JP3354800B2 - 真空弁 - Google Patents

真空弁

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JP3354800B2
JP3354800B2 JP18207996A JP18207996A JP3354800B2 JP 3354800 B2 JP3354800 B2 JP 3354800B2 JP 18207996 A JP18207996 A JP 18207996A JP 18207996 A JP18207996 A JP 18207996A JP 3354800 B2 JP3354800 B2 JP 3354800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空式下水道シス
テム等に用いて好適な真空弁に関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道は、特開平3-43527 号公報
に記載される如く、家庭や工場等から排出される汚水を
自然流下式の汚水流入管から真空弁ユニットの汚水タン
クに流入せしめ、汚水タンクに溜った汚水を真空下水管
によって集水タンクに集め、その後圧送ポンプによって
下水処理場等に送る。
【0003】真空弁ユニットには真空弁が設置され、汚
水タンクの底部から立ちあげられている吸込管と、真空
源に連通している真空下水管との間の連絡部をこの真空
弁によって開閉可能としている。そして、汚水タンクの
水位が一定以上に上昇したときに、上記真空弁を開き、
真空下水管の真空圧を吸込管に及ぼし、汚水タンクの水
面に作用して汚水を加圧している大気圧と、吸込管に付
与された真空圧との差圧により、汚水タンク内の汚水を
真空下水管を介して集水タンクに送るのである。
【0004】このとき、真空弁のコントローラ部は、汚
水タンクの所定の液位に応答して作動する液位検知ダイ
ヤフラムと、真空弁の開閉を切替える3方弁を有し、液
位検知ダイヤフラムの動きでプランジャを介して検知弁
を作動させることにより真空下水管から圧力制御室に真
空力を導き、この真空力により3方弁を作動させるもの
としている。そして、この圧力制御室に導いた真空力は
ニードル弁により大気解放することとしている。
【0005】即ち、従来の真空弁開閉は、汚水タンクに
流入する汚水蓄積によって起こる液位変化を、タンク内
の液位検知管によって圧力変換し(吸込み管より吸引す
る水量が約40リットルとなるように液位検知管の位置を
調整)、その圧縮空気によって真空弁コントローラ部の
液位検知ダイヤフラムを起動させ、真空弁を作動させて
いた。また、真空弁の閉作動は吸込み管より汚水が吸引
され、液位が低下し始めると、一定液位まで下がった時
点で検知弁が閉じ、ニードル弁調整設定によるエアータ
イマーの後、真空弁が閉じる。従来はこのように真空弁
の開放時間をニードル弁で調整することによって、気液
比(吸込む空気と汚水の体積比)を例えば3:1にする
ことを標準としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には以下の如くの問題点がある。 真空弁開放時間の不安定 真空弁の弁体に開き力として作用する真空下水管の真空
圧は、(a) 真空源を構成する真空ポンプの間欠作動に起
因する圧力変動、(b) 近隣の他の真空弁の開作動に伴う
真空度低下により、低下する。他方、真空弁の弁体に閉
じ力として作用するばねのばね定数が一定であるため、
真空弁が閉じ状態から全開するまでに要する真空弁開放
時間は、(真空弁下流側の)真空下水管の真空圧の値に
よって変化する。
【0007】即ち、真空弁開き時の真空下水管の真空圧
が低い場合、弁開速度が低下することになる。そして、
真空弁の全開経過過程では、汚水が上昇中の弁体に当た
る。即ち、汚水の流れが弁体の抵抗により抑制され、単
位時間当たりの汚水流量が減少し、気液比が通常よりも
低くなる傾向にある。このとき、当然、汚水の吸込み力
も真空圧の低下により弱くなるから、それらの気液比と
吸込み力の低下の相乗効果で、単位時間当たりの汚水流
量が減少する。更に、これが連続すると十分な弁開放時
間が得られないため、汚水吸込み管〜真空下水管には汚
水のみが吸込まれて空気の吸込みがなくなり、真空下水
管が汚水による水封、いわゆるウォータブロック状態と
なる。そして、このウォータブロック状態では、ウォー
