JP3350236B2 - 電動補助自転車 - Google Patents

電動補助自転車

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JP3350236B2
JP3350236B2 JP19444594A JP19444594A JP3350236B2 JP 3350236 B2 JP3350236 B2 JP 3350236B2 JP 19444594 A JP19444594 A JP 19444594A JP 19444594 A JP19444594 A JP 19444594A JP 3350236 B2 JP3350236 B2 JP 3350236B2
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純孝 小川
祥浩 中沢
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M6/00Rider propulsion of wheeled vehicles with additional source of power, e.g. combustion engine or electric motor
    • B62M6/40Rider propelled cycles with auxiliary electric motor
    • B62M6/45Control or actuating devices therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
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    • B62M6/55Rider propelled cycles with auxiliary electric motor power-driven at crank shafts parts

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)
  • Protection Of Generators And Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人力走行の補助にモ
ータの動力を利用する電動補助自転車に係り、特にモー
タに供給される電圧もしくは電流を監視することで、不
要な補助力が供給されるのを防止するようにした電動補
助自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】人力駆動系と電気駆動系とを並列に設
け、踏力の変化に対応して電気駆動系の出力を制御する
ようにした電動補助自転車において、踏力検出手段の可
動部分の作動が円滑でなく、踏力が予め設定した基準値
以上の状態が一定時間継続した場合は、電気駆動系の出
力を制限することで、不要な電気駆動系出力が発生しな
いようにして、運転感覚が悪くなるのを防止する技術が
特開平5−310177号公報で提案されている。
【0003】また、モータに流れる電流をモータに直列
に接続した電流検出抵抗端に生じる電圧に基づいて検出
し、予め設定した許容電流値を越えている場合は、モー
タへの通電を遮断するようにした過電流保護回路の技術
も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】踏力検出手段が正常に
作動していても、検出した踏力に基づいて補助力を発生
させるモータの駆動を制御する主制御系の動作が正常で
なくなった場合、不要な駆動力がモータから供給されて
しまい運転感が損われる虞れがある。
【0005】また、モータをPWM制御で運転している
場合、モータへの通電をスイッチング制御する半導体ス
イッチング素子(例えば電力用電界効果トランジスタ)
が短絡障害にいたるほどではないが、リーク電流が増大
するという障害となった場合、許容電流値を越えるまで
には至らないので、従来の過電流保護回路では充分な対
応が困難である。
【0006】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、踏力に応じた補助力をモータから供給
させるためのPWM信号の生成を行なう主制御系や、モ
ータへの通電をスイッチングする半導体スイッチング素
子等の動作が正常でなくなった場合でも、不要な補助力
が供給されないようにした電動補助自転車を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動補助自転車は、モータに供給される
電圧を、モータと並列に接続されるコンデンサ(C1)
の端子電圧により検出するとともに、当該検出された電
圧値によりモータへの通電率を補正する補正手段(20
3a)を備え、当該検出された電圧値が、予め設定した
電圧値以上の状態が、予め設定した許容時間以上継続し
たことを検出する第1の手段(92,93)と、電圧値
が検出されない状態を検出する第2の手段(203a,
206)と、ペダルを踏んでいない状態を検出する第3
の手段(210)と、の全てを備えるとともに、各々の
手段のいずれかの検出信号により、モータへの給電を停
止させるようにしたモータ給電停止手段(200)を備
えたことを特徴とする。
【0008】
【作用】モータ給電停止手段は、モータに供給される電
圧もしくは電流が予め設定した許容時間以上継続して予
