JP3349014B2 - 自動洗車機の洗浄装置 - Google Patents

自動洗車機の洗浄装置

Info

Publication number
JP3349014B2
JP3349014B2 JP15278195A JP15278195A JP3349014B2 JP 3349014 B2 JP3349014 B2 JP 3349014B2 JP 15278195 A JP15278195 A JP 15278195A JP 15278195 A JP15278195 A JP 15278195A JP 3349014 B2 JP3349014 B2 JP 3349014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cloth
washing
cleaning
resin
car
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15278195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08318828A (ja
Inventor
厖 須原
重臣 酒井
Original Assignee
株式会社サンワード
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社サンワード filed Critical 株式会社サンワード
Priority to JP15278195A priority Critical patent/JP3349014B2/ja
Publication of JPH08318828A publication Critical patent/JPH08318828A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3349014B2 publication Critical patent/JP3349014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水や洗剤が噴射される
車体表面に、柔軟な洗浄体を回転接触させて洗車を行う
自動洗車機の洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動洗車機は、床面上に敷設さ
れた走行レールと、該走行レール上を往復動する門形の
洗車機本体と、該洗車機本体の上部に上下移動可能に取
り付けられた上部回転ブラシと、上記洗車機本体の両側
部にそれぞれ取り付けられた側部回転ブラシとを備えた
もので、洗車機本体には、水、洗剤及びワックス等を噴
射する各噴射ノズル、乾燥用ブロワ及び各動作部を制御
する制御装置等が搭載されている。また、固定されたト
ンネル状の洗車機本体に上記各回転ブラシ等を設け、自
動車をコンベアで搬送して、前記洗車機本体内を移動さ
せる方式の自動洗車機も一部で使用されている。
【0003】即ち、これらの自動洗車機は、洗車機本体
若しくは自動車を移動させながら、噴射ノズルから水や
洗剤を噴射すると共に、回転ブラシを車体表面に回転接
触させて、車体表面に付着している土砂等を洗い流すも
のである。
【0004】このような回転ブラシの毛は、ポリエチレ
ン等の軟質な樹脂によって形成されており、含水量が少
ないので、洗車時に重量が増加せず、凍結するおそれも
少ないという長所を有している。
【0005】しかし、上記回転ブラシの毛は、遠心力に
よって毛先が車体表面に順次打ち付けられることで洗浄
を行うものであることから、土砂等が車体の塗装面に擦
り付けられ、いわゆる洗車傷が生じるという欠点があ
る。
【0006】そこで、このような洗車傷を防止する技術
として、特開平5−229410号公報に「車両洗浄装
置」に関する発明が提案されている。この車両洗浄装置
の発明は、「回転体の外周に設けた柔軟な洗浄体を車体
の表面に接触させて該車体の表面を洗浄する洗浄装置に
おいて、上記柔軟な洗浄体の円周方向断面形状を略波形
に形成する。」ことをその要旨としている。
【0007】即ち、上記車両洗浄装置の発明は、洗浄体
の円周方向断面形状を略波形に形成することにより、洗
浄体が車体表面に接するときの衝撃を波形が変形して吸
収できるようにし、もって塗装面に洗車傷が生じるのを
防止しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
車両洗浄装置は、洗浄体を構成する材料として布を採用
していることから、次のような問題を有する。
