JP3083067B2 - 色変換係数決定方法及び装置 - Google Patents

色変換係数決定方法及び装置

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JP3083067B2
JP3083067B2 JP07180455A JP18045595A JP3083067B2 JP 3083067 B2 JP3083067 B2 JP 3083067B2 JP 07180455 A JP07180455 A JP 07180455A JP 18045595 A JP18045595 A JP 18045595A JP 3083067 B2 JP3083067 B2 JP 3083067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー複写機、カラー
印刷装置等のカラー画像処理装置において使用される色
変換装置に関し、特に、この色変換装置において使用さ
れる色変換係数を決定する方法及び装置に関する。更に
詳細には、色変換に用いられるルックアップ・テーブル
の格子点データもしくは微分連続関数型色変換の係数を
決定する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、カラー複写機においてはカラ
ー原稿がカラー画像入力装置により読み取られ、赤,緑
及び青の3色成分に分解されてRGB信号が得られる。
このRGB信号は、L***信号に変換される。この
***信号は、カラー画像出力装置において記録紙
上のカラー画像を形成するために、イエロー,マゼン
タ,シアン及び黒の各色材に対応するYMCK信号に変
換される。
【0003】前記L***信号からYMCK信号への
変換は、一般に入力信号と色変換係数の積和演算を行な
うマトリックス演算やルックアップ・テーブルを用いた
ものがある。
【0004】ルックアップ・テーブルは、入力値と、こ
の入力信号に所定の色変換係数を乗じた出力値との関係
を予めROM(読み出し専用メモリ)或いはRAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)に記憶させたものであり、L*
**信号から直接的にYMCK信号への変換を行う。
このルックアップ・テーブルを使用して色変換を行う場
合、実質的に演算時間を必要としないので、色変換を極
めて高速に行うことができるという利点がある。
【0005】このルックアップ・テーブルの色変換係数
は、カラー原稿をカラー画像入力装置で読み取って実際
に記録紙上に出力したときに、カラー原稿の階調及び色
調が忠実に再現されるように試行錯誤して実験的に求め
られることが多かった。
【0006】すなわち、従来は、実測値を基に、印刷や
光学的なモデルに基づいた予測値をルックアップ・テー
ブルの格子点データとすることがあった。なお、格子点
とは、ルックアップ・テーブルの索引により示される所
定のL*、a*、b*の指し示す点であり、格子点データ
とは、その格子点すなわち所定のL*、a*、b*に対応
する変換後の値である。
【0007】また、多項式やその他の数学的モデルによ
り予測値を得る場合もあった。
【0008】また、出力装置に関しては、入出力特性を
ニューラルネットワークによりモデル化して誤差を低減
させた研究(たとえば、中基孫、田中武久、斉藤美恵、
吉田邦夫:「ニューラルネットによるカラーハードコピ
ーの色修正」、画像電子学会研究会予稿、1989年等
参照)が知られているが、ニューラルネットワークをル
ックアップ・テーブルの格子点データを決定するために
用いることは考慮されていなかった。
【0009】ところで、一般にプロダクションプリンテ
ィング分野では、図1(b)に示されるように、ホスト
コンピュータ2に対して複数のカラー画像入力装置(ド
ラムスキャナー1−1、フォトCD1−2、フラットベ
ッドスキャナー1−3)及び複数のカラー画像出力装置
(イメージセッタ3−1、色校正用プリンタ3−2、低
解像度デスクトッププリンタ3−3)を接続し、用途に
応じて適宜装置を選択し用いている。各々のカラー入出
力装置は装置固有の色信号により色彩を入出力するの
で、等しい色彩でも、各機器により対応づけられる色信
号は等しいとは限らない。このような状況では、原稿と
出力の色一致や、色校正の印刷物と最終の印刷物の色一
致が困難である。そこで、この課題を解決するためにア
ップルコンピュータ(Apple Computer)
社のColorSync1.0やEFI社のEfiCo
lorに代表されるカラーマネージメントシステム(C
MS)が用いられるようになった。これらのCMSで
は、予め用意した各入出力機器の特性を記述した機器特
性情報群を基に、異なる機器間での色一致を実現しよう
とした。
【0010】しかし、前記のCMSは、精度および機器
特性情報群の互換性に課題があったため、機器特性情報
の記述方法がインターカラーコンソーシアム(ICC)
により提案され、広い範囲で用いられるようになりつつ
ある。ICCによる機器特性情報の記述方法によれば、
従来のCMSの欠点であった機器特性情報群の互換性を
得ることが可能になった。
【0011】ICCによる機器特性情報の記述方法は大
規模なルックアップテーブルと線形補間を基本としてい
るために、従来のCMSに比較すると高い精度を得るこ
とも可能になった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た印刷、光学的、多項式などを用いたモデルでは、予測
誤差が大きいばかりでなく、時として色再現に破綻を生
ずることがあった。また、出力装置に関しては、ニュー
ラルネットワークを用いたものでは、色座標から出力装
置の入力を予測する場合には、出力装置の色信号の誤差
を最小化するものであり、出力結果の均等色空間上での
誤差を最小化するものではなかった。人間の視感は、均
等色空間に対応しているので、出力装置の色信号の誤差
を最小化しただけでは、視感上の誤差を充分小さくこと
はできない。
【0013】また、ニューラルネットワークを使用して
色変換係数を求める場合には、精度はよいものの、計算
には膨大な時間とハードウェアが必要であるという問題
があった。
【0014】現状では大規模ルックアップ・テーブルは
容易には実装できないために、ソフトウェアによる実装
や小規模ルックアップ・テーブルが用いられている。し
かしながら、ソフトウェアによる実装では色変換速度に
課題があり、また、小規模ルックアップ・テーブルでは
精度が落ちるという課題があった。
【0015】ICCプロファイルは、機器依存色信号を
機器独立信号に変換するテーブルと、機器独立信号を機
器依存信号に変換する両方のテーブルを保持している
が、実際に用いるのはそのうちの順方向のテーブルだけ
である。補間の際、逆方向のテーブルを併用すれば補間
誤差を減少させることが可能であるが、ルックアップ・
テーブルでは原理的には難しい。また、単独の色変換に
ついては高い精度が得られるものの、複数の色変換を合
成する場合には補間の操作が必要となる。色変換を繰り
返すと補間誤差が累積するという課題があった。
【0016】そこで、本発明は、ニューラルネットワー
クと概ね同精度の色変換を可能とするルックアップ・テ
ーブルを実現するための格子点データを作成すること、
及び、ニューラルネットワークに代表される微分連続関
数の係数を作成することを目的とする。また、入出力装
置の色再現特性を微分連続関数で再構成することによ
り、補間誤差を減少させることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力色座標値
をカラー画像出力装置の色材座標値に変換するルックア
ップ・テーブルの格子点データを決定、ないし微分連続
関数で再構成する方法であって、離散変換対をもとに、
微分連続関数で装置の入出力特性を決定し、その関数か
らルックアップ・テーブル方式ないしは連続関数に基づ
く色変換方法の色変換係数を決定することを特徴とす
る。
【0018】
【作用】本発明の作用を図2、図9〜図11を参照して
説明する。
【0019】図2は、本発明の要素を示しており、機器
