JP3356807B2 - エンジンコンプレッサの無負荷運転装置と停止方法 - Google Patents

エンジンコンプレッサの無負荷運転装置と停止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンで駆動される
コンプレッサの無負荷運転装置とその無負荷運転におけ
る停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンプレッサの駆動源としてはモータが
あるが、エンジンを駆動源とするものも多い。コンプレ
ッサからの圧縮空気はオイルチャンバで油気分離され、
保圧弁を押し上げて開口しているエアコックを介して使
用側に送られる。前記保圧弁は前記オイルチャンバ側と
前記エアコック間の通路を開閉するバルブとそれを押圧
するスプリング等から構成される。コンプレッサ側から
吐出される圧縮空気の圧力が前記スプリング力よりも上
廻る場合には前記保圧弁のバルブを押し上げ前記エアコ
ックを介して使用側に送気される。一方、使用側で圧縮
空気の使用を停止した場合には、前記エアコックが閉止
される。それにより容量レギュレータおよびスピードレ
ギュレータが作動し、コンプレッサへの吸入空気量とエ
ンジン速度が減少,低下して無負荷運転に入り、オイル
チャンバ内の圧縮空気圧力は保圧弁のスプリング圧とほ
ぼ一致する所定圧力に保持される。次に、無負荷運転を
一定時間持続した後、エンジン停止を行う。
【0003】従来のエンジンコンプレッサにおいても、
エンジン全負荷運転から即時にエンジン停止することは
勿論可能であるが、非常事態の発生の場合以外には行わ
れない。すなわち、エンジンおよびコンプレッサは全負
荷運転中には高温となり、かつ高圧で運転されている。
そのため、急にエンジン停止をすると高圧高温の空気の
排出に無理が生じ、各構成部材の機能を害する結果を招
き、それ等の寿命を低下させる問題点等が生ずる。その
ため、従来技術においても前記したように無負荷運転を
した後、エンジンおよびコンプレッサを十分冷却してか
らエンジン停止を行う方法が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
技術の場合には使用側で空気使用を停止した場合にはエ
アコックを閉止し無負荷運転に入る手段が採用されてい
た。しかしながら、エアコックの開閉は手動で行われる
ため、エアコックの閉止操作を忘れてエンジンを停止す
る場合が生じ易く、前記したようにエンジン全負荷運転
からの急停止が行われ易い。更に、エアコックは数回転
しなければ全閉されないため、その開閉作業に時間がか
かり、かつ面倒である。また、エアコックを全閉し、無
負荷運転に入ってからエンジン停止までの時間も不定と
なり、必要以上に無負荷運転を継続したり、エンジンお
よびコンプレッサが十分に冷却されない内にエンジン停
止を行う問題点が生じ易い。
【0005】本発明は、以上の問題点を解決するもの
で、エアコックを閉止することなく簡単に無負荷運転に
入れるエンジンコンプレッサの無負荷運転装置を提供す
ると共に、無負荷運転からエンジン停止までの停止方法
について提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、エンジンで駆動されるコンプレッサ本
体からの圧縮空気を一時蓄溜すると共にオイル分離を行
うオイルチャンバの空気排出側に連設すると共に使用側
に空気を送る送気管と前記オイルチャンバとの間に介設
される保圧弁を備え、かつ容量レギュレータやスピード
レギュレータを備えるエンジンコンプレッサの無負荷運
転装置であって、前記保圧弁は、前記オイルチャンバと
送気管との間に介設される保圧弁本体の内に摺動自在に
収納されて両者の連通及び遮断を行うバルブと、このバ
ルブをオイルチャンバ側に押圧するスプリングと、該ス
プリングの収納されている前記保圧弁本体内に形成され
ているスプリング室と前記オイルチャンバ側とを連結す
る管路と、この管路内に介設される電磁弁とを有するも
のからなり、前記電磁弁を、使用側の空気量の低減時に
開放して前記オイルチャンバ側と送気管との連通を遮断
し、この状態で前記容量レギュレータ及びスピードレギ
ュレータを作動せしめて無負荷運転を行う無負荷運転装
置を構成し、更に、エンジンで駆動されるコンプレッサ
本体からの圧縮空気を一時蓄溜すると共にオイル分離を
行うオイルチャンバの空気排出側に連設すると共に使用
側に空気を送る送気管と前記オイルチャンバとの間に介
設される保圧弁を備え、かつ容量レギュレータやスピー
ドレギュレータを備えるエンジンコンプレッサの停止方
法において、前記保圧弁は、前記オイルチャンバと送気
管との間に介設される保圧弁本体の内に摺動自在に収納
されて両者の連通及び遮断を行うバルブと、このバルブ
をオイルチャンバ側に押圧するスプリングと、該スプリ
ングの収納されている前記保圧弁本体内に形成されてい
るスプリング室と前記オイルチャンバ側とを連結する管
路と、この管路内に介設される電磁弁とを有するものか
らなり、前記電磁弁を、使用側の空気量の低減時に開放
して前記オイルチャンバ側と送気管との連通を遮断し、
この状態で前記容量レギュレータ及びスピードレギュレ
ータを作動せしめて無負荷運転を行うと共に、この状態
