JP2591910Y2 - 舶用二重反転プロペラ装置の軸構造 - Google Patents

舶用二重反転プロペラ装置の軸構造

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JP2591910Y2
JP2591910Y2 JP1991093128U JP9312891U JP2591910Y2 JP 2591910 Y2 JP2591910 Y2 JP 2591910Y2 JP 1991093128 U JP1991093128 U JP 1991093128U JP 9312891 U JP9312891 U JP 9312891U JP 2591910 Y2 JP2591910 Y2 JP 2591910Y2
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政利 江田
彰 保志
昇 峠
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、舶用二重反転プロペラ
装置に関し、特にその外軸の軸受部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】中空状の外軸の後端部に前部プロペラを
取付けられるとともに、上記外軸の内部にこれと同芯状
に配設され後端部に後部プロペラを取付けられた内軸と
からなり、上記の内軸と外軸とが互いに反対方向に回転
させられるように構成された舶用二重反転プロペラ装置
が、従来から知られている。
【0003】その1例を図2,図3により説明すると、
図2において、符号1は主機関を示しており、主機関1
の出力軸1aに内軸2を介して後方プロペラ3が直接駆
動されるように接続される一方、反転歯車装置6を介し
て、外軸5とこれに接続された前方プロペラ4とが主機
関1と逆方向に回転するように弾性継手7を介して主機
関の出力軸1aに接続されている。なお弾性継手7は主
機関1の変動トルクから反転歯車装置6の歯面を保護す
るために設けられている。
【0004】内軸2の前端部は、図3に示すようにテー
パ状に形成されて組立てフランジ8と嵌合し、この組立
てフランジ8は主機関1の出力軸1a及び弾性継手本体
7と結合される。符号71は弾性継手の出力軸を示してお
り、反転歯車装置6の入力軸61と結合される。符号61a
は入力軸61に一体形成された太陽歯車を示していて、太
陽歯車61aは遊星歯車63と噛み合う。遊星歯車63はケー
シング9に固定された遊星軸65により支持され、これに
内歯歯車64が噛み合っていて、出力軸67が主機関1と逆
方向に回転するように構成されている。
【0005】入力軸61を軸支すべく一対の入力軸軸受10
a,10bが間隔Lをあけて配設されている。符号68は
出力軸軸受を示し、また符号66は固定リングを示し、固
定リングは複数個で遊星軸65を固定し、かつケーシング
9に固定されたアーム69とも結合することにより、遊星
歯車63の位置を正しく保持するよう機能している。
【0006】ここで、弾性継手本体7の重量は組立てフ
ランジ8と弾性継手の出力軸71とにかかる。一方、出力
軸71と結合された反転歯車装置の入力軸61には太陽歯車
61aが装着されているため、弾性継手本体7の重量によ
り入力軸61が傾斜して太陽歯車61aの歯当りが悪化しな
い様、一対の入力軸軸受10a,10bが装備されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の舶用二重反転プロペラ装置の軸構造では、次の
ような問題点がある。 (1) 弾性継手の重量はかなり大きい為、入力軸の軸受2
個で支持する場合、入力軸軸受の間隔Lを大きくしな
いと、入力軸との傾斜角が大きすぎたり、軸受荷重も大
きくなってしまう。 (2) 太陽歯車と遊星歯車との噛み合い精度すなわち入力
軸軸受の傾斜角は厳しく管理する必要がある。この精度
が悪いと遊星歯車の損傷の原因となり、最悪の場合反転
歯車装置を使用できなくなり、船舶の航行が不能となる
重大事故に至る。しかし上述の2個の入力軸軸受をケー
シングに設計値通りに装着すること及びその装着精度の
確認が難しく、重大事故のリスクをはらんでいる。 (3) 入力軸に入力軸軸受を2個装備するために、結果的
に反転歯車装置の全長L1が大きくなり軸系装置の全長
