JP3358312B2 - 板材の化粧方法及び化粧紙 - Google Patents

板材の化粧方法及び化粧紙

Info

Publication number
JP3358312B2
JP3358312B2 JP19646394A JP19646394A JP3358312B2 JP 3358312 B2 JP3358312 B2 JP 3358312B2 JP 19646394 A JP19646394 A JP 19646394A JP 19646394 A JP19646394 A JP 19646394A JP 3358312 B2 JP3358312 B2 JP 3358312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decorative paper
adhesive
heat
sensitive
decorative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19646394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0852846A (ja
Inventor
健二郎 黒田
ゆか 今井
達也 守満
義明 椎名
信明 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP19646394A priority Critical patent/JP3358312B2/ja
Publication of JPH0852846A publication Critical patent/JPH0852846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3358312B2 publication Critical patent/JP3358312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばパーティクルボー
ドやMDF(Middle Density Fiber board)等の家具部
材,ハウジング部材等に接着する板材の化粧方法及び化
粧紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば建物の内装材や家具用木材
に木目などを表す装飾方法としては薄葉体を接着する装
飾方法が知られている。
【0003】このような装飾方法では,例えば木目など
を印刷した塩化ビニル薄葉体に接着剤を塗りながら,当
該塩化ビニル薄葉体をパーティクルボード等の表面に接
着していたが,近年では製造コストを下げるために化粧
紙を使う試みがなされている。
【0004】この化粧紙を使う方法は,化粧紙に従来通
りの溶剤系やエマルジョン等の接着剤を使用するもので
あり,化粧紙に溶剤系やエマルジョン系の接着剤を塗布
した後乾燥させながら,パーティクルボードやチップボ
ード等の加工対象部材に当該化粧紙を接着するもので,
接着剤の塗工ユニットで接着剤を塗工され,乾燥器であ
る程度乾燥されてパーティクルボードに貼り合わせられ
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに化粧紙に接着剤を塗布しながら接着してゆく方法で
は、パーティクルボードに化粧紙を接着すると,接着剤
の粘度や塗工速度等の塗工条件を出すのに時間がかかっ
たり,接着剤を乾燥する際に化粧紙がカールし,紙切れ
を起こし易くなったり,接着剤が裏抜けして生産性を損
なう問題がある。
【0006】また,溶剤系接着剤は作業環境を汚染する
問題があるほか,ホットメルト接着剤の場合,粘着性が
長持ちせず,加熱直後に貼った部位と加熱してからしば
らくした後に貼った部位とでは接着状態に差がでて剥離
し易いという問題がある。
【0007】本発明にかかる化粧紙の接着方法は,この
ような問題に着目してなされたものであり,化粧紙の接
着中に紙切れを起こすことも少なく,環境を汚染するこ
となく,均一な接着状態を得ることができ,さらに経時
変化によって接着力が低下しない板材の化粧方法及び化
粧紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1の板材の化粧方法は、搬送中の板
材の上方にその板材と同じ速さで化粧紙を引き出し,前
記板材の搬送中に前記化粧紙を圧着する板材の化粧方法
であって,前記化粧紙を引き出して前記板材の上方に繰
り広げる前に前記化粧紙の粘着層を活性化する加熱行程
を設けるとともに,前記化粧紙に,加熱による活性状態
が前記引き出し開始後から前記板材への圧着完了までの
間継続し、高分子材料と粘着付与剤と固体可塑剤とを含
感熱遅延型粘着剤からなる粘着層を予め形成してお
き,前記板材を搬送しながら前記化粧紙を前記板材に接
着することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2の化粧紙は,搬送中の板
