JP3359417B2 - 建物ユニット、ユニット建物及びユニット建物の施工方法 - Google Patents

建物ユニット、ユニット建物及びユニット建物の施工方法

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JP3359417B2 JP07315194A JP7315194A JP3359417B2 JP 3359417 B2 JP3359417 B2 JP 3359417B2 JP 07315194 A JP07315194 A JP 07315194A JP 7315194 A JP7315194 A JP 7315194A JP 3359417 B2 JP3359417 B2 JP 3359417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物ユニット、ユニッ
ト建物及びユニット建物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建物の工業生産方式として、柱と床梁と
天井梁とを箱形に接合した骨組構造体からなる建物ユニ
ットを工場生産し、この工場生産した建物ユニットを現
場に輸送し、複数の建物ユニットを基礎上にて水平方
向、鉛直方向に接合してユニット建物を構築するものが
ある。
【0003】この建物ユニットにおいて、玄関、ステッ
プダウン室等の床レベルを標準レベルよりも下げるもの
にあっては、特開昭59−4736号公報に記載の如
く、玄関はき出し部、ステップダウン部に対応する床梁
を一部カットすることとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
の建物ユニットでは、床梁の一部をカットしているた
め、下記(a) 、(b) の問題点がある。
【0005】(a) 床梁の一部をカットしているため、そ
のユニット自体で構造強度を完結させることができず、
その構造強度を基礎や隣接建物ユニットに負担させざる
を得ない。即ち、構造強度をユニット個々で完結させる
ことによって構造計画を単純化させるというユニット建
物の大きなメリットを享受できず、隣接建物ユニットに
補強を施す必要を生ずる等のデメリットがある。特に、
2階等の階上ユニットに玄関、ステップダウン室等を設
ける場合には、下階ユニットを補強する等、構造強度
的、納まり的に多大な困難を伴う。
【0006】(b) 床梁の一部をカットしているため、当
該ユニット内に設けられる玄関はき出し部の床、ステッ
プダウン部の床を現地で施工する他ない。即ち、建物ユ
ニットの工場生産化率を高め、工期短縮、品質均一化を
実現するというユニット建物の大きなメリットを享受で
きない。
【0007】本発明は、床梁をカットすることなく玄
関、ステップダウン室等の低床レベル構造を構築可能と
し、建物ユニットの構造強度を当該ユニット自体で完結
させるとともに、建物ユニットの工場生産化率を高めた
建物ユニットを提供すること、床梁をカットすることな
く玄関、ステップダウン室等の低床レベル構造を構築可
能としたユニット建物及びそのようなユニット建物の施
工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、柱と床梁と天井梁とを箱形に接合した骨組構造体か
らなる建物ユニットにおいて、梁せいが梁長手方向で変
化してなる床梁を有し、前記床梁が梁せいの高い主床梁
と、梁せいの低い副床梁とを接合してなり、副床梁の梁
幅が主床梁の梁幅より大であるようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1記載
の建物ユニットにおいて、前記主床梁が溝形鋼であり、
副床梁が鋼管であるようにしたものである。
【0010】請求項3に記載の本発明は、請求項1また
は2記載の建物ユニットにおいて、前記副床梁の上面に
スタッド取付具が設けられ、このスタッド取付具の上面
レベルが主床梁の上面レベルに揃えられてなるようにし
たものである。
【0011】請求項4に記載の本発明は、複数の建物ユ
ニットを接合してなるユニット建物において、前記建物
ユニットの少なくとも一つが請求項1、2又は3記載の
建物ユニットであるようにしたものである。
【0012】請求項5に記載の本発明は、複数の建物ユ
ニットを水平方向または(及び)鉛直方向に接合してユ
ニット建物を施工する方法であって、前記建物ユニット
の少なくとも一つに請求項1、2又は3記載の建物ユニ
