JP3351007B2 - 非晶性ポリアミド樹脂及びその製造法 - Google Patents

非晶性ポリアミド樹脂及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低湿度及び高湿度下で
のガスバリヤー性に優れ、かつ透明性、成形性更には機
械的特性に優れた非晶性ポリアミド及びその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガスバリヤー性に優れた材料とし
て、ハロゲンを含有するポリビニリデン・ジクロライド
やポリ塩化ビニルの代替材料であるエチレン・ビニルア
ルコール共重合体(EVOH)が使用されているが、E
VOHは成形時の熱安定性が悪く、高湿度下ではバリヤ
ー性が低下する等の問題があった。そこで、高湿度下で
もバリヤー性が低下しない材料が望まれていた。
【0003】ガスバリヤー性に優れた樹脂としては、他
にメタキシリレンジアミンとアジピン酸とからなるポリ
アミド樹脂(MXD・6)が知られているが(特開昭5
8−111829)、この樹脂も高湿度下ではガスバリ
ヤー性が低下し、また、結晶性であるため溶融に高温を
要し、ポリプロピレン等の低融点材料との共押出成形に
おいては好適な材料ではなかった。更に、このようなメ
タキシリレンジアミン含有ポリアミドは重合中に副反応
としてメタキシリレンジアミン2量体を生じやすく、こ
れを架橋点としてゲル化しやすいことが知られている
(特公昭35−7596)。
【0004】特開昭48−36296に挙げられる、メ
タキシリレンジアミン、イソフタル酸及びアジピン酸か
らなるポリアミド樹脂は、高湿度下でも高いガスバリヤ
ー性を有し、かつ非晶性であるため、成形温度を低くで
きるため、成形等には有用である。しかしながら、重合
時には、結晶性ポリマーの場合と同様に240℃よりは
るかに高い温度(約270℃)が必要であり、該温度で
はメタキシリレンジアミンの2量化を抑制することが困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような架橋点であ
るメタキシリレンジアミンの2量体が副生すると、特
に、重合反応を繰り返し行なう場合、また、スケールア
ップに伴い全体の重合時間が延長した場合等には、極端
に劣化反応が進行し、ゲル化により流動性がなくなる等
の現象が生じる。そこで、高湿度下においても高いガス
バリヤー性を有するポリアミド樹脂を、メタキシリレン
ジアミン2量体をほとんど副生しない製法を用いて、工
業的に安定した生産を行なうための改善が強く求められ
ていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、特定の成分からなるポリアミ
ド樹脂が高湿度下でも高いガスバリヤー性を有するこ
と、また、該ポリアミド樹脂を熱的に安定に製造する方
法を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要
旨は(1)メタキシレンジアミンと(2)(a)少なく
とも1種の炭素数7〜20の芳香族ジカルボン酸又はそ
の誘導体と(b)少なくとも1種の炭素数5〜20の飽
和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体からなる混合物で
あって、(a)と(b)の合計に対する(b)の割合が
10〜60モル%であるジカルボン酸類混合物との重縮
合により得られる非晶性ポリアミドにおいて、架橋点の
割合が、 1H−NMR分析で全ジアミン単位の1モル%
以下であることを特徴とする非晶性ポリアミド樹脂及び
その製造法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける非晶性ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分と
