JP3636779B2 - 真空弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空式下水道システム等に用いて好適な真空弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空式下水道は、特開平3-43527 号公報に記載される如く、家庭や工場等から排出される汚水を自然流下式の汚水流入管から真空弁ユニットの汚水タンクに流入せしめ、汚水タンクに溜った汚水を真空下水管によって集水タンクに集め、その後圧送ポンプによって下水処理場等に送る。
【0003】
汚水タンクには真空弁が設置され、汚水タンクの底部から立ちあげられていいる吸込管と、真空源に連通している真空下水管との間の連絡部をこの真空弁によって開閉可能としている。そして、汚水タンクの水位が一定以上に上昇したときに、上記真空弁を開き、真空下水管の真空圧を吸込管に及ぼし、汚水タンクの水面に作用して汚水を加圧している大気圧と、吸込管に付与された真空圧との差圧により、汚水タンク内の汚水を真空下水管を介して集水タンクに送るのである。
【0004】
このとき、真空弁のコントローラ部は、汚水タンクの所定の液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、真空弁の開閉を切替える3方弁を有し、液位検知ダイヤフラムの動きでプランジャを介して検知弁を作動させることにより真空下水管から圧力制御室に真空力を導き、この真空力により3方弁を作動させるものとしている。そして、この圧力制御室に導いた真空力はニードル弁により大気解放することとしている。
【0005】
即ち、従来技術では、液位検知ダイヤフラム下部大気室と圧力制御室とを結ぶバイパス経路を設け、その途中に導通空気量を調整するニードル弁を設けたものが一般的であった。真空弁の作動は、真空圧と大気圧との圧力差をその起動力としており、このバイパス経路を導通する空気は、真空弁が閉作動に移るための必要条件となっており、ニードル弁によって空気量を調節することにより、真空弁の開放時間をコントロールすることを可能にしていた。従来の真空弁においては、吸込み管より吸引する水量が約40リットルとなるように液位検知管の位置を調整し、ニードル弁調整により真空下水管に吸引される汚水と空気の体積比である気液比が3:1となる設定を標準としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来技術には、下記▲1▼、▲2▼の問題点がある。
▲1▼従来のコントロール方法は、真空弁に付与される真空圧が常に一定であると仮定した状態においてニードル弁を調整し、真空弁の開放時間を決定することによって気液比を調整していた。この状態では、真空弁と連通する真空下水管内部の真空圧が、設定時よりも大幅に下がった場合(汚水の吸引力が低下するため、汚水水位低下速度も落ちる)や、短時間に大流量の汚水が流入した場合等では、汚水吸引時にも流入汚水が大量に継続するため、汚水水位低下が遅く、設定時間の真空弁開放時間では空気の吸引が少なくなったり、全く吸わなかったりする場合がある。こうした気液比の低下はシステムを不安定にさせるとともに、ウォーターハンマー等の発生原因ともなる。また、ニードル弁導通孔は非常に小さいため、細かな埃の蓄積や、結露水等の液体付着又は閉塞により、真空弁の開放時間が変化してしまう可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要となる。
【0007】
▲2▼ニードル弁導通孔より流入する外部空気は、検知弁が閉じる前、即ち真空弁が開作動中においても流入するため、圧力制御室内部には常に流入していることとなる。そのため、真空弁に連通している真空下水管内部の真空圧が著しく低下した場合においては、この流入空気による圧力制御室内部の真空圧低下が影響し、真空弁の開作動に異常を来すこともある。
【0008】
本発明は、真空下水管に吸引される汚水と空気の気液比を良好とするとともに、真空下水管の真空圧が低い状況でも真空弁を正常に開作動可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、タンクに連通する吸込み管と真空源に連通する真空下水管との間の連絡部を開閉可能とし、上記連絡部を開閉する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に真空圧を付与して弁体に開き力を付与するコントローラ部とを有して構成される真空弁において、前記コントローラ部が、弁作動室に真空通路と大気通路とを切換接続可能とする3方弁と、タンクの液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、3方弁が真空通路を弁作動室に接続するように3方弁に真空力を付与せしめる圧力制御室と、圧力制御室内に配設されて該圧力制御室に真空力を導入可能とする検知スイッチと、液位検知ダイヤフラムにより直接駆動されるとともに、圧力制御室内に挿通されて検知スイッチをオン/オフするプランジャとを有してなり、前記プランジャが前記検知スイッチをオフして前記圧力制御室への真空力の導入を停止した後、該プランジャが該圧力制御室内の真空力を解除する真空解除通路を開せしめるようにしたものである。