材の上方にその板材と同じ速さで引き出し,板材を搬送
しながら板材に圧着する化粧紙であって,前記化粧紙
は,紙又はフィルムの少なくともいずれかからなる薄い
基材の表面に,高分子材料と粘着付与剤と固体可塑剤と
を含み,加熱による活性化状態が前記引き出し開始後か
ら前記板材への圧着完了まで継続する感熱遅延型粘着剤
からなる粘着層を形成したことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記感熱遅延型粘着剤にメラミン系架
橋剤を添加したことを特徴とする。
【0011】本発明の請求項4の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記感熱遅延型粘着剤にエポキシ系架
橋剤を添加したことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項5の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記感熱遅延型粘着剤にイソシア系架
橋剤を添加したことを特徴とする。
【0013】本発明の請求項6の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記感熱遅延型粘着剤に反応温度が8
0°c以上の架橋剤を添加したことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項7の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記架橋剤はブロック型イソシアネー
ト架橋剤であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項8の化粧紙は,請求項2の
化粧紙において,前記感熱遅延型粘着剤に架橋剤と反応
可能な第2の高分子材料を添加したことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の請求項1にかかる板材の化粧方法並び
に本発明の請求項2〜請求項8の化粧紙によれば、板材
の搬送速度と同じ速さで化粧紙を広げながら接着してゆ
く際に,板材の平面や側面部或いは面取り部等に化粧紙
を接着して化粧する場合,例えば最初に平面部,次に側
面部,最後に面取り部に接着するといったように,面に
よって化粧紙を接着する時期に時間的な隔たりが存在す
る場合でも,化粧紙の粘着層の活性化状態が板材全体に
化粧紙を貼着する行程時間内において保たれているの
で,化粧紙が板材に接着強度のむらなく均一に密着する
といった効果を有し,化粧行程の速度化が図れる。
【0017】また,化粧紙の粘着剤は加熱によって活性
化している時間が長いので,塗工条件の選択決定といっ
た従来の作業がいらないとともに,化粧紙のカールや破
断が少ない。
【0018】さらに,感熱遅延型粘着剤に架橋剤を添加
するため,ラッピング後の表面温度が高く,且つ十分な
接着力を有するため,浮きなどのない良好な板材が得ら
れる。
【0019】特に,添加した架橋剤の反応温度が80°
cであるため,粘着塗工後のシートの保存性に優れ,保
存方法としては一般的な常温保存を行う限り,十分な接
着力が得られる等物性の変化がないため,従来の化粧紙
に較べて経済的である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかる板材の化粧方
法及び化粧紙を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は本発明の実施例の基本的なラッピン
グ方法の概略図を示す。
【0022】符号1は巻出しロールから引き出された化
粧紙である。この化粧紙1には感熱遅延型の粘着剤が塗
工されている。この化粧紙1の構成の詳細については後
述する。符号2は,例えばヒーターで熱した空気を吹き
付けるファンを備えた熱風発生装置であり,この熱風発
生装置2はガイドローラ3,4に案内されて搬送ローラ
5側にのびる化粧紙1に向かって120°c〜300°
c程度の熱風を吹き付けるものである。なお,活性化す
る熱源は熱風以外にヒータや熱ロールを利用してもよ
い。搬送ローラ5の上には板材としてパーティクルボー
ド6が搬送され,パーティクルボード6は搬入部5aか
ら搬出部5bに向かって搬送される。搬送ローラ5の搬
入部5a近傍の上方には空気を吸引してパーティクルボ
ード6の表面のゴミを吸い取るクリーナ7が配設されて
いる。搬送ローラ5のガイドローラ4から搬出部5bの
上方には圧着ローラ8が配設されている。このローラ8
は,図3に示すように,パーティクルボード6の断面に
合わせて複数個配設されており,化粧紙1をパーティク
ルボード6の表面に密着できるようになっている。
【0023】次に,本発明の化粧紙1を図2を用いて説
明する。化粧紙1は,ベース原反10に木目や抽象柄等
