JP3353822B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法及び駆動装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法及び駆動装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イパネルの駆動方法に関し、特に交流放電型のプラズマ
ディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラズマディスプレイパネル
(以下、PDPと称する)は、薄型構造でちらつきがな
く、表示コントラスト比が大きいこと、また、比較的大
画面にすることが可能であり、応答速度が速く、自発光
型で蛍光体の利用により多色発光も可能であること等、
数多くの特徴を有している。このため、近年コンピュー
タ関連の表示装置やカラー画像表示の分野で広く利用さ
れるようになりつつある。
【0003】PDPには、その動作方式により、電極が
誘電体で被覆されて間接的に交流放電の状態で動作させ
る交流放電型と、電極が放電空間に露出して直流放電の
状態で動作させる直流放電型とがあるが、交流放電型
は、放電による電極のスパッタリングを防止することが
でき、長寿命であるという特徴を有している。
【0004】さらに、交流放電型には、駆動方式として
表示セルのメモリ作用を利用するメモリ動作型と、メモ
リ作用を利用しないリフレッシュ動作型とがある。
【0005】PDPの輝度は放電回数、すなわち所定時
間(例えば、1フレーム)内における印加パルスの繰り
返し数に比例し、上記リフレッシュ動作型は、表示容量
が大きくなると輝度が低下するため、小表示容量のPD
Pでのみ使用されている。したがって、現在では、長寿
命や高輝度が得られる等の利点から交流放電メモリ型の
PDPが主流になっている。
【0006】図13は交流放電メモリ型のプラズマディ
スプレイパネルの一構成例を示す表示セルの斜視断面図
である。
【0007】図13に示すように、交流放電メモリ型の
PDPの表示セルは、パネルの背面及び前面にそれぞれ
設けられた、ガラスからなる第1の絶縁基板101及び
第2の絶縁基板102と、第2の絶縁基板102上に所
定の間隔を有して形成された透明な走査電極103及び
維持電極104と、走査電極103及び維持電極104
の電極抵抗値を小さくするために走査電極103及び維
持電極04上にそれぞれ重なるように積層された第1の
トレース電極105及び第2のトレース電極106と、
走査電極103、維持電極104、第1のトレース電極
105、及び第2のトレース電極106をそれぞれ覆う
ように形成された第1の誘電体112と、第1の誘電体
112上に積層され、第1の誘電体112を放電から保
護する酸化マグネシウム等からなる保護層113と、第
1の絶縁基板101上に配置され、走査電極103及び
維持電極104と直交する方向に形成されたデータ電極
107と、データ電極107を覆うように形成された第
2の誘電体114と、第1の絶縁基板101と第2の絶
縁基板102の間に形成され、ヘリウム、ネオン、キセ
ノン等の希ガス類、またはそれらの混合ガスからなる放
電ガスが充填される放電ガス空間108と、第2の誘電
体114上に設けられ、放電ガス空間108を形成する
と共に表示セルを区切るための隔壁109と、第2の誘
電体114上及び隔壁109の側面に塗布され、放電ガ
ス空間108中で起こす放電によって発生する紫外線を
可視光110に変換する蛍光体111とによって構成さ
れている。
【0008】実際のPDP、例えば、VGA用カラー表
示パネルでは、縦方向に480個、横方向に1920個
の上記のような表示セルが格子状に配置され、走査電極
103及び維持電極104はそれぞれ480本、データ
電極107は1920本で構成される。
【0009】次に、上記のように構成されたPDPにお
ける放電動作について説明する。
【0010】図13に示した表示セル内で、走査電極1
03とデータ電極107との間に放電しきい値を越える
パルス電圧が印加されると、放電が開始され、このパル
ス電圧の極性に対応して正負の電荷(壁電荷)が第1の
誘電体112及び第2の誘電体114の表面にそれぞれ
吸引され、堆積する。この電荷の堆積に起因して発生す
る等価的な内部電圧、すなわち壁電圧は印加されたパル
ス電圧とは逆極性となるため、放電の成長とともにセル
内部の実効電圧が低下し、上記パルス電圧を一定値に保
持していても放電を維持することができずに、ついには
放電が停止してしまう。
【0011】この後、走査電極103と維持電極104
との間に、壁電圧と同じ極性のパルス電圧である維持パ
ルスを印加すると、壁電圧が実効電圧として重畳され、
それにより外部から印加する維持パルスの電圧振幅が小
さくても放電しきい値を越えて放電を起こすことができ
る。したがって、走査電極103と維持電極104との
間に維持パルスを印加し続けることで放電が維持され
る。
【0012】また、走査電極103または維持電極10
4に壁電圧を中和するような幅の広い低電圧のパルスま
たは幅の狭い維持パルス電圧程度のパルスである維持消
去パルスを印加することにより、上述した維持放電を停
止させることができる。
【0013】図14は図13に示した表示セルをマトリ
クス状に配置して形成したプラズマディスプレイパネル
の概略の構成を示す平面図である。
【0014】図14に示すように、PDPは、m×n個
の行、列に表示セル120が配列されたドットマトリク
ス表示可能のディスプレイパネルであり、行電極とし
て、互いに平行に配列された走査電極Sc1、Sc2
…、Scm、及び維持電極Su1、Su2、…、Sumを備
え、列電極として、これら走査電極及び維持電極と直交
するように配列されたデータ電極D1、D2、…、Dn
備えている。
【0015】表示セル120を発光させる際には、走査
電極Sc1、Sc2、…、Scmに走査パルスを順次印加
すると共に、走査パルスに同期して表示を行うべき表示
セルのデータ電極Di(1≦i≦n)にデータパルスを
選択的に印加し、所望の表示セル120に放電しきい値
を越える電圧を印加することで発光させる。また、その
後は走査電極Sc1、Sc2、…、Scmと維持電極S
1、Su2、…、Sum間に放電を維持するための維持
パルスを印加することで発光を持続させる。
【0016】次に、従来のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法について図面を用いて説明する。
【0017】交流放電メモリ型PDPの駆動方法には、
1フレーム(あるいは、後述する1つのサブフィール
ド)分の表示データを各走査ライン毎に順次書き込んだ
後、各表示セルに対して同時に維持パルスの印加を開始
する走査維持分離駆動型と、各表示セルに対して常に維
持パルスを印加しつつ、走査ライン毎に順次表示データ
を書き込んで行く走査維持混合駆動型とがある。以下で
は、走査維持分離駆動型を例にして従来のPDPの駆動
方法について説明する。
【0018】図15は従来のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法を示す図であり、各電極に印加するパルス
波形の様子を示す波形図である。
【0019】図15において、Wuは維持電極Su1
Su2、…、Sumに共通に印加する維持電極駆動電圧波
形であり、Ws1、Ws2、…、Wsmは走査電極Sc1
Sc2、…、Scmに印加する走査電極駆動電圧波形で
ある。また、Wdはデータ電極D1、D2、…、Dnに印
加するデータ電極駆動電圧波形であり、Ws1−Wuは
走査電極Sc1と維持電極間の電位差を示す波形であ
る。なお、図15では走査電極Sc1と維持電極間の電
位差のみを示しているが、他の走査電極においても走査
パルスPwによる電位差の発生タイミングが異なること
を除けば同様の電位差が発生する。
【0020】図15に示すように、駆動シーケンスの一
周期は、予備放電期間Aと書き込み放電期間Bと維持放
電期間Cとから構成され、これらの放電周期を繰り返し
実行することにより、PDPに所望の映像を表示させる
ことができる。
【0021】予備放電期間Aは、書き込み放電期間Bに
おいて安定した書き込み放電特性を得るために放電ガス
空間(図13参照)内に活性粒子及び壁電荷を生成する
ための期間であり、PDPの全表示セルを同時に放電さ