しては、メタキシリレンジアミンが用いられる。また、
ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸類と、
脂肪族ジカルボン酸類からなる混合物が用いられる。
【0008】芳香族ジカルボン酸類としては、7〜20
個の炭素原子、好ましくは8〜14個の炭素原子を有す
るジカルボン酸又はその誘導体が用いられ、特に、メタ
位にカルボキシル基を有する一環状ジカルボン酸類が好
適である。具体的には、イソフタル酸、2,5−ピリジ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、
1,4−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナフタリン
ジカルボン酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸等が挙げられ、
中でも、イソフタル酸が好ましい。
【0009】これらの芳香族ジカルボン酸類は単独で使
用しても混合物として使用しても良い。脂肪族ジカルボ
ン酸類としては、5〜20個の炭素原子、好ましくは6
〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸又はその誘導
体が使用される。具体的には、アジピン酸、2−メチル
グルタル酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セ
バシン酸又は1,10−デカンジカルボン酸等が挙げら
れるが、特にアジピン酸が好ましい。これらの脂肪族ジ
カルボン酸類は単独で用いても混合物として使用しても
良い。芳香族ジカルボン酸又は/及び脂肪族ジカルボン
酸の誘導体としては、低級アルコールとのエステル等が
用いられる。
【0010】全ジカルボン酸成分に対する脂肪族ジカル
ボン酸の割合は、10〜60モル%、好ましくは40〜
60モル%である。脂肪族ジカルボン酸の割合が10モ
ル%より少いと、得られるポリアミド樹脂のガスバリヤ
ー性が極端に低下し、ガスバリヤー材料としては適当で
はない。また60モル%より多い場合には、得られるポ
リアミド樹脂は結晶性を示すようになるため、製造に際
し重縮合温度を250℃以上にしなければならず、この
ように重縮合温度が高くなると、劣化反応が顕著となる
ため安定な製造が困難となり、好ましくない。
【0011】一般に、ジアミン成分としてメタキシリレ
ンジアミンを含有するポリアミドは、脂肪族ジアミンを
含有するポリアミドと比較して非常に副反応を起こしや
すく、着色、ゲル化などの劣化反応が進行しやすいこと
が知られている。これらの従来より公知である非晶性ポ
リアミドは、架橋点であるメタキシリレンジアミン2量
体の生成割合が全ジアミン単位の約2モル%と高いもの
であるが、本発明においては、この架橋点の生成が該ポ
リアミドの流動性低下、つまり、樹脂の劣化に関連する
ことを見い出した。更には、この架橋点を1モル%以下
に抑えることにより、劣化反応に対し優れた効果を有す
ることについて知見を得、特定条件下で重縮合させるこ
とによってこのような非晶性ポリアミドの提供を可能と
したものである。
【0012】すなわち、本発明により得られた非晶性ポ
リアミドの架橋点の割合は、 1H−NMRを用いた分析
によれば全ジアミン単位の1モル%以下である。架橋点
が1モル%を超えると、成形時の流動性が悪化し、また
重合の繰り返しあるいはスケールアップを行う際に、架
橋点の増加を招き、最終的には流動しない状態(ゲル
化)となるので好ましくない。
【0013】また、本発明におけるポリアミドの数平均
分子量は、5,000〜20,000、好ましくは7,
000〜15,000の範囲である。本発明におけるポ