【0009】(1)洗浄体自体が水分を吸収しやすく、
含水により洗浄体の重量が増大すると、洗浄体が車体表
面に回転接触する際の衝撃力も大きくなり、却って洗車
傷が生じやすくなる。また、含水による重量増大によっ
て回転トルクが増大するので、大きな力の駆動装置と強
固な支持構造が必要となる。これらの対策として、洗浄
体の波形谷部に通孔を穿設し、谷部に溜まる水を通孔か
ら排出できるようにすることで水はけを良くする工夫を
しているが、洗浄体の構成材料である布自体が水分を吸
収しやすいので、上記問題は依然として解決されていな
い。
【0010】(2)寒冷地では含水した洗浄体が夜間等
の不使用時に凍結するので、凍結防止や解凍のためのボ
イラや湯噴射ノズル等を洗車機本体に装備しなければな
らず、装置構造が複雑になり、製造コストが増大する。
【0011】(3)洗浄体の布目に土砂等が侵入し易
く、付着した土砂等が車体の塗装面に擦り付けられて、
洗車傷が生じやすい。
【0012】(4)使用につれて洗浄体を構成する布の
張りや腰が失われ易く、また汚れやカビも発生しやす
い。
【0013】本発明は、布を洗浄体として用いつつ、そ
の過度の含水及び土砂等の布目への侵入を防止して、洗
車傷の発生、回転トルクの増大及び寒冷地での凍結を防
止すると共に、洗浄体を構成する布の張りや腰の長期間
の保持と、汚れやカビの発生防止をも図ることのできる
自動洗車機の洗浄装置とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明に用いる自動洗車機の洗浄装置では、上記洗浄体
を、片面起毛品で、非起毛面側のみに樹脂ダイレクトコ
ーティングによる防水加工を施した布で形成しているも
のである。
【0015】
【作用】樹脂ダイレクトコーティングによる防水加工を
施した布は、布目は無論のこと、構成繊維内にも樹脂が
浸透されて樹脂被膜で覆われた構造となり、布及びその
構成繊維が水分を吸収しにくく、洗浄体の含水量を大き
く低下させることができる。従って、洗車時に洗浄体の
重量が増加せず、洗浄体が車体表面に回転接触する際に
過大な衝撃力が加わることがないばかりか、寒冷地での
凍結を防止することができる。また、洗浄体の重量が増
加しないので、回転トルクの増大も防止される。
【0016】一方、樹脂ダイレクトコーティングによる
と、上記のように布目及び構成繊維内に樹脂が浸透され
てその樹脂被膜で覆われるので、洗浄体の布目に土砂等
が侵入せず、洗浄体への土砂等の付着を防止することが
できる。また、布目及び繊維内に浸透した樹脂被膜によ
り、布の張り・腰が長期間保持されると共に、汚れの付
着やカビの発生も防止されるものである。
【0017】
【実施例】本発明に係る自動洗車機の洗浄装置の一実施
例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1に示すように、洗浄装置1は、通常、
洗車機本体2内の上部及び両側部に回転自在に取り付け
られるものである。この洗浄装置1は、図2ないし図4
に示すように、正逆回転する回転体3と、その外周部に
装着された洗浄体4と、該洗浄体4を回転体3の外周部
に固定するビスやリベット等の取付具5とを有するもの
となっている。また、回転体3は、駆動装置(図示せ
ず)により回転駆動される回転軸3aと、その外周部に
固定されている金属管または合成樹脂管からなる円筒体
3bとから構成されている。
【0019】洗浄体4を構成する材料は布であり、天然
繊維でも合成繊維でもよく、織布、不織布、織物のいず
れをも使用することができるが、強度的に合成繊維の織
布又は編み物が好ましい。また、布としては片面をピン
付きローラで毛羽立てた所謂起毛品が用いられる。起毛
品の場合、布の柔軟性を向上させてタッチをソフトにす
ることができる。
【0020】洗浄体4を構成する布は、後述する樹脂ダ
イレクトコーティングによる防水加工が施されているも
のである。樹脂ダイレクトコーティングは、片面起毛品
である布の非起毛面側から施される。このようにする
と、起毛面の風合いを損なうことなく防水性を付与する
ことができる。特に非起毛面側から布の厚み方向全体に
樹脂が浸透するように樹脂ダイレクトコーティングを施
すと良好な防水性を得ることができ、起毛面に付着した
水滴も簡単に払い落とすことができる。
【0021】樹脂ダイレクトコーティングは、樹脂と必
要な添加剤を溶剤に混合溶解させて適宜の粘度に調整し
たコーティング剤を布に塗布した後乾燥することで、布
を構成する繊維内及び布目に樹脂被膜を形成する防水加
工である。この樹脂ダイレクトコーティングのコーティ