ットを使用し、この建物ユニットの床梁をカットするこ
となく低床レベル部を形成するようにしたものである。
【0013】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば下記(a) 〜
(e) の作用がある。 (a) 建物ユニットによって、玄関、ステップダウン室等
の低床レベル構造を構築するとき、玄関はき出し部、ス
テップダウン部等の低床レベル部に対応する部分で、床
梁の梁せいを一部低くすることにより、床梁をカットす
ることなく低床レベル構造を構築できる。
【0014】(b) 建物ユニットの床梁をカットしないの
で、そのユニット自体で構造強度を完結させることがで
き、その構造強度を基礎や隣接建物ユニットに負担させ
る必要がない。即ち、構造強度をユニット個々で完結さ
せることによって、ユニット建物の構造計画を単純化さ
せることができる。また、隣接建物ユニットに補強を施
す必要がない。
【0015】(c) 建物ユニットの床梁をカットしないの
で、当該ユニット内に設けられる玄関はき出し部の床、
ステップダウン部の床を工場施工にすることができる。
即ち、建物ユニットの工場生産化率を高め、ユニット建
物の工期短縮、品質均一化を実現できる。
【0016】(d) 建物ユニットの床梁が梁せいの高い主
床梁と、梁せいの低い副床梁とを接合してなり、主床梁
の底面と副床梁の底面とを揃えてなるものとすることに
より、当該建物ユニットを基礎、下階建物ユニットの上
に搭載するとき、当該建物ユニットの主床梁と副床梁と
をともに、それらの基礎上面、下階建物ユニットの天井
大梁上面に安定的に載置できる。これにより、ユニット
建物を安定的に組み上げ、構築できる。
【0017】(e) 主床梁は梁せいを高く、梁幅を小と
し、副床梁は梁せいを低く、梁幅を大とするものであ
り、主床梁と副床梁との間で、それらの断面積を互いに
近似させ、結果として、それらの断面性能(断面係数
等)を互いに近似させながら、それらの梁せいをできる
だけ異ならせることができる。即ち、床梁として必要な
断面性能を過不足なく経済的に確保しながら、標準レベ
ルに対しできるだけ低位の低床レベル部を形成できる。
【0018】請求項2に記載の本発明によれば上記(a)
〜(e) の作用に加え、下記(f) の作用がある。 (f) 主床梁が溝形鋼であり、副床梁が鋼管であるものと
することにより、主床梁と副床梁との間で、それらの断
面性能(断面係数等)を互いに近似させながら、それら
の梁せいをできるだけ異ならせることができる。即ち、
床梁として必要な断面性能を過不足なく経済的に確保し
ながら、標準レベルに対しできるだけ低位の低床レベル
部を形成できる。
【0019】請求項3に記載の本発明によれば上記(a)
〜(f) の作用に加え、下記(g) の作用がある。 (g) 玄関はき出し部等の低床レベル部を梁せいの低い副
床梁によって構成するとき、玄関扉等のためのスタッド
を、副床梁の上面に設けたスタッド取付具に取付ける。
このとき、スタッド取付具は主床梁の上面レベルと同一
レベルに設定されるから、スタッド取付具上でのスタッ
ド高さは標準床レベル部に設けられる標準スタッドのそ
れと同一になる。即ち、低床レベル部に取付られるスタ
ッドとして、標準床レベル部に取付られる標準スタッド
を流用でき、部材の標準化を促進できる。
【0020】請求項4に記載の本発明によれば、下記
(h) の作用がある。 (h) 複数の建物ユニットの少なくとも一つが請求項1、
2又は3記載の建物ユニットであるので、この建物ユニ
ットに、玄関、ステップダウン室等の低床レベル部を工
場施工にし、床梁をカットすることなく低床レベル部が
形成された、低床レベル部を有し、建物ユニットの構造
強度が当該ユニット自体で完結させたユニット建物が提
供される。
【0021】請求項5に記載の本発明によれば下記(i)
の作用がある。 (i) 複数の建物ユニットの少なくとも一つに請求項1、
2又は3記載の建物ユニットを使用して施工するので、
玄関、ステップダウン室等の低床レベル部を工場施工
し、床梁をカットすることなく低床レベル部を有し、建
物ユニットの構造強度が当該ユニット自体で完結させた
ユニット建物が、短期の工期で施工でき、品質均一化が
実現される。
【0022】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る建物ユニット
が適用されたユニット建物の一部を示す模式図、図2は
床梁を示す模式図であり、(A)は平面図、(B)は正