の印刷層11などを印刷し,その上に熱硬化型ウレタン
系のトップコート12を全面に設け,その反対側に感熱
遅延型粘着剤層13を設けたものである。ベース原反1
0は通常は目付20〜100g/m2の紙であるが,フ
ィルムの場合も有り得る。化粧紙1に,紙とプラスチッ
クフィルムを張り合わせたものを使用すると,強靭さの
向上のほかにインクなどの遮断性が向上する。
【0024】感熱遅延型粘着剤13の基本的な組成は,
高分子材料,粘着付与剤,固体可塑剤の3者よりなるも
のである。感熱遅延型粘着剤13は,常温では粘着性が
ないが加熱によって粘着性がでて,それが冷却後もかな
りの時間すなわち少なくともパーティクルボード6への
密着完了まで粘着性が持続する接着層である。
【0025】ここで,高分子材料は,接着力を与える成
分であり,ポリ酢酸ビニル,コポリエチレン−酢酸ビニ
ル,ポリアクリル酸エステル類,ポリ塩化ビニル系,天
然ゴム,合成ゴム,コポリ酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル,ポリエステル系,ポリウレタン系などの高分子化
合物類である。
【0026】粘着付与剤は加熱により活性化された際に
粘着性を増強するための成分であり,ロジン誘導体,テ
ルペン樹脂系,石油樹脂系,フェノール樹脂系,キシレ
ン樹脂系等の樹脂類である。
【0027】固体可塑剤は,常温で固体であって,その
融点以上に加熱させると,溶解し,高分子材料や粘着付
与剤を膨潤・溶解し,粘着性,接着性を発現させ,一旦
溶解した後はなかなか結晶化しないで熱活性化後の粘着
保持時間を長くとることができるものである。固体可塑
剤としては,フタル酸ジフェニル,フタル酸ジヘキシ
ル,フタル酸ジシクロヘキシル,フタル酸ジヒドロアビ
エチル,イソフタル酸ジメチル,安息香酸スクロース,
ジ安息香酸エチレングリコール,トリ安息香酸トリメチ
ロールエタン,トリ安息香酸グリセリド,テトラ安息香
酸ペンタエリエット,オクタ酢酸スクロース,クエン酸
トリシクロヘキシル,N−シクロヘキシル−P−トルエ
ンスルホンアミド等がある。通常厚さは5〜30μmで
ある。
【0028】感熱遅延型粘着剤13に,メラミン,エポ
キシ,イソシア系のいずれかの架橋剤を添加して架橋さ
せると,耐水性や表面硬度などを向上させることができ
る。
【0029】一方,本発明の実施例の架橋剤として使用
されるブロック型イソシアネートは,ポリイソシアネー
トをフェノールなどのブロック剤でマスクして安定化し
たものであり,常温では反応しない。解離温度以上に加
熱すると,ブロック剤が解離し,活性イソシアネート基
が再生され反応可能となる。具体的には,日本ポリウレ
タン工業(株)製,コロネート2507,コロネート2
513,コロネート2515などが挙げられる。
【0030】この実施例の板材の化粧方法によれば,予
め,高分子材料,粘着付与剤,固体可塑剤よりなる感熱
遅延型粘着剤を塗工した化粧紙1を接着前に熱によって
活性化することにより,パーティクルボード6或いはM
DF(Middle Density Fiberboard=中密度繊維硬化
板)等の家具部材,ハウジング部材にたいして化粧紙1
の接着が可能となり,感熱遅延型粘着剤13を使用する
ことで加熱から接着までの時間を長くとることができる
ので,簡単に作業能率の向上が図れる。
【0031】以下,実験例を説明する。
【0032】<実験例1>表1は実験例1の感熱遅延型
粘着剤の組成を示す。実験例1では,目付30g/m2
の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからなるイン
クで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトップコート
を施し,化粧紙を作成した。
【0033】
【表1】 表1に示す組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反
対側に20μm塗工した化粧紙を図1の化粧装置で搬送
速度50m/minで300°cの熱風で粘着剤を活性化し
圧着したところ,化粧紙をMDFに良好に接着できた。
【0034】<実験例2>表2は実験例2の感熱遅延型
粘着剤の組成を示す。実験例2では,目付30g/m2
の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからなるイン
クで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトップコート
を施し,化粧紙を作成した。
【0035】
【表2】 表2組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側に
20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械でラ
ッピング速度50m/minで搬送しながら,300°