め設定したほぼゼロに近い値以下にならない場合、モー
タへの給電を停止させる。
【0009】踏力(ペダルを漕ぐ力)に応じてモータか
ら供給する補助力を制御するので、踏力検出、検出踏力
に基づくモータ運転制御が正常に動作している場合、ペ
ダルの上死点ならびに下死点で踏力はほぼゼロになり、
モータに供給される電圧もしくは電流は周期的にほぼゼ
ロとなる。踏力検出、検出踏力に基づくモータ運転制御
系統が正常に動作していない場合、モータに供給される
電圧もしくは電流は、周期的にほぼゼロとならないた
め、ほぼゼロとならないことを検出し、モータへの給電
を停止することで、不要な補助力が供給されるのを防止
することができる。
【0010】また、モータへの給電をスイッチングする
半導体スイッチング素子のリーク電流増加等の障害が発
生した場合でも、その異常を検出してモータへの給電を
停止することで、不要な補助力が供給されるのを防止す
ることができる。
【0011】
【実施例】以下この発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1はこの発明に係る電動補助自転車の側面
図である。電動補助自転車1のヘッドパイプ2からダウ
ンチューブ3を斜後下方に指向して延出し、ダウンチュ
ーブ3の下端で上方へ湾曲して斜後上方に指向してシー
トチューブ4を延出し、ダウンチューブ3とシートチュ
ーブ4とで略V字状のメインフレーム5を構成してい
る。シートチューブ4の上端にシート6を設けている。
【0012】ヘッドパイプ2にステアリングシャフト7
を旋回自在に嵌挿し、ステアリングシャフト7の上端に
ステアリングハンドル8を一体に装着するとともに、ス
テアリングシャフト7の下方に一体に延出した左右一対
のフロントフォーク9の下端に前車輪10を回転自在に
軸止している。
【0013】ダウンチューブ3とシートチューブ4とが
交わるメインフレーム5の湾曲部下部には、ブラケット
5a(図3参照)を突設し、伝動ギア機構を収納すると
ともに、クランクケースを兼ねたギアボックス11をブ
ラケット5aに一体に装着している。ギアボックス11
に前後方向へ指向したリヤフォーク12の前端を一体に
取り付け、シートチューブ4とリヤフォーク12の後端
とにステー13を架設し、リヤフォーク12の後端に後
車輪14を回転自在に軸止している。
【0014】ギアボックス11には、クランク軸15を
回転自在に嵌装し、クランク軸15の左右両端にクラン
クアーム16を一体に装着し、クランクアーム16の先
端にペダル17を設けている。
【0015】クランク軸15に一体に設けられた駆動ス
プロケット18と、後車輪14に一体に設けられた従動
スプロケット19とに無端チェン20を架渡しており、
ペダル17に加えられる踏力によってクランク軸15が
回転駆動されると、駆動スプロケット18、無端チェン
20および従動スプロケット19を介して後車輪14が
回転し、伝動補助自転車1が自転車として走行できるよ
うになっている。
【0016】さらに、シートチューブ4に沿ってギヤボ
ックス11にモータ21を固定し、シートチューブ4の
後側面には、モータ21の上方に位置してモータ21の
回転を制御する電子制御ユニットやモータドライバー等
の制御装置22が付設している。制御装置22によって
モータ21が回転制御されると、モータ21の回転トル
クが伝動ギヤ機構を介してクランク軸15に伝達され、
モータ21の動力でもって人力を補助するようにしてい
る。
【0017】ダウンチューブ3とシートチューブ4とか
らなるメインフレーム5は、略V字状をなした左右2分
割のサイドカバー23とセンターカバー24とによって
覆われ、ダウンチューブ3を覆うサイドカバー23の傾
斜した上面に長尺のバッテリケース組立25を着脱自在
に装着できるようにしている。サイドカバー23の前端
部にキースイッチ(コンビネーションスイッチ)等から
なるメインスイッチ41を配設している。なお、このメ
インスイッチ41の操作に連動するロック装置(図示し
ない)を介して、スイッチがオン位置に操作された場合
は、バッテリケース組立25を取り外せない構造として
いる。また、バッテリケース組立25の側面に充電用コ
ネクタ等との接続部42を設け、バッテリケース組立2
5を電動補助自転車1に装着した状態でも充電を可能に
している。
【0018】図2はバッテリケースの縦断面図である。
バッテリケース組立25は、ロアケース26とアッパケ
ース27とに上下2分割され、このバッテリケース組立
25内に、20個の円柱状をなした単一型Ni−Cd
(ニッケル−カドミウム)電池28a,28bからなる
電源用バッテリ群29が嵌脱自在に嵌装されるようにな
っている。また、バッテリケース組立25のアッパーケ
ース27が電動補助自転車1のボディの外表面の一部を
構成するようにしている。
【0019】電源用バッテリ群29は次のように構成し
ている。隣接するNi−Cd電池28aの正極と負極と
が相互に入れ代わり、Ni−Cd電池28aの周面が相
互に接触した状態でNi−Cd電池28aの中心線に対
し直角方向へ1列に10個のNi−Cd電池28aを配
列した状態で、この下層のNi−Cd電池28a列の上
方各凹部に上方Ni−Cd電池28bが落ち込むよう
に、上層のNi−Cd電池28bを重ねる。図2で点線
で示すように、下層の隣接するNi−Cd電池28aの
正極と負極とに接続片30aの両端をハンダ付けによっ