面図、図3は建物ユニットの要部を示す斜視図、図4は
建物ユニットの要部を示す模式図であり、(A)は平面
図、(B)は正面図、(C)は端面図、図5は図4
(A)のV 方向から視た矢視図、図6は図4(B)のVI
-VI 線に沿う断面図である。
【0023】ユニット建物10は、図1に示す如く、工
場生産した建物ユニット11を現場に輸送し、複数の建
物ユニット11を基礎上にて水平方向、鉛直方向に接合
して構築される(但し、図1は上階建物ユニット11A
と下階建物ユニット11Bの接合状態のみを示してあ
る)。
【0024】ここで、建物ユニット11は、標準的に
は、図1に示す如くの軸組式からなり、4本の角鋼管製
柱15を4隅に配置し、各柱15の下端部に設けた溝形
状鋼板製連結片16に床構造体17の4隅を接合すると
ともに、各柱15の上端部に設けた溝形状鋼板製連結片
18に天井構造体19の4隅を接合することにて、箱形
の骨組構造体をなす如くに構成されている。
【0025】床構造体17は、4本の溝形鋼製床大梁2
0を上記連結片16の内側に重ね合わせる如くに嵌合、
溶接して外枠を形成している。また、床構造体17は、
複数の相互に並列配置される床小梁21のそれぞれを相
対する床大梁20、20間に架け渡し、各床小梁21の
両端部に設けた溝形状鋼板製連結片を上記対応する床大
梁20のそれぞれに溶接している。更に、床構造体17
は、複数の相互に並列配置される木製床根太23のそれ
ぞれを各床小梁21に直交配置し、各床根太23をそれ
ら床小梁21の上部に接着剤又は釘打ちにて固定し、各
床根太23の上部に床板を接着剤又は釘打ちにて固定し
ている。
【0026】天井構造体19は、4本の溝形鋼製天井大
梁25を上記連結片18の内側に重ね合わせる如くに嵌
合、溶接して外枠を形成している。また、天井構造体1
9は、複数の相互に並列配置される木製天井根太26の
それぞれを、天井大梁25に接着剤又は釘打ちにて固定
している。更に、天井構造体19は、各天井根太26の
下部に天井板を接着剤又は釘打ちにて固定している。
【0027】ユニット建物10にあっては、水平方向に
て隣り合う左右の建物ユニット11、11の床構造体1
7を構成している床大梁20を相互にボルト結合すると
ともに、それらの天井構造体19を構成している天井大
梁25を相互にボルト結合して、それらの建物ユニット
11、11を水平方向にて接合している。また、鉛直方
向にて隣り合う上下の建物ユニット11A、11Bの接
合については、下階建物ユニット11Bの天井構造体1
9を構成している天井大梁25と、上階建物ユニット1
1Aの床構造体17を構成している床大梁20のうち該
天井大梁25に対応するものとをボルト結合することと
している。
【0028】然るに、ユニット建物10にあっては、上
階建物ユニット11Aにて2階玄関(もしくはステップ
ダウン室)を構成するものであり、その玄関はき出し部
に対応する床大梁20Aについて、その梁せいを梁長手
方向で変化させている。
【0029】床大梁20Aは、図2に示す如く、梁せい
の高い主床梁31と、梁せいの低い副床梁32とを接合
してなり、主床梁31の底面と副床梁32の底面とを揃
えている。ここで、副床梁32の梁幅は副床梁31の梁
幅より大に設定される。
【0030】尚、図2において、41は玄関ドアを固定
するためのスタッド取付金具である。ここで、スタッド
取付金具41は副床梁32の両面に設けられ、スタッド
取付金具41の上面レベルは副床梁31の上面レベルと
同一レベルをなすように揃えられている。
【0031】そして、主床梁31は上階建物ユニット1
1Aの他の床大梁20と同一の溝形鋼にて構成されてい
る。他方、副床梁32は鋼管にて構成されている。副床
梁32は主床梁31と同等以上の断面性能を備えたもの
とする。例えば、主床梁31としては150 ×50×50(m
m)、もしくは150 ×75×75(mm)の断面寸法の溝形鋼を採
用し、副床梁32としては100 ×100(mm) の断面寸法の
鋼管を採用できる。
【0032】然るに、上階建物ユニット11Aにおける
床大梁20Aの接合構造は下記(1)〜(3) の如くである
(図3〜図6)。
【0033】(1) 上階建物ユニット11Aが形成する玄
関はき出し部の両側において、柱15に設けてある前記
連結片16の内側に主床梁31を重ね合わせる如くに嵌
合、溶接する。
【0034】(2) 主床梁31の溝形鋼端面に、平鋼板3
3を介して、副床梁32の鋼管端面を溶接する。平鋼板
