JP3352617B2 - 光記録媒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

光記録媒体の製造方法及び製造装置

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JP3352617B2
JP3352617B2 JP33701097A JP33701097A JP3352617B2 JP 3352617 B2 JP3352617 B2 JP 3352617B2 JP 33701097 A JP33701097 A JP 33701097A JP 33701097 A JP33701097 A JP 33701097A JP 3352617 B2 JP3352617 B2 JP 3352617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体の製造
方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ、ワード
プロセッサ、大型コンピュータシステム等のための外部
記憶装置として、光ディスク等の光記録媒体が急速に普
及しつつある。かかる光記録媒体は、従来より広く用い
られている磁気ディスク等の磁気記録媒体に比べて、記
憶容量が大きく、振動あるいは電磁界などの外乱に対す
る耐久性が高く、かつ寿命が長いなどといった種々の利
点を有している。
【0003】そして、かかる光記録媒体としては、一般
に、再生専用型光記録媒体、追記型光記録媒体及び書換
型光記録媒体があげられるが、これらの中で、追記型光
記録媒体、例えば追記型コンパクトディスク(CD−
R)あるいは追記型デジタルビデオディスク(DVD−
R)は、ユーザーが一度だけ任意の情報の書き込みを行
うことができる一方、該情報が書き換えられるおそれが
ないので、とくに重要な情報の記録・保存に適するとい
った利点がある。
【0004】このような追記型光記録媒体、例えばCD
−Rは、一般におよそ次のような手順で製造される。す
なわち、まず透明なプラスチック材料(例えば、ポリカ
ーボネート樹脂)等を用いて射出成型等により円板形
(ドーナツ形)の基板がつくられる。なお、射出成型時
にこの基板の2つの広がり面のうちの一方の面には、ト
ラッキングガイド用のグルーブ部(溝部)が形成され
る。そして、基板のグルーブ部が形成された方の広がり
面の上に、順次、有機色素を含む記録層と金属材料から
なる反射層とが形成される。さらに、この反射層の上に
紫外線硬化樹脂がスピンコート等により塗布される。そ
して、塗布終了後に紫外線硬化樹脂層に紫外線が照射さ
れ、これにより紫外線硬化樹脂層が硬化させられ、反射
層を保護する保護層となる。なお、DVD−Rの場合
は、反射層の上に紫外線硬化樹脂が接着剤としてスピン
コート等により塗布された後、該接着剤層の上にカバー
基板が配置され、この後カバー基板側から接着剤に紫外
線が照射され、これにより接着剤が硬化してカバー基板
が光記録媒体本体側に接着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
手法で追記型光記録媒体を製造する場合、反射層に、孔
径が数nm〜100μ程度のピンホールが形成されるこ
とがある。そして、このようなピンホールが形成された
反射層の上に紫外線硬化樹脂が塗布されると、紫外線照
射により該紫外線硬化樹脂が硬化させられるまでの間
に、液状の紫外線硬化樹脂がピンホール内に侵入し、さ
らには記録層に侵入することがある。この場合、紫外線
硬化樹脂が記録層の色素を溶かし、あるいはピンホール
による欠陥を拡大させ、これにより完成後における光記
録媒体の品質の重要な指標であるエラーレートを低下
(悪化)させるといった問題が生じる。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、反射層にピンホールが形成さ
れた場合でも、該ピンホールによる欠陥の拡大を防止し
てエラーレートが良好な光記録媒体を得ることができる
手段を提供することを解決すべき課題ないしは目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
なされた本発明の第1の態様は、光を用いて読み出すこ
とが可能な形態で情報を記録する光記録媒体の製造方法
であって、(a)円板形(ドーナツ型)の基板の2つの