ング剤としては、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂のコ
ーティング剤を用いることもできるが、水酸基または水
素基を有する反応性オルガノポリシロキサンと、オルガ
ノポリシロキサンの反応触媒と、ポリイソシアネート化
合物と、有機溶剤とを混合したものが好ましい。
【0022】上記好ましいコーティング剤を更に説明す
ると、本発明では、水酸基または水素基を有する反応性
オルガノポリシロキサン100重量部と、オルガノポリ
シロキサンの反応触媒0.1〜10重量部と、ポリイソ
シアネート化合物0.1〜40重量部と、適宜の量の有
機溶剤とを混合し、粘度を1000〜100000Cp
に調整したコーティング剤による樹脂ダイレクトコーテ
ィングを施すことが好ましい。このようなコーティング
剤を用いると、コーティング剤の塗布、乾燥後、更に熱
処理することで、反応性オルガノポリシロキサンとポリ
イソシアネート化合物の間で付加、重合ないし架橋反応
を完結させて、形成される樹脂被膜を一層強固なものと
することができる。
【0023】上記反応性オルガノポリシロキサンとして
は、例えば(株)トウペ製の「TBS−25ER」を用
いることができる。この製品は、水酸基を有する反応性
液状オルガノシリコーンポリマと、反応性水素基を有す
る液状オルガノシリコーンポリマとをトリクレンに溶解
した固形分を15%含有する繊維用防水加工剤である。
【0024】この反応性オルガノポリシロキサンの反応
触媒としては、同社製の製品である「Cat・TM」を
用いることができるが、一般的には亜鉛、鉛、ジルコニ
ウム、錫などの有機酸や有機金属化合物の有機酸塩を使
用することができる。
【0025】尚、同社製の製品である「Cat・TD」
を混合すれば、コーティング剤と布表面との接着性を向
上させることができる。
【0026】ポリイソシアネート化合物としては、ジフ
ェニールメタンジイソシアネート、例えば日本ポリウレ
タン工業(株)製の「ミリオネートHT」を使用するこ
とができる。その他にも例えばトリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等を使用すること
ができる。尚、必要に応じて、これらのポリイソシアネ
ート化合物を組み合わせて使用しても良く、ポリイソシ
アネート化合物中のイソシアネート基の一部をポリオー
ルにより封鎖して使用しても良い。
【0027】有機溶剤は、布表面への塗布作業を容易に
すると共に、布目への浸透性を補助するためのものであ
り、例えばトリクロロエチレン、パークロルエチレン、
1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、キシレン、
ミネラルスピリット等を用いることができる。
【0028】好ましいコーティング剤の組成比は上述し
た範囲であることが望ましく、特に、ポリイソシアネー
ト化合物を過剰に配合すると樹脂被膜の防水性の低下を
来すので、ポリイソシアネート化合物はコーティング剤
全量の1/3〜1/15の重量比で混合することが好ま
しい。また、上述の好ましいコーティング剤は、アクリ
ル樹脂系やウレタン樹脂系等の他のコーティング剤と組
み合わせて使用することもできる。
【0029】防水加工としては、樹脂ダイレクトコーテ
ィング以外に、フィルムのラミネート加工や撥水加工等
も考えられるが、フィルムのラミネート加工では短時間
の使用でフィルムが剥離し易く、撥水加工では短時間で
撥水力が低下するので、樹脂ダイレクトコーティングと
することが必要である。
【0030】前述の好ましいコーティング剤を用いた樹
脂ダイレクトコーティングによる防水加工は、例えば次
のようにして行うことができる。
【0031】まず、コーティング剤の粘度を有機溶剤に
よって1000〜100000Cpの範囲内の粘度に調
整する。粘度は、使用する布の材質や塗布装置の性能等
に応じて適宜調整する。
【0032】次に、長尺の布の面上に、ナイフコータ
やロールコータ等の塗布装置を使用して、連続的にコー
ティング剤を直接塗布する。塗布量は、コーティング剤
の種類や布の種類等によっても相違するが、ウエット状
態で130〜350g/m2程度である。
【0033】そして、コーティング剤を塗布した布を6
0〜100℃の温度下で30秒間〜5分間程度放置し
て、有機溶剤を蒸発させて樹脂被膜を乾燥させる。この
乾燥工程完了後、樹脂被膜で覆われた布を、120〜1
80℃の温度下で10秒間〜5分間程度加熱処理を行
い、反応性オルガノポリシロキサンとポリイソシアネー
