JP3358337B2 - 自動車用エンジンの吸気装置 - Google Patents

自動車用エンジンの吸気装置

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JP3358337B2
JP3358337B2 JP27902594A JP27902594A JP3358337B2 JP 3358337 B2 JP3358337 B2 JP 3358337B2 JP 27902594 A JP27902594 A JP 27902594A JP 27902594 A JP27902594 A JP 27902594A JP 3358337 B2 JP3358337 B2 JP 3358337B2
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンの吸
気装置に関し、特に、吸入空気量の増大化を図ると共
に、エアクリーナ本体ケースの取付性及びフィルタエレ
メント交換性等の向上を図る吸気ダクト技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に、レース用等の自動車のエ
ンジンにおいては、ボディ内の限られたスペース内で吸
入空気量増大を図りつつ、エアクリーナ本体ケースの取
付性及びフィルタエレメント交換性等の向上を図り、し
かも簡単な構造とすることが望まれている。
【0003】ところで、従来の自動車用エンジンの吸気
装置として、図5に示すような技術が知られている(実
公昭59−30739号公報参照)。この技術は、狭い
作業空間部であっても容易に、又、クランプを要するこ
となく、更に吸気パイプをボディパネルに予め設けるこ
となく吸気ダクトを確実かつ容易に装着することを目的
としたものである。
【0004】即ち、エアクリーナ1の吸気口部2に合成
樹脂製の吸気ダクト3を接続し、これをボディパネル4
の透孔5から導出させるものにおいて、吸気ダクト3の
一端側の外周面に蛇腹加工部6を設け、この蛇腹加工部
6の縮小により吸気ダクト3をエアクリーナ1の吸気口
部2と前記ボディパネル4の透孔5との間に介装すると
共に、蛇腹加工部6の弾発復元力で一端を吸気口部2に
嵌合させ、蛇腹加工部6の始端に形成された係止部7を
透孔5の周縁に係止させ他端を透孔5から導出させるよ
うにしている。
【0005】又、従来の他の吸入装置として、図6に示
すような技術も知られている(実開昭62−769号公
報参照)。この技術は、自動車の仕様に応じてホットエ
アとクールエアとを選択的に吸入できることを目的とし
ている。即ち、エアクリーナホース8の空気吸入部に、
互いに相反する方向に開口部を形成した一対のホットエ
アとクールエアの吸込口9,10を設け、2つの吸込口
9,10の一方をパネル11に形成された取付穴12に
択一的に嵌挿して、一方をエンジンルーム内に、他方を
エンジンルーム外に開口し、自動車の仕様に応じて2つ
の吸込口9,10のいずれか一方を閉塞するようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
吸気装置にあっては、蛇腹加工部6の縮小により吸気ダ
クト3をエアクリーナ1の吸気口部2と前記ボディパネ
ル4の透孔5との間に介装する構成であり、吸気ダクト
3に蛇腹加工部6や係止部7を設ける必要がある等、吸
入ダクト3の製作性に劣る。又、この従来技術にあって
は、エアクリーナの取付性は向上できるものの、フィル
タエレメント交換性等の向上や、吸入空気量の増大化を
図る技術の開示はなく、ボディ内の限られたスペース内
で吸入空気量増大を図りつつ、フィルタエレメント交換
性等の向上を図ろうとする要望を満足できない。
【0007】後者の吸気装置にあっては、閉じている側
の吸入口9又は10を開けても、エアクリーナに接続し
ているエアクリーナホース8の径は不変であるから、吸
入空気量は変わらず、吸入空気量の増大化は望めない。
又、この従来技術にあっては、エアクリーナの取付性、
フィルタエレメント交換性等の向上を図ろうとする要望
を満足できない。
【0008】本発明は以上のような従来の問題点に鑑
み、自動車用エンジンの吸気装置において、ボディ内の
限られたスペースで吸入空気量増大を図りつつ、エアク
リーナ本体ケースの取付性とフィルタエレメント交換性