情報記憶手段22、装置特性算出手段25、色変換係数
算出手段20、演算手段24は、ホストコンピュータ2
内に配置され、既存の描画装置41、アプリケーション
ソフト42、デバイスドライバー43と連動することに
より、入力装置1からの画像データのディスプレイ44
への表示、アプリケーションソフト42による画像デー
タの調整、出力装置3用画像データの生成を司る。
【0020】本発明の色変換係数の算出と色変換は、図
9に示すように、入力機器出力機器指定(ステップ11
00)、色変換係数算出(ステップ1200)、係数を
演算装置にセット(ステップ1300)、画像変換実施
命令(ステップ1400)の順に作用する。以下、その
手順を図を用いて説明する。
【0021】先ず、図9および図10、図11を用いて
入力機器出力機器指定(ステップ1100)を説明す
る。入力機器出力機器指定(ステップ1100)は、ア
プリケーションソフト42(図2参照)若しくはデバイ
スドライバー43から入出力機器の指定を受ける。この
際、逐次に行う複数の色変換処理を一括して行う場合に
は複数の入出力機器の指定を受ける場合もある。
【0022】指定の指示により、入力機器特性情報群2
1および出力機器特性情報群23を検索し(ステップ1
101)、機器情報記憶手段22に機器特性情報がない
場合には、装置特性算出手段25により特性情報を獲得
する(ステップ1110)。特性情報の獲得(ステップ
1110)は、色変換形態によって所要となる入出力の
特性情報が異なる。表1は、色変換形態によって所要と
なる入出力の特性情報を示す図である。
【0023】
【表1】 各々の特性情報は、入力機器の場合には、図10に示す
ように、入力機器特性情報獲得(ステップ1120)に
示す手順により行われ、出力機器の場合には、図11に
示すように、出力機器特性情報獲得(ステップ113
0)に示す手順により行われる。
【0024】入力機器特性情報獲得(ステップ112
0)は、予めデバイスに依存しない中間信号(たとえば
1976CIEL*a*b*)が既知である色票(たと
えばISO IT8/7.1,2)を、デバイスドライ
バー43を経由し入力する。既知のデバイスに依存しな
い中間信号である特性評価試験データ25−1と、入力
画像データは、装置特性算出手段25内に設置された測
色演算手段25−2に送信される。
【0025】測色演算手段25−2では、デバイスドラ
イバー43より、既知のデバイスに依存しない中間信号
である特性評価試験データ25−1、すなわち、規定の
特性評価試験データを受信する(ステップ1121)。
また同様に、入力画像データ、すなわち、規定の特性評
価試験データに対応するデータを受信する(ステップ1
122)。特性評価試験データ25−1とそれに対応す
る入力機器データの対応対から機器情報記憶手段22に
記憶される入力機器特性情報と同一形式の特性情報を算
出し送信する(ステップ1123)。この際、測色演算
手段25−2に与えられるデータは離散的な変換前の値
と変換後の値の変換対応対の1組以上の表であるので、
これを、後述するニューラルネットワークに代表される
微分可能な連続関数により近似する。
【0026】出力機器特性情報獲得(ステップ113
0)は、特性評価試験データ25−1として、出力装置
用データセット(たとえばISO IT8/7.3)
を、デバイスドライバ43を経由して、カラー画像出力
装置3−1〜3−3に送信、出力する(ステップ113
1)。出力されたプリントサンプルは、図示しない測色
部により計測され、デバイスに依存しない中間信号(た
とえば1976CIEL*a*b*)に変換される(ス
テップ1132)。この際、測色演算手段25−2に与
えられるデータは、離散的な変換前の値と変換後の値の
変換対応対の1組以上の表であるので、これを、後述す
るニューラルネットワークに代表される微分可能な連続
関数により近似する。
【0027】入出力機器の特性として、ルックアップテ
ーブルの格子点データに代表される変換対応対の1組以
上の表が与えられ、微分連続関数を構成する場合にも、
後述するニューラルネットワークに代表される微分可能
な連続関数により近似することが可能である。各対応対
について色再現範囲内外を示す情報が与えられている場
合には、色再現範囲外の対応対は近似に先だって削除す
ることにより、微分連続関数の近似精度が向上する。以
上により得られた特性情報を機器特性情報記憶手段22
に送信する(ステップ1133)。
【0028】逐次に行う複数の色変換処理を一括して行
う場合には、複数の入出力機器の指定を受ける場合もあ
る。この場合、各々の色変換について個別に入出力機器
の特性情報を検索あるいは獲得し、微分連続関数を合成
することにより、一括の色変換係数を算出することがで
きる。
【0029】次いで、色変換係数算出(ステップ120
0)は、入力機器出力機器指定(ステップ1100)に
より得られた微分連続関数若しくは微分連続関数と定義
式の合成関数を用いて、演算装置に所要の係数を算出す
る。
【0030】演算装置がルックアップテーブルにより構
成される場合については、前記入力機器出力機器指定
(ステップ1100)により得られた微分連続関数若し
くは微分連続関数と定義式の合成関数に格子点座標値を
適用することによって変換値を得ることができる。
【0031】演算装置が前記の色変換係数算出と等しい
微分連続関数である場合には、前記の色変換係数をその
まま演算装置の係数とすることができる。
【0032】演算装置が前記の色変換係数算出とは異な
る微分連続関数である場合には、色再現範囲内の近似誤
差が極少となるような演算装置の係数を定める。例え
ば、色変換係数算出が高次多項式であり、演算装置がニ
ューラルネットワークである場合、色再現範囲内の適宜
の入力値群を色変換係数算出の高次多項式により変換後
の出力値群に変換し、この入力値群と出力値群をバック
プロパゲーション学習等に代表される学習方法によって
演算装置の係数を得ることができる。この際、誤差を評
価するエネルギー関数として、適宜の均等色空間上の距
離、すなわち、色差を用いることにより視覚的な色精度
を向上することが可能である。エネルギー関数を演算す
る上では、色変換係数を決定する微分連続関数を偏微分
して用いることが可能な場合がある。
【0033】また、色変換係数算出が計算機シミュレー
ションによるニューラルネットワークであり、演算装置
が、アナログ回路によるニューラルネットワークである
場合、色再現範囲内の適宜の入力値群を色変換係数算出
のニューラルネットワークにより変換後の出力値群に変
換し、この入力値群と出力値群をバックプロパゲーショ
ン学習等に代表される学習方法似よって演算装置の係数
を得ることができる。アナログ回路によるニューラルネ
ットワークの実装の一例としては、特開平6−2746
62号公報に記載の装置がある。一般にアナログ回路に
よる実装では誤差や経時変化があるという課題がある
が、バックプロパゲーション学習に代表される学習方法
を用いることにより誤差を補正することも可能である。
【0034】また、船橋:「ニューラル・ネットワーク
による連続写像の近似的実現について」,電子情報通信
学会技報MBE88−9,1988によれば、ニューラ
ルネットワークは、有界閉集合上で定義される連続関数
を任意の精度で近似できる。また、有限の入出力対応を
バックプロパゲーション法により近似することができ
る。この際、ニューラルネットワークの構成と学習の諸
定数を調整することにより、学習しなかった入出力対応
も予測することができる。また、学習の際に、色票を作
成してこれを測色すると、出力時や測定時の誤差が測定
結果に付加される。一般に、この誤差は測定結果と相関
がない。データの件数がニューラルネットワークの規摸
に比較して十分に大きい場合には、ニューラルネットワ
ークの特性によりこのような誤差は学習時に概ね除去さ
れる。従って、測定結果の入出力対応に誤差が含まれて
いても、学習後のニューラルネットワークは、誤差が概
ね除去された近似を行うことができる。
【0035】上記により得られた色変換係数が演算手段
24にセット(ステップ1300)された後、画像変換
実施命令(ステップ1400)により、演算手段24は