ト化合物との間に付加、重合ないし架橋反応を完結させ
ることにより、防水加工が完了する。
【0034】このように、好ましいコーティング剤によ
ると、コーティング剤を布の繊維及び布目に充分に浸透
させて樹脂被膜を形成できるだけでなく、その後に付
加、重合ないし架橋反応を行わせるので、樹脂被膜が布
目に強固に付着する。また、付加、重合ないし架橋反応
により、防水成分である反応性オルガノポリシロキサン
がポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と結び
付けられるので、防水性を長期間維持することができ
る。また、コーティング剤に抗菌剤を添加しておくと、
カビの発生をより確実に防止することができる。
【0035】上記樹脂ダイレクトコーティングによる防
水加工が施された長尺の布は、必要に応じて、適宜の長
さ及び形状に裁断されて、洗浄体4として用いられるも
のである。
【0036】本実施例における洗浄体4は、図2に示さ
れるように、回転体3に対して多段のスカート状に巻き
付け固定されている。更に説明すると、本実施例におけ
る各段の洗浄体4は、樹脂ダイレクトコーティングによ
る防水加工を施した適宜の長さの布の両端を縫い合わせ
てスカート若しくはドーナツ形にすると共に、図3及び
図4に示されるように、内周側放射方向にスリット6を
形成し、このスリット6間の内周部をひだ寄せして束ね
て、この束ねた部分を回転体3に対して取り付け具5で
固定したものとなっている。また、各スリット6の先端
部には、スリット6からの布の裂け伝播を防止するた
め、円形のストップホール7が形成されている。
【0037】洗浄体4の取り付け状態は上記のものに限
定されるものではなく、種々の取り付け状態を採ること
ができる。
【0038】図5は洗浄体4の他の取り付け状態を示す
もので、樹脂ダイレクトコーティングによる防水加工を
施した長尺の布を回転体3に対して螺旋状に巻き付け固
定したものとなっている。布の回転体3に対する固定
は、基本的には図3及び図4に示されるものと同様で、
布を回転体3に螺旋状に巻き付けながら、先端にストッ
プホール7が形成された各スリット6間をひだ寄せして
束ねて、この束ねた部分を回転体3に対して取り付け具
5で固定することで行われている。
【0039】このような螺旋状に洗浄体4を取り付ける
と、洗浄体4が上下に一連であるため、図2に示される
ような多段に洗浄体4を設けた場合のように、洗浄装置
1を回転させた時に上下の洗浄体4間に隙間を生じて洗
い残し部分を生じることがなく、車体全面を確実に洗浄
することができる。また、1本の洗浄装置について1枚
の長尺の布を使用して洗浄体4を構成することができ、
図2に示されるような多段の洗浄体4のように、1段の
洗浄体4毎に布をスカート若しくはドーナツ形に縫い合
わせる手間も不要で、洗浄体4の形成及び取り付け作業
が容易となる。
【0040】図6も洗浄体4の他の取り付け状態を示す
もので、樹脂ダイレクトコーティングによる防水加工を
施した適宜の長さの布の一側をひだ寄せして束ねること
で全体として扇形に形成した洗浄体4を多数回転体3に
対して固定したものとなっている。各洗浄体4の回転体
3に対する固定は、図7に示されるように、上記束ねた
部分を下向きに屈曲させ、この部分を取り付け具5で回
転体3に固定することで行われている。束ねた部分を下
向きに屈曲させているのは、この屈曲部分の弾力性によ
り、各洗浄体4が極端に下方に垂れないようにするため
である。
【0041】図6に示される洗浄装置1においては、扇
形の洗浄体4が同一周方向に3〜7枚程度、好ましくは
5枚取り付けられ、これを上下等間隔で多段に設けられ
たものとなっている。また、このような多段取り付けで
はなく、各扇形洗浄体4を螺旋状に取り付けることもで
きる。
【0042】図2、図5及び図6に示される洗浄装置1
の洗浄体4は、単なる平坦な布で構成されたものである
が、車体に接触する時の衝撃を更に緩和する上で、上下
に波打つプリーツ加工を施した布で洗浄体4を構成する
ことが好ましい。このプリーツ加工を施しておくと、プ
リーツがエキスパンジョンとして作用し、衝撃を吸収す
ることができる。
【0043】プリーツ加工は、樹脂ダイレクトコーティ
ングによる防水加工を施した長尺の布の長さ方向に所要
の間隔でひだ寄せし、これをプレスした状態で加熱する
ことで行うことができる。特に本発明においては、布に
樹脂が染み込んでいることから、形成されたプリーツが
崩れにくく、長期間に亙ってしっかりしたプリーツを維
