩値を用いるこ
とができる。この各色材量は許容範囲または採り得る値
を有しているので、実質的に得られる各色材量はこれら
許容範囲または採り得る値の中から最も近い値が選択さ
れる等によって変換される。これら変換された各色材量
は、各色材量の組み合わせにより色再現装置において形
成されるべき変換色の色情報値に変換される。ここで、
実質的に得られる各色材量は許容範囲または採り得る値
の中から定まるので、前記所定色の色情報値と変換色の
色情報値とに差異が生じることがある。そこで、所定色
の色情報値と変換色の色情報値との差を求める。所定色
が色再現装置で再現可能であるときには、変換色の色情
報値は所定色の色情報値に一致または近傍の値となり、
求めた差は小さいはずである。従って、求めた差が所定
値以内のときに、前記所定色の色情報値は色再現可能な
色情報値であると判定できる。
【0012】前記色再現域判定方法は、請求項2に記載
の発明の色再現域判定装置によって実現できる。本発明
の色再現域判定装置は、複数の色材を各々所定の色材量
で組み合わせて出力することによって所定色を再現する
色再現装置へ入力すべき色情報値であると共に、該所定
色を表す所定の表色系の色情報値を入力するための入力
手段と、入力された所定色の色情報値を、前記色再現装
置で用いる複数の色材の各色材量に変換する第1変換手
段と、変換された各色材量を、多変量解析することによ
って該各色材量の組み合わせにより前記色再現装置にお
いて形成されるべき変換色の色情報値に変換する第2変
換手段と、前記所定色の色情報値と前記変換色の色情報
値との差を求める演算手段と、求めた差が所定値以内の
ときに、前記所定色の色情報値は前記色再現装置におい
て色再現可能な色情報値であると判定する判定手段と、
を備えている。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の色再現域判定装置において、前記第1変換手段は、入
力された色情報値を、前記色再現装置で用いる複数の色
材の各色材量に変換するように学習された多層フィード
フォワード型ニューラルネットワークであることを特徴
とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の色再現域判定装置において、前記第2変換手段は、変
換された各色材量を、該各色材量の組み合わせにより前
記色再現装置において形成されるべき変換色の色情報値
に変換するように学習された多層フィードフォワード型
ニューラルネットワークであることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の色再現域判定装置において、前記第1変換手段は、前
記色情報値と、該色情報値に対応する前記色再現装置で
用いる複数の色材の各色材量との対応関係を記憶したル
ックアップテーブルであることを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の色再現域判定装置において、前記第2変換手段は、前
記色再現装置で用いる複数の色材の各色材量と、該各色
材量によって色再現装置で形成されるべき変換色の色情
報値と、の対応関係を記憶したルックアップテーブルで
あることを特徴とする。
【0017】請求項2の発明では、入力手段によって、
複数の色材を各々所定の色材量で組み合わせて出力する
ことによって所定色を再現する色再現装置へ入力すべ
き、該所定色を表す所定の表色系の色情報値が入力され
る。この色情報値は請求項1の発明と同様に、XYZ
値、または、Lab値等の色彩値を用いることができ
る。入力された所定色の色情報値は、第1変換手段にお
いて、色再現装置で用いる複数の色材の各色材量に変換
される。この第1変換手段は、請求項3に記載したよう
に、入力された色情報値を、色再現装置で用いる複数の
色材の各色材量に変換するように学習された多層フィー
ドフォワード型ニューラルネットワークで構成すること
ができる。周知のように、ニューラルネットワークは、
多数の入出力関係の学習が終了した後にはどのような入
力があっても学習が反映された出力がなされるので、第
1変換手段に色情報値が入力されれば、入力された色情
報値に対応する色再現装置で用いる複数の色材の各色材
量を出力する。また、第1変換手段は、請求項5にも記
載したように、前記色情報値と、該色情報値に対応する
前記色再現装置で用いる複数の色材の各色材量との対応
関係を記憶したルックアップテーブルを用いることがで
きる。このように、ルックアップテーブルを用いれば、
参照するのみの単純な処理で迅速に、入力された色情報
値に対応する色再現装置で用いる複数の色材の各色材量
を出力することができる。
【0018】これら変換された各色材量は、第2変換手
段によって、多変量解析することによって該各色材量の
組み合わせにより色再現装置において形成されるべき変
換色の色情報値に変換される。この第2変換手段は、前
記第1変換手段と略同様に構成することができ、請求項
4に記載したように、変換された各色材量を、該各色材
量の組み合わせにより前記色再現装置において形成され
るべき変換色の色情報値に変換するように学習された多
層フィードフォワード型ニューラルネットワークを用い
ることができ、また、請求項6に記載したように、前記
色再現装置で用いる複数の色材の各色材量と、該各色材
量によって色再現装置で形成されるべき変換色の色情報
値と、の対応関係を記憶したルックアップテーブルを用
いることができる。
【0019】上述のように、実質的に得られる各色材量
は許容範囲または採り得る値の中から定まり、前記所定
色の色情報値と変換色の色情報値とに差異が生じること
がある。そこで、演算手段では、所定色の色情報値と変
換色の色情報値との差が求められる。この入力された色
情報値による所定色が色再現装置で再現可能であるとき
には、変換色の色情報値は所定色の色情報値に一致また
は近傍の値となり、求まる差は小さいはずである。従っ
て、判定手段においては、求めた差が所定値以内のとき
に、所定色の色情報値は色再現可能な色情報値であると
判定できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。
【0021】まず、本発明の原理を説明する。人が物体
の色を認識する過程は、所定色の光源からの光を反射し
た物体からの反射光を眼球で採取し、各種視覚フィルタ
ー及び眼球の視細胞を介して脳へ伝えられることであ
る。ここで、物体の分光反射率分布または分光透過率分
布(以下、総称して、分光分布という)、光源の分光分
布及び人の視覚特性が、色を認識する際に重要なポイン
トとなる。例えば、任意の色の物体を再現しようとする
ときに再現するために用いる複数色材の各色材量の混合
比の違いや各色材量の違いがわずかな場合でも、人間は
違う色と判断する。
【0022】図2に示すように、任意の色を表現できる
全てのLab値からなる色空間を集合Aとすると共に集
合Aの一部からなる色空間を部分集合Asとし、色再現
装置において採りうる全てのCMY値からなる色空間を
集合Dとすると、Lab値とCMY値の間には変換関係
が成立するので、集合A及び部分集合Asに含まれるL
ab値から集合Dに含まれるCMY値への変換は写像で
ある変換φで表現できる。一方、CMY値からLab値
への変換は変換φの逆変換φ-1で表わせる。
【0023】上述のように、色再現装置は、原稿等の色
を再現するときのデバイス値が許容範囲または採り得る
値を有しているので、この色再現装置において色再現が
可能な色分解値には色再現装置毎に色再現可能範囲があ
る。この色再現可能範囲のLab値からなる色空間が部
分集合Asに対応すると仮定すると、以下の(1)式に
示した関係が成立する。
【0024】 φ(A)=D φ(As)=D φ-1(D)=As ・・・(1)
【0025】この(1)式が成立する条件下では、任意
の色を表したLab値は、以下の(2)、(3)式で表
せる。
【0026】
【数1】
【0027】従って、上記(2)式を用いて、任意の色
を表したLab値が、色再現可能範囲のLab値からな
る色空間が部分集合Asに含まれているか否かを判定で
きる。
【0028】ここで、変換φ及び逆変換φ-1は、正確に
求める必要があるが、演算負荷が膨大であるため、後述
するようにLUTやニューラルネットワークにより近似
的に求めることができる。ところが、近似的に求める場
合には、上記の(3)式に示した、写像による変換関係
が成立しない。そこで、Lab値による色空間上での距
離の概念を導入する。すなわち、図2に示すように、値
1 は、変換φによってCMY値d1 に写像される。こ
の値d1 は、逆変換φ-1によって値a1 ’に逆写像され
る。これらの変換は近似的に求めているので、値a1
値a1 ’は一致しない。そこで、これらの値a1 と値a
1 ’の色空間上の距離S1 を求める。略任意の色を色再
現できるならば、求めた距離は短いはずである。このた
め、予め実験的に求めた判定値Ka未満のときに(S1
<Ka)、色再現可能範囲のLab値からなる色空間内
に値a1 が存在するものと判定する。同様に、値a
2 は、変換φによってCMY値d2 に写像され、逆変換
φ-1によって値a2 ’に逆写像され、距離S2 (S1
Ka<S2 )が求まる。この場合、距離S2 は判定値K
aを越えるため、色再現可能範囲のLab値からなる色
空間外に値a2 が存在するものと判定する。このよう
に、色空間上の距離の長短によって判定する。
【0029】なお、以下の説明では、色彩値はCIE
XYZ、CIE L* * * 、CIE L* * *
等が利用可能である。本実施の形態では、CIE L*
** (Lab値)を用いるが、(測定により得た)
分光分布から次の(4)式に示すCIE XYZの三刺
激値から次の(5)式を用いて導出可能である。
【0030】
【数2】
【0031】次に、本発明の第1実施の形態を説明す
る。本実施の形態は、色彩値が既知の原画像を、表示装
置上でシミュレートする色シミュレーション装置や色再
現してプリントするハードコピー装置の色再現装置にお
いて、任意の色彩値(Lab値)を色分解値(CMY
値)に変換すると共に、その色彩値が色再現装置で再現
可能であるか否かを判定する色変換装置に本発明を適用
したものである。
【0032】図3に示すように、本実施の形態の色変換
装置42は、マイクロコンピュータを含んで構成された
装置本体10、原稿に記録されている画像を読み取るた
めのスキャナ24、画像データ入出力装置26、データ
やコマンドを入力するためのキーボード28、及びモニ
ター30から構成されている。装置本体10は、CPU
12、ROM14、RAM16、光源の色情報等(詳細
は後述)を記憶するためのメモリ18、本体と他の装置
との間でデータ等をやりとりするための入出力装置(以
下、I/Oという)20及びこれらをデータやコマンド
が入出力可能なように接続されたバス22から構成され
ている。なお、ROM14には、後述する処理プログラ
ムが記憶されている。スキャナ24は、色を数値で表現
したデータとして出力するための装置であり、物体(原
稿)に光を照射し、物体からの反射光や透過光の強さを
光電的原理を利用して計測するためのものである。基本
的には、光源と測光器からなる。一方、画像データ入出
力装置26は、数値表現された原画像の色彩値(本実施
の形態ではLab値)が外部記憶手段に記憶されている
場合に、外部記憶手段から読み込むための装置である。
この色彩値はキーボード28から直接入力してもよい。
これらのスキャナ24及び画像データ入出力装置26
は、何れか一方を備えればよい。すなわち、本実施の形
態では色彩値そのものを判定するため、原画像から色彩
値を得る必要がある場合を除いてスキャナ24は特に必
要がない。以下の説明では、画像データ入出力装置26
を用いた場合を説明する。
【0033】図1は本実施の形態の色変換装置42の機
能別概略構成を示すブロック図である。本実施の形態の
色変換装置42では、画像データ入出力装置26から入
力されたLab値を例えば印刷用のCMY値の色分解値
に変換して出力する。その際に色再現域外の色彩値につ
いては警報信号を出力する。
【0034】この色変換装置42は、機能別に、Lab
−CMY変換手段58、変換係数記憶手段60、CMY
−Lab変換手段62、色差演算手段64、比較判定値
記憶手段66、及び比較判定手段68に分類される。L
ab−CMY変換手段58は入力された色彩値であるL
ab値52を色分解値であるCMY値54に変換するた
めのものであり、CMY−Lab変換手段62は変換さ
れたCMY値54を用いて色彩値(L’a’b’値)を
求めるのものである。色差演算手段64は以下に示す
(6)式を用いて、入力されたLab値とCMY値54
の色彩値であるL’a’b’値との色差△Eを求めるた
めのものである。この色差は比較判定手段68において
大小が判定され、色差が大きいとき警報信号56を出力
する(詳細は後述)。変換係数記憶手段60にはLab
−CMY変換手段58及びCMY−Lab変換手段62
において変換時に用いられる変換係数が記憶され、比較
判定値記憶手段66には比較判定手段68において判定
時に用いられる判定値が記憶される。本実施の形態では
この判定値として実験的に求めた△E=3が記憶されて
いる。これらの各手段は、図3に示すハードウェア資源
及び後述するソフトウェア資源を用いて構成される。
【0035】 △E={(L1 −L2 2 +(a1 −a2 2 +(b1 −b2 2 1/2 ・・・(6) 但し、L1 ,a1 ,b1 :入力時のLab値 L2 ,a2 ,b2 :CMY−Lab変換手段62が出力
するLab値
【0036】なお、本実施の形態では、Lab−CMY
変換手段58及びCMY−Lab変換手段62は、後述
するニューラルネットワークで構成された変換機能を有
すると共に、それを学習する学習機能を有している。ま
た、これらLab−CMY変換手段58及びCMY−L
ab変換手段62は、学習機能を有さない変換機能のみ
を有する構成とすることも可能である。すなわち、後述
するように、Lab−CMY変換手段58は、Lab値
を当該Lab値を再現するCMYK値に変換されるべき
CMY値に変換するものであるが、Lab値をCMY値
に変換できればよい。従って、Lab値と当該Lab値
を再現するCMYK値に変換されるべきCMY値との対
応を予め他のニューラルネットワークで学習し、学習さ
れた他のニューラルネットワークの変換係数を入力する
ようにして、この変換係数を用いてLab値をCMY値
に変換してもよい。つまり、変換係数が入力される構成
であれば、変換係数を用いてLab値をCMY値に変換
する変換のみの機能でよい。また、Lab値と当該La
b値を再現するCMYK値に変換されるべきCMY値と
の対応をルックアップテーブルとして記憶して、記憶さ
れたルックアップテーブルを参照することによって、L
ab値をCMY値に変換してもよい。CMY−Lab変
換手段62は逆に、CMY値をLab値に変換できる構
成であればよい。
【0037】Lab−CMY変換手段58は、色彩値
(Lab値)から色分解値(CMY値)への変換のため
に予め構築された変換系で、画像データ入出力装置26
からの色彩値(Lab値)をCMYの色分解値に変換す
る。この変換には、ルックアップテーブルまたはニュー
ラルネットワーク等を用いることができる。
【0038】本実施の形態では、Lab−CMY変換手
段58にニューラルネットワークを採用した場合を説明
する。Lab−CMY変換手段58は、色彩値(Lab
値)の各値毎の入力を可能とするために入力層として色
彩値の数(本実施の形態ではLabの3つ)に応じたニ
ューロンを有し、中間層を介して色分解値(CMY値)
を出力するための出力層として色分解値の数(本実施の
形態ではCMYの3つ)に応じたニューロンを有して各
々のニューロンがシナプスによって結合されたニューラ
ルネットワークを構成している。このLab−CMY変
換手段58は以下に説明する学習処理により学習して、
所望の色彩値から色分解値を求める系を得るものであ
る。
【0039】図4に示すように、Lab−CMY変換手
段58は、ネットワーク74及び教師部76から構成さ
れている。ネットワーク74の入力側は教師76の入力
側と共に接続され、ネットワーク74の出力側は教師7
6の出力側と共に接続されている。教師76の修正信号
出力側はネットワーク74の修正信号入力側に接続され
ている。ネットワーク74には、Labの各値が入力さ
れると共に、CMYKの各色毎に色分解値が出力され
る。入力の色彩値に対応する教師信号TC及び出力の色
分解値に対応する出力信号OCは教師部76に入力さ
れ、教師部76はこれらの差分等から得た修正信号SC
をネットワーク74に出力する。すなわち、ネットワー
ク74に、Labの各値が入力されると、CMYKの各
色毎に色分解値が出力される。学習時には、既知の色彩
値及び色彩値に対応する既知の色分解値は教師信号TC
として教師部76に入力され、出力の色分解値に相当す
る出力信号OCも教師部76に入力される。教師部76
はこれら入力された信号の差分等から得た修正信号SC
をネットワーク74に出力する。
【0040】なお、本実施の形態のLab−CMY変換
手段58では、任意のLab値全てについてCMYの各
値を対応させるため、後述するニューラルネットワーク
の出力層のユニットはシグモイド特性を有するように構
成され、また出力値は選択的に実在するCMYの各値を
対応させている。すなわち、シグモイド特性を有するよ
うに構成されることによって、出力値は実値(正の数)
となるが、その出力値が実在するCMYの値にならない
場合が考えられる。このように、実在するCMYの値に
ならない場合を回避するため、出力値を実在の値に選択
的、例えば、出力値に最も近い実在の値や出力値の端数
を切り上げたり切り下げたりした値に対応させることが
できる。
【0041】このLab−CMY変換手段58に用いら
れているニューラルネットワークの一例としては、図5
に示すように、色分解値としてのY,M,Cの3つのユ
ニットI1、I2、I3から成る入力層、多数のユニッ
トMq(q≧1)から成る中間層、及び3から6個の出
力ユニットU1, U2, ・・・・Unから成る出力層か
ら構成されている。なお、本実施の形態では出力として
CMYの3値を用いているため、出力層のユニットは最
小3個でよいことになる。色分解値として、印刷等に用
いられるCMYKの4色を用いる場合には、出力層のユ
ニットは最小4個でよく、また表示装置等の色分解値と
してRGBの3色を用いる場合にはR,G,Bの3個で
よい。また、中間層の各ユニット及び出力層の各ユニッ
トはバイアスユニットに接続されている。
【0042】中間層のユニットは入出力関係がシグモイ
ド関数によって表される神経回路素子により構成され、
入力層のユニットは入出力関係が線形の神経回路素子で
構成されている。また、出力層のユニットは上記で説明
したようにシグモイド特性を有するように神経回路素子
で構成するが、これに限定されるものではなく、入力層
のユニットと同様に入出力関係が線形の神経回路素子で
構成してもよい。
【0043】Lab−CMY変換手段58では、Lab
値がその入力として与えられると、ネットワークの中間
層のユニットからは次の(7)式に従った出力Hjが出
力される。
【0044】
【数3】
【0045】但し、W(h) ijは入力層のi番目のユニッ
トと中間層のj番目のユニットの結合係数(すなわち重
み)を表し、Ii は入力層のi番目のユニットの出力
(すなわち色情報値)、bj はバイアスユニットから供
給されるバイアス値を表す。また、出力層のユニットの
出力Ok も同様に次の(8)式のように表される。
【0046】
【数4】
【0047】但し、W(O) jkはj番目の中間ユニットと
k番目の出力ユニットの結合係数を表し、またHj
(7)式で定義される中間層のj番目のユニットの出力
値である。また、n、m、uはそれぞれ入力層、中間
層、出力層の各々のユニット数である。
【0048】従って、入力層のユニットへ色彩値を入力
することによって、出力層のユニットから出力Ok とし
て少なくとも3つのCMYの値が出力される。
【0049】なお、上記の入力層の各ユニットの特性は
入力をそのまま出力するような特性であり、また、中間
層のユニットの結合係数は次の(9)式で定義される
[0,1]の間で単調増加するシグモイド関数で表され
る特性である。 f(x)=1/(1+e-x) ・・・(9)
【0050】また、出力層のユニットはシグモイド関数
あるいは線形関数で表される特性である。ただし、出力
層はバイアスユニットからの入力があってもよい。
【0051】このニューラルネットワークの結合係数
は、出力層の各ユニットの出力と色分解値が既知である
教師信号との誤差を最小にするように予め学習・修正さ
れる。すなわち、Lab値からCMY値への変換を学習
する。本実施の形態では、ニューラルネットワークとし
て、フィードフォワード結合型ニューラルネットワーク
を用いており、該ネットワークの学習方法は各種の方法
があるが、例えば、バックプロパゲーションアルゴリズ
ム(ラメルハート[Runmelhert,D.E and McClelland,J.
L.(Eds),"Parallel Distributied Processing",Explora
ation in the Microstructure of Cognition.Vol1,2,MI
T Press,Cammbridge(1989)参照])の最急降下法等を用
いることができる。
【0052】次に、Lab−CMY変換手段58におけ
るニューラルネットワークの学習の処理の詳細を図6を
参照してさらに説明する。この学習時には、本実施の形
態では、学習時に用いる教師データとして、色分解値の
CMYを各々20%づつ変動させた216組のCMY値
により画像を形成し、形成された画像を測色機で測色し
た測定値をLab値を求め、このLab値を入力教師デ
ータとすると共に、216組のCMY値を出力教師デー
タとしている。
【0053】まず、ステップ200では、予め測定され
た、CMYの色分解値が既知の色票の色彩値の測定値を
読み取る。次のステップ202では、色分解値が既知の
複数の色票の色彩値を入力信号とし、色票のCMYの色
分解値を教師信号として各々ニューラルネットワークに
入力し、次のステップ204で学習させる。すなわち、
ネットワークの出力と教師信号との誤差を最小にするよ
うに学習される。以上の処理が終了し(ステップ20
6)、ニューラルネットワークの学習が十分に行われた
後に、ステップ208でネットワークの構造、ウェイト
をメモリ18(変換係数記憶手段)に記憶し、変換系の
構築を終了する。このように、学習することによってL
ab−CMY変換手段58では、色彩値であるLab値
が入力されると、色分解値である少なくとも3つのCM
Y値を出力する。
【0054】なお、CMY−Lab変換手段62は、L
ab−CMY変換手段58によって変換された色分解値
を色彩値に変換し、この色彩値を出力するものである
が、Lab−CMY変換手段58と同様の構成であるた
め、詳細な説明を省略する。
【0055】次に、本実施の形態の色変換装置42の作
動を図7のフローチャートを参照してさらに説明する。
上述のようにしてLab−CMY変換手段58及びCM
Y−Lab変換手段62の学習が終了し、色変換装置4
2の電源が投入または色変換実行開始の指示がキーボー
ドよりなされると、図7のステップ100へ進み、色変
換すべき原稿の色彩値が画像データ入出力装置26から
読み取られ、次のステップ102でLab−CMY変換
手段58の第1変換係数、CMY−Lab変換手段62
の第2変換係数、及び比較判定値が読み取られる。次の
ステップ104では、読み取った色彩値が少なくとも3
つの色分解値(CMY)に変換され、変換された色分解
値(CMY)が出力される。
【0056】次のステップ106では、変換された色分
解値を色彩値(L’a’b’)に変換する。これらステ
ップ104の処理は上記説明したように学習されたニュ
ーラルネットワークのLab−CMY変換手段58の動
作に相当し、ステップ106の処理はCMY−Lab変
換手段56の動作に相当する。次のステップ108で
は、読み取った色彩値(Lab)と変換により得た色彩
値(L’a’b’)との色差を求める。このステップ1
08は上記色差演算手段64の動作に相当する。次のス
テップ110では、ステップ102で読み取った比較判
定値(△E=3)を用いて、ステップ108で求めた色
差から読み取った色彩値が色再現域内か否かを判定す
る。この色再現域としては、本実施の形態では比較判定
値として△E=3を用いているので、Lab色空間上に
形成されるが、一例としてL=50のときの断面を図8
に斜線部分として示した。
【0057】読み取った色彩値が色再現域内であるとき
は(ステップ112で肯定判断)そのまま本ルーチンを
終了し、色再現域外の場合には(ステップ112で否定
判断)次のステップ114で警報信号を出力して本ルー
チンを終了する。これらステップ110〜114の処理
は比較判定手段の動作に相当する。
【0058】このように、本実施の形態の色変換装置で
は、入力された色彩値を色分解値に変換すると共に、変
換した色分解値を再度色彩値に逆変換し、入力された色
彩値と逆変換により得た色彩値との色差から入力された
色彩値が色再現装置で再現できる色か否かを判定するの
で、印刷や表示等において色再現画像を形成するときに
はそれ以前にその原稿等の色を再現できるか否かを容易
に判定することができる。従って、本色変換装置を用い
れば、原画像を色再現するときの色再現装置の再現状態
を容易に判定できる。
【0059】次に、第2実施の形態を説明する。本実施
の形態は、原画像をプリントするハードコピー装置(以
下プリンタという)へ、任意の色彩値(Lab値)をプ
リンタのデバイス値である色分解値(CMY値)に変換
して出力すると共に、その色彩値がプリンタで再現不能
であるとき警告マークを表示及び印刷する色変換装置に
本発明を適用したものである。なお、本実施の形態は上
記実施の形態と略同様の構成であるため、同一部分には
同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0060】図9に示すように、本実施の形態の色変換
装置43では、入力されたデバイス値に応じた原画像を
プリントするプリンタ32がI/O20に接続されてい
る。なお、本実施の形態では、詳細は後述するが、モニ
ター30にはプリンタ32においてプリントされる原画
像と同様の表示画像が表示される。また、色彩値が色再
現不能であるとき警告マークを表示及び印刷する。
【0061】図10は本実施の形態の色変換装置43の
機能別概略構成を示すブロック図である。本実施の形態
の色変換装置43では、原画像(サンプル色票)をスキ
ャナ24で読み取り測色してLab値を得て、印刷用の
CMYK値の色分解値に変換して出力する。その際に色
再現域外の色彩値については警報信号を出力する。CM
YK値の色分解値を用いてプリンタ32で原画像の再現
画像が記録画像36としてプリントされると共に、モニ
ター30に表示画像38として表示される。
【0062】本実施の形態の色変換装置43は、機能別
に、周辺Lab値発生手段80、Lab−CMYK変換
手段82、記録画像生成手段84、Lab−RGB変換
手段86、及び表示画像生成手段88に分類される。周
辺Lab値発生手段80は、スキャナ24から出力され
た1つのLab値について所定値だけずれた異なる値と
なる複数のLab値を発生させるためのものであり、ス
キャナ24から出力された1つのLab値と発生された
複数のLab値をLab−CMYK変換手段82及びL
ab−RGB変換手段86へ出力する。
【0063】Lab−CMYK変換手段82は入力され
た色彩値であるLab値をプリンタ32の色分解値であ
るCMYK値に変換すると共に、そのLab値が色再現
域外のときに警告信号を出力するためのものであり、複
数の変換手段を含んで構成されている(詳細は後述、図
11)。このLab−CMYK変換手段82は変換した
CMYK値を記録画像生成手段84へ出力すると共に、
警告信号を記録画像生成手段84及び表示画像生成手段
88へ出力する。記録画像生成手段84は、入力された
CMYK値からプリンタ32で形成されるべき記録画像
36(一部を図17に示した。)のデータを生成するた
めのものである。記録画像生成手段84は生成された記
録画像のデータをプリンタ32へ出力する。これによっ
て、プリンタ32では記録画像36が形成される。
【0064】Lab−RGB変換手段86は入力された
色彩値であるLab値をモニター30の色分解値である
RGB値に変換するためのものであり、表示画像生成手
段88は入力されたRGB値からモニター30で形成さ
れるべき表示画像38(図16参照)のデータを生成す
るためのものである。表示画像生成手段88がモニター
30へ表示画像38のデータを出力することによって、
モニター30において表示画像38が表示される。
【0065】すなわち、Lab−RGB変換手段86
は、周辺Lab値発生手段80からの色彩値信号を、画
像を表示するモニター30の特性値を用いてマトリクス
演算によりモニター30で表示するために適したRGB
色分解値に変換する。このマトリクス演算による色彩値
信号からRGB信号への変換は、モニター上ではRGB
の各色は略加法混色が成立すると共に、モニターの色度
仕様値およびVDT特性(γ値)は既知であるため、次
の(10)式を用いて加法混色系における表色系変換を
することができる。
【0066】
【数5】
【0067】なお、Lab−CMYK変換手段82及び
Lab−RGB変換手段86は、上記実施の形態と同様
にニューラルネットワークで構成された変換機能を有す
ると共に、それを学習する学習機能を有している。ま
た、これらの変換には、予め対応関係を求めたルックア
ップテーブルを用いてもよい。図11に示すように、L
ab−CMYK変換手段82は、選択信号発生手段7
0、最小色差選択手段90、比較判定値記憶手段67、
比較判定手段69、カラーマッチング手段82K、82
Y、82M、82Cから構成されている。
【0068】選択信号発生手段70は、Lab−CMY
K変換手段82に入力されたLab値53をCMYK値
に変換するカラーマッチング手段82K、82Y、82
M、82Cの何れかを選択するための選択信号71(図
12)を発生するためのものである。この選択信号71
はLab−CMYK変換手段82に入力されたLab値
53に最適なカラーマッチング手段(例えば予め実験的
にLab値に対して分類された優先順位で定まるカラー
マッチング手段)を1つのみ選択するように発生しても
よく、複数または全てのカラーマッチング手段を選択す
るように発生してもよい。
【0069】カラーマッチング手段82K、82Y、8
2M、82Cの各々は、後述するように同様の構成であ
り、CMYKのうち3値の組み合わせでLab値53を
有する色を生成するために必要なCMYK値に変換する
ためのものである。カラーマッチング手段82Kでは、
CMYKのうちK値が「0」に設定され、CMYの組み
合わせに変換される。同様に、カラーマッチング手段8
2YではY値が「0」に設定されてCMKの組み合わせ
に変換され、カラーマッチング手段82MではM値が
「0」に設定されてCYKの組み合わせに変換され、カ
ラーマッチング手段82CではC値が「0」に設定され
てMYKの組み合わせに変換される。
【0070】また、カラーマッチング手段82K〜82
Cの各々には、Lab−CMYK変換手段82に入力さ
れたLab値53が入力され、各々入力されたLab値
53と3値の組み合わせに変換されたCMYK値による
Lab値との色差を求めて出力する。すなわち、各カラ
ーマッチング手段では選択信号で指定されると、CMY
Kのうち該当する3値の組み合わせでLab値53を有
する色を生成するために必要なCMYK値に変換する
が、この変換と共に変換されたCMYK値で再現される
色彩値(Lab値)を求めて、色差を演算して出力す
る。なお、各カラーマッチング手段が選択信号で指定さ
れないときは、色差として演算されることがない大きい
値(例えば、色差10000)を出力する。
【0071】最小色差選択手段90は、カラーマッチン
グ手段82K〜82Cの各々から出力される色差の最小
値を選択するためのものであり、色差が最小値となるカ
ラーマッチング手段のCMYK値を出力すると共に、色
差の最小値を比較判定手段69に出力する。比較判定手
段69は、比較判定値記憶手段67に記憶された比較判
定値を読み取り、入力された色差の最小値が比較判定値
以上のときには警報信号56を出力する。
【0072】図12に示すように、カラーマッチング手
段82Kは、図1に示した色変換装置42と略同様の構
成である。カラーマッチング手段82Kは、Lab−3
値変換手段59、変換係数記憶手段61、3値−Lab
変換手段63、色差演算手段64、色差選択手段72、
及び4値化手段78に分類される。Lab−3値変換手
段59は入力された色彩値であるLab値53を3値で
あるCMY値に変換するためのものであり、3値−La
b変換手段63は変換されたCMY値を用いて色彩値
(L’a’b’値)を求めるのものである。色差演算手
段64は入力されたLab値とCMY値の色彩値である
L’a’b’値との色差△Eを求めるためのものであ
る。この色差は、選択信号71が入力されてカラーマッ
チング手段82Kが指定されると色差選択手段72にお
いて選択され、その色差が出力される。なお、色差選択
手段72は選択信号71が入力されていないときには色
差として演算されることがない大きい値(例えば、色差
10000)を出力する。変換係数記憶手段61にはL
ab−3値変換手段59及び3値−Lab変換手段63
において変換時に用いられる変換係数が記憶される。
【0073】4値化手段78は、カラーマッチング手段
82Kで求めた3値にK=0を加え、CMYK値として
出力するためのものである。
【0074】なお、他のカラーマッチング手段82Y、
82M、82Cは上記と同様の構成であるため、詳細な
説明を省略する。
【0075】次に、本実施の形態の色変換装置43の作
動を図13乃至図15のフローチャートを参照してさら
に説明する。各ニューラルネットワークの学習が終了す
ると、スキャナ24上に再現すべき色票が載置され、色
変換装置43の電源が投入または実行開始の指示がキー
ボードよりなされると、図13のステップ200へ進
み、スキャナ24に載置された色票の原画像が読み取ら
れる。スキャナ24は読み取った原画像の色彩値(La
b値)を出力する。なお、色彩値が外部記憶装置等に記
憶されている場合は、スキャナ24による読み取りは行
われずに、外部記憶手段から直接読み取られる。次のス
テップ202では、色票のLab値から所定値だけずれ
た異なる値となる複数のLab値が発生される。このス
テップ202の処理は周辺Lab値80の動作に相当す
る。次のステップ204では、複数のLab値のうち1
つのLab値を指定し、次のステップ206でモニター
30に表示するためにRGB値に変換し、次ののステッ
プ208でCMYK変換する。このRGB値の変換はL
ab−RGB変換手段86の動作に相当し、CMYK値
の変換はLab−CMYK変換手段82の動作に相当す
る。
【0076】次に、後述するステップ208の処理で警
告信号が出力されたときにはステップ210で肯定判断
されてステップ216へ進み、未出力のときはステップ
212へ進む。ステップ212では変換されたCMYK
値を用いて記憶画像を生成し、次のステップ214で表
示画像を生成する。一方、ステップ216では警告信号
が出力されたことを示すマークが付与された記憶画像を
生成し、次のステップ218では同様にマークが付与さ
れた表示画像を生成する。
【0077】以上の処理を全てのLab値について終了
すると(ステップ220)、ステップ222で上記のよ
うにして生成された記録画像をプリントさせるためプリ
ンタへ信号を出力すると共に、表示画像を表示させるた
めモニター30へ信号を出力する。
【0078】図16には表示画像38を示し、図17に
は記録画像36の一部を示した。表示画像38は、図1
6に示すように、Y−Bの色相を5段階にしかつG−R
の色相を5段階に分類した25個のパッチを、低明度か
ら高明度までを5段階に変化させた125個のパッチか
ら構成されている。この表示画像38中のパッチで色再
現域外の色彩値が指示されたパッチには、そのパッチの
所定位置(図16の紙面下方)に警告マーク「*」が付
与されている。また、記録画像36は、図17にその一
部を示すように、色再現域外の色彩値がプリント指示さ
れたパッチには、そのパッチの所定位置(図17の紙面
下方)に警告マーク「*」が付与されている。この記録
画像36のLab値を測色または目視で主観評価するこ
とにより、プリントを指示した色票に最も近いLab値
を有する画像を生成するためのCMYK値を確認するこ
とができる。また、記録画像36及び表示画像38に警
告マーク「*」が付与されている場合には、色再現域外
の色彩値をプリントしようとしたことを確認できる。
【0079】次に、ステップ208の詳細を説明する。
ステップ208の処理は、先ず図14のステップ230
で対象となるLab値を読み取り、次のステップ232
で比較判定値を読み取る。次のステップ234では対象
となるLab値に対応する選択信号を発生する。次に、
マッチング手段の各々において後述するように色差を求
めると共にCMYK値を求める(ステップ236、23
8)。次のステップ240では求めた各マッチング手段
のうち最小の色差となるマッチング手段を選択し、当該
色差が比較判定値以上か否かによって色再現域外か否か
を判定し(ステップ242)、色再現域外のときは警報
信号を出力する(ステップ244、246)。
【0080】次に、図14のステップ236の詳細を説
明する。先ず、図15のステップ250で対象となるL
ab値及び選択信号を読み取り、次のステップ252で
各変換係数を読み取る。次のステップ254ではLab
値を対象となるマッチング手段における3値に変換し、
次のステップ256でCMYK値の4値に変換する。次
のステップ258ではステップ254で変換された3値
での色彩値L’a’b’に変換した後に次のステップ2
60で色差△Eを演算する。次に、読み取った選択信号
が自己のマッチング手段を表すときは(ステップ262
で肯定判断)次のステップ266で求めた色差△Eを出
力し、自己のマッチング手段を表さないときは(ステッ
プ262で否定判断)次のステップ264で色差100
00を出力し、本ルーチンを終了する。
【0081】このように、本実施の形態の色変換装置で
は、色票を測色することによって得た色彩値を色分解値
に変換すると共に、変換した色分解値を再度色彩値に逆
変換し、元の色彩値と逆変換により得た色彩値との色差
から入力された色彩値が色再現装置で再現できる色か否
かを判定する。その判定結果を表示画像及び記録画像に
反映させている。すなわち、対象となる色彩値が色再現
域外の場合に警告マークを付与して提示(表示及びプリ
ント)している。従って、印刷や表示等において色再現
画像を形成するときにその原稿等の色を再現できるか否
かを容易に判定することができる。従って、本色変換装
置を用いれば、色再現装置の色再現状態を容易に判定で
きる。さらに、表示画像及び記録画像の中のパッチで色
再現域外の色彩値が指示されたパッチには、そのパッチ
の所定位置に警告マーク「*」が付与される。このた
め、再現できない色彩値を容易に特定することができ
る。すなわち、記録画像及び表示画像を目視することに
よって、警告マーク「*」が付与されたパッチは、色再
現域外の色彩値をプリントしようとした、と確認するこ
とができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明の色再現域判
定方法によれば、色再現装置へ入力すべき色情報値と、
この色情報値について色再現装置で用いる複数の色材の
各色材量による変換色の色情報値との差が所定値以内の
ときに色再現可能な色情報値であると判定するので、色
再現装置で用いられる複数の色材により色再現するとき
の制限が考慮され、色再現装置で色再現可能な色情報値
を容易に判定できる、という効果がある。
【0083】また、本発明の色変換装置によれば、第1
変換手段により所定色の色情報値を各色材量に変換し、
変換された各色材量を第2変換手段により色再現装置で
の変換色の色情報値に変換する構成としているので、第
1変換手段及び第2変換手段を各々略同一構成でかつ色
情報値と色材量の間で互いに逆方向となる変換を行う単
純な構成とすることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態にかかる色変換装置の機能別構
成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の原理を説明するための説明図である。
【図3】第1実施の形態にかかる色変換装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図4】ニューラルネットワークの動作を説明するため
の概念イメージ図である。
【図5】ニューラルネットワークの構成を説明するため
の概念イメージ図である。
【図6】ニュラルネットワークの変換系構築時の処理過
程を示すフローチャートである。
【図7】第1実施の形態の色変換装置の動作の流れを示
すフローチャートである。
【図8】色空間内における色再現域をLを一定値にした
ときに形成される領域を示す線図である。
【図9】第2実施の形態にかかる色変換装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図10】第2実施の形態にかかる色変換装置の機能別
構成の概略を示すブロック図である。
【図11】Lab−CMYK変換手段の機能別構成の概
略を示すブロック図である。
【図12】カラーマッチング手段の機能別構成の概略を
示すブロック図である。
【図13】第2実施の形態の色変換装置の動作の流れを
示すフローチャートである。
【図14】警報信号を出力する処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図15】色差を出力する処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図16】表示画像を示すイメージ図である。
【図17】記録画像の一部を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10 装置本体 26 画像データ入出力装置 42 色変換装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/60 H04N 1/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の色材を各々所定の色材量で組み合
    わせて出力することによって所定色を再現する色再現装
    置へ入力すべき色情報値であると共に、該所定色を表す
    所定の表色系の色情報値を、前記色再現装置で用いる複
    数の色材の各色材量に変換し、 変換された各色材量を、該各色材量の組み合わせにより
    前記色再現装置において形成されるべき変換色の色情報
    値に変換し、 前記所定色の色情報値と前記変換色の色情報値との差を
    求め、 求めた差が所定値以内のときに、前記所定色の色情報値
    は色再現可能な色情報値であると判定する、 色再現域判定方法。
  2. 【請求項2】 複数の色材を各々所定の色材量で組み合
    わせて出力することによって所定色を再現する色再現装
    置へ入力すべき色情報値であると共に、該所定色を表す
    所定の表色系の色情報値を入力するための入力手段と、 入力された所定色の色情報値を、前記色再現装置で用い
    る複数の色材の各色材量に変換する第1変換手段と、 変換された各色材量を、多変量解析することによって該
    各色材量の組み合わせにより前記色再現装置において形
    成されるべき変換色の色情報値に変換する第2変換手段
    と、 前記所定色の色情報値と前記変換色の色情報値との差を
    求める演算手段と、 求めた差が所定値以内のときに、前記所定色の色情報値
    は前記色再現装置において色再現可能な色情報値である
    と判定する判定手段と、 を備えた色再現域判定装置。
  3. 【請求項3】 前記第1変換手段は、入力された色情報
    値を、前記色再現装置で用いる複数の色材の各色材量に
    変換するように学習された多層フィードフォワード型ニ
    ューラルネットワークであることを特徴とする請求項2
    に記載の色再現域判定装置。
  4. 【請求項4】 前記第2変換手段は、変換された各色材
    量を、該各色材量の組み合わせにより前記色再現装置に
    おいて形成されるべき変換色の色情報値に変換するよう
    に学習された多層フィードフォワード型ニューラルネッ
    トワークであることを特徴とする請求項2に記載の色再
    現域判定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1変換手段は、前記色情報値と、
    該色情報値に対応する前記色再現装置で用いる複数の色
    材の各色材量との対応関係を記憶したルックアップテー
    ブルであることを特徴とする請求項2に記載の色再現域
    判定装置。
  6. 【請求項6】 前記第2変換手段は、前記色再現装置で
    用いる複数の色材の各色材量と、該各色材量によって色
    再現装置で形成されるべき変換色の色情報値と、の対応
    関係を記憶したルックアップテーブルであることを特徴
    とする請求項2に記載の色再現域判定装置。
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