タハンマーが生じ易く好ましくないだけでなく、真空下
水管による真空圧の伝播が不能になり、下水道システム
全体の汚水搬送性能を損なう。
【0008】真空弁への夾雑物の挟み込み 真空弁開放時間が真空下水管の真空圧の低下により長く
なり、真空弁の弁体が上昇摺動するに必要な時間が不安
定で長くなる。このため、真空弁が汚水を吸入している
時間(弁開による汚水吸引開始からそれに続く空気吸引
開始までの時間)の中で、「汚水に混ざった固形物の吸
引をしている可能性のある状態」において弁体が摺動し
ている時間が長い。このことは、弁体の上昇中の夾雑物
(小固形物)の摺動部への挟み込みを生ずるものとな
る。また、空気の吸込みがなくなる等により、弁閉塞部
への夾雑物(汚物)の挟み込みの危険性もある。
【0009】逆止弁への汚物の噛込みとコントローラ
部への汚水の浸入 コントローラ部に弁体を開く力となる真空圧を導くため
の真空導入経路となるホースには、逆止弁が設けられて
いる。ところが従来技術では、真空下水管からホースに
汚水が浮上してきたとき、汚水中の汚物が逆止弁に噛込
んで逆止機能を損ない、或いは汚水がコントローラ部に
浸入する虞れもある。
【0010】本発明の課題は、真空弁開放時間の安定
と、真空弁への夾雑物の噛込みを防止することにある。
【0011】また、本発明の課題は、真空下水管とコン
トローラ部とに介装される真空圧導入経路に設けられる
逆止弁への汚物の噛込みと、コントローラ部への汚水の
浸入を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、タンクに連通する吸込み管と真空源に連通する真空
下水管との間の連絡部を開閉可能とし、上記連絡部を開
閉する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容
する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を
付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に真空圧を付与し
て弁体に開き力を付与するコントローラ部とを有して構
成される真空弁において、真空下水管からコントローラ
部に真空圧を付与する真空導入経路に、真空圧を保持す
るアキュームレータが設けられ、該アキュームレータ
が、真空下水管側の汚水分離室と、コントローラ部側の
アキュームレータ室と、汚水分離室とアキュームレータ
室との連通部に設けられて該アキュームレータ室に真空
圧を保持せしめる逆止弁とを有してなるようにしたもの
である。
【0013】
【0014】請求項1に記載の本発明によれば下記〜
の作用がある。 真空弁開放時間の安定 アキュームレータの真空下水管側に逆止弁を備え、真空
下水管の真空度がアキュームレータより高い場合には、
アキュームレータ室の空気を真空下水管側に吸引してア
キュームレータの真空度を上げ、逆に真空下水管の真空
度が低下した場合には、アキュームレータ室の真空圧を
保持するように逆止弁が機能する。
【0015】即ち、アキュームレータは、真空弁が閉じ
から開くまでの1サイクルの間で、真空下水管の最も真
空度の高い状態での真空圧をアキュームレータ室内部に
キープする(グラフA)。真空弁の作動時には、従来で
は「真空下水管の真空圧」により直接コントローラ部の
内部の空気を減圧し、この真空圧が弁体を押えているば
ね力に抗して弁体を押し上げていたものを、本発明では
「アキュームレータ内部の真空圧」によって行なうもの
となる。また、途中で万一真空下水管の真空度がアキュ
ームレータ内部の真空度を上回るような場合には、逆止
弁の導通作用により真空下水管の高い真空度の真空圧が
稼動の主に切り替わり、アキュームレータ及びコントロ
ーラ部の空気室を減圧することとなる。
【0016】したがって、真空弁の弁体開き力としてア
キュームレータの真空圧を使用することにより、真空弁
作動中の汚水吸込み及び空気吸込み時における真空下水
管の真空圧の変化が真空弁開放動作に影響を与えること
がなくなる。また、真空弁の開から開までの1サイクル
中における、逆止弁下流部(真空下水管内部の真空圧)
の最大真空度がアキュームレータ室にバッファとして蓄
えられる(グラフA)ため、真空弁開時間の初期設定に
対する実際の真空弁の開時間の変化が小さくなり、この
ことは真空弁の毎回の作動において真空下水管に搬送さ