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記プランジャが液位検知ダイヤフラム下部大気室と圧力制御室との間の真空解除通路にシールを介して挿通されており、該プランジャによる検知スイッチのオン時には該プランジャを真空解除通路のシールに当接させて真空解除通路を閉じ、該プランジャによる検知スイッチのオフ後、液位検知管からの加圧が大気圧になったとき、該プランジャを真空解除通路のシールから離して真空解除通路を開くように構成したものである。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において更に、前記タンクの液位を検知する液位検知管の管端を、前記吸込み管の管端と同レベル又は低めにセットしてなるものである。
【0012】
即ち、本発明によれば下記▲1▼、▲2▼の作用効果がある。
▲1▼プランジャが真空解除通路を閉じている限り、真空弁は開放状態を維持する。液位検知ダイヤフラムに作用する圧力が大気圧になるとき、真空解除通路が開くようになっている。これは液位検知管に液圧がかからなくなったとき(汚水上昇中は液圧が液位検知管内圧力としてダイヤフラムにかかる)であるから、液位が液位検知管端部に達した時点でプランジャが開いた真空解除通路から空気が流入し、真空弁は閉作動する。ここで、液位検知管の管端を、吸込み管の管端と同レベル又は若干低めにセットすることにより、3方弁の切り替わりと真空弁本体の弁体閉作動にかかる時間(常にほぼ一定時間と考えてよい)、必ず空気を吸引することとなる。これにより、真空弁に連通する真空下水管の圧力が設定圧力のときは、汚水と空気の気液比が設定値になることはもちろんであるが、設定圧よりも著しく真空圧の低下があった場合(真空弁作動可能真空圧以上にて)においても、真空弁は必ず空気を吸うため、従来品と比較してウォーターブロックが発生しにくくなる。
【0013】
▲2▼ニードル弁導通機能をなくすことにより、真空弁開作動中の圧力制御室への外部空気の流入がなくなるため、従来よりも低い真空圧の状況でも真空弁を全開することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は真空式汚水収集装置を示す模式図、図2は真空弁を示す模式図、図3は真空弁のコントローラ部を示す断面図、図4は図3の要部を示す拡大図、図5はプランジャを示す模式図、図6はプランジャによる検知弁オン状態を示す模式図、図7はプランジャによる検知弁オフ状態を示す模式図、図8は真空式汚水収集装置の作動を示す模式図、図9は真空弁の作動原理を示す模式図、図10は真空弁の作動原理を示す模式図である。
【0015】
(第1実施例)
真空式汚水収集装置10は、図1に示す如く、汚水タンク11に汚水流入管12を接続しており、タンク11に連通する吸込み管13と、真空源に連通する真空下水管14との間の連絡部を開閉可能とする真空弁15を有している。
【0016】
即ち、各家庭等から排出される汚水は、自然流下式の汚水流入管12からタンク11に流込む。そして汚水がタンクに溜まると、真空弁15が開き、タンク11内の汚水は吸込み管13から吸込まれる。そして、この汚水は真空弁15を通って真空下水管14に吸込まれ、真空ポンプ上の集水タンクに集められ、その後圧送ポンプによって下水処理場等に送られる。
【0017】
真空弁15は、図1、図2に示す如く、第1と第2の各ハウジング21、22をバンドクランプ23によって一体化して構成されており、弁体24と弁作動室25と、バネ26と、コントローラ部27を有して構成されている。
【0018】
弁体24は上述の吸込み管13と真空下水管14との連絡部を構成する連絡路28を開閉する。
【0019】
弁作動室25はバルブ弁体24と弁棒29を介して連結されているカップ状のプランジャ30をスライド可能に収容する。
【0020】
バネ26は弁作動室25のプランジャ30より上室に内蔵されて、プランジャ30にバネ力を及ぼし、弁体24に閉止力を付与する。尚、弁作動室25のプランジャ30より下室は、大気連通管43がホース46を介して接続され大気圧になっている。
【0021】
