JP3350446B2 - 自動車用のスタビライザー - Google Patents

自動車用のスタビライザー

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JP3350446B2 JP12867698A JP12867698A JP3350446B2 JP 3350446 B2 JP3350446 B2 JP 3350446B2 JP 12867698 A JP12867698 A JP 12867698A JP 12867698 A JP12867698 A JP 12867698A JP 3350446 B2 JP3350446 B2 JP 3350446B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用のスタビ
ライザーであって、ほぼ丸い有利には円形のまたは環状
有利には円環状の横断面形状を有し、多数のスタビライ
ザー区分より成っていて、ほぼU字形の形状に構成さ
れ、2つのU字−脚部と1つのU字−背部とから成って
おり、U字−脚部とU字−背部との間にアーチ状の移行
領域が設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式のスタビライザーは、例
えばドイツ連邦共和国特許公開第2805007号明細
書により基本的に公知である。この公知のスタビライザ
ーは、自動車の前車軸及び/又は後車軸に使用され、第
1に、カーブ走行時における自動車のローリング傾向及
び揺動傾向を少なくするために使用される。U字形に構
成されたスタビライザーは、U字−脚部の自由端部で車
輪ガイド部に固定され、一方、肩部領域では、車両ボデ
ィに配置されたゴム層に支承されている。一般的に注目
度が次第に大きくなっている“重量低減”の観点では、
最近、円形横断面を有するスタビライザーつまり管より
成るスタビライザーいわゆるパイプスタビライザーが多
く使用されている。
【0003】パイプでは、比較可能な中実なロッドにお
けるよりも強い負荷がかかる(Da中実ロッド<Daパ
イプ)ので、大きい負荷がかかる場合には要求された程
度の繰り返し応力の回数は得られないか、若しくは所定
の回数の繰り返し応力しか有していない小さい負荷がか
かる場合にしか使用できない。
【0004】ドイツ連邦共和国特許第2805007号
明細書には、U字形に曲げられたパイプより成るスタビ
ライザーについて記載されている。この公知のスタビラ
イザーにおいては、所定の負荷において要求された繰り
返し応力の回数は、すべてのスタビライザーにおいて同
じ負荷が存在することによって得られる。つまり、すべ
てのスタビライザー区分において同じ負荷を有するスタ
ビライザーが使用されている。
【0005】負荷が非常に高い場合には、従来では、ス
タビライザーの重量を効果的に削減することは不可能で
あったか、若しくはスタビライザーは要求された回数の
繰り返し応力に耐えることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、負荷が非常に高い場合でも、要求された回数の繰り
返し応力に耐えることができるか、若しくは通常の負荷
においては非常に大きい重量削減が可能であるような、
スタビライザー特にパイプスタビライザーを提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明のスタビライザーによれば、各スタビライザー区分
が、同じ負荷を受けるスタビライザーとは異なり(abwe
ichend von Stabisatorgleicher Beanspruchung)、
械的な変形を移行領域からU字−背部にずらして、ねじ
り負荷が支配するU字−背部の負荷を高めることによっ
て、複数の殆どのスタビライザー区分内で振動強さ(Sc
hwingfestigkeit;振動に対する強さ)の最適化が得ら
れるように設計されていることによって、解決された。
この場合、理想的なケースとしては、ほとんどのスタビ
ライザー区分がほぼ同じ振動強さを有している。しかし
ながらこの目的は、収縮(直径及び剛性のための限界)
によって制限されて、常に実現可能ではないが、この場
合、最適化は常に理想のケースに向けて行われる。
【0008】この最適化は、機械的な変形性を、高い負
荷を受けるショルダ湾曲領域若しくはショルダ支持領域
から、通常は低い負荷を受けるU字−背部及び選択的か
つ付加的にU字−脚部の低い負荷を受ける領域へずらす
ことによって得られる。これは、ショルダ湾曲領域若し
くはショルダ支持領域を補強すること、つまり外径Da
及び場合によっては壁厚tを増大し、これによってこの
箇所でのばね定数(Federrate)を増大させ、一方、U字