も長くなってしまう。この場合機関室を大きくし船倉ス
ペースを縮める等の対策も必要となり船の経済性をそこ
なう。又、反転歯車装置自身の重量も増加し、コストも
高くなってしまう。
【0008】本考案はこのような問題点の解決をはかろ
うとするもので、反転歯車装置の入力軸軸受は1個とす
るとともに弾性継手の重量を支える為に弾性継手の出力
軸の前端部内面に軸受を装備し、これを組立てフランジ
に支持させて両軸受間の間隔を大きくしながら反転歯車
装置の全長を小さくできるようにした、舶用二重反転プ
ロペラ装置の軸構造を提供することを目的とする。
【0009】上述の目的を達成するため、本考案の舶用
二重反転プロペラ装置の軸構造は、機関の出力軸に取付
けられた組立てフランジと、同組立てフランジに取付け
られた弾性継手と、前端部が反転歯車装置を介して同弾
性継手に接続され後端部に前部プロペラが取付けられた
中空の外軸と、同中空の外軸の内部に同外軸と同芯的に
配設され前端部が上記組立てフランジを介して上記機関
の出力軸に接続され後端部に後部プロペラが取付けられ
た内軸とを有する舶用二重反転プロペラ装置の軸構造で
あって、上記反転歯車装置の中空の入力軸が、同入力軸
の外周面側における軸方向の1箇所において入力軸軸受
により軸支され同入力軸の先端部において上記弾性継手
の中空の出力軸に接続され、上記弾性継手の中空の出力
軸が、同弾性継手の内周部を同弾性継手の前端へ向けて
貫通し同弾性継手の出力軸の前端寄りの内周面において
軸受を介して上記組立てフランジの内軸支持部の外周面
上に支承されていることを特徴としている。
【0010】
【作用】上述の本考案の舶用二重反転プロペラ装置の軸
構造では、反転歯車装置の入力軸と弾性継手の出力軸と
を支える軸受のスパンを大きくとることが出来る為、歯
車装置の入力軸の傾斜を防止する作用が行なわれ、ま
た、弾性継手の出力軸と組立てフランジとの回転方向お
よび回転数が同一である為、弾性継手の出力軸の内面に
設けられた軸受の性能は十分に確保され、さらにこの軸
受は回転軸を支える摺動部が無いため、焼付き等の事故
の心配がない。
【0011】
【実施例】以下、図面により本考案の一実施例としての
舶用二重反転プロペラ装置の軸構造について説明する
と、図1は軸受部を示す断面図である。なお図1中図2
および図3と同じ符号はほぼ同一の部材を示している。
【0012】この実施例も、後端部に前部プロペラを取
付けられた中空状の外軸5と、外軸5内にこれと同芯状
に配設されるとともに後端部に後部プロペラを取付けら
れた軸2とをそなえ、内軸2と外軸5とが互いに反対
方向に回転駆動されるように構成されている。
【0013】すなわち、後方プロペラ(図示せず)を後
端部に取付けられた内軸2の前端テーパ部が組立てフラ
ンジ8のテーパー部に嵌合され、組立てフランジ8に主
機関の出力軸1a及び弾性継手本体7が結合されてい
る。弾性継手の出力軸71は反転歯車装置6の入力軸61に
結合されると共に、前端内面が軸受10を介して組立てフ
ランジ8に支持されている。
【0014】一端をケーシング9に固定された遊星軸65
で遊星歯車63が支承され、この遊星歯車63は入力軸61の
後端部に形成された太陽歯車61a及び反転歯車装置6の
出力軸67の前端部に形成された内歯歯車64と噛合し、内
歯歯車64は出力軸67を介して外軸5に連結され、前方プ
ロペラ(図示せず)を主機関の出力軸1aと逆方向に回
転駆動させるように構成されている。
【0015】遊星軸65の軸端に固定リング66が装着さ
れ、この固定リング66はアーム69によりケーシング9に
支承されており、遊星歯車63の位置精度を保持してい
る。符号11は入力軸軸受を示しており、従来例の入力軸
軸受10aおよび10bに相当する。
【0016】したがって、この実施例の場合、弾性継手
の出力軸71と反転歯車装置6の入力軸61とが、間隔L0
のもとに配設された2つの軸受10,11で支持されること
になる。間隔L0は従来例(図3参照)の場合の間隔L2
よりはるかに大きいので、出力軸71と入力軸61とを精度
良く支持することが可能となり、その結果太陽歯車61a
と遊星歯車63との噛み合いをスムースに行なわせること
が可能となる。
【0017】又、弾性継手の出力軸71に固定された軸
受10が、これを支承する側となる組立てフランジ8と
同方向に同一回転数で回るため、軸受10に摺動部がな