て接続し、上層の各Ni−Cd電池28bも同様に接続
片30bを用いて相互に接続し、各Ni−Cd電池28
a,28bの前端(図2では左端)では正極と負極とを
接続片30cで相互に接続した後、筒状の熱収縮性合成
樹脂製フィルム31内に、これら上下Ni−Cd電池2
8a,28bを挿入してから、熱収縮性合成樹脂製フィ
ルム31を加熱収縮させる。
【0020】下層Ni−Cd電池28aの後端(図2で
は右端)と上層Ni−Cd電池28bの後端の負極およ
び正極にそれぞれ接続された端子片32a,32bに
は、リード線33a,33bの一端がハンダ付けによっ
て一体に接続されている。リード線33a,33bの他
端は給電用コネクタ34(図3に詳細に示す)へそれぞ
れ接続し、この給電用コネクタ34を介して制御装置2
2側への給電を行なうようにしている。
【0021】上下層の各Ni−Cd電池28a,28b
間に、サーミスタ等の感熱性抵抗素子35を配設してい
る。この感熱性抵抗素子35は、リード線35aを介し
て図3に示す充電用コネクタ36へ接続しており、図示
しない充電器を用いて充電を行なう際に、図示しない充
電器側は感熱性抵抗素子35の抵抗値に基づいてNi−
Cd電池28a,28b部の温度を監視できるようにし
ている。また、バッテリケース組立25内には、各種ヒ
ューズ37や逆極性の充電電圧が供給されるのを防止す
るためのダイオード(図示しない)等の回路部品を実装
している。
【0022】図3はバッテリケース組立の後部およびセ
ンターケースの底部の縦断側面図である。バッテリケー
ス組立25の後端部に給電用コネクタ38を配設してい
る。この給電用コネクタ38は、銅合金板等の導電性弾
性材料からなる左右一対の接点端子38aを備える。各
接点端子38aはその一端側をねじ40を用いてコネク
タケースに固定するとともに、各リード線33a,33
bとの電気的接続を行なっている。そして、この給電用
コネクタ38の相手方となるコネクタ39は、センター
カバー24の底壁24aに配設している。このコネクタ
39は、左右一対の棒状の突出端子39aを備える。そ
して、バッテリケース組立25が装着された状態で、各
突出端子39aはロアケース26に形成した開口26
a、ならびに、給電用コネクタ38の開口部38bを貫
通し、各突出端子39aの先端は各接点端子38aに当
接する。これによって、バッテリ電源の供給がなされ
る。各接点端子38aの他端側は各突出端子38aに突
き上げられて変位するが、この変位部分にコイルスプリ
ング38cを設けて充分な接触圧力を得るとともに、走
行振動等によって電源供給の瞬断が発生しにくい構成と
している。
【0023】図4は伝動ギア機構ならびに踏力検出手段
の模式構造図である。クランク軸15の軸方向中間部に
は、直径方向に貫通して軸方向に延びる貫通孔15aを
形成している。この貫通孔15aの内部にクランク軸1
5と同軸に収納されたトーションバー51は、その左端
(入力端)に形成された頭部51aをカラー52を介し
てクランク軸15に結合するとともに、その右端(出力
端)に形成された頭部51bを環状の駆動部材53の内
周に形成した凹溝に圧入によって結合させている。クラ
ンク軸15の貫通孔15aの互に対向する壁面は概略円
弧状に湾曲させており、これによってトーションバー5
1の自由端側の頭部51bに対する所定角度の相対回転
を許容するとともに、過大な荷重が作用してときのトー
ションバー51の破断を防止している。
【0024】スリーブ54の内周に固着されたベベルギ
ヤ55と環状の駆動部材53との間に第1一方向クラッ
チ56を設けている。図示しないペダル17を踏んでク
ランク軸15を正転させると、クランク軸15のトルク
はトーションバー51、駆動部材53、ベベルギヤ55
およびスリーブ54を介して、このスリーブ54の外周
にスプライン結合された駆動スプロケット18に伝達さ
れ、無端チェン20ならびに図1に示した従動スプロケ
ット19を介して後車輪14へ伝達される。また、図示
しないペダル17を踏んでクランク軸15を逆転させる
と、第1一方向クラッチ56がスリップすることによっ
て、クランク軸15の逆転が許容される。
【0025】モータ21が回転駆動されるとその出力軸
21aのトルクは、4個のスパーギヤ57,58,5
9,60、2個のベベルギヤ61,55を介して駆動ス
プロケット18に伝達される。また、モータ21が停止
している状態でも人力による駆動スプロケット18の回
転を妨げないように、第2一方向クラッチ62を第1中
間軸63に設けている。なお、符号64は第2中間軸で
ある。
【0026】踏力検出手段70は、踏力(トルク)によ
るねじれを軸方向の変位に変換するトルク−変位変換手
段71と、変位に応じた電気信号を出力するストローク
センサ72とで構成している。トルク−変位変換手段7
1は、クランク軸15と一体に回転するスライダインナ
71aに端面に形成した凸状のカム面と、駆動部材53
の端面に形成した凹状のカム面とを係合させて構成して
いる。
【0027】クランク軸15の回転数を検出するため、
クランク軸15とトーションバー51の頭部51aとを
結合するカラー52の外周に歯部52aを形成し、この
歯部に対向させてクランク軸回転数センサ75を配設し
ている。クランク軸回転数センサ75は、歯部52aを
光学的もしくは磁気的に検出して検出パルスを出力する
よう構成している。
【0028】図5はこの発明に係る電動補助自転車の制