の向上等を図り、しかも簡単な構造とすることを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、エンジンルーム内に配設されるエアクリーナ
の本体ケース壁に形成されて該ケース内の新気導入側空
間部と連通する吸気口に着脱自由に結合される吸気ダク
トを設け、該吸気ダクトを、エンジンルーム周囲のボデ
ィパネルの貫通孔をスライド可能に貫通して、ボディパ
ネルによりエンジンルーム内側と隔てられた部位に開口
し、前記エアクリーナ本体ケースは、該本体ケース内の
新気導入側空間部と導出側空間部との間にフィルタエレ
メントを着脱自由に介装して備え、該フィルタエレメン
ト介装部を境として分割された着脱可能な2つの分割体
からなり、前記分割面は、前記吸気ダクトのスライド方
向と略直交する面とした。
【0010】請求項2記載の発明は、前記エアクリーナ
本体ケースにおけるフィルタエレメントの脱着時に両分
割体間の隙間部を形成する上で必要とされる新気導入側
分割体のスライド距離をl1 とし、吸気ダクトをエンジ
ンルーム内側と隔てられた部位に最大にスライドしたと
きの該吸気ダクト端部のボディパネル内面近傍部位から
ボディパネル位置までの距離をl2 としたとき、l1
2 の関係に設定した。
【0011】請求項3記載の発明は、前記吸気ダクトを
エンジンルーム内側と隔てられた部位に最大にスライド
したときの吸気ダクト端部のボディパネル内面近傍部位
から吸気ダクト先端までの距離をLとしたとき、l1
2 ≦Lの関係に設定した。請求項4記載の発明は、前
記吸気ダクトとは別に、エアクリーナ本体ケース内の新
気導入側空間部と連通する主吸気口に接続されてエンジ
ンルーム内側に開口される主吸気ダクトを設け、前記吸
気ダクト若しくはエアクリーナ本体ケース壁の吸気口を
開閉する開閉蓋を設け。
【0012】請求項5記載の発明は、前記吸気ダクト外
周面に、前記貫通孔内周面に密着するシール兼緩衝部材
を装着した。請求項6記載の発明は、前記エアクリーナ
本体ケースの分割面を、鉛直面と所定角度をなして傾斜
する傾斜面とした。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明において、吸気ダクトによ
りボディパネルによりエンジンルーム内側と隔てられた
部位の比較的低い温度の空気をエンジンに導入すること
ができ、エンジンへの吸気空気量を増大させることがで
き、エンジン出力の増大を図ることができると共に、吸
気ダクトをエアクリーナ本体ケースの吸気口に着脱自由
に結合し、ボディパネルにスライド可能に貫通支持させ
るようにしたから、副吸気ダクトのスライド移動によ
り、狭いエンジンルーム内におけるエアクリーナ本体ケ
ースの取付を容易に行うことができ、特に、エアクリー
ナ本体ケースに接続される配管系の関係で、エアクリー
ナ本体ケースの方を移動させることができない場合に、
エアクリーナ本体ケースの取付を容易に行うことができ
る。
【0014】又、吸気ダクトのスライド移動に後に、新
気導入側分割体を新気導出側分割体と離れる方向にスラ
イドすることができ、エアクリーナ本体ケースに接続さ
れる配管系の関係で、新気導出側分割体の方を移動させ
ることができない場合にも、ケース分割を容易に行うこ
とができる。更に、吸気ダクトは単なる管状部材から構
成すれば良く、吸気ダクトの製作性に優れ、構造の簡略
化を図れる。
【0015】請求項2記載の発明において、エアクリー
ナ本体ケース内に収納されたフィルタエレメントの交換
時には、吸気ダクトをl2 だけスライドしてボディパネ
ルによりエンジンルーム内側と隔てられた部位に押し込
んだ状態にする。次に、エアクリーナ本体ケースの分割
体同士の結合を解く。そして、l1 ≦l2 であるから、
エアクリーナ本体ケースの新気導入側分割体を少なくと
もl1 だけスライドすると、エアクリーナ本体ケースの
分割面が開かれ、フィルタエレメントの脱着が可能とな
る。
【0016】請求項3記載の発明において、エアクリー
ナ本体ケースの位置決め固定が終了したならば、吸気ダ
クトをエンジンルーム内側に押し戻した状態にして、吸
気ダクトを吸気口に接続するが、l2 <Lであるから、
吸気ダクトがボディパネルから外れることはない。請求
項4記載の発明において、2つの吸気ダクトの併用によ
