JP3437737B2 - 超臨界水反応装置 - Google Patents

超臨界水反応装置

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JP3437737B2 JP09197197A JP9197197A JP3437737B2 JP 3437737 B2 JP3437737 B2 JP 3437737B2 JP 09197197 A JP09197197 A JP 09197197A JP 9197197 A JP9197197 A JP 9197197A JP 3437737 B2 JP3437737 B2 JP 3437737B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物を含む被処
理液を超臨界水反応により処理する超臨界水反応装置に
関し、更に詳細には、処理液中の残存有機物の含有率が
低くなるように超臨界水反応の達成率を高め、かつ処理
液内の無機物の含有率が低くなるように無機物の分離率
を高めた超臨界水反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】難分解性有機物を含有する液体、例えば
濃度1%程度の高濃度で難分解性有機物を含有する廃水
を分解処理する方法として、従来、薬品酸化法、光酸化
法、直接燃焼法等の物理化学的方法が開発されている
が、実用化の面で未だ満足できる域に達していない。ま
た、別法として、温度200〜300℃、圧力150〜
200気圧の高温高圧条件下で難分解性有機物を分解反
応させる湿式酸化法が提案されている。湿式酸化法は、
エネルギー消費量が少なく、しかもNOX或いはSOX
の有害性ガスが発生しないので、難分解性有機物の有力
な処理法として注目されている。しかし、この湿式酸化
法は、有機物の分解性に限界があって、低級カルボン酸
やアンモニアが残存するために、更に後段に生物学的処
理設備が必要になるという問題があった。
【0003】そこで、難分解性の有害な有機物を含む廃
水、特に生物学的な処理が技術的に難しい物質を含む廃
水を処理する方法として、それら物質を超臨界水反応に
より酸化したり分解したりする方法が、特公平1−38
532号公報等で提案されている。超臨界水反応による
処理方法は、次のような特長を有する。第1には、水の
臨界条件、即ち臨界温度374℃及び臨界圧力220気
圧を越えた条件下の水(以下、超臨界水と称する)は、
その極性が温度と圧力により制御可能となってパラフィ
ン系や芳香族系の炭化水素等の非極性物質も溶解するこ
とができ、また酸素等の気体と任意の割合で単一相で混
在できるという有機物酸化分解用の反応媒体として極め
て優れた特性を示すこと。第2には、流体中に含まれ難
分解性の有害な有機物、塩素化合物、窒素化合物、硫黄
化合物等の超臨界水反応の反応対象物(以下、簡単に反
応対象物と言う)中に炭素が少なくとも数%含まれてい
れば、超臨界水反応の際の炭素の酸化熱だけで反応対象
物及びそれを含む流体を臨界温度以上にまで昇温可能で
あるため、所要エネルギーが少なく、熱エネルギー的に
非常に優れていること。第3には、超臨界水中で加水分
解反応や熱分解反応により殆どの難分解性有機物や有害
有機廃棄物をほぼ完全に分解できること。
【0004】環境問題に対する認識の高まりと共に、超
臨界水のこのような性質を利用した超臨界水反応によ
り、従来技術では分解することが難しかった有害な難分
解性の有機物、例えば、PCB(ポリ塩素化ビフェニ
ル)、ダイオキシン、有機塩素系溶剤等を分解して、二
酸化炭素、水、無機塩などの無害な生成物に転化するこ
とが試みられている。
【0005】超臨界水反応方法は、基本的には、図6に
示すようなフローによって実施される。反応対象物、例
えば有機物を含む流体A、酸素等の酸化剤流体B及び超
臨界水Cの各流体を、図6に示すように予め混合した混
合流体として、或いはそれぞれ別の流体として、超臨界
水反応を行う反応器、例えば管状の反応器Dに供給し、
水の超臨界条件下で対象物を酸化、分解する。流体A
は、超臨界水反応の後、処理水Eとなって反応器Dから
流出する。処理水Eは、水と、主として炭酸ガスからな
る気体、更には揮発性物質のガスを一部含む混合流体で
あって、処理液Eは、冷却された後、減圧手段Fを介し
