JP2759411B2 - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JP2759411B2
JP2759411B2 JP5253825A JP25382593A JP2759411B2 JP 2759411 B2 JP2759411 B2 JP 2759411B2 JP 5253825 A JP5253825 A JP 5253825A JP 25382593 A JP25382593 A JP 25382593A JP 2759411 B2 JP2759411 B2 JP 2759411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス等の絶縁基板、
あるいは各種基板上に形成された絶縁性被膜上に設けら
れた非単結晶珪素膜を用いた絶縁ゲイト構造を有する半
導体装置、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜
ダイオード(TFD)、またはそれらを応用した薄膜集
積回路、特にアクティブ型液晶表示装置(液晶ディスプ
レー)用薄膜集積回路、およびその作製方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス等の絶縁基板上にTFTを
有する半導体装置、例えば、TFTを画素の駆動に用い
るアクティブ型液晶表示装置やイメージセンサー等が開
発されている。
【0003】これらの装置に用いられるTFTには、薄
膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の
珪素半導体としては、非晶質珪素半導体(a−Si)か
らなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの
2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低
く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性
に富むため、最も一般的に用いられているが、導電率等
の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、
今後より高速特性を得る為には、結晶性を有する珪素半
導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められて
いた。尚、結晶性を有する珪素半導体としては、多結晶
珪素、微結晶珪素、結晶成分を含む非晶質珪素、結晶性
と非晶質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素
等が知られている。
【0004】これらの珪素膜を用いて絶縁ゲイト構造を
得るには、珪素膜表面に何らかの手段によって界面特性
の優れたゲイト絶縁膜を形成する必要があった。例え
ば、石英基板のように高温に耐える基板上であれば、熱
酸化法を用いてゲイト絶縁膜を得ることができた。(例
えば、特公平3−71793)しかし、石英基板は高価
であり、かつ、融点が高いために大面積化が困難である
ということで、融点が低くてより量産性に優れ、安価な
他のガラス材料(例えば、コーニング7059番)を基
板として使用することが望まれた。しかし、より安価な
ガラス基板材料は、歪み点(歪み温度ともいう)が、7
50℃以下、一般的には550〜650℃で、通常の方
法で熱酸化膜を得るだけの高温に基板が耐えないという
問題があった。そのため、より低温で形成できる物理的
気相成長法(PVD法、例えばスパッタ法)や化学的気
相成長法(CVD法、例えばプラズマCVD法、光CV
D法等)によってゲイト絶縁膜が形成された。
【0005】しかしながら、これらPVD法、CVD法
によって作製した絶縁膜はピンホールが多く、また、界
面特性も良くなかった。さらにホットキャリヤ等の注入
に対しても弱く、電荷捕獲中心等が形成されやすかっ
た。このため、TFTとした場合の電界移動度やサブス
レシュホールド特性値(S値)が、良くないという問題
点、あるいはゲイト電極のリーク電流が多く、劣化がひ
どく、歩留りが低いという問題点があった。特にもとも
と移動度の小さな非晶質珪素を用いたTFTの場合に
は、このようなゲイト絶縁膜の特性はあまり問題となら
なかったが、移動度の高い結晶性の珪素膜を用いたTF
Tでは、珪素膜自体よりもゲイト絶縁膜の特性の方が大
きな問題となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決する手段を提供するものである。すなわち、結晶
性珪素膜を用いて、特性、信頼性、歩留りに優れたTF
Tの作製方法を提供する場合において、特に基板材料に
影響を与えない条件のもとで、ゲイト絶縁膜の作製方法
やゲイト絶縁膜の構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、珪素膜を酸
素と水素の反応(一般的には水素/酸素=1.0〜1.