リアミド樹脂は、溶融重合法により製造される。すなわ
ち(1)メタキシリレンジアミンと(2)芳香族ジカル
ボン酸又はその誘導体と飽和脂肪族ジカルボン酸又はそ
の誘導体とのジカルボン酸類混合物からなる中性塩(以
下、「ナイロン塩」と称する。)の水溶液を、加圧下に
昇温、濃縮し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状
態において重合させる方法が用いられる。
【0014】本発明のポリアミド樹脂の製造において、
特に適した方法は、以下の4工程からなる。すなわち、
(1)ナイロン塩水溶液を調製し、(2)この水溶液を
2〜4kg/cm2 ・Gの内圧に保ちながら、水分を蒸
発させて85重量%以上、95重量%未満の濃度まで濃
縮し、(3)内圧を2kg/cm2 ・G以下に減圧した
状態で、200℃以上、240℃未満の温度に加熱し
て、更に濃縮縮合させて低重合体を合成し、(4)温度
200〜240℃、内圧2kg/cm2 ・G以下に保っ
たまま、更に縮合水を取り除きながら高重合体を合成す
る工程からなる。
【0015】工程(1)では、メタキシリレンジアミン
と前述の芳香族ジカルボン酸類と飽和脂肪族ジカルボン
酸類とのジカルボン酸類混合物からなるナイロン塩を、
窒素で充分に脱気された水に加え、撹拌、溶解する。得
られた塩水溶液は着色していないことが好ましく、濃度
40重量%におけるAPHA値は50以下、好適には4
0以上、更に好ましくは30以下である。
【0016】溶解に用いられる水は窒素雰囲気下で脱気
されていることが必要であるが、酸素除去が不充分な場
合には塩水溶液は黄色に着色し(APHA値50以
上)、得られるポリアミドも着色してしまう。このよう
に着色した塩水溶液から得られるポリアミド樹脂は、無
着色の塩水溶液から得られるポリアミド樹脂に比べ、メ
タキシリレンジアミン2量体の含有量が多く、極端にゲ
ル化しやすくなるため好ましくない。
【0017】塩水溶液の濃度は、該ナイロン塩の溶解度
曲線から、40%〜50%(70℃〜80℃)程度であ
ることが、工業化においても好適である。尚、ナイロン
塩水溶液には酢酸等の重合度調節剤あるいは亜燐酸等の
酸化防止剤等を添加しても良い。工程(2)において
は、工程(1)で調製されたナイロン塩水溶液を充分に
窒素置換されたオートクレーブ内に仕込み、加熱昇温す
る。具体的には、オートクレーブの内圧が2〜4kg/
cm2 ・Gに達した時点で、バルブを開栓し、内圧を2
〜4kg/cm2 ・Gに保ったまま水分を徐々に除去す
る。この間、昇温を続け、塩の濃度が85重量%以上、
95重量%未満になるまで濃縮する。
【0018】この際、2kg/cm2 ・Gよりも低い内
圧で濃度80重量%以上まで濃縮した場合には、濃縮途
中で塩が析出してしまい、得られたポリアミド樹脂はヘ
ーズのかかったものとなり、好ましくない。これは、本
発明によるポリアミド樹脂においては、脂肪族ジカルボ
ン酸の反応性が芳香族ジカルボン酸の反応性よりもかな
り大きいため、濃縮工程で脂肪族ジカルボン酸1分子
と、メタキシリレンジアミン2分子とが反応して新たな
ジアミンが生成し、このジアミンと、芳香族ジカルボン
酸により新たな塩を形成することによる。そして、この
新たに形成された塩は、初期のナイロン塩に比べて溶解
度がかなり小さいために、析出を起こしやすい。従っ
て、2kg/cm2 ・G以上の内圧で濃縮を行い、当該
塩の過飽和域を回避する必要がある。
【0019】また、内圧が4kg/cm2 ・Gより高い
と、濃縮終了時の温度を高くしなければならず、この場
合メタキシリレンジアミンの2量化が促進されるので好
ましくない。工程(3)においては、オートクレーブの
バルブを徐々に開いて減圧し、内圧を2kg/cm2
G以下にする。通常、6ナイロンもしくは6,6ナイロ
ンを重合する場合には、濃縮工程後は、加圧下で反応を