広がり面のうちの第1の広がり面の上に、少なくとも有
機色素を含む記録層を形成し、(b)記録層の上に反射
層(例えば、金属材料からなる反射層)を形成し、
(c)反射層の上に紫外線硬化樹脂を塗布する一方、該
紫外線硬化樹脂塗布時に基板の第2の広がり面に紫外線
を照射し、(d)紫外線硬化樹脂の塗布終了後に、基板
の第1の広がり面側から紫外線硬化樹脂に紫外線を照射
して該紫外線硬化樹脂を硬化させることを特徴とするも
のである。なお、記録層及び反射層は、例えば蒸着法、
スパッタ法等により形成することができる。また、紫外
線硬化樹脂の塗布は、例えばスピンコート法等により行
うことができる。
【0008】この光記録媒体の製造方法においては、基
板の第1の広がり面側から紫外線硬化樹脂に紫外線を照
射する際にも、基板の第2の広がり面に紫外線を照射す
るようにしてもよい。この光記録媒体の製造方法は、と
くに記録層に光を照射することにより一度だけ情報の書
き込みが可能な追記型光記録媒体の製造に適するもので
ある。かかる追記型光記録媒体としては、コンパクトデ
ィスク(CD−R)、デジタルビデオディスク(DVD
−R)等があげられる。なお、CD−Rの場合は、紫外
線硬化樹脂は、硬化後には反射層を保護する保護層とな
る。また、DVD−Rの場合は、紫外線硬化樹脂は、硬
化後にはカバー基板を光記録媒体本体側に接着させる接
着層となる。この光記録媒体の製造方法においては、記
録層を形成した後、該記録層の上に記録補助層(中間
層)を形成し、該記録補助層の上に反射層を形成するよ
うにしてもよい。なお、以下では便宜上、光記録媒体の
厚み方向にみて第1の広がり面側を「表側」といい、第
2の広がり面側を「裏側」という。
【0009】本発明にかかる光記録媒体の製造方法にお
いては、紫外線硬化樹脂の塗布時に基板の裏側に紫外線
が照射されるが、ここで反射層にピンホールが形成され
ている場合、該紫外線の一部がピンホールを通って反射
層の上の紫外線硬化樹脂に到達する。これにより、ピン
ホールの表側端部近傍の紫外線硬化樹脂が硬化させられ
る。このため、ピンホールの表側開口部は硬化した紫外
線硬化樹脂によって閉止され、液状の紫外線硬化樹脂は
ピンホール内に侵入しない。このように、反射層にピン
ホールが形成されている場合でも、液状の紫外線硬化樹
脂のピンホールへの侵入が防止されるので、該ピンホー
ルによる欠陥の拡大が防止され、該光記録媒体のエラー
レートが良好となる。
【0010】また、本発明の第2の態様は、光を用いて
読み出すことが可能な形態で情報を記録する光記録媒体
の製造装置であって、(a)円板形の基板の2つの広が
り面のうちの第1の広がり面の上に、少なくとも有機色
素を含む記録層を形成する記録層形成装置と、(b)記
録層の上に、反射層(例えば、金属材料からなる反射
層)を形成する反射層形成装置と、(c)反射層の上に
紫外線硬化樹脂を塗布する紫外線硬化樹脂塗布装置と、
(d)紫外線硬化樹脂塗布時に、基板の第2の広がり面
に紫外線を照射する副紫外線照射装置と、(e)紫外線
硬化樹脂の塗布終了後に、基板の第1の広がり面側から
紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して該紫外線硬化樹脂を
硬化させる主紫外線照射装置とが設けられていることを
特徴とするものである。なお、記録層形成装置及び反射
層形成装置としては、例えば蒸着装置、スパッタ装置等
を用いることができる。また、紫外線硬化樹脂塗布装置
としては、例えばスピンコート装置等を用いることがで
きる。
【0011】この光記録媒体の製造装置においては、副
紫外線照射装置が、主紫外線照射装置によって基板の第
1の広がり面側から紫外線硬化樹脂に紫外線が照射され
る際にも、基板の第2の広がり面に紫外線を照射するよ
うになっていてもよい。この光記録媒体の製造装置は、
とくに記録層に光を照射することにより一度だけ情報の
書き込みが可能な追記型光記録媒体の製造に適するもの
である。かかる追記型光記録媒体としては、前記の光記
録媒体の製造方法の場合と同様に、コンパクトディスク
(CD−R)、デジタルビデオディスク(DVD−R)
等があげられる。この光記録媒体の製造装置において
は、記録層の上に記録補助層を形成する記録補助層形成
装置が設けられ、反射層形成装置が、記録補助層の上に
反射層を形成するようになっていてもよい。
【0012】この光記録媒体の製造装置においては、紫
外線硬化樹脂の塗布時に基板の裏側に紫外線が照射され