り、エンジンへの吸気空気量の更なる増大を図れ、エン
ジン出力の大幅な増大を図ることができ、特に高いエン
ジン出力が要求されるレース用等の自動車に好適であ
り、開閉蓋による吸気ダクト若しくはエアクリーナ本体
ケースの吸気口の選択的開閉により、エンジン出力要求
によって、吸入空気量の増減調節が容易に行える。
【0017】請求項5記載の発明において、吸気ダクト
とボディパネルとの干渉音を防止できると共に、エンジ
ンルーム内の熱気が該ルーム外に漏れ出るのを防止で
き、漏れ出た熱気を吸気ダクトが吸い込んでしまうのを
防止できる。請求項6記載の発明において、ケースを分
割したときのフィルタエレメントの脱着をよりスムーズ
にかつ簡単に行える。
【0018】
【実施例】以下、添付された図面を参照して本発明を詳
述する。先ず、図4に基づいて自動車のエンジンルーム
内におけるエンジンの吸気系と排気系のレイアウトを簡
単に説明する。即ち、前記エンジンルーム20内におい
て、エンジン本体21はその気筒列方向が自動車の前後
方向に沿うように配置される。
【0019】エンジン本体21の右側の側壁には、吸気
マニホールド22,23が夫々連結され、各吸気マニホ
ールド22,23は単一のコレクタ24に接続される。
このコレクタ24には、エンジンルーム20外側下方に
配設されたインタークーラ25へと繋がるインタークー
ラーホース26が接続されている。一方、エンジン本体
21の左側の側壁には、排気マニホールド27,28が
夫々連結され、各排気マニホールド27,28にはター
ボチャージャ29,30の排気タービン29a,30a
が接続される。ターボチャージャ29,30の各吸気コ
ンプレッサ29b,30bには、前記インタークーラ2
5に繋がるインタークーラーホース31から分岐したイ
ンタークーラーホース31a,31bが夫々接続されて
いる。
【0020】又、吸気コンプレッサ29b,30bには
エアクリーナ32の本体ケース33の新気導出側空間部
に繋がるエアクリーナホース34,35が夫々接続され
る。前記エアクリーナ本体ケース33の新気導入側空間
部には、主吸気ダクト36が接続され、該主吸気ダクト
36はエアクリーナ本体ケース33からエンジンルーム
20内前部に延び、自動車前方に向けて開口される。
【0021】又、エアクリーナ本体ケース33の新気導
入側空間部には、前記主吸気ダクト36とは別の副吸気
ダクト37が着脱自由に結合され、該副吸気ダクト37
は、エンジンルーム20周囲のボディパネル38にスラ
イド可能に貫通して、ボディパネル38によりエンジン
ルーム20内側と隔てられた部位に開口される。次に、
図1〜図3に基づいて、エアクリーナ本体ケース33の
構造と、該エアクリーナ本体ケース33への各吸気系構
造物の接続構造とを詳述する。
【0022】エアクリーナ本体ケース33は、エンジン
ルーム20内側の左側前部位置に配置される。エアクリ
ーナ本体ケース33は、該本体ケース33内部の新気導
入側空間部と導出側空間部との間にフィルタエレメント
39を着脱自由に介装して備え、該フィルタエレメント
39の介装部位を境として分割された着脱可能に結合さ
れる2つの分割体33a,33bからなる。
【0023】即ち、一方の分割体33aは、前記新気導
入側空間部を形成し、他方の分割体33bは、新気導出
側空間部を形成する。以下、分割体33aを、新気導入
側分割体、分割体33bを、新気導出側分割体と称す
る。分割体33a,33b相互の分割面は、副吸気ダク
ト37のスライド方向と略直交する面であって、鉛直面
と所定角度をなして傾斜する傾斜面とされる。
【0024】エアクリーナ本体ケース33の各分割体3
3a,33bの相手との結合部にはフランジ部33cが
形成されており、新気導出側分割体33bの上下及び左
右の側壁夫々のフランジ部33c近傍の2部位には、夫
々分割体33a,33b同士をバネ力で結合するクラン
プ40の基端部がヒンジ結合されている。各クランプ4
0は湾曲形成され、先端部には、新気導入側分割体33
aの上下及び左右の側壁夫々のフランジ部33c近傍の
2部位に形成された係合突起33dに係脱自由な係合爪
40aが形成されている。
【0025】エアクリーナ本体ケース33の新気導出側
分割体33bの下壁と後壁には、夫々取付ブラケット4
1が設けられており、各取付ブラケット41はボルト4