9の割合で混合し、反応せしめる方法。特にパイロジェ
ニック反応方法)または、水(水蒸気)を含んだ雰囲気
において500〜750℃、好ましくは550〜650
℃で加熱することによって、珪素膜を酸化させることに
よって、珪素膜の厚さを初期の状態から50Å減少さ
せ、結果として珪素膜の表面の汚れを酸化によって除去
する。そして、このようにして活性層の表面に得られた
酸化珪素を主成分とする絶縁膜を形成し、これをゲイト
絶縁膜として用いる。酸化の温度は使用する基板の種類
によって決定すればよく、代表的なガラス基板であるコ
ーニング社7059番基板では、550〜600℃が適
当であった。本発明では、基板は、コーニング社705
9番ガラス(無アルカリ、ホウ珪酸ガラス)に代表され
るような歪み温度(歪み点)が750℃以下、代表的に
は550〜650℃の各種ガラス基板とする。
【0008】本発明では、酸化速度を高めるに、上述の
ように雰囲気に0.1〜100%の水を添加する。これ
によって乾燥雰囲気に比較して酸化速度を10倍程度増
加させることができる。図5には、本発明の酸化法(水
蒸気分圧100%)によって得られる酸化珪素の厚さと
時間の関係を示したものであり、500〜650℃、例
えば、550〜650℃という低温で珪素膜を全面的に
酸化することが示されている。また、雰囲気中に塩化水
素等が含有されていても、酸化速度向上の上で効果があ
った。
【0009】より酸化速度を向上させるには、1気圧
(大気圧)のみでなく、加圧して1気圧を越え、15気
圧以下の加圧雰囲気での酸化が好ましい。例えば、10
気圧の水蒸気雰囲気では、1気圧の水蒸気雰囲気での酸
化に比較して、10倍の酸化速度が得られる。また、酸
化温度を下げることもできる。図5には10気圧での酸
化速度の変化も記した。雰囲気に水を含有せしめるに
は、一定の温度に保たれた水をキャリヤガスでバブリン
グする手法が簡便であるが、水の温度を厳密に制御しな
いと、水蒸気の分圧が変動するという欠点を有する。雰
囲気中の水蒸気の分圧を安定化させるには、酸素と水素
を反応させるいわゆるパイロジェニック酸化法を用いれ
ばよい。これは、純粋な水素を燃焼させて水蒸気を生成
する方法で、水素の流入量を制御すれば雰囲気中の水蒸
気の濃度が決定される。
【0010】また、本発明では、上記の酸化工程の後
に、アンモニア(NH3 )、ヒドラジン(N2 4 )等
の窒化水素、あるいは一酸化二窒素(N2 O)、一酸化
窒素(NO)、二酸化窒素(NO2 )等の酸化窒素、も
しくはこれらの混合物を含む雰囲気において、400〜
750℃、好ましくは550〜650℃でアニールする
ことによって、珪素活性層と酸化珪素絶縁膜の界面、ま
たは、酸化珪素膜中に窒素を添加すると同時に酸化珪素
中の水素を脱気することによるゲイト絶縁膜の特性を改
善する。
【0011】この工程に関しては、酸化窒素(例えば一
酸化二窒素)の雰囲気において、500〜750℃、例
えば550〜650℃の温度でアニールをおこなった後
に、窒化水素(例えばアンモニア)の雰囲気で再びアニ
ールをおこなうという方法(第1の方法)を採用する
と、より大きな効果が得られた。また、アニール時にR
F放電またはマイクロ波放電をおこなって、プラズマ化
した雰囲気中の酸化窒素、窒化水素を励起し、活性化し
た原子を酸化珪素膜中に0.1〜10原子%添加させて
も高い効果が得られた。
【0012】一方、酸化窒素、窒化水素雰囲気におい
て、瞬間的に強力な可視光線もしくは近赤外線(好まし
くは波長が0.6〜4μm)を基板に照射する方法(ラ
ンプアニール法、ラピッド・サーマル・アニール(RT
A)もしくはラピッド・サーマル・プロセッシング(R
TP)法、以下、第2の方法という)によっても同様な
効果が得られた。第1の方法と第2の方法を組み合わせ
て、すなわち基板を該雰囲気において400〜750℃
に加熱した状態で、RTPをおこなうと、より多くのS
i−N、O−N結合を酸化珪素膜中に形成し、不対結合
手の発生を抑制することにより一層大きな効果が得られ
た。
【0013】
【作用】元来、雰囲気に水を含む状態で熱酸化をおこな
うと、水の触媒的な作用によって酸化速度が向上するこ
とが知られていた。そのため、従来において、単結晶半
導体集積回路の素子間の分離のための厚い(〜1μm)
絶縁膜を形成する目的で用いられていた。しかし、この
ようにして形成された酸化膜はゲイト絶縁膜には用いら
れないとされていた。これは、酸化珪素中に多量の水素
がSi−H結合、Si−OH結合という形で残存するた
めである。このSi−H結合、Si−OH結合は、結合
力が弱く、ホットキャリヤ等のエネルギーの高いキャリ
ヤの注入で、簡単に分断され、Si−の不対結合手の発
生による電荷捕獲中心を形成した。このため、ゲイト絶
縁膜中にSi−H、Si−OH結合結合が多量に存在す
ると、特性が低下するだけでなく、長期の使用において
劣化が著しく信頼性が低かった。
【0014】この問題に対して本発明は明確な答えを提
供したものである。すなわち、水を含む雰囲気の熱酸化
によって形成された酸化珪素膜を酸化窒素、窒化水素の
雰囲気において熱的な処理あるいは光処理をおこなうこ
とによって、酸化珪素の特性を改善せしめることができ
た。ここで、酸化窒素と窒化水素では作用が異なること
に注意する必要がある。
【0015】酸化窒素雰囲気での処理では、酸化珪素中
のSi−H結合は窒化あるいは酸化され、Si≡N、あ
るいはSi2 =N−O結合に変化する。特にこの反応は
酸化珪素と珪素の界面で進行しやすく、結果として窒素
は酸化珪素−珪素界面に集中する。後者においてはO原