−背部及び、選択的にU字−脚部の付加的な領域を弱く
する、つまり外径Da及び壁厚tを減少し、これによっ
てこの箇所でばね定数を低下させることによって、得ら
れる。
【0009】各スタビライザー区分においては、ベース
横断面(スタビライザーを成形する前の)は、製造技術
的な及び経済的な理由により、有利には、一方のスタビ
ライザー区分から他方のスタビライザー区分への相応の
移行部と共に、一定である。
【0010】各スタビライザー区分における横断面の変
化は、全ばね定数が、スタビライザーの全長に亘ってほ
ぼ同じ横断面を有する、比較可能な中実のまたは管状の
スタビライザーに相当するように、選択されている。
【0011】種々異なる有利には一定の横断面を有する
各領域を確定することによって、これらの領域間及びこ
れらの領域自体に、最大値及び最小値を有する種々異な
る負荷が生じるので、すべてのスタビライザー区分に同
じ負荷を有するスタビライザーは形成されない。
【0012】重要なことは、より大きい変形可能性を有
するU字−背部において、負荷が32%(基準=中実な
ロッド、一定)若しくは17%(基準=管、一定)まで
高められ、これによって、負荷軽減されたショルダ湾曲
領域若しくはショルダ支持領域において、負荷が12%
(基準=中実なロッド、一定)若しくは20%(基準=
管、一定)まで減少される、ということである。
【0013】従来技術においては、最も強く負荷される
スタビライザー区分を種々異なる形式で補強することに
よって、スタビライザーの耐用年数若しくは許容最大負
荷を高める試みがなされている。しかしながら本発明の
スタビライザーにおいては、U字−背部を“より柔軟”
にすることによって、機械的な変形性を、強い負荷を受
けるショルダ湾曲部領域若しくはショルダ支持領域か
ら、通常の負荷を受けるU字−背部にずらし、これによ
って耐用年数若しくは許容負荷が著しく高められる。
【0014】より高い変形性を有する、U字−背部の領
域は、有利には、移行部領域よりも小さい外径を有して
構成されている。これによって、本発明によるスタビラ
イザーのU字−背部は、公知のスタビライザーのU字−
背部におけるよりも、“より柔軟”であり、ひいては、
運転負荷時の全変形に、より大きく貢献することにな
る。U字−背部の領域で減少された外径を有するスタビ
ライザーの構成は、製造技術的に非常に簡単に実現する
ことができる。これは例えばスタビライザーのために使
用されたロッド又はパイプ(管)を、曲げ加工の前又は
後でも相応に捏ね加工(Kneten)することによって実現さ
れる。
【0015】さらにまた選択的に、スタビライザーの壁
厚をU字−背部の領域で減少させることもできる。さら
に重量の削減を達成するために、付加的に、U字−背部
の領域でスタビライザーの外径を減少させることと、壁
厚を減少させることとを組み合わせることも可能であ
る。
【0016】前記課題を解決した、本発明の別の解決策
によれば、スタビライザーの外側及び/又は内側の表面
縁部層を、特に調質プロセスと組み合わせて、浸炭する
ことによって、強度を高めるようにした。この場合、浸
炭は、調質プロセスの前でも、で有利にはスタビライザ
ーの捏ね処理及び成形の前でも、また調質プロセスと同
時にも行うことができる。
【0017】スタビライザーの製造プロセス中に、表面
縁部層における材料の炭素含有量は減少される。炭素含
有量は、材料の引っ張り強さ(引っ張りに対する強さ)
に影響を与えるので、スタビライザーの特に強い負荷に
さらされる表面縁部層における炭素含有量を減少させる
ことによって、スタビライザーの振動強さ(振動に対す
る強さ)が低下せしめられる。浸炭は、スタビライザー
の表面縁部層の引っ張り強さを高め、ひいては最大可能
な繰り返し応力を同様に高める。この影響は、調質によ
って特に強められる。
【0018】非常に高い基本強度例えば1500〜18
00MPaにおいて、浸炭された表面縁部層は、基本強
度に関連して約10%〜50%の上昇が得られる。これ
によって、許容最大負荷若しくは振動強さは著しく高め
られる。
【0019】浸炭によって、スタビライザーの表面縁部
層の炭素含有量は、スタビライザーの内部におけるより
も表面縁部層において高くなるまで、高められる。これ
によって、スタビライザーの特に負荷にさらされる表面
縁部層における引っ張り強さ、及びひいては全体的な耐
用年数は、高められる。
【0020】本発明によるスタビライザーが管より成る
スタビライザーつまりパイプスタビライザーである場合
には、U字−背部の領域における許容される最大負荷
は、U字−背部の領域における壁厚が減少されるよう
に、利用される。この場合、外径は、スタビライザーの
全長に亘って一定であるか、又はU字−背部の領域では