御系のブロック構成図である。制御系Aは、主制御系8
0とモータ給電停止制御手段90とを備える。主制御系
80は、CPU81と、ROM・RAM82と、A/D
変換器83等を内蔵した1チップマイクロコンピュータ
を用いて構成している。CPU81は、図示しないメイ
ンスイッチがオン状態に操作されるとリレー駆動信号8
1aを出力し、リレー駆動トランジスタ84をオンさ
せ、リレー85を動作させる。これによって、モータ2
1の通電が可能な状態となる。なお、CPU81は、所
定以上の踏力が検出されたときに、リレー駆動信号81
aを出力するようにしてもよい。
【0029】CPU81は、踏力検出手段70から出力
される踏力に応じた電圧信号70aをA/D変換器83
を介してデジタルデータとして取り込み、踏力に応じた
補助力をモータ21から発生させるためのPWM信号8
1bを生成し出力する。このPWM信号81bは、ゲー
ト駆動回路86を介して電界効果トランジスタ87のゲ
ートへ供給され、モータ21のPWM運転がなされる。
【0030】モータ給電停止手段90は、電流検出手段
91と、しきい値判定手段92と、時間監視手段93
と、給電停止制御手段94とからなる。電流検出手段9
1は、電界効果トランジスタ87がオン状態にあるとき
のドレイン−ソース間電圧(FETのオン電圧)をオン
状態に同期して取り込み、取り込んだドレイン−ソース
間電圧を低域通過フィルタ(LPF)もしくは時定数回
路等を通して直流電圧へ変換する。なお、必要に応じて
直流増幅して大きな直流電圧を得るようにしてもよい。
【0031】しきい値判定手段92は、電流検出手段9
1から出力されるモータ電流に対応する直流電圧と、予
め設定したしきい値電圧とを比較することで、所定以上
のモータ電流が供給されている場合は、例えばHレベル
のモータ通電検出信号92aを出力する。判定しきい値
はモータ電流がほぼゼロを越えた点に設定している。時
間監視手段93は、例えばHレベルのモータ通電検出信
号92aの継続時間を監視し、予め設定した時間を越え
た場合は、例えばHレベルの給電停止指令信号93aを
出力する。許容継続時間は、ペダルをゆっくり漕いだと
きに踏力がほぼゼロになる時間間隔を参照に設定してい
る。
【0032】そして、給電停止制御手段94は、給電停
止指令信号93aに基づいてモータ21への給電を停止
させるよう構成している。図5では、給電停止指令信号
93aに基づいてNPN型トランジスタ94aが導通状
態となり、リレー駆動用のNPN型トランジスタ84の
ベース−エミッタ間を短絡することで、主制御系80か
らリレー駆動信号81aが出力されている状態でも、リ
レー85を不動作にしてモータ21への給電を停止させ
る構成を示した。なお、符号BATはバッテリ電源、符
号RA,RBはベース抵抗である。
【0033】図6はモータ給電停止手段およびゲート駆
動回路の一具体例を示す回路構成図である。ゲート駆動
回路86は、主制御系80から出力される例えば論理振
幅5ボルトのPWM信号81bを、NPN型トランジス
タQ1を用いたレベルシフト回路86aで論理振幅が例
えば12ボルトの信号へ変換し、NPN型トランジスタ
Q2とPNP型トランジスタQ3とを直列接続したドラ
イブ回路86bを介して電界効果トランジスタ87のゲ
ートを駆動する構成としている。
【0034】電流検出手段91内の入力回路91Aは、
PWM信号81bに基づいてNPN型トランジスタQ
4、PNP型トランジスタQ5をオンさせて電界効果ト
ランジスタ87のオン電圧を取り込む。なお、PNP型
トランジスタQ5を用いる構成は、このトランジスタQ
5のベース−エミッタ間電圧よりも小さいFETのオン
電圧は検出できないので、電界効果トランジスタ等のス
イッチング素子を用いて比較的小さいモータ電流値まで
検出できる構成としてもよい。
【0035】入力回路91AでPWM信号に同期して取
り込まれたFETオン電圧は、抵抗とコンデンサからな
る変換回路91Bで直流(脈流)電圧へ変換され、演算
増幅器等を利用して構成した増幅回路91Cで直流増幅
されて、しきい値判定手段92へ供給される。
【0036】しきい値判定手段92は、電圧比較器等を
用いて、モータ電流に係る電圧91aがしきい値電圧
2THを越えている場合は、Hレベルの判定出力92a
を出力するよう構成している。
【0037】時間監視手段93は、充放電型のタイマ回
路で利用して構成している。抵抗93bとコンデンサ9
3cからなる充電回路の時定数は大きく設定し、ダイオ
ード93dと抵抗93eからなる放電経路の時定数は小
さく設定している。したがって、モータ電流が流れてい
る時間に比例してコンデンサ93cの端子電圧が上昇
し、モータ電流がほぼゼロに近いしきい値電流以下とな
った場合は、コンデンサ93cの電荷が急速放電され
る。電圧比較器93fは、コンデンサ93cの端子電圧
が設定電圧93THを越えるとHレベルの出力を発生
し、フリップ・フロップ回路93gをセットする。フリ
ップ・フロップ回路93gがセットされると、そのQ出
力によって給電停止手段94内のNPN型トランジスタ
94gがオンされ、リレー85への通電が遮断され、モ
ータ21への通電を停止させる。なお、フリップ・フロ
ップ回路93gには図示しないリセット回路等から初期
状態を設定するためのリセット信号RSが供給される。
【0038】図7は制御系の動作を示すタイムチャート
である。主制御系80は、図7(a)に示すように踏力