cの熱風で図2に示すラッピング材(MDF)に粘着剤
を活性化してラッピングしたところ,うまくラッピング
できた。又,ラッピングしたものを150°cで養生し
たところ,耐水性,耐熱性,表面硬度が実験例1のもの
より向上した。
【0036】<実験例3>表3は実験例3の感熱遅延型
粘着剤の組成を示す。実験例3では,目付30g/m2
の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからなるイン
キで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトップコート
を施し,化粧紙を作成した。
【0037】
【表3】 表3の組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側
に20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械で
ラッピング速度50m/minで搬送しながら,図2に
示すラッピング材(MDF)に粘着剤を300°cの熱
風で活性化してラッピングしたところ,うまくラッピン
グできた。又,そのラッピングしたものを60°cで養
生したところ,耐水性,耐熱性,表面硬度が実験例1の
ものより向上した。
【0038】<実験例4>表4は実験例4の感熱遅延型
粘着剤の組成を示す。実験例4では,目付30g/m2
の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからなるイン
キで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトップコート
を施し,化粧紙を作成した。
【0039】
【表4】 表4の組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側
に20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械に
よってラッピング速度50m/minで搬送しながら,
ラッピング材(MDF:図2参照)に粘着剤を300°
cの熱風で活性化してラッピングしたところ,うまくラ
ッピングできた。そのラッピングしたものを常温で養生
したところ,耐水性,耐熱性,表面硬度が実験例1のも
のより向上した。
【0040】表5は以上の実験例1〜4によって接着し
た接着力を示したものであり,図1に示すA点,B点,
C点の位置で貼られたときの接着力を180°剥離試験
で調べたものである。比較例としては,目付30g/m
2程度の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからな
るインクで木目模様を描出し,その木目模様の上面に硬
化型ウレタンをコートし,この化粧紙に,軟化点120
°cゴム系のホットメルト接着剤を塗布して4m長のM
DFにラッピングしたものを比較例とする。
【0041】
【表5】 接着力
(g/25mm) この表5によれば,実験例1〜4の化粧紙ではABCい
ずれの点でも化粧紙が破断されており十分に接着ができ
ているが,比較例では搬送方向前端側のC点で接着され
る部分が500g/25mm幅の力で剥離し,接着力が
低下していることが判明した。
【0042】<実験例5>表6は実験例5の感熱遅延型
粘着層の組成を示す。実験例5では,架橋剤に,日本ポ
リウレタン工業(株)製,商品名コロネート2513
(ブロック型イソシアネート架橋剤)を使用した。実験
例5でも,前記同様に,目付30g/m2の紙にニトロ
セルロース樹脂のバインダーからなるインクで木目模様
を印刷し,硬化型ウレタンのトップコートを施し,化粧
紙を作成した。
【0043】
【表6】 表6に示す組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反
対側に20μm塗工した化粧紙を,図1の化粧装置で搬
送速度50m/minでラッピング剤(MDF:図2参照)
に300°cの熱風で粘着剤を活性化してラッピングし
たところ,化粧紙をMDFに良好に接着できた。また,
ラッピングしたものを150°Cで養生したところ,耐
水性,耐熱性,表面硬度の優れた板材が得られた。
【0044】特に,表6に示す組成の感熱遅延型粘着剤
を塗工した場合には,被塗工物を常温にて1カ月保存を
行った後,同様の方法にてラッピングを行ったところう
まくラッピングでき,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れ
た板材が得られた。
【0045】<実験例6>表7は実験例6の感熱遅延型
粘着層の組成を示す。実験例6では,ブロック型イソシ
アネート架橋剤として日本ポリウレタン工業(株)製の
商品名コロネート2507を使用した。実験例6でも,
同様に,目付30g/m2の紙にニトロセルロース樹脂
のバインダーからなるインクで木目模様を印刷し,硬化