れる汚水の気液比の変化を低減させることになる。(但
し、逆止弁における圧力損失分は、常に蓄圧レベルが低
くなる。これはアキュームレータの有無に無関係で生ず
るもので、実験に用いた逆止弁では0.2mAq程度とな
る。)
【0017】また、従来は、作動真空弁の近隣に設置さ
れる他の真空弁の作動(グラフB)による真空下水管内
の真空度低下によって、当該真空弁の作動異常が起こる
こともあり得た。特に当該真空弁が作動するとき、又は
その直前に近隣の他の真空弁が作動していた場合には、
当該真空弁に供給される真空圧が、近隣真空弁の作動に
よる空気吸引によって真空下水管の真空度が異常に低い
状態(グラフBのb等)になることがある。このような
場合にも、アキュームレータを取付けたことにより、ア
キュームレータに蓄圧された真空圧を使用することで、
真空下水管の真空圧の変化の影響を殆ど受けることなく
正常に当該真空弁を開閉動作させることが可能となる。
これは真空下水管のウォータブロックを抑止する作用に
もなる。
【0018】また、従来では、真空弁の開時間の後半、
即ち汚水吸込み管が空気を吸込んでいるとき、真空下水
管内では吸引された空気が移動しているため、真空下水
管内の真空度が極端に低下し、真空弁に供給される真空
圧がほぼ大気圧と同等まで下がってしまうため、特に弁
開開始時の真空圧が低い場合等においては「真空圧不
足」による真空弁の異常作動(早期閉弁)の可能性があ
った。然しながら、アキュームレータを使用した場合、
真空弁はアキュームレータに蓄圧された真空圧で開閉す
ることができる。そのため、特に十分にアキュームレー
タの容量を取っているときは、アキュームレータの真空
圧を利用して真空弁が全開した後も、閉作動に移るま
で、全開時点のアキュームレータの内部真空度が保持さ
れ、真空弁の作動が真空下水管の真空度の変化に左右さ
れない。
【0019】真空弁への夾雑物の挟み込み防止 真空弁の開閉動作が、真空下水管の真空圧変動に対して
安定化し、実質的に真空弁が開放されるまでの時間が短
縮されるため、真空弁の弁体が上昇摺動するのに必要な
時間が安定して従来よりも短くなる。そのため、真空弁
が汚水を吸引している時間(弁開による汚水吸込み開始
から空気吸引開始まで)の中で、「汚水に混ざった固形
物の吸引をしている可能性のある状態」において弁体が
摺動している時間が(摺動時間の短縮の結果)短くな
る。このことは、弁体の上昇中の小固形物の摺動部への
挟み込みの防止にもなる。また、確実な空気の吸引効果
により、弁閉塞部への汚物の挟み込みの危険性も大幅に
減少する。
【0020】逆止弁への汚物の噛込みとコントローラ
部への汚水の浸入防止 逆止弁よりも真空下水管側にある汚水分離室により、真
空下水管からの汚水浮上を抑制し、万一の汚水浮上時に
も逆止弁への汚水付着を防ぐことができ、逆止弁の機能
低下を防止するとともにコントローラ内部への汚水浸入
を防止する。即ち、万一浮上した汚水は、汚水分離室に
一時的に溜まり、真空下水管の真空度が汚水分離室の真
空度よりも高くなったとき、汚水分離室内の汚水は空気
とともに真空下水管に吸引処理される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は真空弁ユニットを示す模式
図、図2は真空弁を示す模式図、図3はコントローラ部
を示す模式図、図4はアキュームレータを示す模式図、
図5は真空弁1サイクル中の真空下水管の圧力とアキュ
ームレータ内圧力とを示すグラフA、図6は真空下水管
内圧力の変動を示すグラフB、図7はアキュームレータ
なしにおける真空弁コントローラに作用する真空度変化
を示すグラフC−1、図8はアキュームレータありにお
ける真空弁コントローラに作用する真空度変化を示すグ
ラフC−2である。
【0022】真空式汚水収集装置を構成する真空弁ユニ
ット10は、図1に示す如く、汚水タンク11に汚水流
入管12を接続しており、タンク11に連通する吸込み
管13と、真空源に連通する真空下水管14との間の連
絡部を開閉可能とする真空弁15を有している。
【0023】即ち、各家庭等から排出される汚水は、自
然流下式の汚水流入管12からタンク11に流込む。そ
して汚水がタンクに溜まると、真空弁15が開き、タン
ク11内の汚水は吸込み管13から吸込まれる。そし
て、この汚水は真空弁15を通って真空下水管14に吸
込まれ、真空ポンプ場の集水タンクに集められ、その後
