JP2000189781A - 高圧処理装置、高圧処理装置への供給方法および高圧処理装置の保護方法 - Google Patents

高圧処理装置、高圧処理装置への供給方法および高圧処理装置の保護方法

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JP2000189781A
JP2000189781A JP10373823A JP37382398A JP2000189781A JP 2000189781 A JP2000189781 A JP 2000189781A JP 10373823 A JP10373823 A JP 10373823A JP 37382398 A JP37382398 A JP 37382398A JP 2000189781 A JP2000189781 A JP 2000189781A
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Yutaka Hasegawa
裕 長谷川
Kazuya Yamada
和矢 山田
Yoshie Akai
芳恵 赤井
Yoshihisa Saito
宣久 斉藤
Yoshikazu Matsubayashi
義和 松林
Yasushi Yamaguchi
恭志 山口
Tsuneo Omura
恒雄 大村
Yumiko Abe
由美子 阿部
Atsushi Obara
敦 小原
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Toshiba Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安全性・耐食性に優れた高圧反応容器を有す
る高圧処理装置およびその高圧反応容器の保護方法を提
供すること。 【解決手段】 第1の固体貯留槽101と、第2の固体
貯留槽103と、高圧反応容器200内に反応媒体を供
給する反応媒体供給手段309と、第1の密封機構と第
2の密封機構との間に第1の流体を供給する第1の流体
供給機構と、第2の密封機構と高圧反応容器との間に第
2の流体を供給する第2の流体供給機構と、第1の密封
機構閉鎖時に第2の密封機構を開放するとともに第1の
流体と第2の流体を制御して、第1の密封機構と第2の
密封機構との間の圧力と、第2の密封機構と高圧反応容
器との間の圧力とが、高圧反応容器に向けて漸減するよ
うな圧力勾配を形成する圧力勾配形成手段とを有する高
圧処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物と媒体と
を高圧下で反応させて処理する高圧処理装置に関する。
更に詳しくは、亜臨界または超臨界条件の媒体を使用し
た高圧処理装置に関し、特に、こうした高圧処理装置に
おいて被処理物と媒体とを高圧下で反応させて処理する
高圧反応容器とその高圧反応容器の保護方法、および高
圧反応容器へ被処理物を供給する装置及び供給方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、水の臨界点(温度374℃、圧力
22MPa)を越える高圧下の水中で反応を起こさせる
技術、二酸化炭素の臨界点(温度31℃、圧力7.38
MPa)を越える高圧下の二酸化炭素中で反応を起こさ
せる技術、各種炭化水素の臨界点を越える高圧下の炭化
水素中で反応を起こさせる技術等が知られている[齋藤
正三郎監修「超臨界流体の科学と技術」三共ビジネス
(1996年)等]。このような超臨界流体を利用する
ことで、以下の効果が得られる[「化学工学」第56
巻、第12号、886ページ〜889ページ(1992
年)]。
【0003】(1)わずかの圧力変化で大きな密度変化
が得られる。一般に物質の溶解度は密度と比例するの
で、圧力変化のみにより大きな溶解度差が得られること
になる。この性質は、抽出分離に応用される。
【0004】(2)超臨界流体の密度は、液体と類似し
ているが、低粘性、高拡散性である。したがって、液体
より物質移動の面で有利になり大きな反応速度が得られ
る。
【0005】(3)超臨界流体の熱伝導度が著しく大き
い。したがって反応温度の制御が容易になる。
【0006】最近では、こうした超臨界流体あるいは亜
臨界流体、特に超臨界水を反応媒体として利用し、有機
性廃棄物や無機性廃棄物を分解する装置が着目されてい
る。この方法では比較的コストが高い反面、焼却する場
合に比べて分解生成物が無害な物質まで完全に分解され
る、焼却灰が飛散しない等の長所があり、有機性毒物や
放射性廃棄物の分解等への適用が考えられている。
【0007】こうした物質を処理する場合には、装置の
安全性が最重要課題であり、高圧反応容器は腐食などに
よる損傷を受けないことが前提となる。また、被処理物
を装置に供給する際にも、外部に漏れないようにする必
要がある。
【0008】高圧反応容器は、一般に反応媒体および反
応物に対する耐食性を考慮し、その圧力に耐える強度、
厚さを備えた圧力容器として設計される。オーステナイ
ト系ステンレス鋼およびNi基合金は高温強度と高耐食
性を備え、代表的な高温高圧反応容器材料として広く用
いられている。しかしながら、ClまたはSO
イオン等を含む超臨界水酸化条件においては、耐食性が
不十分で、腐食する可能性が大きいと報告されている
(D.A.Hazlebeck, K.W.Doeney, J.P.Elliot andM.H.Spr
itzer, Proc. First Int. Workshop on Supercritical
Water Oxidation)。
【0009】このような環境において高い耐食性を示す
金属材料としては、Pt、Au等の貴金属類、Ti、T
i合金、Ta、Ta合金またはセラミックス等が考えら
れる。しかし、これらの材料は、一般の圧力容器鋼に比
べて高価である。また、材料によっては耐食性は高いが
強度が低く、それ自体では圧力容器とはなり難いものも
ある。こうした場合には、ライニングやコーティング等
の被覆材として用いるほかない。
【0010】こうした問題を解決する手段として、高圧
反応容器を2重構造として外部圧力容器内に高圧反応容
器を設置し、高圧反応容器内の圧力と空隙部の圧力を等
して高圧反応容器に多大の圧力がかからないような構造
が提案されている(特開平9-85075 、高圧反応方法及び
高圧反応装置)。
【0011】この方法では高圧反応容器には耐圧性が要
求されず、耐食性さえ高ければよく薄肉構造の容器を採
用可能である。したがって、装置のコストを低減できる
長所がある。また、外部圧力容器は高い耐食性が要求さ
れず耐圧性さえ高ければよく、材料の選択性が拡大し、
コスト低下につながる。
【0012】しかしながら、孔食や応力腐食割れ等の局
部的な損傷を完全に予知することは困難であり、一度こ
のような損傷が起こった場合には高圧反応容器内の有害
物質が拡散して空隙内に漏れ出し、外部圧力容器までも
汚染する恐れがある。
【0013】反応熱の発生が不十分で高圧反応容器を加
熱する必要がある場合には、通常は高圧反応容器外部に
電気ヒータ等の加熱器を配設し、容器壁を熱伝導媒体と
して利用し容器内を加熱する。しかし、上述のように外
部圧力容器までも汚染される可能性があると、加熱器を
外部圧力容器の外部に設ける必要があるが、外部圧力容
器と高圧反応容器の間には保圧媒体が存在するため、加
熱効率が非常に悪くなる。
【0014】被処理物を効率よく反応させるためには、
被処理物の高圧反応容器への供給量や供給速度を容易に
コントロールできることが望ましい。安全性の面から
も、こうしたコントロールが必要である。しかし、被処
理物が固体材料、特に乾いた固体材料の場合には、高温
高圧の高圧反応容器内へ供給することは困難である。特
に連続的に供給することは非常に難しい。
【0015】超臨界流体あるいは亜臨界流体内では物質
の反応度が大きいため、高圧反応容器内の超臨界流体あ
るいは亜臨界流体が被処理物供給手段に侵入すると、供
給手段内で反応が起きる恐れがある。また、超臨界流体
が、逆流した供給手段内で臨界温度以下となり液体に変
化することもある。
【0016】こうした問題は、固体材料を超臨界流体中
に供給する場合だけではなく、圧力の高い流体中に供給
する場合の共通の問題である。
【0017】したがって、高圧反応容器内の流体の被処
理物供給手段への逆流を防止することは、非常に重要で
ある。
【0018】図17,18に、固体材料を高圧反応容器
に供給する装置の従来例を示す。
【0019】図17は、有機材料をスラリーにしてフィ
ード・ポンプで高圧反応容器に供給する例である[「超
臨界水中における有機物の酸化処理方法」特許第155
1862号公報(特公平1−38532号公報参
照)]。
【0020】フィード・ スラリータンク11に供給され
た有機材料のフィードは調整水と混合されスラリー化さ
れる。このスラリーは、フィード・ポンプ15により、
抽出器17を経由して、酸化反応器19内へ供給され、
原料源20から酸化剤コンプレッサー22を経て供給さ
れた空気または酸素と混合され、超臨界状態で反応させ
られる。反応生成物は、灰分分離器25に送られ、灰分
26などを除去されてからエキスパンダー・ タービン2
8に送られ出口部30に至る。
【0021】この技術のように、固体をスラリーにし
て、高圧反応容器へ供給するには、固体を代表径数十μ
m以下の微粉にして流体と混合してやる必要がある。し
かし、微粉は飛散しやすい、静電気の影響を受けやすい
などの理由で、取り扱いが難しい。また、例えば、プラ
スチック類では、疎水性がある、水との密度差が大きい
等の理由で、スラリー化が困難な場合もある。さらに、
被処理物が放射性核種を吸着した使用済みイオン交換樹
脂の場合、前処理として粉砕することは汚染を飛散させ
ることと等しく、スラリー化は不可能である。
【0022】図18は、プラスチック廃棄物を融解して
供給する例である(「プラスチック廃棄物の油化方法及
び装置」特開平10−67991号公報参照)。
【0023】プラスチック廃棄物51は、熱交換パイプ
54が設けられた溶融槽52で溶融されて溶融プラスチ
ック53となり、予熱器55に送られる。次いで、反応
器56に供給された溶融プラスチック53は、ボイラー
57から供給された高温の水蒸気58と混合され、超臨
界状態で分解される。生じた反応生成物59は予熱器5
5で冷却され、溶融槽52の熱交換パイプ54を通過し
てプラスチック廃棄物51の溶融に利用される。更に必
要であれば熱交換器60で冷却され、気液分離器61に
送られる。液成分は分離機62に送られ、ガス成分は後
処理器66に送られる。
【0024】この技術の対象となるのは融解可能な固体
に限られ、石炭や熱硬化性のプラスチック等には適用で
きないという問題がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
の技術が有する課題を解決するためになされたもので、
高圧高腐食性条件で、安全に効率よく処理を行うため
に、安全性・耐食性に優れ低価格な高圧処理装置を提供
することを目的とするものである。
【0026】さらに、安全性・ 耐食性に優れた高圧反応
容器を有する高圧処理装置およびその高圧反応容器の保
護方法を提供することを目的とする。
【0027】固体をスラリーにすることなくあるいは融
解することなく、高圧反応容器内に断続的または連続的
に供給する高圧処理装置および被処理物供給方法を提供
することを目的とするものである。さらに、被処理物供
給時に、高圧反応容器内の流体が供給装置に逆流するこ