く、したがって極めて簡単で信頼性の高い軸受が得られ
ることになる。
【0018】さらに、1個の入力軸軸受11で反転歯車
装置の入力軸61を支持する構成であるため、反転歯
車装置の全長を、従来例の場合のL′(図3参照)
に比べてLと短くすることが可能となる。
【0019】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の舶用二重
反転プロペラ装置の軸構造によれば次のような効果ない
し利点が得られる。 (1)反転歯車装置の入力軸軸受と弾性継手の出力軸の
内面の軸受とのスパンを大きくとることが出来る為、弾
性継手の重量が同弾性継手の出力軸にかかっても、反転
歯車装置の入力軸の傾斜すなわち太陽歯車の歯当り悪化
を抑えることが出来る。このため、遊星歯車の噛合い不
良による事故の確率が大きく減り、反転歯車装置の信頼
性が向上する。 (2)反転歯車装置の入力軸軸受が1個で済む為、歯車
装置の全長を大幅に短縮でき、反転歯車装置の重量軽
減、コスト低減に寄与する。更に、軸装置の全体の短縮
化により、主機関の配置が容易となる。
【0020】このため、遊星歯車の噛合い不良による事
故の確率が大きく減り、反転歯車装置の信頼性が向上す
る。 (2) 反転歯車装置の入力軸軸受が1個で済む為、歯車装
置の全長を大幅に短縮でき、反転歯車装置の重量軽減、
コスト低減に寄与する。更に、軸装置の全体の短縮化に
より、主機関の配置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての舶用二重反転プロペ
ラ装置の軸構造の要部断面図である。
【図2】従来の舶用二重反転プロペラ装置の軸構造の模
式側面図である。
【図3】同要部断面図である。
【符号の説明】
1a 機関の出力軸 2 内軸 5 外軸 6 反転歯車装置 7 弾性継手 10 軸受 11 入力軸軸受 61 反転歯車装置の入力軸 71 弾性継手の出力軸

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の出力軸に取付けられた組立てフラ
    ンジと、同組立てフランジに取付けられた弾性継手と、
    前端部が反転歯車装置を介して同弾性継手に接続され後
    端部に前部プロペラが取付けられた中空の外軸と、同中
    空の外軸の内部に同外軸と同芯的に配設され前端部が上
    記組立てフランジを介して上記機関の出力軸に接続され
    後端部に後部プロペラが取付けられた内軸とを有する舶
    用二重反転プロペラ装置の軸構造であって、上記反転歯
    車装置の中空の入力軸が、同入力軸の外周面側における
    軸方向の1箇所において入力軸軸受により軸支され同入
    力軸の先端部において上記弾性継手の中空の出力軸に接
    続され、上記弾性継手の中空の出力軸が、同弾性継手の
    内周部を同弾性継手の前端へ向けて貫通し同弾性継手の
    出力軸の前端寄りの内周面において軸受を介して上記組
    立てフランジの内軸支持部の外周面上に支承されている
    ことを特徴とする、舶用二重反転プロペラ装置の軸構
    造。
JP1991093128U 1991-10-18 1991-10-18 舶用二重反転プロペラ装置の軸構造 Expired - Lifetime JP2591910Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101581530B1 (ko) * 2014-02-17 2015-12-30 현대중공업 주식회사 선박용 추진장치
KR101601471B1 (ko) * 2014-08-22 2016-03-09 현대중공업 주식회사 선박용 추진장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5954399U (ja) * 1982-10-04 1984-04-10 川崎重工業株式会社 2重反転プロペラ
JPS60121191A (ja) * 1984-10-16 1985-06-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶用二重反転プロペラ装置

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