るが、ここで反射層にピンホールが形成されている場
合、該紫外線の一部がピンホールを通って反射層の上の
紫外線硬化樹脂に到達する。これにより、ピンホールの
表側端部近傍の紫外線硬化樹脂が硬化させられる。この
ため、ピンホールの表側開口部は硬化した紫外線硬化樹
脂によって閉止され、液状の紫外線硬化樹脂はピンホー
ル内に侵入しない。このように、反射層にピンホールが
形成されている場合でも、液状の紫外線硬化樹脂のピン
ホールへの侵入が防止されるので、該ピンホールによる
欠陥の拡大が防止され、該光記録媒体のエラーレートが
良好となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。まず、本発明にかかるCD−R(追記型
コンパクトディスク)の製造方法ないしは製造装置を説
明する。図1(a)に示すように、本発明にかかるCD
−Rの製造においては、まず実質的に透明なプラスチッ
ク材料、例えばポリカーボネート樹脂等を用いて、射出
成型等により、円板形(ドーナツ形)の基板1(図2参
照)がつくられる(ステップS1)。なお、基板1の形
状ないしは品質(例えば、外径、内径、厚み、反り、偏
芯、面振れ、複屈折特性等)は、普通のCD−Rの場合
と同様である。
【0014】図2及び図3に示すように、この基板成型
工程(ステップS1)においては、基板1の表側広がり
面にスパイラル状のトラッキングガイド用のグルーブ部
2(溝部)が形成される。なお、基板1の裏側広がり面
は平坦である。このグルーブ部2は、基板径方向に切断
した断面が台形(溝底側が狭い)をなすように形成さ
れ、そのトラックピッチ(基板径方向のピッチ)はおお
むね1.6μm程度に設定されている。なお、基板径方
向にみて、隣り合う2つのグルーブ部2の間にはランド
部3が形成されている。ここで、グルーブ部2の深さ
は、おおむね0.03〜0.08μm程度に設定され、グ
ルーブ部2の幅(基板径方向の幅)は、深さが中位の位
置でおおむね0.3〜0.6μm程度に設定されている。
なお、基板1の厚さは、おおむね1.2mm程度に設定
されている。
【0015】次に、基板1の表側広がり面、すなわちグ
ルーブ部2が形成されている方の広がり面の上に、記録
層が形成され(ステップS2)、さらにこの記録層の上
に反射層が形成される(ステップS3)。図4に示すよ
うに、記録層及び反射層は、それぞれ、真空処理装置4
内の所定の処理室で形成される。この真空処理装置4に
は、前処理室5と、記録層形成室6と、反射層形成室7
とが設けられている。ここで、真空処理装置4内は、お
おむね10-3Torrよりも低圧(高真空側)に保持されて
いる。なお、この圧力は、10-4Torrよりも低くするの
がとくに好ましい。
【0016】かくして、基板搬入部8に置かれた基板1
は、順次、前処理装置9を備えた前処理室5と、色素蒸
着装置10を備えた記録層形成室6と、金属蒸着装置1
1を備えた反射層形成室7とに搬送されて所定の処理が
施され、この後基板搬出部12に取り出される。具体的
には、前処理室5では、前処理装置9により、基板1の
表側広がり面に、記録層の基板1への付着性を高めるた
めの前処理が施される。そして、記録層形成室6では、
色素蒸着装置10により、前処理が施された基板1の表
側広がり面に有機色素が蒸着され、これにより有機色素
からなる記録層が形成される。
【0017】図5に示すように、記録層形成室6内に配
置された色素蒸着装置10には、色素容器13と、該色
素容器13内に収容された有機色素14を加熱する電気
ヒーター15とが設けられている。そして、電気ヒータ
ー15によって加熱された有機色素14は気化(昇華)
して有機色素蒸気16となる、この有機色素蒸気16は
記録層形成室6内で拡散し、その一部は、ほぼ室温に保
持されている基板1の表側広がり面上で冷却されて固体
化(蒸着)し、該表側広がり面に固着した記録層17と
なる。詳しくは図示していないが、基板1は基板ホルダ
によって保持され、記録層17の厚さを均一化するため
に該基板ホルダによって自転させられるようになってい
る。なお、基板1を自転させるとともに、公転させるよ
うにしてもよい。
【0018】ここで、記録層17の厚さは、おおむね1
0〜300nm程度に設定される。このような厚さの記
録層17を蒸着させるのに要する時間は、おおむね数秒
〜数十秒程度である。なお、記録層形成室6内には、記
録層17の厚さを監視するための膜厚モニタ18が設け