て気液分離され、気体は大気へ放出され、水は外部に送
水される。
【0006】ところで、超臨界水反応では、有機物の分
解に伴って生じる塩酸、硫酸等の無機酸により反応器が
腐食するという問題があった。そのため、アルカリ等の
中和剤を被処理液に添加して無機酸を中和することが試
みられたが、中和反応により生じたNaCl、Na2
4などの無機塩が析出し、反応器を閉塞させるため
に、問題の解決には至らなかった。そこで、管状の反応
器に代えて、縦型の反応容器を使用し、上部に超臨界水
領域を、下部に亜臨界領域をそれぞれ形成し、超臨界水
領域で超臨界水反応を行わせると同時に、生じた無機
塩、金属等の無機物を下部の亜臨界領域に移行、再溶解
させ、亜臨界水と共に排出する方法が提案されている。
【0007】ここで、図7を参照して、従来の縦型の反
応容器を使用した超臨界水反応装置の基本的な構成を説
明する。図7に示す超臨界水反応装置10は、有機物の
分解反応中に塩が析出するタイプの超臨界水反応に適用
する装置であって、超臨界水反応を行わせる反応器とし
て耐圧密閉型の縦型反応容器12を備え、超臨界水中に
固形物として析出する塩を反応容器下部に沈降、再溶解
させる、いわゆるモダープロセス方式の装置である。図
7に示すように、反応容器12の上部には、水の臨界点
以上の条件、即ち超臨界条件が維持されている超臨界水
領域14が存在し、超臨界水領域14との仮想的界面1
6を介して反応容器12の下部には、水の臨界温度より
低い温度に維持されている亜臨界水領域18が存在して
いる。超臨界水領域14には超臨界水が、亜臨界水領域
18には亜臨界水が、それぞれ仮想的界面16を介して
滞留している。
【0008】反応容器12の上部には、流入管20が接
続され、超臨界水反応を行う流体が超臨界水領域14に
流入する。流入管20には、超臨界水反応により処理す
る有機物を有する被処理液を送入する被処理液ライン2
2、有機物を酸化させる酸化剤として空気を送入する空
気ライン24、及び、超臨界水領域に超臨界水を供給す
る超臨界水ライン26が合流している。更に、本例で
は、被処理液に含有された有機物が塩素系化合物を有
し、超臨界水反応の結果、塩素系化合物が塩酸となって
反応容器を腐食する。そこで、中和剤ライン28が被処
理液ライン22に接続され、被処理液にアルカリ中和剤
を添加し、生成する塩酸を中和するようになっている。
反応容器12の上部には、更に、処理液ライン30が接
続され、被処理液中の有機物が、超臨界水反応により、
主として水と二酸化炭素になって処理液と共に超臨界水
領域14から処理液ライン30を通って流出する。
【0009】一方、反応容器12の下部には、亜臨界水
ライン32及び亜臨界排水ライン34が接続され、亜臨
界水ライン32は亜臨界水領域18に亜臨界水を供給
し、また亜臨界排水ライン34は超臨界水反応及び中和
反応により生成した塩を溶解ないし懸濁している亜臨界
水を亜臨界水領域18から排水として排出する。
【0010】図示しないが、必要に応じて、被処理液ラ
イン22及び超臨界水ライン26には、供給する被処理
液及び超臨界水を所定の温度に昇温し、所定の圧力に昇
圧する加熱装置及び昇圧ポンプがそれぞれ設けてある。
また、本例では、図7に示すように、処理液ライン30
には、熱交換器36、減圧弁38及び気液分離器40が
設けてあって、処理液は、熱交換器36により熱を回収
されつつ所定温度に降温され、減圧弁38で減圧され、
次いで気液分離器40で大気に放出される気体と、外部
に送水される水とに分離される。減圧弁38に代えて、
処理液を減圧しつつ動力を回収する動力回収装置を設け
ても良い。また、亜臨界排水ライン34には、熱交換器
42が設けてあって、亜臨界排水から熱を回収しつつ所
定温度に冷却する。尚、図6中、44は被処理液を貯蔵
するタンクである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】縦型反応容器を使用し
た従来の超臨界水反応装置には、以下に説明するような
問題があった。第1には、被処理液中の有機物の一部が
未分解状態で処理液と共に流出し、分解率が低下すると
いう問題があって、これは、特に、被処理液の流量を増
大した場合に顕著であった。反応対象物が毒性の強い物