別の値を有していてよい。U字−背部の領域における最
大許容負荷を利用するために、スタビライザーの外径も
内径も変えることができるという可能性によって、自動
車製造業者によって与えられたスタビライザーの外径を
維持するのに問題はない。
【0021】本発明によるスタビライザーの外径を変化
させる場合、この変化は、中実スタビライザーにおいて
も、またパイプスタビライザーにおいても、突発的に又
は連続的に構成することができる。これと同じことは、
パイプスタビライザーにおける壁厚の変化のためにも、
また内径の変化だけのためにも、或いは内径と外径との
組み合わせのためにも当てはまる。
【0022】勿論、表面縁部層を、本発明に従って浸
炭、有利には調質と組み合わせた浸炭によって改良する
ことは、スタビライザーのみに限定されるものではな
く、その他の振動負荷にさらされる鋼より成る構成部分
例えばばねにおいて適用することもできる。
【0023】また、パイプスタビライザーとして構成さ
れた本発明によるスタビライザーにおいて、内側の表面
をショットピーニングによって処理し、それによって内
部応力(Druckeigenspannung)を生ぜしめるようにすれ
ば、特に有利である。勿論、内部応力を生ぜしめるため
の別の公知の方法も適用することができる。内部応力を
例えばショットピーニングによって生ぜしめることによ
っても、繰り返し応力の最大許容回数を増大し、場合に
よって著しく増大することができる。
【0024】本発明によるスタビライザーを構成する可
能性及び変化構成する可能性としては、種々異なる可能
性がある。これらの可能性については、一方では、請求
項1以外の従属請求項に記載されており、他方では、図
面に関連した本発明の実施例で記載されている。図面に
は、本発明によるスタビライザー、図示の実施例ではパ
イプスタビライザーの半分が示されている。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図示
の実施例を用いて詳しく説明する。
【0026】図面には、鏡面対称的な管状のスタビライ
ザー1の半分が示されている。このスタビライザー1
は、円環状の横断面を有していて、 U字−脚部2とU
字−背部3の半分とを備えたほぼU字形に形成されてい
る。U字−脚部2とU字−背部3とは、円弧状又はアー
チ状の移行領域4によって互いに結合されている。この
ようなスタビライザー1は、U字−脚部2の自由端部
で、図示していない自動車の車輪ガイド部に固定されて
いる。この場合、U字−脚部2の図示の自由端部は、相
応の車輪ガイド部に固定される。U字−背部3は、移行
領域4の近くに配置された、図示していないゴム層内で
車両ボディに支承されている。
【0027】本発明によるスタビライザー1の図示の有
利な実施例においては、スタビライザー1の外径は、U
字−背部3に存在する、ねじり負荷が支配するスタビラ
イザー区分5内では、移行領域4内に存在する、通常の
負荷が支配するスタビライザー区分6におけるよりも小
さい。付加的に、ねじり負荷が支配するスタビライザー
区分5におけるスタビライザー1の壁厚も、通常の負荷
が支配するスタビライザー区分6におけるよりも小さ
い。外径及び壁厚を以上のように減少させることは、
“柔軟な”U字−背部3が、繰り返し応力(Lastwechse
l)の許容回数が著しく限定された移行領域4よりも、
より大きい機械的な変形を受けるという本発明の考えか
ら出発している。スタビライザー1の外径の変化も、ま
た壁厚の変化も、図示の実施例においては連続的に行わ
れるので、スタビライザー1の振動に対する強さに不都
合に作用する縁部が生じることはない。
【0028】本発明によるスタビライザー1の図示の実
施例においては、スタビライザー1の外側表面の縁部の
層の炭素含有量は浸炭(Aufkohlen)によって次のように
高められる。つまり、スタビライザー1の外側表面の縁
部の層の炭素含有量が、表面縁部層において、即ち内側
でも外側でも、スタビライザー壁部の内部におけるより
も高くなる程度に、高められる。これによって、特に調
質(Verguetung)と組み合わせて、スタビライザーの表面
縁部層の引っ張り強さ(引っ張りに対する強さ)は、脱
炭した(entokohlten)材料の引っ張り強さと比較して、
半分だけ有利には2/3高められる。
【0029】少なくとも移行領域4内では、スタビライ
ザー1の内側の表面はさらに、ショットピーニング(Kug
elstrahlen)によって特別に処理される。この手段によ
って、繰り返し応力の許容回数は、さらにファクター約
4だけ高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例によるスタビライザーの半部