持することができる。
【0044】上記プリーツ加工を施した布で洗浄体4を
構成した洗浄装置1を図8〜図10に示す。図8、図9
及び図10に示される洗浄装置1は、プリーツ加工を施
した布を用いている点以外、夫々図2、図5及び図6に
示される洗浄装置1と同様である。
【0045】特に図10に示されるような洗浄装置1と
する場合、図11及び図12に示されるように布にプリ
ーツ加工を施し、図13に示されるような羽根状の洗浄
体4とすることが好ましい。
【0046】 即ち、樹脂ダイレクトコーティングによ
る防水加工を施した布を、図11に示されるような台形
状に切断し、図中右側に位置する垂辺側(基端側)の各
折り幅は総てW1 の均等幅とし、図中左側に位置する斜
辺側(先端側)の折り幅は広い幅のW2 と狭い幅のW3
の交互として、図中点線で示される位置で布を折ると図
12に示されるように、基端側の谷部と山部は重なり、
先端側の谷部と山部は順次上方にずれる状態となる。ま
た、左右の長さもずれることになる。この折り目でプリ
ーツ加工を施し、図11における基端側を束ねて先端側
を広げると、図12に示されるような羽根状の洗浄体4
となる。
【0047】羽根状の洗浄体4は、先端が斜辺であるこ
とから、一側が他側よりやや長くなり、短辺側と長辺側
のある方向性を有するものとなる。この羽根状の洗浄体
4は、総て同一方向に向けて取り付けてもよいが(通
常、回転方向に短辺側を向け、回転方向前方から後方へ
順次谷部と山部が上方にずれるようにすることが好まし
い。)、相隣接する洗浄体4の長辺側と短辺側が逆にな
るように取り付けてもよい。
【0048】尚、本発明に係る洗浄装置1を設けた自動
洗車機においては、水や洗剤を、洗浄装置1の洗浄体4
が車体面に接する位置に向けて噴射することが好まし
い。これは、本発明の洗浄装置1に用いる洗浄体4が防
水加工を施したもので、吸水性がほとんどないことか
ら、このような洗浄体4に拘らず水や洗剤を洗浄面に確
実に作用させるためである。また、このようにすること
で、水や洗剤を無駄なく洗車に用いることができ、洗浄
体4への余分な含水も防止することができる。
【0049】次に、本発明に係る洗浄装置の作用効果を
確認するための実験例を示す。
【0050】実験例1 布としては、トリコットの片面に起毛加工を施したもの
を用い、両面に樹脂ダイレクトコーティングを施したも
の(参考品)と、非起毛面側のみ樹脂ダイレクトコーテ
ィングを施したもの(本発明)と、樹脂ダイレクトコ
ーティングを施していないもの(比較品)とを用意し、
各9cm四方の試験片について、自然乾燥状態の当初の
重量(初期重量)、水中に2分間浸した直後の重量(水
浸漬後重量)、水中に2分間浸した後、1分間吊り下げ
て自然水切りした後の重量(水切り後重量)を測定し
た。また、含水量は、水切り後重量から初期重量を差し
引いた値として求めた。
【0051】結果を表1に示す。
【0052】表1から明らかなように、本発明品及び参
考品はいずれも比較品に比して、自然水切りした後の含
水量が極めて小さく、これらの布を洗浄体とした場合の
含水による重量増加が極めて少ないことが分かる。尚、
本発明品及び参考品共に、水切り後も起毛面に水滴の付
着が認められ、軽く振った後の重量は、本発明品1で
1.4g、本発明品2で1.6gであった。
【0053】
【表1】
【0054】実験例2 実験例1における本発明で洗浄体を構成した洗浄装置
(本発明洗浄装置)と、実験例1における比較品で洗浄
体を構成した洗浄装置(比較洗浄装置)との比較実験を
行った。本発明洗浄装置及び比較洗浄装置共に、図5に
示されるような螺旋状に洗浄体を設けたものとした。こ
の比較実験は、含水量、土砂等の付着量、凍結状態、形
状保持状態及び汚れ状態の各項目について行った。
【0055】含水量は、10回連続洗車後に1分間洗浄
装置を空回しして水切りを行った後に切り取った9cm
四方の試験片の重量から、洗車前の自然乾燥状態で切り
取った同じ大きさの試験片の重量を差し引いて求めた。
土砂等の付着量は、同様の洗車後に洗浄体10cm2
たり残留する砂粒等の数をルーペで観察測定した。凍結
状態は、−4℃の温度下における洗浄体の凍結の有無を
外観観察した。形状保持状態は、洗車回数50回後の形
状保持状況を外観観察した。汚れ状態は、洗車回数50
回後の汚れの程度を外観観察した。その結果を、表2に
示す。
【0056】
【表2】
【0057】表2から明らかなように、本発明洗浄装置
は、含水量、土砂等の付着量、凍結状態、形状保持状態
及び汚れ状態の全ての項目について、比較洗浄装置より