行わせるが、本ポリアミド樹脂の場合には、加圧条件下
ではメタキシリレンジアミン2量体の生成が促進され、
しかもその傾向は塩濃度が90〜100重量%時に特に
顕著に現われる。このため、ナンロン塩を約90重量%
まで濃縮したのちは速やかに脱圧するのが好ましい。
【0020】内圧を2kg/cm2 ・G以下に下げた
後、オートクレーブの内温が200℃以上240℃未
満、好ましくは220〜230℃に達するまで昇温し、
濃縮、縮合し、低重合体を生成する。この際、内温が2
00℃未満ではポリアミドは流動せず、重合後に重合槽
より抜き出すことができなくなり、また、240℃以上
ではポリアミドの劣化が著しく、着色ゲル化等の現象が
起こるので好ましくない。
【0021】工程(4)においては、内温を200℃以
上240度未満、好ましくは220〜230℃に保ちつ
つ、オートクレーブ内の圧力を減圧し、更に縮合を行わ
せ、ポリアミド樹脂の高重合体を製造する。この場合に
おいても内温が240℃以上になると劣化反応が促進さ
れるので好ましくない。以上のように、本発明によるポ
リアミド樹脂は、特異的に非晶性を維持しており、縮重
合の途中段階でもその傾向は変わらないために、その重
合温度は縮合が進行する最低温度である200℃まで下
げても問題なく溶融重合が進行し、併わせて劣化反応で
あるメタキシリレンジアミンの2量化も極端に低減化可
能となったものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中の下記測
定値は次のように測定した。
【0023】(1)架橋点割合 ポリアミドを6NHClで加水分解後、NaOHで塩基
性にした後、クロロホルムで抽出を行なった。次にクロ
ロホルムを留去し、残った油状物を重クロロホルムに溶
解し、 1H−NMRを測定した。1級アミンに隣接する
メチレン基と、2級アミンに隣接するメチレン基との強
度比から、全塩基成分に対するメタキシリレンジアミン
2量体の割合(モル%)を求め、これを架橋点割合(架
橋点数)とした。
【0024】(2)UV吸光度 ポリアミドを98%H2 SO4 に溶解し、1%の溶液を
調製し、紫外可視スペクトルを測定し、λ=468nm
における吸光度(g-1・dl・cm-1)を求め、製品の
着色度合の評価尺度とした。
【0025】(3)溶融粘度 フローテスターCFT−SOO型(島津製作所製)を用
い、j=100 1/sec、温度230℃での溶融粘
度を測定し溶融成形の尺度とした。
【0026】(4)APHA値 ASTM D−1209に従って色調を測定した。 (5)数平均分子量 全末端基当量数(アミノ基およびカルボキシル基の合計
当量μeq/g)を求め、下記数式により算出した。
【0027】
【数1】
【0028】実施例1 水480kgに、メタキシリレンジアミン149kg
と、イソフタル酸91kgとアジピン酸80kgとを窒
素雰囲気下で加え、撹拌して溶解したところ、APHA
値25のナイロン塩水溶液(pH=7.0)が得られ
た。更に、重合度調節剤として、酢酸986gを加えた
のち、1m3 オートクレーブ中に仕込んだ。ジャケット
温度を238℃とし、内温を昇温して圧力3.5kg/
cm2 ・Gに達したとき、オートクレーブのバルブを開
いて圧力を同圧に保つように、水を留去させ、塩の濃度
が90%になるまで8時間濃縮を行なった。濃縮終了
後、オートクレーブのバルブを更に開いて圧力が0kg
/cm2 ・Gになるまで約3時間かけて徐々に脱圧し
た。脱圧後、圧力を同圧に保つつつ昇温を続けて、内温
が230℃に達した時点で圧力を300mmHgまで減
圧し、更に1時間反応を続けた。反応終了後、オートク
レーブの底から溶融ポリアミドをストランド状で抜き出
し、切断してチップ状にした後乾燥した。このポリアミ
ドは無色透明であり、架橋点の割合(架橋点数)は0.
