JP3353483B2 - 二重反転軸シール装置 - Google Patents

二重反転軸シール装置

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JP3353483B2
JP3353483B2 JP21832394A JP21832394A JP3353483B2 JP 3353483 B2 JP3353483 B2 JP 3353483B2 JP 21832394 A JP21832394 A JP 21832394A JP 21832394 A JP21832394 A JP 21832394A JP 3353483 B2 JP3353483 B2 JP 3353483B2
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propeller shaft
liner
contra
seal ring
propeller
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英章 小林
芳太郎 坂本
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は船舶の推進装置として利
用される二重反転プロペラ装置の外側プロペラ軸と内側
プロペラ軸との環状隙間の気密性を維持するための二重
反転軸シール装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】船舶推進装置としてプロペラが一般的に
用いられているが、現在、船舶の推進性能を向上させる
ために二重反転プロペラ装置が注目されている。
【０００３】二重反転プロペラ装置は、図４に示す如
く、船体外板１に軸受２を介して中空の外側プロペラ軸
３を回転自在に取り付け、該外側プロペラ軸３内に内側
プロペラ軸４を挿通して外側プロペラ軸３内径と内側プ
ロペラ軸４外側との間の環状隙間５に配置した二重反転
軸受６にて支持させ、且つ外側プロペラ軸３と内側プロ
ペラ軸４との間にそれぞれのプロペラ軸３，４を反対方
向に回転駆動させる反転装置７を設けて、図示しない主
機関の動力により、上記外側プロペラ軸３の後端部に固
定された前プロペラ８と内側プロペラ軸４の後端部に固
定された後プロペラ９とをそれぞれ逆向きに回動させる
構成を有し、上記外側プロペラ軸３と内側プロペラ軸４
との環状隙間５には潤滑油を供給して上記二重反転軸受
６を潤滑させるようにしてあり、該潤滑油が外部へ流出
するのを防止する二重反転軸シール装置１０が上記外側
プロペラ軸３の先端部（図では反転装置７内部）に設け
てある。
【０００４】上記二重反転プロペラ装置における従来の
二重反転軸シール装置１０は、図５に示す如く、上記外
側プロペラ軸３の先端部内側面に、上記内側プロペラ軸
４の外径に合わせた大きさのシールリング１２を内部に
取り付けた筒状のケーシング１１を固定し、且つ内側プ
ロペラ軸４の上記ケーシング１１と対応させた位置にフ
ランジ形状をしたライナ１３を固定して、該ライナ１３
の外周面に上記ケーシング１１に取り付けたシールリン
グ１２を嵌合させて外側プロペラ軸３と内側プロペラ軸
４との環状隙間５を密閉するようにしてあり、外側プロ
ペラ軸３及び内側プロペラ軸４の回動に伴い、ケーシン
グ１１に取り付けてあるシールリング１２とライナ１３
とが嵌合された状態のままで摺動されるので、環状隙間
５内部の気密性は保たれる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記二重反
転プロペラ装置における従来の二重反転軸シール装置の
場合、二重反転機構を持たない通常のプロペラ装置に一
般的に用いられているシール装置と比較すると、通常の
プロペラ装置ではシールリングを取り付けたケーシング
はプロペラ軸の保護管に固定されていて不動であるのに
対し、上記従来の二重反転軸シール装置ではシールリン
グを取り付けたケーシングを固定した外側プロペラ軸と
ライナを固定した内側プロペラ軸とがそれぞれ逆向きに
回転駆動されるため、シールリングとライナとの摺動速
度が通常のプロペラ装置の２倍になってしまう。そのた
め、シールリングとライナ外周面との摩擦による発熱が
大きくなって各々の耐久性能や寿命が低下してしまい、
場合によっては損傷する虞も生じる。
【０００６】そこで、本発明は、シールリングとライナ
との摺動速度を従来の半分に抑えて通常のプロペラ装置
と同程度にすることで、二重反転軸シール装置の耐久性
能及び寿命を向上させようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、中空の外側プロペラ軸内に挿通した内側
プロペラ軸を両者間に形成される環状隙間に配置した二
重反転軸受にて支持させ、それぞれのプロペラ軸を逆向
きに回転駆動して外側プロペラ軸後端部に取り付けた前
プロペラと内側プロペラ軸後端部に取り付けた後プロペ
ラとを互に反対方向に回転させるようにしてなる二重反
転プロペラ装置における上記外側プロペラ軸に、内部に
外側シールリングを取り付けた筒状のケーシングを固定
し、上記内側プロペラ軸の上記ケーシングに合わせた位
置に円筒状のライナを嵌合固定し、且つ該ライナと上記
ケーシングに取り付けた外側シールリングとの間に、内
部に内側シールリングを備えた円筒状の中間ライナを上
記外側プロペラ軸及び内側プロペラ軸と同心上に設け
て、該中間ライナの外周面に上記ケーシングに取り付け
られた外側シールリングを、及び該中間ライナの内側シ
ールリングを上記ライナの外周面にそれぞれ嵌合させて
摺動させ、上記中間ライナを支持金具を介して所要の静