質、例えばPCBである場合には、処理液中に微量の未
分解物が残存していても大きな問題となる。第2には、
微粒子状の無機塩が、処理液に同伴して流出し、後段の
冷却・減圧機構で腐食や目詰まり等を引き起こす原因に
なるという問題があった。そこで、有機物の分解によっ
て生じる無機酸及び無機塩による腐食や閉塞等の問題が
なく、かつ処理液に未分解の反応対象物が残存しない超
臨界水反応装置が求められていた。
【0012】以上の問題に照らして、本発明の目的は、
未分解の有機物が処理液に同伴するようなことがなく、
かつ処理液中の無機物の含有率の低い超臨界水反応装置
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究の過程
で、従来の縦型反応容器に関わる第1及び第2の問題
は、被処理液の流入口と処理液の流出口とが共に反応容
器上部にあって、しかも双方の距離が管型の反応器に比
べて短いために、被処理液の一部が流入口からショート
パスして処理液の流出口に達し、そこから処理液と共に
流出するという現象に由来することを突き止めた。即
ち、被処理液がショートパスするために、所定の反応時
間を確保できず、未分解の反応対象物が処理液に残存
し、また無機物が被処理液或いは処理液から沈降分離す
ることなく、流出口から処理液と共に流出することを突
き止めた。ショートパスを防止するためには、被処理液
の流入口と処理液の流出口とを十分に離隔することも考
えられるが、そのためには反応容器を大きくする必要が
あり、経済的に不利になる。そこで、本発明者は、仕切
り板により超臨界水領域を区画して、被処理液のショー
トパスを防止すると共に無機物の沈降分離領域を確保す
ることを着眼し、本発明を完成するに到った。
【0014】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づき、本発明に係る超臨界水反応装置は、超臨界水が
滞留する超臨界水領域を内部に有する反応容器を備え、
有機物を含む被処理液を超臨界水領域に導入して超臨界
水内で被処理液中の有機物を分解し、処理液として流出
させる超臨界水反応装置において、反応容器は、超臨界
水が滞留する超臨界水領域を上部に、臨界温度以下の温
度で亜臨界水が滞留する亜臨界水領域を超臨界水領域に
連続して下部に有し、超臨界水領域に存在する無機物を
亜臨界水領域に沈降させる縦型容器として構成され、
切り板が、反応容器の頭部から下方に向かって反応容器
内の超臨界水領域を縦断して亜臨界水領域の上方まで垂
下し、超臨界水領域の底部で相互に連通する2個の区域
に超臨界水領域を区画し、一方の区画の上部及び他方の
区画の上部には、被処理液の流入口及び処理液の流出口
がそれぞれ設けられ、 被処理液が、下降流となって一方
の区画を流れ、次いで仕切り板の下端を経て上昇流に転
じて他方の区画を流れ、処理液となって超臨界水領域か
ら流出するに当たり、上昇流の流速が上記無機物の沈降
速度より小さくなるように他方の区画の断面積が設定さ
れていることを特徴としている。
【0015】被処理液の流入口のある区画は被処理液が
反応して処理液に転化しつつ下降する超臨界水領域の下
降流部として、処理液の流出口のある区画は生成した処
理液が上昇する超臨界水領域の上昇流部として、それぞ
れ、構成され、かつ下降流部と上昇流部とは反応容器底
部で連通する。以上のように構成された反応容器では、
超臨界水反応は下降流部及び上昇流部、特に下降流部で
進行し、無機物の沈降分離は主として上昇流部で進行す
る。本発明によれば、第1には、流入口から流出口への
被処理液のショートパスを防止して十分な反応領域を維
持し、超臨界水反応に必要な反応時間を確保できるの
で、難分解性有機物を完全に分解できる。また、第2に
は、無機物の沈降分離に必要な空間を上昇流部に確保す
ることができる。
【0016】本明細書で、超臨界水反応とは、超臨界水
内の反応又は超臨界水を媒体とした反応を意味し、例え
ば有機物を超臨界水内で酸化剤、例えば空気により酸化
分解する酸化反応、或いは超臨界水内で高分子有機物を
低分子化する還元分解反応等が例として挙げられる。こ
れらの超臨界水反応では、超臨界水が反応物、例えば有
機物と酸素とを溶解する溶媒としてのみ、すなわち反応
場としてのみ機能する場合もあり、また超臨界水が反応