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 スタビライザー、 2 U字−脚部、 3 U字−
背部、 4 移行領域、 5,6 スタビライザー区分
フロントページの続き (72)発明者 レオ シュナウベルト ドイツ連邦共和国 ハイガー ホーラー ヴェーク 37 (56)参考文献 特開 平6−50370(JP,A) 特公 昭62−21642(JP,B2) 実公 昭58−45130(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 21/055

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用のスタビライザーであって、ほ
    ぼ丸いまたは環状の横断面形状を有し、多数のスタビラ
    イザー区分より成っていて、ほぼU字形の形状に構成さ
    れ、2つのU字−脚部(2)と1つのU字−背部(3)
    とから成っており、U字−脚部(2)とU字−背部
    (3)との間にアーチ状の移行領域(4)が設けられて
    いる形式のものにおいて、 スタビライザー区分内、同じ負荷を受けるスタビラ
    イザーとは異なり、機械的な変形を移行領域(4)から
    U字−背部(3)にずらして、ねじり負荷が支配するU
    字−背部(3)の負荷を高めることによって、振動の最
    適化が行われ、それによってほぼ同じ振動強さが得られ
    るようになっていることを特徴とする、自動車用のスタ
    ビライザー。
  2. 【請求項2】 ねじり負荷が支配するスタビライザー区
    分(5)において、スタビライザー(1)の外径が、通
    常の負荷が支配するスタビライザー区分(6)における
    よりも小さく構成されている、請求項1記載のスタビラ
    イザー。
  3. 【請求項3】 スタビライザー(1)の外側及び/又は
    内側の表面縁部層を、特に調質プロセスと組み合わせ
    て、浸炭することによって、強度を高める、請求項1又
    は2記載の自動車用のスタビライザー。
  4. 【請求項4】 浸炭によって、スタビライザー(1)の
    表面縁部層の炭素含有量を、スタビライザー(1)の表
    面縁部層が、スタビライザー(1)の内部若しくは円環
    状の横断面の内部におけるよりも高くなるまで、高め
    る、請求項3記載のスタビライザー。
  5. 【請求項5】 ねじり負荷が支配するスタビライザー区
    分(5)の壁厚が、通常の負荷が支配するスタビライザ
    ー区分(6)の壁厚よりも小さい、請求項1から4まで
    のいずれか1項記載のスタビライザー。
  6. 【請求項6】 ねじり負荷が支配するスタビライザー区
    分(5)における外径が、通常の負荷が支配するスタビ
    ライザー区分(6)におけるよりも小さい、請求項5記
    載のスタビライザー。
  7. 【請求項7】 内側の表面が、少なくとも部分的に、有
    利には移行領域(4)で、ショットピーニング処理され
    ている、請求項1から6までのいずれか1項記載のスタ
    ビライザー。
JP12867698A 1997-05-12 1998-05-12 自動車用のスタビライザー Expired - Lifetime JP3350446B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19719427 1997-05-12
DE19744324 1997-10-08
DE19719427.3 1997-12-31
DE19758292.3 1997-12-31
DE19744324.9 1997-12-31
DE19758292A DE19758292C2 (de) 1997-05-12 1997-12-31 Stabilisator

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10324137A JPH10324137A (ja) 1998-12-08
JP3350446B2 true JP3350446B2 (ja) 2002-11-25

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US (3) US6196530B1 (ja)
EP (1) EP0878334B1 (ja)
JP (1) JP3350446B2 (ja)
AT (1) ATE250518T1 (ja)
ES (1) ES2209001T3 (ja)

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