せる予備放電パルスPpを維持電極に印加した後に、予
備放電期間Aによって生成された壁電荷のうち、書き込
み放電及び維持放電を阻害する電荷を消滅させるための
予備放電消去パルスPpeを各走査電極に一斉に印加す
る。
【0022】すなわち、まず、維持電極Su1、Su
2、…、Sumに対して予備放電パルスPpを印加し、
全ての表示セルにおいて放電を起こさせた後、走査電極
Sc1、Sc2、…、Scmに予備放電消去パルスPpe
を印加して消去放電を発生させ、予備放電パルスPpに
よって堆積した壁電荷のうち、書き込み放電及び維持放
電を阻害する電荷を消去する。
【0023】書き込み放電期間Bにおいては、まず、全
ての走査電極Sc1、Sc2、…、Scmに走査ベースパ
ルスPbを印加し、さらに走査電極Sc1、Sc2、…、
Scmに走査パルスPwを順に印加するとともに、走査
パルスPwに同期して、表示を行うべき表示セルのデー
タ電極DiにデータパルスPdを選択的に印加し、表示
すべきセルにおいて書き込み放電を発生させ、壁電荷を
生成する。
【0024】なお、走査ベースパルスPbを印加するこ
とにより走査パルスPwの値を小さくすることができ、
それにより走査パルスPwを発生させる高耐電圧の駆動
ICの最高使用電圧を引き下げ、ICの低コスト化を図
ることができる。また、走査パルスPwの値が大きな場
合、走査パルスPwの終了時のレベル遷移の際に誤放電
が発生しやすくなるが、このような放電は走査パルスと
データパルスとによって生じた書き込み放電を消滅させ
る有害な放電である。そこで、走査ベースパルスPbを
印加することにより、走査パルスPwの値を小さくし、
この有害な放電を防止する。
【0025】維持放電期間Cにおいては、維持電極Su
1、Su2、…、Sumにそれぞれ維持パルスPuを印加
するとともに、各走査電極に維持パルスPuよりも18
0度位相の遅れた維持パルスPsを印加し、それにより
書き込み放電期間Bにて表示データが書き込まれた表示
セルに対し所望の輝度を得るために必要な放電を維持す
る。最後に、走査電極Sc1、Sc2、…、Scmにそれ
ぞれ維持消去パルスPeを印加し、維持放電を停止させ
る。
【0026】以下は、上述したPDPで多階調表示を行
うための駆動方法について説明する。
【0027】PDPにおいては、CRTと異なり印加電
圧を変更することにより多階調表示を行うことが困難で
あるため、一般的に発光回数を制御することで多階調表
示を行う。特に、高輝度の多階調表示を行うためには、
以下に記載するサブフィールド法が用いられる。
【0028】図16は従来のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法を示す図であり、多階調表示を行うための
サブフィールド法を説明するタイムチャートである。な
お、図16は、26=64階調の表示を行う場合の例を
示している。また、図16では予備放電を1フレームの
最後に1度だけ行う場合を示しているが、図15に示し
た駆動シーケンスと同様に各サブフィールドの最初に予
備放電を行ってもよい。
【0029】通常、1フレームの時間は個々のコンピュ
ータや放送システムによって異なるが、おおむね1/4
7秒から1/76秒の範囲に設定されていることが多
い。PDPによる多階調表示では、図16に示すよう
に、1フレームがk個のサブフィールド(図16ではS
F1〜SF6のk=6個のサブフィールド)に分割さ
れ、各サブフィールドは図15に示した駆動シーケンス
にしたがってそれぞれ駆動される。
【0030】各サブフィールドにはそれぞれの維持発光
時間に対して時間的な重みづけが与えられ、各画素の発
光輝度は次のように制御される。
【0031】
【数1】 但し、nはサブフィールドの番号であり、最も輝度が低
いサブフィールドを1、最も輝度が高いサブフィールド
をkとする。また、L1は最も輝度が低いサブフィール
ドの輝度である。anは1または0の値をとる変数であ
り、n番目のサブフィールドにおいて当該画素を発光さ
せる場合は1、発光させない場合は0である。
【0032】このようにサブフィールド法では、各サブ
フィールドの点灯・非点灯を選択することで輝度を制御
できる。なお、図16に示した各サブフィールドの時間
長は、各サブフィールドにおける維持放電の回数、すな
わち維持パルスPu、Psの数の違いによってそれぞれ
設定される。
【0033】ところで、PDPにおいては、ガラスから
なる絶縁基板をベースに電極が形成され、その電極がガ
ラスペーストからなる誘電体であるガラスグレーズによ
って覆われている。そのため、走査電極と維持電極間に
印加される平均電圧の間に所定以上の電位差があると、
その直流バイアス電界によりガラスグレース内のイオン
成分が移動し、電極沿面に析出して導電性の樹枝状突起
物を成長させるエレクトロマイグレーションと呼ばれる
劣化現象が発生する。
【0034】例えば、図15に示した従来のPDPの駆
動方法の場合、走査電極Sc1と維持電極Su1の電位差
は、Ws1−Wuで示すように変化する。図15に示す
ように、維持放電期間Cにおいては、正、負のパルス電
位差が交互に発生するため、それぞれのパルスが打ち消
されて直流バイアス成分は発生しない。また、一般的
に、予備放電期間Aは、書き込み放電期間Bや維持放電
期間Cに比べて十分に短いため、その期間で印加される
電位差の影響は少なくて済む。したがって、走査電極と
維持電極間の直流バイアス成分は、主に書き込み放電期
間Bで走査電極に印加される走査ベースパルスPbによ
って発生すると考えられる。
【0035】図17は直流バイアスによる樹枝状突起物
の成長メカニズムを示す模式図である。なお、図17で
は、走査電極及び維持電極と、それらを挟む絶縁基板
(図13に示した第2の絶縁基板)及び誘電体の構造の
みを示し、誘電体の材料には、鉛ガラス(PbO)を用
い、絶縁基板にはソーダライムガラス(Na2O・Ca
O・SiO)に代表されるNa含有ガラスを用いた場合
を示している。
【0036】図17(a)において、走査電極と維持電
極間に直流電圧が印加されると、絶縁基板に含まれるN
aがイオン化して負の電極側(図17(a)では走査電
極)に移動する。このとき、Naイオンは負の電極から
電子(2e-)を受け取り、Na原子になる。
【0037】以上の過程で絶縁基板に接する負の電極表
面ではNa濃度が高くなる。しかしながら、Naはイオ
ン化傾向が大きいため、負の電極近傍で再びイオン化す
る。このとき、電極に電子を与えて還元させるのではな
く(電極が負にバイアスされているため)、絶縁基板平
面近傍の誘電体中のPbOと反応してPbを還元する
(図17(b))。このような化学反応によって生じた
Pb原子は導電性の樹枝状突起物の主成分となる。樹枝
状突起物は、負の電極近傍から正の電極方向に成長し、
やがて走査電極と維持電極との間を短絡させてしまう。
また、短絡に至らなくても、樹枝状突起物は導電性の物
質であるため、実効的な電極面積が広がり、走査電極と
維持電極間の放電ギャップが小さくなってしまう。これ
により、放電開始電圧が短時間で著しく低下してしま
い、初期画面にて正常な映像が表示される電圧設定にし
ても、短時間の表示動作の後に誤点灯が生じ、正常な動
作を維持できなくなるおそれがある。
【0038】そこで、このようなエレクトロマイグレー
ションの発生を防止するため、例えば、特開平8−16
0909号公報にその対策の一例が記載されている。
【0039】図18はエレクトロマイグレーションを防
止する従来のプラズマディスプレイパネルの駆動方法の
一例を示す波形図である。なお、図18は上記特開平8
−160909号公報に記載されたものである。
【0040】図18において、Aは予備放電期間、Bは
書き込み放電期間、Cは維持放電期間、Ppは予備放電
パルス、Pbは走査ベースパルス、Pwは走査パルス、
Pxは電圧50Vのパルス、Puは維持電極側の維持パ
ルス、Psは走査電極側の維持パルスである。
【0041】本例においては、走査電極に対して印加す
る維持パルスのうち、維持放電期間Cにて最後に印加す
る維持パルスを維持放電期間Cの後に設ける休止期間ま
で延長して印加し続けており、この補償パルスにより書
き込み放電期間B中に走査電極と維持電極間に印加され
た直流バイアス成分を相殺している。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−16090