とを確実に防止できる高圧処理装置および被処理物供給
方法を提供することを目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の高圧処理装置は、第1の
固体貯留槽と、前記第1の固体貯留槽に第1の連結管を
介して接続された第2の固体貯留槽と、前記第2の固体
貯留槽に第2の連結管を介して接続された高圧反応容器
と、前記高圧反応容器内に反応媒体を供給する反応媒体
供給手段と、前記第1の連結管と前記第2の連結管にそ
れぞれ介挿された第1の密封機構と第2の密封機構と、
前記第1の密封機構と前記第2の密封機構との間に第1
の流体を供給する第1の流体供給機構と、前記第2の密
封機構と前記高圧反応容器との間に第2の流体を供給す
る第2の流体供給機構と、前記第1の密封機構閉鎖時に
前記第2の密封機構を開放するとともに前記第1の流体
と前記第2の流体を制御して、前記第1の密封機構と前
記第2の密封機構との間の圧力と、前記第2の密封機構
と前記高圧反応容器との間の圧力とが、前記高圧反応容
器に向けて漸減するような圧力勾配を形成する圧力勾配
形成手段とを有することを特徴とする。
【0029】第1の密封機構と第2の密封機構として
は、例えば、往復動開閉機が用いられるが、特にこれに
限られるものではなく、高圧流体の密閉を確保できるも
のであればよい。
【0030】被処理物としては、スラリー化や溶融化の
困難な固体を対象とすることができる。例えば、疎水性
プラスチック廃棄物、放射性核種を吸着した固体廃棄
物、石炭等が挙げられる。
【0031】高圧反応容器内で起こる反応としては、超
臨界状態あるいは亜臨界状態による物質の分解、酸化、
合成、抽出分離等があるが、必ずしも超臨界状態あるい
は亜臨界状態での反応に限られるものではなく、高圧力
下での反応であればよい。
【0032】反応媒体としては、水、二酸化炭素、炭化
水素、空気、酸素、またはこれらの2種以上の混合物が
好ましく用いられるが、特にこれに限られるものではな
く、目的とする反応、被処理物等に応じて適宜選択され
る。
【0033】反応媒体に酸化剤を加えてもよい。例え
ば、プラスチックを分解する場合には、水に、酸化剤と
して過酸化水素水を加えることで、分解効率を向上でき
好ましい。
【0034】第1および第2の流体は、目的とする反
応、被処理物等に応じて適宜選択される。例えば、空
気、酸素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素ガス、窒素ガ
ス、アルゴンガス、またはこれらの2種以上の混合物等
の気体を用いることができる。また、水、過酸化水素
水、液体炭化水素、またはこれらの2種以上の混合物等
の液体を用いてもよい。
【0035】例えば、プラスチックを分解したり石炭を
燃焼させたりする場合には、空気や酸素を、第1および
第2の流体として使用すれば、高圧反応容器での反応効
率を向上させ好ましい。空気は、入手しやすく装置も簡
素化できるので、コストの点からも好ましい。
【0036】水等の液体を使用すれば、被処理物を洗い
落としながら高圧反応容器に供給することができ好まし
い。
【0037】こうした構成により、固体である被処理物
を高圧反応容器に供給する際に、高圧反応容器から第2
の固体貯留槽側への流体の逆流を防止できる。
【0038】請求項2記載の高圧処理装置は、請求項1
記載の高圧処理装置において、前記圧力勾配形成手段
が、前記第1の流体の圧力を調整する第1の圧力調整装
置と、前記第1の流体の供給量を調整する第1の流量調
整装置と、前記第2の流体の圧力を調整する第2の圧力
調整装置と、前記第2の流体の供給量を調整する第2の
流量調整装置とを有することを特徴とする。
【0039】こうした構成により、固体である被処理物
を高圧反応容器に供給する際に、第2の固体貯留槽側か
ら高圧反応容器側に常に流体が流れるようにして、高圧
反応容器から第2の固体貯留槽側への流体の逆流を確実
に防止できる。
【0040】請求項3記載の高圧処理装置は、請求項1
または2記載の高圧処理装置において、前記第2の固体
貯留槽の容積が前記第1の貯留槽の容積より小さいこと
を特徴とする。
【0041】第1の固体貯留槽と第2の固体貯留槽の容
積比率は、100000〜2: 1、好ましくは、100
00〜10: 1、更に好ましくは100〜10:1であ
る。
【0042】高圧反応容器へ固体を供給する場合には、
装置材料、使用温度、使用圧力等によって値は異なる
が、耐圧機能を要求される装置の材料肉厚は厚くする必
要がある。第1の固体貯留槽には耐圧機能が要求されな
いため、第1の固体貯留槽からこれより容積の小さい第
2の固体貯留槽に、被処理物を小分けして移動させる構
成とすれば、耐圧機能を要求される第2の固体貯留槽を
従来より小さくして、装置のコストを低減できる。
【0043】請求項4記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至3いずれか1項記載の高圧処理装置において、前記
第2の固体貯留槽が圧力逃し弁を有することを特徴とす
る。
【0044】この圧力逃し弁を開放することで、第1の
固体貯留槽から第2の固体貯留槽への被処理物の移動
を、大気圧下で行うことができる。
【0045】請求項5記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至4いずれか1項記載の高圧処理装置において、前記
第1の密封機構より下流の前記第1の連結管、前記第2
の固体貯留槽、前記第2の連結管、前記第2の密封機構
および前記高圧反応容器が耐圧性であることを特徴とす
る。
【0046】上述したように、高圧反応容器へ固体を供
給する場合には、耐圧機能を要求される装置の材料肉厚
は厚くする必要があるが、このように耐圧機能を要求さ
れる範囲を従来より小さくすれば、装置のコストを低減
できる。
【0047】請求項6記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至5いずれか1項記載の高圧処理装置において、前記
第2の固体貯留槽から前記高圧反応容器への固体の移動
が重力によって行われることを特徴とする。
【0048】こうした構成により、第2の固体貯留槽か
ら高圧反応容器へ被処理物を供給する構造を簡素化でき
る。
【0049】請求項7記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至6いずれか1項記載の高圧処理装置において、前記
第1の固体貯留槽および前記第2の固体貯留槽の少なく
とも一方に振動手段を有することを特徴とする。
【0050】第1の固体貯留槽内あるいは第2の固体貯
留槽内の固体の供給時に振動が固体間の架橋形成を防
ぎ、第1の固体貯留槽あるいは第2の固体貯留槽あるい
は連結管を固体が閉塞することを防げる。
【0051】請求項8記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至7いずれか1項記載の高圧処理装置において、前記
第2の密封機構と前記高圧反応容器との間に冷却手段を
有することを特徴とする。
【0052】こうした構成により、高圧反応容器側の温
度が高い場合でも、第2の密封機構側の温度を低く保つ
ことができる。
【0053】請求項9記載の高圧処理装置は、請求項1
乃至8いずれか1項記載の高圧処理装置において前記第
1の密封機構および第2の密封機構の少なくとも一方に
ボール弁を用いることを特徴とする。
【0054】ボール弁とは、球状の弁体を使用し配管部
と同等の通過面積を持ちグリスが不要な弁である[日本
機械学会編「機械工学便覧基礎編応用編」丸善、B1−
167ページ(1987年)]。
【0055】こうした構成により、被処理物の広い通過
面積を確保しかつ高圧流体の密閉を確保することができ
る。密封機構を小型化し、また高圧反応容器の圧力に逆
らう駆動力も不要となる。
【0056】請求項10記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至9いずれか1項記載の高圧処理装置において、前
記第1の固体貯留槽と前記第2の固体貯留槽との間およ
び前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応容器との間の少
なくとも一方にロータリーフィーダを有することを特徴
とする。
【0057】ロータリーフィーダとは、粉粒体の供給装
置の一つで、回転羽根の回転により粉粒体の供給を連続
的にし供給速度を制御するものである[化学工学協会編
「化学工学便覧改訂五版」丸善、871ページ(198
8年)]。
【0058】ロータリーフィーダを設けることで、第2
の固体貯留槽の被処理物を高圧反応容器に連続的にかつ
定量的に供給できる。
【0059】請求項11記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至10いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記第1の固体貯留槽に供給する固体を粗砕する粗砕手
段を有することを特徴とする。
【0060】粗砕手段としては、例えば、インパクトク
ラッシャーが好ましく用いられるがこれに限られるもの
ではなく、被処理物に応じて適宜選択される。弾性を有
する被処理物は、低温脆性であれば、液体窒素などで低
温にしてから破砕すればよい。
【0061】こうした構成により、塊状の固体でも高圧
処理装置に供給できる。また、低温粉砕機を用いれば、
弾性を有する塊状の固体でも低温脆性を有する物質であ
れば供給できる。
【0062】請求項12記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至11いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記第1の固体貯留槽と前記高圧反応容器との間に固体
の供給速度を測定する測定手段を有することを特徴とす
る。
【0063】測定手段としては、検出板と衝撃荷重の測
定装置とからなる供給速度測定装置や、計量貯留槽と重
量計からなる供給速度測定装置等がある。
【0064】こうした構成により、高圧反応容器への被
処理物の供給量をコントロールし易くなり、高圧反応容
器内の温度、圧力、組成など条件の変化幅を小さくでき
る。また、供給量累積値から、第1の固体貯留槽あるい
は第2の固体貯留槽内の被処理物残量を知り、装置の運
転モードの切り換え時を正確に検知できる。
【0065】請求項13記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至12いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応容器との間にスク
リューフィーダを有することを特徴とする。
【0066】スクリューフィーダはスクリューの回転に
より粗粉固体を連続的に輸送する装置であり、これを用
いることで、滑らかに連続的に被処理物を高圧反応容器
へ供給できる。
【0067】請求項14記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至13いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応容器との間に振動
フィーダを有することを特徴とする。
【0068】振動フィーダは、振動機の斜め方向の振動
により粗粉固体を連続的に輸送する装置であり、これを