子の他方の結合手が自由であり、不対結合手となった
り、水素と結合したりするので注意が必要である。そこ
で、再度、アンモニア等の窒化水素中で熱処理すると、
Si−N=H2 が形成され、安定化する。そして、この
窒素は酸化珪素の内部に比較的均一に添加される。この
ような手段で添加される窒素の量はSIMS(二次イオ
ン質量分析)法により、0.1〜10原子%であること
が明らかになった。
【0016】一方、窒化水素雰囲気での処理では、Si
−H結合は単純に窒化され、Si≡N、あるいはSi−
N=H2 となる。しかし、この反応の確率は小さく、ど
ちらかというとSi=O結合を窒化して上記の結合に変
化させる割合が多く、Si−H結合は反応から取り残さ
れる傾向がある。したがって、より反応を促進するには
酸化窒化を用いてSi−H結合を無くしてから、窒化水
素処理をおこなう方が望ましい。本発明では、酸化珪素
中に0.1〜10原子%、代表的には、1〜5原子%の
窒素が含有されていることが好ましい。なお、上記の反
応は400〜750℃の熱アニールによっても進行する
が、温度が低いと反応速度は緩やかである。そこで、雰
囲気でRF放電またはマイクロ波放電をおこなうと窒化
水素、酸化窒素のイオンや活性種が生成し、温度を10
00℃以上に上昇させたのと実質的に同じ効果が得られ
る。同様に、RTPでも実質的な温度を1000℃以上
に上昇させることができるので効果がある。
【0017】
【実施例】〔実施例1〕図1に本実施例の作製工程の断
面図を示す。まず、基板(コーニング7059)101
上にスパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪
素の下地膜102を形成した。基板は、下地膜の成膜の
前もしくは後に、歪み温度よりも高い温度でアニールを
おこなった後、0.1〜1.0℃/分で歪み温度以下ま
で徐冷すると、その後の温度上昇を伴う工程(本発明の
熱酸化工程およびその後の熱アニール工程を含む)での
基板の収縮が少なく、マスク合わせが用意となる。コー
ニング7059基板では、620〜660℃で1〜4時
間アニールした後、0.03〜1.0℃/分、好ましく
は、0.1〜0.3℃/分で徐冷し、400〜500℃
まで温度が低下した段階で取り出すとよい。
【0018】次に、プラズマCVD法によって、厚さ5
00〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)の
非晶質珪素膜を成膜した。そして、窒素雰囲気(大気
圧)、600℃、48時間アニールして結晶化させ、珪
素膜を10〜1000μm角の大きさにパターニングし
て、島状の珪素膜(TFTの活性層)103を形成し
た。(図1(A))
【0019】その後、70〜90%の水蒸気を含む1気
圧、500〜750℃、代表的には600℃の酸素雰囲
気を水素/酸素=1.5〜1.9の比率でパイロジェニ
ック反応法を用いて形成した。かかる雰囲気中におい
て、3〜5時間放置することによって、珪素膜表面を酸
化させ、厚さ500〜1500Å、例えば1000Åの
酸化珪素膜104を形成した。注目すべき歯、かかる酸
化により、初期の珪素膜は、その表面が50Å以上減少
し、結果として、珪素膜の最表面部分の汚染が、珪素−
酸化珪素界面には及ばないようになった、すなわち、清
浄な珪素−酸化珪素界面が得られたことである。酸化珪
素膜の厚さは酸化される珪素膜の2倍であるので、10
00Åの厚さの珪素膜を酸化して、厚さ1000Åの酸
化珪素膜を得た場合には、残った珪素膜の厚さは500
Åということになる。
【0020】一般に酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)と活性
層は薄ければ薄いほど移動度の向上、オフ電流の減少と
いう良好な特性が得られる。一方、初期の非晶質珪素膜
の結晶化はその膜厚が大きいほど結晶化させやすい。し
たがって、従来は、活性層の厚さに関して、特性とプロ
セスの面で矛盾が存在していた。本発明はこの矛盾を初
めて解決したものであり、すなわち、結晶化前には非晶
質珪素膜を厚く形成し、良好な結晶性珪素膜を得る。そ
して、次にはこの珪素膜を酸化することによって珪素膜
を薄くし、TFTとしての特性を向上させるものであ
る。さらに、この熱酸化においては、再結合中心の存在
しやすい非晶質成分、結晶粒界が酸化されやすく、結果
的に活性層中の再結合中心を減少させるという特徴も有
する。このため製品の歩留りが高まる。
【0021】熱酸化によって酸化珪素膜104を形成し
たのち、基板を一酸化二窒素雰囲気(1気圧、100
%)、600℃で2時間アニールした。(図1(B)) 引き続いて、減圧CVD法によって、厚さ3000〜8
000Å、例えば6000Åの多結晶珪素(0.01〜
0.2%の燐を含む)を成膜した。そして、珪素膜をパ
ターニングして、ゲイト電極105を形成した。さら
に、この珪素膜をマスクとして自己整合的に、イオンド
ーピング法(プラズマドーピング法とも言う)によっ
て、活性層領域(ソース/ドレイン、チャネルを構成す
る)にN導電型を付与する不純物(ここでは燐)を添加
した。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3
を用い、加速電圧を60〜90kV、例えば80kVと
した。ドーズ量は1×1015〜8×1015cm-2、例え
ば、5×1015cm-2とした。この結果、N型の不純物
領域106と107が形成された。
【0022】その後、レーザー光の照射によってアニー