9号公報に記載された従来のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法では、休止期間における補償パルスの印加
によって、書き込み放電期間において走査電極と維持電
極間に印加された直流バイアス成分を相殺するため、休
止期間と書き込み放電期間とを同じ長さに設定する必要
がある。しかしながら、休止期間と書き込み放電期間と
は必ずしも同じ長さに設定できるとは限らず、逆に、休
止期間を書き込み放電期間と同じ長さに設定しようとす
ると、維持放電期間の長さが短縮されてしまい、十分な
輝度を得ることができなくなるおそれがあった。
【0043】また、維持放電期間の最後に印加される維
持パルスの電圧は、書き込み放電期間で走査電極と維持
電極間に印加される走査ベースパルスPbの電圧と異な
るが、エレクトロマイグレーションによる作用は、維持
放電期間の最後に印加される維持パルスの電圧に対して
非線形に変化するため、書き込み放電期間で印加される
直流バイアス成分を完全に相殺するのに必要な補償パル
スの電圧及びそのパルス幅を定めることが困難であると
いう問題がある。
【0044】このような問題を解決するため、出願人は
特願平9−256624号において、補償パルスを、予
備放電期間と書き込み放電期間、または書き込み放電期
間と維持放電期間の間に挿入するPDPの駆動方法を提
案している。
【0045】特願平9−256624号では、PDPの
表示領域を2分割し、一方の表示領域が書き込み放電期
間の場合は他方の表示領域で補償パルスを印加し、一方
の表示領域で補償パルスを印加している場合は他方の表
示領域を書き込み放電期間としている。
【0046】ところで、表示セルにおける放電の発生し
やすさは、一般に放電空間内の活性粒子(荷電粒子や励
起粒子)の数に依存し、活性粒子の数が多いほど放電が
発生しやすくなる。そのため、放電が起こってから次に
放電用のパルスが印加されるまでの時間が長いと放電空
間内の活性粒子が減少し、図19に示すように放電遅れ
時間(電圧が印加されてから放電が生じるまでの時間
差)が長くなる。放電遅れ時間が印加パルス幅を超える
と放電が発生しなくなるため、印加パルスの間隔が疎で
あるほど放電特性は悪くなる。
【0047】特願平9−256624号に記載したPD
Pの駆動方法では、走査ラインの先頭行から順に走査を
行い、その後、全てのセルにおいて同一タイミングで維
持放電を開始するため、書き込み放電から維持放電まで
の時間は、先頭行に近いほど長く、最終行に近いほど短
くなる。このことから維持期間における最初の維持パル
ス印加時の放電特性がパネル面内で異なり、駆動電圧の
マージンを狭める原因となっていた。
【0048】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、書き込
み放電期間と維持放電期間が離れることによる不安定な
動作を防止するとともに、走査電極と維持電極間の直流
バイアスによる樹枝状突起物の発生を抑制するプラズマ
ディスプレイパネルの駆動方法及び駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、格
子状に配置された複数の表示セルからなる交流放電メモ
リ型のプラズマディスプレイパネルに、サブフィールド
法を用いて多階調表示させつつ所望の画像を表示させる
ための走査維持分離型のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法であって、前記走査維持分離型の駆動シーケン
スにおける走査期間内に、各走査電極に走査ベースパル
スに重畳して走査パルスを所定の順にそれぞれ印加する
と共に、所定のデータ電極にデータパルスを印加するこ
とにより選択的に映像データの書き込みを行い、前記走
査パルスを印加して略一定時間後に、前記走査パルスと
逆極性で、かつ2つのサブフィールドの通算で前記走査
ベースパルスによる直流成分を相殺する幅に設定された
第1の維持パルスを前記走査電極に印加して前記維持電
極との間で最初の維持放電を行う方法である。
【0050】ここで、前記2つのサブフィールドのうち
の一方では前記プラズマディスプレイパネルの一端側か
ら他端側に向かって各走査ラインに対して順に映像デー
タを書き込み、前記2つのサブフィールドのうちの他方
では、前記プラズマディスプレイパネルの他端側から一
端側に向かって各走査ラインに対して順に映像データを
書き込んでもよく、前記2つのサブフィールドのうちの
一方では前記プラズマディスプレイパネルの一端側から
他端側に向かって各走査ラインに対して順に映像データ
を書き込み、前記2つのサブフィールドのうちの他方で
は、前記走査電極全体を前記走査ライン方向に2分割
し、前記プラズマディスプレイパネルの中間の走査ライ
ンから他端側に向かって順に映像データを書き込んだ
後、前記プラズマディスプレイパネルの一端側から前記
中間の走査ラインに向かって順に映像データを書き込ん
でもよい。
【0051】また、前記走査電極全体を、前記走査ライ
ン方向に複数のサブ走査電極群に分割し、前記サブ走査
電極群毎に、前記2つのサブフィールドのうちの一方で
は前記プラズマディスプレイパネルの一端側から他端側
に向かって各走査ラインに対して順に映像データを書き
込み、前記2つのサブフィールドのうちの他方では前記
プラズマディスプレイパネルの他端側から一端側に向か
って順に映像データを書き込んでもよく、前記維持電極
全体を、前記サブ走査電極群に対応して複数のサブ維持
電極群に分割し、前記サブ走査電極群及び前記サブ維持
電極群毎に、前記第1の維持パルスを印加した直後にそ
れぞれ維持放電を開始させてもよい。
【0052】さらに、前記走査ベースパルスの幅及び前
記第1の維持パルス幅を、前記2つのサブフィールドの
通算で各走査電極毎にそれぞれ等しくしてもよく、全て
の走査電極に印加する前記走査ベースパルスの幅を等し
くしてもよい。
【0053】一方、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動装置は、格子状に配置された複数の表示セルか
らなる交流放電メモリ型のプラズマディスプレイパネル
に、サブフィールド法を用いて多階調表示させつつ所望
の画像を表示させる走査維持分離型のプラズマディスプ
レイパネルの駆動装置であって、前記走査維持分離型の
駆動シーケンスにおける走査期間内に、各走査電極に走
査ベースパルスに重畳して走査パルスを所定の順にそれ
ぞれ印加すると共に、所定のデータ電極にデータパルス
を印加することにより選択的に映像データの書き込みを
行い、前記走査パルスを印加して略一定時間後に、前記
走査パルスと逆極性で、かつ2つのサブフィールドの通
算で前記走査ベースパルスによる直流成分を相殺する幅
に設定された第1の維持パルスを前記走査電極に印加し
て前記維持電極との間で最初の維持放電を行うための走
査電極ドライバを有する構成である。
【0054】ここで、前記走査電極ドライバは、前記2
つのサブフィールドのうちの一方では前記プラズマディ
スプレイパネルの一端側から他端側に向かって各走査電
極に対して順に前記走査パルスを印加し、前記2つのサ
ブフィールドのうちの他方では、前記プラズマディスプ
レイパネルの他端側から一端側に向かって各走査電極に
対して順に前記走査パルスを印加してもよく、前記2つ
のサブフィールドのうちの一方では前記プラズマディス
プレイパネルの一端側から他端側に向かって各走査電極
に対して順に前記走査パルスを印加し、前記2つのサブ
フィールドのうちの他方では、前記走査電極全体を前記
走査ライン方向に2分割し、前記プラズマディスプレイ
パネルの中間の走査電極から他端側に向かって順に前記
走査パルスを印加した後、前記プラズマディスプレイパ
ネルの一端側から前記中間の走査電極に向かって順に前
記走査パルスを印加してもよい。
【0055】また、前記走査電極素ライバは、前記走査
電極全体を前記走査ライン方向に複数のサブ走査電極群
に分割し、前記サブ走査電極群毎に、前記2つのサブフ
ィールドのうちの一方では前記プラズマディスプレイパ
ネルの一端側から他端側に向かって各走査ラインに対し
て順に前記走査パルスを印加し、前記2つのサブフィー
ルドのうちの他方では前記プラズマディスプレイパネル
の他端側から一端側に向かって順に前記走査パルスを印
加してもよく、前記維持電極全体を前記サブ走査電極群