物と反応する場合もあり、超臨界水が反応に寄与する態
様は、複雑でかつ様々である。また、処理液は、被処理
液中の反応対象物の分解により生成した生成物、即ち
水、炭酸ガス等の気体に加えて、反応対象物以外の被処
理液、超臨界水等を含む流体である。
【0017】仕切り板が、反応容器の頭部から下方に向
かって反応容器内の超臨界水領域を縦断して亜臨界水領
域の上方まで垂下し、超臨界水領域の底部で相互に連通
する2個の区域に超臨界水領域を区画できる限り、仕切
り板の形状に制約はない。例えば、実用的には、仕切り
板が、反応容器の頭部から下方に向かって反応容器内を
縦断するように底部上方の所定位置まで垂下する平板状
の板状体で形成されていても良く、反応容器の頭部から
下方に向かって反応容器内を縦断するように底部上方の
所定位置まで垂下する筒状体で形成されていても良い。
【0018】無機物の生成が多い場合にも、また少ない
場合にも、本発明は適用できる。
【0019】無機物が多い場合には、超臨界水領域から
下方の亜臨界水領域に移行した無機物を溶解した溶液及
び/又は無機物を懸濁させた懸濁液を流出させる抜き出
し管を亜臨界水領域に設ける。
【0020】無機物が少ない場合には、反応容器は、そ
の底部に、逆円錐形状に形成された抜き出し部と、抜き
出し部の底から無機物を抜き出す抜き出し機構と、臨界
温度以下の亜臨界水を注入する注入設備とを有し、亜臨
界水注入設備により間欠的に亜臨界水を底部に注入し
て、反応容器底部に堆積した無機物を抜き出し機構から
抜き出すようにする。
【0021】本発明の縦型反応容器に設ける仕切り板の
長さは、下降流部の容積と上昇流部の容積との和、すな
わち反応容器の断面積と仕切り板の長さとの積が、超臨
界水反応の完結までの所要反応時間を確保するのに必要
な被処理液の滞留時間と被処理液の流量の積以上になる
ように設定する。また、下降流部と上昇流部とを連通さ
せる連通部での超臨界水領域の断面積は、通過する流体
の流速を考慮して定める。無機物の分離効率を高めるた
めに、上昇流部では、流体の上昇速度が無機物の沈降速
度より小さくなるように上昇流部の断面積を設定する。
所要反応時間は、反応対象物、即ち有機物の種類、含有
率等によって異なり、また無機物の沈降速度は無機物の
種類、粒度分布及び上昇流部を上昇する流体の性状等に
よって異なるので、実績データ、或いは実験等により定
める。また、本発明の管状反応容器の縦型管部及び連結
管部の寸法は、上述した縦型反応容器の寸法決定の原則
に準じて定められる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
例を挙げて、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。実施例1 本実施例は本発明に係る超臨界水反応装置(以下、簡単
に反応装置と言う)の実施例であって、図1(a)は本
実施例で使用する反応容器の構成を示す模式的縦断面
図、図1(b)は図1(a)の矢視I−Iでの横断面図
である。図1から後述の図5に示す機器等のうち、図7
と同じものには同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施例の反応装置で使用する反応容器50は、耐蝕性
金属で形成された縦型の反応容器であって、図1(a)
及び(b)に示すように、上部に超臨界水領域14を、
仮想的界面16を介して下部に亜臨界水領域18をそれ
ぞれ形成するようになっている。反応容器50では、平
板状の仕切り板52が反応容器50の頭部54から仮想
的界面16の上方まで垂下している。これにより、超臨
界水領域14は、縦方向に区画された2個の区画56、
58と、仕切り板56と仮想的界面16との間にあっ
て、2個の区画56と58とを相互に連通させる連通部
59とに区画される。一方の区画56の上部及び他方の
区画58の上部には、それぞれ、流入管20及び処理液
ライン30が接続されている。
【0023】流入管20が接続された一方の区画56
は、流入管20によって導入された被処理液が超臨界水
内で反応して処理液を生成しつつ下降する下降流部56
として構成されている。他方の区画58は、下降流部5
6を下降した反応中の被処理液及び処理液が連通部59
を通過して上昇し、処理液となって処理液ライン30か