用いることで、滑らかに連続的に被処理物を高圧反応容
器へ供給できる。
【0069】請求項15記載の高圧処理装置は、高圧反
応容器と、前記高圧反応容器を内部に配設する外部容器
と、前記高圧反応容器内に被処理物を供給する被処理物
供給手段と、前記高圧反応容器内に反応媒体を供給する
反応媒体供給手段と、前記外部容器と前記高圧反応容器
との間隙内の圧力を前記高圧反応容器内の圧力よりも高
く制御する間隙圧力制御手段とを有することを特徴とす
る。
【0070】被処理物としては、固体のみならず、液体
でもよい。固体をスラリー化したものや溶融化したもの
でもよい。液体を対象とする場合には、例えば、ポンプ
等を供給手段とできる。
【0071】高圧反応容器内外の圧力差を小さくするこ
とにより、高圧反応容器に要求される強度は著しく低下
し、高温強度が必要なくなり薄肉化が可能となる。高圧
反応容器内外の圧力差は、約2MPa以下とすることが
好ましく、更に好ましくは、約0.5MPa以下であ
る。
【0072】請求項16記載の高圧処理装置は、請求項
15記載の高圧処理装置において、前記間隙圧力制御手
段が前記間隙に保圧流体を供給する保圧流体供給装置
と、前記保圧流体の圧力を調整する保圧流体圧力調整装
置を有することを特徴とする。
【0073】こうした構成により、間隙圧力のコントロ
ールが容易となる。高圧反応容器内と間隙内との圧力を
測定する圧力センサを設け、これらのセンサの測定値に
基づいて保圧流体の圧力調整を行ってもよい。
【0074】請求項17記載の高圧処理装置は、請求項
15または16記載の高圧処理装置において、前記外部
容器の温度を前記高圧反応容器の温度より低く制御する
手段を有することを特徴とする。
【0075】例えば、間隙内の流体を液体として、この
流体の温度をコントロールすることで、外部容器の温度
を高圧反応容器の温度より低くすることができ、高圧反
応容器内が高温である場合には特に好ましい。高圧反応
容器内と間隙内との温度を測定する温度センサを設け、
これらのセンサの測定値に基づいて保圧流体の温度調整
を行ってもよい。
【0076】こうした構成により、外部容器温度を低く
保つことができるため、外部容器に高温強度や耐食性の
低い材料を使用できる。また、高圧反応容器の内壁の温
度も、容器内部の反応温度よりも低く保つことができ、
高圧反応容器の腐食速度を低下させることができる。
【0077】請求項18記載の高圧反応容器は、請求項
15乃至17いずれか1項記載の高圧処理装置におい
て、前記外部容器が胴部および開閉可能な蓋部からな
り、前記高圧反応容器が前記外部容器に着脱可能に固定
されていることを特徴とする。
【0078】こうした構成により、高圧反応容器の交換
・ 補修が容易となる。
【0079】請求項19記載の高圧反応容器は、請求項
15乃至18いずれか1項記載の高圧処理装置におい
て、前記高圧反応容器が、オーステナイトステンレス
鋼、Ni、Zr、Ti、Ta、Au、Pt、これらの2
種以上の合金およびこれらの1種以上と他の金属との合
金のいずれかからなるあるいはいずれかで内面を被覆さ
れていることを特徴とする。
【0080】腐食環境が酸化性であるか、塩化物を含む
かどうかにより、各種不動態材料の使用可能範囲は図1
6のように表される[M.Stern, C.Bishop, Trans. Ame
r. Soc. Metals, Vol.52, p.239(1960)]。
【0081】例えば、高圧反応容器内部の塩化物濃度が
100ppb以下と低く、かつ酸化性の雰囲気である場合に
は、オーステナイトステンレス鋼で高圧反応容器を製造
するあるいはライニングを施すことが好ましい。
【0082】例えば、塩化物濃度が1%以下と低い場合
には、Ni基耐食合金で高圧反応容器を製造するあるい
はライニングを施すことが好ましい。
【0083】例えば、塩化物濃度が1%以下と低く、か
つ酸化性の雰囲気である場合には、ZrまたはZr基合
金で高圧反応容器を製造するあるいはライニングを施す
ことが好ましい。
【0084】例えば、塩化物濃度が1%以上とやや高
く、かつ酸化性の雰囲気である場合には、TiまたはT
i基合金で高圧反応容器を製造するあるいはライニング
を施すことが好ましい。
【0085】例えば、塩化物濃度が1%以上とやや高
く、かつ酸化性または還元性の雰囲気である場合には、
TaまたはTa基合金で高圧反応容器を製造するあるい
はライニングを施すことが好ましい。
【0086】例えば、塩化物濃度が数%以上と高い場合
には、Au、Au合金、PtまたはPt基合金で高圧反
応容器を製造するあるいはライニングを施すことが好ま
しい。
【0087】腐食性の高い反応物質に接触する高圧反応
容器内面を、処理環境に応じて、耐食性の高い金属で構
成することで、腐食から守ることができる。
【0088】請求項20記載の高圧反応容器は、請求項
15乃至18いずれか1項記載の高圧処理装置におい
て、前記高圧反応容器の内面に、セラミックスが溶射さ
れていることを特徴とする。
【0089】高圧反応容器内部の温度が約550 ℃以上と
極めて高い場合には、耐食性の良いセラミックスの溶射
を施すことが好ましいからである。腐食性の高い反応物
質に接触する高圧反応容器内面を、処理環境に応じて、
耐食性の高いセラミックスで被覆し、腐食から守ること
ができる。
【0090】請求項21記載の高圧反応容器は、請求項
15乃至20いずれか1項記載の高圧処理装置におい
て、前記高圧反応容器内に加熱手段を設置することを特
徴とする。
【0091】加熱手段を容器内部に挿入して内部加熱と
することで加熱効率が向上する。
【0092】請求項22記載の高圧反応容器は、請求項
21記載の高圧処理装置において、前記加熱手段表面
が、オーステナイトステンレス鋼、Ni、Zr、Ti、
Ta、Au、Pt、これらの2種以上の合金およびこれ
らの1種以上と他の金属との合金のいずれかで被覆され
ていることを特徴とする。
【0093】加熱手段の表面は、伝熱面であり温度も高
く最も厳しい腐食環境となるため、高耐食性金属で被覆
する必要がある。上述したように、腐食環境が酸化性で
あるか、塩化物を含むかどうかにより、各種不動態材料
の使用可能範囲は図16のように表される[M.Stern,
C.Bishop, Trans. Amer. Soc. Metals, Vol.52, p.239
(1960)]。
【0094】例えば、高圧反応容器内部の塩化物濃度が
100ppb以下と低く、かつ酸化性の雰囲気である場合に
は、加熱手段をオーステナイトステンレス鋼で被覆する
ことが好ましい。
【0095】例えば、塩化物濃度が1%以下と低い場合
には、Ni基耐食合金で被覆することが好ましい。
【0096】例えば、塩化物濃度が1%以下と低く、か
つ酸化性の雰囲気である場合には、ZrまたはZr基合
金で被覆することが好ましい。
【0097】例えば、塩化物濃度が1%以上とやや高
く、かつ酸化性の雰囲気である場合には、TiまたはT
i基合金で被覆することが好ましい。
【0098】例えば、塩化物濃度が1%以上とやや高
く、かつ酸化性または還元性の雰囲気である場合には、
TaまたはTa基合金で被覆することが好ましい。
【0099】例えば、塩化物濃度が数%以上と高い場合
には、Au、Au合金、PtまたはPt基合金で被覆す
ることが好ましい。
【0100】こうして、腐食性の高い反応物質に接触す
る加熱手段の表面を、処理環境に応じて、耐食性の高い
金属で被覆することで、腐食から守ることができる。
【0101】高圧反応容器内で起こる反応によっては、
加熱器を初期加熱のみに利用し、装置運転中の熱源を反
応物に頼ることもできるが、こうした場合には、加熱器
内部に冷却用ガスを流せる構造とすることが好ましい。
加熱器運転停止時に冷却すれば、加熱器表面の腐食を抑
制できるからである。
【0102】請求項23記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至14いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記高圧反応容器が外部容器の内部に配設されており、
前記高圧反応容器と前記外部容器との間隙内の圧力を前
記高圧反応容器内の圧力よりも高く制御する間隙圧力制
御手段を有することを特徴とする。
【0103】被処理物が固体であっても、高圧反応容器
に安全に供給できる。
【0104】請求項24記載の高圧処理装置は、請求項
1乃至23いずれか1項記載の高圧処理装置において、
前記高圧反応容器内の反応媒体が、超臨界状態あるいは
亜臨界状態であることを特徴とする。
【0105】請求項25記載の高圧処理装置への供給方
法は、第1の固体貯留槽から第2の固体貯留槽に固体を
大気圧下で供給し、前記第2の固体貯留槽から高圧反応
容器に前記固体を供給するにあたり、前記第1の固体貯
留槽と前記第2の固体貯留槽との間に第1の密封機構を
介在させ、前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応容器と
の間に第2の密封機構を介在させ、前記第1の密封機構
を閉鎖し前記第2の密封機構を開放するとともに、前記
第1の密封機構と前記第2の密封機構との間の圧力と、
前記第2の密封機構と前記高圧反応容器との間の圧力と
が、前記高圧反応容器に向けて漸減する圧力勾配を形成
することを特徴とする。
【0106】こうした方法により、被処理物を高圧反応
容器に供給する際に、高圧反応容器から第2の固体貯留
槽側への流体の逆流を防止できる。
【0107】請求項26記載の高圧処理装置の保護方法
は、高圧反応容器と、前記高圧反応容器を内部に配設す
る外部容器との間隙に保圧流体を満たし、前記保圧流体
を加圧して前記間隙内の圧力を前記高圧反応容器内の圧
力よりも高く維持し、前記保圧流体の温度と動きを制御
して前記外部容器の温度を前記高圧反応容器の温度より
低く維持することを特徴とする。
【0108】こうした方法により、高圧反応容器を確実
に保護することができる。
【0109】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図を参照して
説明する。なお、以下の図において、同一の要素には同
一の符号を付け重複する説明を省略する。
【0110】( 実施例1)図1に本実施例に係る高圧処
理装置の概略を示す。
【0111】実施例1の高圧処理装置は、固体廃棄物を
超臨界状態で分解処理する装置であり、大まかに言う
と、被処理物を超臨界状態で反応させ処理する高圧反応
容器200、高圧反応容器200に被処理物を供給する
被処理物供給装置100、高圧反応容器に反応媒体を供
給する媒体供給装置300、および高圧反応容器200
で生成された反応生成物を回収する生成物回収装置40
0からなる。
【0112】図1に示すように、供給装置100におい
ては、ステンレス鋼製の第1の固体貯留槽101とステ
ンレス鋼製の第2の固体貯留槽103を連結するステン
レス鋼製の第1の供給管105に、第1の密封機構とし
ての第1の往復動開閉機102が設けられており、第2
の固体貯留槽103と高圧反応容器200を連結するス
テンレス鋼製の第2の供給管106には、第2の密封機
構としての第2の往復動開閉機104が設けられてい
る。
【0113】第1の固体貯留槽101には密封機能をも
たない蓋99が設けられている。放射性廃棄物などを処
理する場合には、第1の固体貯留槽101へ被処理物を
供給する際に周囲の環境への漏洩を防ぐため、供給装置
100をグローブボックスやドラフトなどの中に設置す
ることが望ましい。
【0114】第1の固体貯留槽101と第2の固体貯留
槽103には、振動機117,118がそれぞれ設けら
れている。第2の固体貯留槽103の容積は第1の固体
貯留槽101の容積より小さく設定されている。例え
ば、第1の固体貯留槽101の容積が0.1m以上で
ある場合には、第2の固体貯留槽103の容積は0.0
01m〜0.01m程度であることが好ましい。こ
れらの容積は上記の値に限られるものではなく、被処理
物の種類、処理量、処理速度、目的とする反応の種類等
によって、適宜設定される。
【0115】第2の固体貯留槽103と第2の往復動開
閉機104および高圧反応容器200の間の第2の供給
管106とへ高圧流体を供給する高圧流体供給装置10
7が設けられている。
【0116】高圧流体供給装置107から第2の固体貯
留槽103へ供給される流体161の流路には、流体1
61の供給圧力を制御する第1の圧力制御機構108、
供給流量を制御する第1の流量制御機構109及び供給
を開始したり停止したりする第1の開閉バルブ110が
設置されている。
【0117】第2の固体貯留槽103には、第2の固体
貯留槽103内の圧力を逃す圧力逃し弁111が設けら
れている。
【0118】高圧流体供給装置107から第2の往復動
開閉機104と高圧反応容器200との間の第2の供給
管106へ供給される流体163の流路には、流体16
3の供給圧力を制御する第2の圧力制御機構112、供
給流量を制御する第2の流量制御機構113及び供給を
開始したり停止したりする第2の開閉バルブ114が設
置されている。
【0119】被処理物供給装置100の、第1の往復動
開閉機102から高圧反応容器200までの構造につい
ては、各構造物の壁を厚くして耐圧機能を持たせてあ
る。例えば、本実施例ではステンレス鋼製の供給管の内
径が約50mmである場合には肉厚は約50mmとして
いる。
【0120】高圧反応容器200は耐圧性の外部容器2
03の内部に配設されている。外部容器203はステン
レス鋼製で、肉厚を厚くして耐圧構造となっている。高
圧反応容器200はチタン合金製であり、外部容器20
3と違って、耐圧構造とはなっていない。
【0121】高圧反応容器200の容積の好適値は、被
処理物の種類、処理量、処理速度、分解反応の種類等で
変動するため、適宜設定される。本実施例では約0.0
3mとした。
【0122】高圧反応容器200には、反応媒体供給装
置300が連結されている。反応媒体供給装置300
は、水タンク307、過酸化水素水タンク308、それ
ぞれのタンクごとに設けられたポンプ303、304お
よび反応媒体供給管309からなり、供給管309には
予熱器305が設けられている。水と過酸化水素を所定
の割合で高圧反応容器200へ供給するための供給コン
トローラを設けてもよい。
【0123】高圧反応容器200と外部容器203との
間隙202には配管212が接続され水が満たされてい
る。さらに、高圧反応容器200と間隙202の圧力を
測定する圧力センサ231、232が、それぞれ高圧反
応容器200内と間隙202内に設けられており、これ
らの測定値に基づいて水の圧力をコントロールする圧力
コントローラ215が外部に設けられている。
【0124】高圧反応容器200の反応生成物を回収す
る生成物回収装置400は、生成物を収容する反応生成
物タンク401、この反応生成物タンク401と高圧反
応容器200とを連結する生成物排出管402、および
この生成物排出管402に設けられた冷却器403と保
圧弁404からなる。
【0125】本実施例では、ポリ塩化ビニルを含むプラ
スチック廃棄物を約5mm以下に粗砕した粗砕粉を被処
理物である固体廃棄物として用いる。プラスチック廃棄
物の最大寸法は、供給管105、106中を閉塞せずに
通過できるように、供給管105、106の内径の約1
/10以下にしておくことが望ましい。ただし、スラリ
ーにするわけではないので、数十μm以下の微粉にする
必要はない。
【0126】高圧流体供給装置107から供給される高
圧流体161及び163としては空気を用いる。空気は
容易に入手でき、かつ被処理物であるプラスチック廃棄
物の酸化に有効な酸素を含むからである。空気に限られ
るものではなく、被処理物の種類等に応じて、空気、酸
素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素ガス、窒素ガス、ア
ルゴンガスまたはこれらの混合物等を適宜使用すること
ができる。
【0127】また、高圧流体161及び163として
は、気体に限られるものではなく、例えば、水、過酸化
水素、液体炭化水素またはこれらの2種以上の混合物を
用いてもよい。こうした液体を高圧流体161及び16
3として使用すると、固体廃棄物を洗い落としながら、
高圧反応容器200に供給することができ好ましい。
【0128】高圧反応容器200へ供給する反応媒体と
しては水を用いる。酸化剤としては過酸化水素水を用い
る。酸化剤を使用するのは、プラスチック廃棄物を酸化
するためである。もちろんこれに限られるものではな
く、目的とする反応や被処理物に応じて、適当な媒体を
使用することができる。
【0129】本実施例においては、高圧反応容器200
と外部容器203の間隙202に充填する保圧流体とし
て水を用いたが、特にこれに限られるものではなく、間
隙202の圧力と温度を適当に維持できるものであれば
よい。また、高圧反応容器200内の反応温度が高くな
い場合には、外部容器203を高圧反応容器200の内
部より低温に保つ必要がなく、空気、不活性ガス等の気
体を用いることもできる。
【0130】本実施例においては、チタン合金製高圧反
応容器200を用いるが、例えば、ステンレス鋼製の高
圧反応容器の内面を、チタン合金でライニングしてもよ
い。材料費の低減が可能であり好ましい。また、特にチ
タン合金に限られるものではなく、圧力、温度、塩化物
濃度などの処理条件や被処理物に応じて、高圧反応容器
の材質あるいはライニングの材質は適宜選択される。
【0131】本実施例においては、塩化物濃度が約1%
で、酸化性の雰囲気であるため、チタン合金で製造され
たあるいはライニングを施された高圧反応容器を用いる
(図16参照)。
【0132】次に、上記高圧処理装置を使用して、固体
廃棄物を処理する方法を述べる。まず、高圧反応容器2
00に固体廃棄物を供給する工程を、図1〜4を参照し
て説明する。
【0133】(a)図1に示すように、第1の往復動開
閉機102を閉にして、蓋99を開けて、大気圧条件下
で第1の固体貯留槽101に固体廃棄物を貯留する。
【0134】(b)図2に示すように、第2の往復動開
閉機104を閉、第1の開閉バルブ110を閉かつ圧力
逃し弁111を開にし、振動機117を稼動させた状態
で、第1の往復動開閉機102を開にする。
【0135】このとき、第2の往復動開閉機104と高
圧反応容器200の間の第2の供給管106に高圧流体
163を供給する第2の開閉バルブ114は開にし、高
圧流体供給装置107から高圧流体163を供給する。
高圧流体163の圧力と流量を第2の圧力制御機構11
2と第2の流量制御機構113で制御して、高圧反応容
器200内より圧力の高い流体を第2の固体貯留槽10
3側から高圧反応容器200側へ少量流すようにする。
【0136】こうして、第1の固体貯留槽101内の固
体廃棄物の一部を、第1の供給管105を通って第2の
固体貯留槽103に移動させる。振動機117の振動で
固体廃棄物の架橋形成による第1の供給管105および
第1の固体貯留槽101の出口の閉塞を防ぐことができ
る。圧力逃し弁111を開に保つことで、第1の固体貯
留槽101から第2の固体貯留槽103へ固体廃棄物を
移動させても、第2の固体貯留槽103の上部空間圧力
を第1の固体貯留槽101の上方空間圧力と等しく大気
圧に保つことができる。
【0137】さらに、第2の開閉バルブ114を開に
し、流体163の供給圧力と流量を制御することで高圧
反応容器200内の流体が被処理物供給装置100側に
入り込むことを防止する。
【0138】(c)図3に示すように、第2の往復動開
閉機104は閉のまま第1の往復動開閉機102を閉か
つ圧力逃し弁111を閉にして、第1の開閉バルブ11
0を開にする。
【0139】高圧流体供給装置107から第2の固体貯
留槽103内に流体161を供給する。流体161の供
給圧力を第1の圧力制御機構108で制御して、第2の
固体貯留槽103内の圧力が、第2の往復動開閉機10
4側から高圧反応容器200側へ第2の供給管106内
を流れる流体の圧力および高圧反応容器200内の圧力
より高くなるようにする。第2の固体貯留槽103内の
昇圧速度は第1の流量制御機構109により高圧流体の
流量を制御して調整する。
【0140】こうすることで、次の工程(d)で第2の
往復動開閉機104を開いたときに、高圧反応容器20
0内の流体や、第2の往復動開閉機104と高圧反応容
器200との間の第2の供給管106内の流体が、第2
の固体貯留槽103に入ってくることを防止できる。
【0141】また、工程(b)に引き続き、第2の開閉
バルブ114を開にし、高圧流体供給装置107から高
圧流体163を供給し続けることで、高圧反応容器20
0内の流体が被処理物供給装置100側に入ってくるこ
とを防止できる。
【0142】(d)図4に示すように、第2の往復動開
閉機104を開にし、振動機118を稼動させる。第1
の開閉バルブ110は開を保ち、高圧反応容器200内
の流体や、第2の往復動開閉機104と高圧反応容器2
00との間の第2の供給管106内の流体が、第2の固
体貯留槽103入って来ないように、高圧流体163よ
り圧力の高い高圧流体161を第2の固体貯留槽103
に供給し続ける。高圧流体161の供給圧力と流量は、
第1の圧力制御機構108と第1の流量制御機構109
で制御する。
【0143】また、工程(c)に引き続き、第2の開閉
バルブ114を開にし、高圧流体供給装置107から高
圧流体163を供給し続ける。
【0144】こうして、第2の固体貯留槽103内の固
体廃棄物を高圧反応容器200に移動させる。このと
き、振動機118の振動により、固体廃棄物が架橋形成
して第2の供給管106および第2の固体貯留槽103
の出口を閉塞することを防ぐ。
【0145】第2の固体貯留槽103内の固体廃棄物を
高圧反応容器200に供給するときには、第2の固体貯
留槽103から固体廃棄物が減少したことで生じる空隙
を何かで補わないと、高圧反応容器200内の流体が被
処理物供給装置100側に逆流する恐れがあるが、高圧
流体161、163の圧力と流量をコントロールして、
第2の固体貯留槽103側から高圧反応容器200側へ
向かって低下する圧力勾配を設けることで、高圧反応容
器200内の流体が被処理物供給装置100側へ入り込
むことを防止できる。
【0146】すなわち、第1の往復動開閉機102から
第2の往復動開閉機104までの区間内(第2の固体貯
留槽103を含む)の圧力、第2の往復動開閉機104
から高圧反応容器200に至る第2の供給管106内の
圧力、高圧反応容器200の圧力の順でわずかに低くな
るような圧力勾配を設けることで逆流を防止できる。
【0147】なお、本実施例においては、高圧反応容器
200内の圧力を30.00MPaとすると、高圧流体
供給装置107における流体の圧力は32.00MP
a、第1の圧力制御機構108と第1の流量制御機構1
09との間の配管内の流体161の圧力は約30.02
MPa、第2の圧力制御機構112と第2の流量制御機
構113との間の配管内の流体163の圧力は約30.
01MPaに設定する。これらの圧力は上記の値に限定
されるものではなく、高圧反応容器200から供給装置
100側への流体の逆流を防ぎつつ、固体廃棄物を効率
よく高圧反応容器200へ供給できるように設定すれば
よい。
【0148】(e)第2の固体貯留槽103内の固体廃
棄物を高圧反応容器200へ供給し終わったら、工程
(b)に戻り、工程(b)から(d)の手順をくり返
す。
【0149】(f)第1の固体貯留槽101内の固体廃
棄物の供給が終了したら、工程(a)に戻る。
【0150】第1の固体貯留槽101内の固体廃棄物が
すべて供給された時点でなく、第1の固体貯留槽101
内の固体廃棄物の残量が所定量を下回った時点で、工程
( a) に戻るようにしてもよい。
【0151】このようにして、高圧反応容器200に供
給された固体廃棄物は、超臨界状態の水を反応媒体とし
て酸化分解される。
【0152】高圧反応容器200には、水タンク307
と過酸化水素水タンク308から、反応媒体である水と
酸化剤である過酸化水素水とが、それぞれポンプ30
3,304で加圧され予熱器305で加熱されてから、
高圧反応容器200に供給される。
【0153】本実施例においては、高圧反応容器200
内の条件は、水の臨界点以上の温度400℃、圧力30
MPaとする。高圧反応容器200内には、加熱器を設
置していないが、反応媒体を予熱ヒータ305で昇温し
ながら供給することで、高圧反応容器内での反応を開始
させ、分解反応熱により高圧反応容器内部の温度を高く
保つことができる。
【0154】もちろん、被処理物、反応媒体、目的とす
る反応の種類等によっては、加熱器を容器内部に設置し
てもよい。また、加熱器を初期加熱のみに利用し、装置
運転中の熱源を反応物に頼ることもできる。こうした場
合には、加熱器内部に冷却用ガスを流せる構造として、
加熱器の表面の腐食を抑制することが好ましい。
【0155】高圧反応容器200内と間隙202内には
配管212を通って水が供給されている。この水の圧力
を圧力センサ231,232で測定する。測定値に基づ
いて圧力コントローラ215で、間隙202内の水の圧
力を高圧反応容器200内の圧力より0.5MPa〜5
MPa程度高く保つ。
【0156】なお、本実施例の高圧処理装置において
は、高圧反応容器200と間隙202に圧力センサ23
1、232を設けたが、容器内が高温高圧で圧力センサ
や温度センサの設置が難しいこともある。こうした場合
には、反応器内の圧力や温度を直接測定する代わりに、
反応器に供給する前の媒体と廃棄物の混合物の圧力や温
度を測定して、その値から反応器内の圧力や温度を計算
あるいは予測してもよい。
【0157】こうして、高圧反応容器200内では超臨
界で分解反応と酸化反応が起こり、プラスチック廃棄物
は最終的に水と二酸化炭素になる。生じた反応生成物は
生成物排出管402に入り、冷却器403で冷却された
後に、保圧弁404を通って分解生成物貯蔵タンク40
1へ排出される。
【0158】以上述べたように、本実施例に係る高圧処
理装置によれば、第1の固体貯留槽101内の固体廃棄
物をスラリーにすることなくまた融解することなく、高
圧反応容器200内に供給することができる。したがっ
て、特に従来困難であった、乾いた固体処理物の供給が
可能となる。
【0159】本実施例においては、第1および第2の圧
力制御機構108、112と第1および第2の流量制御
機構109、113で高圧流体供給装置107から供給
される流体の圧力と流量をコントロールして、第2の固
体貯留槽103から高圧反応容器200に固体廃棄物を
供給するに際して、第1の往復動開閉機102から第2
の往復動開閉機104までの区間内(第2の固体貯留槽
103を含む)の圧力、第2の往復動開閉機104から
高圧反応容器200に至る第2の供給管106内の圧
力、高圧反応容器200の圧力の順でわずかに低くなる
ような圧力勾配を設けている。
【0160】こうした構成により、供給装置100から
高圧反応容器200側に常に流体が流れるようにして、
高圧反応容器200から供給装置100側への流体の逆
流を確実に防止でき、装置の安全性を向上できる。
【0161】本実施例の高圧処理装置においては、容積
の大きい第1の固体貯留槽101から容積の小さい第2
の固体貯留槽103に固体廃棄物を小分けして大気圧下
で供給し、第2の固体貯留槽103から高圧反応容器2
00に高圧下で供給することをくり返す。
【0162】したがって、第1の固体貯留槽101には
耐圧機能を持たせる必要はなく、耐圧機能を要求される
部分を従来より小さくして、装置のコストを低減でき
る。また、第2の固体貯留槽103の容量を第1の固体
貯留槽101より小さくすることで、耐圧機能を持たせ
る部分を更に小さくできる。
【0163】第2の固体貯留槽103から高圧反応容器
200へ固体廃棄物を供給するのに、重力による落下を
利用することで、第2の固体貯留槽103から高圧反応
容器200へ固体廃棄物を供給する構造を簡素化でき
る。
【0164】第1の固体貯留槽101と第2の固体貯留
槽103に振動機117と振動機118をそれぞれ設置
したことで、第1の固体貯留槽101内の固体廃棄物及
び第2の固体貯留槽103内の固体廃棄物の供給時の架
橋形成による閉塞を防ぐことができる。
【0165】第1および第2の密封機構として往復動開
閉機102,104を用いたことで、固体廃棄物の広い
通過面積を確保し高圧流体の密封を確保することができ
る。
【0166】高圧反応容器200内の圧力よりも空隙2
02内の圧力の方が高く設定されているため、高圧反応
容器200には圧縮応力が作用し、割れ等の破損が起こ
りにくい。したがって、高温強度が大きくない材料でも
高耐食性であれば高圧反応容器材料として使用でき、高
圧反応容器材料の選択範囲が広がる。また、高圧反応容
器200の薄肉化も図れ、コスト軽減につながる。
【0167】高圧反応容器200を外部容器203の内
部に配設することにより、外部容器203と高圧反応容
器200間に圧力センサ232を設け高圧反応容器20
0の漏洩を検出することができる。
【0168】さらに、高圧反応容器200が割れた場合
にも、漏洩した反応物が直接外気に触れないので、装置
の安全性を高めることができる。特に、放射性廃棄物の
分解を行う場合には、汚染が外部容器203の外に拡大
することがないので、補修や交換工事が行いやすい上、
放射性廃棄物の発生を抑制するメリットがある。
【0169】高圧反応容器200あるいはその表面を廃
棄物の種類に応じて、適当な高耐食性材料で構成するこ
とにより、高圧反応容器を腐食から守り、安価で耐久性
に優れた高圧処理装置を提供することができる。
【0170】(実施例2)本実施例に係る高圧処理装置
の被処理物供給装置100の概要を図5に示す。
【0171】実施例2の処理装置は、高圧反応容器20
0を一重構造とし、被処理物供給装置100の第2の固
体貯留槽103から高圧反応容器200へ固体廃棄物を
供給するのにピストン120を利用すること以外は実施
例1の高圧処理装置と同じ構造である。
【0172】高圧反応容器200は、ステンレス鋼製で
肉厚を厚くして耐圧構造となっており、内面はチタン合
金で被覆されている。
【0173】図5に示すように、第2の往復動開閉機1
04と高圧反応容器200の間には、第2の供給管10
6内の一部を往復運動するピストン120が設けられて
いる。ピストン120の外径は、第2の供給管106の
内壁とピストン120の間に固体廃棄物が入り込まない
ような値に設定されている。
【0174】実際の処理に際しては、実施例1で述べた
工程(a)〜(d)と同様に装置を操作する。工程
(d)において、第2の固体貯留槽103から落下して
第2の供給管106に溜まった固体廃棄物を、ピストン
120を移動させて押し出し、高圧反応容器200に落
下させる。ピストン120が最後退位置(図5の向かっ
て左側が後退方向)にあるときには、第2の供給管10
6は完全に開放され固体廃棄物の広い通過面積が確保さ
れるが、ピストン120が前進するにつれて(図5の向
かって右側が前進方向)、第2の供給管106の固体廃
棄物通過面積開口は狭まり、最大前進位置にあるときに
は、第2の供給管106はピストン120で完全に閉塞
される。最大前進位置に達したピストン120は、今度
は最後退位置に向かって移動する。
【0175】この往復動作をくり返すことで、第2の固
体貯留槽103内の固体廃棄物の高圧反応容器200へ
の断続的供給を小刻みに行える。
【0176】このように、本実施例の高圧処理装置にお
いては、実施例1で得られた効果に加えて、固体廃棄物
の断続的供給を小刻みにすることでき、高圧反応容器2
00内の温度、圧力、組成など条件の変化幅をさらに小
さくでき、処理効率と安全性が向上する。
【0177】(実施例3)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図6に示す。
【0178】実施例3の処理装置は、高圧反応容器20
0を一重構造とし、被処理物供給装置100の第2の固
体貯留槽103から高圧反応容器200へ固体廃棄物を
供給するのにロータリーフィーダ122を利用し、第2
の密封機構としてボール弁131を使用し、かつ第2の
供給管106の高圧反応容器200に近い部位に冷却器
121を設けること以外は、実施例1の処理装置と同じ
構造である。
【0179】実施例2と同様に、高圧反応容器200
は、ステンレス鋼製で肉厚を厚くして耐圧構造となって
おり、内面はチタン合金で被覆されている。
【0180】図6に示すように、第2の固体貯留槽10
3と高圧反応容器200の間に、回転羽根135を有す
るロータリーフィーダ122を設ける。
【0181】ロータリーフィーダ122の下方には、第
2の密封機構としてのボール弁131を設置する。
【0182】ボール弁131の下方の第2の供給管10
6に冷却器121を設ける。冷却器121は水冷式で、
冷却水136により第2の供給管106を冷却する。
【0183】実際の処理に際しては、実施例1で述べた
工程(a)〜(d)と同様に装置を操作する。
【0184】ボール弁131を開にしてロータリーフィ
ーダ122を運転すると、第2の固体貯留槽103内の
固体廃棄物はロータリーフィーダ122の回転羽根13
5の回転により、ボール弁131を介して、高圧反応容
器200内に供給される。回転羽根135の回転速度を
制御することで、供給速度を制御できる。
【0185】このように、本実施例の処理装置において
は、ロータリーフィーダ122を用いることにより、実
施例1で得られた効果に加えて、第2の固体貯留槽10
3内の固体廃棄物を高圧反応容器200に連続的にかつ
定量的に供給でき、高圧反応容器200内の温度、圧
力、組成など条件の変化幅を更に小さくでき、処理効率
と安全性を向上できる。
【0186】第2の密封機構としてボール弁131を用
いたため、実施例1で往復動開閉機104を用いた場合
と同様に固体廃棄物の広い通過面積を確保しかつ高圧流
体の密閉を確保することができる。さらに往復動開閉機
104の往復動に必要な空間と高圧反応容器200の圧
力に逆らう駆動力が不要となり、実施例1の装置に比べ
て第2の密封機構を小型化できる。
【0187】ボール弁131を操作する時にロータリー
フィーダ122を止めることで、固体廃棄物が存在しな
い状態でボール弁131を開閉できる。したがって、固
体廃棄物のボール弁131への噛み込みの可能性を低減
できる。
【0188】さらに、冷却器121を設けることで、高
圧反応容器200側の温度が高い場合でも、冷却器12
1から第1の往復動開閉機102までの装置の温度を低
く保つことができる。本実施例のように水冷式とすれ
ば、100℃以下に保つことができる。
【0189】冷却器121から第1の往復動開閉機10
2までは、高圧がかかるので材料肉厚を厚くするが、高
温下では材料強度が低下するため、使用温度が高い部分
の材料肉厚はさらに厚くする必要がある。冷却器121
を設ければ、冷却器121から第1の往復動開閉機10
2までの部分の温度を低く保つことができ、該当部分の
材料肉厚を厚くする必要がなくなり、装置が小型化しコ
ストも低下する。また、装置構造材材料、耐圧シール材
料など使用材料の選定範囲を広げることもできる。
【0190】(実施例4)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図7に示す。
【0191】実施例4の処理装置は、被処理物供給装置
100の第1の固体貯留槽101から第2の固体貯留槽
103へ固体廃棄物を供給するのにもロータリーフィー
ダを利用し、第1の密封機構としてもボール弁を使用す
ること以外は、実施例3の処理装置と同じ構造である。
【0192】図7に示すように、第1の固体貯留槽10
1と第2の固体貯留槽103との間、および第2の固体
貯留槽103と高圧反応容器200との間に、それぞれ
ロータリーフィーダ123および122を設ける。ま
た、ロータリーフィーダ123および122の下方に
は、それぞれボール弁132および131を設ける。
【0193】本実施例においては、第1および第2の密
封機構としてボール弁を用いたので、往復動開閉機を用
いた場合と同様に固体廃棄物の広い通過面積を確保し、
かつ高圧流体の密閉を確保することができる。こうした
効果に加えて、往復動に必要な空間および第2の固体貯
留槽103加圧時の圧力あるいは高圧反応容器200の
圧力に逆らう駆動力が不要となり、第1および第2の密
封機構の小型化が可能となる。
【0194】ロータリーフィーダ123および122を
用いることにより、第1の固体貯留槽101から第2の
固体貯留槽103に供給する固体廃棄物および第2の固
体貯留槽103から高圧反応容器200に供給する固体
廃棄物を連続的にかつ定量的に供給できる。また、ボー
ル弁を操作する時に対応するロータリーフィーダを止め
ることで、固体廃棄物がない状態で対応するボール弁の
開閉ができ、固体廃棄物がボール弁へ噛み込む可能性を
低減できる。
【0195】(実施例5)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図8に示す。
【0196】実施例5の処理装置は、被処理物供給装置
100が粗砕機を具備すること以外は、実施例4の処理
装置と同じ構造である。
【0197】粗砕機124としては、インパクトクラッ
シャーを用いた。インパクトクラッシャーとは、回転す
る衝撃刃と反発板の間のくり返し衝撃により固体を粗砕
するものである[化学工学協会編「化学工学便覧改訂五
版」丸善、827ページ(1988年)]。
【0198】例えば、最大寸法約60mmの塊を含む石
炭を被処理物とするときは、第1および第2の供給管1
05、106(内径50mm)を通過させるため、石炭
をインパクトクラッシャーで最大寸法約5mm以下に粗
砕してから、第1の固体貯留槽101に貯留する。
【0199】使用済みのポリエチレンビンやゴム手袋等
の、弾性を有する物質を被処理物とするときは、インパ
クトクラッシャーのみで粗砕するのは難しい。こうした
弾性物質が低温脆性を有する場合には、断熱材で断熱さ
れた容器151に液体窒素152を入れ、そこに使用済
みのポリエチレンビンやゴム手袋を浸漬してから粗砕機
124に移し粗砕する。
【0200】本実施例においては、粗砕機124を具備
することで、実施例4で得られた効果に加えて、塊状の
固体を高圧反応容器に供給できる。また、低温脆性物質
を粗砕する場合には、断熱材で断熱された断熱容器15
1、液体窒素152および粗砕機124で構成された低
温粗砕機を使用することで効果的に被処理物を粗砕でき
る。
【0201】(実施例6)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図9に示す。
【0202】実施例6の処理装置は、被処理物供給装置
100が固体の供給速度測定装置126を具備すること
以外は、実施例4の処理装置と同じ構造である。
【0203】図9に示すように、ボール弁131と高圧
反応容器200の間の第2の供給管106には、検出板
165と衝撃荷重の測定装置166とからなる固体の供
給速度測定装置126が設けられている。
【0204】工程(d)で、ボール弁131が開となり
第2の固体貯留槽103内の固体廃棄物がロータリーフ
ィーダ122で高圧反応容器200に連続的に供給され
ると、供給管内を落下してきた固体廃棄物は、第2の供
給管106の途中に設けられた供給速度測定装置126
の検出板165に当たる。このときの衝撃荷重は、固体
廃棄物の流量に比例することが知られている[「粉体流
量の計測と制御」化学工学、第62巻、第7号、379
ページ(1998年)]。この衝撃荷重を衝撃荷重測定
装置166で電気信号に変換して、固体廃棄物の流量を
計測する。
【0205】本実施例においては、供給速度測定装置1
26を設けることで、供給速度を確認しながら固体廃棄
物を供給できる。また、高圧反応容器200に供給され
た固体廃棄物の量が求められるため、これから、第2の
固体貯留槽103内の固体廃棄物を供給し終わる時点を
検知できる。したがって、工程(e)で、第1の固体貯
留槽101から第2の固体貯留槽103への固体廃棄物
供給工程[工程(b)]あるいは第1の固体貯留槽への
固体廃棄物供給工程 [工程(a)]へ戻るタイミング
を知ることができる。
【0206】耐圧機能を要求される高圧処理装置では装
置内を監視するのが困難であるが、本実施例によれば、
固体廃棄物の供給速度を確認しながら運転でき、さらに
運転モードの切り換え時を正確に検知できる。
【0207】(実施例7)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図10に示す。
【0208】実施例7の処理装置は、被処理物供給装置
100が第1の固体貯留槽101とボール弁132との
間にも固体の供給速度測定装置127を有し、ロータリ
ーフィーダ123を具備しないこと以外は、実施例6の
処理装置と同じ構造である。
【0209】図10に示すように、固体の供給速度測定
装置127は、計量貯留槽171と重量計172からな
る。計量貯留槽171は重量計172だけに支持されて
いる。第1の固体貯留槽101の出口には上部粗粉用開
閉機構173が設けられ、計量貯留槽171の出口には
下部粗粉用開閉機構174が設けられている。
【0210】実際の測定に際しては、まず下部粗粉用開
閉機構174を含めた計量貯留槽171の風袋を重量計
172で測定しておく。下部粗粉用開閉機構174を閉
にし上部粗粉用開閉機構173を開にして、固体廃棄物
を計量貯留槽171に供給する。上部粗粉用開閉機構1
73を閉にして重量計172で重量を測定し、得られた
測定値から風袋重量を差し引いて固体廃棄物の正味重量
を求める。こうして、第2の固体貯留槽103に供給さ
れる固体廃棄物の重量を知ることができる。
【0211】このとき、重量計172の指示値を目安と
して上部粗粉用開閉機構173を閉とする時点を選べ
ば、第2の固体貯留槽103に供給する固体廃棄物の重
量をおおよそ所望の範囲に設定できる。
【0212】以上の操作をくり返すことで、供給速度測
定装置127で固体廃棄物の供給量累積値を測定して、
単位時間当たりの平均固体供給速度を求めることができ
る。こうした構成により、高圧反応容器200への固体
廃棄物の供給量をコントロールして、高圧反応容器20
0内の温度、圧力、組成など条件の変化幅を更に小さく
でき、安全性と処理効率がさらに向上する。
【0213】また、計量貯留槽171を、第1の固体貯
留槽101とボール弁132との間の耐圧機能を要求さ
れない部位に設けることで、計量貯留槽171の肉厚を
薄く軽量とし、固体廃棄物の重量測定精度を高く維持で
きる。
【0214】ロータリーフィーダを設けなくても、ボー
ル弁132を操作する時には、下部粗粉用開閉機構17
4を閉にすることで、固体廃棄物がない状態でボール弁
132の開閉ができ、固体廃棄物がボール弁132へ噛
み込む可能性を低減できる。
【0215】(実施例8)本実施例に係る処理装置の被
処理物供給装置100の概要を図11に示す。
【0216】実施例8の処理装置は、被処理物供給装置
100が高圧反応容器200へ固体を供給するスクリュ
ーフィーダ128を有すること以外は、実施例7の処理
装置と同じ構造である。
【0217】図11に示すように、ボール弁131と固
体の供給速度測定装置126との間の第2の供給管10
6にスクリュー181を有するスクリューフィーダ12
8が設けられている。
【0218】ロータリーフィーダ122の場合、回転羽
根135に囲まれた空間に保持された固体廃棄物は、ほ
とんど同時に高圧反応容器200に供給される。一方、
スクリューフィーダ128の場合は、供給口182に到
達した固体から順に、スクリュー181の回転により高
圧反応容器200に供給されていく。
【0219】したがって、スクリューフィーダ128を
用いることで、実施例7のようにロータリーフィーダ1
22だけで供給する場合に比べて、より滑らかに連続的
に固体廃棄物を供給できる。
【0220】もちろん、ロータリーフィーダ122を設
けずにスクリューフィーダ128のみで、第2の固体貯
留槽103から高圧反応容器200への固体廃棄物の供
給を行ってもよいが、本実施例のようにロータリーフィ
ーダ122も設けることで、ボール弁131への固体廃
棄物のかみ込みを効果的に防止できる。
【0221】(実施例9)本実施例に係る高圧処理装置
の被処理物供給装置100の概要を図12に示す。
【0222】実施例9の高圧処理装置は、被処理物供給
装置100が高圧反応容器200へ固体を供給する振動
フィーダ129を有すること以外は、実施例7の処理装
置と同じ構造である。
【0223】図に示すように、ボール弁131と固体の
供給速度測定装置126との間の第2の供給管106
に、振動機191を有する振動フィーダ129が設けら
れている。振動機191は斜め方向の振動を起こす。
【0224】振動フィーダ129も、スクリューフィー
ダ128と同様、供給口192に到達した固体廃棄物か
ら順に高圧反応容器200に供給する。したがって、振
動フィーダ129を用いることで、実施例7のようにロ
ータリーフィーダ122だけで供給する場合に比べて、
より滑らかに連続的に固体廃棄物の供給ができる。
【0225】また、振動フィーダ129は、実施例8記
載のスクリューフィーダ128と異なり、高圧がかかる
構造部分の壁面に軸等を貫通させる必要がないという利
点がある。
【0226】もちろん、ロータリーフィーダ122を設
けずにスクリューフィーダ128のみで、第2の固体貯
留槽103から高圧反応容器200への被処理物の供給
を行ってもよいが、本実施例のようにロータリーフィー
ダ122も設けることで、ボール弁131への固体廃棄
物のかみ込みを効果的に防止できる。
【0227】(実施例10)本実施例に係る高圧処理装
置の概要を図13に示す。
【0228】本高圧処理装置は、液体廃棄物を被処理物
とするもので、図13に示すように、耐圧性の外部容器
203の内部に配設された高圧反応容器200、この高
圧反応容器200に液体廃棄物を供給する被処理物供給
装置100、高圧反応容器200に反応媒体を供給する
媒体供給装置300および高圧反応容器200で生成さ
れた反応生成物を回収する生成物回収装置400からな
る。
【0229】本実施例の高圧反応容器200は、間隙2
02に充填する保圧流体として気体である空気を使用す
ること以外は、実施例1の高圧反応容器200と基本的
に同様の構成を有する。
【0230】すなわち、高圧反応容器200内と間隙2
02内には圧力センサ231、232が設置され、この
測定値に基づいて間隙202内の空気の圧力を所望の範
囲に制御する圧力コントローラ215が高圧反応容器2
00の外部に設けられている。
【0231】高圧反応容器200はステンレス鋼製で内
面はNi合金で被覆されている。ただし、これに限られ
るものではなく、実施例1で挙げたように、処理雰囲気
に適した材料で製造されたあるいはライニングを施され
た高圧反応容器を用いることができる。外部容器203
はステンレス鋼製で、肉厚を厚くして耐圧構造となって
いる。
【0232】高圧反応容器と外部容器の大きさの比率
は、約1:1.5である。高圧反応容器の容積の好適値
は、被処理物の種類、処理量、処理速度、分解反応の種
類等によって変動するが、本実施例では約0.01m
とする。
【0233】被処理物供給装置100は、被処理物を貯
留する被処理物供給タンク142、被処理物供給タンク
142から高圧反応容器200に接続された被処理物供
給管145、およびポンプ141からなる。本実施例で
は、従来から用いられているポンプ141を利用する
が、特にこれに限られるものではなく、安全に効率よく
高圧反応容器に被処理物を供給できればどんな供給装置
でもよい。
【0234】反応媒体供給装置200および生成物回収
装置400の基本的構成は実施例1と同様である。
【0235】本実施例においては、実施例1とは異な
り、PCBを含む液体廃棄物を被処理物とする。本実施
例では、PCBを含む廃液を対象とするが、例えば、ト
リクロロエタン、ダイオキシン等を含む廃液でもよい。
固体を微細に粉砕してから水と混合しスラリー状とした
もの、プラスチックを融解したもの等を被処理物として
もよい。
【0236】高圧反応容器200へ供給する反応媒体と
しては、実施例1と同様に水を用いる。酸化剤としては
過酸化水素水を用いる。被処理物であるPCBを含む廃
液を酸化するためである。
【0237】本実施例においては、高圧反応容器200
と外部容器203の間隙202に充填する流体として空
気を用いたが、特にこれに限られるものではなく、間隙
202の圧力を適当に維持できるものであればよい。例
えば、各種の不活性ガスが用いられる。
【0238】実際の処理に際しては、圧力コントローラ
215で、圧力センサ231、232の測定値に基づい
て、間隙202内の圧力を高圧反応容器200内の圧力
より0.5MPa〜5MPa程度高く保つ。高圧反応容
器内の温度は約500℃、圧力は約30MPaとする。
【0239】タンク142内の液体廃棄物は、ポンプ1
41で加圧され、廃棄物供給管145を経て高圧反応容
器200内に供給される。
【0240】反応媒体である水および酸化剤である過酸
化水素水は予熱器305で加温されつつ、ポンプ303
と304で高圧反応容器200内に供給される。
【0241】高圧反応容器200内では、液体廃棄物と
反応媒体が超臨界状態で反応する。本実施例において
は、被処理物としてPCB他の有機成分を含む廃液を用
い、反応媒体として水を用いるため、高圧反応容器20
0内の温度は分解反応熱により超臨界状態に保たれる。
【0242】また、高圧反応容器内の塩化物濃度は約1
000ppmであり、雰囲気は酸化性であるため、高圧
反応容器200の内面をNi合金で被覆することで、腐
食から効果的に守ることができる。
【0243】分解生成物は廃棄物排出管402に入り、
冷却器403で冷却されてから保圧弁404を通過して
分解生成物タンク401に排出される。
【0244】こうした構成により、高圧反応容器200
と外部容器203の圧力差を小さくすれば、高温強度が
大きくない材料でも高耐食性であれば高圧反応容器材料
として使用できる。また、高圧反応容器200表面を廃
棄物の種類に応じた高耐食性材料で構成することによ
り、安価で耐久性に優れた高圧処理装置を提供すること
ができる。
【0245】保圧流体として空気を使用しているため、
流体の入手が容易で装置の構造も簡素化でき、コストも
かからない。
【0246】本実施例の高圧処理装置は、廃棄物処理の
みではなく、化学物質の合成、抽出分離等にも好ましく
使用できる。例えば、二酸化炭素を超臨界媒体として化
学物質の抽出分離を行う場合には、反応温度は31℃付
近であり、高圧反応容器200内に加熱器を設置しなく
ても、反応媒体などを予熱することで反応を起こさせ続
行させることができる。生成物を冷却する必要がないと
きは、生成物回収装置に冷却器を設けなくてもよい。
【0247】もちろん、被処理物、反応媒体、目的とす
る反応の種類によっては、加熱器を高圧反応容器内部に
設置してもよい。
【0248】本実施例の高圧反応容器と実施例1〜9の
被処理物供給装置のいずれかとを組み合わせて使用する
こともできる。
【0249】(実施例11)本実施例に係る高圧処理装
置の概要を図14に示す。
【0250】実施例11の高圧処理装置は、高圧反応容
器200の内面をNi基合金で被覆し、高圧反応容器2
00内部に加熱器204を設け、高圧反応容器200と
外部容器203との間隙202を満たす保圧流体として
液体である水を使用し、冷却器206を有する水循環ラ
イン205を具備すること以外は、実施例10の高圧処
理装置と基本的に同様の構成を有する。
【0251】本実施例においても、実施例10と同様
に、被処理物を液体廃棄物とする。本実施例では、PC
Bを含む廃液を対象としたが、トリクロロエタン、ダイ
オキシン等を含む廃液でもよい。固体を微細に粉砕して
から水と混合しスラリー状としたもの、プラスチックを
融解したもの等を被処理物としてもよい。
【0252】図に示すように、高圧反応容器200内に
は、温度センサ付き加熱器204が設置されている。加
熱器204の表面はチタン合金でライニングされてい
る。
【0253】間隙202には、水循環ライン205が接
続されている。水循環ライン205は、水タンク20
7、循環ポンプ211、保圧弁213、冷却器206、
これらをつなぐ配管212、および高圧反応容器200
と間隙202の圧力を測定する圧力センサ231、23
2を有する圧力コントローラ215からなる。
【0254】高圧反応容器200と間隙202の温度を
測定する温度センサおよびこれらの温度センサの測定値
に基づいて水(保圧流体)の温度をコントロールする温
度コントローラを設けてもよい。
【0255】水循環ライン205においては、タンク2
07内の水が、ポンプ211で加圧され、間隙202内
に供給される。高圧反応容器200内と間隙202内と
の圧力を圧力センサ231,232で測定し、この測定
値に基づいて圧力コントローラ215でポンプ211の
運転状態をコントロールすることで、間隙202内の水
の圧力を高圧反応容器200内の圧力より0.5MPa
〜5MPa程度高く保つ。
【0256】間隙202内に供給された水を、水循環ラ
イン205で冷却器206により冷却しつつ循環させる
ことで、外部容器203の温度を高圧反応容器200よ
り低く保つことができる。例えば、本実施例の場合に
は、外部容器の温度が、約100℃〜200℃になるよ
うに冷却することが好ましい。
【0257】固体廃棄物等をスラリー化してから、ポン
プ141で加圧して高圧反応容器200に供給する場合
には、このタンク207からの水をスラリー化に供給し
てもよい。
【0258】高圧反応容器内の温度は約500℃、圧力
は約30MPaとする。温度は温度センサ付き加熱器2
04で維持する。
【0259】高圧反応容器200内では、液体廃棄物と
反応媒体が超臨界状態で反応する。本実施例において
は、反応媒体を超臨界状態に維持するために加熱器20
4を設けたが、加熱が必要のない反応を行う場合は、加
熱器を設置しなくてもよい。また、反応によっては、加
熱器を初期加熱のみに利用し、装置運転中の熱源を反応
物に頼ることもできる。こうした場合には、加熱器内部
に冷却用ガスを流せる構造とすることが好ましい。加熱
器運転停止時に冷却すれば、加熱器表面の腐食を抑制で
きるからである。
【0260】本装置においては、保圧流体として水を使
用し、冷却器を有する水循環ライン205を設けて循環
させることにより、外部容器203の温度を高圧反応容
器200の温度より低く保てる。したがって、液体廃棄
物の処理温度が高くても、間隙202内の温度を低下さ
せ、外部容器203の腐食を抑制させることができる。
高温強度の低い材料でも外部容器203の材料として使
用できるようになり、外部容器203の材料の選択範囲
が広がりコストも低下できる。
【0261】また、高圧反応容器200の内壁温度も容
器内部の温度より低く保たれるため、高圧反応容器20
0表面の析出防止を図り腐食条件を緩和できる。すなわ
ち、超臨界状態では金属酸化物の溶解度が非常に低いた
め、プラスチック廃棄物等を超臨界状態で処理すると、
廃棄物中の金属が塩を形成して高圧反応容器200の内
壁に析出し容器腐食の原因となりやすい。高圧反応容器
200の内壁温度が下がれば、その部分だけが超臨界状
態でなくなり金属酸化物の溶解度が上昇し、結果として
酸化物の析出を防ぐことができる。
【0262】加熱器204を高圧反応容器200の内部
に設置すれば、外部に設置する場合に比べて、加熱器2
04の表面積を小さくして、加熱器のコストを低くでき
る。
【0263】さらに、加熱器204の表面を被処理物の
種類に応じて、適当な高耐食性材料で構成することによ
り、加熱器204を腐食から守り、安価で耐久性に優れ
た高圧処理装置を提供することができる。
【0264】本実施例の高圧反応容器と実施例1〜9の
被処理物供給装置のいずれかとを組み合わせて使用する
こともできる。特に、被処理物である固体廃棄物の処理
温度が高い場合に好ましい。
【0265】(実施例12)本実施例に係る高圧処理装
置の高圧反応容器の概要を図15に示す。
【0266】実施例12の高圧処理装置は、高圧反応容
器200の外部容器203が蓋221と胴部222から
なり、高圧反応容器200がこの蓋221に着脱可能に
固定されていること以外は、実施例10の高圧処理装置
と基本的に同様の構成を有する。
【0267】図15に示すように、高圧反応容器200
の外部容器は開放可能な蓋221とスライド式胴部22
2からなる。
【0268】蓋221には、高圧反応容器200を着脱
可能に固定するための連結式サポート219が溶接され
ている。さらに、被処理物供給管145、反応媒体供給
管309、廃棄物排出管402、配管212および圧力
センサ231,232も溶接されている。
【0269】高圧反応容器200には、連結式サポート
219、廃棄物供給管145、反応媒体供給管309、
生成物排出管402および圧力センサ232が着脱可能
に固定されている。
【0270】本実施例においては、高圧反応容器200
が腐食等の損傷を受けた場合には、外部容器胴部222
を蓋221から取り外し、スライドさせて高圧反応容器
200を露出させ、蓋221に溶接された連結式サポー
ト219、被処理物供給管145、反応媒体供給管30
9、生成物排出管402および圧力センサ232を、高
圧反応容器200から取り外すことができる。したがっ
て、損傷した高圧反応容器200の補修または交換が容
易となり、実施例10の効果に加えて、装置の保守に要
するコストを大幅に低減することができる。
【0271】高圧反応容器200を胴部222に着脱可
能に固定してもよい。要は、高圧反応容器200を外部
容器203その他の構造物から取り外せる構成とすれば
よいのである。連結式サポート219、被処理物供給管
145、反応媒体供給管309、生成物排出管402、
配管212および圧力センサ231,232等も、外部
容器203から取り外し可能としてもよい。
【0272】実施例11のように、保圧流体として水等
の液体を使用し、冷却器を有する水循環ラインを設け
て、外部容器の温度を高圧反応容器の温度より低く保つ
ようにしてもよい。
【0273】また、本実施例の高圧反応容器を、実施例
1〜9記載の被処理物供給装置のいずれかと組み合わせ
てもよい。
【0274】
【発明の効果】本発明の高圧処理装置によれば、固体を
スラリーにすることなく、また融解することなく、高圧
反応容器内に断続的または連続的に供給でき、高圧反応
容器内の温度、圧力、組成など条件の変化幅を小さくす
ることができる。さらに、高圧反応容器内の流体が、被
処理物供給装置に逆流することを防止できる。また、安
全性・ 耐食性に優れた高圧反応容器を有する高圧処理装
置とこの高圧反応容器の保護方法を提供できる。
【0275】したがって、優れた処理効率と高い安全性
を有する高圧処理装置を低コストで提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図2】図1の高圧処理装置における固体供給方法を示
す模式図。
【図3】図1の高圧処理装置における固体供給方法を示
す模式図。
【図4】図1の高圧処理装置における固体供給方法を示
す模式図。
【図5】本発明の実施例2の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図6】本発明の実施例3の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図7】本発明の実施例4の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図8】本発明の実施例5の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図9】本発明の実施例6の高圧処理装置の概略を示す
模式図。
【図10】本発明の実施例7の高圧処理装置の概略を示
す模式図。
【図11】本発明の実施例8の高圧処理装置の概略を示
す模式図。
【図12】本発明の実施例9の高圧処理装置の概略を示
す模式図。
【図13】本発明の実施例10の高圧処理装置の概略を
示す模式図。
【図14】本発明の実施例11の高圧処理装置の概略を
示す模式図。
【図15】本発明の実施例12の高圧処理装置の概略を
示す模式図。
【図16】各種不動態材料の使用可能範囲を示す図。
【図17】高圧反応容器に固体材料を供給する装置の従
来例を示す図。
【図18】高圧反応容器に固体材料を供給する装置の他
の従来例を示す図。
【符号の説明】
11…フィード・スラリータンク、15…フィード・ポ
ンプ、17…抽出器、19酸化反応器、20…原料源、
25…灰分分離器、26…灰分、28…エキスパンダー
・タービン、30…出口部、51…プラスチック廃棄
物、52…溶融槽、53…溶融プラスチック、54…熱
交換パイプ、55…予熱器、56…反応器、57…ボイ
ラー、58…水蒸気、59…反応生成物、60…熱交換
器、61気液分離器、62…分離器、66…後処理器、
99…蓋、100…被処理物供給装置、101…第1固
体貯留槽、102…第1の往復動開閉機、103…第2
固体貯留槽、104…第2の往復動開閉機、105…第
1の供給管、106…第2の供給管、107…高圧流体
供給装置、108…第1の圧力制御機構、109…第1
の流量制御機構、110…第1の開閉バルブ、111…
圧力逃し弁、112…第2の圧力制御機構、113…第
2の流量制御機構、114…第1の開閉バルブ、11
7、118…振動機、120…ピストン、121…冷却
器、122、123…ロータリーフィーダ、124…粗
砕機、126、127…供給速度測定装置、128…ス
クリューフィーダ、129…振動フィーダ、131、1
32…ボール弁、135…回転羽根、136…冷却水、
141…ポンプ、142…被処理物供給タンク、145
…被処理物供給管、151…断熱容器、152…液体窒
素、161,163…流体、165…検出板、166…
衝撃荷重の測定装置、171…計量貯留槽、172…重
量計、173…上部粗粉用開閉機構、174…下部粗粉
用開閉機構、181…スクリュー、182…供給口、1
91…振動機、192…供給口、200…高圧反応容
器、202…間隙、203…外部容器、204…温度セ
ンサ付き加熱器、205…水循環ライン、206…冷却
器、207…タンク、211…循環ポンプ、212…配
管、213…保圧弁、215…圧力コントローラ、21
9…連結式サポート、221…蓋、222…胴部、23
1、232…圧力センサ、300…媒体供給装置、30
3,304…ポンプ、305…予熱器、307…水タン
ク、308…過酸化水素水タンク、309…反応媒体供
給管、400…生成物回収装置、401…生成物タン
ク、402…生成物排出管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤井 芳恵 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 斉藤 宣久 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 松林 義和 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 山口 恭志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 大村 恒雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 阿部 由美子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小原 敦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G068 AA02 AB01 AB17 AB22 AC01 AC20 AE01 AF07 AF12

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の固体貯留槽と、 前記第1の固体貯留槽に第1の連結管を介して接続され
    た第2の固体貯留槽と、 前記第2の固体貯留槽に第2の連結管を介して接続され
    た高圧反応容器と、 前記高圧反応容器内に反応媒体を供給する反応媒体供給
    手段と、 前記第1の連結管と前記第2の連結管にそれぞれ介挿さ
    れた第1の密封機構と第2の密封機構と、 前記第1の密封機構と前記第2の密封機構との間に第1
    の流体を供給する第1の流体供給機構と、 前記第2の密封機構と前記高圧反応容器との間に第2の
    流体を供給する第2の流体供給機構と、 前記第1の密封機構閉鎖時に前記第2の密封機構を開放
    するとともに前記第1の流体と前記第2の流体を制御し
    て、前記第1の密封機構と前記第2の密封機構との間の
    圧力と、前記第2の密封機構と前記高圧反応容器との間
    の圧力とが、前記高圧反応容器に向けて漸減するような
    圧力勾配を形成する圧力勾配形成手段とを有することを
    特徴とする高圧処理装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力勾配形成手段が、 前記第1の流体の圧力を調整する第1の圧力調整装置
    と、 前記第1の流体の供給量を調整する第1の流量調整装置
    と、 前記第2の流体の圧力を調整する第2の圧力調整装置
    と、 前記第2の流体の供給量を調整する第2の流量調整装置
    とを有することを特徴とする請求項1記載の高圧処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2の固体貯留槽の容積が前記第1
    の貯留槽の容積より小さいことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の高圧処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の固体貯留槽が圧力逃し弁を有
    することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載
    の高圧処理装置
  5. 【請求項5】 前記第1の密封機構より下流の前記第1
    の連結管、前記第2の固体貯留槽、前記第2の連結管、
    前記第2の密封機構および前記高圧反応容器が耐圧性で
    あることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載
    の高圧処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の固体貯留槽から前記高圧反応
    容器への固体の移動が重力によって行われることを特徴
    とする請求項1乃至5いずれか1項記載の高圧処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1の固体貯留槽および前記第2の
    固体貯留槽の少なくとも一方に振動手段を有することを
    特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の高圧処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の密封機構と前記高圧反応容器
    との間に冷却手段を有することを特徴とする請求項1乃
    至7いずれか1項記載の高圧処理装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の密封機構および第2の密封機
    構の少なくとも一方にボール弁を用いることを特徴とす
    る請求項1乃至8いずれか1項記載の高圧処理装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の固体貯留槽と前記第2の固
    体貯留槽との間および前記第2の固体貯留槽と前記高圧
    反応容器との間の少なくとも一方にロータリーフィーダ
    を有することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項
    記載の高圧処理装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の固体貯留槽に供給する固体
    を粗砕する粗砕手段を有することを特徴とする請求項1
    乃至10いずれか1項記載の高圧処理装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の固体貯留槽と前記高圧反応
    容器との間に固体の供給速度を測定する測定手段を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載
    の高圧処理装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応
    容器との間にスクリューフィーダを有することを特徴と
    する請求項1乃至12いずれか1項記載の高圧処理装
    置。
  14. 【請求項14】 前記第2の固体貯留槽と前記高圧反応
    容器との間に振動フィーダを有することを特徴とする請
    求項1乃至13いずれか1項記載の高圧処理装置。
  15. 【請求項15】 高圧反応容器と、 前記高圧反応容器を内部に配設する外部容器と、 前記高圧反応容器内に被処理物を供給する被処理物供給
    手段と、 前記高圧反応容器内に反応媒体を供給する反応媒体供給
    手段と、 前記外部容器と前記高圧反応容器との間隙内の圧力を前
    記高圧反応容器内の圧力よりも高く制御する間隙圧力制
    御手段とを有することを特徴とする高圧処理装置。
  16. 【請求項16】 前記間隙圧力制御手段が前記間隙に保
    圧流体を供給する保圧流体供給装置と、前記保圧流体の
    圧力を調整する保圧流体圧力調整装置を有することを特
    徴とする請求項15記載の高圧処理装置。
  17. 【請求項17】 前記外部容器の温度を前記高圧反応容
    器の温度より低く制御する手段を有することを特徴とす
    る請求項15または16記載の高圧処理装置。
  18. 【請求項18】 前記外部容器が胴部および開閉可能な
    蓋部からなり、前記高圧反応容器が前記外部容器に着脱
    可能に固定されていることを特徴とする請求項15乃至
    17いずれか1項記載の高圧処理装置。
  19. 【請求項19】 前記高圧反応容器が、オーステナイト
    ステンレス鋼、Ni、Zr、Ti、Ta、Au、Pt、
    これらの2種以上の合金およびこれらの1種以上と他の
    金属との合金のいずれかからなるあるいはいずれかで内
    面を被覆されていることを特徴とする請求項15乃至1
    8いずれか1項記載の高圧処理装置。
  20. 【請求項20】 前記高圧反応容器の内面に、セラミッ
    クスが溶射されていることを特徴とする請求項15乃至
    18いずれか1項記載の高圧処理装置。
  21. 【請求項21】 前記高圧反応容器内に加熱手段を設置
    することを特徴とする請求項15乃至20いずれか1項
    記載の高圧処理装置。
  22. 【請求項22】 前記加熱手段表面が、オーステナイト
    ステンレス鋼、Ni、Zr、Ti、Ta、Au、Pt、
    これらの2種以上の合金およびこれらの1種以上と他の
    金属との合金のいずれかで被覆されていることを特徴と
    する請求項21記載の高圧処理装置。
  23. 【請求項23】 前記高圧反応容器が外部容器の内部に
    配設されており、前記高圧反応容器と前記外部容器との
    間隙内の圧力を前記高圧反応容器内の圧力よりも高く制
    御する間隙圧力制御手段を有することを特徴とする請求
    項1乃至14いずれか1項記載の高圧処理装置。
  24. 【請求項24】 前記高圧反応容器内の反応媒体が、超
    臨界状態あるいは亜臨界状態であることを特徴とする請
    求項1乃至23いずれか1項記載の高圧処理装置。
  25. 【請求項25】 第1の固体貯留槽から第2の固体貯留
    槽に固体を大気圧下で供給し、前記第2の固体貯留槽か
    ら高圧反応容器に前記固体を供給するにあたり、前記第
    1の固体貯留槽と前記第2の固体貯留槽との間に第1の
    密封機構を介在させ、前記第2の固体貯留槽と前記高圧
    反応容器との間に第2の密封機構を介在させ、前記第1
    の密封機構を閉鎖し前記第2の密封機構を開放するとと
    もに、前記第1の密封機構と前記第2の密封機構との間
    の圧力と、前記第2の密封機構と前記高圧反応容器との
    間の圧力とが、前記高圧反応容器に向けて漸減する圧力
    勾配を形成することを特徴とする高圧処理装置への供給
    方法。
  26. 【請求項26】 高圧反応容器と、前記高圧反応容器を
    内部に配設する外部容器との間隙に保圧流体を満たし、 前記保圧流体を加圧して前記間隙内の圧力を前記高圧反
    応容器内の圧力よりも高く維持し、 前記保圧流体の温度と動きを制御して前記外部容器の温
    度を前記高圧反応容器の温度より低く維持することを特
    徴とする高圧処理装置の保護方法。
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