圧送ポンプによって下水処理場等に送られる。
【0024】真空弁15は、図1、図2に示す如く、第
1と第2の各ハウジング21、22をバンドクランプ2
3によって一体化して構成されており、弁体24と弁作
動室25と、ばね26と、コントローラ部27を有して
構成されている。
【0025】弁体24は上述の吸込み管13と真空下水
管14との連絡部を構成する連絡路28を開閉する。
【0026】弁作動室25はバルブ弁体24と弁棒29
を介して連結されているカップ状のプランジャ30をス
ライド可能に収容する。
【0027】ばね26は弁作動室25のプランジャ30
より上室に内蔵されて、プランジャ30にばね力を及ぼ
し、弁体24に閉止力を付与する。尚、弁作動室25の
プランジャ30より下室は、大気連通管43がホース4
6を介して接続され大気圧になっている。
【0028】コントローラ部27は、タンク11内の汚
水レベルの上昇時に弁作動室25の上室に真空圧を付与
し、上下室の差圧(下室は大気圧)によってプランジャ
30を引上げることにてバルブ弁体24に開力を付与
し、真空弁15を開状態として吸込み管13に真空下水
管14を導通せしめる。
【0029】コントローラ部27は、汚水ます11内の
汚水レベルの上昇時に弁作動室25に真空圧を付与して
バルブ弁体24に開力を付与し、真空弁15を開状態と
して吸込み管13に真空下水管14を導通せしめる。
【0030】コントローラ部27は以下の如く構成され
ている。コントローラ部27は、図3に示す如く、第1
〜第5のシリンダ状のケース51〜55を通しボルトで
一体化して構成されている。通常第4のケース54を真
空弁15の第2ハウジング22にバンドクランプ23に
よって一体化される。
【0031】コントローラ部27には、汚水ます11に
連通する水位検知管37がホース38を介して接続され
る水位検知管接続口56を有している。水位検知管接続
口56は第1ケース51にダイヤフラム59を介して接
続されている。ダイヤフラム59には微小な貫通孔が設
けられており圧力が伝わるようになっている。
【0032】また、コントローラ部27は、真空下水管
14がホース41を介して接続される真空圧接続口57
を第3ケース53に設けている。
【0033】また、コントローラ部27は、大気連通管
43がホース44を介して接続される大気圧接続口58
を第3ケース53に設けている。
【0034】第1ケース51と第2ケース52は水位検
知ダイヤフラム60を介して接続されている。第1ケー
ス51の上部には水位検知ダイヤフラム60を手動で変
位できるようプランジャ61、ばね63、弾性体カバー
62で構成されるプッシュボタンを有している。第2ケ
ース52にはダイヤフラム60の下にプランジャ65
が、第3ケース53に設置した検知弁68に届くよう設
けている。第2ケース52と第3ケース53とが形成す
る圧力制御室としての上部部屋83に空気の漏洩を生じ
ないようにプランジャ65の部屋83への挿通部まわり
にはOリング67等の軸シールが設けられている。
【0035】検知弁68は、部屋83内に配設されてプ
ランジャ65により作動せしめられ、該部屋83内に真
空力を導入可能とする。即ち、第3ケース53は真空下
水管14がホース41を介して接続されている前記真空
圧接続口57に連通する通路57Aを備え、検知弁68
は通路57Aの部屋83への開口を開閉可能とするので
ある。検知弁68は板ばねの先端に通路57Aの開口を
閉塞可能とする舌片を備え、板ばねをプランジャ61に
より弾性的に押込まれると舌片を通路57Aの開口から
離隔して該開口を開き、部屋83内に真空力を導入可能
とするものである。尚、66はプランジャ65の戻しば
ねである。
【0036】第4ケース54と第5ケース55には弁座
72、73が設けられ、第4ケース54の上部部屋85
は大気に通路92を通じて連通しており、第5ケース5
5の下部部屋87は真空下水管14がホース41を介し
て接続されている前記真空圧接続口57に通路91を通
じて連通している。第4ケース54下部と第5ケース5
5上部で作られる部屋86は真空弁本体の作動室25に
通路93を通じて連通している。両者の弁座72、73
の間に設けた弁体71は、上下することにより大気と真
空のいずれかを部屋86に導くよう3方弁としての役割
を果たしている。弁体71は第3ケース53と第4ケー
ス54との間に設けた3方弁ダイヤフラム70に連結さ
れ、ダイヤフラム70の上部には圧縮ばね69が設けら