に対応して複数のサブ維持電極群に分割し、前記サブ維
持電極群毎に、前記第1の維持パルスを印加した直後に
維持放電を行うための維持パルスを前記維持電極に印加
する維持電極ドライバを有し、前記走査電極ドライバ
は、前記サブ走査電極群毎に前記第1の維持パルスを印
加した直後に維持放電を行うための維持放電パルスを印
加してもよい。
【0056】さらに、前記走査電極ドライバは、前記走
査ベースパルスの幅及び前記第1の維持パルス幅を、前
記2つのサブフィールドの通算で各走査電極毎にそれぞ
れ等しくしてもよく、全ての走査電極に対して等しい幅
の走査ベースパルスを印加してもよい。
【0057】上記のようなプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、走査維持分離型の駆動シーケンスにおけ
る走査期間内に、各走査電極に走査ベースパルスに重畳
して走査パルスを所定の順にそれぞれ印加すると共に、
所定のデータ電極にデータパルスを印加することにより
選択的に映像データの書き込みを行い、走査パルスを印
加して略一定時間後に、走査パルスと逆極性で、かつ2
つのサブフィールドの通算で走査ベースパルスによる直
流成分を相殺する幅に設定された第1の維持パルスを走
査電極に印加することで、書き込み放電と維持放電期間
が離れることによる不安定な動作が防止され、走査電極
と維持電極間に生じる直流バイアスによる樹枝状突起物
の発生が抑制される。
【0058】また、走査電極全体を走査ライン方向に複
数のサブ走査電極群に分割し、サブ走査電極群毎に、2
つのサブフィールドのうちの一方ではプラズマディスプ
レイパネルの一端側から他端側に向かって各走査ライン
に対して順に映像データを書き込み、2つのサブフィー
ルドのうちの他方では前記プラズマディスプレイパネル
の他端側から一端側に向かって順に映像データを書き込
むことで、走査電極に維持パルスを印加するための回路
をサブ走査電極群毎に共通にすることができる。
【0059】また、維持電極全体をサブ走査電極群に対
応して複数のサブ維持電極群に分割し、サブ走査電極群
及びサブ維持電極群毎に、第1の維持パルスを印加した
直後にそれぞれ維持放電を開始させることで、維持放電
をより安定して行わせることができる。
【0060】さらに、全ての走査電極に印加する走査ベ
ースパルスをそれぞれ等しい幅で出力することで、走査
ベースパルスを短くすることが可能になる。
【0061】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。
【0062】(第1の実施の形態)図1は本発明のプラ
ズマディスプレイパネルの駆動装置の第1の実施の形態
の構成を示すブロック図である。
【0063】図1において、本形態のPDPの駆動装置
は、PDP1の各データ電極7にそれぞれ映像信号に応
じた電圧を印加するデータ電極ドライバ2と、PDP1
の各維持電極4にそれぞれ所定のパルス電圧を印加する
維持電極ドライバ6と、PDP1の各走査電極3にそれ
ぞれ所定のパルス電圧を印加する走査電極ドライバ5
と、外部から与えられる垂直同期信号、水平同期信号、
及び映像データに基づいて、各ドライバに対する制御信
号をそれぞれ出力するインタフェース回路8と、データ
電極ドライバ2からデータパルスを出力させるための電
圧(+Vd)を供給するデータ電源9と、維持電極ドラ
イバ6及び走査電極ドライバ5から維持パルスをそれぞ
れ出力させるための電圧(+Vs)を供給する維持電源
10と、走査電極ドライバ5から走査パルスを出力させ
るための電圧(−Vw)及び走査ベースパルスを出力さ
せるための電圧(−Vb)をそれぞれ供給する走査電源
11と、走査電極ドライバ5から予備放電パルスを出力
させるための電圧(+Vp)を供給するリセット電源1
2と、走査電極ドライバ5から予備放電消去パルスを出
力させるための電圧(−Vpe)を供給する消去電源1
3とによって構成されている。
【0064】なお、外部からインタフェース回路8に供
給される垂直同期信号は1フレームの周期を規定する信
号であり、水平同期信号はCRTの制御信号である水平
同期信号と同様に水平方向の同期を取るための信号であ
る。また、映像データは映像信号に応じて各表示セルを
発光、非発光のいずれか一方に規定する信号である。
【0065】インタフェース回路8は、例えば、映像デ
ータを一時的に格納するフレームメモリ、PDPの書き
込みタイミングに合わせて映像データをフレームメモリ
から読み出しデータ電極ドライバ2に転送するメモリ制
御部、PDPの駆動シーケンスに対応したパルス電圧を
各ドライバに出力させるドライバ制御部、及びメモリ制
御部及びドライバ制御部の動作を整合して各ドライバの
動作タイミングを同期させる信号処理部を備えている。
【0066】図2は図1に示したデータ電極ドライバ、
維持電極ドライバ、及び走査電極ドライバの一構成例を
示すブロック図である。
【0067】図2において、データ電極ドライバ2は、
データパルスを出力するための複数のデータドライバ2
1がデータ電極毎にそれぞれ接続された構成である。デ
ータドライバ21は、プッシュプル接続されたPチャネ
ルFET及びNチャネルFETによって構成され、各デ
ータドライバ21のPチャネルFETのソースにはデー
タ電源9から+Vdが供給され、NチャネルFETのソ
ースは接地電位に接続されている。
【0068】維持電極ドライバ6は、維持パルスを出力
するための維持ドライバ61が全ての維持電極4に共通
に接続された構成である。維持ドライバ61は、プッシ
ュプル接続されたPチャネルFET及びNチャネルFE
Tによって構成され、維持ドライバ61のPチャネルF
ETのソースには維持電源10から+Vsが供給され、
NチャネルFETのソースは接地電位に接続されてい
る。
【0069】走査電極ドライバ5は、走査パルスPw及
び走査ベースパルスPbをそれぞれ出力するための複数
の走査ドライバ51と、維持パルスPsをそれぞれ出力
するための複数の維持ドライバ52と、予備放電パルス
Pp及び予備放電消去パルスPpeをそれぞれ出力する
ためのリセットドライバ53とによって構成されてい
る。
【0070】走査ドライバ51は、走査電源11から供
給された−Vw、及び−Vbを所定のタイミングで走査
電極3に供給する2つのPチャネルFETから構成さ
れ、維持ドライバ52は、維持電源10から供給された
+Vsを所定のタイミングで走査電極5に供給するPチ
ャネルFET、及び走査電極5を所定のタイミングで接
地電位に接続するPチャネルFETによって構成されて
いる。また、リセットドライバ53は、プッシュプル接
続されたPチャネルFET及びNチャネルFETからな
る2つのドライブ回路によって構成され、一方のドライ
ブ回路はリセット電源12及び消去電源13から供給さ
れた+Vp、−Vpeを所定のタイミングで各走査電極
3に同時に供給し、他方のドライブ回路は各走査電極3
を所定のタイミングで同時に接地電位に接続する。
【0071】次に本形態のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法について図面を参照して説明する。
【0072】図3は本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法の第1の実施の形態を示す図であり、各電
極に印加するパルス波形の様子を示すタイミングチャー
トである。
【0073】図3において、Wuは各維持電極4に共通
に印加する維持電極駆動電圧波形であり、Ws1、W
2、…、Wsmは各走査電極3に印加する走査電極駆動
電圧波形である。また、Wdは各データ電極7に印加す
るデータ電極駆動電圧波形である。
【0074】本形態のPDPの駆動方法は、走査維持分
離駆動型であり、駆動シーケンスの一周期は、予備放電
パルスPp及び予備放電消去Ppeを印加するリセット
期間と、映像データを書き込むために各走査電極に対し
て走査パルスPwを印加する(走査ベースパルスPbに
重畳して印加する)とともに、表示すべきデータ電極に
データパルスPdを印加する走査期間と、維持放電を行
うために維持パルスPsを印加する維持期間とによって
構成され、これらの放電周期を繰り返し実行することに
よりPDPに所望の映像を表示させる。
【0075】また、多階調表示を行うために、一画面を
表示するための1周期(1フレーム)を複数のサブフィ
ールド(SF)に分割する。なお、図3では連続する2