デバイスドライバーより画像を取得し(ステップ141
0)、変換を実施する(ステップ1420)。変換結果
は、デバイスドライバーに送信される(ステップ143
0)。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明の特徴を具体的に説明する。
【0037】従来のデスクトップカラーパブリッシン
グ、カラー複写機などでは、特定の単一カラー画像入力
装置/カラー画像作成装置を前提としてカラー文書の入
力、編集、出力を行っていた。例えば、カラー複写機で
は入力部が装置内に内蔵されているため、特定の原稿色
を対象に、入力からプリント出力を実施し、プリント出
力と原稿色が一致するように、入力色信号から記録色信
号への1対1の色変換処理が行われる。
【0038】また、デスクトップカラーパブリッシング
分野においても、フラットベッドスキャナー、パソコ
ン、デスクトッププリンタの組合せで、フラットベッド
スキャナーで入力されるRGB信号をパソコン上のアプ
リケーションソフトでの簡単な処理によってデスクトッ
ププリンタ用のCMYK信号に変換して出力するのが一
般的であった。
【0039】しかしながらカラー入出力メディアの多様
化に伴い、ネットワークを介して複数のカラー画像入出
力装置が配置され、しかも複数のワークステーションが
それらを共有しながら使用する、ネットワークシェアー
ドドキュメンテーション環境が形成されつつある。特
に、印刷を中心とするプロダクションプリンティング分
野においては、図1(b)のような装置構成が一般的に
用いられつつある。
【0040】図1(b)のように、プロダクションプリ
ンティング分野では、複数のカラー画像入力装置1−1
〜1−3、複数のカラー画像出力装置3−1〜3−3が
イーサネット(登録商標)に代表されるLAN(ローカ
ルエリアネットワーク)を介してホストコンピュータ2
に接続される。カラー画像入力装置は、例えば反射物原
稿入力用のフラットベッドスキャナー1−3、フィルム
入力用ドラムスキャナー1−1、フォトCDドライブ1
−2などからなり、いずれもアップル社製マッキントッ
シュ(Macintosh(登録商標))に代表される
ホストコンピュータ2にアプリケーションプラグインの
形式で接続される。その際、アプリケーションとして
は、アドビシステムズ(Adobe Systems)
社製アドビフォトショップ(Adobe Photos
hop(登録商標))に代表されるカラーイメージ編集
ソフトが用いられ、主に写真イメージが入力される。ま
た、ホストコンピュータ2ではイラスト、グラフなどが
アドビ社製プロイラストレーターなどのグラフィックソ
フトにより生成される。また、文字原稿もホストコンピ
ュータ2でのワープロソフトを用いて作成される。
【0041】このようにしてディジタルデータとして取
り込まれた、文字原稿、イラスト、グラフ、写真イメー
ジは、所望のカラー文書の画像要素としてレイアウト編
集される。レイアウト編集では、アドビ(Adobe)
−アルダス(Aldus)社製ページメーカーなどのペ
ージレイアウトソフトを用いて、上記画像要素をレイア
ウトし、所望のカラー文書を作り上げる。作成されたカ
ラー文書は、150〜200dpi程度の低解像度でデ
スクトッププリンタ3−3、色校正用プリンタ3−2な
どに送信され、レイアウトおよび色再現がハードコピー
でチェックされる。これらの校正工程を合格した後、カ
ラー文書はイメージセッター3−1に300〜400d
pi程度の高解像度で送信され、電子製版される。製版
フィルムとして出力されたカラー文書はその後、刷版、
印刷の工程を経て印刷物として完成される。
【0042】このような多入力多出力からなるシステム
構成においては、多数の入力色信号から多数の出力信号
への変換を、各入出力装置の組合せごとに実行する必要
があり、しかもそれが全てホストコンピュータ2上で実
行される必要があることから、ホストコンピュータ2の
負荷が膨大になること、ならびに入出力信号が異なる毎
にホストコンピュータ2の画像ファイルが増大してしま
うという欠点を有する。例えば、図1の構成で、入力信
号が3種類、出力装置が3種類存在する場合、画像要素
の作成から出力の工程で、3×3=9種の色変換が必要
となる。また、画像の対象が同一でも、画像の入出力装
置に何を用いるかによって、9種のファイルができてし
まうことになる。
【0043】このような問題を回避する方法として、本
発明は、デバイスに依存しない中間信号を介在させ、入
力信号から中間信号へ変換する過程と中間信号から出力
信号へと変換する過程に分離する。このような中間信号
を介在させることによって、図1で説明した画像要素の
作成工程と画像の出力工程は分離され、出力工程で所望
の色再現が得られなかった場合に、修正を要する工程が
どこにあるかを、オペレータの勘と経験に依存せずに、
システマチックに追跡できるメリットを有する。また、
別のメリットとしては、中間信号を介在させることによ
って画像要素の作成から出力の工程での色変換の種類を
削減でき、それと共にファイル数を削減できる。例え
ば、図1の構成で、入力信号が3種類、出力装置が3種
類存在する場合、入力信号と中間信号との間の色変換が
3種、中間信号と出力信号との間の色変換が3種とな
り、合計6種となり、9種から6種への削減が可能とな
る。
【0044】そのために、本発明では、図1(a)に示
すように、各デバイスに依存した信号とデバイスに依存
しない中間信号との関係を記述した特性情報を、獲得な
いしは予め作成された入力機器特性情報群21、出力機
器特性情報群23から検索する。色変換係数算出手段2
0は、入力機器特性情報、出力機器特性情報の指定によ
って、所望の入出力色変換に必要な変換係数を、一時的
に作成する。色変換係数算出手段20により作成された
色変換係数は、ルックアップテーブル演算または微分可
能な関数演算からなる演算手段24に導入される。演算
手段24は、導入された色変換係数を用いて、指定され
た入力機器画像データ10を指定された出力機器画像デ
ータ30へと変換する。なお図1(a),図2,図3,
図4,図6,図7において、太線の矢印は画像の流れを
示し、細線の矢印は係数の流れを示す。
【0045】より具体的な構成を図2に示す。本発明の
機器特性情報記憶手段22、装置特性算出手段25、色
変換係数算出手段20、演算手段24は、ホストコンピ
ュータ2内に配置され、既存の描画装置41、アプリケ
ーションソフト42、デバイスドライバー43と連動す
ることにより、入力装置1からの画像データのディスプ
レイ44への表示、アプリケーションソフト42による
画像データの調整、出力装置3用画像データの生成を司
る。
【0046】装置特性算出手段25は、特性評価試験デ
ータ25−1、測色演算手段25−2を有し、予め準備
された特性評価試験データ25−1と、特性評価試験デ
ータを入出力装置を通して観測されたデバイス依存デー
タを対応対として、測色演算手段25−2により、機器
特性情報記憶手段22内で設定される所定のフォーマッ
トの機器特性情報データを作成する。
【0047】入力機器特性情報を獲得する場合、特性評
価試験データ25−1は予めデバイスに依存しない中間
信号(例えば1976CIEL*a*b*)が既知であ
る色票(例えばISO IT8/7.1,2)のデバイ
ス非依存中間信号値である。一方、色票そのものは、カ
ラー画像入力装置1−1〜1−3にセットされ、その入
力画像データは、デバイスドライバー43を経由して、
装置特性算出手段25内に設置された測色演算手段25
−2に送信される。測色演算手段25−2は、前記特性
評価試験データ25−1からのデバイス非依存中間信号
値と、前記入力画像データを対応対として、前記機器特
性情報データを作成する。
【0048】出力機器特性情報を獲得する場合、特性評
価試験データ25−1は、出力装置用データセット(例
えばISO IT8/7.3)であり、デバイスドライ
バー43を経由して、カラー画像出力装置3−1〜3−
3に送信、出力される。出力されたプリントサンプル
は、図示しない測色部により計測され、デバイスに依存
しない中間信号(例えば1976CIEL*a*b*)