れ第5ケース55の弁座73に押付けられている。第3
ケース53には隔壁が設けられているが一部に連通口8
8があり、検知弁68が作動して開になったとき上部部
屋83に付与される真空圧を下部部屋84に通じるよう
になっている。また、第3ケース53の上部部屋83に
はニードル弁74が設けられており、ニードル弁74を
通って大気が徐々に入ってくるようになっている。
【0037】然るに、本実施形態では、真空下水管14
からコントローラ部27に真空圧を付与する真空導入経
路としての前述したホース41に、真空圧を保持するア
キュームレータ100を設けている(図1)。アキュー
ムレータ100は、図4に示す如く、真空下水管14側
のホース41Aが接続される真空下水管側接続口101
と、コントローラ部27側のホース41Bが接続される
コントローラ側接続口102とを有している。そして、
アキュームレータ100は、真空下水管14側の汚水分
離室103と、コントローラ部27側のアキュームレー
タ室104と、汚水分離室103とアキュームレータ室
104との連通部105に設けられて該アキュームレー
タ室104に真空圧を保持せしめる逆止弁106とを有
する。
【0038】真空弁ユニット10は上述のアキュームレ
ータ100を設けた状態で現場使用すると、真空下水管
14内の真空圧により、アキュームレータ100のアキ
ュームレータ室104が減圧される。真空下水管14内
の真空圧は真空ポンプ場に設置された真空ポンプによる
減圧(真空圧の増加)や近隣の他の真空弁の開閉による
真空圧の低下が頻繁に行なわれるため、常に変動してい
る。ところが、アキュームレータ100のアキュームレ
ータ室104では、アキュームレータ100に内蔵した
逆止弁106の働きにより、アキュームレータ室104
への大気の加圧(真空圧の低下)が抑制されるため、真
空弁15が作動しない限りは、真空下水管14内の真空
圧の、最も高いときの状態の真空度を保持する。そのた
め、真空弁15が作動するときは、その蓄圧された高い
真空度を利用して真空弁15を作動せしめるものとな
る。また、真空下水管14からホース41へ浮上する汚
水は、汚水分離室103に一時的に溜まり、真空下水管
14の真空度が高くなったとき、汚水分離室103から
真空下水管14へと吸引処理される。これにより、逆止
弁106への汚物の噛み込み、コントローラ部27への
汚水の浸入が防止される。
【0039】真空弁のコントローラ部27は以下の如く
動作する。 汚水ます11内の水位が上昇すると、水位検知管3
7、ホース38、水位検知ダイヤフラム上部室81の空
気圧力が上昇し、水位検出ダイヤフラム下部室82が大
気に連通しているため、圧力差を生じた水位検出ダイヤ
フラム60を下方に変位させる。
【0040】水位検出ダイヤフラム60の下部に設け
たプランジャ65がダイヤフラム60の変位により押さ
れて下方に変位し第3ケース53の上部部屋83に設け
た検知弁68を下方に押し下げ開作動させる。
【0041】検知弁68の作動により、アキュームレ
ータ100に保持されている真空圧がホース41、真空
圧接続口57を介して第3ケース室83、84に印加さ
れ、3方弁ダイヤフラム70の下方室85が大気に連通
していることから圧力差を生じたダイヤフラム70が上
方に引上げられる。これに伴って弁体71も上昇して第
5ケース55の弁座73から第4ケース54の弁座72
に移動し、アキュームレータ100に保持されている真
空圧がホース41、真空圧接続口57を介して部屋86
に印加され、ひいては真空弁本体の作動室25に真空圧
を付与する。これにより、真空弁15が開状態になり、
汚水ます内の汚水が真空下水管14に排出される。
【0042】汚水ます内の液体が排出されると、水位
が低下し、水位検出ダイヤフラム60の加圧が低下し、
プランジャ65に設けたばね66により押し戻され、こ
れに伴って検知バルブ68が最初の状態に閉じる。
【0043】第3ケース53の部屋83にあった真空
はニードル弁74を通じて大気が取り入れられるため、
多少時間遅れが生じて大気状態になり、3方弁ダイヤフ
ラム70の両側の圧力差がなくなりばね69に押されて
元の状態に戻り、弁体71も元の第5ケース55の弁座
73を閉じ、真空弁本体の作動室25に通じる部屋86
を大気状態にさせる。これにより真空弁本体が閉状態に
なる。
【0044】以下、本実施形態の作用について説明す