ら流出する上昇流部58として構成されている。反応容
器50の底部に形成された亜臨界水領域18には、従来
と同様に、亜臨界水ライン32及び亜臨界排水ライン3
4が接続されている。
【0024】本実施例の反応容器50では、反応容器5
0の断面積及び仕切り板52の長さは、超臨界水反応に
必要な被処理液の滞留時間を十分に確保するように設定
され、また、上昇流部58の横断面積は、上昇流部58
を上昇する流体の流速が微粒子の沈降速度より小さくな
るように設定されている。反応容器50を使って有機物
としてトリクロロエチレンを超臨界水反応により処理す
る場合、例えば、仕切り板の長さは800mm、下降流部
58での流体の下降速度は0.033m/sec 、連通部
62での流体の通過速度は0.016m/sec 、上昇流
部58での流体の上昇速度は0.033m/sec とし
た。
【0025】以上の構成により、下降流部56、連通部
59及び上昇流部58の領域が完全に超臨界水反応の反
応領域として機能するので、被処理液中の有機物は、被
処理液が下降流部56を下降している間に、酸化ないし
分解され、更に、僅かに残っている未反応の有機物は、
連通部59を通過し、上昇流部58を上昇している間に
完全に反応して、未反応の有機物は被処理液から消滅す
る。一方、被処理液中の有機物から生成した無機物の固
体微粒子は、被処理液及び処理液と共に下降流部56を
下降してそのまま亜臨界水領域に移行する。移行しなか
った残りの微粒子は、流体に同伴して上昇流部58を上
昇する間に沈降分離して亜臨界水領域に移行する。よっ
て、処理液中の固体微粒子の含有率は、従来の反応装置
に比べて、極めて低い。
【0026】実施例2 本実施例は本発明に係る反応装置の別の実施例であっ
て、図2(a)は本実施例で使用する反応容器の構成を
示す模式的縦断面図、図2(b)は図1(a)の矢視II
−IIでの横断面図である。本実施例の反応装置に設けた
反応容器60は、実施例1の平板状の仕切り板に代え
て、反応容器60の頭部64から仮想的界面16の上方
まで垂下する円筒状の仕切り筒62を有する。仕切り筒
62により、超臨界水領域14は、縦方向に区画された
内側の区画66と外側の区画68、仕切り筒62と仮想
的界面16との間にあって、内側の区画66と外側の区
画68とを相互に連通させる連通部69とに区画され
る。区画66は仕切り筒62の内側の筒状部として区画
され、区画68は仕切り筒62と反応容器60の壁との
間の環状部として区画される。筒状部の区画66の上部
及び環状部の区画68の上部には、それぞれ、流入管2
0及び処理液ライン30が接続されている。流入管20
が接続された筒状部の区画66は、流入管20によって
導入された被処理液が超臨界水内で反応して処理液を生
成しつつ下降する下降流部66として構成されている。
環状部の区画68は、下降流部66を下降した反応中の
被処理液及び処理液が連通部69を通過して上昇し、処
理液となって処理液ライン30から流出する上昇流部6
8として構成されている。
【0027】以上の構成により、反応容器60を備えた
実施例2の反応装置は、実施例1と同様の効果を奏す
る。
【0028】参考例1 本参考例は本発明に係る反応装置の参考例であって、図
3は本参考例で使用する反応容器の構成を示す模式図で
ある。本参考例の反応装置に設けた反応容器70は、上
下に延びる2本の管体72、74と、2本の管体72、
74を下部で相互に連結する連結管76とからなるU字
管により形成されている。一方の管体72の上部及び他
方の管体74の上部には、それぞれ、流入管20及び処
理液ライン30が接続されている。連結管76の下部に
は亜臨界水領域18が形成され、その上に超臨界水領域
14との仮想的な界面16が存在する。仮想的界面16
上の連結管76の上部及び2本の管体72、74の管内
には、超臨界水領域14が形成されている。一方の管体
72の管内は、流入管20によって導入された被処理液
が超臨界水内で反応して処理液を生成しつつ下降する下
降流部72として構成されている。他方の管体74の管
内は、下降流部76を下降した反応中の被処理液及び処
理液が連通部76の超臨界水領域14を通過して上昇
し、処理液となって処理液ライン30から流出する上昇
流部74として構成されている。
【0029】以上の構成により、反応容器70を備えた