に変換される。測色演算手段25−2は、前記特性評価
試験データ25−1の出力装置用データセットと、前記
デバイス非依存中間信号値を対応対として、前記機器特
性情報データを作成する。
【0049】色変換係数算出手段20は、アプリケーシ
ョンソフト42ないしはデバイスドライバー43からの
指示によって、入力機器特性情報、出力機器特性情報を
機器特性情報記憶手段22内で検索し、所望の入出力色
変換に必要な変換係数を一時的に作成する。色変換係数
算出手段20により作成された色変換係数は、ルックア
ップテーブル演算または微分可能な関数演算からなる演
算手段24に導入される。演算手段24に色変換係数が
導入された後、アプリケーションソフト42ないしはデ
バイスドライバー43から入力される一連の画像データ
は、演算手段24によって処理され、所望の出力装置用
画像データに変換されて、アプリケーションソフト42
ないしはデバイスドライバー43に送信される。以上の
様に、本発明は、ホストコンピュータ内のアプリケーシ
ョンソフト42ないしはデバイスドライバー43と連動
し、両者からの要求に応じて、各入出力装置間のカラー
属性値を変換するための変換係数算出、色変換演算を司
る。
【0050】図3は、本発明がホストコンピュータ内で
実現される場合の実施例の一例である。本発明は、ホス
トコンピュータ2の中央演算ユニット301、主記憶ユ
ニット302、外部記憶ユニット303、測色ユニット
304、外部インターフェイスユニット305から構成
される。
【0051】図3において、色変換係数算出手段20
は、中央演算ユニット301上にソフトウエアで構成さ
れる係数算出演算部20a、主記憶ユニット302上に
一時的に作成される係数記憶部20bからなる。機器情
報記憶手段22は、外部記憶ユニット303内に機器情
報記憶部22aとしてデータベース形式で格納され、入
出力機器のデバイス名で検索可能に構成されている。演
算手段24は、内部バスに拡張された外部インターフェ
イスユニット305として構成され、バスインターフェ
イス部305a、色変換係数制御部305b、色変換演
算部305cから構成される。
【0052】色変換係数算出手段20で生成された主記
憶ユニット302内の色変換係数は、バスインターフェ
イス部305aを介して、色変換係数制御部305b内
のレジスタ制御部(図示せず)でコントロールされ、色
変換演算部305c内のレジスタ(図示せず)にセット
される。画像データの変換については、主記憶ユニット
302内の画像記憶部302aに、アプリケーションソ
フト42ないしはデバイスドライバー43が、変換対象
画像データをセットする。セットされた画像データは、
バスインターフェイス部305aを介して、色変換演算
部305c内の入力バッファ(図示せず)に送信され
る。入力バッファ(図示せず)に送信された画像データ
は、ライン順次に処理され、処理後画像は出力バッファ
(図示せず)に蓄積される。出力バッファ(図示せず)
に蓄積された画像データは、バスインターフェイス部3
05aを介して主記憶ユニット302内の画像記憶部3
02aの該当アドレスに送信される。その際、バスイン
ターフェイス部305aは、前記入出力操作を制御し、
通常入出力バッファのステータス(オールモーストフル
・オールモーストエンプティー)に応じて、入力動作、
出力動作を切り替える。色変換演算部305cとして
は、ルックアップテーブル演算または微分可能な関数演
算が実施され、ルックアップテーブル演算については図
4、図5、微分可能な関数演算については図6、図7を
用いて後述する。
【0053】装置特性算出手段25は、バスに接続され
た測色ユニット304と外部記憶ユニット303に格納
された特性評価試験データからなる。測色ユニット30
4は、アプリケーションソフト42ないしはデバイスド
ライバー43からの装置特性獲得指令に応じて、外部記
憶ユニット303内の特性評価試験データを供給し、そ
れに対応するデータを受信する。測色ユニット304
は、特性評価試験データと、それを入出力装置を通して
観測された前記デバイス依存データを対応対として演算
を行い、外部記憶ユニット303にデータベース形式で
格納される機器特性情報記憶手段22内に、所定の機器
特性情報データを作成・登録する。
【0054】以下、図4、図5、図6、図7を用いて色
変換演算部305cの実施例を詳述する。
【0055】図4は、色変換演算部305cがルックア
ップテーブル演算である場合の実施例である。ルックア
ップテーブル演算の基本演算部は、近傍格子アドレス生
成部242、ルックアップテーブル格子点データ記憶部
243、補間演算部245からなる。また、これらの基
本演算部に対して、インターフェース部241、ルック
アップテーブル色変換係数設定部244が設けられてい
る。
【0056】入力色信号各8ビットのうち上位4ビット
が近傍格子点アドレス生成部242に入力され、入力点
を含む8点の近傍格子点のアドレスを生成し、ルックア
ップテーブル格子点データ記憶部243を参照し、順
次、記憶されている画像出力装置用の8ビットデータを
補間演算部245に送る。本実施例では、8点のデータ
をシリアルに転送するようにしているが、高速に行うた
めにはルックアップテーブル格子点データ記憶部243
を8個持ち同時に参照するような構成にすればよい(図
示せず)。補間演算部245では、近傍8点のデータ
と、入力色信号各8ビットのうち下位4ビットにより補
間演算を行い、出力信号を生成する。
【0057】補間演算部245でなされる補間方法の原
理を図5を用いて説明する。入力信号各8ビットで決ま
る入力色空間の座標をO、近傍格子点の座標をP1
2、P3、P4、P5、P6、P7、P8とし、このとき、
1からP8の8点を頂点とする立体を基本立方体と呼ぶ
ことにする。また、P1からP8に対応して予め記憶され
ている出力データをD1、D2、D3、D4、D5、D6、D
7、D8とする。基本立方体の各頂点とその内部の点Oの
関係は入力信号各8ビットのうちの下位4ビットで決ま
り、Oを通り1−2平面、2−3平面、3−1平面に平
行な平面で切り、基本立方体を8の立方体に分割する。
1とOを結ぶ線分を対角線とする立体の体積をV1、P
2とOを結ぶ線分を対角線とする立体の体積をV2、以下
同様にV3、V4、V5、V6、V7、V8、V1からV8まで
の体積の和をV、座標Oの位置に相当する補間後の値を
Ansとすると、立方体補間は(1式)で表される。
【0058】Ans=(D1・V7+D2・V8+D3・V5
+D4・V6+D5・V3+D6・V4+D7・V1+D8
2)/V (1式) 本実施例では、立方体補間を用いたが、1993年第2
4回画像コンファレンス論文集347頁から350頁に
記載されている三角柱補間、斜三角柱補間、また、四面
体補間等が知られており、どのような補間法であっても
よい。3次元テーブル分割数を4ビット、格子点数で1
7点づつとしたが、8ビット以下であればよく、各入力
信号軸に対して4ビット、3ビット、3ビット等の異な
った分割を行ってもよい。ただし、入力信号すべてが8
ビットの場合は補間機構が不必要であることは言うまで
もない。さらに、本実施例では、入力を各8ビットとし
たが、何ビットであってもよい。
【0059】図6は、色変換演算部305cが、微分可
能な関数演算の一つである、ニューラルネットワークを
用いた場合の、実施例の一例である。図6は、ニューラ
ルネットワークの規模と接続形態を示しており、図6に
示す例では、ニューラルネットワーク色変換部50は、
入力層50a、第1中間層50b、第2中間層50c、
出力層50dを備えており、それぞれ、3細胞、3細
胞、3細胞、3細胞の構成をとっている。出力層50d
からの出力値は、インターフェイス部52を介して出力
される。入力層50aから出力層50dのニューラルネ
ットワークに関して、中間層の数と細胞の数はいくつで
あってもかまわないし、接続形態も、本実施例では入力
層→第1中間層→第2中間層→出力層を通過する形であ
るが、飛び越しを行う接続形態でもよい。また、一部の
細胞の非線形演算を省略しても構わない。なお、ニュー
ラルネットワーク色変換部50の色変換係数は、ニュー