2によりボディパネル38等に締結され、これにより、
エアクリーナ本体ケース33がエンジンルーム20内に
固定される。かかるエアクリーナ本体ケース33の新気
導入側分割体33aのボディパネル38側壁と対面する
側壁には管状の吸気口43が突出形成されている。
【0026】又、図4に示した一方のターボチャージャ
29の吸気コンプレッサ29bに接続されたエアクリー
ナホース34は、エアクリーナ本体ケース33の新気導
出側分割体33bの側壁に開設されたエアホーン44に
接続され、他方のターボチャージャ30の吸気コンプレ
ッサ30bに接続されたエアクリーナホース35は、エ
アクリーナ本体ケース33の新気導出側分割体33bの
後壁に開口形成されたエアホーン45に接続される。
【0027】これらのエアクリーナホース34,35の
エアクリーナ本体ケース33近傍部位には、吸入空気量
を検出するエアフローメータ46が夫々介装連結され
る。前記主吸気ダクト36は、断面形状が方形状の筒部
材からなり、その一端部はエアクリーナ本体ケース33
の新気導入側分割体33aの上壁に接続され、他端部は
エンジンルーム20内の前部において前方に開放され
る。この場合、主吸気ダクト36は、エアクリーナ本体
ケース33との接続部から横方向に折曲されてエンジン
ルーム20内前部中央に延び、ここで更に前方向に折曲
される。
【0028】かかる主吸気ダクト36の先端部下壁には
取付ブラケット47が固着され、該取付ブラケット47
は固定ねじ48により図示しない取付部材に締結され、
これにより主吸気ダクト36が保持される。一方、副吸
気ダクト37は、短く太い管状部材からなり、先端部か
ら後端部に至る所定長さの部分は小径に、後端部の残部
分は大径に夫々形成された2段階に径が変化するもので
ある。
【0029】副吸気ダクト37の後端部の外周面の一部
には、副吸気ダクト37のスライド操作用のレバー49
が張出形成されている。又、副吸気ダクト37の先端側
外周面には、ボディパネル38に形成された貫通孔50
内周面に密着するシール兼緩衝部材としての筒状のスポ
ンジ部材51が嵌合固着される。
【0030】更に、副吸気ダクト37の先端開口部に
は、これを開閉する開閉蓋52が着脱自由に設けられて
いる。尚、副吸気ダクト37のスポンジ部材51を嵌合
した状態の外径D1 と後端部の径D2 との関係は、D2
≦D2 である。図2において、未説明符号53は、エン
ジンルーム20上面を覆うフードパネルである。
【0031】次に、かかる構成の作用について説明す
る。次のように、エアクリーナ本体ケース33の取付
と、該エアクリーナ本体ケース33におけるフィルタエ
レメント39の脱着においては、副吸気ダクト37をス
ライド操作するが、これを行う上で必要とする各部寸法
についてまず説明しておく。
【0032】前記エアクリーナ本体ケース33における
フィルタエレメント39の脱着時に両分割体33a,3
3b間の隙間部を形成する上で必要とされる新気導入側
分割体33aのスライド距離をl1 とし、副吸気ダクト
37をエンジンルーム20内側と隔てられた部位に最大
にスライドしたとき(スライド操作用のレバー49がボ
ディパネル38内面に係止されるとき)の副吸気ダクト
37端部のボディパネル38内面近傍部位(レバー49
取付部位)からボディパネル38位置までの距離をl2
とし、副吸気ダクト37をエンジンルーム20内側と隔
てられた部位に最大にスライドしたとき(スライド操作
用のレバー49がボディパネル38内面に係止されると
き)の副吸気ダクト37端部のボディパネル38内面近
傍部位(レバー49取付部位)から副吸気ダクト37先
端までの距離をLとしたとき、l 1 ≦l2 ≦Lの関係に
設定される。
【0033】そして、エアクリーナ本体ケース33の取
付時には、貫通孔50に貫通支持された副吸気ダクト3
7を図3(A)の矢印方向(自動車の左方)にスライド
してボディパネル38によりエンジンルーム20内側と
隔てられた部位に押し込んだ状態にする。これにより、
副吸気ダクト37の後端部がボディパネル38内面に近
寄る。この状態で、エアクリーナ本体ケース33をエン
ジンルーム20内側に位置決めして固定する。
【0034】エアクリーナ本体ケース33の位置決め固
定が終了したならば、副吸気ダクト37を図3(B)の
矢印方向(自動車の右方)にスライドしてエンジンルー