参考例1の反応装置は、実施例1と同様の効果を奏す
る。
【0030】実施例3 本実施例は本発明に係る反応装置の更に別の実施例であ
って、図4は本実施例の反応装置の構成を示すフローシ
ートである。本実施例の反応装置80は、比較的無機物
の生成量が少ないタイプの有機物の超臨界水反応に適用
する装置であって、定常時には縦型反応容器の下部に亜
臨界水領域を形成せず、無機物の抜き出し時に亜臨界水
を注入するようにしたことを除いて、本実施例の反応装
置80の構成は、実施例1の反応装置の構成と同じであ
って、実施例1と同じ効果を奏する。反応容器82は、
その内部が、実施例1と同様に、平板状の仕切り板52
によって、下降流部56と、上昇流部58と、反応容器
82の下部で下降流部56と上昇流部58とを相互に連
通する連通部59とに区画されている。連通部59の下
方に位置する反応容器82の底部84は、無機物蓄積領
域として逆円錐形に形成されている。底部84の上部に
は亜臨界水注入ライン86が、底部84の最下部には無
機物排出ライン88がそれぞれ接続されている。本反応
装置80では、反応容器82の底部84に無機物が蓄積
した時点で、亜臨界水注入ライン86から亜臨界水を無
機物蓄積領域に注入し、亜臨界水と共に無機物を無機物
排出ライン88から排出する。
【0031】実施例4 本実施例は、実施例3の改変例であって、図5は本実施
例で使用する反応容器の構成を示す模式的断面図であ
る。本実施例の反応装置は、実施例と同様に、比較的
無機物の生成量が少ないタイプの有機物の超臨界水反応
に適用する装置であって、定常時には縦型反応容器の下
部に亜臨界水領域を形成せず、無機物の抜き出し時に亜
臨界水を注入するようにしたことを除いて、本実施例の
反応装置の構成は、実施例2の反応装置の構成と同じで
あって、実施例2と同じ効果を奏する。本実施例の反応
装置に設けた反応容器92は、その内部が、実施例2と
同様に、円筒状の仕切り筒62によって、下降流部66
と、上昇流部68と、反応容器92の下部で下降流部6
6と上昇流部68とを相互に連通する連通部69とに区
画されている。連通部69の下方に位置する反応容器9
2の底部94は、実施例と同様に、無機物蓄積領域と
して逆円錐形に形成されている。底部94の上部には亜
臨界水注入ライン86が、底部94の最下部に無機物排
出ライン88が接続されている。本反応装置では、反応
容器92の底部94に無機物が蓄積した時点で、亜臨界
水注入ライン86から亜臨界水を無機物蓄積領域に注入
し、亜臨界水と共に無機物を無機物排出ライン88から
排出する。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、反応容器を縦型容器と
して構成し、反応容器の頭部から下方に向かって底部上
方の所定位置まで垂下する仕切り板によって、底部で相
互に連通する2個の区域に反応容器内部を区画し、一方
の区画の上部及び他方の区画の上部には、被処理液の流
入口及び処理液の流出口をそれぞれ設けることにより、
処理液中の未反応有機物及び無機物の含有率を極めて低
くしている。また、別の発明では、上下に延びる2本の
縦型管部と、2本の縦型管部をそれぞれの下部で相互に
連結する連結管部とからなるU字状の管状反応容器とし
て、反応容器を構成し、一方の管部の上部及び他方の管
部の上部には、被処理液の流入口及び処理液の流出口そ
れぞれ設けることにより、処理液中の未反応有機物及び
無機物の含有率を極めて低くしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の超臨界水反応装置に設ける反応容器
の構成を示す模式的断面図である。
【図2】実施例2の超臨界水反応装置に設ける反応容器
の構成を示す模式的断面図である。
【図3】参考例1の超臨界水反応装置に設ける反応容器
の構成を示す模式的断面図である。
【図4】実施例の超臨界水反応装置の構成を示すフロ
ーシートである。
【図5】実施例の超臨界水反応装置に設ける反応容器
の構成を示す模式的断面図である。
【図6】超臨界水反応のフローを説明する概念図であ
る。
【図7】従来の超臨界水反応装置の構成を示すフローシ
ートである。
【符号の説明】