の変化に応じてモータ21をPWM運転するので、モー
タ電流は図7(b)に示すようになる。ペダルを漕ぐ速
度が早くなり、モータ21の回転数が上昇すると、モー
タ21の巻線に発生する誘導起電力が大きくなるため、
バッテリ電源BATからモータ21へ供給される電流は
減少する。
【0039】モータ給電停止手段90内のしきい値判定
手段92は、モータ電流Iに係る電圧91aがしきい値
電流ITHに対応するしきい値電圧92THを越えてい
る間、図7(c)に示す判定出力92aを出力する。図
7(d)および(e)に示すように、時刻t1で例えば
PWM信号81bがHレベルを保持した状態となった
り、電界効果トランジスタ87のドレイン−ソース間短
絡障害等が生じ、モータ電流Iが流れ続けると、その時
間が許容時間TKを越えた時点でモータ21への給電が
停止される。図7(f)および(g)に示すように、時
刻t2で例えば電界効果トランジスタ87のリーク電流
が増加する障害が生じたり、踏力検出が正常に作動しな
くなり、モータ電流Iがゼロまで戻らなくなると、時間
監視手段93の出力93aに基づいてモータ21への給
電が停止される。
【0040】図8はモータ給電停止手段の他の構成例を
示すブロック構成図である。図8に示す制御系Bは、モ
ータ21の通電を制御する電界効果トランジスタ87に
直列に電流検出用抵抗RIを介設し、この電流検出用抵
抗RIの両端に発生したモータ電流に対応する電圧VM
Iをモータ給電停止手段100内の直流増幅器101で
増幅し、その出力電圧101aに基づいて所定値以上の
モータ電流が流れているか否かを判定し、モータ電流が
流れている時間が許容時間以上継続した場合は、リレー
85を不動作にしてモータ21への給電を遮断するよう
したものである。なお、アンドゲート等を用い、給電
停止制御手段94の出力94bに基づいてモータ駆動信
号81aがリレー駆動用のNPN型トランジスタ84へ
供給されるのを阻止する構成としてもよい。
【0041】主制御系80B内のCPU81は、クラン
ク軸回転数センサ75の出力75aに基づいてクランク
軸の回転数を求め、求めたクランク軸の回転数と踏力と
に基づいてモータ21の運転を制御する構成としてい
る。
【0042】図9はモータの電圧に基づいて給電停止制
御を行なうようにしたモータ電圧監視型のモータ給電停
止手段のブロック構成図である。図9に示した制御系C
は、主制御系80Cから出力されるPWM信号81bに
基づいて、NPN型トランジスタ88、PNP型トラン
ジスタ89をスイッチング駆動し、モータ21への給電
を制御するようにしている。モータ21の両端電圧を抵
抗RCと抵抗RDで分圧し、分圧電圧をモータ給電停止
手段110内の電圧比較手段111へ供給している。電
圧比較手段111は、分圧電圧が予め設定したしきい値
電圧を越えている間は、例えばHレベルの信号111a
を出力する。時間監視手段93は、モータ21への通電
が継続されている時間を監視し、許容時間内にモータ2
1に供給される電圧ほぼゼロに近い電圧にならない場合
は、出力信号93aを発生し、給電停止制御手段94を
介してモータ21への給電を停止させる。
【0043】図10は制御系の一具体例を示す回路構成
図である。バッテリケース組立25内の電池電源BAT
は、給電側フューズFOを介して給電用コネクタ38の
各端子B+,B−から制御装置200の各電源端子
B,Gへ印加される。なお、充電は、充電用コネクタ3
6の正極側端子36aからダイオードDIおよび充電側
フューズFIを介して行なう構成としている。充電時の
バッテリ温度を検出するための感熱性抵抗素子35はそ
の一端側を負極側端子36bへ接続し、その他端を信号
端子36cに接続している。
【0044】メインスイッチ(キースイッチ)41がオ
ン状態に操作されると、制御装置200の正極側電源端
子VBからフューズF1、メインスイッチ41、端子S
Wを介して電源・リセット回路部201へ電池電源BA
Tが供給されるとともに、ダイオードD1と充電電流制
限抵抗R1とからなるプリチャージ回路202を介して
モータ電源安定化用のコンデンサC1の充電がなされ
る。
【0045】電源・リセット回路部201は、例えば2
4V系のバッテリ電源を降圧して12V系と5V系の安
定化した電源を出力する12V系・5V系電源201a
と、5V系電源で動作するリセット回路201bとを備
える。12V系電源は、クランク軸回転センサ75、な
らびに、モータ21への通電を制御する電力用電界効果
トランジスタFETのゲート制御電圧用として使用して
いる。5V系電源は、1チップマイクロコンピュータ2
03、モータ駆動制限手段210、モータ電流検出回路
204等で使用される。
【0046】リセット回路201bは、5V系電源の立
上り時にリセットパルスRSをCPU203aへ供給す
るとともに、CPU203aから所定の周期で出力され
るウォッチドッグパルスWPを監視し、このウォッチド
ッグパルスWPが所定の時間以上供給されない場合は、
リセットパルスRSを出力して、CPUをリセット(初
期化)するようにしている。また、リセットパルスRS
を出力した後もウォッチドッグパルスWPの供給が再開
されない場合、リセット回路201bは12V・5V系
電源の遮断指令POFFを12V系・5V系電源201
へ供給して12V・5V系電源の供給を停止させる。
【0047】主制御系は、CPU203a、ROM・R
AM203b、A/D変換器203c、タイマ203T