つのサブフィールドを例示している。また、図15で示
したように従来の駆動シーケンスでは維持期間の最後に
維持消去パルスを印加して維持放電を停止させている
が、図3に示した本形態の駆動方法では維持期間の最後
に維持消去パルスを印加していない。図3に示すような
駆動方法の場合、次のサブフィールドのリセット期間に
おける予備放電パルスPp及び予備消去パルスPpeの
印加動作が維持放電の停止動作を兼ねている。
【0076】図3に示すように、本形態のPDPの駆動
方法では、走査期間において、第nのサブフィールド
(第nSF)では先頭ライン(Ws1)から最終ライン
(Wsm)に向かって順に走査し、続く第n+1のサブ
フィールド(第(n+1)SF)では最終ラインから先
頭ラインに向かって順に走査する。また、全ての走査電
極に対して、走査パルスPwから所定時間経過後に走査
ベースパルスPbと逆極性の第1の維持パルスPsfを
印加する。このとき、第1の維持パルスPsfは走査パ
ルスPwを印加してから数十μs以内のできるだけ短い
時間内に印加することが望ましく、10μs以内に印加
することがより望ましい。
【0077】また、各走査電極に印加する第1の維持パ
ルスPsfの幅を、第nのサブフィールドにおいては先
頭ラインに近いほど長くし、第n+1のサブフィールド
においては先頭ラインに近いほど短くするように設定す
る。なお、第1の維持パルスPsfの幅は、各走査ライ
ン毎に必ずしも異なる必要はなく、第nのサブフィール
ドでは先頭ラインに近いほど長く、第n+1のサブフィ
ールドでは先頭ラインに近いほど短くなる傾向にあれ
ば、同じ幅に設定される走査ラインがあってもよい。
【0078】さらに、各走査電極に印加する第nのサブ
フィールドと第n+1のサブフィールドの走査ベースパ
ルスPbの幅の合計(LbnSF+Lb(n+1)SF)をそれぞ
れ等しくし、同様に、各走査電極に印加する第nのサブ
フィールドと第n+1のサブフィールドの第1の維持パ
ルスPsfの幅の合計(LsnSF+Ls(n+1)SF)をそれ
ぞれ等しく設定する。
【0079】このとき、第1の維持パルスPsfの幅
を、第nのサブフィールドと第n+1のサブフィールド
における幅の合計(LsnSF+Ls(n+1)SF)で、第nの
サブフィールドと第n+1のサブフィールドにおける走
査ベースパルスPbの幅の合計(LbnSF+L
(n+1)SF)による直流バイアス分を相殺する値に設定
する。
【0080】例えば、第1の維持パルスPsfの幅は以
下のように算出する。
【0081】図4は直流電圧を走査電極と維持電極間に
所定時間印加した後の走査電極−維持電極間(1組)の
静電容量を示すグラフである。
【0082】図4に示すように、走査電極と維持電極間
に60Vの直流電圧を印加した場合は静電容量がほとん
ど変化せず、直流電圧を60Vよりも高くすると時間経
過に伴って静電容量が大きくなる。これは、直流電圧を
印加することで樹枝状突起物が発生し、面電極間の放電
ギャップが変化するためである。また、直流電圧が60
Vまでは樹枝状突起物がほとんど成長せず、また、静電
容量の経時変化は電圧値に比例しない。
【0083】以上のことを考慮すると、駆動シーケンス
の一周期に渡って電圧を積分した結果得られる電圧の偏
り(直流バイアス成分)に対して、逆方向の電界をかけ
て樹枝状突起物の生成を抑制しようとすると、その補償
パルスは以下の式(2)で得られる幅を必要とする。
【0084】 A=B×{(D−E)/(C−E)}F…(2) 上述したように、直流電圧の偏りが走査ベースパルスを
印加することで発生すると仮定すると、Aは補償パルス
幅、Bは走査ベースパルス幅、Cは補償パルス電圧、D
は走査ベース電圧、Eは樹枝状突起物が成長するしきい
値電圧、Fは補正係数である。なお、E及びFについて
は材料によって異なる値である。
【0085】したがって、第nのサブフィールドの第1
の維持パルスPsfの幅LsnSF、及び第n+1のサブ
フィールドの第1の維持パルスPsfの幅Ls(n+1)SF
は、(2)式で求めた値Aから、LsnSF+Ls(n+1)SF
=2Aとなるように設定する。
【0086】このような第1の維持パルスPsfを各走
査電極にそれぞれ印加することで、書き込み放電期間と
維持放電期間が離れることによる不安定な動作を防止す
ることができるとともに、走査電極と維持電極間の直流
バイアス成分による樹枝状突起物の発生を抑制すること
ができる。
【0087】また、第nのサブフィールドの最終ライン
の第1の維持パルスPsfの幅を短くしても、組となる
サブフィールド(第n+1のサブフィールド)で印加さ
れる第1の維持パルスPsfによって走査ベースパルス
Pbによる直流バイアス分を相殺することができる。同
様に、第n+1のサブフィールドの先頭ラインの第1の
維持パルスPsfの幅を短くしても、組となるサブフィ
ールド(第nのサブフィールド)で印加される第1の維
持パルスPsfによって走査ベースパルスPbによる直
流バイアス分を相殺することができる。したがって、第
1の維持パルスの幅を補償パルスとして十分に機能する
幅に設定しても維持時間が制限される等の時間的な圧迫
が発生しない。なお、本形態では連続する2つのサブフ
ィールドを組にして直流バイアス成分を相殺する方法を
示したが、組にするサブフィールドは連続である必要は
ない。
【0088】図5は図3に示した駆動方法により発生す
る壁電荷の様子を示す図であり、走査パルス及び第1の
維持パルスの印加前後の様子を示す模式図である。
【0089】まず、図5(a)を参照して走査パルス印
加前後の壁電荷の状態を説明する。
【0090】走査期間において、選択された表示セルに
走査パルスPwとデータパルスPdが同時に印加される
と、走査電極とデータ電極に挟まれた放電ガス空間では
対向放電が起こる。このとき、放電ガス空間内で生成さ
れた活性粒子によって放電抵抗が低下し、走査電極と維
持電極間で面放電が起こる。したがって、走査電極上に
正、維持電極及びデータ電極上に負の電荷が発生する。
【0091】続いて、走査電極に第1の維持パルスPs
fが印加されると、維持電極とデータ電極には負の電荷
があるため、図5(b)に示すように、走査電極と維持
電極間で面放電が起こり、走査電極とデータ電極間で対
向放電が起こる。維持電極上にはMgOに代表される保
護層があり、保護層は電子放出係数γが大きいため、原
子衝突によって2次電子が放出されやすい。2次電子は
電界によって加速され、原子を電離して放電を成長させ
るため、ここでは対向放電に比べて強く面放電が起こ
り、走査電極と維持電極間に多くの壁電荷が形成され
る。
【0092】本形態では、走査パルスPwの印加から第
1の維持パルスPsfが印加されるまでの時間が十分に
短いため、第1の維持パルスPsfによる放電が発生し
やすく、また、第1の維持パルスPsfによる面放電に
よって、上記したように壁電荷が増えるため、第1の維
持パルスPsfの印加後から次に維持パルスPsが印加
されるまでに休止期間がある場合でも、維持パルスPs
による維持放電が起こりやすくなる。
【0093】また、書き込み放電から維持放電までの時
間が全ての走査電極で等しくなることから第1の維持パ
ルスPsfによる放電特性を均一にすることができる。
【0094】(第2の実施の形態)図6は本発明のプラ
ズマディスプレイパネルの駆動方法の第2の実施の形態
を示す図であり、各電極に印加するパルス波形の様子を
示すタイミングチャートである。なお、Ws1−Wuは
走査電極Sc1と維持電極Su1間の電位差を示す波形で
ある。
【0095】図6に示すように、本形態のPDPの駆動
方法では、走査期間において、第nのサブフィールド
(第nSF)では先頭ラインから最終ラインに向かって
順に走査し、続く第n+1のサブフィールド(第(n+
1)SF)では、初めに、中央の走査ライン(W
m/2)から最終ラインに向かって順に走査し、続い
て、先頭ラインから中央の走査ライン(Wsm/2-1)に
向かって順に走査する。また、全ての走査電極に対して
同じ幅の走査ベースパルスPbを印加する。
【0096】さらに、第nのサブフィールドにおける走
査期間の前半(Ws1〜Wsm/2-1)では幅の広い第1の
維持パルスPsfを印加し、第nのサブフィールドにお
ける走査期間の後半(Wsm/2〜Wsm)では維持パルス
Psと等しい幅の第1の維持パルスPsfを印加する。
また、第n+1のサブフィールドにおける走査期間の前