10 従来の超臨界水反応装置 12 縦型反応容器 14 超臨界水領域 16 仮想的界面 18 亜臨界水領域 20 流入管 22 被処理液ライン 24 空気ライン 26 超臨界水ライン 28 中和剤ライン 30 処理液ライン 32 亜臨界水ライン 34 亜臨界排水ライン 36 熱交換器 38 減圧弁 40 気液分離器 42 熱交換器 44 タンク 50 反応容器 52 平板状の仕切り板 54 頭部 56 区画、下降流部 58 区画、上昇流部 59 連通部 60 反応容器 62 仕切り筒 64 頭部 66 区画、下降流部 68 区画、上昇流部 69 連通部 70 反応容器 72、74 管体 76 連結管 80 反応装置 82 反応容器 84 底部 86 亜臨界水注入ライン 88 無機物排出ライン 92 反応容器 94 底部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−130198(JP,A) 特開 昭53−1957(JP,A) 特公 昭51−34387(JP,B1) 特表 平3−500264(JP,A) 米国特許5421998(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/74 B01J 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界水が滞留する超臨界水領域を内部
    に有する反応容器を備え、有機物を含む被処理液を超臨
    界水領域に導入して超臨界水内で被処理液中の有機物を
    分解し、処理液として流出させる超臨界水反応装置にお
    いて、 反応容器は、超臨界水が滞留する超臨界水領域を上部
    に、臨界温度以下の温度で亜臨界水が滞留する亜臨界水
    領域を超臨界水領域に連続して下部に有し、超臨界水領
    域に存在する無機物を亜臨界水領域に沈降させる縦型容
    器として構成され、仕切り板が、反応容器の頭部から下方に向かって反応容
    器内の超臨界水領域を縦断して亜臨界水領域の上方まで
    垂下し、超臨界水領域の底部で相互に連通する2個の区
    域に超臨界水領域を区画し、 一方の区画の上部及び他方の区画の上部には、被処理液
    の流入口及び処理液の流出口がそれぞれ設けられ、 被処理液が、下降流となって一方の区画を流れ、次いで
    仕切り板の下端を経て上昇流に転じて他方の区画を流
    れ、処理液となって超臨界水領域から流出するに当た
    り、上昇流の流速が上記無機物の沈降速度より小さくな
    るように他方の区画の断面積が設定されている ことを特
    徴とする超臨界水反応装置。
  2. 【請求項2】 仕切り板が、反応容器の頭部から下方に
    向かって反応容器内の超臨界水領域を縦断して亜臨界水
    領域の上方まで垂下する平板状の板状体で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の超臨界水反応装
    置。
  3. 【請求項3】 仕切り板が、反応容器の頭部から下方に
    向かって反応容器内の超臨界水領域を縦断して亜臨界水
    領域の上方まで垂下する筒状体で形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の超臨界水反応装置。
  4. 【請求項4】 臨界水領域から下方の亜臨界水領域に
    移行した無機物を溶解した溶液及び/又は無機物を懸濁
    させた懸濁液を流出させる抜き出し管を亜臨界水領域に
    設けたことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれ
    か1項に記載の超臨界水反応装置。
  5. 【請求項5】 反応容器は、縦型反応容器の底部に逆円
    錐形状に形成された抜き出し部と、抜き出し部の底から
    無機物を抜き出す抜き出し機構と、臨界温度以下の亜臨
    界水を注入する注入設備とを有し、 亜臨界水注入設備により間欠的に亜臨界水を底部に注入
    して、反応容器底部に堆積した無機物を抜き出し機構か
    ら抜き出すようにしたことを特徴とする請求項1から
    のうちのいずれか1項に記載の超臨界水反応装置。
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