等を内蔵した1チップマイクロコンピュータ203を用
いて構成している。この回路例では、CPU203aと
タイマ203Tならびにモータ電流検出回路204で、
モータ給電停止手段を構成している。
【0048】モータ電源安定化用コンデンサC1の両端
電圧を、抵抗R2と抵抗R3とでA/D変換器203c
の入力許容電圧範囲になるよう分圧して、分圧した電圧
をA/D変換器203cの入力端子A5へ供給してい
る。CPU203aは、リセット信号RSに基づく初期
化処理の後に、A/D変換された分圧電圧値が予め設定
した電圧を越えた時点でリレー駆動指令203dを出力
する。これにより、リレー駆動回路205を介してリレ
ー206の励磁巻線が通電され、リレー206の接点が
閉状態となってモータ21へバッテリ電源BATが印加
される。
【0049】モータ電源安定化用コンデンサC1の両端
電圧を監視し、このコンデンサC1が充電された以降
に、リレー206の接点を閉駆動する構成としているの
で、リレー206の接点を介して過大な充電電流が流れ
ることはなく、接点が損傷するようなことはない。な
お、コンデンサC1の両端電圧の時間当たりの上昇率が
所定値以下になった時点でコンデンサC1へのプリチャ
ージが完了したものと判断して、リレー206を動作さ
せる構成としてもよい。電圧の変化に基づく判定は、バ
ッテリ電源BATの電圧値に無関係にプリチャージの完
了を検出することができる。
【0050】モータ21の通電を制御する電界効果トラ
ンジスタFETのドレイン−ソース間が短絡不良になっ
ていたり、ドレイン−ソース間に並列に接続される逆方
向サージ電圧吸収用のダイオードD2の短絡不良等が発
生している場合、コンデンサC1の両端電位は、バッテ
リ電圧を充電電流制限抵抗R1とモータ21の巻線の抵
抗とで分圧した電圧となる。充電電流制限抵抗R1の抵
抗値はモータ21の巻線の抵抗値よりも充分高く設定し
ている。したがって、前述の短絡障害が発生していると
プリチャージでコンデンサC1の端子電圧が上昇しない
ので、リレー206の駆動が禁止され、短絡障害に伴っ
て過電流が供給されることを事前に防止できる。
【0051】また、CPU203aはモータ21の運転
状態においても、コンデンサC1の両端電圧を監視し、
モータ21へ印加されている実際の電圧値に基づいて所
望の補助トルクが得られるようPWM信号203eの通
電比率の補正を行なっている。これにより、バッテリ電
源電圧が低下等した場合でも、所望の補助トルクを発生
させることができる。
【0052】モータ21への通電を停止する際に発生す
る逆極性のサージ電圧は、ダイオードD3を介してバッ
テリ電源BATで吸収する構成としている。給電側フュ
ーズFOは大電流用(数10アンペア)のものを用いて
いる。モータ21への給電はリレー206の接点を介し
て行なっているので、メインスイッチ41の電流耐量な
らびにこのメインスイッチ41と直列に接続されたフュ
ーズF1は小容量(数アンペア)のものでよい。
【0053】クランク軸回転数センサ75に対してはブ
リード抵抗R4を介して12V系電源を供給している。
端子VCよりもクランク軸回転数センサ75側で短絡障
害等が生じても、短絡電流はブリード抵抗R4で制限
れるので、電源系統は保護される。端子CPに供給され
るクランク回転数検出信号75aは、波形整形回路20
で波形整形され、5V系の論理振幅に変換されてCP
U203aの入力端子へ供給される。
【0054】踏力検出手段70に対してはブリード抵抗
R5を介して5V系電源を供給している。端子VTより
も踏力検出手段70側で短絡障害等が生じても、短絡電
流はブリード抵抗R5で制限されるので、電源系統は保
護される。端子TSに供給される踏力検出出力(電圧信
号)70aは、分圧比の異なる2組の分圧回路で分圧さ
れ、各分圧電圧をA/D変換器203cへそれぞれ供給
している。抵抗R6と抵抗R7からなる一方の分圧回路
の分圧比は例えば1/2に、抵抗R8と抵抗R9からな
る他方の分圧回路の分圧比は例えば1/4に設定してい
る。
【0055】分圧比の異なる2系統の検出電圧を用意
し、CPU203aは2系統のA/D変換データに基づ
いて検出トルクの大きさを検出するとともに、検出トル
クが小の時はA/D入力端子A2に供給された電圧(分
圧比1/2)のA/D変換データを、トルクが大の時は
A/D入力端子A3に供給された電圧(分圧比1/4)
A/D変換データを選択し、分圧比を考慮してトルク
を換算する。このような構成ならびに処理を行なうこと
で、A/D変換器203cの分解能が同一でも、小さい
トルクから大きいトルクまで広範囲にわって精度の高い
トルク値検出が可能である。
【0056】踏力検出手段70の検出出力は供給されて
いる電源電圧の影響を受けるので、踏力検出手段70へ
実際に供給している電圧をA/D入力端子A1へ供給
し、そのA/D変換データに基づいて検出電圧を補正す
ることで、より正確な踏力検出を行なっている。
【0057】モータ駆動制限手段210内の電圧比較器
212は、踏力検出手段70へ供給している電圧を抵抗
211aと抵抗211bとで分圧して得たしきい値電圧
VTHと、踏力検出出力70aを抵抗R8と抵抗R9と
で分圧した電圧とを比較する構成としている。踏力検出
手段70へ供給している電圧を分圧してしきい値電圧V
THを得ているので、踏力が所定値を越えたか否かをよ
り正確に判定できる。
【0058】電圧比較器212の出力212aはCPU