止部に固定支持させた構成とする。
【０００８】また、上記中間ライナを上記支持金具によ
る支持に代えて軸受を介して内側プロペラ軸に回転自在
に取り付けてもよい。
【０００９】更に、上記中間ライナを上記支持金具によ
る支持に代えて二重反転軸受としての転り軸受のリテー
ナリングに取付金具を介して取り付けることもできる。
【００１０】
【作用】中間ライナを支持金物を介して所要の静止部に
拘止したので、中間ライナは外側プロペラ軸及び内側プ
ロペラ軸の回転駆動から独立して静止状態を維持される
ことになり、外側プロペラ軸の回転駆動に伴う中間ライ
ナ外周面と外側プロペラ軸先端部に固定したケーシング
に取り付けてある外側シールリングとの摺動速度、及び
内側プロペラ軸の回転駆動に伴う中間ライナに備えてあ
る内側シールリングと内側プロペラ軸に固定したライナ
の外周面との摺動速度のそれぞれが従来の半分、すなわ
ち通常のプロペラ装置と同程度に抑えられる。
【００１１】また、上記中間ライナを軸受を介して内側
プロペラ軸に回転自在に取り付けると、中間ライナ外周
面と上記ケーシングに取り付けた外側シールリングとの
摩擦力とによって中間ライナに生じる回転モーメント
と、中間ライナの内側シールリングと内側プロペラ軸に
固定したライナ外周面との摩擦力とによって中間ライナ
に生じる回転モーメントとがお互いに打ち消し合うの
で、中間ライナは外側プロペラ軸及び内側プロペラ軸の
回転駆動に束縛されず、ほぼ静止した状態に保たれる。
【００１２】更に、二重反転軸受としての転り軸受のリ
テーナリングに取付金具を介して中間ライナを取り付け
ると、中間ライナを内側軸受に取り付けるための軸受を
不要にすることができる。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【００１４】図１は本発明の一実施例を示すもので、図
５に示した外側プロペラ軸３の先端部内側面に固定のケ
ーシング１１内部に取り付けられたシールリング１２
と、内側プロペラ軸４の所要位置に固定されたライナ１
３とを直接嵌合させた状態で摺動させる従来の方式に代
え、ケーシング１１の内部に固定した外側シールリング
１２ａとライナ１３との間に、内部に内側シールリング
１２ｂを内部に備えた中間ライナ１４を介在させたもの
である。
【００１５】すなわち、上記中間ライナ１４は、上記ケ
ーシング１１の内径より幾らか小さい外径と、上記ライ
ナ１３の外径より少し大きい内径を有する中空フランジ
形状とし、且つ外側プロペラ軸３及び内側プロペラ軸４
と同心上に位置させて支持金具１５を介して反転装置７
内部にある所要の静止部１６に拘止し、該中間ライナ１
４の外周面に外側シールリング１２ａを嵌合させると共
に、ライナ１３の外周面に中間ライナ１４の内側シール
リング１２ｂを嵌合させるようにする。
【００１６】本発明の二重反転軸シール装置によれば、
上記中間ライナ１４の外周面と上記ケーシング１１内部
に取り付けられた外側シールリング１２ａとが嵌合さ
れ、且つ中間ライナ１４内部の内側シールリング１２ｂ
と上記ライナ１３との外周面とが嵌合されて外側プロペ
ラ軸３と内側プロペラ軸４との間の環状隙間５を密閉し
て気密性を維持することができるので、隙間５内へ供給
された潤滑油が外部へ流出することはない。
【００１７】また、中間ライナ１４が支持金具１５を介
して所要の静止部１６に固定支持されており、それぞれ
のプロペラ軸３，４の回転駆動から独立して静止状態に
あるので、外側プロペラ軸３の回動に伴う中間ライナ１
４と上記ケーシング１１に取り付けられた外側シールリ
ング１２ａとの摺動速度は通常のプロペラ装置と同程度
に抑えられることになり、更に、中間ライナ１４内部に
取り付けられた内側シールリング１２ｂも静止している
ので、内側プロペラ軸４の回動による内側シールリング
１２ｂと上記ライナ１３との摺動速度も通常のプロペラ
装置並みに抑えられる。
【００１８】次に、図２は本発明の他の実施例を示すも
ので、図１に示した実施例において、ケーシング１１に
取り付けた外側シールリング１２ａと内側プロペラ軸４
に固定したライナ１３との間に介在させた中間ライナ１
４を支持金具１５を介して反転装置７内部の所要の静止
部１６に固定支持させた方式に代えて、該中間ライナ１
４を軸受１７を介して内側プロペラ軸４に回転自在に取
り付けたものである。
【００１９】図２に示した実施例の場合、ケーシング１
１に備えられた外側シールリング１２ａと中間ライナ１
４の外周面との摩擦力により中間ライナ１４に発生する
回転モーメントと、中間ライナ１４に取り付けられた内
側シールリング１２ｂとライナ１３の外周面との摩擦力
によって中間ライナ１４に生じる回転モーメントでは方
向が逆向きで大きさがほぼ等しくなるので、中間ライナ
１４に及ぼされる合成モーメントは零となり、中間ライ
ナ１４はそれぞれのプロペラ軸３，４の回動に束縛され
ずにほとんど静止した状態に保たれる。したがって、図
１に示した実施例と同様に、ケーシング１１の外側シー
ルリング１２ａと中間ライナ１４との摺動速度、及び中
間ライナ１４の内側シールリング１２ｂとライナ１３と
の摺動速度のそれぞれが通常のプロペラ装置と同程度に
抑えられる。
【００２０】次いで、図３は本発明の更に他の実施例を
示すもので、図２に示した実施例における二重反転軸受
６として転り軸受を用いた場合において、該転り軸受の
リテーナリング１８に上記中間ライナ１４を取付金具１
９を介して取り付けたものである。
【００２１】図３の実施例の場合、図２の実施例と同様
の作用効果を得ることができ、更に、図２の実施例で用
いた軸受１７を不要にすることができる。