コントローラ部27は、タンク11内の汚水レベルの上昇時に弁作動室25の上室に真空圧を付与し、上下室の差圧(下室は大気圧)によってプランジャ30を引上げることにてバルブ弁体24に開力を付与し、真空弁15を開状態として吸込み管13に真空下水管14を導通せしめる。
【0022】
コントローラ部27は以下の如く構成されている。
コントローラ部27は、図3に示す如く、第1〜第5のシリンダ状のケース51〜55を通しボルトで一体化して構成されている。通常第4のケース54を真空弁15の第2ハウジング22にバンドクランプ36によって一体化される。
【0023】
コントローラ部27には、タンク11に連通する液位検知管37がホース38を介して接続される液位検知管接続口56を有している。液位検知管接続口56は第1ケース51に制振防止ダイヤフラム59を介して接続されている。ダイヤフラム59には微小な貫通孔が設けられており圧力が伝わるようになっているとともに、ダイヤフラム59の外周部は固定されておらず、下側からの空気はダイヤフラム59の周囲も通り抜けるようになっている。
【0024】
また、コントローラ部27は、真空下水管14がホース41を介して接続される真空圧接続口57を第3ケース53に設けている。
【0025】
また、コントローラ部27は、大気連通管43がホース44を介して接続される大気圧接続口58を第3ケース53に設けている。
【0026】
第1ケース51と第2ケース52は液位検知ダイヤフラム60を介して接続されている。第1ケース51の上部には液位検知ダイヤフラム60を手動で変位できるようプランジャ61、バネ63、弾性体カバー62で構成されるプッシュボタンを有している。第2ケース52にはダイヤフラム60の下にプランジャ65が、第3ケース53に設置した検知弁68(検知スイッチ)に届くよう設けている。第2ケース52と第3ケース53とが形成する圧力制御室としての上部部屋83に空気の漏洩を生じないようにプランジャ65の部屋83への挿通部まわりにはUパッキンもしくはOリング等の軸シール67が設けられている。
【0027】
検知弁68は、部屋83内に配設されてプランジャ65によりオン/オフせしめられ、該部屋83内に真空力を導入可能とする。即ち、第3ケース53は真空圧接続口57に連通する通路57Aを備え、検知弁68は通路57Aの部屋83への開口(真空口)を開閉可能とするのである。尚、66はプランジャ65の戻しバネである。
【0028】
第4ケース54と第5ケース55には弁座72、73が設けられ、第4ケース54の上部部屋85は大気に通路92を通じて連通しており、第5ケース55の下部部屋87は真空下水管に通路91を通じて連通している。第4ケース54下部と第5ケース55上部で作られる部屋86は真空弁本体の作動室25に通路96を通じて連通している。両者の弁座72、73の間に設けた弁体71は、上下スライドすることにより大気と真空のいずれかを部屋86に導くよう3方弁としての役割を果たしている。弁体71は第3ケース53と第4ケース54との間に設けた3方弁ダイヤフラム70に連結され、ダイヤフラム70の上部には圧縮バネ69が設けられ第5ケース55の弁座73に押付けられている。第3ケース53には隔壁が設けられているが一部に連通口88があり、検知弁68が作動して開になったとき上部部屋83に付与される真空圧を下部部屋84に通じるようになっている。
【0029】
また、図4に示す如く、第3ケース53の上部部屋83(圧力制御室)と液位検知ダイヤフラム下部大気室82との間の、プランジャ65のための挿通路を真空解除通路65Aとしており、プランジャ65は前述のシール67を介して真空解除通路65Aに挿通されている。このとき、プランジャ65は、図5に示す如く、先細状もしくは溝付状をなし、(a) プランジャ65による検知弁68のオン時にはプランジャ65を真空解除通路65Aのシール67に当接させて真空解除通路65Aを閉じ(図6)、(b) プランジャ65による検知弁68のオフ時にはプランジャ65を真空解除通路65Aのシール67から離して真空解除通路65Aを開く(図7)。プランジャ65はシール67との接点となる角部にR(丸み)をとり、シール67の耐久性を向上せしめる。
【0030】
尚、第3ケース53の上部部屋83(圧力制御室)の内外を連通する通路93には真空力解除弁としてのダイヤフラム付きニードル弁74が設けられており、ニードル弁74を通って大気が徐々に入ってくるようになっている。但し、本発明では、ニードル弁74は全閉としてその機能を凍結する。万一、プランジャ65の真空解除通路65Aに異常を生じたとき、ニードル弁74を開いて強制的にエア83に空気を導入することを可能とする。
【0031】
また、真空式汚水収集装置10にあっては、液位検知管37の管端位置を吸込み管13の管端位置と同レベルか若干低めにセットするものとする。
【0032】
真空式汚水収集装置10は以下の如く動作する(図8〜図10)。