ル行った。レーザー光としては、KrFエキシマレーザ
ー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いた
が、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条
件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2
例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10
ショット、例えば2ショット照射した。このレーザー光
の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱すること
によって、効果を増大せしめてもよい。(図1(C))
【0023】また、この工程は、近赤外光によるランプ
アニールによる方法でもよい。近赤外線は非晶質珪素よ
りも結晶化した珪素へは吸収されやすく、1000℃以
上の熱アニールにも匹敵する効果的なアニールを行うこ
とができる。その反面、ガラス基板(遠赤外光はガラス
基板に吸収されるが、可視・近赤外光(波長0.5〜4
μm)は吸収されにくい)へは吸収されにくいので、ガ
ラス基板を高温に加熱することがなく、また短時間の処
理ですむので、ガラス基板の縮みが問題となる工程にお
いては最適な方法であるといえる。
【0024】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜10
8を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成し
た。この層間絶縁物としてはポリイミドを利用してもよ
い。さらにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線109、110を形成した。最後に、1
気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行
い、TFTを完成した。(図1(D))
【0025】上記に示す方法で得られたTFTの移動度
は110〜150cm2 /Vs、S値は0.2〜0.5
V/桁であった。また、同様な方法によってソース/ド
レインにホウ素をドーピングしたPチャネル型TFTも
作製したところ、移動度は90〜120cm2 /Vs、
S値は0.4〜0.6V/桁であり、公知のPVD法や
CVD法によってゲイト絶縁膜を形成した場合に比較し
て、移動度は2割以上高く、S値は20%以上も減少し
た。また、信頼性の面からも、本実施例で作製されたT
FTは1000℃の高温熱酸化によって作製されたTF
Tにひけをとらない良好な結果を示した。
【0026】〔実施例2〕 本実施例は、アクティブマ
トリクスの画素の制御に用いられるTFTの作製工程に
関するものである。図2に本実施例の作製工程を示す。
まず、実施例1と同様に、ガラス基板(コーニング70
59)を歪み点(593℃)よりも高い620〜660
℃、例えば640℃で1〜4時間、例えば1時間アニー
ルし、その後、0.03〜1℃/分、例えば0.2℃/
分で徐冷し、400〜500℃、例えば450℃まで温
度が低下した段階で取り出した。
【0027】このような処理を施した基板201を洗浄
し、TEOS(テトラ・エトキシ・シラン)と酸素を原
料ガスとしてプラズマCVD法によって厚さ2000Å
の酸化珪素の下地膜202を形成した。そして、プラズ
マCVD法によって、厚さ500〜1500Å、例えば
1000Åの真性(I型)の非晶質珪素膜203を成膜
した。次に連続的に厚さ500〜2000Å、例えば1
000Åの酸化珪素膜205をプラズマCVD法によっ
て成膜した。そして、酸化珪素膜205を選択的にエッ
チングして、非晶質珪素の露出した領域206を形成し
た。そして、全面に平均厚さ20〜50Åのニッケル膜
207をスパッタ法で成膜した。ニッケル膜は連続した
膜状でなくともよい。
【0028】ここで、ニッケルは結晶化を助長せしめる
作用を有する。結晶化を助長させる元素としては、他に
Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、P
t、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Au、
Agにおいて作用が確認されている。このような金属元
素を用いて、通常の固相成長温度よりも低温・短時間で
結晶化をおこなうことができる。
【0029】この後、窒素雰囲気下で500〜620
℃、例えば550℃、8時間の加熱アニールを行い、珪
素膜303の結晶化を行った。結晶化は、ニッケルと珪
素膜が接触した領域206を出発点として、矢印で示さ
れるように基板に対して平行な方向に結晶成長が進行し
た。図においては領域204は結晶化した部分、領域2
03は未結晶化(非晶質)の部分を示す。(図2
(A))
【0030】次に、酸化珪素膜205を除去し、珪素膜
204をパターニング後、ドライエッチングして、島状
の活性層領域208を形成した。この際、図2(A)で
206で示された領域は、ニッケルが直接導入された領
域であり、ニッケルが高濃度に存在する領域である。ま
た、結晶成長の先端にも、やはりニッケルが高濃度に存
在することが確認されている。これらの領域では、その
中間の領域に比較してニッケルの濃度が1桁近く高いこ
とが判明している。したがって、本実施例においては、
活性層208において、これらのニッケル濃度の高い領
域がチャネル形成領域と重ならないようにした。本実施