203aの入力端子へ供給している。CPU203a
は、電圧比較器212の出力212aがLレベル、すな
わち、踏力がゼロの状態が周期的に発生することを監視
している。そして、A/D変換データに基づく踏力検出
に基づいてモータ21を運転している状態で、踏力がゼ
ロの状態が周期的に検出されない場合は、PWM信号2
03eの出力を停止し、モータ21の運転を停止する構
成としている。これによって、踏力検出手段70やA/
D変換器203c等の踏力検出系の動作が正常でなく、
不要な補助トルクを発生させることを防止している。
【0059】CPU203aは、A/D変換器203c
を介して検出した踏力と、クランク回転軸回転数に対応
する信号75aに基づいて検出したクランク軸回転数と
に基づいてPWMデューティマップを検索し、求めたデ
ューティに対応したPWM信号203eを生成し出力す
る。
【0060】このPWM信号203eは、比較器212
の出力212aがHレベルの間、すなわち、所定以上の
踏力が検出されている間、論理積回路213を介してF
ET駆動回路207へ供給される。FET駆動回路20
7は、論理積出力信号213aに基づいて電界効果トラ
ンジスタFETのゲートへ電力を供給し、電界効果トラ
ンジスタFETをスイッチング駆動させる。これによっ
て、モータ21がPWM制御で運転される。
【0061】CPU203aは、モータ21の運転動作
が正常になされているか否かをモータ電流に基づいて監
視し、異常な電流値を検出したときはモータ21の運転
を制限するようにしている。モータ通電時、電界効果ト
ランジスタFETのドレイン−ソース間には、モータ電
流にこの電界効果トランジスタFETのオン抵抗を乗じ
た電圧(以下FETオン電圧と記す)が発生する。
【0062】モータ電流検出回路204内の電子スイッ
チ204aは、論理積出力信号213aのHレベルに同
期してオン状態となって、FETオン電圧を抵抗R10
とコンデンサC2からなる時定数回路204bへ供給す
る。電子スイッチ204aはバイポーラトランジスタや
電界効果トランジスタ等を用いて構成することができ
る。論理積出力信号213aに同期して取り込まれたF
ETオン電圧は、時定数回路204bでFETオン電圧
に対応した概ね直流電圧(脈流電圧)となる。この直流
電圧(脈流電圧)を電圧増幅器204cで直流増幅して
得た電圧信号204dをA/D変換器203bのA/D
変換入力端子A4へ供給している。そして、CPU20
3aは、A/D変換されたモータ電流値に係る電圧デー
タに基づいてモータ電流値が過大となっている場合は、
通電デューティを低く押さえたり、モータ21の運転を
停止するよう構成している。
【0063】さらに、CPU203cはA/D変換され
たモータ電流値に係る電圧データが予め設定したほぼモ
ータ電流がゼロに相当もしくはゼロに近い値を越えた時
点でタイマ203Tの計時を開始させ、予め設定した許
容時間内にモータ電流がほぼゼロに相当する値以下にな
らない場合は、モータ駆動指令203dの出力を停止し
て、モータ21への給電を停止させるよう構成してい
る。このように、本回路例では1チップマイクロコンピ
ュータ203内のA/D変換器203cやタイマ203
Tを利用して、モータ給電停止手段を構成している。
【0064】なお、この回路例ではFETオン電圧に基
づいてモータ電流を検出する構成としたので、電流検出
用抵抗をモータ電流経路に挿入する回路構成と比較し
て、不要な電力損失がなく、バッテリ電源BATを有効
に利用できる。
【0065】また、CPU203aは、A/D変換器2
03cを介して取り込んだバッテリ電源電圧に係るデー
タと予め設定した残量判定電圧値とを比較し、バッテリ
電源電圧が残量判定電圧値以下に低下している場合は、
表示出力203fを発生し、ランプ駆動回路208を介
してランプLを点灯させて、充電を促す表示を行なう。
なお、ランプLは連続通電せずにダイナミック点灯する
ことで節電を図っている。数秒周期で間欠点灯するよう
にしてもよい。
【0066】図11はモータ駆動制限手段の動作を示す
タイムチャートである。自転車のペダルを漕ぐとペダル
の上死点、下死点では踏力が加わらないため、踏力検出
出力70aは図11(a)に示すように周期的な増減を
繰り返す電圧波形となる。電圧比較器212は、踏力検
出出力70aの電圧がしきい値電圧VTHを越えている
間、図11(c)に示すように、Hレベルの信号212
aを出力する。したがって、踏力検出出力70aに基づ
いてCPU203aから図11(b)に示すPWM信号
203eが生成・出力されると、論理積回路(アンドゲ
ート)213を介して図11(d)に示す論理積出力信
号213aが出力され、この論理積出力信号213aに
基づいてモータ21の運転が制御される。すなわち、踏
力がしきい値を越えている間のみ、モータ21の運転が
許可され、補助力が供給される。
【0067】1チップマイクロコンピュータ203等が
何らかの原因で正常な動作ができなくなり、例えば図
(e)に示すように、時刻t1以降はHレベルの出力
が保持された状態となっても、図11(f)に示すよう
に、踏力がしきい値を越えている間しかモータ21の運
転は許可されない。したがって、1チップマイクロコン
ピュータ203等の動作が正常でなくなっても、ペダル
を踏んでいない状態ではモータ21からの補助動力が供
給されることはない。
【0068】図12は制御装置の全体動作を示すフロー