られている。かかる膜厚モニタ18としては、例えば水
晶振動子モニタ、光学モニタ等を用いることができる。
【0019】この記録層17の形成工程において、有機
色素14は、一般には100〜500°C程度、大抵は
200〜400°C程度に加熱されて気化ないしは昇華
する。ここで、有機色素14は、CD−Rの記録層材料
として一般に用いられている有機色素であればよく、例
えばフタロシアニン系、ナフタロシアニン系、スクアリ
リウム系、コロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノ
ン系、アントラキノン系、キサンテン系、トリフェニル
メタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナ
ナスレン系、トリフェノチアゾン系、アゾ系あるいはポ
リメチン系の有機色素材料等を用いることができる。
【0020】なお、ここでは有機色素14の加熱源とし
て電気ヒーター15を用いているが、この加熱源は当該
技術分野で用いられているものであればどのようなもの
でも用いることができる。例えば、光ないしは赤外線の
輻射を利用した加熱源を用いることができる。また、こ
のような色素蒸着装置10ではなく、スパッタ装置を用
いて記録層17を形成するようにしてもよい。さらに
は、大気中において、スピンコート法等で有機色素溶液
を塗布して記録層17を形成してもよい。
【0021】このようにして記録層17が形成された
後、基板1は反射膜形成室7に搬送され、金属蒸着装置
11により、記録層17の上に金属材料が蒸着され、反
射層20が形成される。なお、金属蒸着装置11は、一
般に用いられている普通の金属蒸着装置であるので、そ
の詳しい説明は省略する。この反射層形成工程におい
て、金属材料としては、例えば金(Au)、銀(A
g)、アルミニウム(Al)などの反射率の高い金属が
用いられる。なお、このような金属蒸着装置11ではな
く、スパッタ装置を用いて反射層20を形成するように
してもよい。
【0022】このように、基板1の表側広がり面に記録
層17と反射層20とが形成された後、該反射層20の
上に保護層が形成される(ステップS4)。以下、この
保護層の具体的な形成手法を説明する。図6(a)に示
すように、この保護層形成工程では、まず紫外線硬化樹
脂塗布機21を用いて、基板1の表側広がり面上に形成
された反射層20の上に紫外線硬化樹脂22が塗布され
る(工程T1)。
【0023】次に、反射層20の上に紫外線硬化樹脂2
2が塗布された基板1が、その中心軸まわりに矢印Y1
で示すように回転(自転)させられ、余剰の紫外線硬化
樹脂22が除去されて反射層20の上にほぼ均一な厚さ
の紫外線硬化樹脂層22が形成される(工程T2)。つ
まり、反射層20の上にスピンコートにより紫外線硬化
樹脂層22が形成される。紫外線硬化樹脂層22の厚さ
は、おおむね2〜10μm程度である。そして、この工
程T2では、基板1の裏側広がり面、すなわちグルーブ
部2(図3参照)が形成されていない方の広がり面に紫
外線が照射される。
【0024】このように、基板1の裏側広がり面に紫外
線を照射するのは、万一反射層20にピンホールが形成
されている場合でも、液状の紫外線硬化樹脂22がピン
ホール内に侵入し、さらには記録層17に侵入して、こ
れにより完成後におけるCD−Rのエラーレートが低下
するのを防止するためである。なお、基板1の裏側広が
り面への紫外線照射を開始するタイミングは、反射層2
0にピンホールが形成されている場合において、液状の
紫外線硬化樹脂22がピンホールに侵入し始める時点よ
りも早くなければならない。以下、基板1の裏側広がり
面に紫外線を照射することにより、万一反射層20にピ
ンホールが形成されている場合でも、液状の紫外線硬化
樹脂22のピンホールへの侵入を有効に防止することが
できる理由ないしはメカニズムを説明する。
【0025】図7(a)に示すように、反射層20にピ
ンホール26が形成されている場合において、基板1の
裏側広がり面に紫外線が照射されると、この紫外線の一
部は、基板1と記録層17とを透過した後、ピンホール
26内を通って反射層20の上の紫外線硬化樹脂層22
に到達する。なお、反射層20は、ピンホール26以外
の部分では紫外線をほとんで透過させない。その結果、
ピンホール26の表側端部近傍の紫外線硬化樹脂27が
硬化させられ、この硬化した固体の紫外線硬化樹脂27