る。 真空弁15開放時間の安定 アキュームレータ100の真空下水管14側に逆止弁1
06を備え、真空下水管14の真空度がアキュームレー
タ100より高い場合には、アキュームレータ室104
の空気を真空下水管14側に吸引してアキュームレータ
100の真空度を上げ、逆に真空下水管14の真空度が
低下した場合には、アキュームレータ室104の真空圧
を保持するように逆止弁106が機能する。
【0045】即ち、アキュームレータ100は、真空弁
15が閉じから開くまでの1サイクルの間で、真空下水
管14の最も真空度の高い状態での真空圧をアキューム
レータ室104内部にキープする(グラフA)。真空弁
15の作動時には、従来では「真空下水管14の真空
圧」により直接コントローラ部の内部の空気を減圧し、
この真空圧が弁体を押えているばね力に抗して弁体を押
し上げていたものを、本発明では「アキュームレータ1
00内部の真空圧」によって行なうものとなる。また、
途中で万一真空下水管14の真空度がアキュームレータ
100内部の真空度を上回るような場合には、逆止弁1
06の導通作用により真空下水管14の高い真空度の真
空圧が稼動の主に切り替わり、アキュームレータ100
及びコントローラ部の空気室を減圧することとなる。
【0046】したがって、真空弁15の弁体開き力とし
てアキュームレータ100の真空圧を使用することによ
り、真空弁15作動中の汚水吸込み及び空気吸込み時に
おける真空下水管14の真空圧の変化が真空弁15開放
動作に影響を与えることがなくなる。また、真空弁15
の開から開までの1サイクル中における、逆止弁106
下流部(真空下水管14内部の真空圧)の最大真空度が
アキュームレータ室104にバッファとして蓄えられる
(グラフA)ため、真空弁15開時間の初期設定に対す
る実際の真空弁15の開時間の変化が小さくなり、この
ことは真空弁15の毎回の作動において真空下水管14
に搬送される汚水の気液比の変化を低減させることにな
る。(但し、逆止弁106における圧力損失分は、常に
蓄圧レベルが低くなる。これはアキュームレータ100
の有無に無関係で生ずるもので、実験に用いた逆止弁1
06では0.2mAq程度となる。)
【0047】また、従来は、作動真空弁15の近隣に設
置される他の真空弁15の作動(グラフB)による真空
下水管14内の真空度低下によって、当該真空弁15の
作動異常が起こることもあり得た。特に当該真空弁15
が作動するとき、又はその直前に近隣の他の真空弁15
が作動していた場合には、当該真空弁15に供給される
真空圧が、近隣真空弁15の作動による空気吸引によっ
て真空下水管14の真空度が異常に低い状態(グラフB
のb等)になることがある。このような場合にも、アキ
ュームレータ100を取付けたことにより、アキューム
レータ100に蓄圧された真空圧を使用することで、真
空下水管14の真空圧の変化の影響を殆ど受けることな
く正常に当該真空弁15を開閉動作させることが可能と
なる。これは真空下水管14のウォータブロックを抑止
する作用にもなる。
【0048】また、従来では、真空弁15の開時間の後
半、即ち汚水吸込み管が空気を吸込んでいるとき、真空
下水管14内では吸引された空気が移動しているため、
真空下水管14内の真空度が極端に低下し、真空弁15
に供給される真空圧がほぼ大気圧と同等まで下がってし
まうため、特に弁開開始時の真空圧が低い場合等におい
ては「真空圧不足」による真空弁15の異常作動(早期
閉弁)の可能性があった。然しながら、アキュームレー
タ100を使用した場合、真空弁15はアキュームレー
タ100に蓄圧された真空圧で開閉することができる。
そのため、特に十分にアキュームレータ100の容量を
取っているときは、アキュームレータ100の真空圧を
利用して真空弁15が全開した後も、閉作動に移るま
で、全開時点のアキュームレータ100の内部真空度が
保持され、真空弁15の作動が真空下水管14の真空度
の変化に左右されない。
【0049】真空弁15への夾雑物の挟み込み防止 真空弁15の開閉動作が、真空下水管14の真空圧変動
に対して安定化し、実質的に真空弁15が開放されるま
での時間が短縮されるため、真空弁15の弁体が上昇摺
動するのに必要な時間が安定して従来よりも短くなる。
そのため、真空弁15が汚水を吸引している時間(弁開
による汚水吸込み開始から空気吸引開始まで)の中で、
「汚水に混ざった固形物の吸引をしている可能性のある