型ウレタンのトップコートを施し,化粧紙を作成した。
【0046】
【表7】 表7の組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側
に20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械で
ラッピング速度50m/minで搬送しながら,ラッピ
ング材(MDF:図2参照)に300°cの熱風を吹き
付けて粘着材を活性化しラッピングしたところ,うまく
ラッピングできた。又,ラッピングしたものを150°
cで養生したところ,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れ
た板材が得られた。
【0047】さらに,塗工物を常温にて一か月保存を行
った後,同様の方法にてラッピングを行ったところうま
くラッピングでき,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れた
板材が得られた。
【0048】<実験例7>表8は実験例7の感熱遅延型
粘着層の組成を示す。実験例7では,アミン系架橋剤と
して富士化学工業(株)製の商品名FXE−1000を
使用した。また,第2の高分子材料として,油化シェル
エポキシ(株)製の商品名エピコート828(エポキシ
樹脂)を使用した。実験例7でも,同様に,目付30g
/m2の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからな
るインキで木目模様を印刷し,熱硬化型ウレタンのトッ
プコートを施し,化粧紙を作成した。
【0049】
【表8】 表8の組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側
に20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械に
おいてラッピング速度50m/minで搬送しながら,
ラッピング材(MDF:図2図示)に粘着剤を300°
cの熱風で活性化してラッピングしたところ,うまくラ
ッピングできた。又,そのラッピングしたものを150
°cで養生したところ,耐水性,耐熱性,表面硬度が優
れた板材を得られた。
【0050】特に,表8の組成の感熱遅延型粘着剤を有
する化粧紙の場合,塗工物を常温にて一か月保存を行っ
た後,同様の方法にてラッピングを行ったところうまく
ラッピングでき,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れた板
材を得ることができた。
【0051】<実験例8>表9は実験例8の感熱遅延型
粘着層の組成を示す。実験例8では,架橋剤として,富
士化学工業(株)製,商品名FXE−1030(アミン
系架橋剤)を用いた。また,第2の高分子材料には,油
化シェルエポキシ(株)製,商品名エピコート828
(エポキシ樹脂)を使用した。実験例8でも,目付30
g/m2の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーから
なるインキで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトッ
プコートを施し,化粧紙を作成した。
【0052】
【表9】 表9組成の感熱遅延型粘着剤をトップコートの反対側に
20μm塗工した化粧紙を,図1のラッピング機械にお
いてラッピング速度50m/minで搬送しながら,ラ
ッピング材(MDF:図2図示)に300°cの熱風で
粘着剤を活性化してラッピングしたところ,うまくラッ
ピングできた。そのラッピングしたものを150°cで
養生したところ,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れた板
材を得られた。
【0053】さらに,塗工物を常温にて一か月保存を行
った後,同様の方法にてラッピングを行ったところうま
くラッピングでき,耐水性,耐熱性,表面硬度の優れた
板材を得られた。
【0054】<比較例1>表10は比較例1の感熱遅延
型粘着剤の組成を示す。比較例1は,実験例1のものと
同様なものであるが,目付30g/m2の紙にニトロセ
ルロース樹脂のバインダーからなるインキで木目模様を
印刷し,硬化型ウレタンのトップコートを施し化粧紙を
作成した。
【0055】
【表10】 表10の組成の感熱遅延型粘着剤を20μm塗工した化
粧紙を,ラッピング機械においてラッピング速度50m
/minで搬送しながら,ラッピング材に300°cの
熱風を吹き付けて粘着剤を活性化しラッピングしたとこ
ろ,うまくラッピングできた。
【0056】しかし,そのラッピングしたものについ
て,耐水性,耐熱性試験を行ったところ若干の浮きが認
められた。
【0057】<比較例2>表11は比較例2の感熱遅延
型粘着剤の組成を示す。比較例2では,目付30g/m