が該ピンホール26の表側開口部を閉止(封止)する。
これにより、液状の紫外線硬化樹脂22がピンホール2
6内に侵入するのが防止される。なお、反射層20にピ
ンホール26が形成されている場合において、紫外線硬
化樹脂22の物性等により、液状の紫外線硬化樹脂22
がピンホール26に侵入し始める時期が、紫外線硬化樹
脂層22の形成が完了する時点よりも遅くなると予測さ
れる特別の状況がある場合は、該工程T2の終了後に、
基板1の裏側広がり面への紫外線照射を開始するように
してもよい。
【0026】このように、反射層20にピンホール26
が形成されている場合でも、液状の紫外線硬化樹脂22
のピンホール26への侵入が防止されるので、該ピンホ
ール26による欠陥の拡大が防止され、完成後における
CD−Rのエラーレートが良好となる。そして、基板1
の反射層20の上に紫外線硬化樹脂層22が形成された
後、基板1の表側から紫外線硬化樹脂層22に紫外線が
照射される(工程T3)。かくして、図8(a)に示す
ように、該紫外線硬化樹脂層22が硬化させられて、反
射層20等を保護する保護層22となる。なお、この工
程T3でも、基板1の裏側広がり面への紫外線照射が行
われるが、この裏側広がり面への紫外線照射は省略して
もよい。
【0027】このように、保護層22が形成された後、
該CD−Rに対してインライン検査が行われ(ステップ
S5)、検査結果が良好であれば該CD−Rに、印刷、
組み立て、包装等の後処理が施され(ステップS6)、
この後出荷される。
【0028】以下、本発明にかかるDVD−R(追記型
デジタルビデオディスク)の製造方法ないしは製造装置
を説明する。なお、このDVD−Rの製造方法ないしは
製造装置は、大半が前記のCD−Rの製造方法ないしは
製造装置と共通であるので、説明の重複を避けるため、
以下では主として前記のCD−Rの製造の場合と異なる
点について説明する。
【0029】図1(b)に示すように、本発明にかかる
DVD−Rの製造においては、CD−Rの製造の場合と
ほぼ同様に、射出成型により基板1がつくられ(ステッ
プS11)、この基板1の表側広がり面の上に記録層1
7が形成され(ステップS12)、さらに記録層17の
上に反射層20が形成される(ステップS13)。ただ
し、DVD−Rの場合は、基板1の厚さは、CD−Rの
場合(1.2mm)よりも薄く、0.6mm程度に設定さ
れる。これは、DVD−Rの場合は、後記のとおり、基
板1(反射層20)の表側に厚さが0.6mm程度のカ
バー基板25(図8(b)参照)が接着されるので、該
DVD−R全体としての厚さを1.2mm程度に抑える
ためである。また、トラックピッチは、CD−Rの場合
(1.6μm)の場合よりも小さく、0.74μm程度に
設定される。
【0030】DVD−Rの製造の場合は、基板1の表側
広がり面の上に記録層17と反射層20とが形成された
後、反射層20の上に接着層が形成され(ステップS1
4)、この接着層の上にカバー基板25(図8(b)参
照)が接着される(ステップS15)。以下、DVD−
Rの製造における接着層形成工程とカバー基板接着工程
とについて具体的に説明する。
【0031】図6(b)に示すように、この場合、まず
接着剤塗布機23を用いて、基板1の表側広がり面上に
形成された反射層20の上に、紫外線硬化樹脂からなる
接着剤24が塗布される(工程T11)。
【0032】次に、基板1の表側広がり面(接着剤層2
4)の上にカバー基板25が載せられる(工程T1
2)。続いて、接着剤層24を介して互いに密着してい
る基板1とカバー基板25とが、その中心軸まわりに矢
印Y2で示すように回転(自転)させられ、余剰の接着
剤24が除去されるとともに、接着剤層24の厚さが調
整される。これにより、基板1とカバー基板25との間
に、おおむね30〜70μm程度の厚さの接着剤層24
が形成される(工程T13)。
【0033】ここで、接着剤層24を形成しないしはそ
の厚さを調整する工程T13では、基板1の裏側広がり
面、すなわちグルーブ部2(図3参照)が形成されてい
ない方の広がり面に紫外線が照射される。このように、
基板1の裏側広がり面に紫外線を照射するのは、前記の
CD−Rの製造の場合と同様の理由による。すなわち、
図7(b)に示すように、反射層20にピンホール28
が形成されている場合において、基板1の裏側広がり面
に紫外線が照射されると、この紫外線の一部は、基板1
と記録層17とを透過した後、ピンホール28内を通っ