例の活性層中でのニッケル濃度は、SIMS(2次イオ
ン質量分析)法による測定で1×1017〜1×1019
子cm-3程度であった。
【0031】その後、100体積%の水蒸気を含む10
気圧、500〜600℃の、代表的には550℃の雰囲
気中において、1時間放置することによって、活性層
(珪素膜)208の表面を酸化させ、酸化珪素膜209
を形成した。酸化珪素膜の厚さは1000Åとした。熱
酸化によって酸化珪素膜209を形成したのち、基板
を、アンモニア雰囲気(1気圧、100%)、400℃
に保持した。そして、この状態で基板に対して、波長
0.6〜4μm、例えば、0.8〜1.4μmにピーク
をもつ赤外光を30〜180秒照射し、酸化珪素膜20
9に対して窒化処理をほどこした。雰囲気に0.1〜1
0%のHClを混入してもよかった。
【0032】赤外線の光源としてはハロゲンランプを用
いた。赤外光の強度は、モニターの単結晶シリコンウェ
ハー上の温度が900〜1200℃の間にあるように調
整した。具体的には、シリコンウェハーに埋め込んだ熱
電対の温度をモニターして、これを赤外線の光源にフィ
ードバックさせた。本実施例では、昇温は、一定で速度
は50〜200℃/秒、降温は自然冷却で20〜100
℃であった。この赤外光照射は、珪素膜を選択的に加熱
することになるので、ガラス基板への加熱を最小限に抑
えることができる。(図2(B))
【0033】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ3000〜8000Å、例えば6000Åのアルミ
ニウム(0.01〜0.2%のスカンジウムを含む)を
成膜した。そして、アルミニウム膜をパターニングし
て、ゲイト電極210を形成した。(図2(C))
【0034】さらに、このアルミニウムの電極の表面を
陽極酸化して、表面に酸化物層211を形成した。この
陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコ
ール溶液中で行った。得られた酸化物層211の厚さは
2000Åであった。なお、この酸化物211は、後の
イオンドーピング工程において、オフセットゲイト領域
を形成する厚さとなるので、オフセットゲイト領域の長
さを上記陽極酸化工程で決めることができる。(図2
(D))
【0035】次に、イオンドーピング法(プラズマドー
ピング法とも言う)によって、活性層領域(ソース/ド
レイン、チャネルを構成する)にゲイト電極部、すなわ
ちゲイト電極210とその周囲の酸化層211をマスク
として、自己整合的にN導電型を付与する不純物(ここ
では燐)を添加した。ドーピングガスとして、フォスフ
ィン(PH3 )を用い、加速電圧を60〜90kV、例
えば80kVとした。ドーズ量は1×1015〜8×10
15cm-2、例えば、4×1015cm-2とした。この結
果、N型の不純物領域212と213を形成することが
できた。図からも明らかなように不純物領域とゲイト電
極とは距離xだけ放れたオフセット状態となった。この
ようなオフセット状態は、特にゲイト電極に逆電圧(N
チャネルTFTの場合はマイナス)を印加した際のリー
ク電流(オフ電流ともいう)を低減する上で有効であっ
た。特に、本実施例のようにアクティブマトリクスの画
素を制御するTFTにおいては良好な画像を得るために
画素電極に蓄積された電荷が逃げないようにリーク電流
が低いことが望まれるので、オフセットを設けることは
有効であった。
【0036】その後、レーザー光の照射によってアニー
ルを行った。レーザー光としては、KrFエキシマレー
ザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用い
たが、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射
条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm
2 、例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜
10ショット、例えば2ショット照射した。このレーザ
ー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱する
ことによって、効果を増大せしめてもよい。(図2
(E))
【0037】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜21
4を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成し
た。さらに、スピンコーティング法によって透明なポリ
イミド膜215を形成し、表面を平坦化した。このよう
にして形成された平面上にスパッタ法によって厚さ80
0Åの透明導電性膜(ITO膜)を成膜し、これをパタ
ーニングして画素電極216を形成した。
【0038】そして、層間絶縁物214、215にコン
タクトホールを形成して、金属材料、例えば、窒化チタ
ンとアルミニウムの多層膜によってTFTの電極・配線
217、218を形成した。最後に、1気圧の水素雰囲
気で350℃、30分のアニールを行い、TFTを有す
るアクティブマトリクスの画素回路を完成した。(図2
(F))
【0039】〔実施例3〕図3に本実施例の作製工程の
断面図を示す。まず、実施例1と同様に基板(コーニン
グ7059)を歪み点(593℃)よりも高い620〜
660℃、例えば640℃で1〜4時間、例えば1時間
アニールし、その後、0.01〜1℃/分、例えば0.
