JP3357347B2 - 薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法 - Google Patents
薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法Info
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Description
熱再結晶化させ多結晶半導体を得る方法に関するもので
ある。
って得られたアモルファスシリコン半導体を熱再結晶化
させることによって多結晶半導体を得る技術が知られて
いる。
はスパッタ法によって得られたアモルファスシリコン半
導体を熱再結晶化させることによって多結晶半導体を得
る場合、基板を約600℃の温度で長時間加熱しなければ
ならない。
を用いるのが好ましいが、ちょうどこの600℃付近がガ
ラス基板の歪点温度であり、熱再結晶化によって得た薄
膜トランジスタを大面積液晶表示装置などに応用しよう
とする場合、このガラス基板の縮みの影響により以下の
ような問題が生じる。 イ)熱再結晶化工程におけるガラス基板の縮みが原因
で、この工程の後のフォトリソグラフィーパターンが変
形してしまい後工程のマスク合わせが困難になる。 ロ)熱再結晶工程におけるガラス基板の縮みによって、
再結晶化した多結晶半導体内部に応力が発生する。この
応力は、多結晶半導体の電気的特性に悪影響をあたえる
という問題が実験的に確かめられている。
ッタ法などにより得られた非単結晶半導体を熱再結晶化
させることによって多結晶半導体を得る工程において問
題となる、ガラス基板の縮みの問題を解決すること、並
びに前記ガラス基板の縮みが原因である、熱再結晶化工
程における多結晶半導体中の応力の発生を最小に抑え、
この基板上に設けられる半導体よりなる半導体装置の電
気的特性を向上させることを発明の目的とする。
該ガラス基板の歪点以下の温度で熱処理する工程と、前
記熱処理されたガラス基板上に非単結晶半導体を設ける
工程と、前記ガラス基板上に設けられた非単結晶半導体
を加熱することにより多結晶化させる工程を有すること
を特徴とする半導体作製方法である。
するのは、このガラス基板上に設けられる非単結晶半導
体を多結晶化する工程において加えられる熱に対しての
ガラス基板の縮みを最小にし、さらにこのことによっ
て、このガラス基板上に設けられる半導体の電気的特性
を向上させるためである。
よるガラス基板の縮みによって、このガラス基板上で熱
再結晶化された多結晶半導体中に応力が発生し、この応
力が原因でこの基板上に作製される多結晶半導体中の界
面準位が高くなってしまい、多結晶半導体の電気的特性
が低下してしまうという実験事実に基づくものである。
ことによってガラス基板の熱に対する性質を変えるため
である。
大気圧の不活性気体中で行なってもよいが、水素を添加
した雰囲気中においてこの熱処理を行なうと基板の洗浄
を同時に行なうことができる。
り熱再結晶化させる工程は電気炉において大気圧の不活
性気体中で行なうものである。
気体中で行なうことは、重要である。なぜならば、半導
体が熱再結晶化の過程において気体(例えば酸素)と反応
することは、防がなければならないからである。
ァス状態,セミアモルファス状態,及びに微結晶状態に
ある非単結晶半導体を指すもので、多結晶状態を含むも
のではない。
ァス状態の中に結晶状態が散在している状態を指すもの
である。
体を設ける工程というのは、気相化学反応法, スパッタ
法, 真空蒸着法, イオンクラスタービーム法, 分子線エ
ピキタシー法,レーザーアブレーション法などを使用し
て非単結晶半導体を作製することをいうのである。
oise(logη=14.5)のときの温度として定義される。
基板は、旭硝子のAN-2ノンアルカリガラスで、このガラ
スの歪点は616℃である。
で12時間の熱処理を行った。熱処理の方法は、電気炉に
おいて大気圧の不活性気体(N2)中で行なうものである
が、水素が添加された減圧状態にある不活性気体の雰囲
気中で行なってもよい。
の厚さに形成してから、その上にPCVD法によりa-Si膜を