ラルネットワーク色変換係数設定部51により設定され
る。
【0060】次に、ニューラルネットワークの一例であ
る非線形ユニットからなる演算手段の中の非線形ユニッ
トの機能について、図7を用いて説明する。入力U
i(i=1〜n)は、前層の各細胞からの出力値であ
り、各々非線形演算部11a〜11nにより変換され
る。閾値Θpと重みWi(1〜n)は、色変換係数算出手
段により与えられる色変換係数である。これらは、乗算
部12a〜12nと加算部13によって、出力Upとな
る(式2)。非線形演算部にはシグモイド関数が用いら
れるのが普通で、本発明の実施例では双曲線関数を用い
ている。これが、各々の非線形ユニットが持つ機能であ
り、複数の非線形ユニットが結合することにより、非線
形ユニットからなる演算手段を形成している。
【0061】
【数1】 図7の回路構成は、従来のニューラルネットワークの細
胞を模擬する回路構成と異なるものでありながら、複数
個、互いに結合してネットワークとして構成するとき、
ニューラルネットワーク全体の動作と同等の動作を行う
ものである。このような本発明の非線形演算ユニットの
構成は、ディジタル回路、アナログ回路ともに実現可能
であるが、特にアナログ回路で実現する場合に、従来の
ニューラルネットワークの細胞を模擬する回路構成に比
べて回路を簡素化し、更に処理を高速化できるという利
点を有する。
【0062】以下、非線形演算ユニットをアナログ・バ
イポーラ回路で実現する場合を、図8を用いて詳述す
る。その際のアナログ回路は互いに第1端子(エミッ
タ)を結合した1対のバイポーラトランジスタQ1,Q2
による差動増幅回路によって構成され、各差動増幅回路
を構成する1対の3端子増幅素子の第2端子(ベース)
間に入力に比例した電圧差VB1−VB2を供給し、第1端
子(エミッタ)に適宜、乗算のための重み値に比例した
電流IEを供給することにより、第3端子(コレクタ)
間に、回路の電流差IC1ーC2として出力を得る構成の
ものである。
【0063】各トランジスタのコレクタ電流IC1とIC2
の差IC1ーC2は、 IC1ーC2=IE・tanh{(VB1ーB2)/2VT} (式3) で表される。すなわち、この回路は、入力電圧差VB1ー
B2にロジスチック関数tanhを施し、その関数値に
重み値IEを乗じた値に比例する出力電流差IC1ーC2
得ている。この特性は、前述の、各入力に非線形関数を
施し、適当な重み値と乗算する機能を有する。
【0064】以上、バイポーラトランジスタによる回路
構成で、本実施例の非線形演算ユニットの構成例を説明
したが、一般に平衡変調器として動作する電界効果トラ
ンジスタ、リモートカットオフ特性をもつ電子管およ
び、バリアブルミュー特性をもつ電子管など、非線形特
性をもつ3端子以上の増幅素子によっても、単調で有界
な関数と乗算を含む特性が得られる。
【0065】図3に示される色変換演算部305cが、
図6、図7に示す回路で構成される場合、単純な非線形
演算ユニットの結合で構成されるため、高速に処理する
ことが可能であるとともに、複数の並列出力処理を小規
模の回路構成で実現できる。また、従来のマトリクス型
色変換方式に比べると、パラメーターの自由度の点で飛
躍的に変換精度が向上する。また、ルックアップテーブ
ル方式と比較すると、回路構成が簡便であるとともに、
入出力変換に連続性と微分連続性が保証される点が優れ
る。
【0066】以上、図1から図7を用いて、本発明の構
成を述べた。本発明は、機器特性情報記憶手段22、装
置特性算出手段25、色変換係数算出手段20、演算手
段24から構成され、アプリケーションソフト42、デ
バイスドライバー43と連動することにより、1)入出
力装置の特性算出、2)指定された入出力装置間での画
像変換のための色変換係数算出、3)ルックアップテー
ブルないしは微分可能な連続関数を用いた色変換演算を
行う。
【0067】本発明の動作は、図9のように、アプリケ
ーションソフト42、デバイスドライバー43からの入
出力機器指定に応じた色変換係数算出のフローと、前記
係数を用いた色変換演算フローに大別される。一般的
に、機器特性情報は、デバイス依存データとデバイス非
依存データとの離散対応対で与えられる。前記ICCプ
ロファイルでは、色変換演算としてルックアップテーブ
ルが用いられることを想定し、テーブル格子点データが
与えられる。機器特性情報として与えられるプロファイ
ルと、指定される色変換が同一の場合(表1での色変換
形態がデバイス依存データとデバイス非依存データとの
間での変換の場合)、色変換係数算出手段20は公知で
あるが、指定される色変換が異なる場合(表1での色変
換形態がデバイス依存データとデバイス依存データとの
間での変換、ないしはデバイス非依存データとデバイス
非依存データとの間での変換の場合)には色変換係数算
出手段20では、複数のICCプロファイルから一旦微
分可能な連続関数を用いて色変換に要する入出力関係を
記述した後、その入出力関係を用いて、当該色変換で必
要となるルックアップテーブル格子点データを求める必
要がある。また、機器特性情報が予め準備されていない
か、更新する必要があって、装置特性を新たに算出しな
ければならない場合にも、前記の場合と同様に、微分可
能な連続関数を用いて色変換に要する入出力関係を記述
した後、その入出力関係を用いて、当該色変換で必要と
なるルックアップテーブル格子点データを求める必要が
ある。両者は基本的に同一のフローで実現されるため、
色変換演算としてルックアップテーブルが用いられる場
合の実施フローとして、1)装置特性を新たに算出し、
2)微分可能な連続関数を用いて色変換に要する入出力
関係を記述し、3)ルックアップテーブル格子点データ
を求める手順(ケース(a))を後述する。
【0068】また、色変換演算がニューラルネットワー
クに代表される微分可能な連続関数で構成される場合に
は、ICCプロファイルのような離散対応対から色変換
係数算出手段20によってニューラルネットワークの重
み係数を算出し、その係数をもとに色変換演算を行う。
本実施例では、色変換係数算出手段20がニューラルネ
ットワークで構成され、しかも演算手段24がニューラ
ルネットワークないしはルックアップテーブル方式を用
いる。従って、色変換係数算出手段20がニューラルネ
ットワークで構成され、演算手段24がニューラルネッ
トワークである場合(ケース(b))の実施フローは、
前記ケース(a)に包含される。したがって上記考えう
る各ケースの場合分けについては、図9から図13に、
図によってのみ示し、最も手順の多いフローとして、ケ
ース(a)のみを詳述する。
【0069】図12は、入出力によって処理が異なるこ
とを示す図である。図13は、微分連続関数による近似
の一例の詳細を示す図である。図14は、色変換部に微
分可能な連続関数を用いた場合の関数係数算出と色変換
の詳細を示す図である。図15は、色変換部にルックア
ップ・テーブルを用いた場合の色変換の詳細を示す図で
ある。
【0070】図12は、微分可能な関数を用いて色変換
係数を算出する際に、入出力が、それぞれ機器依存か
(ステップ1150)機器非依存か(ステップ115
1)によって、場合分けを行って算出する工程の詳細を
示すものである。この場合分けは、表1の色変換形態に
相当する。入力及び出力とも機器依存の場合、入力機器
の変換特性を記述(ステップ1152)し、出力機器の
変換特性を記述する(ステップ1153)。これらの関
数を合成(ステップ1154)し、入力から出力までの
色変換特性を微分可能な関数の合成関数により記述す
る。一般に、微分可能な関数と微分可能な関数の合成関
数は微分可能である。入出力のいずれか一方だけが機器
依存である場合には、その特性を微分可能な関数により
記述する(ステップ1155)。入出力の双方が機器非
依存の場合には、一般にこの関係は定義式により与えら
れるのでこの定義式に基づき変換係数を記述する(ステ
ップ1156)。
【0071】図12において、微分可能な関数により色
変換係数を算出する工程(ステップ1152〜115
5)において、各々の微分可能な関数の色変換係数を算
出する工程の一例の詳細を図13に示す。先ず、一般に