2℃/分で徐冷し、400〜500℃、例えば450℃
まで温度が低下した段階で取り出した。このような処理
を施した基板301を洗浄し、TEOSを原料とするプ
ラズマCVD法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下
地膜302を形成した。そして、プラズマCVD法によ
って、厚さ100〜1000Å、例えば800Åの真性
(I型)の非晶質珪素膜を成膜し、実施例1もしくは2
の手法のいずれかを用いて結晶化された。そして、結晶
化した珪素膜をパターニングして、島状の珪素膜(活性
層)303を形成した。
【0040】次に、基板をアニール炉に投入し、100
%の水蒸気を含む4気圧、500〜600℃、代表的に
は550℃の雰囲気中において、1時間放置することに
よって、珪素膜303の表面に酸化珪素膜304を形成
した。かくして、珪素膜の厚さを50Å以上減少させ、
珪素−酸化珪素界面に自然酸化物が存在しないようにし
た。熱酸化によって厚さ500Åの酸化珪素膜304を
形成したのち、アニール炉の雰囲気を一酸化二窒素雰囲
気(1気圧、100%)に変更し、600℃で2時間ア
ニールした。さらに、雰囲気をアンモニア(1気圧、1
00%)に変更し、600℃で2時間アニールした。
【0041】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ3000〜8000Å、例えば6000Åのアルミ
ニウム(0.01〜0.2%のスカンジウムを含む)を
成膜した。そして、アルミニウム膜をパターニングし
て、ゲイト電極305を形成した。(図3(A))
【0042】さらに、このアルミニウムの電極の表面を
陽極酸化して、表面に酸化物層306を形成した。この
陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコ
ール溶液中で行った。得られた酸化物層の厚さは200
0Åであった。なお、この酸化物は、後のイオンドーピ
ング工程において、オフセットゲイト領域を形成する厚
さとなるので、オフセットゲイト領域の長さを上記陽極
酸化工程で決めることができる。
【0043】次に、イオンドーピング法(プラズマドー
ピング法とも言う)によって、結晶シリコン領域303
にゲイト電極部(すなわち、ゲイト電極305とその周
囲の陽極酸化物306)をマスクとして、自己整合的に
N導電型を付与する不純物(ここでは燐)を添加した。
ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3 )を用
い、加速電圧を60〜90kV、例えば80kVとし
た。ドーズ量は1×1013〜1×1015cm-2、例え
ば、2×1014cm-2とした。この結果、N型の不純物
領域(低濃度不純物領域、LDD)307と308を形
成することができた。実施例2と同様に不純物領域はゲ
イト電極とxだけ離れている。
【0044】その後、レーザー光の照射によってアニー
ルを行った。レーザー光としては、KrFエキシマレー
ザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用い
たが、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射
条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm
2 、例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜
10ショット、例えば2ショット照射した。このレーザ
ー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱する
ことによって、効果を増大せしめてもよい。(図3
(B))
【0045】続いて、厚さ5000Åの酸化珪素膜30
9をプラズマCVD法によって形成した。(図3
(C)) そして、反応性イオンエッチング(RIE)法によっ
て、異方性エッチングをおこない、酸化珪素膜309を
エッチングして、ゲイト電極部の側面にサイドウォール
(側壁)310を残存せしめた。この際、ゲイト絶縁膜
である酸化珪素膜304も同時にエッチングした。
【0046】さらにスパッタ法によってチタンもしくは
ニッケルの金属被膜311を厚さ100〜500Å、例
えば300Å全面に形成した。(図3(D)) そして、これにレーザー光、もしくは可視光線・近赤外
線の強光を照射して、金属膜311とソース/ドレイン
領域307、308を反応させ、シリサイド領域31
2、313を形成した。
【0047】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜31
4を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成し
た。さらにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線315、316を形成した。最後に、1
気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行
い、TFTを完成した。本実施例のTFTでは、ソース
/ドレイン領域のシート抵抗がシリサイド312、31
3の存在によって著しく低下し、よって、TFTの諸特
性(例えば、電界効果移動度)を向上させることができ
た。(図3(E))
【0048】〔実施例4〕 本実施例は、アクティブマ
トリクスの画素の制御に用いられるTFTの作製工程に
関するものである。図4に本実施例の作製工程を示す。
まず、実施例2と同様に、ガラス基板(コーニング70
59)401を熱処理した後、TEOS(テトラ・エト
キシ・シラン)と酸素を原料ガスとしてプラズマCVD
法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下地膜402を
形成した。そして、プラズマCVD法によって、厚さ5
00〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)の