100nmの厚さに堆積して、600℃の温度で96時間の時間を
かけa-Si膜の熱再結晶化を行った。熱再結晶化は、電気
炉において大気圧の不活性気体(N2)中で行なうものであ
る。
デーダを示し本発明の効果を明らかにする。
ガラス基板の縮みを防ぐことについての実験結果を示
す。
たガラス基板(AN-2ノンアルカリガラス)(A)と、同じ材
質のガラス基板において熱処理を行わなかった場合(B)
における、ガラスの縮み率の温度依存性を示したもので
ある。
基板(A)の縮みは、熱処理しなかったガラス基板(B)の縮
みの1/5以下であることがわかる。
おり、温度上昇に従って、指数的に増加する傾向がある
ことがわかる。
度で12時間の熱処理を行ったガラス基板(AN-2ノンアル
カリガラス)(A)と未処理のガラス基板(AN-2ノンアルカ
リガラス)(B)を一定の加熱温度600℃で加熱した場合に
おける、ガラスの縮み率の加熱時間への依存性を示すも
のである。
初の数時間が一番大きく、加熱時間が長くなると飽和し
ていく傾向が見られる。
ノンアルカリガラス(B)の縮みは約2000ppmで、熱処理を
したAN-2ノンアルカリガラス(A)の縮みは約500ppmであ
った。
理することによって、ガラス基板上に設けられる非単結
晶半導体を多結晶化する工程において加えられる熱に対
してのガラス基板の縮みを最小にできることがわかる。
2ノンアルカリガラス)の活性エネルギーは0.08eV程度
で、AN-2ノンアルカリガラスの転移点温度(668℃)に対
応しており、これはガラスの性質に関係しているものと
考えられる。
るのには、図1に示されるグラフの直線を表す式である
R=Aexp(-Ea/kT)の関係式を用いた。Aは比例定数、E
aは活性エネルギー、kはボルツマン定数である。
基板(AN-2ノンアルカリガラス)上に、スパッタ法により
SiO2膜を200nmの厚さに形成し、その上にPCVD法によりa
-Si膜を100nmの厚さに堆積して、600℃の温度で96時間
の時間をかけa-Si膜の熱再結晶化を行った半導体(a)
と、本実施例におけるガラス基板の熱処理を行なわず、
この基板上にスパッタ法によりSiO2膜を200nmの厚さに
形成してから、その上にPCVD法によりa-Si膜を100nmの
厚さに堆積して、600℃の温度で96時間の時間をかけa-S
i膜の熱再結晶化を行った半導体(b)と、石英基板上にス
パッタ法によりSiO 2膜を200nmの厚さに形成してから、
その上にPCVD法によりa-Si膜を100nmの厚さに堆積し
て、600℃の温度で96時間の時間をかけa-Si膜の熱再結
晶化を行った半導体(c)の3種類の半導体について、そ
のラマンスペクトルの基板依存性を示したものである。
図3における縦軸の相対強度は結晶性の強さを表すもの
である。
の温度で熱処理しなかったガラス基板上に設けられた多
結晶シリコン半導体(b)、並びに石英基板上に設けられ
た多結晶シリコン半導体(c)の膜に比べて、本実施例で
ある、その歪み点以下の温度で熱処理したガラス基板上
に設けられた多結晶シリコン半導体(a)の膜の結晶性は
著しく強く、またそのピークも石英基板上に設けられた
多結晶シリコン半導体と同じ位置に鋭くに出ているのが
わかる。
板上に設けられた多結晶シリコン半導体が最良のものと
されていた、よってその歪み点以下の温度で熱処理した
ガラス基板上に設けられた多結晶シリコン半導体(a)の
膜のラマンスペクトルのピークが石英基板上に設けられ
た多結晶シリコン半導体(c)と同じ位置に鋭くに出たこ
とは、その歪み点以下の温度で熱処理したガラス基板上
に設けられた多結晶シリコン半導体(a)の膜が純粋に多
結晶シリコン半導体としての特性を持っていることを意
味すると考えられる。
晶シリコン半導体としての特性が損なわれていたのに対
して、本実施例では、多結晶シリコン半導体中の内部応
力の発生を最小限度に押さえることが出来たので、本来
の多結晶シリコンの特性が表れたのである。
けられた多結晶シリコン半導体(b)は、そのピークが多
結晶シリコンの位置からずれていることもわかる。これ
は内部応力の発生によって多結晶シリコン半導体の特性
が損なわれたためである。