を所定時間経過後において、手動又は自動で前記エンジ
ンを停止するエンジンコンプレッサの停止方法を特徴と
するものである。
【0007】
【作用】使用側で空気使用を停止した場合にはスイッチ
をONする。それにより、電磁弁が作動し、オイルチャ
ンバ側と保圧弁のスプリング室とが連通する。そのた
め、エアコックを閉止しなくてもスプリング圧により保
圧弁のバルブがオイルチャンバの空気出口部を閉じ、使
用側への送気が停止する。スイッチのON動作に関連さ
せてタイマ等を作動し一定時間の経過を確認して手動又
は自動でエンジンを停止する。以上により、無負荷運転
とその後のエンジン停止が安全に、かつ確実に行われ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図1は本実施例の適用されるコンプレッサの全体
構成を示す構成図、図2は本実施例の保圧弁まわりの構
造を示す一部断面図、図3は本実施例の動作を説明する
フローチャートである。
【0009】まず、図1により全体構成を説明する。エ
ンジン21により駆動されるコンプレッサ22内にはエ
アクリーナ28および吸入弁27を介して外気が吸引さ
れ適圧の圧縮空気が吐出される。圧縮空気は逆止弁24
を有する吐出管23を介してオイルチャンバ14内に導
入され、オイルセパレータ15等により油気分離され
る。油分を分離された空気は保圧弁1を通りエアコック
17を介設する送気管16により使用側18に送られ
る。一方、オイルチャンバ14内で分離して蓄溜された
オイル20は冷却手段26を有する戻入管25を介しコ
ンプレッサ22側に戻され再使用される。また、保圧弁
1側には配管29を介して容量レギュレータ30が連結
され、容量レギュレータ30にはエンジン速度をコント
ロールするスピードレギュレータ31が連結される。ま
た、オイルチャンバ14にはドレーンバルブ19を有す
る排水管33が底面側に連結される。
【0010】本実施例の主要要素である保圧弁1には管
路5が連結され、管路5内には電磁弁2が介設される。
電磁弁2は電源4に電通するスイッチ3のON,OFF
動作により管路5を開閉する。図2に示すように、オイ
ルチャンバ14上に搭載される保圧弁1は、保圧弁本体
6と、保圧弁本体6内に摺動自在に支持されオイルチャ
ンバ14側の空気送出口8を開閉するバルブ7と、バル
ブ7を空気送出口8側に押圧するスプリング9と、スプ
リング9が収納されるスプリング室10等から構成され
る。また、バルブ7と保圧弁本体6間にはOリング13
が設けられ、この部分からの空気洩れを防止する。な
お、スプリング室10は上蓋12により上方側を閉止さ
れる。また、保圧弁本体6にはバルブ7の開放時に空気
送出口8と連通する送気通路11が内設され、送気通路
11は送気管16に連通する。オイルチャンバ14と上
蓋12間には管路5が架設され、オイルチャンバ14内
とスプリング室10とを連通する。なお、管路5の中間
には電磁弁2が介設され管路5の開閉を行う。電磁弁2
は電源4に連結するスイッチ3によりON,OFF動作
される。
【0011】次に、本実施例の作用を説明する。コンプ
レッサ22の負荷運転時にはオイルチャンバ14から送
気される圧縮空気の圧力が保圧弁1のスプリング9のセ
ット圧を上廻るためバルブ7が開放され、空気送出口8
と送気通路11が連通する。エアコック17を開放する
ことにより送気管16により圧縮空気は使用側18に送
出される。この場合、電磁弁2に係合するスイッチ3は
OFF状態により、管路5は電磁弁2により閉止され
る。
【0012】図3のフローチャートに示すように、使用
側18で空気使用を停止すると(ステップ100)とス
イッチ3をONする(ステップ101)。この動作は手
動でもよい。スイッチ3のONにより電磁弁2が切り換
えられ管路5が開放される。そのため、オイルチャンバ
14内の圧縮空気の一部が管路5を通ってスプリング室
10内に導入される(ステップ102)。保圧弁1のバ
ルブ7には空気送出口8を介してオイルチャンバ14内
の圧縮空気圧が作用すると共に前記したようにスプリン
グ室10側からも同圧の圧縮空気圧が作用し両者はキャ
ンセルされる。そのため、バルブ7にはスプリング9の
ばね力が作用しバルブ7を空気送出口8を閉止する方向
に押圧する。以上により、保圧弁1は閉止状態に保持さ
れる(ステップ103)。保圧弁1が閉止された状態で
コンプレッサ22側から更に圧縮空気が送られると空気
圧が上昇する。その上昇圧力が配管29を介して容量レ
ギュレータ30に伝達される。それにより、容量レギュ
レータ30は吸入弁27を絞り吸入空気量を制限する。
同時にスピードレギュレータ31に空気圧力が伝達さ
れ、エンジン21を低速回転にする。以上により、無負
荷運転状態となる(ステップ104)。無負荷運転が開
始されると時間計測が行われる(ステップ105)。時
間計測は図1に示すようにタイマ32を用いてもよく、
また、別の計測手段でもよい。エンジン21およびコン
プレッサ22が十分に冷却される所定時間が経過したら
手動又は自動によりエンジン21を停止する(ステップ
106,107)。以上の動作によりエアコック17を
何等開閉動作することなく無負荷運転状態に移行され、
かつ所定時間経過後にエンジン21およびコンプレッサ