2の紙にニトロセルロース樹脂のバインダーからなるイ
ンキで木目模様を印刷し,硬化型ウレタンのトップコー
トを施した化粧紙を作成した。架橋剤には大日本インキ
化学工業(株)製,商品名CR−5L(エポキシ系架橋
剤)を使用した。
【0058】
【表11】 表11の組成の感熱遅延型粘着剤を20μm塗工した化
粧紙を,ラッピング機械においてラッピング速度50m
/minで搬送しながら,ラッピング材に300度cの
熱風を吹き付けて粘着剤を活性化してラッピングしたと
ころ,MDFにうまくラッピングできた。また,そのラ
ッピングしたものを150°cで養生したところ,耐水
性,耐熱性,表面硬度の優れた板材を得られた。しか
し,塗工物を一か月保存を行った後,同様の方法にてラ
ッピングを行ったところ接着力が低下していたためうま
くラッピングできず,所々浮きが生じた。
【0059】
【発明の効果】本発明の請求項1の化粧方法並びに請求
項2〜8にかかる化粧紙によれば,板材の搬送速度と同
じ速さで化粧紙を広げながら接着してゆく際に,板材の
平面や側面部或いは面取り部等に化粧紙を接着して化粧
する場合,例えば最初に平面部,次に側面部,最後に面
取り部に接着するといったように,面によって化粧紙を
接着する時期に時間的な隔たりが存在する場合でも,化
粧紙の粘着層の活性化状態が板材全体に化粧紙を貼着す
る行程時間内において保たれているので,化粧紙が板材
に接着強度のむらなく均一に密着するといった効果を有
する。
【0060】さらに,化粧紙の粘着剤は加熱によって活
性化されている時間が長いので,塗工条件の選択決定と
いった従来の作業がいらないとともに,化粧紙のカール
や破断が少ない。
【0061】また,感熱遅延型粘着剤に添加する架橋剤
の反応温度が80°C以上であるため,塗工物(化粧
紙)の保存安定性に優れ,一般的な保存を行う限り良好
な物性を維持する効果を有し,十分な接着力が得られる
等物性の変化がないため,従来の化粧紙に較べて経済的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる板材の化粧方法に用い
た化粧装置の模式図
【図2】図1の化粧紙の層構成を示す断面図
【図3】図1の板材の断面形状と圧着ローラの配設状態
を示す模式図
【符号の説明】
1 化粧紙 2 熱風発生装置 3 ガイドローラ 4 ガイドローラ 5 搬送ローラ 6 パーティクルボード 7 クリーナ 8 圧着ローラ 10 ベース原反 11 印刷層 12 トップコート 13 感熱遅延型粘着剤層
フロントページの続き (72)発明者 椎名 義明 東京都台東区台東一丁目5番1号凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 堀井 信明 東京都台東区台東一丁目5番1号凸版印 刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−283541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 D21H 19/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送中の板材の上方にその板材と同じ速さ
    で化粧紙を引き出し,前記板材の搬送中に前記化粧紙を
    圧着する板材の化粧方法であって, 前記化粧紙を引き出して前記板材の上方に繰り広げる前
    に前記化粧紙の粘着層を活性化する加熱行程を設けると
    ともに,前記化粧紙に,加熱による活性状態が前記引き
    出し開始後から前記板材への圧着完了までの間継続し、
    高分子材料と粘着付与剤と固体可塑剤とを含む感熱遅延
    型粘着剤からなる粘着層を予め形成しておき,前記板材
    を搬送しながら前記化粧紙を前記板材に接着することを
    特徴とする板材の化粧方法。
  2. 【請求項2】搬送中の板材の上方にその板材と同じ速さ
    で引き出し,板材を搬送しながら板材に圧着する化粧紙
    であって,前記化粧紙は,紙又はフィルムの少なくとも
    いずれかからなる薄い基材の表面に,高分子材料と粘着
    付与剤と固体可塑剤とを含み,加熱による活性化状態が
    前記引き出し開始後から前記板材への圧着完了まで継続
    する感熱遅延型粘着剤からなる粘着層を形成したことを
    特徴とする化粧紙。
  3. 【請求項3】請求項2の化粧紙において,前記感熱遅延
    型粘着剤にメラミン系架橋剤を添加したことを特徴とす
    る化粧紙。
  4. 【請求項4】請求項2の化粧紙において,前記感熱遅延
    型粘着剤にエポキシ系架橋剤を添加したことを特徴とす
    る化粧紙。
  5. 【請求項5】請求項2の化粧紙において,前記感熱遅延
    型粘着剤にイソシア系架橋剤を添加したことを特徴とす
    る化粧紙。
  6. 【請求項6】請求項2の化粧紙において,前記感熱遅延