て反射層20の上の接着剤層24に到達する。その結
果、ピンホール28の表側端部近傍の接着剤29が硬化
させられ、この硬化した固体の接着剤29が該ピンホー
ル28の表側開口部を閉止(封止)する。これにより、
液状の接着剤24がピンホール28内に侵入するのが防
止される。なお、反射層20にピンホール28が形成さ
れている場合において、接着剤24の物性等により、液
状の接着剤24がピンホール28に侵入し始める時期
が、接着剤層24の形成が完了する時点よりも遅くなる
と予測される特別の状況がある場合は、該工程T12の
終了後に、基板1の裏側広がり面への紫外線照射を開始
するようにしてもよい。
【0034】このように、反射層20にピンホール28
が形成されている場合でも、液状の接着剤24のピンホ
ール28への侵入が防止されるので、該ピンホール28
による欠陥の拡大が防止され、完成後におけるDVD−
Rのエラーレートが良好となる。
【0035】このようにして、基板1とカバー基板25
との間の接着剤層24の厚さが調整された後、カバー基
板25側から接着剤層24に紫外線が照射される(工程
T14)。かくして、図8(b)に示すように、該接着
剤層24が硬化させられ、カバー基板25が基板1(D
VD−R本体側)に接着される。なお、この工程T14
でも、基板1の裏側広がり面への紫外線照射が行われる
が、この裏側広がり面への紫外線照射は省略してもよ
い。
【0036】このように、カバー基板25が基板1に接
着された後、該DVD−Rに対してインライン検査が行
われ(ステップS16)、検査結果が良好であれば、該
DVD−Rに、印刷、組み立て、包装等の後処理が施さ
れ(ステップS17)、この後出荷される。
【0037】以上、本発明によれば、反射層にピンホー
ルが形成されている場合でも、該ピンホールによる欠陥
の拡大を防止することができ、エラーレートが良好な光
記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明にかかるCD−Rの製造工程
を示すフローチャートであり、(b)は本発明にかかる
DVD−Rの製造工程を示すフローチャートである。
【図2】 CD−RないしはDVD−Rの基板の斜視図
である。
【図3】 図2に示す基板を基板径方向に切断した縦断
面を示す断面図である。
【図4】 基板の表側広がり面に記録層及び反射層を形
成する真空処理装置の模式図である。
【図5】 図4に示す真空処理装置の記録層形成室の模
式図である。
【図6】 (a)はCD−Rの製造における保護層の形
成手順を示す図であり、(b)はDVD−Rの製造にお
ける接着剤層の形成手順及びカバー基板の接着手順を示
す図である。
【図7】 (a)は裏側広がり面に紫外線が照射されて
いる状態においてCD−Rの基板を基板径方向に切断し
た縦断面を示す断面図であり、(b)は裏側広がり面に
紫外線が照射されている状態においてDVD−Rの基板
を基板径方向に切断した縦断面を示す断面図である。
【図8】 (a)は保護層形成後においてCD−Rを基
板径方向に切断した縦断面を示す断面図であり、(b)
はカバー基板接着後においてDVD−Rを基板径方向に
切断した縦断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…グルーブ部、3…ランド部、4…真空処
理装置、5…前処理室、6…記録層形成室、7…反射層
形成室、8…基板搬入部、9…前処理室装置、10…色
素蒸着装置、11…金属蒸着装置、12…基板搬出部、
13…色素容器、14…有機色素、15…電気ヒータ
ー、16…有機色素蒸気、17…記録層、18…膜厚モ
ニタ、20…反射層、21…紫外線硬化樹脂塗布機、2
2…紫外線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂層、保護層)、2
3…接着剤塗布機、24…接着剤(接着剤層)、25…
カバー基板、26…ピンホール、27…硬化した紫外線
硬化樹脂、28…ピンホール、29…硬化した接着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−10348(JP,A) 特開 昭62−164242(JP,A) 特開 平2−40146(JP,A) 特開 平2−21438(JP,A) 特開 平5−159394(JP,A) 特開 昭57−12857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を用いて読み出すことが可能な形態で