45モル%であった。次いで、重合を4回繰り返した結
果、得られたポリアミド樹脂の架橋点数は変化せず、ゲ
ル等の混入も見られなかった。またヘーズもなく、UV
吸光度も0.02g-1・dl・cm-1と低いものであ
り、更に、溶融粘度の測定結果も表1に示したように、
成形時の流動性は良好であることが確認された。また、
数平均分子量は10,000であった。
【0029】実施例2〜6 表1に示した分量のイソフタル酸、アジピン酸を用い、
表1の条件で濃縮工程、重合工程を行なった以外は、実
施例1と全く同様の方法によりポリアミド樹脂を製造し
た。得られたポリアミド樹脂の分析結果を表1に示す。
【0030】実施例7 濃縮を、2.0kg/cm2 ・Gで95%まで行った以
外は、実施例1と同様に重合を行った。得られたポリア
ミドの架橋点は少なく、成形時の流動性は良好であった
が、ポリマー全体にヘーズが認められた。
【0031】比較例1 ナイロン塩水溶液のAPHA値が200であった以外は
実施例1と全く同様に重合を行った。得られたポリアミ
ドの架橋点数は表1に示した通り高く、着色も顕著であ
った。
【0032】比較例2 重合圧力を13.0kg/cm2 ・Gとした以外は、実
施例1と同様に重合を行った。得られたポリアミドの架
橋点数は表1に記載されたように1.40と高く、重合
を4回繰り返すと更に1.90となり架橋点が増加し
た。
【0033】比較例3 重合圧力を4.0kg/cm2 ・G、重合終了温度を2
60℃とした以外は実施例1と同様に重合を行った。得
られたポリアミドの架橋点数は表1に示すように1.7
5と高く、重合を4回繰り返すことにより、更に2.3
5に増加し、重合終了時には、オートクレーブの底から
ストランドとして抜出す事が困難となった。
【0034】比較例4 重合圧力を13kg/cm2 ・G、重合終了温度を26
0℃とした以外は実施例1と同様に重合を行った。得ら
れたポリアミドの架橋点数は表1に示す通りで、繰り返
し重合の結果、4回目に抜出し不可能となった。
【0035】比較例5 水36kgと、メタキシリレンジアミン149kgと、
イソフタル酸91kgと、アジピン酸80kgとを充分
に窒素置換したオートクレーブに仕込んだ。オートクレ
ーブを密閉して内容物を溶融し、220℃で1時間撹拌
した。次いで1時間の経過後、内圧を大気圧に下げ、同
時に内温を275℃に昇温した。この温度で30分間窒
素を流しながら撹拌した。次いで内圧を0.3mmHg
に減圧し、30分間撹拌した。反応終了後、ポリアミド
をオートクレーブの底から抜き出した。得られたポリア
ミドは黄色く着色しており、架橋点数は2.8モル%で
あった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の非晶性ポリアミド樹脂は高湿度
下においても高いガスバリヤー性を有し、かつ成形時の
流動性が非常に優れている。また、本発明のポリアミド
樹脂の製造法は同一重合槽で重合を繰り返し行なう場合
でも品質に影響を与えることなく安定した生産が可能で
あり、工業化に適した方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉島 哲 神奈川県茅ヶ崎市円蔵370番地 三菱化 成株式会社茅ヶ崎事業所内 (72)発明者 山本 正規 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−111829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)メタキシリレンジアミンと (2)(a)少なくとも1種の炭素数7〜20の芳香族
    ジカルボン酸又はその誘導体と(b)少なくとも1種の
    炭素数5〜20の飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導
    体からなる混合物であって、(a)と(b)の合計に対
    する(b)の割合が10〜60モル%であるジカルボン
    酸類混合物との重縮合により得られる非晶性ポリアミド
    において、架橋点の割合が 1H−NMR分析で、全ジア
    ミン単位の1モル%以下であり、数平均分子量が5,0
    00〜20,000であることを特徴とする非晶性ポリ
    アミド樹脂。
  2. 【請求項2】 (1)メタキシリレンジアミンと (2)(a)少なくとも1種の炭素数7〜20の芳香族
    ジカルボン酸又はその誘導体と(b)少なくとも1種の
    炭素数5〜20の飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導
    体からなる混合物であって、(a)と(b)の合計に対
    する(b)の割合が10〜60モル%であるジカルボン
    酸類混合物からなる中性塩の水溶性を窒素雰囲気下で調
    整し、APHA値が50以下(濃度40重量%)の塩水
    溶液を得、次いで該塩水溶液を内圧2〜4kg/cm2
    ・Gにて、85重量%以上95重量%未満に濃縮し、そ
    の後、内圧2kg/cm2 ・G以下、内温200℃以上
    240℃未満で重縮合させることを特徴とする請求項1
    記載のポリアミド樹脂の製造法。
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EP3381966A4 (en) * 2015-11-27 2019-07-31 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. POLYAMIDE RESIN, FORMING AND METHOD FOR THE PRODUCTION OF POLYAMIDE RESIN

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