色再現範囲の境界近傍では色再現特性は微分連続性を持
たないために、色再現範囲外の変換対を削除し、色再現
範囲内だけの変換対を抽出する(ステップ1161)。
次いで、適宜の初期値により色再現範囲内の対応表を近
似する、誤差のより小さい微分連続な関数の係数を算出
する(ステップ1162)。次に、この誤差を評価し
(ステップ1163)、所定の誤差よりも大きければ、
前回ステップ1162により算出した係数を初期値とし
て再度近似を行う(ステップ1162)。この操作を誤
差が所定の値以下になるまで繰り返す。
【0072】図12及び図13により示した操作によ
り、色変換係数を記述した後、色変換の演算手段に応じ
た係数を算出し、色変換を行う過程を図14及び図15
に示す。
【0073】図14は、演算手段が微分可能な関数であ
る場合である。適宜の初期値および、前のステップで係
数を算出した微分連続な関数により、色空間上での誤差
がより小さくなるように色変換部の色変換係数を定める
(ステップ1171)。誤差が所定の値よりも小さくな
るまで(ステップ1172)、前回ステップ1171に
より算出した係数を初期値として再度近似を行う(ステ
ップ1171)。この色変換係数を微分連続関数の色変
換部の定数として設定(ステップ1173)し、色変換
を行う(ステップ1174)。
【0074】図15は、演算手段がルックアップテーブ
ルである場合である。前のステップで係数を算出した微
分連続な関数を用いて、ルックアップテーブルの格子点
を色変換し、ルックアップテーブルの色変換係数を算出
する(ステップ1181)。この係数をルツクアツプテ
ーブルに導入(ステップ1182)し、色変換を行う
(ステップ1183)。
【0075】図16は、ケース(a)として、1)装置
特性を新たに算出し、2)微分可能な連続関数を用いて
色変換に要する入出力関係を記述し、3)ルックアップ
テーブル格子点データを求める手順の実施例を示す図で
ある。図16(b)ないし図16(d)は、本発明の色
変換係数算出手段20がニューラルネットワークで構成
され、ルックアップ・テーブルで構成される演算手段2
4の格子点データを決める方法を示すものである。
【0076】先ず、図16(b)に示すように、色票
(色材座標)403の組合せを多数用意し、特定のカラ
ー画像出力装置402によりカラー画像として用紙等の
出力媒体上に印刷する。この印刷結果を、デバイスに非
依存の色座標により測色する。このようにして、色票4
03の出力色材座標と測色結果である色座標の対を多数
用意する。出力色材座標の組み合わせの一例としては、
ANSI規格委員会(ANSI/IT8/SC1/WG
11)が提案したIT8.7/3が知られている。
【0077】次に、図16(c)に示すように、先に用
意された色票403の色材座標と測色結果であるデバイ
ス非依存色座標の多数の対を使用して、ニューラルネッ
トワーク404の入力として色座標を、また、教師信号
としてカラー画像出力装置402の入力値(すなわち、
色材座標)を、順次供給することによりバックプロパゲ
ーション学習を行う。ニューラルネットワーク404の
規模や学習の諸定数を適切に設定することにより、次第
に教師信号とニューラルネットワーク404の出力の差
が減少し、測定誤差が除去される。この差が十分減少し
た時点で学習を終了する。
【0078】図16(c)のニューラルネットワーク4
04の学習が終了したら、格子点にあたるデータをこの
ニューラルネットワークに与え、出力された色材座標の
値をルックアップテーブルの所定の係数として生成す
る。この学習済のニューラルネットワーク404に、ル
ックアップ・テーブルで必要とされる格子点の入力座標
を入力すると、対応する色材座標を予測することができ
る。図16(d)に示すように、この予測値を演算手段
24であるルックアップ・テーブル1用の機器特性情報
として、機器特性情報記憶手段22に登録できる。一
方、ニューラルネットワーク404の規摸を大きくする
と精度が向上する傾向がある。そこで、ニューラルネッ
トワーク404の規模を十分に大きくすれば、機器特性
情報の精度を向上することができる。
【0079】前述の方法により、色材空問上での誤差が
少ない結果を得ることができる。一般に、色材空間上で
の誤差が0であれば出力結果の見かけの差はなくなる。
しかし、一般には誤差が0となることはなく、通常は、
出力結果の見かけ上での差は最小ではない。ここで、本
発明では、見かけ上の差と色空間上でのユークリッド距
離が概ね比例する均等色空間を用いて、この色空間上で
の誤差をより小さくするようにニューラルネットワーク
を構成する。
【0080】図17は、均等色空間での誤差を最小にす
るように学習したニューラルネットワークを用いて、ル
ックアップ・テーブルの係数を定めている実施例を示す
図である。本発明では、色材空間上の誤差を求めるため
に、微分可能な出力装置の関数を作成し、その関数を用
いることによりニューラルネットワークに学習させてい
る。本発明において微分可能な関数を使用する理由は、
以下の通りである。
【0081】色材座標で誤差が大きい場合でも、見掛け
の(人間の視覚が感じる)色の違いが少ない場合があ
る。例えば、印刷の黒100%の上に黄色を重ねる場
合、黄色が0%でも100%でも見掛けの色は殆ど差が
ない。また逆に、見掛けの色の違いが大きくても色材座
標が小さい場合もある。色変化の精度を向上させる目的
は、見掛けの色の違いを最小にすることである。そこ
で、色材座標での誤差は、一旦均等色空間へ変換し、こ
の空間上での誤差により評価を行なった方が望ましいこ
とが判る。学習後の誤差が完全に0になるのであれば、
いずれの評価方法でも差がないが、実際にはニューラル
ネットワークの大きさが無限ではないので、学習が終了
しても誤差が残る。
【0082】色座標から色材座標への変換を行なう色変
換ネットワークでは、出力、すなわち、色材座標での誤
差を小さくするように学習を行なっていた。これに対し
て本発明においては、微分可能な出力装置の関数を用い
て、色材座標を均等色空間に変換し、色差を最小化する
ように学習を行なう。その場合のバックプロパゲーショ
ンでは、(δ/δ各出力)誤差を計算する必要がある。
ここで、各出力は、Y,M,C,KやR,G,B等のデ
バイス依存信号であり、誤差は、デバイス非依存の均等
色空間上での色差Eである。そこで、出力装置関数で
は、Y,M,C,KやR,G,B各入力について偏微分
可能である必要があり、(δE/δY),(δE/δ
M),(δE/δC),(δE/δK)、または、(δ
E/δR),(δE/δG),(δE/δB)を求め
る。
【0083】出力装置の関数が微分可能であるというこ
とは、各デバイス依存信号、すなわち、Y,M,C,K
について偏微分可能であるということである。また、こ
れらの値を用いて色変換ネットワークの学習を行なう。
以下の説明では、微分可能な出力装置のモデルもニュー
ラルネットワークを用いているので、区別のために、以
下では出力装置モデルと色変換ネットワークと記述す
る。なお、出力装置モデルは誤差微分可能であれば必ず
しもニューラルネットワークである必要はない。まず、
実測値の色座標が均等色空問の座標でない場合には、学
習に先だって座標を変換する。例えば、入力色座標がN
TSC規格RGB信号の場合、一例として均等色空間で
あるCIE L***座標に変換する。この2つの色
座標の変換は、単純な計算により行うことができる。な
お、入力色座標が均等色空聞であれば、この変換を行う
必要はない。次いで、図17(a)に示すように、実側
値をもとに、出力装置モデル405をバックプロパゲー
ション学習により学習する。ニューラルネットワークの
規模や学習の諸定数を適切に設定することにより、次第
に教師信号とニューラルネットワークの出力の差が減少
する。この差が十分減少した時点で学習を終了する。
【0084】出力装置モデル405の色座標は均等色座
標であるので、出力の差は概ね視覚上の差に比例し、誤
差が十分に小さければ視覚上の差もほぼ無くなる。ここ
で、前述したように、ニューラルネットワークの特性に
より測定誤差は学習されないので、誤差の小さい出力装
置モデル405を構成することができる。なお、出力装