【００２２】なお、上記実施例ではケーシング１１及び
中間ライナ１４にそれぞれ外側シールリング１２ａ、内
側シールリング１２ｂを一重配置した場合を示したが、
シールリングは二重以上取り付けてもよいこと、その他
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ることは勿論である。
【００２３】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の二重反転軸シ
ール装置によれば、二重反転プロペラ装置の外側プロペ
ラ軸内側面に固定したケーシングに取り付けた外側シー
ルリングと内側プロペラ軸に固定したライナとの間に、
内側シールリングを備えた中間ライナを介在させて、中
間ライナ外周面と上記ケーシングに取り付けた外側シー
ルリング、及び中間ライナに備えてある内側シールリン
グと上記内側プロペラ軸に固定したライナとをそれぞれ
嵌合させ、且つ中間ライナを支持金具を介して所要の静
止部に支持させるか、または軸受により内側プロペラ軸
に回転自在に取り付けるか、あるいは二重反転軸受とし
ての転り軸受のリテーナリングに取付金具を介して取り
付けることにより、外側プロペラ軸及び内側プロペラ軸
の回転駆動によらず中間ライナが静止した状態を保つよ
うにしたので、中間ライナ外周面と上記ケーシングに取
り付けた外側シールリングとの摺動速度、並びに中間ラ
イナの内側シールリングと内側プロペラ軸に固定したラ
イナ外周面との摺動速度のいずれもが、二重反転機構を
持たない通常のプロペラ軸のシール装置における摺動速
度と同程度に抑えられることになり、したがって、各々
の耐久性能や寿命が大幅に改善されて二重反転軸シール
装置の信頼性及び保全性が向上されるという優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の二重反転軸シール装置の一実施例を示
す断面図である。
【図２】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図３】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図４】二重反転プロペラ装置の一例を示す概要図であ
る。
【図５】従来の二重反転軸シール装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】 ３ 外側プロペラ軸 ４ 内側プロペラ軸 ５ 環状隙間 ６ 二重反転軸受 ８ 前プロペラ ９ 後プロペラ １０ 二重反転軸シール装置 １１ ケーシング １２ａ 外側シールリング １２ｂ 内側シールリング １３ ライナ １４ 中間ライナ １５ 支持金具 １６ 静止部 １７ 軸受 １８ リテーナリング １９ 取付金具
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−85498（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−85571（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−84300（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−186826（ＪＰ，Ｕ) 特公 平３−6385（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B63H 5/10 B63H 23/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 中空の外側プロペラ軸内に挿通した内側
    プロペラ軸を両者間に形成される環状隙間に配置した二
    重反転軸受にて支持させ、それぞれのプロペラ軸を逆向
    きに回転駆動して外側プロペラ軸後端部に取り付けた前
    プロペラと内側プロペラ軸後端部に取り付けた後プロペ
    ラとを互に反対方向に回転させるようにしてなる二重反
    転プロペラ装置における上記外側プロペラ軸に、内部に
    外側シールリングを取り付けた筒状のケーシングを固定
    し、上記内側プロペラ軸の上記ケーシングに合わせた位
    置に円筒状のライナを嵌合固定し、且つ該ライナと上記
    ケーシングに取り付けた外側シールリングとの間に、内
    部に内側シールリングを備えた円筒状の中間ライナを上
    記外側プロペラ軸及び内側プロペラ軸と同心上に設け
    て、該中間ライナの外周面に上記ケーシングに取り付け
    られた外側シールリングを、及び該中間ライナの内側シ
    ールリングを上記ライナの外周面にそれぞれ嵌合させて
    摺動させ、上記中間ライナを支持金具を介して所要の静
    止部に固定支持させた構成を有することを特徴とする二
    重反転軸シール装置。
  2. 【請求項２】 上記中間ライナを上記支持金具による支
    持に代えて軸受を介して内側プロペラ軸に回転自在に取
    り付けた請求項１記載の二重反転軸シール装置。
  3. 【請求項３】 上記中間ライナを上記支持金具による支
    持に代えて二重反転軸受としての転り軸受のリテーナリ
    ングに取付金具を介して取り付けた請求項１記載の二重
    反転軸シール装置。
JP21832394A 1994-08-22 1994-08-22 二重反転軸シール装置 Expired - Lifetime JP3353483B2 (ja)

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