状態」において弁体が摺動している時間が(摺動時間の
短縮の結果)短くなる。このことは、弁体の上昇中の小
固形物の摺動部への挟み込みの防止にもなる。また、確
実な空気の吸引効果により、弁閉側部への汚物の挟み込
みの危険性も大幅に減少する。
【0050】逆止弁106への汚物の噛込みとコント
ローラ部27への汚水の浸入防止 逆止弁106よりも真空下水管14側にある汚水分離室
103により、真空下水管14からの汚水浮上を抑制
し、万一の汚水浮上時にも逆止弁106への汚水付着を
防ぐことができ、逆止弁106の機能低下を防止すると
ともにコントローラ内部への汚水浸入を防止する。即
ち、万一浮上した汚水は、汚水分離室103に一時的に
溜まり、真空下水管14の真空度が汚水分離室103の
真空度よりも高くなったとき、汚水分離室103内の汚
水は空気とともに真空下水管14に吸引処理される。
【0051】グラフC−1、2は、アキュームレータ1
00の有無による真空弁コントローラ部27の入口(逆
止弁106よりも上流側)の真空度変化を、近隣の他の
真空弁が作動している状態において比較したものであ
る。この実線グラフで表わした真空圧が、真空弁15の
作動を制御している真空圧ということになる。グラフC
−1が従来のアキュームレータ無し、グラフC−2が本
発明のアキュームレータ有りの場合である。C−1が真
空下水管の真空度変化に影響されているのに対し、C−
2では当該真空弁15の作動がない限り、コントローラ
部27の側の真空度が下がることなく、アキュームレー
タ100の内部も真空下水管の真空度低下に影響される
ことなく、常に1サイクルの中で一番高い状態の真空度
を保持していることが分かる。
【0052】
【0053】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空弁開
放時間の安定と、真空弁への夾雑物の噛込みを防止する
ことができる。
【0055】また、本発明によれば、真空下水管とコン
トローラ部とに介装される真空圧導入経路に設けられる
逆止弁への汚物の噛込みと、コントローラ部への汚水の
浸入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は真空弁ユニットを示す模式図である。
【図2】図2は真空弁を示す模式図である。
【図3】図3はコントローラ部を示す模式図である。
【図4】図4はアキュームレータを示す模式図である。
【図5】図5は真空弁1サイクル中の真空下水管の圧力
とアキュームレータ内圧力とを示すグラフAである。
【図6】図6は真空下水管内圧力の変動を示すグラフB
である。
【図7】図7はアキュームレータなしにおける真空弁コ
ントローラに作用する真空度変化を示すグラフC−1で
ある。
【図8】図8はアキュームレータありにおける真空弁コ
ントローラに作用する真空度変化を示すグラフC−2で
ある。
【符号の説明】
11 タンク 13 吸込み管 14 真空下水管 15 真空弁 24 弁体 25 弁作動室 26 閉じ力付与ばね 27 コントローラ部 100 アキュームレータ 103 汚水分離室 104 アキュームレータ室 106 逆止弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクに連通する吸込み管と真空源に連
    通する真空下水管との間の連絡部を開閉可能とし、 上記連絡部を開閉する弁体と、弁体と連結されているプ
    ランジャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて
    弁体に閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に
    真空圧を付与して弁体に開き力を付与するコントローラ
    部とを有して構成される真空弁において、 真空下水管からコントローラ部に真空圧を付与する真空
    導入経路に、真空圧を保持するアキュームレータが設け
    られ、該アキュームレータが、真空下水管側の汚水分離
    室と、コントローラ部側のアキュームレータ室と、汚水
    分離室とアキュームレータ室との連通部に設けられて該
    アキュームレータ室に真空圧を保持せしめる逆止弁とを
    有してなることを特徴とする真空弁。
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