置モデル5は、多項式やその他の微分可能な関数によっ
ても構成することができる。
【0085】次いで、図17(b)に示すように、構成
した出力装置モデル405を用いて、色座標から色材座
標に変換する色変換ネットワークを構成する。適宜の色
座標、例えば、NTSC規格RGB色空間上の点、 (入力) Ri,Gi,Bi を学習する際には、一旦色変換ネットワークを用いて、
予測出力 (出力) Ci,Mi,Yi を得る。出力装置モデルを用いて、出力を予測し、均等
色空間上での予測値 (予測) L’i,a’i,b’i を得る。入力を予測と同じ均等色空間に変換し、その結
果を (入力) L”i,a”i,b”i とするとき、色変換ネットワークの出力の誤差を、 (誤差) d(L’i,a’i.b’i;L”i.a”i
b”i) と定める。ここで、dはその色空間上での距誰であり、
例えばCIE L***空間ではユークリッド距離 ΔEi={(L’i−L”i2+(a’i−a”i2
(b’i−b”i21/2 による。
【0086】この誤差ΔEiを出力装置モデルを用いて
色材空間上に変換する。出力装置モデル405は微分可
能であるので、出力装置モデルの各入力について、 δEi/δRi δEi/δGi δEi/δBi を求める。この誤差ΔEiが減少するように、色変換ネ
ットワークの各定数を通常のバックプロパゲーション法
により学習する。
【0087】ニューラルネットワークの規模や学習の諸
定数を適切に設定することにより次第に誤差ΔEiが減
少し、測定誤差が除去される。この差が十分減少した時
点で学習を終了する。この過程で、実測値の各R,G,
Bと色変換ネットワークの出力の差は必ずしも減少する
とは限らないが、均等色空間上では誤差は減少する。最
後に、図17(c)に示すように、この方法により得た
色変換ネットワークの入力に、ルックアップ・テーブル
の格子点を与えることにより、ルックアップ・テーブル
の格子点データを構成することができる。
【0088】ところで、印刷装置では、イエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及び黒(K)な
どの4色以上の色材を用いることが一般的である。この
場合、一旦Y,M、Cの3色の座標を定め、Y,M,C
を混色して構成した黒成分を適宜の量だけKに置き換え
ることにより、色座標から色材座標を得ているが、本発
明の方法によっても同様に、一旦、Y,M,Cの3色の
座標を定め、Y,M,Cを混色して構成した黒成分を適
宜の量だけKに置き換えることにより色座標から色材座
標を得てルックアップ・テーブルの格子点データとする
ことができる。
【0089】しかし、色座標からY,M,C,Kなどの
4色以上の色材の色材座標は、一意に定めることができ
ないので、本発明の方法を適用して直接4色の色材座標
を得ることはできない。そこで、入力色座標に加えて、
Y,M,C,Kのうちの1色、例えばKを色変換ネット
ワークの入力とすることにより色変換ネットワークの出
力を一意に定めることができる。
【0090】図18及び図19は、均等色空間での誤差
を最小にし、さらに適宜のKを選択できるようにした方
法によりルックアップ・テーブルの係数を定めるように
した4色再現による係数決定の実施例を示す図である。
図18(b)に示すように、色変換ネットワーク407
の入力に色座標と色材座標の1つを、誤差信号には出力
装置モデルの誤差を与えることにより、4入力3出力の
色変換ネットワークを構成する。この際、出力装置モデ
ル406の入力は色変換ネットワーク407の出力のほ
かに、色変換ネットワーク406の入力とした色材座標
の1つを与える。
【0091】図18(a)に示すように、この色変換ネ
ットワーク406の入力には、色座標の他に、他の色材
座標の1つを与えることにより他の3つの色材座標を得
ることができる。入力に与える色材座標の1つは適宜に
決めることも可能であるが、印刷装置において、この1
つをKとしたとき、Kの最小値は0(%)であり、Kの
最大値は出力のY、M,Cの最小値が0(%)となると
きの値である。このKの最大値は2分探索などにより求
めることができる。これらの値を用いて、図19(b)
のように、ルックアップ・テーブルの格子点データを定
めることができる。
【0092】図20は、他の入出力情報の獲得例とし
て、入力装置のルックアップ・テーブル用の係数を定め
ている実施例である。入力装置408において、図20
(a)に示すように、原稿を入力し、入力結果、例えば
緑(G),青(B),赤(R)信号を、ルックアップ・
テーブル401の色変換演算を用いて、読み値、例えば
XYZ3刺激値を得る場合を考える。この場合も、前述
のように読み値上での誤差を小さくする場合に比較し
て、均等色空間上での誤差を小さくするほうが視覚的に
誤差の小さい結果を得ることができる。
【0093】まず、図20(b)に示すように、均等色
空間上の色座標が既知の色票を入力装置408により入
力する。この色票の一例としては色票(ISO IT8
/7.1,2)が知られている。この工程により得られ
た結果により対応表を作成する。次いで、図20(c)
に示すように、この対応表をニューラルネットワーク4
09に与え、均等色空間上での誤差が小さくなるように
学習を行う。学習結果を用い、図20(d)に示すよう
に格子点を入力し、得られた均等色座標を読み値に変換
し、ルックアップ・テーブル401の格子点データとす
る。この際、読み値の色座標が色票の均等色空間と等し
ければ変換を省略することも可能である。
【0094】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ネットワーク上
の複数のカラーデバイス間での種々のデバイス−非デバ
イス信号間色変換に対して、1)入出力装置の特性算
出、2)指定された入出力装置間での画像変換のための
色変換係数算出、3)ルックアップテーブルないしは微
分可能な連続関数を用いた色変換演算の諸機能を、統一
的に提供することが可能となる。
【0095】これらの機能は、アプリケーションソフ
ト、デバイスドライバーに提供されるので、幅広いカラ
ードキュメントの作成編集環境で利用可能である。例え
ば、ハイエンドDTPの代表例である印刷産業において
は、本印刷の前に、簡便なプリンタを用いて本印刷と同
一の色再現を提示でき、印刷の発注者とドキュメントデ
ザイナーとの間の意向の統一を早期化できる。また、入
出力装置の特性算出方法を同時に提供することによっ
て、、種々のデバイスの個体差や経時変動で同一の色再
現が得られないことによるトラブルを解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の主な用途であるプロダクシヨンプリ
ンティング分野での、複数のカラ一画像入力装置を接続
し、用途に応じて適宜装置を選択し用いていることを示
す図である。
【図2】 本発明の色変換係数および画像に関する処理
の、より具体的な構成を示す図である。
【図3】 本発明がホストコンピユータ内で実現される
場合の実施例の一例を示す図である。
【図4】 本発明の色変換部として、ルックアップテー
ブルを用いた場合の構成および補間の原理を示す図の第
1の部分である。
【図5】 本発明の色変換部として、ルックアップテー
ブルを用いた場合の構成および補間の原理を示す図の第
2の部分である。
【図6】 本発明の色変換部の微分連続な関数の一例と
してニューラルネットワークを用いた場合の構成を示す
図である。
【図7】 本発明の色変換部の微分連続な関数をアナロ
グ回路により実装する場合の構成の一例を示す図であ
る。
【図8】 本発明の色変換部の微分連続な関数をアナロ
グ回路により実装する場合の構成の他の例を示す図であ
る。
【図9】 本発明の動作を示す図である。
【図10】 入力機器特性情報獲得の手順を示す図であ
る。
【図11】 出力機器特性情報獲得の手順を示す図であ
る。
【図12】 入出力によって処理が異なることを示す図
である。
【図13】 微分連続関数による近似の一例の詳細を示
すである。
【図14】 色変換部に微分可能な連続関数を用いた場
合の関数係数算出と色変換の詳細を示す図である。