以下の温度で熱処理する方法は、この後の加熱過程にお
けるガラス基板の縮みを減少させることのみならず、こ
のガラス基板上に設けられ熱再結晶化される半導体中に
おける内部応力の減少と結晶性の改善に有効な手段であ
ることがわかる。
スシリコン半導体を熱再結晶化して多結晶シリコン半導
体を作る場合、基板として石英基板を用いるのが最良と
されていたが、本実施例より得られたデータによれば、
石英基板上に設けられた多結晶シリコン半導体よりも本
発明の実施例である熱処理したガラス基板上に設けられ
た多結晶シリコン半導体の方がその結晶性が高いという
測定結果が得られた。
晶p-SiTFTを作製した実施例を、図4を用いて説明す
る。
理を行ったガラス基板(AN-2ノンアルカリガラス)(1)上
に熱再結晶p-SiTFTを作製したものである。
に対して610℃の温度で12時間の熱処理を行う。熱処理
の方法は、電気炉において大気圧の不活性気体(N2)中で
行なうものであるが、水素が添加された大気圧または減
圧状態にある不活性気体中でおこなうと、基板の洗浄も
同時に出来る。
を200nmの厚さに形成する。成膜条件は、圧力0.5pa,温
度100℃,RF周波数13.56MHz,RF出力400Wである。
(3)を100nmの厚さに堆積する。成膜条件は、圧力0.5pa,
温度150℃,RF周波数13.56MHz,RF出力400Wである。
いて温度600℃の温度で96時間かけて熱再結晶化をおこ
なった。熱再結晶化は、電気炉において大気圧の不活性
気体(N2)中で行なうものである。
てデバイス分離パターンニングを行い(a)の形状を得
た。
法により50nmの厚さに成膜した。成膜条件は、圧力6.65
pa, 温度350℃,RF周波数13.56MHz,RF出力400W,PH3(5
%):SiH4:H2=0.2:0.3:50 sccmである。
の形状を得た。
さにスパッタ法により以下の条件で成膜し(c)の形状を
得た。膜形成条件は、圧力0.5pa,温度100℃,RF周波数1
3.56MHz,RF出力400Wである。
を行い(d)の形状をえた。
nmの厚さに形成し、パターニングすることにより(e)の
形状を得p-SiTFTを完成させた。
Source電極、GはGate電極、DはDrain電極である。以
下本実施例である熱処理した基板上に作製したp-SiTFT
(a')と、熱処理をしていないガラス基板(旭硝子のAN-2
ノンアルカリガラス)上に作製したp-SiTFT(b')と、石英
基板上に本実施例と同様な方法で作製したp-SiTFT(c')
の3種類の比較評価の結果を示す。
特性、図6に示す基板別のゲート電圧と電界効果移動度
の関係、並びに図7に示すような電界効果移動度の基板
依存性が得られた。
T(a')は、熱処理をしていないガラス基板(旭硝子のAN-2
ノンアルカリガラス)上に本実施例と同様な方法で作製
したp-SiTFT(b')に比べて、ドレイン電流(ID)−ゲート
電圧(VG)特性が大きく改善されており、その電気的特性
は、石英基板上に設けられたp-SiTFT(c')に近づいてい
ることがわかる。
も熱処理をしていないガラス基板(旭硝子のAN-2ノンア
ルカリガラス)上に本実施例と同様な方法で作製したp-S
iTFT(b')に比べて大きく、石英基板上に設けられたp-Si
TFT(c')の電界効果移動度と同様な値を示していること
がわかる。
たa-Si半導体を熱再結晶化させるための出発材料とした
が、本発明はa-Si半導体以外の非単結晶半導体をガラス
基板上に設けた場合においても有効である。
板の縮み特性を改善する際に、この熱処理を水素が添加
された減圧下の不活性気体雰囲気中で行ない、ガラス基
板の洗浄を熱処理と同時に行うことで、a-Si半導体の再
結晶化に際して悪影響を与える吸着酸素を取り除くこと
が出来る。
応法あるいはスパッタ法などにより得られた非単結晶半
導体を、熱再結晶化させることによって多結晶半導体を
得る工程において問題となる、ガラス基板の縮みの問題
を解決することができた。
ガラス基板の縮みを減少させることで、この基板上に設
けられ、熱再結晶化によって得られる多結晶半導体中に
発生する内部応力の発生を抑えることができ、この多結