    情報を記録する光記録媒体の製造方法であって、 円板形の基板の2つの広がり面のうちの第1の広がり面
    の上に、少なくとも有機色素を含む記録層を形成し、 上記記録層の上に反射層を形成し、 上記反射層の上に紫外線硬化樹脂を塗布する一方、該紫
    外線硬化樹脂塗布時に上記基板の第2の広がり面に紫外
    線を照射し、 紫外線硬化樹脂の塗布終了後に、上記基板の第1の広が
    り面側から上記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して該紫
    外線硬化樹脂を硬化させることを特徴とする光記録媒体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記基板の第1の広がり面側から上記紫
    外線硬化樹脂に紫外線を照射する際にも、上記基板の第
    2の広がり面に紫外線を照射することを特徴とする、請
    求項1に記載された光記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記光記録媒体が、上記記録層に光を照
    射することにより一度だけ情報の書き込みが可能な追記
    型光記録媒体であることを特徴とする、請求項1又は2
    に記載された光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記光記録媒体がコンパクトディスクで
    あって、上記紫外線硬化樹脂が、硬化後に上記反射層を
    保護する保護層となることを特徴とする、請求項3に記
    載された光記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記光記録媒体がデジタルビデオディス
    クであって、上記紫外線硬化樹脂が、硬化後にカバー基
    板を光記録媒体本体側に接着させる接着層となることを
    特徴とする、請求項3に記載された光記録媒体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 光を用いて読み出すことが可能な形態で
    情報を記録する光記録媒体の製造装置であって、 円板形の基板の2つの広がり面のうちの第1の広がり面
    の上に、少なくとも有機色素を含む記録層を形成する記
    録層形成装置と、 上記記録層の上に反射層を形成する反射層形成装置と、 上記反射層の上に紫外線硬化樹脂を塗布する紫外線硬化
    樹脂塗布装置と、 紫外線硬化樹脂塗布時に、上記基板の第2の広がり面に
    紫外線を照射する副紫外線照射装置と、 紫外線硬化樹脂の塗布終了後に、上記基板の第1の広が
    り面側から上記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して該紫
    外線硬化樹脂を硬化させる主紫外線照射装置とが設けら
    れていることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 上記副紫外線照射装置が、上記主紫外線
    照射装置によって上記基板の第1の広がり面側から上記
    紫外線硬化樹脂に紫外線が照射される際にも、上記基板
    の第2の広がり面に紫外線を照射するようになっている
    ことを特徴とする、請求項6に記載された光記録媒体の
    製造装置。
  8. 【請求項8】 上記光記録媒体が、上記記録層に光を照
    射することにより一度だけ情報の書き込みが可能な追記
    型光記録媒体であることを特徴とする、請求項6又は7
    に記載された光記録媒体の製造装置。
  9. 【請求項9】 上記光記録媒体がコンパクトディスクで
    あって、上記紫外線硬化樹脂が、硬化後に上記反射層を
    保護する保護層となることを特徴とする、請求項8に記
    載された光記録媒体の製造装置。
  10. 【請求項10】 上記光記録媒体がデジタルビデオディ
    スクであって、上記紫外線硬化樹脂が、硬化後にカバー
    基板を光記録媒体本体側に接着させる接着層となること
    を特徴とする、請求項8に記載された光記録媒体の製造
    装置。
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