33は、副床梁31の梁せいと同一長を一辺の長さと
し、副床梁32の梁幅と同一長を他の辺の長さとしてい
る。
【0035】このとき、主床梁31から平鋼板33への
荷重の伝達に対し、主床梁31と平鋼板33の溶接長の
不足を補うため、主床梁31の内側に溝形鋼製補強金具
34を溶接し、補強金具34の端面も平鋼板33に溶接
してある。
【0036】(3) 主床梁31と副床梁32の接合部での
曲げ応力に対する応力集中を防ぐため、副床梁32の上
面に平鋼板35を溶接し、この平鋼板35の両側縁部と
平鋼板33の上側の両側縁部とに三角形状の補強鋼板3
6、36を溶接する。これにより、主床梁31と副床梁
32の接合部での曲げ荷重は、副床梁32の上面の全面
に分散するものとなる。
【0037】上階建物ユニット11Aにおける荷重の流
れは、[柱15→連結片16→主床梁31、補強金具3
4→平鋼板33→補強鋼板36→平鋼板35→副床梁3
2]となる。
【0038】以下、本実施例の作用について説明する。 (a) 建物ユニット11Aによって、玄関、ステップダウ
ン室等の低床レベル構造を構築するとき、玄関はき出し
部、ステップダウン部等の低床レベル部に対応する部分
で、床大梁20Aの梁せいを一部低くすることにより、
床大梁20Aをカットすることなく低床レベル構造を構
築できる。
【0039】(b) 建物ユニット11Aの床大梁20Aを
カットしないので、そのユニット自体で構造強度を完結
させることができ、その構造強度を基礎や隣接建物ユニ
ットに負担させる必要がない。即ち、構造強度をユニッ
ト11個々で完結させることによって、ユニット建物1
0の構造計画を単純化させることができる。また、隣接
建物ユニット11に補強を施す必要がない。
【0040】(c) 建物ユニット11Aの床大梁20Aを
カットしないので、当該ユニット11A内に設けられる
玄関はき出し部の床、ステップダウン部の床を工場施工
にすることができる。即ち、建物ユニット11の工場生
産化率を高め、ユニット建物10の工期短縮、品質均一
化を実現できる。
【0041】(d) 建物ユニット11Aの床大梁20Aが
梁せいの高い主床梁31と、梁せいの低い副床梁32と
を接合してなり、主床梁31の底面と副床梁32の底面
とを揃えてなるものとすることにより、当該建物ユニッ
ト11Aを基礎、下階建物ユニット11Bの上に搭載す
るとき、当該建物ユニット11Aの主床梁31と副床梁
32とをともに、それらの基礎上面、下階建物ユニット
11Bの天井大梁25上面に安定的に載置できる。これ
により、ユニット建物10を安定的に組み上げ、構築で
きる。
【0042】(e) 主床梁31は梁せいを高く、梁幅を小
とし、副床梁32は梁せいを低く、梁幅を大とするもの
であり、主床梁31と副床梁32との間で、それらの断
面積を互いに近似させ、結果として、それらの断面性能
(断面係数等)を互いに近似させながら、それらの梁せ
いをできるだけ異ならせることができる。即ち、床梁と
して必要な断面性能を過不足なく経済的に確保しなが
ら、標準レベルに対しできるだけ低位の低床レベル部を
形成できる。
【0043】(f) 主床梁31の端部と副床梁32の上面
との間に、補強板(平鋼板35、補強鋼板36)が介在
されることから、主床梁31と副床梁32の接合部での
曲げ応力に対する応力集中を防ぎ、主床梁31と副床梁
32との間での応力伝達をスムースにすることができ
る。
【0044】(g) 主床梁31の端部と副床梁32の端部
とが、主床梁31の梁せいと同一長を一辺の長さとし副
床梁32の梁幅と同一長を他の辺の長さとする平鋼板3
3を介して接合されることから、主床梁31と副床梁3
2との接合部での応力集中を防ぎ、主床梁31と副床梁
32との間での応力伝達をスムースにすることができ
る。
【0045】(h) 主床梁31が溝形鋼であり、副床梁3
2が鋼管であるものとすることにより、主床梁31と副
床梁32との間で、それらの断面性能(断面係数等)を
互いに近似させながら、それらの梁せいをできるだけ異
ならせることができる。即ち、床梁として必要な断面性
能を過不足なく経済的に確保しながら、標準レベルに対
しできるだけ低位の低床レベル部を形成できる。
【0046】(i) 玄関はき出し部等の低床レベル部を梁
せいの低い副床梁32によって構成するとき、玄関扉等
のためのスタッドを、副床梁32の上面に設けたスタッ
ド取付金具41に取付ける。このとき、スタッド取付金
具41は主床梁31の上面レベルと同一レベルに設定さ
れるから、スタッド取付金具41上でのスタッド高さは