非晶質珪素膜を成膜し、実施例2と同様な手段によっ
て、ニッケルを選択的に添加し、珪素膜を結晶化せしめ
た。マスクとしては、プラズマCVD法によって成膜し
た厚さ500〜2000Å、例えば1000Åの窒化珪
素膜405を用いた。そして、全面に平均厚さ20〜5
0Åのニッケル膜をスパッタ法で成膜した後、窒素雰囲
気下で500〜620℃、例えば550℃、8時間の加
熱アニールを行い、珪素膜の結晶化を行った。次に、窒
化珪素膜205をマスクとして、珪素膜を300Åドラ
イエッチング法によってエッチングし、珪素膜の厚い領
域403と薄い領域404を形成した。(図4(A))
【0049】その後、100体積%の水蒸気を含む10
気圧、500〜600℃の、代表的には550℃の雰囲
気中において、2時間放置することによって、薄い領域
404を酸化させ、酸化珪素膜407を形成した(図5
参照)。この結果、厚い珪素膜領域403は酸化珪素4
07に囲まれて、互いに絶縁された。この語、窒化珪素
膜405のみを除去して、厚い珪素膜領域403の表面
を露呈させた。そして、この表面に実施例1と同様にパ
イロジェニック熱酸化または前記した酸化珪素407の
熱酸化と同様な方法で酸化珪素膜408を形成した。酸
化珪素膜408の厚さは1000Åとした。熱酸化によ
って酸化珪素膜408を形成したのち、基板を、アンモ
ニア雰囲気(1気圧、100%)、400℃に保持し
た。そして、この状態で実施例2と同様に波長0.6〜
4μm、例えば、0.8〜1.4μmにピークをもつ赤
外光を30〜180秒照射し、酸化珪素膜408に対し
て窒化処理をほどこした。(図4(B))
【0050】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ3000〜8000Å、例えば6000Åのアルミ
ニウム(0.01〜0.2%のスカンジウムを含む)を
成膜した。そして、アルミニウム膜をパターニングし
て、ゲイト電極409を形成した。(図4(C)) さらに、このアルミニウムの電極の表面を陽極酸化し
て、表面に酸化物層410を形成した。この陽極酸化
は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液
中で行った。得られた酸化物層410の厚さは2000
Åであった。なお、この酸化物410は、後のイオンド
ーピング工程において、オフセットゲイト領域を形成す
る厚さとなるので、オフセットゲイト領域の長さを上記
陽極酸化工程で決めることができる。(図4(D))
【0051】次に、イオンドーピング法(プラズマドー
ピング法とも言う)によって、活性層領域(ソース/ド
レイン、チャネルを構成する)にゲイト電極部、すなわ
ちゲイト電極409とその周囲の酸化層410をマスク
として、自己整合的にN導電型を付与する不純物(ここ
では燐)を添加した。ドーピングガスとして、フォスフ
ィン(PH3 )を用い、加速電圧を60〜90kV、例
えば80kVとした。ドーズ量は1×1015〜8×10
15cm-2、例えば、4×1015cm-2とした。この結
果、N型の不純物領域411と412を形成することが
できた。
【0052】その後、レーザー光の照射によってアニー
ルを行った。レーザー光としては、KrFエキシマレー
ザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用い
たが、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射
条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm
2 、例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜
10ショット、例えば2ショット照射した。このレーザ
ー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱する
ことによって、効果を増大せしめてもよい。(図4
(E)) 続いて、層感絶縁物としてスピンコーティング法によっ
て透明なポリイミド膜413を形成し、表面を平坦化し
た。このようにして形成された平面上にスパッタ法によ
って厚さ800Åの透明導電性膜(ITO膜)を成膜
し、これをパターニングして画素電極414を形成し
た。
【0053】そして、層間絶縁物413にコンタクトホ
ールを形成して、金属材料、例えば、窒化チタンとアル
ミニウムの多層膜によってTFTの電極・配線415、
416を形成した。そして、1気圧の水素雰囲気で35
0℃、30分のアニールを行い、さらに全面にパッシベ
ーション膜として、プラズマCVD法による厚さ100
0Åの窒化珪素膜417を形成した。こうしてTFTを
有するアクティブマトリクスの画素回路を完成した。
(図4(F))
【0054】
【発明の効果】本発明によって、TFTの特性が大幅に
改善された。また、本発明による熱酸化膜は薄くてもピ
ンホールが皆無であるので、歩留りも向上させることが
できた。特に、従来は各種PVD法、CVD法を用いて
ゲイト絶縁膜の成膜をおこなっていたが、このような成
膜方法ではフレークやパーティクルが発生し、そのた
め、装置のメンテナンスに多くの時間がかかり、量産性
が低下したが、本発明では、このようなフレークやパー
ティクルはほとんど発生しない。そのため、装置のメン
テナンスの時間が短縮され、量産性が向上した。また、
本発明を実施する際の初期投資も、従来のPVD法、C
VD法の場合に比べると、十分に小さいものであり、特
に実施例3に示したように、熱酸化と窒化水素、酸化窒
素アニールを同一チャンバーでおこなうとより設備投資
を削減できる。このように本発明は工業上有益な発明で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のTFTの作製工程例を示す。(実
施例1参照)
【図2】 本発明のTFTの作製工程例を示す。(実
施例2参照)
【図3】 本発明のTFTの作製工程例を示す。(実
施例3参照)
【図4】 本発明のTFTの作製工程例を示す。(実