半(Wsm/2〜Wsm)では維持パルスPsと等しい幅の
第1の維持パルスPsfを印加し、第n+1のサブフィ
ールドにおける走査期間の後半では(Ws1〜W
m/2-1)幅の広い第1の維持パルスPsfを印加す
る。このとき、上記幅の広い第1の維持パルスPsfの
幅を、第nのサブフィールドと第n+1のサブフィール
ドにおける各走査ラインの直流バイアス成分を相殺する
幅に設定する。その他の駆動方法及び駆動装置の構成に
ついては第1の実施の形態と同様であるため、その説明
は省略する。
【0097】本形態のように、走査方向が同じで、走査
を開始する走査ラインを組となるサブフィールドで変え
る駆動方法によっても、第1の実施の形態と同様の効果
を得ることができる。なお、本形態では連続する2つの
サブフィールドを組にして直流バイアス成分を相殺する
方法を示したが、組にするサブフィールドは連続である
必要はない。また、走査期間を前半と後半の2つに分け
る場合を例にして説明したが、3つ以上に分けてもよ
く、組にする2つのサブフィールドの一方で印加する幅
の広い第1の維持パルスPsfが、2つのサブフィール
ドにおける各走査ラインの直流バイアス成分を相殺する
幅であればよい。
【0098】(第3の実施の形態)次に本発明の第3の
実施の形態について図面を参照して説明する。
【0099】図7は本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法の第3の実施の形態を示す図であり、各電
極に印加するパルス波形の様子を示すタイミングチャー
トである。
【0100】図7に示すように、本形態では、走査電極
全体を走査ライン方向に複数のサブ走査電極群(第1の
サブ走査電極群〜第Lのサブ走査電極群)に分割し、サ
ブ走査電極群内の走査ベースパルスPwの幅をそれぞれ
等しく設定し、第1の維持パルスPsfの幅をそれぞれ
等しく設定する。
【0101】そして、第1の実施の形態と同様に、各走
査電極における走査ベースパルスPbの幅の合計がそれ
ぞれ等しくなり、各走査電極における第1の維持パルス
Psfの幅の合計がそれぞれ等しくなるように、サブ走
査電極群毎に所定の2つのサブフィールドを組み合わせ
る。
【0102】なお、第1の維持パルスPsfの幅を走査
ベースパルスPbによる直流バイアス分を打ち消し、直
流バイアスによる樹枝状突起物の生成を抑制することが
できる幅に設定することは第1の実施の形態と同様であ
る。
【0103】このようにすることで、第1の実施の形態
と同様に書き込み放電と維持放電期間が離れることによ
る不安定な動作を防止することができるとともに、走査
電極と維持電極間に生じる直流バイアスによる樹枝状突
起物の発生を抑制することができる。
【0104】図8は本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック
図である。
【0105】図8に示すように、本形態のPDPの駆動
装置は、走査電極に維持パルスを出力するための維持ド
ライバ54が、サブ走査電極群毎にそれぞれ設けられた
構成である。その他の構成は第1の実施の形態と同様で
あるため、その説明は省略する。本形態のPDPの駆動
装置によれば、サブ走査電極群を一つの維持ドライバ5
4で共通に駆動するため、維持ドライバ54の数を第1
の実施の形態に比べて大幅に低減することができる。よ
って、回路規模の増大が抑制される。
【0106】次に、本形態の効果について具体例を用い
て以下に説明する。
【0107】PDPの走査電極数480本とし、それら
を30個のサブ走査電極群に分割して、それぞれに走査
ベースパルスPbと第1の維持パルスPsfを印加す
る。このとき、走査パルスPwの幅を3μs、走査ベー
スパルスPbの幅を54μs、走査ベースパルス電圧を
−100Vとする。また、維持パルスPsの電位を+1
70Vとし、走査ベースパルスによる直流成分を相殺す
るために、第1の維持パルスPsfの幅を上述した式
(2)を用いて算出し、算出した値に基づいて第1の維
持パルスPsfを印加する(対になる2つのサブフィー
ルドの第1の維持パルスの幅の合計は110μs)。
【0108】以上の条件でPDPの寿命評価を行った結
果、エレクトロマイグレーションによる樹枝状突起物の
生成が見られず、安定な寿命特性を得ることができた。
また、従来の駆動方法に比べて駆動電圧のマージンが広
がった。
【0109】(第4の実施の形態)次に本発明の第4の
実施の形態について図面を参照して説明する。
【0110】図9は本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法の第4の実施の形態を示す図であり、各電
極に印加するパルス波形の様子を示すタイミングチャー
トである。
【0111】図9に示すように、本形態のPDPの駆動
方法は、走査電極に印加する走査ベースパルスPbの幅
を全て等しくする。その他の駆動方法及び駆動装置の構
成は第3の実施の形態と同様であるため、その説明は省
略する。
【0112】本形態の駆動方法によれば、図7に示した
第3の実施の形態の駆動方法に比べて走査ベースパルス
Pbの幅を短くすることができるため、直流バイアス成
分が減少し、第1の維持パルスPsfの幅を短くするこ
とができる。
【0113】第1の維持パルスPsfの幅が広すぎる場
合、放電が起こりやすくなるため、誤放電が発生するお
それがある。本形態の駆動方法によれば、第1の維持パ
ルスPsfの幅を短くすることによって誤放電を防止す
ることができる。
【0114】(第5の実施の形態)次に本発明の第5の
実施の形態について図面を参照して説明する。
【0115】図10は本発明のプラズマディスプレイパ
ネルの駆動方法の第5の実施の形態を示す図であり、各
電極に印加するパルス波形の様子を示すタイミングチャ
ートである。
【0116】図10に示すように、本形態では、走査電
極全体を走査ライン方向に複数のサブ走査電極群(第1
のサブ走査電極群〜第Lのサブ走査電極群)に分割し、
それらに対応して維持電極全体を複数のサブ維持電極群
(第1のサブ維持電極群〜第Lのサブ維持電極群)に分
割する。なお、第1のサブ維持電極群〜第Lのサブ維持
電極群には、それぞれWu1〜WuLのパルス波形を共通
に印加する。また、第3の実施の形態と同様に、サブ走
査電極群内の走査ベースパルスPwの幅をそれぞれ等し
く設定し、第1の維持パルスPsfの幅をそれぞれ等し
く設定する。
【0117】また、第1の実施の形態では各サブ走査電
極群に対してそれぞれ同じタイミングで維持パルスPs
の印加を開始していたが、本形態では各サブ走査電極群
に対して第1の維持パルスPsfを印加した直後にそれ
ぞれ維持パルスPsの印加を開始する。なお、各サブ走
査電極群に印加する維持パルス数はそれぞれ異なってい
てもよく、第4の実施の形態と同様に各走査電極に印加
する走査ベースパルスPbの幅を等しくしてもよい。
【0118】図11は本発明のプラズマディスプレイパ
ネルの駆動装置の第5の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図である。
【0119】図11に示すように、本形態のPDPの駆
動装置は、維持電極に維持パルスを出力するための維持
ドライバ62が、サブ維持電極群毎にそれぞれ設けられ
た構成である。その他の構成は第2の実施の形態と同様
であるため、その説明は省略する。
【0120】本形態のPDPの駆動方法によれば、全て
の維持パルスPsの間隔が密になり、第1の維持パルス
Psfの次に印加する維持パルスPsの印加時において
も第1の維持パルスの印加時に発生した活性粒子を利用
することができる。その結果、維持放電特性がさらに向
上する。
【0121】また、各サブ走査電極群で維持パルス数の
重み付けを変え、他のサブ走査電極群が走査期間のとき
にも維持パルスを印加することができるため、維持期間
を短縮することができる。
【0122】次に本形態の効果について図12を用いて
説明する。
【0123】図12は本発明のプラズマディスプレイパ
ネルの駆動方法の第5の実施の形態の効果を説明する図
であり、サブフィールドの組み合わせにより維持期間が
短縮される様子を示すタイミングチャートである。
【0124】図12(a)は従来の駆動方法を示す図で
あり、2つのサブフィールドがそれぞれ2a(aは自然
数)個とa個の維持パルスを持っている。
【0125】図12(b)は本形態の駆動方法を示す図