も優れた結果を得ることができた。
【0058】また、本発明洗浄装置については、洗車回
数5回、10回、20回、30回、40回、50回の洗
車後に前記と同様にして含水量を求めたが、表3に示す
ように、含水量の増大はほとんど認められなかった。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。
【0061】(1)樹脂ダイレクトコーティングによる
防水加工によって洗浄体4の含水量が大きく低下するの
で、含水による洗浄体4の重量増加がなく、洗浄体4が
車体面と接触する際の衝撃を緩和できると共に、樹脂被
膜によって洗浄体4への土砂等の付着を防止することが
できるので、車体の塗装面に洗車疵が生じるのを回避す
ることができる。
【0062】(2)上記のように洗浄体4の含水量が極
めて小さいので、寒冷地での洗浄体4の凍結を防止する
ことができる。従って、凍結防止や解凍のための設備を
省略でき、装置構造が複雑化せず、製造コストを低減す
ることができる。
【0063】(3)洗浄体4内に染み込んだ樹脂によっ
て洗浄体4の張りや腰が維持されるので、長期間所定の
形状が維持され、洗浄体4がへたることによる洗浄効果
の低下が防止される。
【0064】(4)含水量が少なく、水がはじかれるこ
とから、カビの発生及び汚れの付着が防止され、清潔で
奇麗な外観を長期間保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗浄装置を設けた自動洗車機の概
略正面図である。
【図2】本発明に係る洗浄装置の一実施例を示す側面図
である。
【図3】図2に示される洗浄装置洗浄体を広げた状態の
の平面図である。
【図4】図2に示される洗浄装置における洗浄体の回転
体への固定状態を示す図である。
【図5】本発明に係る洗浄装置の他の実施例を示す側面
図である。
【図6】本発明に係る洗浄装置の他の実施例を示す側面
図である。
【図7】図6に示される洗浄装置における洗浄体の回転
体への固定部分の拡大図である。
【図8】本発明に係る洗浄装置の他の実施例を示す側面
図である。
【図9】本発明に係る洗浄装置の他の実施例を示す側面
図である。
【図10】本発明に係る洗浄装置の他の実施例を示す側
面図である。
【図11】羽根状洗浄体のプリーツ状態を示す平面説明
図である。
【図12】羽根状洗浄体全体をプリーツに沿って束ねた
状態の側面図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2 洗車機本体 3 回転体 3a 回転軸 3b 円筒体 5 取り付け具 6 スリット 7 ストップホール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−125613(JP,A) 特開 平6−57414(JP,A) 特開 昭61−282480(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体表面に、回転体に装着した柔軟な洗
    浄体を回転接触させて洗車を行う自動洗車機の洗浄装置
    において、 上記洗浄体が、片面起毛品で、非起毛面側のみに樹脂ダ
    イレクトコーティングによる防水加工を施した布で形成
    されていることを特徴とする自動洗車機の洗浄装置。
  2. 【請求項2】 布が、上下に波打つプリーツ加工が施さ
    れていることを特徴とする請求項1の自動洗車機の洗浄
    装置。
JP15278195A 1995-05-29 1995-05-29 自動洗車機の洗浄装置 Expired - Lifetime JP3349014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15278195A JP3349014B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 自動洗車機の洗浄装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15278195A JP3349014B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 自動洗車機の洗浄装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08318828A JPH08318828A (ja) 1996-12-03
JP3349014B2 true JP3349014B2 (ja) 2002-11-20