    型粘着剤に反応温度が80°c以上の架橋剤を添加した
    ことを特徴とする化粧紙。
  7. 【請求項7】請求項2の化粧紙において,前記架橋剤は
    ブロック型イソシアネート架橋剤であることを特徴とす
    る化粧紙。
  8. 【請求項8】請求項2の化粧紙において,前記感熱遅延
    型粘着剤に架橋剤と反応可能な第2の高分子材料を添加
    したことを特徴とする化粧紙。
JP19646394A 1994-06-09 1994-08-22 板材の化粧方法及び化粧紙 Expired - Fee Related JP3358312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19646394A JP3358312B2 (ja) 1994-06-09 1994-08-22 板材の化粧方法及び化粧紙

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-127722 1994-06-09
JP12772294 1994-06-09
JP19646394A JP3358312B2 (ja) 1994-06-09 1994-08-22 板材の化粧方法及び化粧紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0852846A JPH0852846A (ja) 1996-02-27
JP3358312B2 true JP3358312B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=26463609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19646394A Expired - Fee Related JP3358312B2 (ja) 1994-06-09 1994-08-22 板材の化粧方法及び化粧紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3358312B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4001644B2 (ja) * 1995-10-23 2007-10-31 凸版印刷株式会社 化粧紙
JP3259630B2 (ja) * 1996-04-17 2002-02-25 凸版印刷株式会社 化粧シートの施工方法及び剥離方法
CN105544919B (zh) * 2015-03-24 2018-05-04 江苏德华兔宝宝装饰新材有限公司 一种氧负离子膜环保装饰板及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0852846A (ja) 1996-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0330519B2 (ja)
JPH04144798A (ja) 転写シート
EP0527505A2 (en) Strippable pressure-sensitive adhesive and adhesive material using the same
JPH0479833B2 (ja)
JP3358312B2 (ja) 板材の化粧方法及び化粧紙
JP3324627B2 (ja) 板材の化粧方法
JP5007052B2 (ja) 自動車マーキング用粘着シート
JPH08109355A (ja) 接着テープ構造体
JP3508233B2 (ja) 化粧シート
JP3487313B2 (ja) 剥離ライナーならびに両面粘着テープまたはシート
KR20020016358A (ko) 전사지
JPH08283674A (ja) 化粧シート及び化粧シート貼着材料の製造方法
KR100338545B1 (ko) 외장시트 및 외장재의 제조방법
JPH0953058A (ja) 巻き崩れがない粘着テープ
JPH08218055A (ja) 化粧シート
JPH05220847A (ja) グラビヤ塗工方法と同塗工方法を用いた合成樹脂積層フィルムの製造方法
JP2004255699A (ja) 粘着シート用離型シート
JPH08332698A (ja) ラッピング性を付与した化粧シート
JPH1128798A (ja) 化粧材およびその製造方法
JPH10286931A (ja) 化粧シート被覆材料の製造方法
JP2675597B2 (ja) ガラス用マーキング材及びその貼着方法
JPH02281901A (ja) 裏打化粧単板シートの製造方法
JPH05246527A (ja) 搬送部材及び搬送方法
JPS6024947B2 (ja) ラベル用粘着テ−プ
JPH10157275A (ja) 化粧板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees