JP3347638B2 - 超臨界水酸化処理方法及び装置 - Google Patents

超臨界水酸化処理方法及び装置

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JP3347638B2 JP06096797A JP6096797A JP3347638B2 JP 3347638 B2 JP3347638 B2 JP 3347638B2 JP 06096797 A JP06096797 A JP 06096797A JP 6096797 A JP6096797 A JP 6096797A JP 3347638 B2 JP3347638 B2 JP 3347638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の有機物質等
を超臨界水酸化(SCWO)により分解する際に用いる
超臨界水酸化処理方法及び装置、詳しくはその反応容器
の構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】有機性廃水を分解処理する物理化学的方法
としては、薬品酸化法,光酸化法,直接燃焼法などが知
られ、また例えば高温高圧条件下(200〜300℃,
15〜100気圧)で高濃度(1%程度)の有機性廃水
を分解処理するのにエネルギー的に有利で、かつNO
X ,SOX の発生がない方法として湿式酸化法が知られ
ている。しかしこの湿式酸化法も有機物の分解性に限界
(低級カルボン酸の蓄積やアンモニアの残存)があって
後段に生物学的処理設備が必要になるという問題があ
る。
【0003】これらに代わる方法として、近時、難分解
有機物や有害有機物等の各種の有機物質、あるいは塩素
化合物,窒素化合物,硫黄化合物等を含むために生物学
的な処理ができない物質を含む廃水を、超臨界水酸化で
分解する提案がされている(特公平1−38532号公
報等)。
【0004】この超臨界水酸化による方法は、水の臨界
条件すなわち臨界温度374℃及び臨界圧力220気圧
を越えた条件下の水(超臨界水)は、その極性が温度と
圧力で制御可能となってパラフィン系炭化水素やベンゼ
ン等の非極性物質も溶解することができ、また酸素等の
ガスとも任意の割合で単一相で混合するという有機物酸
化分解用の反応溶媒として極めて優れた特性を示すこ
と、分解対象物の炭素含有率が数%あれば酸化熱だけで
臨界温度以上にまで昇温可能であるため熱エネルギー的
に非常に優れていること、超臨界水中で加水分解反応や
熱分解反応により殆どの難分解性有機物や有毒有機物等
をほぼ完全に分解できること、などの極めて優れた利点
があるため注目を集めている。この超臨界水酸化法は、
基本的には次のフローによって実施される。すなわち、
分解対象物を含む流体,酸素等の酸化剤流体,超臨界
水、の三流体を予め混合状態にてあるいは一部混合状態
にて、超臨界酸化の反応を行う反応容器に供給し、水の
超臨界条件下で分解対象物を酸化分解する。これにより
水とガス(主に炭酸ガスと一部の揮発性物質)となった
分解物を分離し、ガスは減圧手段を介して大気へ放出
し、水は必要に応じてこれに含まれる塩,無機物を溶解
させて排出する。
【0005】このような超臨界水酸化による有機性廃水
の分解方法は、実験室やパイロット規模の研究では安全
でクリーンなプロセスとして、その有効性が既に確認さ
れている。しかしながら工業的規模の設備でこの方法を
効率よく実施するためには更に解決すべき技術的課題が
指摘され、その一つに反応容器の壁面に無機塩(以下単
に「塩」という)が付着して閉塞や壁面の腐食を招く問
題が挙げられ、その対策技術の確立が求められている。
すなわち、付着に伴って反応容器の頻繁な交換が必要に
なればランニングコストの上昇を招き、また処理の中断
などのために効率が低下するからである。
【0006】反応容器壁面への塩の付着という問題は、
超臨界水に対する塩の溶解度が亜臨界水に比べて極めて
小さい(例えば、CaCl2 は500℃,250気圧の
超臨界水に数ppmしか溶解しない)ことに由来してお
り、分解対象物である有機物に混合している無機物ある
いは有機物と化学結合している無機物が反応容器に持ち
込まれて超臨界水酸化の条件下にある反応容器内で塩と
して析出し壁面に付着する現象として現れる。例えば、
塩素や硫黄等を含む有機物を超臨界水,酸素等の酸化物
と共に反応容器に導入して超臨界水酸化を行うと、塩素
イオンや硫酸イオンが生成しそのままでは反応容器内の
pHが低下して反応容器が腐食されることになる。そこ
でpH低下を防ぐために反応容器に導入する被処理液等
に中和剤を添加して中和を行わせることがよいが、その
結果として壁面に付着する塩が析出することになる。
【0007】このような反応容器壁面への塩付着を防
ぎ、閉塞,腐食を防止するための対策として、国際公開
WO92/21621号では、図3に示すように、下部
に塩を溶解させるための亜臨界領域103を有する構造
の反応容器101の上部超臨界領域(反応領域)102
から、壁面104に沿って亜臨界水を流して水膜(wa
ter wall)105を形成させ、この亜臨界水の
水膜105に塩を溶解させて亜臨界領域103に流下さ
せることで塩の壁面104への付着を防止する方法が提
案されている。
【0008】また、他の方法としては、図4に示すよう
に反応容器201を、耐圧密閉構造の外管(例えばステ
ンレス管)202と、多孔質材からなる内管(例えば焼
結金属管,セラミックス管)203の二重管構造に設け
て内管内側を反応領域(超臨界領域)204とすると共
に、外管202と内管203の間の隙間206に反応容
器内の圧力よりも高い圧力の超臨界水205を供給し、
多孔質内管203を通して超臨界水205を反応容器2
01内部に噴出させることで反応領域204で析出した
塩の内管203への付着を防ぐ方法が提案されている
(米国特許5387398号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案のう
ちの壁面に沿って亜臨界水の水膜を形成する方法では、
反応容器の内部は水の超臨界条件に維持された高温の状
態にあるため、内壁全面に亜臨界水の均一な水膜を常に
形成させておくことが困難であり、水膜の切れた部分に
塩が析出,付着して、閉塞,腐食の防止が確実に図れな
いという難点がある。
【0010】また、反応容器を二重管構造とし多孔質内
管の外側から内側に超臨界水を噴出させる方法では、反
応に必要な超臨界水より多量の超臨界水が必要なため、
多量の熱エネルギーが必要となり、ランニングコストが
嵩む問題がある。
【0011】本発明者は、以上のような従来技術の現状
に鑑みなされたものであり、反応容器壁面への塩付着を
効果的に防ぐことができ、これにより反応容器の閉塞,
腐食の防止に有効であり、反応容器の交換頻度を低減す
ることができてランニングコストを低減できる超臨界水
酸化処理方法、及びこの方法を実施する装置の提供を目
的とするものである。
【0012】また本発明の別の目的は、反応容器内壁面
への塩の付着防止を図るためのエネルギー消費量が少な
く、この点においてもランニングコストを低減すること
ができる超臨界水酸化処理方法、及び装置を提供すると
ころにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記各請求項に
記載した技術的手段を採用することによって上記の目的
を達成するものである。
【0014】すなわち、請求項1に記載した方法発明の
特徴は、多孔質筒体からなる反応容器の内側に形成した
超臨界水酸化の反応領域に、該反応容器の軸方向一端側
から、水、無機物と有機物の混合物又は無機物と化学結
合している有機物を少なくとも含む流体を供給して超臨
界水酸化を行わせると共に、該反応容器を形成する多孔
質筒体を通気して外側全周囲から内側の反応領域に酸素
又は酸素を含むガスを噴出させるようにしたところにあ
る。
【0015】本発明方法は、水の臨界温度及び臨界圧力
を越えた雰囲気で超臨界水酸化を行う方法であるため上
記の反応容器は耐圧密閉容器内に配置されることでその
条件とされる。反応容器にはその筒の全周からできるだ
け均等にガスを噴出できる通気性を備えたものが用いら
れ、この反応容器である筒体を通して内側の反応領域に
噴出されるガスは、酸素、あるいは空気等の酸素を含む
ガス(以下これらを総称して「含酸素ガス」という)で
あればよく、噴出によって反応容器内壁面に塩が付着し
ない程度に噴出速度が設定される。この噴出のために上
記耐圧密閉容器と反応容器の間に形成される隙間に導入
される含酸素ガスの圧力は、反応領域の圧力に対して高
ければよく、一般的には0.01〜50kgF/cm
2 、好ましくは0.1〜10kgF/cm2 程度高い圧
とされることがよい。
【0016】上記において反応領域に供給される「水、
無機物と有機物の混合物又は無機物と化学結合している
有機物を少なくとも含む流体」とは、超臨界状態で酸化
すべき分解対象物であり、この分解対象物が水に分散又
は溶解している場合も含み、更に補助燃料、その他の超
臨界水酸化に支障のない物質を含む場合を除外するもの
ではない。上記有機物は例えば有機性廃水などの有機
物、有毒有機物などを挙げることができるがこれに限定
されるものではない。本発明においては反応容器の軸方
向一端側から、有機物とともに酸化剤を供給することを
除外するものではなく、また上記有機物、酸化剤と共に
超臨界水を供給することを除外するものではない。酸化
剤は一般的には酸素、空気等の含酸素ガスを好ましいも
のとして挙げることができる。「流体」というのは上記
物質等を反応領域に供給するのに適当な流動性を有する
ものであることをいい、各物質は常温において気体、液
体、固体のいずれの相状態であってよい。
【0017】以上の構成の請求項1の方法発明によれ
ば、塩の反応容器(筒体)内壁面への付着は含酸素ガス
の噴出により防止でき、超臨界水を噴出させる方法に比
べてエネルギー消費を著しく低減できる。また噴出ガス
は特に加温しなくとも超臨界水酸化の反応が阻害される
悪影響もないので、加圧だけで足り、この点からしても
ネルギー消費が軽減される。また反応容器の内壁面から
含酸素ガスを噴出することにより、この含酸素ガスを超
臨界水酸化反応における酸化剤として有効利用すること
ができ、よって反応容器の軸方向一端側から供給する酸
化剤を不要とするかあるいはその供給量を大幅に低減で
きる。
【0018】なおこの方法発明は、反応容器である筒体
を横型(水平)に配置して流体を一方向に流動させる方
式、反応容器を縦型(垂直)に配置して流体を上部から
供給する方式のいずれにも適用することができる。
【0019】請求項2に記載した方法発明は、上記の反
応容器である筒体を縦型(垂直)に配置した場合、すな
わち多孔質筒体の軸を垂直方向に向けて配置してその筒
体の内側に形成した超臨界水酸化の反応領域に、反応容
器の上端側から上記流体を水の超臨界条件下にて供給す
る構成の改良されたものであり、反応容器を形成する多
孔質筒体を通気して外側全周囲から内側の反応領域に酸
素又は酸素を含むガスを噴出させると共に、更に該反応
容器の上端側から分解生成ガスを含む処理流体を排出す
ることを特徴とする。
【0020】このようにすることで、上述した塩付着の
防止、エネルギー消費の軽減が実現できることに加え、
反応領域から上側に分解生成ガスを含む処理流体を排出
するため、反応の終了した主に密度の軽いガス及び水
(超臨界温度以上では超臨界水)のみが排出されること
になって、未分解状態の物質の排出を抑制できるという
利点も得られる。
【0021】請求項3に記載した発明は、上記した方法
発明の実施に利用される装置の構成を特徴とするもので
あり、耐圧容器と、この耐圧容器内に二重管構造をなす
ように配置されて筒内側に超臨界水酸化の反応領域を形
成する多孔質筒体からなる反応容器と、該反応容器の軸
方向一端側から水、無機物と有機物の混合物又は無機物
と化学結合している有機物を少なくとも含む流体を水の
超臨界条件下にて供給するための流体供給手段と、上記
耐圧容器とその内部の上記反応容器の間の隙間に反応領
域の圧力より高い圧の酸素又は酸素を含むガスを供給す
るための酸素ガス供給手段と、上記反応容器の他端側か
ら超臨界水酸化による分解生成物を含む処理流体を排出
するための排出手段とを備え、上記反応容器は、多孔質
筒体を通ることによる通気性を除いてその反応容器内側
と耐圧容器との間の隙間を圧力的に実質的に遮断し、該
隙間に供給された酸素又は酸素を含むガスを多孔質筒体
の通気性により反応容器内側に噴出させるように設けた
ことを特徴とする。
【0022】上記において「水の超臨界条件下にて供
給」というのは、水を加温,加圧して超臨界水状態と
し、例えばこれに他の物質を予めあるいは反応領域への
入口において混合して供給することをいい、反応領域に
おいて超臨界水酸化を行わせる条件が満足されるもので
あればよい。
【0023】上記構成において、耐圧容器は、内部にお
ける超臨界水酸化の反応のための条件、すなわち水の臨
界温度及び臨界圧力を越えた条件を維持するための耐圧
密閉構造を有するものであることが必要であり、例えば
ステンレス鋼等の材料を用いて耐圧構造に作られたもの
が用いられる。なお本発明においては、反応領域は二重
管構造をなすように内部に配置した多孔質筒体(反応容
器)の内側に形成されるため、超臨界水酸化により析出
する塩の耐圧容器の内壁面への付着はないため必ずしも
高価な耐食性材料を用いることは要しない。また実質的
な反応容器を構成する多孔質筒体には、筒の全周からで
きるだけ均等に内側にガスを噴出できる通気性を備えた
ものが用いられる。例えば焼結金属,セラミックス等に
より形成した多孔質体が好ましいものと挙げられる。こ
の反応容器(筒体)は、流体供給管、分解生成物排出管
が接続されている他は筒体の両端を閉塞したものとして
もよいし、耐圧容器により一端又は両端を閉塞した構造
としてもよい。
【0024】上記の流体供給手段、酸素ガス供給手段、
分解生成物の排出手段は、配管、ポンプ、タンク、減圧
器等々、従来の装置で利用されているものを用いること
ができる。
【0025】上記において耐圧容器と反応容器の間の隙
間と、反応容器内側(反応領域)とは、この反応容器の
多孔通気路を通ることによる通気性(連通性)を除き、
圧力的には実質的に遮断され、これにより、耐圧容器と
反応容器の間の隙間似供給された高圧の含酸素ガスが、
反応容器の多孔を通って反応容器内側(反応領域)に噴
出する状態が与えられる。「実質的に遮断」とは、上記
ガスの多孔通気路を通った噴出ができる程度の遮断性が
満足されればよい。
【0026】以上の構成の装置により、反応容器の内側
に形成された反応領域においての超臨界水酸化の反応を
行うことができると共に、この領域で析出する塩は、反
応容器の壁面から含酸素ガスが噴出するため該壁内面に
付着することが防止される。請求項4に記載した発明
は、上記請求項3の発明における耐圧容器を縦型(軸を
垂直)に配置し、この耐圧容器内に配置した多孔質筒体
からなる反応容器の内側に超臨界水酸化の反応領域を形
成したことを特徴とするものであり、このために該反応
容器の上端側から水、無機物と有機物の混合物又は無機
物と化学結合している有機物を少なくとも含む流体を水
の超臨界条件下にて供給するための流体供給手段と、上
記耐圧容器とその内部の上記反応容器の間の隙間に反応
領域の圧力より高い圧の酸素又は酸素を含むガスを供給
するための酸素ガス供給手段と、上記反応容器の下端側
から超臨界水酸化による分解生成物を排出するための第
1の排出手段と、上記反応容器の上端側から超臨界水酸
化による分解生成ガスを含む処理流体を排出するための
第2の排出手段とを設け、上記反応容器は、多孔質筒体
を通ることによる通気性を除いてその内側と上記耐圧容
器との間の隙間を圧力的に実質的に遮断し、該隙間に供
給された酸素又は酸素を含むガスを多孔質筒体の通気性
により反応容器内側に噴出させるように設けたことを特
徴とする。
【0027】このように構成することで、上述した反応
容器壁内面への塩付着を防止できると共に、エネルギー
消費の軽減が実現でき、更に反応領域から第2の排出手
段により上側に分解生成ガスを含む処理流体を排出する
ため、反応の終了した密度の軽いガスおよび水のみが反
応容器の上側から排出されることになって未分解状態の
物質の排出を抑制できる。
【0028】請求項5に記載した発明は、上記請求項4
の装置において、少なくとも反応容器の下部に水の臨界
温度よりも低い亜臨界領域を設けると共に、この亜臨界
領域に液相を供給,排出する手段を設けたことを特徴と
する。
【0029】このようにすることで、反応領域で析出し
た塩は、下部の亜臨界領域で亜臨界水に溶解させて反応
容器から外部に排出される。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は本発明の一実施形態の装置の構成概要を模式図的
に示したものであり、この図において、1はステンレス
鋼等からなる耐圧容器であり、本例では、流体供給管
2、分解生成物排出管3が上下端に接続されている他
は、閉塞された円筒形状の耐圧密閉構造に設けられてい
る。
【0031】4はこの耐圧容器1の内部に配置された焼
結金属等の多孔質筒体からなる実質的な反応容器であ
り、本例では、耐圧容器1の上端から下端に渡って実質
的に内外を区画した二重管構造をなすように設けられて
いる。
【0032】そして、上記耐圧容器1の内壁と反応容器
4の外壁の間に形成される隙間5には、本例では空気供
給管6が接続されている。なお、7は反応容器4の上流
側に形成される水の臨界温度及び臨界圧力を越えた超臨
界領域(反応領域)、8は反応容器4の下流側に形成さ
れる水の臨界温度を下回る亜臨界領域を示し、本例では
反応容器4が超臨界領域7から亜臨界領域8に渡って配
置されるように構成されている。図1では反応容器4が
縦方向に配置されて示されているが、反応容器4は横方
向に配置されていもさしつかえなく、例えばスパイラル
状であってもさしつかえない。
【0033】以上の構成の超臨界水酸化処理装置におい
て、流体供給管2からは、その反応領域7への供給口直
前において混合された流体(被処理物であり塩生成物質
を含む有機物流体、アルカリ水溶液、酸素ガス、及び超
臨界状態まで加圧,加温された超臨界水の混合した流
体)が、反応領域7に供給される。
【0034】また同時に、空気供給管6から、反応領域
7の圧力よりも高圧とされた空気が隙間5に連続して常
に供給される。
【0035】これにより、隙間5に供給された高圧の空
気は、反応容器4の多孔を通気して内側の反応領域7に
噴出し、この反応領域7で行われている超臨界水酸化で
生成した塩が反応容器4の壁内面に付着しようとするの
を防ぐ。
【0036】そして亜臨界領域に至って温度が臨界温度
以下となることで生じた亜臨界水に塩が溶解し、分解生
成物の流れに乗って下流側に送られる。
【0037】以上により、反応領域において超臨界水に
は殆ど溶解しない塩が析出しても、反応容器壁面から空
気が噴出することによりこれが壁内面には付着すること
がなく、亜臨界領域側に送られて亜臨界水に溶解して、
閉塞や壁面の腐食を招くことがない。
【0038】実施形態2 図2に示した本例は、反応容器4の上部から分解生成ガ
スを含む処理流体を排出する上部管10を接続し、ま
た、生成した塩等を溶解して排出するために、反応容器
4の下部側に亜臨界水が存在する亜臨界領域8を形成
し、ここに水を供給するための水供給管11を反応容器
4の下端部に接続する。更に塩を溶解した亜臨界水を排
出するための水排出管12を反応容器4の下端部に接続
する。他の構成は図1の実施形態1と同じであるので同
じ符号を付すことで説明は省略する。本例においても、
流体供給管2からはその反応領域7への供給口直前にお
いて混合された流体(上記と同じ)が反応領域7に供給
されると共に、同時に空気供給管6から、反応領域7の
圧力よりも高圧とされた空気が隙間5に連続して常に供
給され、これにより、隙間5に供給された高圧の空気は
反応容器4の多孔を通気して内側の反応領域7に噴出
し、この反応領域7で行われている超臨界水酸化で生成
した塩が反応容器4の壁内面に付着しようとするのを防
ぐ。
【0039】そして、密度の軽い分解生成ガスは水を含
む処理流体となって排出管10から排出され、その他の
塩類等の物質は亜臨界領域8の亜臨界水に溶解し、この
亜臨界水が水排出管12から排出されることで反応容器
の外部に排出される。
【0040】以上により、本例においても、反応領域に
おいて超臨界水には殆ど溶解しない塩が析出しても反応
容器壁面への塩の付着がなく、亜臨界水に溶解して排出
されるので、反応容器の閉塞や壁面の腐食を招くことが
ない。また密度の軽い分解生成ガスのみが排出されるの
で、未分解の物質が排出されることが抑制される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、実質的な反応容器であ
る多孔質筒体を通して含酸素ガスを反応領域に噴出する
ことで該反応容器壁面への塩付着を効果的に防ぐことが
でき、これにより反応容器の閉塞,腐食の防止に有効で
あり、反応容器の交換頻度を低減することができて、ラ
ンニングコストを低減した超臨界水酸化処理を実現する
ことができる。
【0042】また、反応容器内壁面への塩の付着防止を
含酸素ガスの噴出により行うので、超臨界水を噴出方式
に比べてエネルギー消費量が大幅に少なくてよく、この
点においてもランニングコストを低減することができ
る。また上記含酸素ガスを超臨界水酸化反応における酸
化剤として利用できるので、反応容器の軸方向から分解
対象物とともに供給する酸化剤を不要とするか、あるい
はその供給量を大幅に低減させることができる。
【0043】更に、反応容器である筒体を縦型に配置し
て上側から分解生成ガスを含む処理流体を排出する方法
によれば、密度の軽いガスおよび水のみが排出されるの
で未分解の物質の排出を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる超臨界水酸化処理装置の実施形
態1の構成概要を模式図的に示した図。
【図2】本発明よりなる超臨界水酸化処理装置の実施形
態2の構成概要を模式図的に示した図。
【図3】従来の超臨界水酸化処理装置の一例の構成概要
を模式図的に示した図。
【図4】従来の超臨界水酸化処理装置の他の例の構成概
要を模式図的に示した図。
【符号の説明】
1・・・耐圧容器、2・・・流体供給管、3・・・分解
生成物排出管、4・・・反応容器、5・・・隙間、6・
・・空気供給管、7・・・超臨界領域、8・・・亜臨界
領域、10・・・上部排出管、11・・・水供給管、1
2・・・水排出管。
フロントページの続き (72)発明者 安生 徳幸 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オル ガノ株式会社総合研究所内 (56)参考文献 米国特許5461648(US,A) 米国特許5387398(US,A) 国際公開94/20207(WO,A1) 国際公開92/21621(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/74 A62D 3/00 B01F 5/00 B01J 3/00 B09B 3/00 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質筒体からなる反応容器の内側に形
    成した超臨界水酸化の反応領域に、該反応容器の軸方向
    一端側から、水、無機物と有機物の混合物又は無機物と
    化学結合している有機物を少なくとも含む流体を供給し
    て超臨界水酸化を行わせると共に、該反応容器を形成す
    る多孔質筒体を通気して外側全周囲から内側の反応領域
    に酸素又は酸素を含むガスを噴出させることを特徴とす
    る超臨界水酸化処理方法。
  2. 【請求項2】 軸を垂直方向に向けて配置した多孔質筒
    体からなる反応容器の内側に形成した超臨界水酸化の反
    応領域に、該反応容器の上端側から、水、無機物と有機
    物の混合物又は無機物と化学結合している有機物を少な
    くとも含む流体を供給して超臨界水酸化を行わせると共
    に、該反応容器を形成する多孔質筒体を通気して外側全
    周囲から内側の反応領域に酸素又は酸素を含むガスを噴
    出させ、更に該反応容器の上端側から分解生成ガスを含
    む処理流体を排出することを特徴とする超臨界水酸化処
    理方法。
  3. 【請求項3】 耐圧容器と、この耐圧容器内に二重管構
    造をなすように配置されて筒内側に超臨界水酸化の反応
    領域を形成する多孔質筒体からなる反応容器と、該反応
    容器の軸方向一端側から水、無機物と有機物の混合物又
    は無機物と化学結合している有機物を少なくとも含む流
    体を水の超臨界条件下にて供給するための流体供給手段
    と、上記耐圧容器とその内部の上記反応容器の間の隙間
    に反応領域の圧力より高い圧の酸素又は酸素を含むガス
    を供給するための酸素ガス供給手段と、上記反応容器の
    他端側から超臨界水酸化による分解生成物を含む処理流
    体を排出するための排出手段とを備え、上記反応容器
    は、多孔質筒体を通ることによる通気性を除いてその反
    応容器内側と上記耐圧容器との間の隙間を圧力的に実質
    的に遮断し、該隙間に供給された酸素又は酸素を含むガ
    スを多孔質体の通気性により反応容器内側に噴出させる
    ように設けたことを特徴とする超臨界水酸化処理装置。
  4. 【請求項4】 耐圧容器と、この耐圧容器内に二重管構
    造をなすように軸を垂直方向に向けて配置されて筒内側
    に超臨界水酸化の反応領域を形成する多孔質筒体からな
    る反応容器と、該反応容器の上端側から水、無機物と有
    機物の混合物又は無機物と化学結合している有機物を少
    なくとも含む流体を水の超臨界条件下にて供給するため
    の流体供給手段と、上記耐圧容器とその内部の上記反応
    容器の間の隙間に反応領域の圧力より高い圧の酸素又は
    酸素を含むガスを供給するための酸素ガス供給手段と、
    上記反応容器の下端側から超臨界水酸化による分解生成
    物を排出するための第1の排出手段と、上記反応容器の
    上端側から超臨界水酸化による分解生成ガスを含む処理
    流体を排出するための第2の排出手段とを備え、上記反
    応容器は、多孔質筒体を通ることによる通気性を除いて
    その反応容器内側と上記耐圧容器との間の隙間を圧力的
    に実質的に遮断し、該隙間に供給された酸素又は酸素を
    含むガスを多孔質筒体の通気性により反応容器内側に噴
    出させるように設けたことを特徴とする超臨界水酸化処
    理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、少なくとも反応容器
    の下部に水の臨界温度よりも低い亜臨界領域を設けると
    共に、この亜臨界領域に液相を供給,排出する手段を設
    けたことを特徴とする超臨界水酸化処理装置。
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