ム20内側に押し戻した状態にして、副吸気ダクト37
を吸気口43に接続する。この場合、l2 <Lであるか
ら、副吸気ダクト37がボディパネル38から外れるこ
とはない。
【0035】又、エアクリーナ本体ケース33内に収納
されたフィルタエレメント39の交換時には、前述した
と同様に副吸気ダクト37を図3(C)の矢印方向(自
動車の左方)にl2 だけスライドしてボディパネル38
によりエンジンルーム20内側と隔てられた部位に押し
込んだ状態にする。次に、クランプ40の係合爪40a
を係合突起33dから外して、クランプ40によるエア
クリーナ本体ケース33の分割体33a,33b同士の
結合を解く。そして、l1 ≦l2 であるから、エアクリ
ーナ本体ケース33の新気導入側分割体33aを図3
(C)の矢印方向(自動車の右方)に少なくともl1
けスライドすると、エアクリーナ本体ケース33の分割
面が開かれ、フィルタエレメント39の脱着が可能とな
る。
【0036】かかる構成によると、次のイ.〜ヘ.の利
点がある。 イ.(請求項1記載の発明の実施例の利点) エンジンルーム20内に配設されるエアクリーナ32の
本体ケース33壁に形成されて該ケース33内の新気導
入側空間部と連通する吸気口43に着脱自由に結合され
る太くて短い副吸気ダクト37を設け、該副吸気ダクト
37を、ボディパネル38にスライド可能に貫通して、
ボディパネル38によりエンジンルーム30内側と隔て
られた部位に開口するようにしたから、副吸気ダクト3
7によりエンジンルーム20外の低い温度の空気をエン
ジンに導入することができ、エンジンへの吸気空気量を
増大させることができ、エンジン出力の増大を図ること
ができると共に、副吸気ダクト37を吸気口43に着脱
自由に結合し、ボディパネル38にスライド可能に貫通
支持させるようにしたから、副吸気ダクト37のスライ
ド移動により、狭いエンジンルーム20内においてエア
クリーナ本体ケース33の取付を容易に行うことができ
る(請求項1記載の発明)。
【0037】特に、本実施例に示すように、エアクリー
ナ本体ケース33にターボチャージャ29,30からの
インタークーラホース31,31a,31bやエアフロ
ーメータ46を介装したエアクリーナホース34,35
を接続したものでは、エアクリーナ本体ケース33を、
エンジンルーム20内において移動したくとも、前記イ
ンタークーラホース31,31a,31bやエアクリー
ナホース34,35が邪魔になって移動できないが、上
記の構成によれば、副吸気ダクト37の方を移動させれ
ば、エアクリーナ本体ケース33の方を移動させること
なく、エアクリーナ本体ケース33の取付を容易に行う
ことができる。
【0038】即ち、エンジンルーム20外に延びて低温
の空気を吸い込み得るような長さを有する副吸気ダクト
37を用いながら、狭いエンジンルーム20にエアクリ
ーナ本体ケース33を容易に取り付けることができる。
又、吸気ダクト37は単なる管状部材から構成すれば良
く、吸気ダクト37の製作性に優れ、構造の簡略化を図
れる。
【0039】更に、エアクリーナ本体ケース33を、該
ケース33内に着脱自由に介装して備えたフィルタエレ
メント39の介装部位を境として分割された着脱可能な
2つの分割体33a,33bから構成し、分割面を、前
記副吸気ダクト37のスライド方向と略直交する面にし
たから、副吸気ダクト37のスライド移動後に、新気導
入側分割体33aを新気導出側分割体33bと離れる方
向にスライドすることができ、これにより、エアクリー
ナ本体ケース33の分割が容易に行うことができる。
【0040】特に、上記したように、エアクリーナ本体
ケース33にターボチャージャ29,30からのインタ
ークーラホース31,31a,31bやエアフローメー
タ46を介装したエアクリーナホース34,35を接続
したものにあっても、移動に制約のない分割体33aを
移動させれば、エアクリーナ本体ケース33の分割を容
易に行うことができる。
【0041】従って、エアクリーナ本体ケース33の分
割時に、エアクリーナ本体ケース33自体をエンジンル
ーム20から外さなくとも良い。 ロ.(請求項2記載の発明の実施例の利点) エアクリーナ本体ケース33内に収納されたフィルタエ
レメント39の交換時には、副吸気ダクト37をl2