であり、走査電極及び維持電極をそれぞれ10個のサブ
走査電極群及びサブ維持電極群に分割し、図の上半分と
下半分で維持期間の重み付けを入れ替えている。これに
より従来の駆動方法に比べて、a個の維持パルス数分だ
け維持期間を短縮することができる。なお、ここでは2
つのサブフィールドについて例示したが、全てのサブフ
ィールドにおいて効率のよい組み合わせを選択すること
により維持期間をさらに短縮することが期待できる。
【0126】また、短縮した時間を走査期間に割り当て
れば、走査パルスの幅を広げることができるため、書き
込み特性を向上させることができる。また、短縮した時
間を維持期間に割り当てれば、維持パルス数を増やすこ
とができるため、PDPの輝度を増大させることができ
る。
【0127】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0128】走査維持分離型の駆動シーケンスにおける
走査期間内に、各走査電極に走査ベースパルスに重畳し
て走査パルスを所定の順にそれぞれ印加すると共に、所
定のデータ電極にデータパルスを印加することにより選
択的に映像データの書き込みを行い、走査パルスを印加
して略一定時間後に、走査パルスと逆極性で、かつ2つ
のサブフィールドの通算で走査ベースパルスによる直流
成分を相殺する幅に設定された第1の維持パルスを走査
電極に印加することで、書き込み放電と維持放電期間が
離れることによる不安定な動作が防止され、走査電極と
維持電極間に生じる直流バイアスによる樹枝状突起物の
発生が抑制される。
【0129】また、走査電極全体を走査ライン方向に複
数のサブ走査電極群に分割し、サブ走査電極群毎に、2
つのサブフィールドのうちの一方ではプラズマディスプ
レイパネルの一端側から他端側に向かって各走査ライン
に対して順に映像データを書き込み、2つのサブフィー
ルドのうちの他方では前記プラズマディスプレイパネル
の他端側から一端側に向かって順に映像データを書き込
むことで、走査電極に維持パルスを印加するための回路
をサブ走査電極群毎に共通にすることができるため、回
路規模の増大を抑制することができる。
【0130】また、維持電極全体をサブ走査電極群に対
応して複数のサブ維持電極群に分割し、サブ走査電極群
及びサブ維持電極群毎に、第1の維持パルスを印加した
直後にそれぞれ維持放電を開始させることで、維持放電
をより安定して行わせることができるため、維持放電特
性が向上する。
【0131】さらに、全ての走査電極に印加する走査ベ
ースパルスをそれぞれ等しい幅で出力することで、走査
ベースパルスを短くすることが可能になり、それに伴っ
て第1の維持放電パルスの幅も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動装
置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したデータ電極ドライバ、維持電極ド
ライバ、及び走査電極ドライバの一構成例を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法の第1の実施の形態を示す図であり、各電極に印加す
るパルス波形の様子を示すタイミングチャートである。
【図4】直流電圧を走査電極と維持電極間に所定時間印
加した後の走査電極−維持電極間(1組)の静電容量を
示すグラフである。
【図5】図3に示した駆動方法ににより発生する壁電荷
の様子を示す図であり、走査パルス及び第1の維持パル
スの印加前後の様子を示す模式図である。
【図6】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法の第2の実施の形態を示す図であり、各電極に印加す
るパルス波形の様子を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法の第3の実施の形態を示す図であり、各電極に印加す
るパルス波形の様子を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明のプラズマディスプレイパネル駆動装置
の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法の第4の実施の形態を示す図であり、各電極に印加す
るパルス波形の様子を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動
方法の第5の実施の形態を示す図であり、各電極に印加
するパルス波形の様子を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動
装置の第5の実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図12】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動
方法の第5の実施の形態の効果を説明する図であり、サ
ブフィールドの組み合わせにより維持期間が短縮される
様子を示すタイミングチャートである。
【図13】交流放電メモリ型のプラズマディスプレイパ
ネルの一構成例を示す表示セルの斜視断面図である。
【図14】図13に示した表示セルをマトリクス状に配
置して形成したプラズマディスプレイパネルの概略の構
成を示す平面図である。
【図15】従来のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法を示す図であり、各電極に印加するパルス波形の様子
を示す波形図である。
【図16】従来のプラズマディスプレイパネルの駆動方
法を示す図であり、多階調表示を行うためのサブフィー
ルド法を説明するタイムチャートである。
【図17】直流バイアスによる樹枝状突起物の成長メカ
ニズムを示す模式図である。
【図18】エレクトロマイグレーションを防止する従来
のプラズマディスプレイパネルの駆動方法の一例を示す
波形図である。
【図19】表示セル内で放電が起こってから次に放電用
のパルスが印加されるまでの時間差に対する放電遅れ時
間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 PDP 2 データ電極ドライバ 3 走査電極 4 維持電極 5 走査電極ドライバ 6 維持電極ドライバ 7 データ電極 8 インタフェース回路 9 データ電源 10 維持電源 11 走査電源 12 リセット電源 13 消去電源 21 データドライバ 51 走査ドライバ 52、54、61、62 維持ドライバ 53 リセットドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09G 3/20 670 G09G 3/20 670K H04N 5/66 101B H04N 5/66 101 G09G 3/28 H (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/28 G09F 9/313 G09G 3/20 622 G09G 3/20 624 G09G 3/20 641 G09G 3/20 670 H04N 5/66 101

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子状に配置された複数の表示セルから
    なる交流放電メモリ型のプラズマディスプレイパネル
    に、サブフィールド法を用いて多階調表示させつつ所望
    の画像を表示させるための走査維持分離型のプラズマデ
    ィスプレイパネルの駆動方法であって、 前記走査維持分離型の駆動シーケンスにおける走査期間
    内に、各走査電極に走査ベースパルスに重畳して走査パ
    ルスを所定の順にそれぞれ印加すると共に、所定のデー
    タ電極にデータパルスを印加することにより選択的に映
    像データの書き込みを行い、 前記走査パルスを印加して略一定時間後に、前記走査パ
    ルスと逆極性で、かつ2つのサブフィールドの通算で前
    記走査ベースパルスによる直流成分を相殺する幅に設定
    された第1の維持パルスを前記走査電極に印加して前記
    維持電極との間で最初の維持放電を行うプラズマディス
    プレイパネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記2つのサブフィールドのうちの一方