チャートである。CPU203aは、ステップS1で、
モータ電源安定化用コンデンサC1へのプリチャージが
完了した否か判定し、プリチャージ完了後にリレー駆動
指令203dを出力する(S2)。そして、クランク軸
回転数の算出(S3)、ならびに、踏力検出(S4)を
行ない、PWM信号のデューティを求め(S5)を求め
たデューティのPWM信号203eを生成して出力する
(S6)。
【0069】そして、CPU203aは、モータ電流を
検出し(S7)、モータ電流が基準値を越えているか否
か判定する(S8)。基準値を越えている間は、タイマ
203Tを利用し計時を進め(S9)、基準値を越えて
いる時間が許容時間に達したときは(S10)、PWM
信号の出力を停止し(S11)し、リレー駆動指令20
3dの出力を停止して、モータ21への給電を停止させ
(S12)。ステップS8でモータ電流が基準値以下
と判定された場合、ステップS13でタイマ203Tの
計時時間をリセットし、ステップS3以降のモータ運転
制御処理を繰り返す。この実施例では、ステップS7か
らステップS13の処理で、モータ給電停止手段の機能
動作を実現している。
【0070】図13は電流検出手段の他の構成例を示す
説明図である。PWM信号に同期させてモータ電流もし
くはモータ電圧を取り込む場合、電界効果トランジスタ
のオン・オフに伴って発生するサージ電流やサージ電圧
が混入する虞れがある。そこで、図13(a)に示すサ
ンプリングタイミング制御回路220を設けて、図13
(b)に示すPWM信号に対して、その立上り、立下り
エッジの内側にサンプリング期間を設定したサンプリン
グパルスSPを生成し、図13(c)に示すようなサン
プリングパルスSPに基づいて、FETオン電圧もしく
はモータ21の電圧を取り込むようにすることで、より
正確なモータ電流もしくはモータ電圧の検出を行なうよ
うにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る電動
補助自転車は、モータに供給される電圧もしくは電流を
検出し、検出した電圧もしくは電流が、予め設定したほ
ぼゼロに近い値以下にならない状態が、予め設定した許
容時間以上継続した場合は、モータへの給電を停止させ
る構成としたので、踏力検出や検出踏力に基づくモータ
運転制御系統が正常に動作していない場合には、モータ
への給電を停止することで、不要な補助力が供給される
のを防止することができる。また、モータへの給電をス
イッチングする半導体スイッチング素子のリーク電流増
加等の障害が発生した場合でも、その異常を検出してモ
ータへの給電を停止することで、不要な補助力が供給さ
れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動補助自転車の側面図
【図2】バッテリケースの縦断面図
【図3】バッテリケース組立の後部およびセンターケー
スの底部の縦断側面図
【図4】伝動ギア機構ならびに踏力検出手段の模式構造
【図5】電動自転車の制御系のブロック構成図
【図6】モータ給電停止手段およびゲート駆動回路の一
具体例を示す回路構成図
【図7】制御系の動作を示すタイムチャート
【図8】モータ給電停止手段の他の構成例を示す回路構
成図
【図9】モータ電圧検出に基づくモータ給電停止手段の
ブロック構成図
【図10】制御系の一具体例を示す回路構成図
【図11】モータ駆動制限手段の動作を示すタイムチャ
ート
【図12】制御装置の全体動作を示すフローチャート
【図13】電流検出手段の他の構成例を示す説明図
【符号の説明】
1 電動補助自転車 21 モータ 85,206 リレー 87,FET 電界効果トランジスタ 70 踏力検出手段 90,100,110 モータ給電停止手段 91 電流検出手段 92 しきい値判定手段 93 時間監視手段 94 給電停止制御手段 203a CPU 203c A/D変換器 203T タイマ 204 モータ電流検出回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−310177(JP,A) 特開 平6−144343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 23/02 B62K 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人力走行の補助にモータの動力を利用す
    る電動補助自転車において、前記モータに供給される電
    圧を、モータと並列に接続されるコンデンサ(C1)
    端子電圧により検出するとともに、当該検出された電圧
    値によりモータへの通電率を補正する補正手段(203
    a)を備え、 当該検出された電圧値が、予め設定した電圧値以上の状
    態が、予め設定した許容時間以上継続したことを検出す
    る第1の手段(92,93)と、 前記電圧値が検出されない状態を検出する第2の手段
    (203a,206)と、 ペダルを踏んでいない状態を検出する第3の手段(21
    0)と、の全てを備えるとともに、各々の手段のいずれ
    かの検出信号により、前記モータへの給電を停止させる
    ようにしたモータ給電停止手段(200)を備えたこと
    を特徴とする電動補助自転車。
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