Family

ID=15548015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15278195A Expired - Lifetime JP3349014B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 自動洗車機の洗浄装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3349014B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4896511B2 (ja) * 2005-11-22 2012-03-14 株式会社コーワ 洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機
JP4805694B2 (ja) * 2006-03-02 2011-11-02 旭化成せんい株式会社 洗車機用ブラシ基材及び洗車ブラシ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08318828A (ja) 1996-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3096228B2 (ja) 洗車装置
CA2732039C (en) Improved cleaning blade strip element for making motor vehicle washing system rotary brush assemblies
JP3349014B2 (ja) 自動洗車機の洗浄装置
KR100457870B1 (ko) 발포폐쇄셀형합성수지제가요성세정요소를구비한브러쉬
JP3418959B2 (ja) 車両洗浄装置の洗浄体
US4611359A (en) Top brush construction with inflatable center section
US3545024A (en) Rotary cleaning device and apparatus for cleaning
US10260806B2 (en) Vehicle wash drying system
JP3098630B2 (ja) 車両洗浄装置の洗浄体
JPH08318830A (ja) 自動洗車機の洗浄装置
JPH08318829A (ja) 自動洗車機の洗浄装置
JP3080610U (ja) 自動洗車ブラシ
JP3156806B2 (ja) 車両洗浄装置
TW386953B (en) Purging body and manufacturing method thereof
US4547922A (en) Top brush construction with inflatable center section
JP5118367B2 (ja) 洗車機用洗浄ブラシのブラシ片及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機
JP2009067164A (ja) 洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機
JP3156807B2 (ja) 車体洗浄装置
JP3123116U (ja) 自動洗車ブラシ
JP3585178B2 (ja) 洗車装置の回転ブラシ
JPH10244911A (ja) 洗車機用回転ブラシ
JP4402181B2 (ja) 回転ブラシ洗浄体材料および回転ブラシ
JP2008264139A (ja) 洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機
JP4086750B2 (ja) 電気掃除機
JP3045170U (ja) 洗車ブラシ及び自動洗車機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000627

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070913

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090913

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100913

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100913

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110913

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120913

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120913

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130913

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term