    では前記プラズマディスプレイパネルの一端側から他端
    側に向かって各走査ラインに対して順に映像データを書
    き込み、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では、前記プラ
    ズマディスプレイパネルの他端側から一端側に向かって
    各走査ラインに対して順に映像データを書き込む請求項
    1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記2つのサブフィールドのうちの一方
    では前記プラズマディスプレイパネルの一端側から他端
    側に向かって各走査ラインに対して順に映像データを書
    き込み、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では、前記走査
    電極全体を前記走査ライン方向に2分割し、前記プラズ
    マディスプレイパネルの中間の走査ラインから他端側に
    向かって順に映像データを書き込んだ後、前記プラズマ
    ディスプレイパネルの一端側から前記中間の走査ライン
    に向かって順に映像データを書き込む請求項1記載のプ
    ラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記走査電極全体を前記走査ライン方向
    に3以上に分割する請求項3記載のプラズマディスプレ
    イパネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記走査電極全体を、前記走査ライン方
    向に複数のサブ走査電極群に分割し、 前記サブ走査電極群毎に、 前記2つのサブフィールドのうちの一方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの一端側から他端側に向かって各
    走査ラインに対して順に映像データを書き込み、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの他端側から一端側に向かって順
    に映像データを書き込む請求項1記載のプラズマディス
    プレイパネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記維持電極全体を、前記サブ走査電極
    群に対応して複数のサブ維持電極群に分割し、 前記サブ走査電極群及び前記サブ維持電極群毎に、 前記第1の維持パルスを印加した直後にそれぞれ維持放
    電を開始させる請求項5記載のプラズマディスプレイパ
    ネルの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記走査ベースパルスの幅及び前記第1
    の維持パルス幅を、前記2つのサブフィールドの通算で
    各走査電極毎にそれぞれ等しくする請求項1乃至6のい
    ずれか1項記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方
    法。
  8. 【請求項8】 全ての走査電極に印加する前記走査ベー
    スパルスの幅を等しくする請求項1乃至7のいずれか1
    項記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  9. 【請求項9】 格子状に配置された複数の表示セルから
    なる交流放電メモリ型のプラズマディスプレイパネル
    に、サブフィールド法を用いて多階調表示させつつ所望
    の画像を表示させる走査維持分離型のプラズマディスプ
    レイパネルの駆動装置であって、 前記走査維持分離型の駆動シーケンスにおける走査期間
    内に、各走査電極に走査ベースパルスに重畳して走査パ
    ルスを所定の順にそれぞれ印加すると共に、所定のデー
    タ電極にデータパルスを印加することにより選択的に映
    像データの書き込みを行い、前記走査パルスを印加して
    略一定時間後に、前記走査パルスと逆極性で、かつ2つ
    のサブフィールドの通算で前記走査ベースパルスによる
    直流成分を相殺する幅に設定された第1の維持パルスを
    前記走査電極に印加して前記維持電極との間で最初の維
    持放電を行うための走査電極ドライバを有するプラズマ
    ディスプレイパネルの駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記走査電極ドライバは、 前記2つのサブフィールドのうちの一方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの一端側から他端側に向かって各
    走査電極に対して順に前記走査パルスを印加し、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では、前記プラ
    ズマディスプレイパネルの他端側から一端側に向かって
    各走査電極に対して順に前記走査パルスを印加する請求
    項9記載のプラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記走査電極ドライバは、 前記2つのサブフィールドのうちの一方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの一端側から他端側に向かって各
    走査電極に対して順に前記走査パルスを印加し、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では、前記走査
    電極全体を前記走査ライン方向に2分割し、前記プラズ
    マディスプレイパネルの中間の走査電極から他端側に向
    かって順に前記走査パルスを印加した後、前記プラズマ
    ディスプレイパネルの一端側から前記中間の走査電極に
    向かって順に前記走査パルスを印加する請求項9記載の
    プラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記走査電極ドライバは、 前記走査電極全体を前記走査ライン方向に3つ以上に分
    割する請求項11記載のプラズマディスプレイパネルの
    駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記走査電極素ライバは、 前記走査電極全体を前記走査ライン方向に複数のサブ走
    査電極群に分割し、 前記サブ走査電極群毎に、 前記2つのサブフィールドのうちの一方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの一端側から他端側に向かって各
    走査ラインに対して順に前記走査パルスを印加し、 前記2つのサブフィールドのうちの他方では前記プラズ
    マディスプレイパネルの他端側から一端側に向かって順
    に前記走査パルスを印加する請求項9記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記維持電極全体を前記サブ走査電極
    群に対応して複数のサブ維持電極群に分割し、 前記サブ維持電極群毎に、前記第1の維持パルスを印加
    した直後に維持放電を行うための維持パルスを前記維持
    電極に印加する維持電極ドライバを有し、 前記走査電極ドライバは、 前記サブ走査電極群毎に前記第1の維持パルスを印加し
    た直後に維持放電を行うための維持放電パルスを印加す
    る請求項13記載のプラズマディスプレイパネルの駆動
    装置。
  15. 【請求項15】 前記走査電極ドライバは、 前記走査ベースパルスの幅及び前記第1の維持パルス幅
    を、前記2つのサブフィールドの通算で各走査電極毎に
    それぞれ等しくする請求項9乃至14のいずれか1項記
    載のプラズマディスプレイパネルの駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記走査電極ドライバは、 全ての走査電極に対して等しい幅の走査ベースパルスを
    印加する請求項9乃至15のいずれか1項記載のプラズ
    マディスプレイパネルの駆動装置。
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