施例4参照)
【図5】 低温(600℃以下)での水蒸気酸化の様
子を示す。
【符号の説明】
101・・・基板 102・・・下地膜 103・・・島状珪素膜(活性層) 104・・・熱酸化によって形成された酸化珪素膜 105・・・ゲイト電極 106・・・不純物領域 107・・・不純物領域 108・・・層間絶縁物 109・・・電極 110・・・電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−39070(JP,A) 特開 平2−224340(JP,A) 特開 昭62−145775(JP,A) 特開 平1−149475(JP,A) 特開 平4−304677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/786 H01L 21/316 H01L 21/318 H01L 21/336

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歪み点が750℃以下の絶縁表面を有す
    るガラス基板上に形成された薄膜トランジスタを有する
    半導体装置において、 前記薄膜トランジスタが、 前記絶縁表面上に形成された珪素を主成分とする薄膜活
    性層と、 前記薄膜活性層を熱酸化することにより形成されたゲイ
    ト絶縁膜と、 前記ゲイト絶縁膜上に形成されたゲイト電極とを有し、 前記ゲイト絶縁膜と前記薄膜活性層との界面または前記
    ゲイト絶縁膜中に窒素を含有することを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 前記薄膜活性層の膜厚は500Åないし1450Åであ
    り、前記ゲイト絶縁膜の膜厚は100Åないし1500
    であることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体装置に
    おいて、 前記ゲイト絶縁膜には0.1〜10原子%の窒素が含有
    されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 歪み点が750℃以下の絶縁表面を有す
    るガラス基板上に薄膜トランジスタを形成する半導体装
    置の作製方法において、 前記絶縁表面上に珪素を主成分とする薄膜活性層を形成
    する第1の工程と、 前記薄膜活性層を選択的にエッチングすることによっ
    て、島状の領域を形成する第2の工程と、 酸素と水素との反応または水を含む第1の雰囲気におい
    て750℃以下の温度に加熱することによって、前記島
    状の領域を酸化し熱酸化膜を形成する第3の工程と、 窒化水素化合物もしくは酸化窒素化合物あるいはそれら
    の混合物を含む第2の雰囲気において、前記ガラス基板
    を750℃以下でアニールする第4の工程と、 前記熱酸化膜上にゲイト電極を形成する第5の工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置の作製方法
    において、 前記第3の工程の前記第1の雰囲気中にさらに塩化水素
    を含有させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の半導体装置の
    作製方法において、前記第3の工程の前記酸化は1気圧
    以上15気圧以下で行なわれることを特徴とする半導体
    装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれか1項に記載
    の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記第2の雰囲気中での前記アニール
    は、酸化窒素化合物を含む雰囲気中での第1のアニール
    と、 窒化水素化合物を含む雰囲気中での第2のアニールとか
    らなることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし7のいずれか1項に記載
    の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記アニールは、前記第2の雰囲気を
    高周波放電またはマイクロ波放電によりプラズマ化し、
    前記窒化水素化合物もしくは酸化窒素化合物あるいはそ
    れらの混合物を励起し活性化して行うことを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし8のいずれか1項に記載
    の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記アニールが、熱アニールであるこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項4ないし8のいずれか1項に記
    載の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記アニールが、可視光線もしくは近
    赤外線を照射するRTP(ラピッド・サーマル・プロセ
    ッシング)であることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし10のいずれか1項
    記載の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記第2の雰囲気中の前記窒化水素化
    合物がアンモニアであり、前記酸化窒素化合物が一酸化
    二窒素であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項4ないし11のいずれか1項
    記載の半導体装置の作製方法において、 前記第4の工程の前記第2の雰囲気中に塩化水素を含有
    させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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