▲1▼タンク11内の汚水の液位が上昇すると、液位検知管37、ホース38、制振防止ダイヤフラム59の微小孔を通じ、液位検知ダイヤフラム上部室81の空気圧力が上昇し、液位検知ダイヤフラム下部室82が大気に連通しているため、圧力差を生じた液位検知ダイヤフラム60を下方に変位させる(図8(A)、図9(A)、(B))。
【0033】
▲2▼液位検知ダイヤフラム60の下部に設けたプランジャ65がダイヤフラム60の変位により押されて下方に変位し第3ケース53の上部部屋83に設けた検知弁68を下方に押し下げる(図9(B))。
【0034】
▲3▼プランジャ65がある変位下がる(汚水の液位があるレベル上昇する)と、検知弁68が反転(オン動作)し、通路57Aの真空口を開く(図9(C))。このとき、プランジャ65は真空解除通路65Aを閉じる(図6)。
【0035】
▲4▼検知弁68の開作動により第3ケース室83、84が真空になり(図9(D))、3方弁ダイヤフラム70の下方室85が大気に連通していることから圧力差を生じたダイヤフラム70が上方に引上げられ、これに伴って弁体71も上昇して第5ケース55の弁座73から第4ケース54の弁座72に移動し、真空弁本体の作動室25の上室に通じる部屋86を真空状態にさせる(図9(E))。これにより真空弁15は、作動室25の上下室の差圧(下室は大気圧)により開状態となり(図9(F))、タンク内の汚水が真空下水管内14に排出される(図8(B)、図10(A))。
【0036】
▲5▼タンク内の液体が排出されると、液位の低下とともに液位検知ダイヤフラム60の加圧が低下して液位検知ダイヤフラム60が徐々に戻り(図10(B)、(C))、まず反転していた検知弁68が戻って(オフ動作)通路57Aの真空口を閉じ、部屋83、84に真空が導入されなくなる(図10(D))。
【0037】
▲6▼タンク内の液体が排出されると、更に液位が低下して汚水面が液位検知管37の管端にまで下がったとき(図8(C))、液位検知ダイヤフラム60の加圧が大気圧となり、プランジャ65に設けたバネ66により定常位置に押し戻され、制振防止ダイヤフラム59の外周端部より空気が直ちに抜ける。
【0038】
▲7▼プランジャ65による検知弁68のオフ動作と同時に、プランジャ65が真空解除通路65Aを開く(図7)。これにより、第3ケース53の部屋83は大気状態になり、3方弁ダイヤフラム70の両側の圧力差がなくなりバネ69に押されて元の状態に戻り(図10(E))、弁体71も元の第5ケース55の弁座73を閉じ(図10(F))、真空弁本体の作動室25に通じる部屋を大気状態にさせる。このとき、通路92を通じ大気を取り込むが、真空解除通路65Aを通じ液位検知ダイヤフラム60の下部の部屋が減圧状態になり、液位検知ダイヤフラム60を下方に引きつけようとするが、ダイヤフラム59が弁座101に引きつけられ、弁座101の孔を塞ぎ液位検知ダイヤフラム60の上部部屋81を密封するため、液位検知ダイヤフラム60は下方に変位しないため、この下方にあるプランジャ65を押し下げ、再び検知弁68を作動させることがなくなる。
【0039】
▲8▼真空弁15の作動室25の上室にコントローラ部27の大気圧接続口58、大気弁通管43を介して大気が流入し、作動室25の上下室の差圧がなくなり真空弁15を閉じる(図8(D)、図10(G))。
【0040】
尚、本発明にあっては、プランジャ65のバネ66のバネ定数を適正化する。これはまず、液位検知管位置を従来よりも下げるため、そのままではかなり少ない汚水量にて真空弁15が作動してしまうことと、従来と異なり開時間を調整できなくなった分、空気吸引時の圧力による吸引空気量に見合う気液比となる汚水量が吸引できる水位にて作動させるようにするため、水位とスイッチとの圧力関係を変えるためにバネ定数を変化させるわけである。吸引汚水量を増やすためにはバネを強化し、少なくするためにはバネを弱くすればよい。このようにプランジャ65のバネ定数の適正化により汚水量調整をしたユニットにおいては、従来のニードル弁導通孔の閉塞による異常発生が皆無となり、再調整のメンテナンスが不要となる。
【0041】
以下、本実施例の作用効果について説明する。
▲1▼プランジャ65が真空解除通路65Aを閉じている限り、真空弁15は開放状態を維持する。液位検知ダイヤフラム60に作用する圧力が大気圧になるとき、真空解除通路65Aが開くようになっている。これは液位検知管37に液圧がかからなくなったとき(汚水上昇中は液圧が液位検知管37内圧力としてダイヤフラム60にかかる)であるから、液位が液位検知管37端部に達した時点でプランジャ65が開いた真空解除通路65Aから空気が流入し、真空弁15は閉作動する。ここで、液位検知管37の管端を、吸込み管13の管端と同レベル又は若干低めにセットすることにより、3方弁の切り替わりと真空弁15本体の弁体閉作動にかかる時間(常にほぼ一定時間と考えてよい)、必ず空気を吸引することとなる。これにより、真空弁15に連通する真空下水管14の圧力が設定圧力のときは、汚水と空気の気液比が設定値になることはもちろんであるが、設定圧よりも著しく真空圧の低下があった場合(真空弁作動可能真空圧以上にて)においても、真空弁15は必ず空気を吸うため、従来品と比較してウォーターブロックが発生しにくくなる。