標準床レベル部に設けられる標準スタッドのそれと同一
になる。即ち、低床レベル部に取付られるスタッドとし
て、標準床レベル部に取付られる標準スタッドを流用で
き、部材の標準化を促進できる。
【0047】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
たが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、床梁の梁せ
いは、梁長手方向で不連続的に変化にするものに限ら
ず、連続的に変化するものであっても良い。
【0048】また、本発明の建物ユニットは、玄関、ス
テップダウン室に限らず、勝手口、浴室、車庫等を構成
するものにも適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、建物ユニ
ットにおいて、床梁をカットすることなく玄関、ステッ
プダウン室等の低床レベル構造を構築可能とし、建物ユ
ニットの構造強度を当該ユニット自体で完結させるとと
もに、建物ユニットの工場生産化率を高めることができ
る。
【0050】また、本発明のユニット建物によれば、こ
の建物ユニットに、玄関、ステップダウン室等の低床レ
ベル部を工場施工にし、床梁をカットすることなく低床
レベル部が形成された、低床レベル部を有し、建物ユニ
ットの構造強度が当該ユニット自体で完結させたユニッ
ト建物が提供される。
【0051】さらに、本発明のユニット建物の施工方法
によれば、玄関、ステップダウン室等の低床レベル部を
工場施工し、床梁をカットすることなく低床レベル部を
有し、建物ユニットの構造強度が当該ユニット自体で完
結させたユニット建物が、短期の工期で施工でき、品質
均一化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る建物ユニットが
適用されたユニット建物の一部を示す模式図である。
【図2】図2は床梁を示す模式図であり、(A)は平面
図、(B)は正面図である。
【図3】図3は建物ユニットの要部を示す斜視図であ
る。
【図4】図4は建物ユニットの要部を示す模式図であ
り、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は端面図
である。
【図5】図5は図4(A)のV 方向から視た矢視図であ
る。
【図6】図6は図4(B)のVI-VI 線に沿う断面図であ
る。
【符号の説明】
11A 建物ユニット 15 柱 20、20A 床大梁(床梁) 25 天井大梁(天井梁) 31 主床梁 32 副床梁 33 平鋼板(平板) 35 平鋼鈑(補強板) 36 補強鋼鈑(補強板) 41 スタッド取付金具(スタッド取付具)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と床梁と天井梁とを箱形に接合した骨
    組構造体からなる建物ユニットにおいて、梁せいが梁長
    手方向で変化してなる床梁を有し、 前記床梁が梁せいの高い主床梁と、梁せいの低い副床梁
    とを接合してなり、 副床梁の梁幅が主床梁の梁幅より大であることを特徴と
    する建物ユニット。
  2. 【請求項2】 前記主床梁が溝形鋼であり、副床梁が鋼
    管であることを特徴とする請求項1記載の建物ユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記副床梁の上面にスタッド取付具が設
    けられ、このスタッド取付具の上面レベルが主床梁の上
    面レベルに揃えられてなることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の建物ユニット。
  4. 【請求項4】 複数の建物ユニットを接合してなるユニ
    ット建物において、前記建物ユニットの少なくとも一つ
    が請求項1、2又は3記載の建物ユニットであることを
    特徴とするユニット建物。
  5. 【請求項5】 複数の建物ユニットを水平方向または
    (及び)鉛直方向に接合してユニット建物を施工する方
    法であって、前記建物ユニットの少なくとも一つに請求
    項1、2又は3記載の建物ユニットを使用し、この建物
    ユニットの床梁をカットすることなく低床レベル部を形
    成することを特徴とするユニット建物の施工方法。
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