22を停止することが出来る。
【0013】本実施例において、スイッチ3のON,O
FF動作により無負荷運転の動作を開始するようにした
が、圧縮空気使用中止を検出し、前記したフローチャー
トによる一連の動作を自動的に行われるように自動制御
するようにしても勿論構わない。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が上げ
られる。 (1)空気使用中止時においてエアコック等を動作しな
くても無負荷運転状態に円滑に移行することが出来るた
め、エアコックを閉止しないでエンジンを急停止する不
具合が完全に解消される。それにより、コンプレッサの
信頼性および寿命の向上が図れる。 (2)無負荷運転状態に入ってから、エンジンおよびコ
ンプレッサが十分に冷却した後にそれ等を停止するよう
に構成されることによりエンジンおよびコンプレッサの
各部機能低下が防止され、かつ寿命の向上が図れる。 (3)既設の保圧弁を少改造するだけでよく、既設のコ
ンプレッサ系に容易に、かつ安価に付設することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図
【図2】本実施例の保圧弁まわりの詳細構造を示す断面
【図3】本実施例によるコンプレッサの無負荷運転およ
び停止の方法を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
1 保圧弁 2 電磁弁 3 スイッチ 4 電源 5 管路 6 保圧弁本体 7 バルブ 8 空気送出口 9 スプリング 10 スプリング室 11 送気通路 12 上蓋 13 Oリング 14 オイルチャンバ 15 オイルセパレータ 16 送気管 17 エアコック 18 使用側 19 ドレーンバルブ 20 オイル 21 エンジン 22 コンプレッサ 23 吐出管 24 逆止弁 25 戻入管 26 冷却手段 27 吸入弁 28 エアクリーナ 29 配管 30 容量レギュレータ 31 スピードレギュレータ 32 タイマ 33 排水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 49/02 F16K 31/363

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンで駆動されるコンプレッサ本体
    からの圧縮空気を一時蓄溜すると共にオイル分離を行う
    オイルチャンバの空気排出側に連設すると共に使用側に
    空気を送る送気管と前記オイルチャンバとの間に介設さ
    れる保圧弁を備え、かつ容量レギュレータやスピードレ
    ギュレータを備えるエンジンコンプレッサの無負荷運転
    装置であって、前記保圧弁は、前記オイルチャンバと送
    気管との間に介設される保圧弁本体の内に摺動自在に収
    納されて両者の連通及び遮断を行うバルブと、このバル
    ブをオイルチャンバ側に押圧するスプリングと、該スプ
    リングの収納されている前記保圧弁本体内に形成されて
    いるスプリング室と前記オイルチャンバ側とを連結する
    管路と、この管路内に介設される電磁弁とを有するもの
    からなり、前記電磁弁を、使用側の空気量の低減時に開
    放して前記オイルチャンバ側と送気管との連通を遮断
    し、この状態で前記容量レギュレータ及びスピードレギ
    ュレータを作動せしめて無負荷運転を行うべく構成され
    ことを特徴とするエンジンコンプレッサの無負荷運転
    装置。
  2. 【請求項2】 エンジンで駆動されるコンプレッサ本体
    からの圧縮空気を一時蓄溜すると共にオイル分離を行う
    オイルチャンバの空気排出側に連設すると共に使用側に
    空気を送る送気管と前記オイルチャンバとの間に介設さ
    れる保圧弁を備え、かつ容量レギュレータやスピードレ
    ギュレータを備えるエンジンコンプレッサの停止方法に
    おいて、前記保圧弁は、前記オイルチャンバと送気管と
    の間に介設される保圧弁本体の内に摺動自在に収納され
    て両者の連通及び遮断を行うバルブと、このバルブをオ
    イルチャンバ側に押圧するスプリングと、該スプリング
    の収納されている前記保圧弁本体内に形成されているス
    プリング室と前記オイルチャンバ側とを連結する管路
    と、この管路内に介設される電磁弁とを有するものから
    なり、前記電磁弁を、使用側の空気量の低減時に開放し
    て前記オイルチャンバ側と送気管との連通を遮断し、こ
    の状態で前記容量レギュレータ及びスピードレギュレー
    タを作動せしめて無負荷運転を行うと共に、この状態で
    所定時間経過後において、手動又は自動で前記エンジン
    を停止することを特徴とするエンジンコンプレッサの停
    止方法。
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JP5222900B2 (ja) * 1996-02-19 2013-06-26 株式会社日立産機システム スクリュー圧縮機の運転方法
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