【0042】
▲2▼ニードル弁導通機能をなくすことにより、真空弁開作動中の圧力制御室(部屋83)への外部空気の流入がなくなるため、従来よりも低い真空圧の状況でも真空弁15を全開することが可能となる。
【0043】
(第2実施例)
前記第1実施例の真空式汚水収集装置10において、真空弁15のコントローラ部27に設けた通路93、ニードル弁74を撤去する。前述のプランジャ65による真空解除通路65Aの開閉構造だけで真空弁15を安定的に開閉動作できるものであり、構造簡素となる。
【0044】
(第3実施例)
前記第1実施例の真空式汚水収集装置10において、真空弁15のコントローラ部27に真空下水管14の真空圧を導くホース41の中間部(逆止弁41Aよりコントローラ部27側)に蓄圧タンクを介在させる点を付加する。これによれば、真空下水管の真空圧が低い場合には、蓄圧タンクの真空圧を真空弁15の作動源として用いることができ、真空弁の開作動が非常に安定するため、ウォーターブロック等の防止という点では、前述のプランジャ65による真空解除通路65Aの開閉構造との相乗効果でその発生及び回復を従来に比べ著しく改善できる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、真空下水管に吸引される汚水と空気の気液比を良好とするとともに、真空下水管の真空圧が低い状況でも真空弁を正常に開作動可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は真空式汚水収集装置を示す模式図である。
【図2】図2は真空弁を示す模式図である。
【図3】図3は真空弁のコントローラ部を示す断面図である。
【図4】図4は図3の要部を示す拡大図である。
【図5】図5はプランジャを示す模式図である。
【図6】図6はプランジャによる検知弁オン状態を示す模式図である。
【図7】図7はプランジャによる検知弁オフ状態を示す模式図である。
【図8】図8は真空式汚水収集装置の作動を示す模式図である。
【図9】図9は真空弁の作動原理を示す模式図である。
【図10】図10は真空弁の作動原理を示す模式図である。
【符号の説明】
11 タンク
13 吸込み管
14 真空下水管
15 真空弁
24 弁体
25 弁作動室
26 閉じ力付与バネ
27 コントローラ部
60 液位検知ダイヤフラム
65 プランジャ
65A 真空解除通路
67 シール
68 検知弁(検知スイッチ)
71 弁体(3方弁)
83 部屋(圧力制御室)
Claims (3)
- タンクに連通する吸込み管と真空源に連通する真空下水管との間の連絡部を開閉可能とし、
上記連絡部を開閉する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に真空圧を付与して弁体に開き力を付与するコントローラ部とを有して構成される真空弁において、
前記コントローラ部が、
弁作動室に真空通路と大気通路とを切換接続可能とする3方弁と、
タンクの液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、
3方弁が真空通路を弁作動室に接続するように3方弁に真空力を付与せしめる圧力制御室と、
圧力制御室内に配設されて該圧力制御室に真空力を導入可能とする検知スイッチと、
液位検知ダイヤフラムにより直接駆動されるとともに、圧力制御室内に挿通されて検知スイッチをオン/オフするプランジャとを有してなり、
前記プランジャが前記検知スイッチをオフして前記圧力制御室への真空力の導入を停止した後、該プランジャが該圧力制御室内の真空力を解除する真空解除通路を開せしめることを特徴とする真空弁。 - 前記プランジャが液位検知ダイヤフラム下部大気室と圧力制御室との間の真空解除通路にシールを介して挿通されており、
該プランジャによる検知スイッチのオン時には該プランジャを真空解除通路のシールに当接させて真空解除通路を閉じ、
該プランジャによる検知スイッチのオフ後、液位検知管からの加圧が大気圧になったとき、該プランジャを真空解除通路のシールから離して真空解除通路を開くように構成した請求項1記載の真空弁。 - 前記タンクの液位を検知する液位検知管の管端を、前記吸込み管の管端と同レベル又は低めにセットしてなる請求項1又は2記載の真空弁。
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