けスライドしてボディパネル38によりエンジンルーム
20内側と隔てられた部位に押し込んだ状態にする。次
に、エアクリーナ本体ケース33の分割体33a,33
b同士の結合を解く。そして、l1 ≦l 2 であるから、
エアクリーナ本体ケース33の新気導入側分割体33a
を少なくともl1 だけスライドすると、エアクリーナ本
体ケース33の分割面が開かれ、フィルタエレメント3
9の脱着が可能となる。 ハ.(請求項3記載の発明の実施例の利点) エアクリーナ本体ケース33の位置決め固定が終了した
ならば、副吸気ダクト37をエンジンルーム20内側に
押し戻した状態にして、副吸気ダクト37を吸気口43
に接続するが、l2 <Lであるから、副吸気ダクト37
がボディパネル20から外れることはない。 ニ.(請求項4記載の発明の実施例の利点) 副吸気ダクト37とは別に、エアクリーナ本体ケース3
3の新気導入側空間部と接続されてエンジンルーム20
内に開口される主吸気ダクト36が設けられている場合
には、該主吸気ダクト36と副吸気ダクト37との併用
により、エンジンへの吸気空気量の更なる増大を図れ、
エンジン出力の大幅な増大を図ることができ、特に高い
エンジン出力が要求されるレース用等の自動車に好適で
ある。
【0042】又、開閉蓋52による副吸気ダクト37の
選択的開閉により、エンジン出力要求によって、吸入空
気量の増減調節が容易に行える。 ホ.(請求項5記載の発明の実施例の利点) 副吸気ダクト37外周面に、貫通孔50内周面に密着す
る例えばスポンジ部材51等のシール兼緩衝部材を装着
するようにしたから、副吸気ダクト37とボディパネル
38との干渉音を防止できると共に、エンジンルーム2
0内の熱気がその外部に漏れ出るのを防止で、漏れ出た
熱気を副吸気ダクト37が吸い込んでしまうのを防止で
きる。 ヘ.(請求項6記載の発明の実施例の利点) エアクリーナ本体ケース33の分割面を、鉛直面と所定
角度をなして傾斜する傾斜面とすれば、フィルタエレメ
ント39の脱着性をより向上できる。
【0043】尚、上記実施例においては、副吸気ダクト
37の先端開口部を開閉する開閉蓋52を設けるように
したが、エアクリーナ本体ケース33の吸気口53を開
閉する開閉蓋を設けるようにしても良く、この構成で
は、開閉蓋の着脱が容易である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、エンジンへの吸気空気量を増大させること
ができ、エンジン出力の増大を図ることができると共
に、吸気ダクトのスライド移動により、狭いエンジンル
ーム内におけるエアクリーナ本体ケースの取付を容易に
行うことができ、特に、エアクリーナ本体ケースに接続
される配管系の関係で、エアクリーナ本体ケースの方を
移動させることができない場合に、エアクリーナ本体ケ
ースの取付を容易に行うことができる。
【0045】又、エアクリーナ本体ケースに接続される
配管系の関係で、新気導出側分割体の方を移動させるこ
とができない場合にも、ケース分割を容易に行うことが
でき、更に、吸気ダクトは単なる管状部材から構成すれ
ば良く、吸気ダクトの製作性に優れ、構造の簡略化を図
れる。請求項2記載の発明によれば、ケース分割によ
り、フィルタエレメントの脱着が可能となる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、吸気ダクト
を吸気口に接続する際、吸気ダクトがボディパネルから
外れることはない。請求項4記載の発明によれば、2つ
の吸気ダクトの併用により、エンジンへの吸気空気量の
更なる増大を図れ、エンジン出力の大幅な増大を図るこ
とができ、特に高いエンジン出力が要求されるレース用
等の自動車に好適であり、開閉蓋による吸気ダクト若し
くはエアクリーナ本体ケースの吸気口の選択的開閉によ
り、エンジン出力要求によって、吸入空気量の増減調節
が容易に行える。
【0047】請求項5記載の発明によれば、吸気ダクト
とボディパネルとの干渉音を防止できると共に、エンジ
ンルーム内の熱気が該ルーム外に漏れ出るのを防止で
き、漏れ出た熱気を吸気ダクトが吸い込んでしまうのを
防止できる。請求項6記載の発明によれば、ケースを分
割したときのフィルタエレメントの脱着をよりスムーズ
にかつ簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1〜6記載の発明の一実施例を示す斜