晶半導体よりなる半導体装置の電気的特性を向上させる
ことができた。
けるガラス縮み率の温度依存性を示すものである。
けるガラス縮み率の時間依存性を示すものである。
導体と、比較例のラマンスペクトルを示したものであ
る。
工程を示すものである。
例であるp-SiTFTのID(ドレイン電流)-VG(ゲート電圧)特
性を示したものである。
例であるp-SiTFTのゲート電圧と電界効果移動度との関
係を示したものである。
例であるp-SiTFTの電界効果移動度を示したものであ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ガラス基板を該ガラス基板の歪点以下の
温度で水素を含む不活性気体雰囲気中で熱処理すること
によって、その後の加熱による前記ガラス基板の縮みが
小さくなるようにするとともに前記ガラス基板を洗浄
し、 前記熱処理した前記ガラス基板上に第1の絶縁膜を形成
し、 前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、 前記半導体膜を加熱することにより結晶化させ、 結晶化した前記半導体膜をパターニングして活性層を形
成し、 前記活性層及び前記第1の絶縁膜を覆って第2の絶縁膜
を形成し、 前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜は同一の材料で
なり、 前記活性層は前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に
よって挟まれることを特徴とする薄膜トランジスタを有
する表示装置の作製方法。 - 【請求項2】 ガラス基板を該ガラス基板の歪点以下の
温度で水素を含む不活性気体雰囲気中で熱処理すること
によって、その後の加熱による前記ガラス基板の縮みが
小さくなるようにするとともに前記ガラス基板を洗浄
し、 前記熱処理した前記ガラス基板上に酸化珪素でなる第1
の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、 前記半導体膜を加熱することにより結晶化させ、 結晶化した前記半導体膜をパターニングして活性層を形
成し、 前記活性層及び前記第1の絶縁膜を覆って酸化珪素でな
る第2の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜は前記活性層が形成されない領域で前
記第2の絶縁膜と接することを特徴とする薄膜トランジ
スタを有する表示装置の作製方法。 - 【請求項3】 ガラス基板を該ガラス基板の歪点以下の
温度で水素を含む不活性気体雰囲気中で熱処理すること
によって、その後の加熱による前記ガラス基板の縮みが
小さくなるようにするとともに前記ガラス基板を洗浄
し、 スパッタ法によって前記熱処理した前記ガラス基板上に
第1の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、 前記半導体膜を加熱することにより結晶化させ、 結晶化した前記半導体膜をパターニングして活性層を形
成し、 前記活性層及び前記第1の絶縁膜を覆ってスパッタ法に
よって第2の絶縁膜を形成し、 前記第1の絶縁膜は前記活性層が形成されない領域で前
記第2の絶縁膜と接することを特徴とする薄膜トランジ
スタを有する表示装置の作製方法。 - 【請求項4】 前記半導体膜はCVD法によって形成さ
れることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記
載の薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法。 - 【請求項5】 前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜
は酸化珪素でなることを特徴とする請求項1又は3記載
の薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法。
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