【図15】 色変換部にルックアップ・テーブルを用い
た場合の色変換の詳細を示す図である。
【図16】 色材空間での誤差を最小にするように学習
したニューラルネットワークを用いてルックアップ・テ
ーブルの内容を定めている実施例を示す図である。
【図17】 均等色空間での誤差を最小にするように学
習したニューラルネットワークを用いて、ルックアップ
・テーブルの内容を定めている実施例を示す図である。
【図18】 均等色空間での誤差を最小にし、さらに適
宜の黒を選択できるようにした方法によりグイレクト・
ルックアップ・テーブルの内容を定めるようにした4色
再現の工程を示す図である。
【図19】 図18に続く工程を示す図である。
【図20】 均等色空間での誤差を最小にするようにル
ックアップ・テーブルの内容を定めている実施例を示す
図である。
【符号の説明】
1:入力装置、1−1:ドラムスキャナー、1−2:フ
ォトCD、1−3:フラットベッドスキャナー、2:ホ
ストコンピュータ、3:出力装置、3−1:イメージセ
ッタ、3−2:色校正用プリンタ、3−3:低解像度デ
スクトッププリンタ、10:入力機器画像データ、11
a〜11n:非線形関数演算部、12a〜12n:乗算
部、13:加算部、20:色変換係数算出手段、20
a:係数算出演算部、20b:係数記憶部、21:入力
機器特性情報群、22:機器情報記憶手段、22a:機
器情報記憶部、23:出力機器特性情報群、24:演算
手段、25:装置特性算出手段、25−1:特性評価試
験データ、25−2:測色演算手段、30:出力機器画
像データ、41:描画装置、42:アプリケーションソ
フト、43:デバイスドライバー、44:ディスプレ
イ、50:ニューラルネットワーク色変換部、50a:
入力層、50b:第1中間層、50c:第2中間層、5
0d:出力層、51:色変換係数設定部、52:インタ
ーフエイス部、241:インターフエイス部、242:
近傍格子アドレス生成部、243:ルックアップテーブ
ル格子点データ記憶部、244;ルックアップテーブル
色変換係数設定部、245:補間演算部、301:中央
演算ユニット、302:主記憶ユニット、302a:画
像記憶部、303:外部記憶ユニット、304:測色ユ
ニット、305:外部I/Fユニット、305a:イン
ターフェイス部、305b:色変換係数制御部、305
c:色変換演算部、401:ダイレクト・ルックアツプ
・テーブル、402:出力装置、403:色票(色材座
標)、404:ニューラルネットワーク、405,40
6:出力装置モデル、407:色変換ネットワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−229573(JP,A) 特開 平6−36002(JP,A) 特開 平5−22586(JP,A) 特開 平4−83471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/40 - 1/409 H04N 1/46 - 1/64 G06T 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力色座標値をカラー画像処理出力装置の
    色材座標値に変換するルックアップテーブルの格子点デ
    ータを決定する方法であって、 微分可能な連続関数を用いルックアップテーブルで必要
    とされる格子点の入力座標を入力し、対応する色材座標
    値を当該ルックアップデーブルの格子点データとして決
    定することを特徴とするルックアップデーブルの格子点
    データを決定する方法
  2. 【請求項2】 入力色座標値をカラー画像出力装置の色
    材座標値に変換するルックアップテーブルの格子点デー
    タを決定する方法であって、 色変換を行う装置における入力色座標とこれに対応する
    色材座標値の実測値を学習したニューラルネットワーク
    を用い、ルックアップデーブルで必要とされる格子点の
    入力座標を入力し、対応する色材座標値を前記ルックア
    ップテーブルの格子点データとして決定することを特徴
    とするルックアップデーブルの格子点データを決定する
    方法
  3. 【請求項3】 入力色座標値をカラー画像出力装置の色
    材座標値に変換するルックアップ・テーブルの格子点デ
    ータを決定する方法であって、 (1)適宜の色票を前記カラー画像出力装置により出力
    する工程と、 (2)前記出力された色票を入力色座標と同じ色座標で
    測色することにより前記カラー画像出力装置の入出力の
    対応表を構成する工程と、 (3)入力色座標が均等色空間でない場合は、入力色座
    標値を均等色座標値に変換する工程と、 (4)前記(2)の工程により構成した入出力の対応表
    を基に、前記カラー画像出力装置の色材座標値から均等
    色座標値を予測する微分可能な関数による出力装置モデ
    ルを作成する工程と、 (5)ニューラルネットワークを前記出力装置モデルの
    逆対応となるように均等色空間上での距離を小さくする
    ようにバックプロパゲーシヨン学習する工程と、 (6)前記ニューラルネットワークによりルックアップ
    ・テーブルの格子点データを決定する工程とからなるこ
    とを特徴とする色変換係数決定方法
  4. 【請求項4】 前記出力装置モデルがニューラルネット
    ワークにより構成さ れ、バックプロパゲーシヨン学習に
    よりモデルを作成することを特徴とする請求項3記載の
    色変換係数決定方法
  5. 【請求項5】 画像入力装置の色変換を行うルックアッ
    プ・テーブルの格子点データを決定する方法であって、 (1)均等色空間上の色座標が既知の色票を人力装置に
    より入力する工程と、 (2)色票の色座標と入力値との対応表を構成する工程
    と、 (3)前記対応表に基づき入力装置の入力値から色票の
    色座標をニューラルネットワークにバックプロパゲーシ
    ヨン法により学習を行う工程と、 (4)前記ニューラルネットワークの入力にルックアッ
    プ・テーブルの格子点を与え、前記ニューラルネットワ
    ークの出力を適宜の色空間に変換することによりルック
    アップ・テーブルの格子点データを決定する工程により
    色変換係数を求めることを特徴とする色変換係数決定方
  6. 【請求項6】 色座標がルックアップ・テーブルにより
    色材座標に変換されこの色材座標により出力装置が駆動
    されるカラー出力装置において使用される前記ルックア
    ップ・テーブルの格子点データを決定するための方法で
    あって、 色材座標とこの色材座標に基づいて前記カラー出力装置
    によって出力された結果を測色して得た色座標の対を多
    数用意し、 前記色材座標を教師信号とし前記色座標を入力信号とし
    てニューラルネットワークにより学習を行い、 前記学習後のニューラルネットワークの入力として前記
    ルックアップ・テーブルの格子点の色座標を与えたとき
    に前記ニューラルネットワークの出力として得られる色
    材座標を前記ルックアップ・テーブルに記録することを
    特徴とする色変換係数決定方法
  7. 【請求項7】 色座標がルックアップ・テーブルにより
    色材座標に変換されこの色材座標により出力装置が駆動
    されるカラー出力装置において使用される前記ルックア
    ップ・テーブルの格子点データを決定するための装置で
    あって、 或る色材座標を教師信号とし、この色材座標に
    基づいて前記カラー画像出力装置によって出力された結
    果を測色して得た色座標を入力信号として学習を行うニ
    ューラルネットワークと、 前記ニューラルネットワークの入力として前記ルックア
    ップ・テーブルの格子点の色座標を与えたときに前記ニ
    ューラルネットワークの出力として得られる色材座標を
    前記ルックアップ・テーブルに記録する手段とを備えて
    いることを特徴とする色変換係数決定装置
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