視図
【図2】 図1中A矢視の斜視図
【図3】 同上実施例の作用を説明する概略正面図
【図4】 同上実施例におけるエンジンルーム内構造を
示す平面図
【図5】 従来の吸気装置の一例を示す平面図
【図6】 従来の吸気装置の他例を示す斜視図
【符号の説明】
20 エンジンルーム 21 エンジン本体 33 エアクリーナ本体ケース 36 主吸気ダクト 37 副吸気ダクト 38 ボディパネル 39 フィルタエレメント 33a,33b 分割体 33a 新気導入側分割体 33b 新気導出側分割体 43 吸気口 49 レバー 50 貫通孔 51 スポンジ部材 52 開閉蓋
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 35/16 F02M 35/10 F02M 35/024 B60K 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンルーム内に配設されるエアクリー
    ナの本体ケース壁に形成されて該ケース内の新気導入側
    空間部と連通する吸気口に着脱自由に結合される吸気ダ
    クトを設け、該吸気ダクトを、エンジンルーム周囲のボ
    ディパネルの貫通孔をスライド可能に貫通して、ボディ
    パネルによりエンジンルーム内側と隔てられた部位に開
    口し、前記エアクリーナ本体ケースは、該本体ケース内
    の新気導入側空間部と導出側空間部との間にフィルタエ
    レメントを着脱自由に介装して備え、該フィルタエレメ
    ント介装部を境として分割された着脱可能な2つの分割
    体からなり、前記分割面は、前記吸気ダクトのスライド
    方向と略直交する面としたことを特徴とする自動車用エ
    ンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】前記エアクリーナ本体ケースにおけるフィ
    ルタエレメントの脱着時に両分割体間の隙間部を形成す
    る上で必要とされる新気導入側分割体のスライド距離を
    1とし、吸気ダクトをエンジンルーム内側と隔てられ
    た部位に最大にスライドしたときの該吸気ダクト端部の
    ボディパネル内面近傍部位からボディパネル位置までの
    距離をl2 としたとき、l1 ≦l2 の関係に設定したこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動車用エンジンの吸気
    装置。
  3. 【請求項3】前記吸気ダクトをエンジンルーム内側と隔
    てられた部位に最大にスライドしたときの吸気ダクト端
    部のボディパネル内面近傍部位から吸気ダクト先端まで
    の距離をLとしたとき、l1 ≦l2 ≦Lの関係に設定し
    たことを特徴とする請求項2記載の自動車用エンジンの
    吸気装置。
  4. 【請求項4】前記吸気ダクトとは別に、エアクリーナ本
    体ケース内の新気導入側空間部と連通する主吸気口に接
    続されてエンジンルーム内側に開口される主吸気ダクト
    を設け、前記吸気ダクト若しくはエアクリーナ本体ケー
    ス壁の吸気口を開閉する開閉蓋を設けたことを特徴とす
    る請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の自動車用エ
    ンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】前記吸気ダクト外周面に、前記貫通孔内周
    面に密着するシール兼緩衝部材を装着したことを特徴と
    する請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の自動車用
    エンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】前記エアクリーナ本体ケースの分割面を、
    鉛直面と所定角度をなして傾斜する傾斜面としたことを
    特徴とする請求項1〜5記載のうちいずれか1つに自動
    車用エンジンの吸気装置。
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